JP4162151B2 - 近接センサ及び近接検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属の近接を検出する近接スイッチ、変位センサ、距離センサ、材質センサ、コインセンサ、金属球センサなどの近接センサ及び近接検出方法に関し、特に、金属の変位を高精度に検出する高精度変位センサに好適に用いることができ、その価格性能比を飛躍的に高めることができる近接センサ及び近接検出方法に関する。
金属の近接を検出する近接センサが広く普及している(例えば、特許文献1参照)。この種の近接センサとしては、非接触型マイクロスイッチとして使用される近接スイッチだけでなく、金属の変位を検出する変位センサ、金属との近接距離を検出する距離センサ、金属の材質を判定する材質センサ、コイン(硬貨、遊技メダルなど)の通過を検出するコインセンサ、金属球(パチンコ用遊技球など)の貫通を検出する金属球センサなどが含まれる。
特許文献1に記載される近接センサは、検出コイルを含む高周波発振回路を備えた高周波発振型近接スイッチであり、金属が検出コイルに近接したとき、高周波発振回路の発振振幅や発振周波数が変化することを利用し、金属の近接や材質を判定する。すなわち、高周波発振回路の発振振幅や発振周波数は、金属との近接距離に応じて変化するだけでなく、金属の材質(透磁率、導電率などの違い)に応じて変化するのであり、例えば、振幅測定方式の近接スイッチでは、磁性金属(鉄など)の近接を良好に検出でき、周波数測定方式の近接スイッチでは、非磁性金属(アルミなど)の近接を良好に検出できる。また、両方式を兼ね備えた近接スイッチでは、磁性金属及び非磁性金属の近接を良好に検出でき、かつ、金属の材質判定も良好に行うことができる。
特許第2550621号公報
しかしながら、従来における周波数測定方式の近接センサは、金属の近接に応じた周波数変化を測定するにあたり、高周波発振を継続しつつ、その僅かな位相ズレを測定しているため、同期検波回路などの複雑な回路が必要になり、振幅測定方式の近接センサに比べて、著しく高価になるという問題がある。また、僅かな位相ズレをデジタル回路で検出することも可能ではあるが、この場合には、極めて高速で動作するカウンタやCPUが必要になるため、却ってコスト高となる可能性がある。
上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作された本発明の近接センサは、金属の近接を検出する近接センサであって、検出コイルにコンデンサを接続してなる共振回路と、該共振回路に対して駆動信号を出力する駆動信号出力手段と、該駆動信号出力手段の信号出力停止後に前記共振回路から減衰状に出力される自由振動波にもとづいて、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを測定する位相ズレ測定手段とを備え、該位相ズレ測定手段は、前記駆動信号出力手段の信号出力停止後に前記共振回路から出力される自由振動波の数をカウントし、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、前記駆動信号出力手段に駆動信号を出力させる、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させることを特徴とする。このような近接センサによれば、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを簡単な回路構成で精度良く測定することが可能になる。すなわち、共振回路から減衰状に出力される自由振動波にあっては、金属の近接に伴う振動波の位相ズレが明確に現れるだけでなく、位相ズレが振動波の数だけ蓄積されるので、高速なカウンタを持たない安価なデジタル回路でも、位相ズレを高精度に測定することができる。しかも、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、共振回路に対して駆動信号を出力する、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させるので、回路構成を複雑にすることなく、回帰動作回数を増やすだけで、金属の近接に伴う位相ズレの測定精度を飛躍的に向上させることができる。
また、前記位相ズレ測定手段は、前記駆動信号出力手段の初回の駆動信号出力に応じて計時を開始し、所定回数の前記回帰動作が終了した後、前記共振回路から所定数の自由振動波が出力された時点で計時を終了する時間計測手段を備えることを特徴とする。このような近接センサによれば、増幅された位相ズレを安価なデジタル回路で高精度に測定することができる。
また、前記共振回路は、検出コイルにコンデンサを直列に接続してなる直列共振回路であることを特徴とする。このような近接センサによれば、直列共振回路の作用によって、最大でソース電圧のQ倍(Q:共振回路の良好度)の電圧を検出コイルに印加できるので、共振回路から振幅の大きい自由振動波を出力することができる。これにより、自由振動波カウント数を多くし、測定精度を更に高めることができるだけでなく、ノイズにも強いものとできる。
また、前記駆動信号出力手段は、複数の駆動パルス信号により前記共振回路を強制振動させた後、駆動信号出力を停止することを特徴とする。このような近接センサによれば、単発の駆動パルス信号で共振回路を強制振動させる場合に比べ、強制振動波の振幅を大きくできる。特に、強制振動波の振幅が最大になるように数発の駆動パルス信号を出力すれば、駆動信号出力停止後に共振回路から出力される自由振動波の振幅をより大きくし、測定精度を更に高めることが可能になる。
また、前記位相ズレ測定手段は、前記共振回路の出力信号を、増幅器を介さずに直接入力することを特徴とする。このような近接センサによれば、回路構成がよりシンプルになり、更なるコストダウンが可能になる。
また、前記駆動信号出力手段及び前記位相ズレ測定手段は、1チップマイコン内に構成されることを特徴とする。このような近接センサによれば、共振回路(検出コイル、コンデンサ)と1チップマイコンだけで高性能な近接センサを構成できるので、より一層のコストダウンが可能になる。
また、本発明の近接検出方法は、金属の近接を検出する近接検出方法であって、検出コイルにコンデンサを接続してなる共振回路に対して駆動信号を出力し、該駆動信号の出力停止後に前記共振回路から減衰状に出力される自由振動波にもとづいて、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを測定するにあたり、駆動信号の出力停止後に前記共振回路から出力される自由振動波の数をカウントし、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、前記共振回路に対して駆動信号を出力する、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させることを特徴とする。このような近接検出方法によれば、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを簡単な回路構成で精度良く測定することが可能になる。すなわち、共振回路から減衰状に出力される自由振動波にあっては、金属の近接に伴う振動波の位相ズレが明確に現れるだけでなく、位相ズレが振動波の数だけ蓄積されるので、高速なカウンタを持たない安価なデジタル回路でも、位相ズレを高精度に測定することができる。しかも、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、共振回路に対して駆動信号を出力する、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させるので、回路構成を複雑にすることなく、回帰動作回数を増やすだけで、金属の近接に伴う位相ズレの測定精度を飛躍的に向上させることができる。
また、前記共振回路に対する初回の駆動信号出力に応じて計時を開始し、所定回数の前記回帰動作が終了した後、前記共振回路から所定数の自由振動波が出力された時点で計時を終了し、その計時結果にもとづいて、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを測定することを特徴とする。このような近接検出方法によれば、増幅された位相ズレを安価なデジタル回路で高精度に測定することができる。
また、前記共振回路は、検出コイルにコンデンサを直列に接続してなる直列共振回路であることを特徴とする。このような近接検出方法によれば、直列共振回路の作用によって、最大でソース電圧のQ倍(Q:共振回路の良好度)の電圧を検出コイルに印加できるので、共振回路から振幅の大きい自由振動波を出力することができる。これにより、自由振動波カウント数を多くし、測定精度を更に高めることができるだけでなく、ノイズにも強いものとできる。
また、複数の駆動パルス信号により前記共振回路を強制振動させた後、駆動信号出力を停止して前記共振回路から自由振動波を出力させることを特徴とする。このような近接検出方法によれば、単発の駆動パルス信号で共振回路を強制振動させる場合に比べ、強制振動波の振幅を大きくできる。特に、強制振動波の振幅が最大になるように数発の駆動パルス信号を出力すれば、駆動信号出力停止後に共振回路から出力される自由振動波の振幅をより大きくし、測定精度を更に高めることが可能になる。
以上のように本発明によれば、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを簡単な回路構成で精度良く測定することが可能になる。すなわち、共振回路から減衰状に出力される自由振動波にあっては、金属の近接に伴う振動波の位相ズレが明確に現れるだけでなく、位相ズレが振動波の数だけ蓄積されるので、高速なカウンタを持たない安価なデジタル回路でも、位相ズレを高精度に測定することができる。しかも、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、共振回路に対して駆動信号を出力する、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させるので、回路構成を複雑にすることなく、回帰動作回数を増やすだけで、金属の近接に伴う位相ズレの測定精度を飛躍的に向上させることができる。
次に、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は金属の近接を検出する近接センサであって、該近接センサ1は、共振回路2及び1チップマイコン3を備えて構成されている。共振回路2は、検出コイルLにコンデンサCを接続して構成され、1チップマイコン3内に構成される駆動信号出力手段によって駆動される。1チップマイコン3は、CPU、ROM、RAM、I/O、比較器などが内蔵されており、所定の処理手順(プログラム)をROMに書き込むことにより、駆動信号出力手段及び位相ズレ測定手段として動作する。
位相ズレ測定手段は、駆動信号出力手段の信号出力停止後に共振回路2から減衰状に出力される自由振動波にもとづいて、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを測定するように構成される。このようにすると、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを簡単な回路構成で精度良く測定することが可能になる。すなわち、共振回路2から減衰状に出力される自由振動波にあっては、金属の近接に伴う振動波の位相ズレが明確に現れるだけでなく、位相ズレが振動波の数だけ蓄積されるので、高速なカウンタを持たない安価なデジタル回路でも、位相ズレを高精度に測定することができる。また、このような検出方式によれば、検出コイルLを励磁コイルに兼用できるので、コイル数を削減して更なるコストダウンが図れる。
さらに、位相ズレ測定手段は、共振回路2に対する信号出力停止後に共振回路2から減衰状に出力される自由振動波にもとづいて、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを測定するにあたり、共振回路2に対する信号出力停止後に共振回路2から出力される自由振動波の数をカウントし、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、共振回路2に対して駆動信号を出力する、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させるようになっている。このようにすると、回路構成を複雑にすることなく、回帰動作回数を増やすだけで、金属の近接に伴う位相ズレの測定精度を飛躍的に向上させることが可能になる。例えば、位相ズレ測定手段に、駆動信号出力手段の初回の駆動信号出力に応じて計時を開始し、所定回数の回帰動作が終了した後、共振回路2から所定数の自由振動波が出力された時点で計時を終了する時間計測手段を備えることにより、増幅された位相ズレを安価なデジタル回路で高精度に測定することができる。
自由振動波のカウント数や回帰動作の回数は、要求される測定精度やコイルの性能(価格)に応じて任意に設定することができる。例えば、価格性能比を優先する場合には、自由振動波の減衰が大きい比較的安価なコイルや動作速度が遅い比較的安価なマイコンを用い、自由振動波カウント数を2〜10程度、回帰動作回数を5〜10程度に設定するとよい。また、測定精度を優先する場合には、自由振動波の減衰が小さい比較的高価なコイルや動作速度が速い比較的高価なマイコンを用い、自由振動波カウント数を10以上、回帰動作回数を10以上に設定するとよい。
共振回路2は、検出コイルLにコンデンサCを直列に接続した直列共振回路であることが好ましい。このようにすると、直列共振回路の作用によって、最大でソース電圧(例えば5V)のQ倍(例えば8倍)の電圧を検出コイルLに印加できるので、共振回路2から振幅の大きい自由振動波を出力することができる。これにより、自由振動波カウント数を多くし、測定精度を更に高めることができるだけでなく、ノイズにも強いものとできる。しかも、振幅の大きい自由振動波は、増幅器を介さずに1チップマイコン3(位相ズレ測定手段)に直接入力できるので、回路構成がよりシンプルになり、更なるコストダウンが可能になる。
なお、検出コイルLに印加される最大電圧VLMAXは、以下に示す式で求めることができる。ただし、ωは共振角周波数、Lは検出コイルLのインダクタンス、Rは検出コイルLの抵抗、CはコンデンサCのキャパシタンス、Vはソース電圧、Qは共振回路の良好度である。
Figure 0004162151
本実施形態の駆動信号出力手段は、駆動パルス信号によって共振回路2を強制振動させるにあたり、複数の駆動パルス信号により共振回路2を強制振動させた後、駆動信号出力を停止する。このようにすると、単発の駆動パルス信号で共振回路2を強制振動させる場合に比べ、強制振動波の振幅を大きくできる。特に、強制振動波の振幅が最大になるように所定の共振周波数で数発(例えば6発)の駆動パルス信号を出力すれば、駆動信号出力停止後に共振回路2から出力される自由振動波の振幅をより大きくし、測定精度を更に高めることが可能になる。
なお、共振回路2を強制振動させる共振周波数fは、以下に示す式で求めることができる。
Figure 0004162151
次に、自由振動波における位相ズレの蓄積作用について、図2〜図10を参照して説明する。
図2は、駆動パルス信号波形(a点)及び共振回路の振動波形(b点)を示す説明図である。この図に示すように、1チップマイコン3は、所定電圧(例えば5V)の駆動パルス信号を出力し、共振回路2を強制振動させる。このとき、本実施形態では、所定の共振周波数で数発(例えば6発)の駆動パルス信号を出力することにより、検出コイルLに最大電圧(例えば40V)を印加させる。そして、駆動パルス信号の出力を停止した後は、共振回路2から複数の自由振動波が減衰状に出力される。
図3は、十数個目の自由振動波を拡大した説明図、図4は、検出コイルに金属が近接(7mm)したときとの位相ズレを示す説明図、図5は、検出コイルに金属が近接(3mm)したときとの位相ズレを示す説明図である。これらの図に示すように、共振回路2から出力される自由振動波は、十数個目であっても検出に十分な振幅を保っている。ここで、検出コイルLに金属(コイン:非磁性金属)が近接すると、検出コイルLから発生する磁束が近接した金属に磁気的に干渉し、自由振動波の位相が進む。金属の近接に伴う自由振動波の位相ズレは、強制振動波に比べて明確に現れるだけでなく、自由振動波の個数分だけ蓄積されるので、低速なカウンタでも高精度に位相ズレを測定することが可能になる。
また、図4及び図5に示すように、自由振動波の位相ズレは、検出コイルLに金属が近づくほど大きくなるので、自由振動波の位相ズレにもとづいて、検出コイルLと金属の距離を高精度に測定することが可能になる。図10は、金属の近接距離(mm)と位相ズレ(μsec)の関係を示しており、検出コイルLに金属が近づくほど自由振動波の位相ズレが大きくなることが解る。特に、10〜20個目の自由振動波を見ている位相ズレデータにあっては、位相ズレが10〜20倍に加算されているので、極めて高精度な距離測定(変位測定)が可能になる。
図6は、自由振動波形(b点)と比較器出力(c点)の関係を示す説明図、図7は、検出コイルに金属が近接していないときの比較器出力を示す拡大図、図8は、検出コイルに金属が近接(7mm)したときとの比較器出力を示す説明図、図9は、検出コイルに金属が近接(3mm)したときとの比較器出力を示す説明図である。これらの図に示すように、共振回路2から出力される自由振動波は、十数個目であっても検出に十分な振幅を保っているので、比較器によって明確な矩形波に変換することができる。ここで、検出コイルLに金属が近接すると、比較器出力波形の位相が進む。図8及び図9から明らかなように、金属の近接に伴う位相ズレは、自由振動波の個数が増えるほど蓄積され、測定が容易になる。
次に、回帰動作による位相ズレの増幅作用について、図11を参照して説明する。図11は、回帰動作による位相ズレの増幅作用を示す説明図である。この図に示す波形は、共振回路2の出力波形であって、2発の駆動パルス信号を出力し、共振回路2を強制振動させた後、共振回路2から減衰状に出力される5個目の自由振動波をカウントしたタイミングで、共振回路2に再び2発の駆動パルスを出力する、という回帰動作を10回繰り返した場合の波形であり、上側の波形は、下側の波形よりも金属を近づけた場合を示している。この図から明らかなように、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、共振回路2に対して駆動信号を出力する、という回帰動作を所定回数繰り返すと、自由振動波の位相ズレが増幅される。これにより、回路構成を複雑にすることなく、回帰動作回数を増やすだけで、金属の近接に伴う位相ズレの測定精度を飛躍的に向上させることができる。具体的には、駆動信号出力手段の初回の駆動信号出力に応じて計時を開始し、所定回数の回帰動作が終了した後、共振回路2から所定数の自由振動波が出力された時点で計時を終了するタイマにより、金属の近接に伴う位相ズレを高精度に測定することができる。
次に、1チップマイコン3内の処理手順について、図12を参照して説明する。この図に示すように、1チップマイコン3は、まず、比較器のREF電圧を設定した後(S1)、カウンタクリア処理(S2)と、駆動信号出力処理(S3:駆動信号出力手段)と、位相ズレ測定処理(S3〜S9:位相ズレ測定手段)とを繰り返し実行する。
カウンタクリア処理は、回帰動作カウンタ及び時間計測カウンタをクリアする処理であり、駆動信号出力処理は、強制振動波の振幅が最大になるように、共振回路2に対して所定の共振周波数で数発の駆動パルス信号を出力する処理である。位相ズレ測定処理は、駆動信号出力停止後、自由振動波カウンタをクリアし(S4)、共振回路2から減衰状に出力される自由振動波の数をカウントすると共に、カウント数が所定数に達したか否かを判断し(S5)、この判断結果がYESになったら、回帰動作カウンタをインクリメントし(S6)、回帰動作回数が所定数に達したか否かを判断する(S7)。この判断結果がNOの場合は、駆動信号出力処理に戻り、S3〜S7を繰り返す。そして、回帰動作回数が所定数になったら、時間計測カウンタ値を読み込むと共に(S8:時間計測手段)、読み込んだ時間計測カウンタ値を所定の検出信号形式(例えば、近接距離信号)に変換して出力する(S9)。
叙述の如く構成された本実施形態の近接センサ1は、検出コイルLにコンデンサCを接続してなる共振回路2と、該共振回路2に対して駆動信号を出力する駆動信号出力手段と、該駆動信号出力手段の信号出力停止後に共振回路2から減衰状に出力される自由振動波にもとづいて、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを測定する位相ズレ測定手段とを備え、該位相ズレ測定手段は、駆動信号出力手段の信号出力停止後に共振回路2から出力される自由振動波の数をカウントし、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、駆動信号出力手段に駆動信号を出力させる、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させるので、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを簡単な回路構成で精度良く測定することが可能になる。すなわち、共振回路2から減衰状に出力される自由振動波にあっては、金属の近接に伴う振動波の位相ズレが明確に現れるだけでなく、位相ズレが振動波の数だけ蓄積されるので、高速なカウンタを持たない安価なデジタル回路でも、位相ズレを高精度に測定することができる。しかも、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、共振回路に対して駆動信号を出力する、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させるので、回路構成を複雑にすることなく、回帰動作回数を増やすだけで、金属の近接に伴う位相ズレの測定精度を飛躍的に向上させることができる。
また、位相ズレ測定手段は、駆動信号出力手段の初回の駆動信号出力に応じて計時を開始し、所定回数の前記回帰動作が終了した後、前記共振回路2から所定数の自由振動波が出力された時点で計時を終了する時間計測手段を備えるので、増幅された位相ズレを安価なデジタル回路で高精度に測定することができる。
また、共振回路2は、検出コイルLにコンデンサCを直列に接続してなる直列共振回路であるため、直列共振回路の作用によって、最大でソース電圧のQ倍(Q:共振回路の良好度)の電圧を検出コイルLに印加し、共振回路2から振幅の大きい自由振動波を出力することができる。これにより、自由振動波カウント数を多くし、測定精度を更に高めることができるだけでなく、ノイズにも強いものとできる。
また、駆動信号出力手段は、複数の駆動パルス信号により共振回路2を強制振動させた後、駆動信号出力を停止するので、単発の駆動パルス信号で共振回路2を強制振動させる場合に比べ、強制振動波の振幅を大きくできる。特に、強制振動波の振幅が最大になるように数発の駆動パルス信号を出力すれば、駆動信号出力停止後に共振回路2から出力される自由振動波の振幅をより大きくし、測定精度を更に高めることが可能になる。
また、信号出力手段及び位相ズレ測定手段は、1チップマイコン3内に構成さ、しかも、位相ズレ測定手段は、共振回路2の出力信号を、増幅器を介さずに直接入力するので、共振回路2(検出コイルL、コンデンサC)と1チップマイコン3だけで高性能な近接センサ1を構成し、より一層のコストダウンが可能になる。
近接センサの構成を示すブロック図である。 駆動パルス信号波形(a点)及び共振回路の振動波形(b点)を示す説明図である。 十数個目の自由振動波を拡大した説明図である。 検出コイルに金属が近接(7mm)したときとの位相ズレを示す説明図である。 検出コイルに金属が近接(3mm)したときとの位相ズレを示す説明図である。 自由振動波形(b点)と比較器出力(c点)の関係を示す説明図である。 検出コイルに金属が近接していないときの比較器出力を示す拡大図である。 検出コイルに金属が近接(7mm)したときとの比較器出力を示す説明図である。 検出コイルに金属が近接(3mm)したときとの比較器出力を示す説明図である。 金属の近接距離と位相ズレの関係を示すグラフである。 回帰動作による位相ズレの増幅作用を示す説明図である。 1チップマイコンの処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 近接センサ
2 共振回路
3 1チップマイコン
C コンデンサ
L 検出コイル

Claims (10)

  1. 金属の近接を検出する近接センサであって、
    検出コイルにコンデンサを接続してなる共振回路と、
    該共振回路に対して駆動信号を出力する駆動信号出力手段と、
    該駆動信号出力手段の信号出力停止後に前記共振回路から減衰状に出力される自由振動波にもとづいて、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを測定する位相ズレ測定手段とを備え、
    該位相ズレ測定手段は、
    前記駆動信号出力手段の信号出力停止後に前記共振回路から出力される自由振動波の数をカウントし、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、前記駆動信号出力手段に駆動信号を出力させる、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させる
    ことを特徴とする近接センサ。
  2. 前記位相ズレ測定手段は、
    前記駆動信号出力手段の初回の駆動信号出力に応じて計時を開始し、所定回数の前記回帰動作が終了した後、前記共振回路から所定数の自由振動波が出力された時点で計時を終了する時間計測手段を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の近接センサ。
  3. 前記共振回路は、検出コイルにコンデンサを直列に接続してなる直列共振回路であることを特徴とする請求項1又は2記載の近接センサ。
  4. 前記駆動信号出力手段は、複数の駆動パルス信号により前記共振回路を強制振動させた後、駆動信号出力を停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近接センサ。
  5. 前記位相ズレ測定手段は、前記共振回路の出力信号を、増幅器を介さずに直接入力することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の近接センサ。
  6. 前記駆動信号出力手段及び前記位相ズレ測定手段は、1チップマイコン内に構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の近接センサ。
  7. 金属の近接を検出する近接検出方法であって、検出コイルにコンデンサを接続してなる共振回路に対して駆動信号を出力し、該駆動信号の出力停止後に前記共振回路から減衰状に出力される自由振動波にもとづいて、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを測定するにあたり、駆動信号の出力停止後に前記共振回路から出力される自由振動波の数をカウントし、所定数の自由振動波をカウントしたタイミングで、前記共振回路に対して駆動信号を出力する、という回帰動作を所定回数繰り返すことによって、自由振動波の位相ズレを増幅させることを特徴とする近接検出方法。
  8. 前記共振回路に対する初回の駆動信号出力に応じて計時を開始し、所定回数の前記回帰動作が終了した後、前記共振回路から所定数の自由振動波が出力された時点で計時を終了し、その計時結果にもとづいて、金属の近接に伴う振動波の位相ズレを測定することを特徴とする請求項7記載の近接検出方法。
  9. 前記共振回路は、検出コイルにコンデンサを直列に接続してなる直列共振回路であることを特徴とする請求項7又は8記載の近接検出方法。
  10. 複数の駆動パルス信号により前記共振回路を強制振動させた後、駆動信号出力を停止して前記共振回路から自由振動波を出力させることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の近接検出方法。
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