JP4162938B2 - 水素製造プラント制御装置および水素製造装置ならびに水素製造方法 - Google Patents

水素製造プラント制御装置および水素製造装置ならびに水素製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水素製造プラント制御装置および水素製造装置ならびに水素製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代のエネルギ供給システムとして、水素を酸素と反応させて発電を行う燃料電池発電システムが注目され、盛んに研究開発が行われている。そのような燃料電池発電システムでは、炭化水素を主とする原料ガスから水素を製造して取り出すことが必要である。その製造方法としては、一般に、天然ガスやLPG(液化石油ガス)などの炭化水素系の原料ガスを触媒を用いて水蒸気と反応させることで炭素と水素とに分解し、その中の水素を取り出すようにしている。
【0003】
さらに詳細には、一般式で炭化水素をCnm、水蒸気をH2O、水素をH2 、二酸化炭素をCO2とすると、Cnm+nH2O=nCO+(m/2+n)H2となる。さらにCO変成を行って、nCO+nH2O=nCO2+nH2となる。このようにして、炭化水素を原料ガスとして用いて、それをいわゆる水蒸気改質することにより、原料ガスから水素を取り出す(水素を製造する)ようにしている。
【0004】
このような水蒸気改質によって原料ガスから水素を製造するプロセスまたはプラントは、燃料電池発電システムの他にも、例えばメタノール合成、オキソ合成、アンモニア合成を行う化学物質合成システムなどにも利用される。あるいは、水素を内燃機関で燃焼させることで機械的エネルギを発生させる、いわゆる水素エンジンなどにも利用することなども可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような水蒸気改質を行うプロセスまたはプラントでは、水蒸気の流量と原料ガスの流量とを最適な比率に調節することで、いわゆるS/C比(スチーム/カーボン比率)を最適化することが、強く要請される。換言すれば、燃料電池発電システムにおける発電効率や化学物質合成システムにおける総合効率を良好なものとするためには、発電や合成の前段で原料となる水素を製造する際の水蒸気改質プロセスの効率を高めることが極めて重要な技術要素である。
【0006】
そこで従来の技術では、少なくともカーボン析出を防止して触媒が正常に機能して確実な水蒸気改質を行うことができるようにするために、原料ガスの組成が変動する場合には原料ガス中の変動幅の最も重質な組成に対応してS/Cの最低値を設定しておき、原料ガスの組成変動や流量変動等に起因して最も厳しい条件になっても、S/Cの値が正常な水蒸気改質を行うことができる最低限の値を下回らないようにしておくようにするという方法が採用されていた。
【0007】
ところが、S/Cの値を上記のようにあらかじめ高めの値に固定しておくということは、必要以上に多量の水蒸気を浪費することとなり、延いては燃料電池発電システムや化学物質合成システムの全体としてのエネルギ効率(熱効率)を著しく低下させることとなる場合がある。このため、S/Cの値は触媒の性能および原料ガスの組成ならびに流量に対応した適正値に保つようにすることが必要である。
【0008】
ここで、原料ガスの組成が常に一定でかつその流量が常に一定であれば、その条件に適合した最適なS/C値を予め設定しておけばよい。しかし実際には、原料ガスの流量については、例えば燃料電池発電の場合では一般に発電出力電流値あるいは発電出力電力量に対応して追従制御されるが、原料ガスの組成が変動する場合があり、その変動に対しては、実質的には追従制御が行われていない。このため、最適なS/C値を予め設定しておいても、原料ガスの組成が変動することに起因して、必要十分な水蒸気流量から逸脱した状態となり、熱効率が低下するという問題がある。例えば天然ガスを原料ガスとして用いる場合を一例として挙げると、一般に天然ガスは産地によって組成が異なっている場合が多い。あるいはプロパン、ブタン混合LPGの場合には、容器からLPGがガスとして取り出される際に、容器内のLPGが満杯に近いときにはプロパンのような軽質成分が多い組成のガスとなり、残量が少なくなるとブタンのような重質成分が多い組成のガスとなるという傾向があり、容器内のLPGの残量によって供給されるガスの組成が変化する場合がある。
【0009】
このような不都合に対応することを企図して、従来の技術では、原料ガスの組成の変動をガス分析計によって分析し、その分析された組成に対応してS/C値を補正または再設定する、という方策が、例えば特開2000−325975号公報によって提案されている。
【0010】
しかしながら、このようなガス分析計を用いて原料ガスの組成を分析する手法では、原料ガスの組成を分析するプロセスが極めて煩雑で、例えば、ガス分析計として最も一般的なガスクロマトグラフィを用いる場合、その分析に長い時間を要することが不可避なものであるため、実際には、原料の組成の変化に対してリアルタイムに精確に追従することが極めて困難あるいは不可能であるという、プラント制御方法または制御装置として致命的な問題がある。
【0011】
また、ガスクロマトグラフィに代表されるガス分析計によれば、確かに原料ガスの組成を精確に計測することは可能ではあるが、そのような精確な組成の計測を行うためのガスクロマトグラフィなどガス分析計装置構成自体が、極めて煩雑、大型であり、また高価なものであるため、例えば一般家庭や店舗等に分散配置される小型の燃料電池発電システムや環境配慮型あるいは分散型の発電システムに適用することは現実的でないという問題もある。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、小型・簡易で安価であり、かつ原料ガスの組成および流量に対して水蒸気や原料ガスの流量を精確かつリアルタイムに追従制御することが可能である水素製造プラント制御装置および水素製造装置ならびにそれらによって具現化される水素製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による水素製造プラント制御装置は、炭化水素を主とする原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水素製造プラントにおける、前記水蒸気の質量流量を制御するための水蒸気流量調節器の制御を行うための水素製造プラント制御装置であって、前記原料ガスの質量流量を計測する質量流量計と、前記質量流量計によって計測される質量流量に基づいて、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量を演算し、その値に基づいて、前記水蒸気の流量を制御するための信号を、前記水蒸気流量調節器へ出力する制御演算手段とを備え、前記制御演算手段は、前記質量流量計によって計測される質量流量と、前記原料ガスに含まれることが想定される炭素の近似的な質量比とに基づいて、前記原料ガス中に含有されている炭素の質量流量を算出し、その算出結果の値を、前記原料ガスに対してあらかじめ定めた補正値によって補正し、その値に基づいて前記水蒸気の質量流量を制御するものである。
【0014】
また、本発明による水素製造装置は、炭化水素を含有する原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水蒸気改質器を備えた水素製造装置であって、前記原料ガスの質量流量を計測する質量流量計と、前記質量流量計によって計測される質量流量に基づいて、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量を演算し、その値に基づいて前記水蒸気改質器へと供給する前記水蒸気の流量を水蒸気流量調節器により制御する制御演算手段を有する制御手段とを備え、前記制御演算手段は、前記質量流量計によって計測される質量流量と、前記原料ガスに含まれることが想定される炭素の近似的な質量比とに基づいて、前記原料ガス中に含有されている炭素の質量流量を算出し、その算出結果の値を、前記原料ガスに対してあらかじめ定めた補正値によって補正し、その値に基づいて前記水蒸気の質量流量を制御するものである。
【0015】
また、本発明による水素製造方法は、炭化水素を含有する原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水素製造方法であって、前記原料ガスの質量流量を計測するプロセスと、計測された前記質量流量に基づいて、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量を演算し、その値に基づいて、前記水蒸気の流量を制御する制御プロセスとを備え、前記制御プロセスは、前記質量流量計によって計測される質量流量と、前記原料ガスに含まれることが想定される炭素の近似的な質量比とに基づいて、前記原料ガス中に含有されている炭素の質量流量を算出し、その算出結果の値を、前記原料ガスに対してあらかじめ定めた補正値によって補正し、その値に基づいて前記水蒸気の質量流量を制御するものであるものである。
【0016】
すなわち、本発明による水素製造プラント制御装置または水素製造装置または水素製造方法では、前記原料ガスの質量流量を計測し、その質量流量の計測値に基づいて、原料ガスに含まれる炭素分の質量流量を演算し、その値に基づいて、水蒸気の質量流量を原料ガスの流量および組成に対応してリアルタイムに制御して、水蒸気改質プロセスにおけるS/C値を常に適正化する。
【0017】
また、本発明による水素製造プラント制御装置または水素製造装置では、質量流量計が、サーマルフローセンサであるようにすると共に、本発明による水素製造方法では、前記質量流量を計測するプロセスにおいてサーマルフローセンサを用いるようにする。このようにすることにより、水蒸気または原料ガスの質量流量または体積流量を原料ガスの流量および組成に対応してリアルタイムに制御することが可能となると共に、装置またはプラントの構成を、ガスクロマトグラフィなどの組成分析装置を用いる従来技術の場合と比較して、飛躍的に小型・簡易で安価なものとすることが可能となる。
【0018】
ここで、上記の「サーマルフローセンサ」とは、さらに具体的には、例えば電流を流して熱した電熱線(電熱ヒータ)を計測対象の流体である原料ガスの流れの中に配置しておき、その流れに起因して生じる電熱線の電気抵抗値の変化に基づいて放熱量変化を検出するというものがある。あるいは、計測対象の原料ガスの流れの中に配置された電熱線のような熱源によって原料ガスを加熱するように設定しておき、その電熱線の近傍の上流側または下流側に温度計測手段を設けて、この温度計測手段で流体の温度を計測し、その温度に基づいて流体の伝熱量変化を計測するというものなどがある。その伝熱量変化を計測する手法としては、さらに詳細には、熱源と温度計測手段との間の主に導通路壁等を伝導する熱を計測するものと、熱源と温度計測手段との間の主に流体中を伝導する熱を計測するものとがあるが、特に後者は受熱量変化(受熱量変化を計測する)方式と呼ばれている。このような各種のサーマルフローセンサを上記の質量流量計として好適に用いることが可能である。
【0019】
また、前記制御演算手段または前記制御手段または前記制御プロセスでは、前記水蒸気の質量流量または体積流量を、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量に基づいて追従制御することが可能である。
【0020】
すなわち、ガスクロマトグラフィなどのガス分析装置を用いる従来技術の場合には、原料ガスの組成分析のプロセスが極めて煩雑で時間を要するものであったため、実際にはその分析で得られた結果をリアルタイムに用いて水蒸気の流量や原料ガスの流量を追従制御することは極めて困難であったが、本発明では、前記制御演算手段または前記制御手段または前記制御プロセスによって、極めて簡易で短時間に原料ガス中の炭素分の流量の演算結果を得ることが可能となるので、その結果をリアルタイムに用いて、原料ガスの組成および流量に対応して水蒸気の流量あるいは原料ガスの流量を、常にリアルタイムに精確に追従制御することが可能となる。
【0021】
また、前記制御演算手段または前記制御手段または前記制御プロセスは、さらに詳細には、前記質量流量計によって計測される質量流量と、前記原料ガスに含まれることが想定される炭素の近似的な質量比とに基づいて、前記原料ガス中に含有されている炭素の質量流量を算出し、その算出結果の値を、原料ガスに対してあらかじめ定めた補正値によって補正し、その値に基づいて前記水蒸気の質量流量を制御する。
【0022】
料ガスとしては、種々の炭化水素系ガスを適用可能である。原料ガスは、例えば、飽和炭化水素のガスであってもよいし、飽和炭化水素の異性体または一部置換体あるいは不飽和炭化水素のガスであってもよい。
【0023】
本発明による水素製造プラント制御装置または水素製造装置または水素製造方法は、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造し、それを水素と酸素とを反応させることで発電を行う燃料電池へと供給するように設定されて、燃料電池発電システムの一部分として用いられるようにすることが可能である。
【0024】
あるいは、本発明による水素製造プラント制御装置または水素製造装置または水素製造方法は、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水蒸気改質システムの一部分として用いられるようにすることが可能である。
【0025】
あるいは、本発明による水素製造プラント制御装置または水素製造装置または水素製造方法は、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造し、それを所定の化学物質の合成を行うプラントへと供給するように設定されて、化学物質合成システムの一部分として用いられるようにすることが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態に係る水素製造装置が組み込まれた燃料電池発電システムの概要構成を表したものである。なお、本発明の実施の形態に係る水素製造プラント制御装置または水素製造方法は、この燃料電池発電システムおよびそれに組み込まれた水素製造装置の一部として機能し、あるいはその作用によって具現化されるものであるから、以下、それらを併せて説明する。
【0028】
この燃料電池発電システムは、原料ガス供給ライン(配管)1と、原料ガス流量調節弁2と、原料ガス流量調節器(原料ガス流量調節弁の機械的サーボ系)3と、サーマルフローセンサ(質量流量計)4と、脱硫器5と、水蒸気供給ライン(配管)6と、水蒸気流量調節弁7と、水蒸気流量調節器(水蒸気流量調節弁の機械的サーボ系)8と、改質器10と、制御演算部11と、水蒸気流量計12と、燃料電池発電装置13とを、その主要部として備えている。なお、制御演算部11と原料ガス流量調節器3と水蒸気流量調節器8とから、制御部100の主要部が構成される。
【0029】
原料ガス供給ライン1は、図示しない原料ガスタンク等から、炭化水素を主とする原料ガスとして例えば天然ガス、LPGなどのような飽和炭化水素系のガス、あるいはその異性体またはその組成の一部を置換してなる不飽和炭化水素系のガスなどの原料ガスを供給するための配管である。
【0030】
原料ガス流量調節弁2は、原料ガス供給ライン1によって導かれて供給されてくる原料ガスの流量を調節するための弁開度可変の調節弁である。
【0031】
原料ガス流量調節器3は、原料ガス流量調節弁2の弁開度を機械的に調節するためのサーボ系である。この原料ガス流量調節器3は例えばサーボモータのような電気的原動機を駆動力源として作動して原料ガス流量調節弁2の弁開度調節の動作を行うもので、その機械的な動作は制御演算部11から送られてくる制御信号によって制御されるように設定されている。
【0032】
サーマルフローセンサ4は、質量流量計測器であって、原料ガスの質量流量に対応して生じる熱量変化を検出し、その熱量変化の値に対応した信号を出力するものである。このサーマルフローセンサ4の概要構成としては、さらに詳細には、例えば電流を流して熱した電熱線を計測対象の原料ガスの流れの中に配置しておき、その流れに起因して生じる電熱線の電気抵抗値の変化に基づいて放熱量変化を検出するというものや、計測対象の原料ガスの流れの中に配置された電熱ヒータのような熱源によって原料ガスを加熱するように設定しておき、その電熱線の近傍の上流側または下流側に温度計測手段を設けて、この温度計測手段で原料ガスの温度または温度変化を計測し、その温度または温度変化に基づいて原料ガスの伝熱量変化を計測するというものなどが適用可能である。また、その伝熱量変化を計測する手法としては、さらに詳細には、熱源と温度計測手段との間の主に導通路壁等を伝導する熱を計測するものと、熱源と温度計測手段との間の主に流体中を伝導する熱を計測するものとがある。このような各種のサーマルフローセンサを用いることが可能である。
【0033】
いずれの種類のサーマルフローセンサを用いる場合についても、このサーマルフローセンサ4によって質量流量を計測するようにしたことで、水蒸気または原料ガスの質量流量または体積流量を原料ガスの流量および組成に対応してリアルタイムに制御することが可能となると共に、装置またはプラントの構成を、ガスクロマトグラフィなどの組成分析装置を用いる従来技術の場合と比較して、飛躍的に小型・簡易で安価なものとすることが可能となっている。
【0034】
その一例として、例えば図2に示したサーマルフローセンサでは、1つのSi(シリコン)マイクロチップ401に、熱線ヒータ402と、上流側温度センサ403と、下流側温度センサ404と、駆動用回路(図示省略)とを作り込んだ構造の、極めて小型で簡易な構造のものとなっている。しかもこのようなサーマルフローセンサによれば計測対象の原料ガスの質量流量を精確にリアルタイムで計測することが可能である。
【0035】
脱硫器5は、原料ガスに硫化炭素系の物質が含まれている場合にそれを除去して、改質器に供給される原料ガスの脱硫を行うためのものである。この脱硫器5については、例えば原料ガスが既に脱硫化されたものである場合などには省略することが可能であることは言うまでもない。
【0036】
水蒸気供給ライン6は、図示しない水蒸気発生装置等から水蒸気を供給するための配管である。
【0037】
水蒸気流量調節弁7は、水蒸気供給ライン6によって導かれて供給されてくる水蒸気の流量を調節するための弁開度可変の調節弁である。
【0038】
水蒸気流量調節器8は、水蒸気流量調節弁7の弁開度を機械的に調節するためのサーボ系である。この水蒸気流量調節器8は、例えば前述の原料ガス流量調節器3と同様に、サーボモータのような電気的原動機によって駆動力を発揮するもので、その機械的な弁開度調節の動作は制御演算部11から送られてくる制御信号によって制御されるように設定されている。
【0039】
水蒸気流量計12は、水蒸気の流量を計測するものである。この水蒸気流量計12は、例えばオリフィスを用いた差圧流量計、タービン式流量計などが適用可能である。
【0040】
改質器10は、原料ガスを水蒸気と反応させることで、その原料ガスから水素を製造し、その水素を燃料電池発電装置13へと供給する、いわゆる水蒸気改質を行うものである。この改質器10としては、一般的な原料ガスの水蒸気改質を行うことができるものであればよい。あるいは、この改質器10はCO変成器やCO選択酸化反応器の機能を併せ持ったものとしてもよい。
【0041】
制御演算部11は、サーマルフローセンサ4によって計測された原料ガスの質量流量と、原料ガスに含まれる炭素の質量比とに基づいて、水蒸気の質量流量を制御して改質器10での水蒸気改質プロセスにおけるS/C値を最適化するための制御信号を、水蒸気流量調節器8へと出力するものである。
【0042】
なお、この制御演算部11は、燃料電池発電装置13における発電状態を表す状態量として発電によって出力される電流または電圧あるいは電力の値を計測し、その値に対応して原料ガスの質量流量または体積流量を最適化して、効率的に目標の発電を行うために必要な原料ガスの流量を制御するという、一般的な機能を備えているものであることは言うまでもない。
【0043】
さらに詳細には、この制御演算部11では、原料ガスが例えば一般式;Cn
2n+2で表される鎖式の飽和炭化水素系(アルカン系またはメタン系)のガス(例えばメタン単体またはエタンとメタンとの混合ガスのいずれでも可能)である場合には、その原料ガス中に含まれる炭素の質量の原料ガス全体の質量に対する比率(質量比)は、炭素の質量が12nであり、水素の質量が(2n+2)であるため、{12n/12n+(2n+2)}となる。ここで、鎖式の飽和炭化水素系では一般に、飽和炭化水素の一連の鎖の両端には各々1個ずつ水素原子が存在しているが、それ以外はH−C−Hが規則的に(反復的に)並んでいる構造となっている。そして炭素元素の質量と水素元素の質量は、12:1であるから、一桁以上も炭素元素の質量の方が大きい。それ故、原料ガス中の炭素と水素との質量の比率は、近似的には1:2と見做すことができる。これは換言すれば、原料ガス中に含まれる炭素の質量が全原料ガスの質量に占める比は、近似的に、(12×1)/(1×2+12×1)=12/14(=約0.857)と見做すことができるということである。従って、サーマルフローセンサ4で計測された原料ガスの質量流量をMall とすれば、上記のような炭素の近似的な質量比(=12/14)を用いて、原料ガスに含まれることが想定される炭素の質量流量の値Mc は、Mc =Mall ×12/14(=約0.857Mall )という式によって近似的に算出することができる。
【0044】
なお、この場合、飽和炭化水素の鎖の両端に本当は存在している2個の水素については計算上は敢えて無視しているのであるから、上記の近似的な炭素の質量比を用いて計測〜算出される炭素の質量流量の値は、そのときに実際に流れている炭素の質量流量の真値(これをここではMc -true と呼ぶ。以下同様)よりも若干多い値となっている。
【0045】
上記のように飽和炭化水素の鎖の両端に存在している2個の水素について無視した計算を行った場合に想定される誤差について、さらに詳細には、一般式;Cn2n+2 の分子量nが最も小さい場合(n=1のとき)、すなわちメタンの場合に、無視した2個の水素の質量が全体に占める割合が最も大きくなるので、それに起因した誤差が最も大幅なものとなる。すなわち、このメタン(CH4 )の場合には、全体のモル分子質量は16であり、それに含まれる炭素の実際のモル分子質量は12(これが真値Mc -true に該当する)であるが、上記の計算では2個の水素を無視しているので、Mc =16×(12/14)=13.71であるから、このときの誤差は、13.71−12=1.71となり、+方向に1.71(約+14.2%)の誤差が生じることとなる。このような誤差は、nの値が大きくなるに連れて小さく(小幅に)なって行く傾向にある。そこで、このような誤差を解消あるいは改善する最も簡便な手法としては、原料ガスとして特にメタンやエタンのようなnが小さい種類の飽和炭化水素を用いる場合には、そのnの値に対して適正に対応した補正値あるいは校正値をあらかじめ定めておき、それによって算出結果の値を補正あるいは校正するようにすればよい。
【0046】
図3は、水蒸気質量流量の制御を行う演算ブロックの概要構成を模式的に表したものである。
【0047】
サーマルフローセンサ4では、原料ガス全体の質量流量Mall を計測する。このとき計測される質量流量Mall については、サーマルフローセンサ4に関する精度(あるいは不確からしさ)に起因した誤差が支配的であって、その他の要因による誤差等は理論的には十分に無視できるほどに小さいものとすることが可能であることはいうまでもない。
【0048】
そして制御演算部11では、演算ブロック111が、サーマルフローセンサ4で計測された質量流量Mall に基づいて、上記の演算式;Mc =Mall ×12/14(=約0.857Mall )によって炭素の質量流量の値Mc を演算すると共に、それとは相補的関係にある水素の質量流量の値MH (MH =Mall −Mc )を演算する。
【0049】
続いて、演算ブロック112は、炭素の質量流量の演算値Mc に基づいて、水蒸気の質量流量の制御値MH2O を演算すると共に、水素の質量流量の値MH に基づいて、その水素が改質器10を介して燃料電池発電装置13に投入されたと仮定したときに出力されることが想定される電力量Win を演算する。そして実際の水蒸気の質量流量が、算出された水蒸気の質量流量の制御値MH2O となるように、水蒸気流量調節器8を制御する。
【0050】
制御演算部11では、上記のようにして、原料ガスに含まれている炭素の質量流量の値Mc を算出し、その炭素の質量流量の値Mc に基づいて、そのときの原料ガスに対応して最も効率的な水蒸気改質を行うことができるような適正な水蒸気流量を算出し、そのような水蒸気流量となるように水蒸気流量調節弁7の弁開度を調節するための制御信号を、水蒸気流量調節器8へと送出する。
【0051】
燃料電池発電装置13は、一般的な燃料電池発電を行うための装置である。制御演算部11を中心とする制御部100の機能によってS/Cを最適化された水蒸気と原料ガスとを用いて改質器10が高効率で発生させた水素は、この燃料電池発電装置13へと供給される。
【0052】
このとき、この燃料電池発電装置13における発電効率がいかに高くとも、その前段である水素の発生プロセスでの効率が低ければ、燃料電池発電システム全体としてのエネルギ効率(熱効率)は低いものとならざるを得ないが、本実施の形態に係る水素発生装置を用いてなる燃料電池発電システムでは、上記のように水蒸気の質量流量を原料ガスの流量および組成に対応してリアルタイムに適正に制御して、水蒸気改質プロセスにおけるS/C値を常に適正化することで、水蒸気改質プロセスを高効率なものとすることができるので、その結果、システム全体としてのエネルギ効率を高いものとすることができる。
【0053】
しかも、ガスクロマトグラフィに代表されるガス分析計を用いて、ガス組成を分析する従来技術の場合には、原料ガスの組成分析のプロセスが極めて煩雑で時間を要するものであったため、実際にはその分析で得られた結果をリアルタイムに用いて水蒸気の流量や原料ガスの流量をリアルタイムに追従制御することは極めて困難であったが、本実施の形態に係る水素発生装置を用いてなる燃料電池発電システムでは、極めて簡易で短時間に原料ガス中の炭素流量の演算結果を得ることが可能となるので、その演算結果をリアルタイムに用いて、原料ガスの組成および流量変化に対応して水蒸気の流量あるいは原料ガスの流量を、常に、リアルタイムに精確に追従制御することができる。
【0054】
次に、この燃料電池発電システムに組み込まれた水素製造装置の動作について説明する。
【0055】
燃料電池発電装置13の発電状態を表す状態量として、燃料電池発電装置13から出力される電流または電力を計測し、それと発電量の目標値とに基づいて、制御演算部11は、原料ガス流量調節器3を制御して原料ガス流量調節弁2の弁開度を調節することで、まず原料ガスの流量を最適値に制御する。
【0056】
そしてサーマルフローセンサ4が原料ガスの質量流量Mall を計測する。
【0057】
続いて、制御演算部11は、サーマルフローセンサ4によって計測された原料ガスの質量流量の値Mall に基づいて、原料ガスに含まれている炭素の質量流量の値Mc を演算する。このときの演算内容は既述のとおりである。そして制御演算部11は、原料ガスに含まれている炭素の質量流量の値Mc に対応した最適な水蒸気流量を算出する。その算出方法としては、例えば、水蒸気改では一般に、炭化水素をCnm 、水蒸気をH2O、水素をH2、一酸化炭素をCOとすると、Cnm+nH2O=nCO+(m/2+n)H2となるから、原料ガスに含まれているn個の炭素に対して化学量論上は、n個の水蒸気が必要となる。ところが、この水蒸気改質反応は、カーボン析出を防止して触媒が正常に機能するようにするためには、化学量論比により過剰の水蒸気を必要とする。この水蒸気と原料ガス中の炭素の比(いわゆるS/C比)の最適値は、触媒や反応温度、原料ガス性状等により異なるが、例えば、S/C比を3.0とする場合を例とする。ここで、炭素のモル分子量は12、水蒸気のモル分子量は18であるから、原料ガスに含まれている炭素の質量12に対して質量18の水蒸気が3倍量(すなわち質量流量54の水蒸気が)必要であることになる。すなわち原料ガスに含まれている炭素の質量流量と水蒸気の質量流量との比率の最適値は2:9ということである。従って、制御演算部11では、そのような質量流量の比率となるように、水蒸気の質量流量を制御する。
【0058】
改質器10では、このようにして最適なS/C比に制御されて供給された原料ガスと水蒸気とを用いて、原料ガスを水蒸気改質し、いわゆる水素リッチガスとして取り出す。そして必要に応じてCO変成やCO選択酸化あるいは水素精製等を行って妨害成分または不純物を除去した水素ガスを、燃料電池発電装置13へと供給する。燃料電池発電装置13では、供給されてきた水素ガスを用いて燃料電池発電を行う。
【0059】
なお、原料ガスの種類としては、上記のような鎖状の飽和炭化水素の他にも、飽和炭化水素の異性体または一部置換体、あるいは不飽和炭化水素なども可能である。但しこの場合には、制御演算部11は、上記のような演算によって得られたMc の値を、そのときの計測(制御)対象の原料ガスの組成および構造に対応して上記のような補正の手法とはまたさらに別段の手法等によって補正または校正することが必要である。
【0060】
あるいはそのような補正を行っても克服できないほどの誤差や不確からしさが生じる種類の原料ガスの場合には、上記のような鎖状の飽和炭化水素に適した演算ではなく、計測対象の原料ガスの種類に適した、上記とは別の演算を行うことが必要となる場合もあることは言うまでもない。しかし、そのような場合にも、基本的に上記の演算と同様に、原料ガスに含まれる炭素Cの質量流量Mc に基づいた演算〜制御を行うことで、上記と同様に原料ガスの組成および流量に対応して水蒸気の流量あるいは原料ガスの流量を、常にリアルタイムに精確に追従制御することが可能となる。
【0061】
例えば、原料ガスが非環式アセチレン系(アルキン系)炭化水素の場合には、その構造は一般式;Cn2n-2で表されるから、上記のように水素の「−2 」を敢えて無視して単純化した演算を行って炭素の質量流量を演算する場合には、上記とは逆に、真値よりも少ない質量流量が演算されることとなるので、そのような誤差の出方の傾向に対応した補正あるいは校正を行うようにすることが望ましい。
【0062】
また、本実施の形態では、本発明による水素製造装置または水素製造プラント制御装置または水素製造方法を、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造しそれを水素と酸素とを反応させることで発電を行う燃料電池へと供給するように設定して、燃料電池発電システムの一部分として用いた場合について説明したが、この他にも、原料ガスを水蒸気と反応させて、その原料ガスから水素を製造し、それを所定の化学物質の合成を行うプラントへと供給するように設定して、化学物質合成システムの一部分として用いるようにすることなども可能である。
【0063】
あるいは、水素の供給先については特定せず、原料ガスを水蒸気と反応させてその原料ガスから水素を製造する水蒸気改質システムの一部分として用いるようにすることなども可能であることは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないしのいずれかに記載の水素製造プラント制御装置または請求項ないし16のいずれかに記載の水素製造装置または請求項17ないし24のいずれかに記載の水素製造方法によれば、原料ガスの質量流量を計測し、その質量流量の計測値あるいはそれに補正を施した値に基づいて、原料ガスの質量流量を算出し、その値に基づいて、水蒸気の質量流量を制御するようにしたので、原料ガスの流量や組成に予期せぬ変動が生じても、常にS/C値を最適化することが可能となり、その結果、原料ガスの組成および流量に対して水蒸気や原料ガスの流量を精確かつリアルタイムに制御することができるという効果を奏する。しかも、そのような制御を行う装置やプラントの構成を小型・簡易で安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る水素製造装置が組み込まれた燃料電池発電システムの概要構成を表した図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る水素製造装置に好適に用いられるサーマルフローセンサの一例を表した図である。
【図3】水蒸気質量流量の制御を行う演算ブロックの概要構成を模式的に表した図である。
【符号の説明】
1…原料ガス供給ライン、2…原料ガス流量調節弁、3…原料ガス流量調節器、4…サーマルフローセンサ、5…脱硫器、6…水蒸気供給ライン、7…水蒸気流量調節弁、8…水蒸気流量調節器、10…改質器、11…制御演算部、12…水蒸気流量計、13…燃料電池発電装置、100…制御部

Claims (24)

  1. 炭化水素を主とする原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水素製造プラントにおける、前記水蒸気の質量流量を制御するための水蒸気流量調節器の制御を行うための水素製造プラント制御装置であって、
    前記原料ガスの質量流量を計測する質量流量計と、
    前記質量流量計によって計測される質量流量に基づいて、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量を演算し、その演算された炭素分の質量流量の値に基づいて、前記水蒸気の流量を制御するための信号を、前記水蒸気流量調節器へ出力する制御演算手段と
    を備え、
    前記制御演算手段は、前記質量流量計によって計測される質量流量と、前記原料ガスに含まれることが想定される炭素の近似的な質量比とに基づいて、前記原料ガス中に含有されている炭素の質量流量を算出し、その算出結果の値を、前記原料ガスに対してあらかじめ定めた補正値によって補正し、その値に基づいて前記水蒸気の質量流量を制御する
    ことを特徴とする水素製造プラント制御装置。
  2. 前記制御演算手段は、前記水蒸気の流量を、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量に基づいて追従制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の水素製造プラント制御装置。
  3. 前記原料ガスは飽和炭化水素のガスである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の水素製造プラント制御装置。
  4. 前記原料ガスが、飽和炭化水素の異性体または一部置換体あるいは不飽和炭化水素のガスである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の水素製造プラント制御装置。
  5. 前記質量流量計が、サーマルフローセンサである
    ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1の項に記載の水素製造プラント制御装置。
  6. 前記水素製造プラントが、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造し、それを水素と酸素とを反応させることで発電を行う燃料電池へと供給するように設定されて、燃料電池発電システムの一部分として用いられるものである
    ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1の項に記載の水素製造プラント制御装置。
  7. 前記水素製造プラントが、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水蒸気改質システムの一部分として用いられるように設定されているものである
    ことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1の項に記載の水素製造プラント制御装置。
  8. 前記水素製造プラントが、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造し、それを所定の化学物質の合成を行うプラントへと供給するように設定されて、化学物質合成システムの一部分として用いられるように設定されているものである
    ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1の項に記載の水素製造プラント制御装置。
  9. 炭化水素を含有する原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水蒸気改質器を備えた水素製造装置であって、
    前記原料ガスの質量流量を計測する質量流量計と、
    前記質量流量計によって計測される質量流量に基づいて、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量を演算し、その値に基づいて前記水蒸気改質器へと供給する前記水蒸気の流量を水蒸気流量調節器により制御する制御演算手段を有する制御手段と
    を備え、
    前記制御演算手段は、前記質量流量計によって計測される質量流量と、前記原料ガスに含まれることが想定される炭素の近似的な質量比とに基づいて、前記原料ガス中に含有されている炭素の質量流量を算出し、その算出結果の値を、前記原料ガスに対してあらかじめ定めた補正値によって補正し、その値に基づいて前記水蒸気の質量流量を制御する
    ことを特徴とする水素製造装置。
  10. 前記制御演算手段は、前記水蒸気の流量を、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量に基づいて追従制御する
    ことを特徴とする請求項9記載の水素製造装置。
  11. 前記原料ガスは飽和炭化水素である
    ことを特徴とする請求項9または10記載の水素製造装置。
  12. 前記原料ガスが、飽和炭化水素の異性体または一部置換体あるいは不飽和炭化水素のガスである
    ことを特徴とする請求項9または10記載の水素製造装置。
  13. 前記質量流量計が、サーマルフローセンサである
    ことを特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の水素製造装置。
  14. 前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造し、それを水素と酸素とを反応させることで発電を行う燃料電池へと供給するように設定されて、燃料電池発電システムの一部分として用いられる
    ことを特徴とする請求項9ないし13のうちいずれか1の項に記載の水素製造装置。
  15. 前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水蒸気改質システムの一部分として用いられるように設定されている
    ことを特徴とする請求項9ないし14のうちいずれか1の項に記載の水素製造装置。
  16. 前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造し、それを所定の化学物質の合成を行うプラントへと供給するように設定されて、化学物質合成システムの一部分として用いられる
    ことを特徴とする請求項9ないし13のうちいずれか1の項に記載の水素製造装置。
  17. 炭化水素を含有する原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水素製造方法であって、
    前記原料ガスの質量流量を計測するプロセスと、
    計測された前記質量流量に基づいて、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量を演算し、その値に基づいて、前記水蒸気の流量を制御する制御プロセスと
    を備え、
    前記制御プロセスは、前記質量流量計によって計測される質量流量と、前記原料ガスに含まれることが想定される炭素の近似的な質量比とに基づいて、前記原料ガス中に含有されている炭素の質量流量を算出し、その算出結果の値を、前記原料ガスに対してあらかじめ定めた補正値によって補正し、その値に基づいて前記水蒸気の質量流量を制御するものである
    ことを特徴とする水素製造方法。
  18. 前記制御プロセスは、前記水蒸気の流量を、前記原料ガスに含まれる炭素分の質量流量に基づいて追従制御するものである
    ことを特徴とする請求項17記載の水素製造方法。
  19. 前記原料ガスが、飽和炭化水素である
    ことを特徴とする請求項17または18記載の水素製造方法。
  20. 前記原料ガスが、飽和炭化水素の異性体または一部置換体あるいは不飽和炭化水素のガスである
    ことを特徴とする請求項17または18記載の水素製造方法。
  21. 前記質量流量を計測するプロセスが、サーマルフローセンサを用いて行われるものである
    ことを特徴とする請求項17ないし20のいずれか1項に記載の水素製造方法。
  22. 前記制御プロセスは、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造してそれを水素と酸素とを反応させることで発電を行う燃料電池発電システムを制御するプロセスの一部分として用いられるものである
    ことを特徴とする請求項17ないし21のうちいずれか1の項に記載の水素製造方法。
  23. 前記制御プロセスは、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造する水蒸気改質システムの制御プロセスの一部分として用いられるものである
    ことを特徴とする請求項17ないし22のうちいずれか1の項に記載の水素製造方法。
  24. 前記制御プロセスは、前記原料ガスを水蒸気と反応させて前記原料ガスから水素を製造しそれを所定の化学物質の合成を行う化学物質合成システムの制御プロセスの一部分として用いられるものである
    ことを特徴とする請求項17ないし21のうちいずれか1の項に記載の水素製造方法。
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