JP4165093B2 - 車両 - Google Patents

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に関し、詳しくは、電動機からの動力を用いて走行可能な車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両としては、駆動輪の車軸に動力を入出力する電動機を備えるものが提案されている。この車両では、アクセルペダルの踏み込み量あるいはブレーキペダルの踏み込み量と電動機の回転数とに基づいて電動機から出力すべきトルクの指令値としてのトルク指令を算出し、この算出されたトルク指令に応じたトルクが電動機から出力されるように電動機を駆動制御している。ここで、電動機のトルク指令を算出する際には、電動機の回転数に相当する信号からトランスアスクルの振動(アクセル応答に伴う寄生振動)などに起因する振動成分を抑制するため、なまし処理を行なうのが通常である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
こうした車両においては、前述のなまし処理により電動機の回転数の測定に遅れが生じトルク指令の演算に遅れが生じる。即ち、トルク指令の演算は実際の電動機の回転数ではなくそれ以前の電動機の回転数に基づいて行なわれることになるから、例えば、車両のスリップ時のように電動機の回転数が急激に変化する状況では、電動機から意図しない過大なトルクが出力される場合があるという問題があった。こうした状況は、電動機に電力供給する二次電池の過放電を招き、二次電池から電動機に至る電気系統のシステムに悪影響を与えるおそれもある。
【0004】
本発明の車両は、こうした問題を解決し、電動機から駆動輪に動力を伝達する駆動軸の回転速度に急激な変化が生じたときでもより適切に電動機の出力を制御することを目的の一つとする。
【0005】
なお、本出願人は、電気自動車の駆動輪のスリップ時に走行用の電動機の出力を制限する技術を特願平8−229682号に提案している。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の車両は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の第1の車両は、
電動機からの動力を用いて走行可能な車両であって、
前記電動機から前記車両の駆動輪に動力を伝達する駆動軸の回転加速度を測定する加速度測定手段と、
該測定された回転加速度に応じて該電動機の出力変化の許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、
前記電動機の出力変化が前記許容範囲設定手段により設定された許容範囲内となるよう前記電動機を駆動制御する制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の第1の車両では、許容範囲設定手段が、駆動軸の回転加速度を測定する加速度測定手段により測定された回転加速度に応じて電動機の出力変化の許容範囲を設定し、制御手段が、電動機の出力変化が許容範囲設定手段により設定された許容範囲内となるよう電動機を駆動制御する。すなわち、駆動軸の回転加速度に応じて電動機の出力変化の許容範囲が設定されるから、駆動軸の回転加速度に応じてより適切に電動機の出力を制御することができる。
【0009】
こうした本発明の第1の車両において、前記許容範囲設定手段は、前記回転加速度が大きいほど前記許容範囲を狭く設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の回転加速度が小さいときには電動機の大きな出力変化を許容し、電動機の回転加速度が大きいときには電動機の大きな出力変化を許容しないから、駆動軸の回転速度の変化が小さいときの電動機の出力の応答性能を確保しつつも駆動軸の回転速度の急激な変化に対して適切に電動機からの出力を制御することができる。
【0010】
あるいは、本発明の第1の車両において、前記許容範囲設定手段は、前記回転加速度が所定の閾値を超えたときに前記許容範囲を狭く設定する手段であるものとすることもできる。この態様の本発明の車両において、前記許容範囲設定手段は、前記回転加速度が前記所定の閾値を超えたときに前記許容範囲を略零に設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸の回転速度の急激な変化に対してモータからの過度な出力をより確実に防止することができる。また、本発明の車両において、前記所定の閾値は、前記駆動輪がスリップ状態にあると予測される回転加速度であるものとすることもできる。
【0011】
また、上記各態様の本発明の第1の車両において、前記制御手段は、前記電動機がトルク指令に相当するトルクを出力すると該電動機の出力変化が前記許容範囲外となるとき、前記電動機の出力変化が該許容範囲内となるよう前記トルク指令を修正して前記電動機を駆動制御する手段であるものとすることもできる。
【0012】
本発明の第2の車両は、
電動機からの動力を用いて走行可能な車両であって、
前記車両の駆動輪のスリップの有無を検出するスリップ検出手段と、
該スリップ検出手段により前記駆動輪のスリップが検出されたとき、該スリップ前後の前記電動機の出力変化が所定の許容範囲内となるよう前記電動機を駆動制御する制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0013】
この本発明の第2の車両では、車両の駆動輪のスリップの有無を検出するスリップ検出手段により駆動輪のスリップが検出されたとき、制御手段が、スリップ前後の電動機の出力変化が所定の許容範囲内となるよう電動機を駆動制御する。即ち、駆動輪がスリップしているときの電動機の出力変化に制限を加えることにより、駆動輪のスリップに起因して電動機に過大な出力がなされるのを防止することができる。
【発明の他の態様】
本発明は、上述の態様の他、以下の態様をとることも可能である。
【0014】
第1の態様は、
電動機からの動力を用いて走行可能な車両における該電動機を駆動制御する方法であって、
前記電動機からの前記車両の駆動力に動力を伝達する駆動軸の回転加速度を測定し、
該測定された回転加速度に応じて該電動機の出力変化の許容範囲を設定し、
前記電動機の出力変化が前記設定された許容範囲内となるよう該電動機を駆動制御する
ことを要旨とする。
【0015】
第2の態様は、
電動機からの動力を用いて走行可能な車両における該電動機を駆動制御する方法であって、
前記車両の駆動輪のスリップの有無を検出し、
前記駆動輪のスリップが検出されたとき、該スリップ前後の前記電動機の出力変化が所定の許容範囲内となるよう前記電動機を駆動制御する
ことを要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である車両20の構成の概略を示す構成図である。実施例の車両20は、図示するように、ディファレンシャルギヤ42を介して駆動輪46,47に動力を入出力するモータ22と、このモータ22との間で電力をやりとりするバッテリ24と、バッテリ24からの電力をモータ22の駆動に適した電力に変換してモータ22に出力するインバータ26と、インバータ26の駆動制御することによりモータ22を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)30、装置全体をコントロールする車両用電子制御ユニット(以下、車両ECUという)50とを備える。
【0017】
モータ22は、例えば、外表面に永久磁石が貼り付けられたロータと、三相コイルが巻回されたステータとからなるPM型の同期発電電動機として構成されている。モータ22の駆動軸23はディファレンシャルギヤ42を介して駆動輪46,47の車軸44に接続されており、モータ22の駆動より車両20の推進力を得ることができる。また、モータ22は発電電動機として構成されているから、車両20の制動動力を利用してモータ22に動力を入力すれば、モータ22により発電することができる。
【0018】
インバータ26は、6つのスイッチング素子から構成されている。この6つのスイッチング素子は、バッテリ24からの電力ラインにおける正負極母線に対してソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置されており、各ペアにおけるスイッチング素子同士の接続点にモータ22の三相コイルの各々が接続されている。したがって、各々対をなすスイッチング素子のオン時間の割合を制御することにより、モータ22の三相コイルに回転磁界を形成でき、モータ22を回転駆動することができる。
【0019】
バッテリ24は、例えば、リチウムイオン系やニッケル水素系などの充放電可能な二次電池として構成されている。
【0020】
モータ22の駆動制御を担うモータECU30は、CPU32を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU32の他に処理プログラムを記憶したRAM34と、一時的にデータを記憶するROM36と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。このモータECU30には、モータ22の駆動軸23の回転角を検出する回転角センサ60からのモータ22の回転角θや図示しない電流センサからのモータ22の三相コイルの各相に流れる各相電流,図示しない電流センサからのバッテリ24を流れる充放電電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU30からは、インバータ26のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU30は、車両ECU50と通信しており、車両ECU50からの制御信号(例えば、トルク指令などの信号)に基づいてモータ22を駆動制御すると共に必要に応じてモータ22の運転状態に関するデータを車両ECU40に出力する。
【0021】
車両ECU50も、図示しないがCPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に処理プログラムを記憶したROM,一時的にデータを記憶するRAM,入出力ポートおよび通信ポートを備える。この車両ECU40には、駆動輪46,47の車輪速を検出する車輪速センサ66,67からの車輪速Vr,Vl,アクセルペダル61の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ62からのアクセルペダルポジションAP,ブレーキペダル63の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ64からのブレーキペダルポジションBPなどが入力ポートを介して入力されている。
【0022】
こうして構成された実施例の車両20の動作、特に、モータECU30によりモータ22を駆動制御する際の動作について説明する。図2は、実施例の車両20のモータECU30により実行されるモータ駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
【0023】
モータ駆動制御ルーチンが実行されると、モータECU30のCPU32は、まず、車両ECU50により演算され通信により入力されたモータ22のトルク指令T*,回転角センサ60からのモータ22の回転角θを読み込む処理を行なう(ステップS100)。ここで、モータ22のトルク指令T*の演算は、アクセルペダルポジションセンサ62により検出されたアクセルペダルポジションAPとブレーキペダルポジションセンサ64により検出されたブレーキペダルポジションBPと回転角センサ60により検出された回転角θに基づいて算出されるモータ22の回転数N(あるいは、車輪速センサ66,67により検出された車輪速Vr,Vlに基づいて算出されるモータ22の回転数N)とに基づいて車両ECU40によって行なわれ、実施例では、アクセルペダルポジションAPとブレーキペダルポジションBPと回転数Nとトルク指令T*との関係を実験などにより求めてマップとして車両用ECU50のROMに記憶しておき、アクセルペダルポジションAPとブレーキペダルポジションBPと回転数Nとが与えられるとマップから対応するモータ22のトルク指令T*が導出されるものとした。このマップの一例を図3に示す。
【0024】
続いて、読み込んだモータ22の回転角θを微分して得られる角速度からモータ22の回転数Nを計算し(ステップS102)、計算された回転数Nを微分してモータ22の回転加速度AXを計算する(ステップS104)。回転角θの微分は、実際には読み込んだ回転角θと前回のルーチンで読み込んだ前回回転角θとの偏差を本ルーチンの実行時間間隔Δtで除することにより行なうものとし、回転数Nの微分は、今回のルーチンで計算された回転数Nと前回のルーチンで計算された回転数Nとの偏差を本ルーチンの実行時間間隔Δtで除することにより行なうものとした。モータ22の回転加速度AXが計算されると、この回転加速度AXに基づいて許容できるモータ22の出力Pの変化率dP/dtの上限値U(正の出力すなわち駆動出力の変化率の上限値)と下限値L(負の出力すなわち回生出力の変化率の上限値)を設定する処理を行なう(ステップS106)。この処理は、許容できるモータ22の出力の変化率dP/dtの範囲(許容範囲)を設定する処理である。実施例では、モータ22の回転加速度AXとモータ22の出力変化率dP/dtの上限値Uと下限値Lとの関係を実験などにより求めてマップとしてROM36に記憶しておき、回転加速度AXが与えられるとマップから対応する上限値Uと下限値Lを導出するものとした。このマップの一例を図4に示す。このマップでは、図4に示すように、回転加速度AXの絶対値が大きくなるほど許容範囲(上限値Uと下限値Lとの間隔)が狭くなるように設定されている。この理由を以下に説明する。
【0025】
車両用ECU50では、アクセルペダルポジションAP(ブレーキペダルポジションBP)と回転数Nとに基づいてモータ22のトルク指令T*を算出する際、回転数Nに相当する信号から通常トランスアスクルの振動(アクセル応答に伴う寄生振動)などの振動成分を抑制するためなまし処理が行なわれる。このなまし処理を行なうと、その分回転数Nの入力が遅れ車両用ECU50でのトルク指令T*の演算が遅れるから、トルク指令T*は若干の遅れを伴ってモータECU30に入力されることになる。このため、例えば、図5に示すように、車両20の駆動輪46,47がスリップした場合などのようにモータ22の回転軸23の回転数Nが値N0から値N1へと急上昇した場合、アクセルペダルポジションAP(ここでは、75%)と回転数Nとに応じて導出されるトルク指令T*は、なまし処理による回転数Nの入力の遅れにより、本来回転数N1に対応する値T1であるべきにも拘わらず回転数N0近傍に対応する値T0近傍として導出されることがある。この結果、この値T0近傍をトルク指令としてモータECU30に出力してモータ22を制御したとき、モータ22から過大な動力が出力されてしまう。同時にバッテリ24も過放電するから例えばバッテリ24自体の寿命や図示しないバッテリ24とインバータ26とを継断するリレーなどに悪影響を与えてしまう。これら影響は、回転数Nの変化が大きくなるほど、即ち回転加速度AXが大きくなるほど大きなものとして現われる。したがって、回転加速度AXが大きくなるほどモータ22の出力変化率dP/dtの許容範囲を狭く設定し、モータ22の出力の変化率dP/dtをこの許容範囲内に強制的に制限することにより、モータ22の過出力やバッテリ24の過放電を防止できるのである。
【0026】
こうしてモータ22の出力変化率dP/dtの上限値Uと下限値Lが設定されると、この上限値Uと下限値Lとから許容できるモータ22のトルクの上限値TUrefと下限値TLrefとを設定する処理を行なう(ステップS108)。以下に、上限値TUrefと下限値TLrefとを設定する処理について説明する。
【0027】
いま、モータ22の出力をP,モータ22のトルク指令をT*,モータ22の駆動軸23の回転数をNとすると、モータ22の出力Pは次式(1)で示される。
【0028】
P=T*×N (1)
【0029】
式(1)を時間tで微分すると、次式(2)を得る。
【0030】
dP/dt=T*×dN/dt+N×dT*/dt (2)
【0031】
一方、モータ22の出力変化率dP/dtは、ステップS106で設定された上限値Uと下限値Lとの間の許容範囲内に収まればよいから、次式(3)が成立する。
【0032】
L≦dP/dt≦U (3)
【0033】
式(3)に式(2)を代入すると次式(4)を得る。
【0034】
L≦T*×dN/dt+N×dT*/dt≦U (4)
【0035】
これを変形すると、次式(5)を得る。
【0036】
(L−T*×dN/dt)/N≦dT*/dt≦(U−T*×dN/dt)/N (5)
【0037】
ここで、例えば、前回のルーチンで読み込まれたトルク指令を前回T*とし、本ルーチンの実行の時間間隔をΔtとすると、式(5)から次式(6)を得る。
【0038】
前回T*+Δt・(L−前回T*×AX)/N≦T*≦
前回T*+Δt・(U−前回T*×AX)/N (6)
【0039】
従って、式(6)によりモータ22のトルクの上限値TUrefと下限値TLrefは、次式(7),(8)のように設定することができる。
【0040】
TUref=前回T*+Δt・(U−前回T*×AX)/N (7)
TLref=前回T*+Δt・(L−前回T*×AX)/N (8)
【0041】
こうしてモータ22のトルク指令の上限値TUrefと下限値TLrefとが設定されると、ステップS100で読み込んだトルク指令T*が上限値TUrefと下限値TLrefとにより定まる許容範囲に収まるか否かを判定し(ステップS110)、収まると判定されたときにはトルク指令T*の修正は必要ないと判断し読み込んだトルク指令T*でモータ22を駆動制御して(ステップS116)本ルーチンを終了する。一方、読み込んだトルク指令T*が下限値TLref未満であると判定されたときには、トルク指令T*を下限値TLrefに修正し(ステップS112)、トルク指令T*が上限値TUrefを超えると判定されたときには、トルク指令T*を上限値TUrefに修正し(ステップS114)、各々修正されたトルク指令T*でモータ22を駆動制御して(ステップS116)本ルーチンを終了する。モータ22の駆動制御は、具体的には、モータ22のトルク指令T*からモータ22の三相コイルの各相に印加すべき電流指令を演算し、この電流指令と前述の図示しない電流センサにより検出されたモータ22の三相コイルの各相電流とに基づいてモータ22の三相コイルの各相に印加すべき電圧指令を演算し、電圧指令に基づいてインバータ26のスイッチング素子を駆動するPWM制御信号を生成してインバータ26に出力することにより行なわれる。
【0042】
以上説明した実施例の車両20によれば、モータECU30は、モータ22の出力変化率dP/dtがモータ22の駆動軸23の回転加速度AXに応じて設定された上限値Uと下限値Lとから定まる許容範囲内に収まるように車両用ECU50から読み込んだトルク指令T*を修正してモータ22を駆動制御するから、駆動輪46,47のスリップ時のように回転加速度AXが大きな値となる状況に対してもより適切なモータ22の出力制御を行なうことができ、モータ22の過出力やバッテリ24の過充放電を防止することができる。しかも、モータ22の出力変化率dP/dtの許容範囲は回転加速度AXが大きいほど狭い範囲として設定することにより、回転加速度AXが小さいときにはモータ22からの大きな出力変化を許容するから、回転加速度AXが小さいとき即ち駆動輪46,47がグリップしているときのモータ22の十分な出力応答性を確保することができる。
【0043】
実施例の車両20では、モータ22の出力変化率dP/dtの許容範囲をモータ22の回転加速度AXが大きいほど狭い範囲として設定するものとしたが、モータ22の出力変化率dP/dtの許容範囲(上限値Uおよび下限値L)を所定の回転加速度、例えば駆動輪46,47にスリップが生じると予測される回転加速度を閾値として狭くなるように設定するものとしても構わない。この場合におけるモータ22の回転加速度AXとモータ22の出力変化率dP/dtの上限値Uと下限値Lとの関係示すマップを図6に例示する。この図6のマップでは、モータ22の回転加速度AXが閾値AXrefを超えるとモータ22の出力変化率dP/dtの許容範囲を零、即ちモータ22の出力変化を一切許容しないものとしたが、許容範囲に若干の幅をもたせるものとしても構わないことは勿論である。
なお、この例では、モータ22の回転加速度AXが閾値AXrefを超えるときに駆動輪46,47のスリップの発生を判定するものとしたが、例えば、モータからの動力が伝達される駆動輪の回転数とモータからの動力が伝達されない車輪の回転数とを各々検出し、駆動輪と車輪の回転数差が所定回転数差以上のときに駆動輪のスリップの発生を判定するものとしても構わない。
【0044】
実施例の車両20では、モータ22の出力変化率dP/dtの許容範囲をモータ22の回転加速度AXが大きいほど狭い範囲として設定するものとしたが、モータ22の回転加速度AXが大きいときでもモータ22の回転が増速側(力行)から減速側(回生)に移行している場合や減速側から増速側に移行している場合では許容範囲を狭く設定しないものとしてもよい。
【0045】
実施例の車両20では、モータ22の回転加速度AXに基づいてモータ22の出力変化率dP/dtの許容範囲を設定するものとしたが、モータの回転加速度AXに加えて現在のモータの出力なども考慮してモータの出力変化率dP/dtの許容範囲を設定するものとしても構わない。例えば、モータの回転加速度AXが大きいほどモータの出力変化率dP/dtの許容範囲を狭く設定する一方で現在のモータの出力が小さいほどモータの出力変化率dP/dtの許容範囲を広く設定するものとしてもい。
【0046】
実施例の車両20では、回転加速度AXを用いてモータ22の出力変化率dP/dtの許容範囲やモータ22のトルク指令の許容範囲を設定するものとしたが、角加速度を用いて出力変化率dP/dtの許容範囲やトルク指令の許容範囲を設定するものとしてもよい。
【0047】
実施例の車両20では、車両走行のための動力源となるモータとして三相交流により駆動する同期型発電電動機を用いたが、車両走行用として用いることができれば誘導型の電動機などいかなるタイプの電動機を用いるものとしても構わない。
【0048】
実施例の車両20では、モータ22の動力を用いて走行する電気自動車に適用するものとしたが、少なくともモータを動力源の一部として利用する自動車であれば電気自動車に限られずその他のハイブリッド自動車に適用するものとしても構わない。
【0049】
実施例の車両20では、モータ22の電力源として二次電池を用いるものとしたが、二次電池の代わりに燃料電池を電力源として用いるものとしてもよく、二次電池と燃料電池とを併用するものとしてもよい。
【0050】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である車両20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 実施例の車両20のモータECU30により実行されるモータ駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】 アクセルペダルポジションAPとブレーキペダルポジションBPと回転数Nとトルク指令T*との関係を示すマップである。
【図4】 モータ22の回転加速度AXとモータ22の出力変化率dP/dtの上限値Uと下限値Lとの関係を例示するマップである。
【図5】 モータ22の回転数Nの急変時にモータ22のトルク指令*を算出する様子を説明する説明図である。
【図6】 モータ22の回転加速度AXとモータ22の出力変化率dP/dtの上限値Uと下限値Lとの関係の他の例を示すマップである。
【符号の説明】
20 車両、22 モータ、24 バッテリ、26 インバータ、30 モータECU、32 CPU,34 ROM、36 RAM、42 ディファレンシャルギヤ、44 車軸、46,47 駆動輪、50 車両用ECU、60 回転角センサ、61 アクセルペダル、62 アクセルペダルポジションセンサ、63 ブレーキペダル、64 ブレーキペダルポジションセンサ、66,67 車輪速センサ。

Claims (7)

  1. 電動機からの動力を用いて走行可能な車両であって、
    前記電動機から前記車両の駆動輪に動力を伝達する駆動軸の回転加速度を測定する加速度測定手段と、
    該測定された回転加速度に応じて該電動機の出力変化の許容範囲を設定する許容範囲設定手段と、
    前記電動機の出力変化が前記許容範囲設定手段により設定された許容範囲内となるよう該電動機から出力できるトルクの上限値と下限値とを設定し、該設定した上限値と下限値とにより定まる範囲内で該電動機に要求されるトルクが出力されるよう該電動機を駆動制御する制御手段と
    を備える車両。
  2. 請求項1記載の車両であって、
    前記許容範囲設定手段は、前記回転加速度が大きいほど前記許容範囲を狭く設定する手段である車両。
  3. 請求項1記載の車両であって、
    前記許容範囲設定手段は、前記回転加速度が所定の閾値を超えたときに前記許容範囲を狭く設定する手段である車両。
  4. 請求項3記載の車両であって、
    前記許容範囲設定手段は、前記回転加速度が前記所定の閾値を超えたときに前記許容範囲を略零に設定する手段である車両。
  5. 請求項3または4記載の車両であって、
    前記所定の閾値は、前記駆動輪がスリップ状態にあると予測される回転加速度である車両。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の車両であって、
    前記制御手段は、前記電動機がトルク指令に相当するトルクを出力すると該電動機の出力変化が前記許容範囲外となるとき、前記電動機の出力変化が該許容範囲内となるよう前記トルク指令を修正して前記電動機を駆動制御する手段である車両。
  7. 電動機からの電力を用いて走行可能な車両であって、
    前記車両の駆動輪の空転によるスリップの有無を検出するスリップ検出手段と、
    該スリップ検出手段により前記駆動輪の空転によるスリップが検出されたとき、該スリップ前後の前記電動機の出力変化が所定の許容範囲内となるよう該電動機から出力できるトルクの上限値と下限値とを設定し、該設定した上限値と下限値とにより定まる範囲内で該電動機に要求されるトルクが出力されるよう該電動機を駆動制御する制御手段と
    を備える車両。
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