JP4162966B2 - 遊技機 - Google Patents

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充明 近藤
実行 多田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機本体に、外周面上に複数の図柄を配した回転リールを備えたスロットマシン、パチンコ機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばスロットマシンでは、遊技機本体に例えば横軸廻りに回動可能で且つその外周面上に複数の図柄を配した回転リールを複数、例えば左右方向に3個配置し、遊技者のスタートレバー操作に基づいてそれら3つの回転リールを同時に回転させ、遊技者によるストップボタン操作に基づいて各回転リールの回転を夫々個別に停止させて、その停止図柄が所定の入賞態様となることを条件に、遊技者に有利な利益状態を発生させるようになっている。
【0003】
また、パチンコ機等の弾球遊技機においても、スロットマシンに搭載されているのと同様の回転リールを遊技盤の略中央等に複数配置し、所定の図柄始動手段に遊技球が入球したときにそれら回転リールを所定時間回転させて停止させ、その停止図柄が所定の大当たり態様となることを条件に、大入賞手段を開放する等の遊技者に有利な利益状態を発生させるようになったものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2002−35280号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したスロットマシンにおいては、各回転リールの外周面上に夫々多数、例えば各21個の図柄を設ける必要があり、またゲームの性質上、個々の図柄を夫々遊技者に見やすい十分な大きさとする必要があるため、回転リールは必然的に大径となり、それに伴って遊技機本体の大きさも例えばパチンコ機等の他の遊技機と比べて特に奥行き方向に大きくなりがちであった。
【0005】
また、回転リールを搭載したパチンコ機等においては、例えば遊技盤の裏側やその周辺に回転リールの他に各種の遊技部品や遊技球通路等を多数配置する必要があるため、スペース上の制約により回転リールをスロットマシンほど大きくすることができず、個々の図柄の大きさが必然的に小さくなってインパクトに欠ける欠点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、小型の回転リールを用いつつ、その周上の図柄等が遊技者に見やすく、インパクトある演出が可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遊技機本体1に、外周面上に複数の図柄を配した回転リール12a〜12cと表示窓13a〜13cとを備え、前記表示窓13a〜13cを介して前記遊技機本体1の前側から前記回転リール12a〜12c上の図柄を視認可能に構成した遊技機において、前記回転リール12a〜12cはその軸方向に互いに隣接して複数配置され、前記回転リール12a〜12c上の図柄が前記表示窓13a〜13cを介してその実物よりも拡大された拡大画像として視認されるように、前記回転リール12a〜12c上の図柄を少なくとも周方向に拡大する拡大手段42を備え、該拡大手段42は、前記回転リール12a〜12c上の所定の表示対象範囲と前記表示窓13a〜13cとの間の所定の光路上に配置された凸レンズ52を備え、前記表示対象範囲の位置が前記凸レンズ52に対してその焦点位置よりも近くなるように前記回転リール12a〜12c及び前記凸レンズ52を配置し、前記回転リール12a〜12cと前記凸レンズ52との間に、前後方向所定厚さに形成され且つ前記複数の回転リール12a〜12cに対応してその前側に配置される複数の透明体53a〜53cと、それら複数の透明体53a〜53cの間に配置され且つ前記複数の回転リール12a〜12cの間を仕切る仕切板57a,57bとを設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図7は本発明をスロットマシンに採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に装着された前枠3とを備えている。前枠3は、左右一端側に配置された上下一対のヒンジ4を介して外枠2に対して開閉自在に枢支されている。なお、外枠2は、例えば従来のパチンコ機における外枠と略同じ寸法に形成されており、パチンコ機と同じ遊技島に装着可能となっている。
【0009】
前枠3の前側には、その上下方向略中央部分に表示パネル部5と操作パネル部6とが上下に配置されており、表示パネル部5の上側には上部装飾パネル部7が配置されている。上部装飾パネル部7には、例えばその上部側に演出ランプ7aが突出状に配置されている。また、操作パネル部6の下側には下部装飾パネル部8が配置されており、その下部装飾パネル部8の下側で前枠3の下端部にはメダル受け皿9が配置されている。
【0010】
前枠3の裏側には、表示パネル部5の裏側に対応して図柄表示ユニット10が、その下側にメダル払い出し装置11が夫々装着される他、電源手段、主制御基板、副制御基板等の各種部品(図示省略)が所定位置に着脱自在に装着されている。
【0011】
表示パネル部5には、図柄表示ユニット10の3つの回転リール12a〜12cに対応する3つの表示窓13a〜13cが左右方向に配置されている。なお、前枠3には、表示パネル部5の裏側に対応して矩形状の開口部3aが形成されており、この開口部3aに対して後側から図柄表示ユニット10が装着されている。
【0012】
各表示窓13a〜13cは、夫々回転リール12a〜12c上の連続する複数、例えば3つの図柄を同時に表示できる程度の縦長矩形状に形成されている。この表示窓13a〜13cは、表示パネル部5を構成するパネル板5aに開口状に形成してもよいし、パネル板5aを合成樹脂等で形成してその一部に無色透明部分を設け、これを表示窓13a〜13cとしてもよい。
【0013】
なお、本実施形態では、横方向に3本の入賞ラインL1〜L3が、斜め方向に2本の入賞ラインL4,L5が夫々設定されている。パネル板5aには、各入賞ラインL1〜L5を示す入賞ライン表示線を表示してもよい。
【0014】
操作パネル部6は、表示パネル部5の下側に左右方向に配置され、前枠3の前側に膨出状に形成されている。この操作パネル部6の上面側には、例えばその左右方向中央部分にクレジット表示手段21及び獲得メダル表示手段22が、左端側に1BETボタン24及びマックスBETボタン25が、右端側にメダル投入口26、及び返却ボタン27が設けられている。
【0015】
メダル投入口26は、遊技媒体としてのメダルを1枚ずつ投入可能に構成されている。メダル投入口26に投入されたメダルは、前枠3の裏側に配置されたメダル選別手段28で正否の判別を受けた後、正規のメダルのみがメダル検出スイッチ29で検出されてメダル払い出し装置11側に案内され、不正メダル等は返却通路を介してメダル受け皿9側に返却されるようになっている。なお、このメダル投入口26は、複数枚のメダルを一括投入可能な構成としてもよい。返却ボタン27は、メダル投入口26内に詰まったメダルを返却通路を介してメダル受け皿9に返却させるためのものである。
【0016】
1BETボタン24及びマックスBETボタン25は、メダルがクレジットされている場合に、メダル投入口26へのメダル投入に代えてクレジットからメダルをベットするためのもので、1回の操作につき夫々1枚及び3枚等の所定枚数のメダルをベットできるようになっている。
【0017】
クレジット表示手段21は、クレジットされているメダル枚数を表示するためのもので、例えば7セグメント式の表示手段により構成されている。また、獲得メダル表示手段22は、そのゲームで獲得したメダル枚数を表示するためのもので、例えば7セグメント式の表示手段により構成されている。
【0018】
操作パネル部6の前面側には、例えばその左端側にクレジット/払い出し切換ボタン(C/Pボタン)31及びスタートレバー32が、略中央部分にストップボタン33a〜33cが設けられている。
【0019】
C/Pボタン31は、獲得したメダルをクレジットするか、或いは払い出すかの設定を切り換えるためのものである。スタートレバー32は、回転リール12a〜12cの変動(回転)を開始させるためのもので、例えば上下方向に揺動可能に構成されている。ストップボタン33a〜33cは、各回転リール12a〜12cの変動(回転)を個別に停止させるためのもので、各回転リール12a〜12cに対応してその下側に夫々配置されている。
【0020】
メダル受け皿9は、メダル払い出し装置11から払い出されたメダル等を貯留するためのもので、前枠3の下端部に横長状に配置され、その左右方向略中央部分にはメダル排出口34が設けられている。メダル排出口34は、メダル投入口26側に連通する返却通路とメダル払い出し装置11側のメダル払い出し口36とに夫々連通しており、返却通路を介して返却されたメダル、及びメダル払い出し装置11から払い出されたメダルをメダル受け皿9側に排出するようになっている。また、メダル受け皿9の近傍には、1又は複数個のスピーカ37が、前枠3の裏面側から装着されている。
【0021】
メダル払い出し装置11は、メダルを貯留するメダルホッパー38、メダルを払い出す払い出し手段39等を備えている。メダル投入口26から投入され、メダル選別手段28で正規のメダルとして判別されたメダルは、メダルホッパー38内に送り込まれて貯留される。
【0022】
また、払い出し手段39は、メダルホッパー38内のメダルを払い出すためのもので、メダルホッパー38の下部側に設けられ、例えばモータ等の駆動手段によりメダルホッパー38内の回転体を駆動して、メダル払い出し口36から前側へとメダルを払い出すようになっている。
【0023】
図柄表示ユニット10は、組み合わせ遊技用の図柄を変動表示するためのもので、図3〜図5に示すように、図柄を変動表示する複数、例えば3つの図柄表示手段41a〜41cと、これら図柄表示手段41a〜41cにより変動表示される図柄が表示窓13a〜13cを介してその実物よりも拡大された拡大画像として視認されるように周方向に拡大する拡大手段42と、それら図柄表示手段41a〜41c、拡大手段42を前枠3の裏側で保持する本体ケース43とを備えている。
【0024】
図柄表示手段41a〜41cは、回転リール12a〜12c、リール回転駆動手段44、照明手段45、支持ケース46等を備えている。回転リール12a〜12cは、リール回転駆動手段44の駆動軸44aに固定されるハブ部47と、円筒部48と、ハブ部47と円筒部48とを左右方向一端側、例えば左端側で半径方向に接続するホーク部49とを例えば一体に備えている。
【0025】
円筒部48は、透光性を有する合成樹脂材料等によりその全体が構成されており、その外周面に、例えば透光性のある不透明な図柄表示シートが貼着されている。この図柄表示シートには、「7」、「3」、「BAR」、「チェリー」、「リプレイ図柄」等の複数種類の図柄が円周方向に所定間隔で複数個(例えば21個)プリントされている。
【0026】
なお、各図柄は、拡大手段42により周方向(縦方向)に拡大されたときにその縦横のバランスが最も自然な状態となるように、図柄表示シート上には円筒部48の周方向(縦方向)のみを所定の倍率で縮小した状態でプリントされている。
【0027】
リール回転駆動手段44は、例えばステッピングモータ等により構成されており、その駆動軸44aを左右方向に向けた状態で回転リール12a〜12c内に夫々配置され、支持ケース46に着脱自在に固定されている。
【0028】
照明手段45は、回転リール12a〜12cをその内側から照明するもので、表示窓13a〜13cに表示される複数(例えば3個)の図柄に対応して配置された複数組(例えば3組)のランプ50と、これらランプ50を支持するランプ支持体51とを備え、例えばランプ支持体51が支持ケース46に対して着脱自在に固定されている。
【0029】
支持ケース46は、回転リール12a〜12c、リール回転駆動手段44、及び照明手段45を直接的又は間接的に支持するもので、例えば上面板46aと下面板46bと側面板46cとで夫々回転リール12a〜12cの上面側、下面側、側面側を覆う正面視コの字型に一体形成されており、側面板46cの前側に一体的に形成された固定板46dにおいて本体ケース43の裏面側に着脱自在に固定されている。
【0030】
拡大手段42は、1つのフレネルレンズ(凸レンズの一例)52と、1又は複数、例えば回転リール12a〜12cに対応する3つの透明体53a〜53cとを備え、表示窓13a〜13cと回転リール12a〜12cとの間に配置され、本体ケース43に支持されている。
【0031】
フレネルレンズ52は、表示窓13a〜13cの全体を後側から略覆う大きさの矩形板状に形成されており、例えばその裏面側が、凸レンズ面を段付き状に加工して略平面状とした段付き面52aとなっている。このフレネルレンズ52の段付き面52aの溝は左右方向に形成されており、フレネルレンズ52はその全ての水平断面において左右方向に一定板厚となっており、その後側の回転リール12a〜12c上の図柄を縦方向(回転リールの周方向)にのみ拡大するようになっている。
【0032】
透明体53a〜53cは、無色透明のガラス、プラスチック等により一定板厚の平板状に形成されており、夫々回転リール12a〜12cに対応して回転リール12a〜12cとフレネルレンズ52との間に配置されている。
【0033】
本体ケース43は、左右一対の側壁板54a,54bと、それら側壁板54a,54bの下端部側を左右に接続する底壁板55と、側壁板54a,54b及び底壁板55の後部側を略覆う後壁板56と、側壁板54a,54b間を回転リール12a〜12cに対応して左右方向に等分割する複数、例えば2枚の仕切板57a,57bと、側壁板54a,54b及び後壁板56の上部側を略覆う上壁板58とを備え、例えばその前側を前枠3の開口部3aに後側から嵌合させた状態で、前枠3の裏面側に着脱自在に固定されている。
【0034】
側枠板54a,54b、底壁板55、後壁板56、及び仕切板57a,57bは例えば一体に形成されており、上壁板58はその上部側に着脱自在に固定されている。
【0035】
後壁板56には、その裏面側に図柄表示手段41a〜41cが左右方向に配置され、着脱自在に固定されている。また、後壁板56には、回転リール12a〜12cの前面側に沿う断面円弧状の凹部61が例えば左右方向全体にわたって形成されており、その凹部61上に、回転リール12a〜12cに対応する開口窓62a〜62cが形成されている。開口窓62a〜62cは、夫々回転リール12a〜12cの外周面上の連続する複数個、例えば3個の図柄に対応する大きさに形成されている。なお、各回転リール12a〜12cの外周面における開口窓62a〜62cに対応する範囲が表示対象範囲となる。
【0036】
本体ケース43の前端側には、側壁板54a,54b及び底壁板55にわたってレンズ保持溝63が形成されており、このレンズ保持溝63に沿って上側からフレネルレンズ52が挿入されている。レンズ保持溝63に挿入されたフレネルレンズ52は、その前面側が表示窓13a〜13cの裏側近傍に位置するようになっている。
【0037】
ここで、本体ケース43は、回転リール12a〜12cの表示対象範囲の位置がフレネルレンズ52に対してその焦点位置よりも近くなるように、回転リール12a〜12c及びフレネルレンズ52を保持するようになっている。なお、仕切板57a,57bは、その前縁側がフレネルレンズ52の裏面側に略当接している。
【0038】
本体ケース43の前後方向略中央部分には、側壁板54a,54b、仕切板57a,57b、及び底壁板55にわたって透明体保持溝64が形成されており、この透明体保持溝64に沿って、側壁板54aと仕切板57aとの間、仕切板57a,57bの間、仕切板57bと側壁板54bとの間に夫々透明体53a〜53cが上側から挿入されている。透明体保持溝64に挿入された透明体53a〜53cは、その前面側がフレネルレンズ52の裏面側に近接又は当接し、その裏面側が回転リール12a〜12cの表示対象範囲の前側に近接するようになっている。
【0039】
なお、レンズ保持溝63に挿入されたフレネルレンズ52、及び透明体保持溝64に挿入された透明体53a〜53cは、上壁板58により上側から押さえられて本体ケース43内に保持されている。
【0040】
上記のような構成を有するスロットマシンでは、表示窓13a〜13cの前側から見ると、回転リール12a〜12c上の図柄が実際の大きさよりも縦方向(回転リール12a〜12cの周方向)に拡大された拡大画像として視認される。
【0041】
即ち、図6に示すように、回転リール12a〜12c上の表示対象範囲ABは、フレネルレンズ52とその後側の焦点F2との間に位置しているため、表示対象範囲の上端側の点Aから光軸と平行に出た光線は、透明体53a〜53cを真っ直ぐに通過してフレネルレンズ52に入り、点Cで屈折して前側の焦点F1に向かって進む。
【0042】
また、点Aから出て透明体53a〜53cの点E1,E2で屈折した後フレネルレンズ52の中心Oを通った光線は、そのまま直進する。それら2つの光線は、焦点F2側に延長した点A′で交差する。表示対象範囲の下端側の点Bについては点A側と上下対称となるため、表示対象範囲ABは、表示窓13a〜13cの前側、即ち焦点F1側から見ると、縦方向(周方向)に拡大された正立虚像A′B′として認識される。
【0043】
このように、本実施形態のスロットマシンでは、回転リール12a〜12c上の図柄が表示窓13a〜13cの前側から実際の大きさよりも縦方向(周方向)に拡大されて見えるため、図柄の視認性を確保しつつ回転リール12a〜12cを従来よりも小径として遊技機本体1の奥行きを小さくすることが可能である。
【0044】
また、図7に示すように、回転リール12a〜12c上の図柄の水平方向(左右方向)の見え方については、透明体53a〜53cがなければ図柄から外れた点S′の位置が観察されるような位置Pから斜め方向に図柄を見た場合であっても、フレネルレンズ52及び透明体53a〜53cによる屈折の作用により回転リール12a〜12c上の点Sを観察することができる。即ち、フレネルレンズ52と回転リール12a〜12c上の表示対象範囲との間に透明体53a〜53cを配置したことにより、図柄を視認可能な視点の範囲を左右方向に広くとることができ、図柄の視認性を向上させることができる。
【0045】
また、フレネルレンズ52と回転リール12a〜12cとの間に、各回転リール12a〜12cの間を仕切る仕切板57a,57bを配置しているため、表示窓13a〜13cからは夫々対応する回転リール12a〜12cの図柄のみを観察することができる。例えば左右方向の斜め前方から表示窓13a内を見た場合、その表示窓13a内にはこれに対応する回転リール12a上の図柄のみが見え、隣の回転リール12b側の図柄は仕切板57a,57bによって遮断されるため、図柄の視認性がより向上する利点がある。
【0046】
更に、本体ケース43の後壁板56には、回転リール12a〜12cの各表示対象範囲に対応する開口窓62a〜62cが設けられ、その表示対象範囲のみが前側から観察可能となっているため、例えば各回転リール12a〜12cの間の隙間等が遊技者の視野に入ることを防止でき、図柄の視認性を更に向上させることができる。
【0047】
また、回転リール12a〜12c、フレネルレンズ52、透明体53a〜53c等の光学系を1つの図柄表示ユニット10としてユニット化しているため、例えばそれら各光学部品を個別に遊技機本体1側に装着する場合と比べて各光学部品間の相対位置を高精度に保つことができるという利点がある。
【0048】
図8は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態と同様に表示窓13a〜13cを介して凸レンズによる拡大された正立虚像として図柄を観察できるようにすると共に、その光路上に反射体を配置することにより、回転リール12a〜12cを表示窓13a〜13cの後方以外の任意の位置に配置できるようにした例を示している。
【0049】
図8に示すように、本実施形態の図柄表示ユニット10は、図柄表示手段41a〜41cと、凸レンズ52と、プリズム(反射体の一例)71と、それらを収容保持する本体ケース43とを備えており、例えば前枠3の裏側に着脱自在に装着されている。
【0050】
プリズム71は、3つの側面71a〜71cと2つの端面とを有する左右方向に長い三角柱状であって、その1つの側面71aが表示窓13a〜13cの後側に近接するように、本体ケース43に装着されている。
【0051】
側面71aの上縁側に隣接する側面71bは、図柄表示手段41側からの光が略直角に入射する面であって、側面71aとのなす角度Vはその臨界角よりも大きくなっている。従って、側面71bに略直角に入射した光線は、臨界角よりも大きな角度で側面71aに当たるため、この側面71aにおいて全反射されて側面71c側に進む。
【0052】
側面71cには、例えば鏡面加工が施されており、あらゆる方向からの光線を全反射させるようになっている。また、この側面71cは、側面71bに直角に入射して側面71aで全反射した光線が、この側面71cで全反射して側面71aから略垂直に出て行くように、側面71aとのなす角度が(90°−V)/2に設定されている。
【0053】
図柄表示手段41a〜41cは、例えば第1の実施形態と略同じ構成で、回転リール12a〜12c上の表示対象範囲がプリズム71の側面71bに対向するように、本体ケース43に装着されている。
【0054】
凸レンズ52は、回転リール12a〜12c上の図柄を周方向に拡大する拡大手段42を構成するもので、回転リール12a〜12c上の表示対象範囲とプリズム71の入射面である側面71bとの間に配置されている。回転リール12a〜12c及び凸レンズ52は、回転リール12a〜12cの表示対象範囲の位置が凸レンズ52に対してその焦点位置よりも近くなるように、本体ケース43に装着されている。なお、凸レンズ52は第1の実施形態と同様のフレネルレンズを用いてもよいし、通常の凸レンズを用いてもよい。
【0055】
このような構成により、第1の実施形態と同様に、回転リール12a〜12c上の表示対象範囲ABは、焦点F1側から見て上下方向(周方向)に拡大された正立虚像A′B′として認識されると共に、その焦点F1側への光線はプリズム71により方向を変えられて表示窓13a〜13cに到達するようになっているため、図柄の視認性を確保しつつ回転リール12a〜12cを従来よりも小径とすることができるだけでなく、回転リール12a〜12cを表示窓13a〜13cの後方以外の任意の位置に配置することができ、遊技機本体1の内部スペースを有効に利用して遊技機本体1の奥行きをより小さくすることが可能である。
【0056】
図9は本発明の第3の実施形態を例示し、表示窓13a〜13cの近傍に設けたスクリーン上に、回転リール12a〜12cの図柄の拡大された実像を形成するようにした例を示している。
【0057】
図9に示すように、本実施形態の図柄表示ユニット10は、図柄表示手段41a〜41cと、凸レンズ52と、ミラー81と、スクリーン82と、それらを収容保持する本体ケース43とを備えており、例えば前枠3の裏側に着脱自在に装着されている。
【0058】
スクリーン82は、表示窓13a〜13cの後側を覆うようにその近傍に配置されている。このスクリーン82は、凸レンズ52側からの光を裏面側で受光して、その前面側、即ち表示窓13a〜13c側に向けて画像を表示するように構成されている。なお、スクリーン82は各表示窓13a〜13cに夫々対応するように複数設けてもよい。
【0059】
図柄表示手段41a〜41cは、例えば第1の実施形態と略同じ構成で、回転リール12a〜12c上の表示対象範囲が例えば下向きになるように、図柄表示ユニット10内の例えば表示窓13a〜13cよりも上側に配置されている。
【0060】
凸レンズ52は、回転リール12a〜12c上の表示対象範囲に対向するように、例えば回転リール12a〜12cの下側に配置されている。なお、回転リール12a〜12c及び凸レンズ52は、凸レンズ52の焦点位置よりも遠く且つその焦点位置の2倍よりも近い位置に回転リール12a〜12c上の表示対象範囲が位置するように、本体ケース43に装着されている。なお、凸レンズ52は第1の実施形態と同様のフレネルレンズを用いてもよいし、通常の凸レンズを用いてもよい。
【0061】
ミラー(反射体の一例)81は、例えば平板状に形成されており、凸レンズ52側からの光線がスクリーン82に対して例えば垂直に入射するように、例えば凸レンズ52の下側で且つスクリーン82の後側に前下がりの傾斜状に配置されている。
【0062】
更に、回転リール12a〜12c、凸レンズ52、ミラー81、及びスクリーン82は、凸レンズ52により集光された光がスクリーン82上で実像を形成するように、互いの相対位置が調整されている。
【0063】
なお、回転リール12a〜12c上の表示対象範囲を裏側から照明する照明手段45、凸レンズ52、スクリーン82等が拡大手段42を構成している。
【0064】
上記のような構成を有するスロットマシンでは、回転リール12a〜12cの表示対象範囲ABがその裏側から照明手段45により照明されると、例えば一端側の点Aから光軸と平行に進んで凸レンズ52に入った光線は、C点で屈折して焦点F1を通過し、ミラー81で反射されてスクリーン82に到達する。
【0065】
また、点Aから出て凸レンズ52の中心Oを通った光線はそのまま直進し、ミラー81で反射されてスクリーン82に到達する。それら2つの光線はスクリーン82上で像A′を結ぶ。表示対象範囲の他端側の点Bについても点A側と全く同様であるため、表示対象範囲ABは、スクリーン82上に縦方向(回転リール12a〜12cの周方向)に拡大された実像A′B′を結ぶ。従って、遊技者は表示窓13a〜13cを介して、スクリーン82上に映し出された拡大された図柄を観察することができる。
【0066】
このように、本実施形態のスロットマシンでは、回転リール12a〜12c上の図柄が表示窓13a〜13cの前側から実際の大きさよりも縦方向(周方向)に拡大されて観察されるため、図柄の視認性を確保しつつ回転リール12a〜12cを従来よりも小径として遊技機本体1の奥行きを小さくすることが可能である。
【0067】
また、ミラー81を介してその光軸方向を変化させることにより、回転リール12a〜12cを表示窓13a〜13cの後方以外の任意の位置に配置することができ、遊技機本体1の内部スペースを有効に利用して遊技機本体1の奥行きをより小さくすることが可能である。
【0068】
更に、スクリーン82上に図柄の実像を結ばせるようになっているため、表示窓13a〜13cに対して斜め方向から見たときの視認性が極めて高いという利点もある。
【0069】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では全て図柄を上下方向、即ち回転リール12a〜12cの周方向にのみ拡大するように構成したが、左右方向、即ち回転リール12a〜12cの軸方向にも同時に拡大するように構成してもよい。これにより、回転リール12a〜12cをその半径方向だけでなく軸方向にも小さくすることが可能である。
【0070】
実施形態では、全て1枚のレンズを用いた例を示したが、2枚以上のレンズを組み合わせてもよい。第1の実施形態では、凸レンズとしてフレネルレンズを用いたが、通常の凸レンズを用いてもよい。凸レンズは、各回転リール12a〜12c毎に別個に設けてもよい。
【0071】
第1の実施形態では、透明体53a〜53cを凸レンズ52の後側に配置したが、凸レンズ52の前側、若しくは前後両側に配置してもよい。
【0072】
第2の実施形態では、反射体の一例として1つのプリズム71を用いた例を示したが、2個以上のプリズムを用いてもよい。また、反射体はプリズムに限られるものではなく、ミラー等であってもよい。要は、回転リール12a〜12cの表示対象範囲から表示窓13a〜13cに至る光軸の方向を変化させられるものであればよい。
【0073】
第2、第3の実施形態では、回転リール12a〜12cの位置は任意であり、例えば表示窓13a〜13cよりも下側に配置してもよい。
【0074】
なお、第2の実施形態のように、表示窓13a〜13cを介して虚像を観察するようにしたものについては、反射体による反射回数や反射方向によっては、表示窓13a〜13cから観察される虚像が、回転リール12a〜12c上の図柄に対して上下及び/又は左右が反対となる場合があることに注意が必要である。即ち、例えば光路上に1つの反射体を配置して図柄の上下が反対となるように構成する場合には、回転リール12a〜12c上には上下を反対にした図柄を配置し且つその回転方向を逆にする必要がある。
【0075】
また、第3の実施形態のようにスクリーン82上に実像を結ばせる構成とする場合も、反射体はミラー、プリズム等、どのようなものを用いてもよい。要は、回転リール12a〜12cの表示対象範囲からスクリーン82に至る光軸の方向を変化させられるものであればよい。また、反射体を2個以上配置してもよいし、反射体を配置しなくてもよい。
【0076】
第3の実施形態では、1枚のミラー81を配置して図柄の上下を1回だけ反転させる構成となっていることにより、倒立実像が正立実像となってスクリーン82上に映し出されるため、回転リール12a〜12c上には通常の正立した状態の図柄を配置すればよい。しかしながら、例えば反射体を配置しない場合や、2個以上の反射体を配置してスクリーン82上に倒立実像を映し出すようにする場合には、回転リール12a〜12c上には上下を反対にした図柄を配置し且つその回転方向を逆にする必要がある。
【0077】
更に、実施形態では遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシンを例に挙げて説明したが、遊技媒体はメダルに限られるものではなく、例えばパチンコ球等を遊技媒体として用いるように構成してもよい。
【0078】
また、拡大手段42を装着する回転リールは、図柄組み合わせゲーム用のものに限られるものではなく、例えば図柄組み合わせゲーム用の回転リールとは別に設けられた演出用の回転リールであってもよい。
【0079】
また、本発明は、回転リールを用いた組み合わせ遊技が組み込まれた遊技機に広く採用することができ、例えば回転リールを用いたパチンコ機、アレンジボール機等においても同様に実施可能である。本発明をパチンコ機、アレンジボール機等に採用すれば、他の遊技部品等が多数配置された遊技盤裏の限られたスペースに装着できる程度の小型の回転リールを用いつつ、従来よりもインパクトのある演出を行うことが可能である。
【0080】
【発明の効果】
本発明では、遊技機本体1に、外周面上に複数の図柄を配した回転リール12a〜12cと表示窓13a〜13cとを備え、表示窓13a〜13cを介して遊技機本体1の前側から回転リール12a〜12c上の図柄を視認可能に構成した遊技機において、回転リール12a〜12cはその軸方向に互いに隣接して複数配置され、回転リール12a〜12c上の図柄が表示窓13a〜13cを介してその実物よりも拡大された拡大画像として視認されるように、回転リール12a〜12c上の図柄を少なくとも周方向に拡大する拡大手段42を備え、拡大手段42は、回転リール12a〜12c上の所定の表示対象範囲と表示窓13a〜13cとの間の所定の光路上に配置された凸レンズ52を備え、表示対象範囲の位置が凸レンズ52に対してその焦点位置よりも近くなるように回転リール12a〜12c及び凸レンズ52を配置し、回転リール12a〜12cと凸レンズ52との間に、前後方向所定厚さに形成され且つ複数の回転リール12a〜12cに対応してその前側に配置される複数の透明体53a〜53cと、それら複数の透明体53a〜53cの間に配置され且つ複数の回転リール12a〜12cの間を仕切る仕切板57a,57bとを設けているため、回転リール12a〜12cを小径として遊技機本体1の奥行きを小さくしつつ、図柄の視認性を確保してインパクトのある演出が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すスロットマシンの正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示すスロットマシンの側面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す図柄表示ユニットの側面断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す図柄表示ユニットの平面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示す図柄表示ユニットの正面断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示す図柄表示ユニットによる図柄表示の説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示す図柄表示ユニットによる図柄表示の説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す図柄表示ユニットの概略構成及び図柄表示の説明図である。
【図9】本発明の第3の実施形態を示す図柄表示ユニットの概略構成及び図柄表示の説明図である。
【符号の説明】
12a〜12c 回転リール
13a〜13c 表示窓
42 拡大手段
45 照明手段
52 フレネルレンズ(凸レンズ)
53a〜53c 透明体
57a,57b 仕切板
71 プリズム(反射体)
81 ミラー(反射体)
82 スクリーン

Claims (1)

  1. 遊技機本体(1)に、外周面上に複数の図柄を配した回転リール(12a)〜(12c)と表示窓(13a)〜(13c)とを備え、前記表示窓(13a)〜(13c)を介して前記遊技機本体(1)の前側から前記回転リール(12a)〜(12c)上の図柄を視認可能に構成した遊技機において、前記回転リール(12a)〜(12c)はその軸方向に互いに隣接して複数配置され、前記回転リール(12a)〜(12c)上の図柄が前記表示窓(13a)〜(13c)を介してその実物よりも拡大された拡大画像として視認されるように、前記回転リール(12a)〜(12c)上の図柄を少なくとも周方向に拡大する拡大手段(42)を備え、該拡大手段(42)は、前記回転リール(12a)〜(12c)上の所定の表示対象範囲と前記表示窓(13a)〜(13c)との間の所定の光路上に配置された凸レンズ(52)を備え、前記表示対象範囲の位置が前記凸レンズ(52)に対してその焦点位置よりも近くなるように前記回転リール(12a)〜(12c)及び前記凸レンズ(52)を配置し、前記回転リール(12a)〜(12c)と前記凸レンズ(52)との間に、前後方向所定厚さに形成され且つ前記複数の回転リール(12a)〜(12c)に対応してその前側に配置される複数の透明体(53a)〜(53c)と、それら複数の透明体(53a)〜(53c)の間に配置され且つ前記複数の回転リール(12a)〜(12c)の間を仕切る仕切板(57a)(57b)とを設けたことを特徴とする遊技機。
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