JP4164786B2 - プロセッサシステムにおけるバス競合回避方法 - Google Patents

プロセッサシステムにおけるバス競合回避方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロセッサシステムにおけるバス競合回避方法に関し、特にインタロックバスとスプリットバスとをブリッジ装置により接続したプロセッサシステムにおけるバス競合回避方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプロセッサシステムにおけるバス競合回避の技術として、特開平3−189757号公報に「マルチプロセッサシステムにおけるデッドロック回避回路」として開示されたバス競合回避の技術が知られている。この従来のバス競合回避の基本構成を図18に示す。
【0003】
図18に示すプロセッサシステムは、スプリットバスのシステムバスに、ブリッジ装置18−3を介して、インタロックバスのローカルバスを接続し、該ローカルバスにプロセッサ18−1やローカルメモリ18−2等を接続し、該プロセッサ18−1やローカルメモリ18−2はローカルバス及びシステムバスを介して他のプロセッサやIO装置等とデータを相互に転送し、システム全体での処理能力の向上を図るマルチプロセッサシステムとして好適に適用されるシステムである。
【0004】
このようなシステムにおいて、ローカルバス及びシステムバスを介し、プロセッサ、メモリ又はIO装置等の間でデータを互いに転送する際に、同時に複数の装置間でバス使用要求が発生し、バス使用権(以下、バス権という。)の競合が発生する。
【0005】
そのようなバス権の競合を調停・回避するために、従来のバス競合回避の手段は、ブリッジ装置18−3内に、ローカルバス要求保証回路18−31と再登録抑止回路18−32とを備え、バス調停回路(バスアービタ)18−4内に、バス権返還保証回路18−41を備えていた。
【0006】
ローカルバス要求保証回路18−31は、ローカルバスを介してプロセッサ18−1からシステムバスの使用要求を受取り、スプリットバスのシステムバスにオーダ転送を行った後に、該オーダ転送に対するアンサ転送をシステムバスから受信する前に、システムバス側からローカルバスの使用要求を受取ると、プロセッサ18−1に対してローカルバス開放要求を発するとともに転送動作の中断とその後の再実行とをプロセッサ18−1に指示する機能を有する。
【0007】
再登録抑止回路18−32は、前述のシステムバス側からの使用要求によるローカルバスの使用が終了した後に、前述のプロセッサ18−1からの転送再実行により発せられるコマンドに対し、既にシステムバスに送出したオーダ転送と再実行によるオーダ転送とが重複しないように、該コマンドが再登録されるのを抑止する機能を有する。
【0008】
バス権返還保証回路18−41は、前述のシステムバス側からの使用要求によるローカルバスの使用が終了した後に、前述のプロセッサ18−1から再実行される転送動作によるバス権要求に対して、バス権の返還を行う機能を備える。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバス競合の調停・回避手段において、バス調停回路18−4内のバス権返還保証回路18−41は、バス権返還のために最初にバス要求を行ったバスマスタを覚えておき、システムバス側からのローカルバス使用要求により、アンサ転送待ち状態のバスマスタから一旦バス権を剥奪し、システムバス側からのローカルバス使用要求に対してバス権を与えてデータ転送を行わせ、該データ転送が終了した後に、先にバス要求を行ったアンサ転送待ち状態のバスマスタヘバス権を与える機能をバス調停回路18−4内に備える必要があった。
【0010】
しかし、PCIバス等の標準ローカルバスにおいては、バス調停回路の機能が標準仕様として規定されているため、標準化仕様のバス調停回路に、従来のバス権返還保証回路のような元のバスマスタを覚えておく機能等を備えることができず、標準化仕様のバス調停回路を用いて従来技術におけるようなバス権競合の調停・回避を行うことはできなかった。
【0011】
また、標準ローカルバスを用いると、複数のマイクロアクセスで構成されるバーストライト転送に対するリトライ要求応答ができない場合がある。例えば、バーストライト転送で4ワード目で再送要求応答(これをdisconnect要求応答という。)を行うと、バスマスタは4ワード目から再送する仕様になっていることがあり、このような場合、先にバス要求を行った際に送出されるアクセス情報と再送時に送出されるアクセス情報とが異なるために、先にバス要求を行ったバスマスタに再びバス権を与える際に、該バスマスタを特定することができなくなる。
【0012】
本発明は、インタロックバスのローカルバスとスプリットバスのシステムバスとをブリッジ装置により接続したプロセッサシステムにおいて、ローカルバスにPCIバス等の標準ローカルバスを用いた場合でも、バス調停回路に前述の従来技術におけるバス権返還保証回路のような特別な機能手段を設けることなく、従来と同様に、ローカルバスを介してバスマスタからシステムバスの使用要求を受取り、スプリットバスのシステムバスにオーダ転送を行った後に、該オーダ転送に対するアンサ転送をシステムバスから受信する前に、システムバス側からローカルバスの使用要求を受取ると、該バスマスタに対してローカルバス開放要求を発するとともに転送動作の中断とその後の再実行とを指示し、また、既にシステムバスに送出したオーダ転送と再実行によるオーダ転送とが重複しないように、該コマンドが再登録されるのを抑止するバス権の競合回避処理を行うことを目的とする。
【0013】
また、バーストライト転送を行うアクセスに対しても、バス調停回路に前述の従来技術におけるバス権返還保証回路のような特別な機能手段を設けることなく、該アクセスを行ったバスマスタを判別してバス権を返還し、従来と同様に、スプリットバスのシステムバスにオーダ転送を行った後に、該オーダ転送に対するアンサ転送をシステムバスから受信する前に、システムバス側からローカルバスの使用要求を受取ると、該バスマスタに対してローカルバス開放要求を発するとともに転送動作の中断とその後の再実行とを指示し、また、既にシステムバスに送出したオーダ転送と再実行によるオーダ転送とが重複しないように、該コマンドが再登録されるのを抑止するバス権の競合回避処理を行うことを目的とする。(補正の根拠:0006,0007)
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のプロセッサシステムにおけるバス競合回避方法は、(1)インタロックバスとスプリットバスとを接続し、インタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報をバッファに保持するブリッジ装置を備えたプロセッサシステムにおいて、前記ブリッジ装置は、インタロックバスからスプリットバスへのデータ転送中に、スプリットバスからインタロックバスヘのデータ転送要求を受信した場合に、インタロックバスに対してリトライ要求応答を行ない、前記バッファに、前記インタロックバスからスプリットバスへのデータ転送中のアドレスを含む情報を保持する過程と、スプリットバスから受信したインタロックバスへのアクセスによるデータを転送したのち、再びインタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容とを比較する過程と、該比較により一致を検出した場合に、インタロックバスからデータを受信するとともに、スプリットバスへ新たにオーダ転送を行わずにアンサ転送の受信待ち状態とする過程とを含むものである。
【0015】
また、(2)前記比較により、前記インタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容との不一致を検出した場合に、該アクセスに対してリトライ要求応答を行ない、インタロックバスからのデータ受信を拒否する過程を含むものである。
【0016】
また、(3)前記比較により、前記インタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容との一致を検出した場合に、該バッファの内容を消去し、前記比較の過程を無効化する過程を含むものである。
【0017】
また、(4)インタロックバスからスプリットバスヘの、アドレスが連続する複数のマイクロアクセスで構成されるバーストライト転送中に、スプリットバスからインタロックバスへのデータ転送要求を受信した場合に、インタロックバスに対して再送要求応答を行ない、前記バッファに、該再送要求応答を行ったアクセスに関するアドレスを含む情報を保持する過程と、スプリットバスから受信したインタロックバスへのアクセスによるデータを転送したのち、再びインタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容とを比較する過程と、該比較により一致を検出した場合に、インタロックバスからデータを受信するとともに、スプリットバスへ新たにオーダ転送を行わずにアンサ転送の受信待ち状態とする過程とを含むものである。
【0018】
また、(5)前記(4)における比較により、インタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容との不一致を検出した場合に、該アクセスに対してリトライ要求応答を行ない、インタロックバスからのデータ受信を拒否する過程を含むものである。
【0019】
また、(6)前記(4)における比較により、インタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容との一致を検出した場合に、該バッファの内容を消去し、前記比較の過程を無効化する過程を含むものである。
【0020】
また、(7)インタロックバスからスプリットバスヘの、アドレスが連続していない複数のマクロアクセスで構成される特定アクセスのバーストライト転送中に、スプリットバスからインタロックバスへのデータ転送要求を受信した場合に、インタロックバスに対して再送要求応答を行ない、前記バッファに、該再送要求応答を行ったバーストデータの先頭ワードにおけるアドレスを含む情報を保持する過程と、スプリットバスから受信したインタロックバスへのアクセスによるデータを転送したのち、再びインタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容とを比較する過程と、該比較により一致を検出した場合に、インタロックバスからデータを受信するとともに、スプリットバスへ新たにオーダ転送を行わずにアンサ転送の受信待ち状態とする過程とを含むものである。
【0021】
また、(8)前記インタロックバスにおける調停回路によるバス競合の調停結果を前記ブリッジ装置へ通知する過程と、該調停結果を基に前記ブリッジ装置はバスマスタを識別し、特定のバスマスタから受信するアクセスを前記特定アクセスと判断する過程とを含むものである。
【0022】
また、(9)前記ブリッジ装置は、アドレスが連続するバーストライト転送及びアドレスが連続しないバーストライト転送が可能な装置から、個別線により通知されるバスマスタを識別し、特定のバスマスタから受信するアクセスを前記特定アクセスと判断する過程とを含むものである。
【0023】
また、(10)前記ブリッジ装置は、前記インタロックバス上に転送される先頭マイクロアクセスのアドレス情報を基に転送データのアドレス空間を判別し、該アドレス空間の判別に基いて前記特定アクセスと判断する過程を含むものである。
【0024】
また、(11)インタロックバスからスプリットバスヘの、アドレスが連続でないマイクロアクセスで構成される特定アクセスのバーストライト転送の再送要求に対して、該再送要求応答を受信したバスマスタは、1ワードデータのみの再送データを返送する過程を含むものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のプロセッサシステムの基本構成例を示す。同図において、1−1はプロセッサ、1−2はメモリ、1−3はブリッジ装置、1−41 は第1のIO装置、1−42 は第2のIO装置、1−51 はプロセッサ及びメモリ等とブリッジ装置とを接続するインタロックバス(ローカルバス)、1−52 はブリッジ装置とIO装置等とを接続するスプリットバス(システムバス)、1−61 はインタロックバスのバス調停を行う第1のバス調停回路、1−62 はスプリットバスのバス調停を行う第2のバス調停回路である。
【0026】
図2及び図3にインタロックバスのデータ転送例のタイムチャートを示す。インタロックバスの代表例はPCIバスである。図2及び図3は1ワードライト転送の例を示している。
【0027】
インタロックバスは、バス転送の先頭データ位置を示すFrame線と、バス使用要求を行ったイニシエータ側(バスマスタ側)レディを示すIrdy線と、応答側(バススレーブ側)が応答可であることを示すDevsel線と、応答側が最終データ受信完了したことを示すTrdy線と、応答側からのリトライ要求応答を示すStop線と、アドレスとデータとが多重されて転送されるAd線と、コマンドとバイトイネーブル信号とが転送されるC/BE線とを備える。
【0028】
インタロックバスにおいて、Frame線とIrdy線のどちらかがアサートされていれば転送サイクルである。転送サイクルの先頭サイクルでは、Ad線に転送アドレス(32bit)が表示され、C/BE線にはコマンドが表示される。
【0029】
バスマスタはFrame信号をアサートし、Devsel信号の返送を待つ。バススレーブは転送アドレスをデコードして、該転送アドレスに応答すべきときは、Devsel信号をアサートし、ライト完了をTrdy信号のアサートにより通知する(normal completion )。バススレーブがリトライ要求応答を行う場合は、図3に示すようにTrdy信号の代わりにStop信号をアサートすることにより通知する。
【0030】
図4にスプリットバスのデータ転送例のタイムチャートを示す。スプリットバスは、オーダ転送とアンサ転送とに分離してデータが転送される。オーダ転送とアンサ転送との間の期間には、別のバスマスタが該スプリットバスを使用してデータを転送することができる。
【0031】
図4において、例えば、ブリッジ装置がスプリットバスの使用要求Req0を送出すると、バス調停回路は該要求に対してバス使用許可を示すグラント信号Gnt0をブリッジ装置に通知し、グラント信号Gnt0が通知されたブリッジ装置は、システムバススタート信号Sbs及びシステムバスブロック信号Sbkをアサートして、コマンド(C)・アドレス(A)・データ(D)から成るSCAD信号をオーダ転送する。
【0032】
次に、該オーダ転送を受信した例えば第1のIO装置は、スプリットバスの使用要求Req1を送出し、該要求に対してバス調停回路からバス使用許可を示すグラント信号Gnt1が通知されると、第1のIO装置は、同様にシステムバススタート信号Sbs及びシステムバスブロック信号Sbkをアサートして、コマンド(C)・アドレス(A)から成るSCAD信号をアンサ転送する。
【0033】
図5に本発明におけるバス権競合回避の第1の動作例を示す。プロセッサ5−1はブリッジ装置5−3を経由して第1のIO装置5−41 ヘライト転送を行う。また、第2のIO装置5−42 は、メモリ5−2へのライト転送を行うものとする。
【0034】
ブリッジ装置5−3はプロセッサ5−1からインタロックバスによりライト転送要求を受信(▲1▼)すると、Devsel信号をアサートし、スプリットバスヘオーダ転送(▲2▼)を行う。
【0035】
スプリットバスは、第1のIO装置5−41 からアンサ転送を受信する前に、第2のIO装置5−42 からメモリ5−2へのデータ転送要求を受信(▲3▼)する場合がある。
【0036】
この場合、ブリッジ装置5−3は、オーダ転送済みでアンサ転送待ち状態のプロセッサ5−1に対し、リトライ要求応答(▲4▼)を行うとともに、インタロックバスの開放を要求する。
【0037】
このときブリッジ装置5−3は、プロセッサ5−1から受信中のアドレスを含むアクセス情報をブリッジ装置内のバッファに保持しておく。リトライ要求応答を受信(▲4▼)したプロセッサ5−1は、一旦インタロックバスの占有を開放し、その後、再び該バスの使用を要求する。
【0038】
ブリッジ装置5−3はインタロックバスの使用権を得た後、第2のIO装置5−42 からメモリ5−2に対してのライト転送(▲5▼)を行ない、その完了後にインタロックバスの占有を開放する。
【0039】
プロセッサ5−1は、インタロックバスの開放後、該バスの使用を要求してバス権を得た後、第1のIO装置5−41 へのライト転送を再実行(▲6▼)する。ブリッジ装置5−3は、この再実行によるライト転送におけるアドレス情報と、先のライト転送において前述のバッファに保持したアドレス情報とを比較し、その一致を確認すると、プロセッサ5−1に対してDevsel信号をアサートするが、スプリットバスに対しては既に行ったオーダ転送との重複を避けるために新たなオーダ転送を行わず、第1のIO装置5−41 からのアンサ転送待ちの状態とする。
【0040】
その後、スプリットバスからアンサ転送を受信(▲7▼)すると、ブリッジ装置5−3はインタロックバスへTrdy信号(normal completion )を返送(▲8▼)し、プロセッサ5−1から要求されたデータ転送を終了する。
【0041】
このように、インタロックバスとスプリットバスとを接続するブリッジ装置において、ブリッジ装置はインタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報を保持するバッファを有し、インタロックバスからスプリットバスへのデータ転送中に、スプリットバスからインタロックバスへのデータ転送要求を受信した場合に、インタロックバスに対してリトライ要求応答を行ない、該バッファに、インタロックバスからスプリットバスへ転送したアドレスを含むアクセス情報を保持し、スプリットバスから受信したインタロックバスへのアクセスを転送した後、再びインタロックバスから受信したアクセス情報と該バッファに保持された内容とを比較し、一致した場合は、インタロックバスからのアクセスを受付け、スプリットバスに対して新たにオーダ転送を行わずにアンサ転送待つ状態とする。
【0042】
このような機能をブリッジ装置に具備することにより、ブリッジ装置は、インタロックバスから受信したアクセスが、元のバスマスタによるリトライアクセスであることが分かり、バス権競合における処理矛盾を回避することができる。
【0043】
したがって、バス調停回路に特別な機能手段を設けることなく、標準化されたバス調停回路を用いたプロセッサシステムにおいて、従来と同様にバス権の競合を回避することができる。
図6に本発明におけるバス権競合回避の第2の動作例を示す。前述の図5に示した動作例において、インタロックバスに第1のプロセッサ(P1)及び第2のプロセッサ(P2)が接続されている場合、第1のプロセッサ(P1)がバス権権を開放してから、ブリッジ装置がバス権を獲得するまでの間に、第2のプロセッサ(P2)がバス権を得て、ブリッジ装置経由のアクセスを行うケースがあり得る。図6はこのようなケースを示している。
【0044】
このような場合、ブリッジ装置6−3は、第2のプロセッサ(P2)6−12 からのアクセス(▲1▼)に対し、一旦Devsel信号をアサートするが、該アクセスのアドレス情報等がバッファに保持されているアドレス情報と異なるため、リトライ要求応答(▲2▼)を返送する。
【0045】
ブリッジ装置6−3からリトライ応答要求(▲2▼)を受信した第2のプロセッサ(P2)6−12 は、一旦バス権を開放するため、バス権を要求しているブリッジ装置6−3ヘバス権が渡ることとなる。したがって、このような場合においても、バス調停回路に特別な機能手段を設けることなく、バス権の競合を回避することができる。
【0046】
すなわち、従来技術において、バス調停回路は、バス権返還保証回路によりバス権を操作し、スプリットバスからインタロックバスへの転送を行った後に、元のバスマスタヘバス権を与えていたため、他のバスマスタがブリッジ装置へ転送することはなかった。
【0047】
これに対し、本発明はこのような場合の競合を回避する手法として、インタロックバスから受信したアクセス情報とブリッジ装置内のバッファに保持されたアドレス情報とが不一致の場合は、リトライ要求応答を行うことにより、インタロックバスからアクセスを受信しないようにする。
【0048】
そしてその後のアクセス情報不一致のアクセスに対して、リトライを繰り返し、アクセス情報が一致する元のバスマスタからのアクセス(▲3▼)に対してバス権を渡し、元のバスマスタによるリトライアクセスが実行される。
【0049】
第1のプロセッサ(P1)6−11 のデータ転送に対し、スプリットバスからアンサ転送(▲4▼)を受信したブリッジ装置6−3は、インタロックバスへTrdy信号を返送(▲5▼)するとともに、前述のバッファの保持内容を消去し、アクセス情報の比較処理の動作を無効化する。その結果、第2のプロセッサ(P2)6−12 がバス権を得て、ブリッジ装置6−3経由のアクセス(▲6▼)を行うことが可能となる。
【0050】
このように、第1のプロセッサ(P1)6−11 によるスプリットバスヘのデータ転送が完了すると、インタロックバスへTrdy信号による応答を返し、このときに前述のブリッジ装置6−3のバッファ内容及びアクセス情報の比較処理を無効化することにより、元のバスマスタによるインタロックバスからスプリットバスへのデータ転送が完了した後、インタロックバスに接続されている他のバスマスタがバスを使用することが可能となる。
【0051】
すなわち、調停回路には何ら特別な機能を付加することなく、インタロックバスに接続されている複数のバスマスタによるスプリットバスへの競合が従来と同様に回避され、それぞれのバスマスタはスプリットバスへデータ転送を行うことができる。
【0052】
次に、本発明によるバースト転送の場合の競合回避について説明する。
図7及び図8はインタロックバスにおけるバースト転送の例のタイムチャートである。図7は4ワードライト転送の例を示し、図8は該転送においてdisconnect要求応答を行う場合を示している。
【0053】
Frame線は最終データでネゲート(無効化)される。転送サイクルの先頭サイクルではAd線に転送アドレス(32bit)が表示される。またC/BE線にはコマンドが表示される。
【0054】
ブリッジ装置はスプリットバスヘオーダ転送を行うため、インタロックバスから全てのライトデータを受信する必要がある。したがって、図7に示すように、4ワードライト転送の場合は3ワード分のTrdy信号をアサートし、4ワード目のTrdy信号はスプリットバスからアンサ転送を受信してから返送する(normal completion )。一方、disconnect要求応答を行う場合は、図8に示すように、Trdy信号の代わりにStop信号により通知する。
【0055】
図9に本発明におけるバス権競合回避の第3の動作例を示す。プロセッサ9−1は、ブリッジ装置9−3を経由して第1のIO装置9−41 へライト転送を行う。また、第2のIO装置9−42 はメモリ9−2へのライト転送を行うものとする。
【0056】
ブリッジ装置9−3は、プロセッサ9−1から4ワードライト転送(▲1▼)を受信し、Devsel信号をアサートし、スプリットバスヘオーダ転送を行う。ブリッジ装置9−3は、該オーダ転送に対するスプリットバスからのアンサ転送を受信する前に、第2のIO装置9−42 からメモリ9−2ヘの転送要求を受信する場合がある。
【0057】
この場合、ブリッジ装置9−3は、インタロックバスに接続されたプロセッサ9−1に対し、disconnect要求応答(▲4▼)を行うとともに、インタロックバスのバス権を要求する。
【0058】
このとき、ブリッジ装置9−3は、プロセッサ9−1から受信中のアドレス情報(a)に3ワード(1ワードは4バイトであるとする。)分のアドレス(‘12' )を加えた値(a+‘12' )をバッファに保持しておく。
【0059】
そして、ブリッジ装置9−3からdisconnect要求応答を受信したプロセッサ9−1は、一旦バス権を開放し、その後、再びバス権を要求する。プロセッサ9−1のバス権開放により、ブリッジ装置9−3はバス権を得た後、第2のIO装置9−42 からのライト転送(▲5▼)を行ない、その転送後にバス権を開放する。
【0060】
プロセッサ9−1は再びバス権を得た後、第1のIO装置9−41 へのライト転送(▲6▼)を行う。このときのライト転送アドレスはdisconnect要求応答を受信したデータに対するアドレス(a+‘12' )である。
【0061】
ブリッジ装置9−3は、前述のバッファに保持されているアドレス情報との一致を確認すると、Devsel信号をアサートするが、スプリットバスへの新たなオーダ転送を行わない。
【0062】
そして、その後、スプリットバスからアンサ転送(▲7▼)を受信すると、ブリッジ装置9−3はインタロックバスヘTrdy信号(normal completion )を返送し(▲8▼)、データ転送を終了する。
【0063】
インタロックバスからスプリットバスヘの転送がバーストライト転送であるとき、インタロックバスからスプリットバスへの転送中に、スプリットバスからインタロックバスへの転送を受信した場合に、例えば4ワードライト転送の1〜3ワード目まで正常応答を返送している場合は、4ワード目でリトライ要求応答を返送しても、4ワード目から再送されてしまうことがある。これは、インタロックバスの標準化仕様に拠る。
【0064】
このようなバーストライト転送に対して、受信したアドレス等をバッファに保存しておいても、リトライアクセス時のアドレスと致しない。そこで、バーストライト転送の場合は、インタロックバスへdisconnect要求応答を行ない、最終ワードに対するアドレス情報等を保持する。
【0065】
この機能により、ブリッジ装置はリトライアクセスを正しく認識できるようになり、また、バス調停回路に特別な機能手段を設けることなく、従来と同様なバス権の競合を回避することができる。
【0066】
前述のバースト転送の場合において、インタロックバスに第1のプロセッサ
(P1)及び第2のプロセッサ(P2)が接続されている場合、第1のプロセッサ(P1)がバスを開放してからブリッジ装置がバス権を得るまでの間に、第2のプロセッサ(P2)がバス権を得て、ブリッジ装置経由のアクセスを行うことが起り得る。図10に示す第4の動作例はこのようなケースの動作例である。
【0067】
このような場合、ブリッジ装置10−3は、第2のプロセッサ(P2)10−12 からのアクセス(▲1▼)に対し、一旦Devsel信号をアサートするが、該アクセスのアドレス情報が既にバッファに保持されているアドレス情報と異なるため、リトライ要求応答(▲2▼)を返送する。
【0068】
ブリッジ装置10−3からリトライ要求応答(▲2▼)を受信した第2のプロセッサ(P2)10−12 は、一旦バス権を開放するため、ブリッジ装置10−3ヘバス権が渡ることとなる。したがって、このような場合においても、バス調停回路に特別な機能手段を設けることなく、従来と同様にバス権の競合を回避することができる。
【0069】
すなわち、このような場合でも、インタロックバスから受信したアクセス情報等と前述のバッファ内のアドレス情報等とが不一致の場合は、リトライ要求応答を行ない、インタロックバスからアクセスを受付けないようにすることにより、その後のバス調停によるアクセスに対し、アドレス情報不一致のものにリトライを繰り返し、アドレス情報が一致する元のバスマスタからのアクセス(▲3▼)に対してバス権を渡し、元のバスマスタによるリトライアクセスが実行される。
【0070】
前述の図10に示した動作例において、第1のプロセッサ(P1)10−11 のデータ転送に対し、スプリットバスからアンサ転送(▲4▼)を受信したブリッジ装置10−3は、インタロックバスへTrdy信号を返送(▲5▼)するとともに、前述のバッファの保持内容及びアドレス情報等の比較処理を無効化する。その結果、第2のプロセッサ(P2)10−12 がバス権を得て、ブリッジ装置10−3経由のアクセス(▲6▼)を行うことが可能となる。
【0071】
このように、スプリットバスへの転送を完了した後、インタロックバスへその応答を返したときにバッファの内容等を無効化することにより、その後、インタロックバスに接続されている他のバスマスタが、インタロックバスを使用しスプリットバスへデータ転送することが可能となる。
【0072】
図11は本発明におけるバス権競合回避の第5の動作例を示す。この動作例は、第2のプロセッサ(P2)が、アドレスとデータとが対にならないバーストライト転送を行う動作例を示している。
【0073】
第1のプロセッサ(P1)11−11 のデータ転送が終了した後、第2のプロセッサ(P2)11−12 はブリッジ装置11−3を経由して第1のIO装置11−41 ヘバーストライト転送を行う。また、第2のIO装置11−42 はメモリ11−2へのライト転送を行うものとする。
【0074】
ブリッジ装置11−3は第2のプロセッサ(P2)11−12 から4ワードライト転送(▲1▼)を受信し、Devsel信号をアサートし、スプリットバスへオーダ転送(▲2▼)を行う。そして、スプリットバスからアンサ転送を受信する前に、第2のIO装置11−42 からメモリ11−2へのライト転送(▲3▼)を受信する場合がある。
【0075】
このような場合、ブリッジ装置11−3は、第2のプロセッサ(P2)11−12 に対し、disconnect要求応答(▲4▼)を行うとともに、インタロックバスのバス権を要求する。そして、このとき第2のプロセッサ(P2)11−12 から受信中のアドレス情報(a)をバッファに保持しておく。
【0076】
disconnect要求応答を受信した第2のプロセッサ(P2)11−12 は、一旦バス権を開放し、その後、再びバス権を要求する。ブリッジ装置11−3がバス権を得た後、第2のIO装置11−42 からのライト転送(▲5▼)を行ない、その終了後にインタロックバスのバス権を開放する。
【0077】
第2のプロセッサ(P2)11−12 は、再びバス権を得た後、第1のIO装置11−4へのバーストライト転送(▲6▼)を行う。ただし、このときのバーストライト転送アドレスはdisconnect要求応答を受信したデータ転送の先頭データに対するアドレス(a)であるとする。
【0078】
ブリッジ装置11−3は、バッファに保持されているアドレス情報との一致を確認すると、Devsel信号をアサートし、スプリットバスへの新たなオーダ転送を行わずにアンサ転送待ち状態にする。
【0079】
バーストライト転送における転送データとアドレスとが対になっていない場合に、先頭ワード以外でdisconnect要求応答を受信したバスマスタは、再送アドレスを算出することができない。例えば、1回のバーストライト転送で複数のバラバラなアドレスに対応したレジスタのデータ等を転送する場合である。
【0080】
通常、このようなバーストライト転送を行うバスマスタは、disconnect要求応答を受信することができないので、従来のような競合回避は不可能となる。そこで、このようなアドレスが連続していない複数のマイクロアクセスで構成される特定のアクセスについては、バーストライト転送の先頭ワード以外でdisconnect要求応答を受信したバスマスタは、先頭アドレスによりリトライを行ない、ブリッジ装置側は、先頭ワードのアドレスを含む情報をバッファに保持しておくこととすることにより、同様な競合回避が可能となる。
【0081】
したがって、このような場合でも、アドレスが連続していない複数のマイクロアクセスで構成される特定アクセスを識別し、該特定アクセスに対してはブリッジ装置のバッファに先頭ワードのアドレスを含む情報を保持する構成を備えることにより、バス調停回路に特別な機能手段を設けることなく、同様にバス権の競合を回避することが可能となる。
【0082】
前述したシステム構成において、汎用ローカルバスに接続されたバスマスタは、通常該ローカルバス仕様に準拠しているため、前述のようなアドレスとデータが連続しない特定アクセスが行われるか否かは、ローカルバスに接続されているバスマスタの属性等により識別することができる。
【0083】
したがって、特定のバスマスタから受信したアクセスを特定アクセスとして識別することにより、アドレスとデータが連続するバスマスタと連続しないバスマスタとを混在させたシステムでのバス競合回避が可能となる。
【0084】
バスマスタの識別の第1の手法として、調停回路における調停結果を、ブリッジ装置に通知することにより、ブリッジ装置はバスマスタを識別し、その結果から特定アクセスを判別することができる。
【0085】
図12にインタロックバスの調停制御線による本発明のバスマスタ通知の構成図を示す。また、図13にインタロックバスにおける調停動作のタイムチャートを示す。第1のプロセッサ(P1)12−11 がバス権を要求するとき、調停回路12−2に対して、該プロセッサの識別情報を含むバス権要求信号req_P1をアサートする。また、第2のプロセッサ(P2)12−12 がバス権を要求するとき、同様に該プロセッサの識別情報を含むバス権要求信号req_P2をアサートする。
【0086】
調停回路12−2は、所定の優先順位に従って一方のプロセッサ、例えば、第1のプロセッサ(P1)12−11 に対し、該プロセッサの識別情報を含むバス使用許可信号であるグラント信号gnt_P1をアサートし、バス権を与えられた例えば第1のプロセッサ(P1)は、該グラント信号gnt_P1を受信した後、Frame信号及びIrdy信号をアサートしてデータ転送し、応答側からのDevsel信号及びTrdy信号のアサートによりデータ転送を完了する。なお、第2のプロセッサ(P2)12−12 に対してバス権を与えるときは、該プロセッサの識別情報を含むグラント信号gnt_P2がアサートされる。
【0087】
ブリッジ装置12−3は、調停回路12−2から送出されるこれらのグラント信号gnt_P1及びgnt_P2を取り込み、該信号に含まれるプロセッサ等の識別情報を解析することにより、バスマスタを特定することができる。
【0088】
複数のバスマスタを1つのローカルバスインターフェースに実装する場合、バスマスタの識別だけでは、前述の特定アクセスを識別できない場合がある。例えば、下位ブリッジ装置配下に、アドレスとデータが連続するバスマスタと連続しないバススマスタが混在する場合である。
【0089】
図14は複数のプロセッサが下位ブリッジ装置を経由してインタロックバスに接続された第1の構成例を示している。第1のプロセッサ(P1)14−11 と第2のプロセッサ(P2)14−12 とがローカルバス14−53 により、下位ブリッジ装置14−31 に接続され、下位ブリッジ装置14−31 とメモリ14−2とがローカルバス(インタロックバス)14−51 により上位ブリッジ装置14−30 に接続され、上位ブリッジ装置14−30 はシステムバス14−52 により更に他の装置に接続されているものとする。
【0090】
下位ブリッジ装置14−31 は、ローカルバス14−53 に対して備えられた調停回路14−61 による調停結果から、バスマスタを特定することができる。しかし、該下位ブリッジ装置14−31 を経由したローカルバス(インタロックバス)14−51 側は、該下位ブリッジ装置14−31 の識別情報を含むバス権要求信号req_B1及びグラント信号gnt_B1にまとめられるため、上位ブリッジ装置14−30 は、第1のプロセッサ(P1)14−11 と第2のプロセッサ(P2)14−12 の何れからのアクセスかを判別することができないため、前述の特定アクセスを識別することができない。
【0091】
そこで、下位ブリッジ装置14−31 は、図12で説明した手法と同様に第1及び第2のプロセッサに対するグラント信号gnt_P1及びgnt_P2を引き込み、該グラント信号線によりバスマスタを特定し、特定した結果を上位ブリッジ装置14−30 へ個別線14−7を介して中継することにより、上位ブリッジ装置14−30 は、バスマスタを特定することができ、インタロックバスにおける転送が前述の特定アクセスか否かを識別することができる。
【0092】
この場合、下位ブリッジ装置14−31 は、ローカルバスマスタとして転送する際に、個別線14−7にアドレスとデータが連続するアクセスか否かを示す情報を表示し、上位ブリッジ装置14−30 は、この個別線14−7の表示により特定アクセスか否かを識別する構成とすることができる。
【0093】
図15は複数のプロセッサが下位ブリッジ装置を経由してインタロックバスに接続された第2の構成例を示す。前述した特定アクセスを識別する手法は、上位ブリッジ装置14−30 と下位ブリッジ装置14−31 との間に、インタロックバスのほかに別途個別線14−7を設けるものであったが、ローカルバスの規約より、上記の個別線の追加が不可能な場合があり、また、下位ブリッジ装置14−31 に汎用ブリッジLSI等を使用した場合、個別線を別途設けることはできない。
【0094】
そのような場合、前述した構成では、下位ブリッジ装置は上位ブリッジ装置へ特定アクセスを通知することができない。そこで、通常、アドレスとデータが連続する空間をメモリ空間とし、連続しない空間を制御空間とした場合、アドレス割り付けが重なることはないため、制御空間のアドレスにおけるバーストライト転送に関しては、前述の特定アクセスと判定することができる。
【0095】
すなわち、図15に示すように、インタロックバスをアドレスデコーダ15−7に引き込み、アドレスデコーダ15−7は、インタロックバス上に送出されるアドレス情報をデコードし、該アドレスがメモリ空間のものか制御空間のものかを判別し、上位ブリッジ装置15−30 は該判別情報を基に、インタロックバスにおける転送が前述の特定アクセスのものか否かを判定することができる。なお、図15において、図14に示した構成要素と同一のものには同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0096】
図16はアドレス空間マッピングの例を示している。アドレス‘0000 0000 H ' 〜‘7FFF FFFF H ' のアドレス空間(2GB)は、アドレスとデータとが対になっているメモリ空間であり、該アドレス空間のバーストライト転送はメモリ空間 (メモリへのアクセス)である。
【0097】
また、アドレス‘8000 0000 H ' 〜‘1 000 000 H ' のアドレス空間(2GB)は、アドレスとデータとが対にならない制御空間であり、該アドレス空間のバーストライト転送は制御空間(レジスタ等へのアクセス)である。
【0098】
図16に示すように、通常はメモリ空間と制御空間とは完全に分離されており、重なることはない。したがって、上位ブリッジ装置15−30 は、アドレスデコーダ15−7によるアドレスの解析によって、インタロックバス14−51 上の転送が、メモリ空間のものか制御空間のものかを識別し、前述の特定アクセスか否かを判定することができる。また、PCIバスのようにアドレス空間がコマンドにより識別できる場合には、コマンドの解析により同様に特定アクセスか否かを判定することができる。
【0099】
ここで、前述の図11に示した本発明におけるバス権競合回避の第5の動作例に戻ると、インタロックバスからdisconnect要求応答(▲4▼)を受信したバスマスタ(第2のプロセッサ11−12 )が、バス開放後にブリッジ装置11−3に対して、既に送出(▲1▼)したデータと同じデータを全て再送(▲6▼)している。
【0100】
しかし、ブリッジ装置11−3は、既に対応するアクセスのライトデータを受信してスプリットバスに対して該データのオーダ転送(▲2▼)を完了しているため、該再送データは不要である。したがって、このような不要なデータを再送しないこととすることにより、待ち時間の短縮とバス使用効率の向上を図ることができる。
【0101】
図17は、このような不要なデータ再送しないようにした本発明のバス権競合回避の第6の動作例を示す。図17において、▲1▼〜▲5▼の動作は、図11に示した▲1▼〜▲5▼の動作と同様であるので、重複した説明は省略する。第6の動作例では、インタロックバスからdisconnect要求応答(▲4▼)を受信したバスマスタ(第2のプロセッサ11−12 )は、再送データとして、空データ等の任意の1ワードデータのみを再送する(▲6▼' )こととし、インタロックバス上の無駄なデータサイクルを行わずに済ませ、時間の短縮と処理の効率化を図ることができる。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インタロックバスのローカルバスとスプリットバスのシステムバスとをブリッジ装置により接続したプロセッサシステムにおいて、ブリッジ装置はインタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報を保持するバッファを備え、インタロックバスに対してリトライ要求応答後、再びインタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と該バッファに保持された内容とを比較し、一致するアクセスに対してバス権を与えることにより、バス調停回路に前述の従来技術におけるバス権返還保証回路のような特別な機能手段を設けることなく、スプリットバスのシステムバスにオーダ転送を行った後に、該オーダ転送に対するアンサ転送をシステムバスから受信する前に、システムバス側からローカルバスの使用要求を受取ると、該バスマスタに対してローカルバス開放要求を発するとともに転送動作の中断とその後の再実行とを指示し、また、既にシステムバスに送出したオーダ転送と再実行によるオーダ転送とが重複しないように、該コマンドが再登録されるのを抑止するバス権の競合回避処理を行うことができる。
【0103】
また、アドレスが連続していない複数のマイクロアクセスで構成される特定アクセスを含むバーストライト転送に対しても、ブリッジ装置においてバスマスタを又はアドレス空間を識別することにより、バス調停回路に前述の従来技術におけるバス権返還保証回路のような特別な機能手段を設けることなく、再送要求に対するバースト転送を行ったバスマスタを正しく判別してバス権を返還し、スプリットバスのシステムバスにオーダ転送を行った後に、該オーダ転送に対するアンサ転送をシステムバスから受信する前に、システムバス側からローカルバスの使用要求を受取ると、該バスマスタに対してローカルバス開放要求を発するとともに転送動作の中断とその後の再実行とを指示し、また、既にシステムバスに送出したオーダ転送と再実行によるオーダ転送とが重複しないように、該コマンドが再登録されるのを抑止するバス権の競合回避処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセッサシステムの基本構成例を示す図である。
【図2】インタロックバスのデータ転送例のタイムチャートである。
【図3】インタロックバスのデータ転送例(リトライ要求応答)のタイムチャートである。
【図4】スプリットバスのデータ転送例のタイムチャートである。
【図5】本発明におけるバス権競合回避の第1の動作例を示す図である。
【図6】本発明におけるバス権競合回避の第2の動作例を示す図である。
【図7】インタロックバスにおけるバースト転送例のタイムチャートである。
【図8】インタロックバスにおけるバースト転送例(disconnect要求応答)のタイムチャートである。
【図9】本発明におけるバス権競合回避の第3の動作例を示す図である。
【図10】本発明におけるバス権競合回避の第4の動作例を示す図である。
【図11】本発明におけるバス権競合回避の第5の動作例を示す図である。
【図12】インタロックバスの調停制御線による本発明のバスマスタ通知の構成図である。
【図13】インタロックバスにおける調停動作のタイムチャートである。
【図14】複数のプロセッサが下位ブリッジ装置を経由して接続された第1の構成例を示す図である。
【図15】複数のプロセッサが下位ブリッジ装置を経由して接続された第2の構成例を示す図である。
【図16】アドレス空間マッピングの例を示す図である。
【図17】本発明におけるバス権競合回避の第6の動作例を示す図である。
【図18】従来のバス競合回避の基本構成図である。
【符号の説明】
1−1 プロセッサ
1−2 メモリ
1−3 ブリッジ装置
1−41 第1のIO装置
1−42 第2のIO装置
1−51 プロセッサ及びメモリ等とブリッジ装置とを接続するインタロックバス(ローカルバス)
1−52 ブリッジ装置とIO装置等とを接続するスプリットバス(システムバス)
1−61 インタロックバスのバス調停を行う第1のバス調停回路
1−62 スプリットバスのバス調停を行う第2のバス調停回路

Claims (7)

  1. インタロックバスとスプリットバスとを接続し、インタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報をバッファに保持するブリッジ装置を備えたプロセッサシステムにおいて、
    前記ブリッジ装置は、
    インタロックバスからスプリットバスへのデータ転送中に、スプリットバスからインタロックバスヘのデータ転送要求を受信した場合に、インタロックバスに対してリトライ要求応答を行ない、前記バッファに、前記インタロックバスからスプリットバスへのデータ転送中のアドレスを含む情報を保持する過程と、
    スプリットバスから受信したインタロックバスへのアクセスによるデータを転送したのち、再びインタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容とを比較する過程と、
    該比較により一致を検出した場合はリトライアクセスと判断して、インタロックバスからデータを受信するとともに、スプリットバスへ新たにオーダ転送を行わずにアンサ転送の受信待ち状態とし、前記バッファに保持された内容を消去して前記比較の過程を無効化する過程と、
    該比較により不一致を検出した場合はリトライアクセスではないと判断して、前記アクセスに対してリトライ要求を行ない、インタロックバスからのデータ受信を拒否する過程と、
    を含むことを特徴とするプロセッサシステムにおけるバス競合回避方法。
  2. インタロックバスとスプリットバスとを接続し、インタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報をバッファに保持するブリッジ装置を備えたプロセッサシステムにおいて、
    前記ブリッジ装置は、
    インタロックバスからスプリットバスへのデータ転送中に、スプリットバスからインタロックバスヘのデータ転送要求を受信した場合に、インタロックバスに対してリトライ要求応答を行ない、前記バッファに、前記インタロックバスからスプリットバスへのデータ転送中のアドレスを含む情報を保持する過程と、
    インタロックバスからスプリットバスヘの、アドレスが連続する複数のマイクロアクセスで構成されるバーストライト転送中に、スプリットバスからインタロックバスへのデータ転送要求を受信した場合に、インタロックバスに対して再送要求応答を行ない、前記バッファに、該再送要求応答を行ったアクセスに関するアドレスを含む情報を保持する過程と、
    スプリットバスから受信したインタロックバスへのアクセスによるデータを転送したのち、再びインタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容とを比較する過程と、
    該比較により一致を検出した場合はリトライアクセスと判断して、インタロックバスからデータを受信するとともに、スプリットバスへ新たにオーダ転送を行わずにアンサ転送の受信待ち状態とし、前記バッファに保持された内容を消去して前記比較の過程を無効化する過程と、
    該比較により不一致を検出した場合はリトライアクセスではないと判断して、前記アクセスに対してリトライ要求を行ない、インタロックバスからのデータ受信を拒否する過程と、
    を含むことを特徴とするプロセッサシステムにおけるバス競合回避方法。
  3. インタロックバスからスプリットバスヘの、アドレスが連続していない複数のマクロアクセスで構成される特定アクセスのバーストライト転送中に、スプリットバスからインタロックバスへのデータ転送要求を受信した場合に、インタロックバスに対して再送要求応答を行ない、前記バッファに、該再送要求応答を行ったバーストデータの先頭ワードにおけるアドレスを含む情報を保持する過程と、
    スプリットバスから受信したインタロックバスへのアクセスによるデータを転送したのち、再びインタロックバスから受信したアクセスのアドレスを含む情報と前記バッファに保持された内容とを比較する過程と、
    該比較により一致を検出した場合に、インタロックバスからデータを受信するとともに、スプリットバスへ新たにオーダ転送を行わずにアンサ転送の受信待ち状態とする過程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセッサシステムにおけるバス競合回避方法。
  4. 前記インタロックバスにおける調停回路によるバス競合の調停結果を前記ブリッジ装置へ通知する過程と、該調停結果を基に前記ブリッジ装置はバスマスタを識別し、特定のバスマスタから受信するアクセスを前記特定アクセスと判断する過程とを含むことを特徴とする請求項に記載のプロセッサシステムにおけるバス競合回避方法。
  5. 前記ブリッジ装置は、アドレスが連続するバーストライト転送及びアドレスが連続しないバーストライト転送が可能な装置から、個別線により通知されるバスマスタを識別し、特定のバスマスタから受信するアクセスを前記特定アクセスと判断する過程とを含むことを特徴とする請求項に記載のプロセッサシステムにおけるバス競合回避方法。
  6. 前記ブリッジ装置は、前記インタロックバス上に転送される先頭マイクロアクセスのアドレス情報を基に転送データのアドレス空間を判別し、該アドレス空間の判別に基いて前記特定アクセスと判断する過程を含むことを特徴とする請求項に記載のプロセッサシステムにおけるバス競合回避方法。
  7. 前記インタロックバスからスプリットバスヘの、アドレスが連続でないマイクロアクセスで構成される特定アクセスのバーストライト転送の再送要求に対して、該再送要求応答を受信したバスマスタは、1ワードデータのみの再送データを返送する過程を含むことを特徴とする請求項に記載のプロセッサシステムにおけるバス競合回避方法。
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