JP4161232B2 - Novel protein having sarcosine oxidase activity and method for producing the same - Google Patents

Novel protein having sarcosine oxidase activity and method for producing the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サルコシン、クレアチン、クレアチニンの定量に用いることのできるサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質、および該タンパク質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、サルコシンオキシダーゼ(EC1.5.3.1)は、臨床的に筋疾患、腎疾患の診断の指標となっている体液中のクレアチン、クレアチニンの測定用酵素として、他の酵素、例えばクレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、ペルオキシダーゼと共に使用されている。サルコシンオキシダーゼは基質であるサルコシンに水、酸素の存在下で作用して、グリシン、ホルムアルデヒドおよび過酸化水素を生成する。
【0003】
このようなサルコシンオキシダーゼは、バチルス(Bacillus)属(特開昭54−52789号公報)、コリネバクテリウム(Corynebacterium )属(J. Biochem. 89, 599 (1981))、シリンドロカルボン(Cylindrocarpon)属(特開昭56−92790号公報)、シュードモナス(Pseudomonas )属(特開昭60−43379号公報)等の細菌が生産することが報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平02−265478号公報においては、とりわけアースロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)TE1826(微工研菌寄第10637号)の生産するサルコシンオキシダーゼは、従来のサルコシンオキシダーゼよりも熱安定性に優れ、かつKmが約3mMと他の起源のものに比べて小さく、実用的な酵素であることが既に知られている。酵素のミカエリス−メンテン定数(以下、Kmと表す)の値は酵素を用いた測定に要する時間と密接な関係があり、Kmが小さい酵素はより実用的であるといえる。しかしながら、上記に示すようなサルコシンオキシダーゼは、サルコシン、クレアチン、クレアチニンの迅速な定量を実現するには十分なものではなく、よりKm値の小さいサルコシンオキシダーゼの開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために種々検討した結果、Kmが1mM以下であるサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質を見出し、本発明に到達した。そして、該タンパク質を用いることにより、サルコシン、クレアチン、クレアチニンの迅速な定量化を実現するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、Kmが1mM以下であることを特徴とするサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質である。より好ましくは、本発明は、Kmが0.2±0.1mM以下であることを特徴とするサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質である。
【0007】
また本発明は、好ましくは下記理化学的性質を有するサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質である。
作用:水、酸素の存在下にサルコシンに作用して、過酸化水素を生成する
Km:0.2±0.1mM
分子量:40000±4000(SDS−PAGE)
【0008】
また本発明は、より好ましくは下記理化学的性質を有するサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質である。
作用:水、酸素の存在下にサルコシンに作用して、過酸化水素を生成する
Km:0.2±0.1mM
至適温度:45±5℃
至適pH:8.0±0.5
熱安定性:45±5℃以下(pH8.0、10分間処理)
pH安定性:8.0±0.5(25℃、5時間処理)
分子量:40000±4000(SDS−PAGE)
160000±16000(ゲル濾過)
阻害剤:p−クロロメルクリ安息香酸(以下、PCMBと表す)
基質特異性:サルコシンの他、グリシン、N−エチルグリシンにも反応性を有する
【0009】
また本発明は、好ましくは、以下の(a)または(b)のタンパク質であるサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質である。
(a)配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつサルコシンオキシダーゼ活性を有するタンパク質
また本発明は、より好ましくは、配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質であるサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質である。
【0010】
また本発明は、以下の(a)または(b)のタンパク質であるサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子である。
(a)配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつサルコシンオキシダーゼ活性を有するタンパク質
また本発明は、好ましくは、配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質であるサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子である。
【0011】
また本発明は、好ましくは、以下の(c)または(d)のDNAであるサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子である。
(c)配列表・配列番号4に記載される塩基配列からなるDNA
(d)上記(c)の配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加されており、かつサルコシンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDNA
また本発明は、より好ましくは、配列表・配列番号4に記載される塩基配列からなるDNAを有するサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子である。
【0012】
また本発明は、上記のようなサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子を含有する組換えベクターである。また本発明は、上記のようなサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子を含有する組換えベクターを含む形質転換体である。
【0013】
また本発明は、Kmが1mM以下であるサルコシンオキシダーゼ活性を有するタンパク質を生産するバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis )マーバーグ168系菌株を培養し、培養物からサルコシンオキシダーゼ活性を有するタンパク質を採取することを特徴とするサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質の製造方法である。
【0014】
また本発明は、上記のようなサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子を保持し、かつサルコシンオキシダーゼ活性を有するタンパク質の生産性を有する組換えベクターを導入した形質転換体を培養し、培養物からサルコシンオキシダーゼ活性を有するタンパク質を採取することを特徴とするサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質は、サルコシンオキシダーゼ生産性の微生物、なかでも、バチルス・ズブチリスから単離することが好ましい。具体的には、例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)より入手できるバチルス・ズブチリス マーバーグ168系菌株、例えばバチルス・ズブチリス MI113、DE100、ASB298等から単離し得る。しかしながら、本発明のタンパク質をコードする遺伝子を分離し、これより発現されるタンパク質を単離することにより、簡便で、かつ効率的に入手することもできる。
【0016】
本発明の一実施態様としては、例えば配列表の配列番号1に記載されるようなアミノ酸配列、または該アミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつサルコシンオキシダーゼ活性を有するタンパク質が挙げられる。
【0017】
上記のアミノ酸の欠失、置換、付加の程度については、基本的な特性を変化させることなく、あるいはその特性を改善するようにしたものを含む。これらの変異体を製造する方法は、従来から公知である方法に従って得ることができる。
【0018】
上記サルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子は、例えばバチルス・ズブチリス マーバーグ168系菌株から抽出することができ、また化学的に合成することも可能である。さらに、ポリメラーゼ・チェーン・リアクション法(PCR法)の利用により、サルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子を含むDNA断片を得ることも可能である。
【0019】
上記遺伝子としては、例えば配列表の配列番号1に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA、または該アミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、サルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードするDNAが挙げられる。具体的には、例えば、配列表の配列番号4に記載される塩基配列からなるDNA、または該塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列が挙げられる。
【0020】
上記DNAの欠失、置換、付加の程度については、基本的な特性を変化させることなく、あるいはその特性を改善するようにしたものを含むものである。これらの変異体を製造する方法は、従来から公知である方法に従って得ることができる。
【0021】
上記遺伝子を得る方法としては、例えばバチルス・ズブチリス マーバーグ168系菌株の染色体DNAを鋳型とし、配列表の配列番号2及び3のオリゴヌクレオチドをプライマーとして公知の条件でPCRを行い、サルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子を採取すれば良い。
【0022】
遺伝子供与体であるバチルス・ズブチリス マーバーグ168系菌株の染色体DNAは、具体的には例えば、以下のような工程により採取される。すなわち、供与微生物を例えば1〜3日間撹拌培養して得られた培養物を遠心分離にて集菌し、次いでこれを溶菌させることにより染色体DNA含有溶菌物を調製することができる。溶菌の方法としては、例えばリゾチームやβ−グルカナーゼ等の溶菌酵素により処理が施され、必要に応じてプロテアーゼや他の酵素やラウリル硫酸ナトリウム(SDS)等の界面活性剤が併用され、さらに凍結融解やフレンチプレス処理のような物理的破砕方法と組み合わせても良い。
【0023】
上記のようにして得られた溶菌物からDNAを分離・精製するには常法に従って、例えばフェノール処理やプロテアーゼ処理による除蛋白処理や、リボヌクレアーゼ処理、アルコール沈澱処理などの方法を適宜組み合わせることにより行うことができる。
【0024】
組換え体を作製する際のベクターとしては、宿主微生物内で自律的に増殖し得るファージまたはプラスミドから遺伝子組換え用として構築されたものが適している。
【0025】
上記ファージとしては、例えばエシェリヒア・コリー(Escherichia coli)を宿主微生物とする場合には、ラムダgt10、ラムダgt11などが挙げられる。
【0026】
また、上記プラスミドとしては、例えばエシェリヒア・コリーを宿主微生物とする場合には、pBR322、pUC18、pUC19、pBluescriptなどが挙げられる。
【0027】
一方、宿主微生物としては、組換えベクターが安定で、かつ自律増殖可能であり、外来性遺伝子の形質発現できるものであれば良く、一般的には、例えば、エシェリヒア・コリーW3110、エシェリヒア・コリーC600、エシェリヒア・コリーHB101、エシェリヒア・コリーJM109などを挙げることができる。
【0028】
宿主微生物に組換えベクターを移入する方法としては、例えば宿主微生物がエシェリヒア・コリーの場合には、カルシウム処理によるコンピテントセル法やエレクトロポレーション法などが用いることができる。
【0029】
上記のようにして得られた形質転換体である微生物は、栄養培地で培養されることにより、多量の目的タンパク質を安定に生産し得る。宿主微生物への目的組換えベクターの移入の有無についての選択は、目的とするDNAを保持するベクターの薬剤耐性マーカーとサルコシンオキシダーゼ活性を同時に発現する微生物を検索すれば良く、例えば薬剤耐性マーカーに基づく選択培地で生育し、かつサルコシンオキシダーゼを生成する微生物を選択すれば良い。
【0030】
形質転換体である宿主微生物の培養形態は、宿主の栄養生理的性質を考慮して培養条件を選択すればよく、多くの場合は液体培養で行われるが、工業的には通気撹拌培養を行うのが有利である。培地の栄養源としては、微生物の培養に通常用いられるものが広く使用され得る。炭素源としては資化可能な炭素化合物であればよく、例えば、グルコ−ス、シュークロース、ラクトース、マルトース、フラクトース、糖蜜、ピルビン酸などが使用される。窒素源としては利用可能な窒素化合物であればよく、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、カゼイン加水分解物、大豆粕アルカリ抽出物などが使用される。その他、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄、マンガン、亜鉛などの塩類、特定のアミノ酸、特定のビタミンなどが必要に応じて使用される。
【0031】
培養温度は微生物が成育し、目的タンパク質を生産する範囲で適宜変更し得るが、エシェリヒア・コリーの場合、好ましくは20〜42℃程度である。培養時間は条件によって多少異なるが、乳酸酸化酵素が最高収量に達する時期を見計らって適当時期に培養を終了すればよく、通常は6〜48時間程度である。培地のpHは菌が発育し目的タンパク質を生産する範囲で適宜変更し得るが、好ましくはpH6.0〜9.0程度である。
【0032】
培養物中のサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質を生産する菌体を含む培養液をそのまま採取し利用することもできるが、一般には、常法に従ってサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質が培養液中に存在する場合は濾過、遠心分離などにより、目的タンパク質含有溶液と微生物菌体とを分離した後に利用される。サルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質が菌体内に存在する場合には、得られた培養物から濾過または遠心分離などの手段により菌体を採取し、次いでこの菌体を機械的方法またはリゾチームなどの酵素的方法で破壊し、また必要に応じてEDTA等のキレート剤及びまたは界面活性剤を添加して目的タンパク質を可溶化し、水溶液として分離採取する。
【0033】
上記のようにして得られたサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質を含有する溶液を、例えば減圧濃縮、膜濃縮、更に硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウムなどの塩析処理、あるいは親水性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アセトンなどによる分別沈澱法により沈澱せしめればよい。また、加熱処理や等電点処理も有効な精製手段である。その後、吸着剤あるいはゲル濾過剤などによるゲル濾過、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を行うことにより、精製されたサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質を得ることができる。
【0034】
例えば、セファデックスG−25、G−200(ファルマシアバイオテク製)などによるゲルろ過、DEAEセファロースCL6−B(ファルマシアバイオテク製)、オクチルセファロースCL6−B(ファルマシアバイオテク製)カラムクロマトグラフィーにより分離・精製し、精製酵素標品を得ることができる。この精製酵素標品は、電気泳動(SDS−PAGE)的にほぼ単一のバンドを示す程度に純化されている。
【0035】
上記のようにして得られる本発明のサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質は、Kmが1mM以下であることを特徴とする。該Kmの値は、好ましくは0.5mM以下、より好ましくは0.2mM以下、さらに好ましくは0.2±0.1mMである。Kmが1mMより大きいと、サルコシン、クレアチン、クレアチニンの定量における迅速性の点で劣るために好ましくない。すなわち、従来より知られているサルコシンオキシダーゼのKmは約3mM以上であるのに対して、本発明のサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質は、同一反応を触媒する公知の酵素とはKm値が大きく異なることを特徴とする新規な酵素である。
【0036】
本発明のサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質は、具体的には、以下に示す理化学的性質を有するものが好ましい。
作用:水、酸素の存在下にサルコシンに作用して、過酸化水素を生成する
Km:0.2±0.1mM
分子量:40000±4000(SDS−PAGE)
【0037】
さらには、本発明のサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質は、以下に示す理化学的性質を有するものがより好ましい。
作用:水、酸素の存在下にサルコシンに作用して、過酸化水素を生成する
Km:0.2±0.1mM
至適温度:45±5℃
至適pH:8.0±0.5
熱安定性:45±5℃以下(pH8.0、10分間処理)
pH安定性:8.0±0.5(25℃、5時間処理)
分子量:40000±4000(SDS−PAGE)
160000±16000(ゲル濾過)
阻害剤:PCMB
基質特異性:サルコシンの他、グリシン、N−エチルグリシンにも反応性を有する
【0038】
本発明のサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質は、上述したように、サルコシン、クレアチン、クレアチニンの定量に際して有用であり、サルコシン、クレアチン、クレアチニンの定量用試薬として好適に利用されるものである。本発明におけるサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質を用いることにより、サルコシン、クレアチン、クレアチニンの定量に要する時間は、従来のサルコシンオキシダーゼを用いる場合と比較すると、数倍短縮せしめることが可能である。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。実施例中、サルコシンオキシダーゼ活性の測定は以下の試薬および測定条件で行った。
【0040】
<試薬>
10mM サルコシン、50mM リン酸カリウム(pH8.0)、0.5mM 4−アミノアンチピリン、2mM フェノール、6U/ml ペルオキシダーゼを含む水溶液を用いた。
【0041】
<測定条件>
試薬3mlを、37℃で約2分予備加温後、0.15mlのサンプル(酵素溶液)を加え、緩やかに混和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で500nmの吸光度変化を2〜3分間記録し、その初期直線部分から1分間当りの吸光度変化を測定した。上記条件で1分間に1μmolのサルコシンを分解する酵素量を1単位(U)とする。
【0042】
実施例1 染色体DNAの分離
ATCC保存菌株でバチルス・ズブチリス マーバーグ168系菌株であるバチルス・ズブチリス MI113(ATCC33712)の染色体DNAを次の方法で分離した。同菌株をブレインハートインヒュージョン培地(ディフコ社製)で37℃一晩振盪培養した後、遠心分離(8000rpm、10分間)により集菌した。15mMクエン酸ナトリウム(0.15M塩化ナトリウムを含む)溶液で菌体を洗浄した後、20%シュークロース、50mMトリス塩酸(pH7.6)、1mMEDTAを含んだ溶液5mlに懸濁し、1mlのリゾチーム溶液(100mg/ml)を加えて、37℃、30分間保温し、次いで11mlの1%ラウロイルサルコシン酸、0.1M EDTA(pH9.6)を含む溶液を加えた。
【0043】
この懸濁液に、臭化エチジウム溶液、0.5%塩化セシウムを約100%加え、攪拌混合し、55000rpm、20時間の超遠心分離でDNAを分取した。分取したDNAは1mM EDTAを含んだ10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0;以下、TEと略記する)で透析して、精製DNA標品とした。これを等量のクロロホルム・フェノール溶液で処理後遠心分離により水層を分取し、2倍量のエタノールを加えて上記方法で、もう一度DNAを分離し、2mlのTEで溶解した。
【0044】
実施例2 サルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子を有する組換えベクターの調製
実施例1で得たDNAを鋳型として、配列表の配列番号2及び3のオリゴヌクレオチドをプライマーとして表1に示すような組成液を調製し、公知の条件でPCRを行い、サルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子を増幅した。
【0045】
【表1】

Figure 0004161232
【0046】
増幅産物(約1.1kbp)と制限酵素SmaIで分解処理したベクターpUC19をT4DNAリガーゼでライゲーションして、エシェリヒア・コリーJM109のコンピテントセル(東洋紡績製)で形質転換し、形質転換体を得た。該形質転換体の保有する約3.8kbpのプラスミドには約1.1kbpの挿入DNA断片が存在している。該遺伝子の塩基配列をダイデオキシ法により、配列表の配列番号4のように決定し、また該プラスミドをpBSOLR2とし、該形質転換体をエシェリヒア・コリーJM109(pBSOLR2)とした。エシェリヒア・コリーJM109(pBSOLR2)は、サルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質をコードする遺伝子を有する形質転換体である。なお、pBSOLR2の構造は図1に示す通りである。
【0047】
実施例3 エシェリヒア・コリーJM109(pBSOLR2)からのサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質の製造
TB培地500mlを2Lフラスコに分注し、121℃、15分間オートクレーブを行い、放冷後別途無菌ろ過した50mg/mlアンピシリン(ナカライテスク製)0.5mlを添加した。この培地にLB培地であらかじめ,30℃、16時間振盪培養したエシェリヒア・コリーJM109(pBSOLR2)の培養液5mlを接種し、37℃で24時間通気撹拌培養した。培養終了時のサルコシンオキシダーゼ活性は約0.35U/mlであった。
【0048】
上記菌体を遠心分離にて集菌し、50mMリン酸緩衝液(pH8.0)に懸濁した。上記菌体懸濁液を超音波で破砕し、遠心分離を行い上清液を得た。得られた粗酵素液に対し、0.5M飽和硫安分画処理を行った後、セファデックスG−25(ファルマシアバイオテク製)によるゲルろ過により脱塩し、DEAEセファロースCL6−B(ファルマシアバイオテク製)カラムクロマトグラフィー、セファデックスG−200(ファルマシアバイオテク製)カラムクロマトグラフィーにより分離・精製し、精製タンパク質表品を得た。本方法により得られたサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質の標品は、電気泳動(SDS−PAGE)的にほぼ単一なバンドを示し、この時の比活性は約0.6U/mg−タンパク質であった。
【0049】
以下に、上記方法により得られたサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質の性質を示す。
作用:水、酸素の存在下にサルコシンに作用して、過酸化水素を生成する
Km:0.2±0.1mM
至適温度:45±5℃
至適pH:8.0±0.5
熱安定性:45±5℃以下(pH8.0、10分間処理)
pH安定性:8.0±0.5(25℃、5時間処理)
分子量:40000±4000(SDS−PAGE)
160000±16000(ゲル濾過)
阻害剤:PCMB
基質特異性:サルコシンの他、グリシン、N−エチルグリシンにも反応性を有する
なお、上記タンパク質のアミノ酸配列は、配列表の配列番号1のように決定された。
【0050】
【発明の効果】
上述したように、本発明により、Kmが1mM以下であるサルコシンオキシダーゼ活性を有する新規なタンパク質が単離された。また、該タンパク質を用いることにより、サルコシン、クレアチン、クレアチニンに関する迅速な定量化が可能となった。さらに、タンパク質工学的手法を用いることによる機能改変を行うことにより、理化学的性質の改良を導き出すことができる。
【0051】
【配列表】
Figure 0004161232
Figure 0004161232
【0052】
Figure 0004161232
【0053】
Figure 0004161232
【0054】
Figure 0004161232
Figure 0004161232
Figure 0004161232

【図面の簡単な説明】
【図1】 pBSOLR2の構造を示す図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel protein having sarcosine oxidase activity that can be used for quantification of sarcosine, creatine, and creatinine, and a method for producing the protein.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, sarcosine oxidase (EC1.5.3.1) has been used as an enzyme for measuring creatine and creatinine in body fluids, which is clinically an index for diagnosis of muscle diseases and kidney diseases. Used with tininase, creatinase and peroxidase. Sarcosine oxidase acts on the substrate sarcosine in the presence of water and oxygen to produce glycine, formaldehyde and hydrogen peroxide.
[0003]
Such sarcosine oxidases include the genus Bacillus (JP-A-54-52789), the genus Corynebacterium (J. Biochem. 89, 599 (1981)), and the genus Cylindrocarpon. (Japanese Patent Laid-Open No. 56-92790), Pseudomonas genus (Japanese Patent Laid-Open No. 60-43379) and the like have been reported to be produced.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In Japanese Patent Laid-Open No. 02-265478, sarcosine oxidase produced by Arthrobacter sp. TE1826 (Mikken Kenki No. 10737) is superior in thermal stability to conventional sarcosine oxidase. In addition, it is already known that the Km is about 3 mM, which is smaller than those of other sources, and is a practical enzyme. The value of the Michaelis-Menten constant (hereinafter referred to as Km) of the enzyme is closely related to the time required for measurement using the enzyme, and it can be said that an enzyme having a small Km is more practical. However, the sarcosine oxidase as described above is not sufficient to realize rapid quantification of sarcosine, creatine and creatinine, and development of a sarcosine oxidase having a smaller Km value has been desired.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of various studies to achieve the above object, the present inventors have found a novel protein having sarcosine oxidase activity with a Km of 1 mM or less, and have reached the present invention. And it came to implement | achieve rapid quantification of sarcosine, creatine, and creatinine by using this protein.
[0006]
That is, the present invention is a novel protein having sarcosine oxidase activity characterized in that Km is 1 mM or less. More preferably, the present invention is a novel protein having sarcosine oxidase activity characterized in that Km is 0.2 ± 0.1 mM or less.
[0007]
The present invention is preferably a novel protein having sarcosine oxidase activity having the following physicochemical properties.
Action: acts on sarcosine in the presence of water and oxygen to produce hydrogen peroxide Km: 0.2 ± 0.1 mM
Molecular weight: 40000 ± 4000 (SDS-PAGE)
[0008]
The present invention is more preferably a novel protein having sarcosine oxidase activity having the following physicochemical properties.
Action: acts on sarcosine in the presence of water and oxygen to produce hydrogen peroxide Km: 0.2 ± 0.1 mM
Optimal temperature: 45 ± 5 ° C
Optimum pH: 8.0 ± 0.5
Thermal stability: 45 ± 5 ° C or less (pH 8.0, treatment for 10 minutes)
pH stability: 8.0 ± 0.5 (25 ° C., 5 hours treatment)
Molecular weight: 40000 ± 4000 (SDS-PAGE)
160000 ± 16000 (gel filtration)
Inhibitor: p-chloromercuribenzoic acid (hereinafter referred to as PCMB)
Substrate specificity: reactive to glycine and N-ethylglycine in addition to sarcosine
In addition, the present invention is preferably a novel protein having sarcosine oxidase activity, which is the following protein (a) or (b).
(A) a protein comprising the amino acid sequence described in the sequence listing / SEQ ID NO: 1 (b) comprising the amino acid sequence in which one or several amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence (a), and sarcosine The protein having oxidase activity or the present invention is more preferably a novel protein having sarcosine oxidase activity, which is a protein consisting of the amino acid sequence described in Sequence Listing / SEQ ID NO: 1.
[0010]
The present invention also relates to a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity, which is the following protein (a) or (b).
(A) a protein comprising the amino acid sequence described in the sequence listing / SEQ ID NO: 1 (b) comprising the amino acid sequence in which one or several amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence (a), and sarcosine The protein having oxidase activity or the present invention is preferably a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity, which is a protein consisting of the amino acid sequence described in Sequence Listing / SEQ ID NO: 1.
[0011]
Further, the present invention is preferably a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity, which is the following DNA (c) or (d).
(C) DNA consisting of the base sequence described in Sequence Listing / SEQ ID NO: 4
(D) DNA encoding a protein having one or several bases deleted, substituted or added in the sequence (c) and having sarcosine oxidase activity
More preferably, the present invention is a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity having a DNA comprising the nucleotide sequence set forth in Sequence Listing / SEQ ID NO: 4.
[0012]
The present invention is also a recombinant vector containing a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity as described above. Moreover, this invention is a transformant containing the recombinant vector containing the gene which codes the novel protein which has the above sarcosine oxidase activities.
[0013]
Further, the present invention is characterized by culturing a Bacillus subtilis Marburg 168 strain that produces a protein having sarcosine oxidase activity having a Km of 1 mM or less, and collecting the protein having sarcosine oxidase activity from the culture. And a method for producing a novel protein having sarcosine oxidase activity.
[0014]
In addition, the present invention cultivates a transformant having a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity as described above and introduced with a recombinant vector having the productivity of a protein having sarcosine oxidase activity, A method for producing a novel protein having sarcosine oxidase activity, comprising collecting a protein having sarcosine oxidase activity from a culture.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The novel protein having sarcosine oxidase activity of the present invention is preferably isolated from a sarcosine oxidase-producing microorganism, particularly Bacillus subtilis. Specifically, it can be isolated from, for example, a Bacillus subtilis Marburg 168 strain available from American Type Culture Collection (ATCC), such as Bacillus subtilis MI113, DE100, ASB298 and the like. However, by isolating the gene encoding the protein of the present invention and isolating the expressed protein, the protein can be easily and efficiently obtained.
[0016]
As one embodiment of the present invention, for example, an amino acid sequence as set forth in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing, or an amino acid sequence in which one or more amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence, and Examples include proteins having sarcosine oxidase activity.
[0017]
The degree of amino acid deletion, substitution, and addition includes those in which the basic characteristics are not changed or the characteristics are improved. A method for producing these mutants can be obtained according to a conventionally known method.
[0018]
The gene encoding the novel protein having sarcosine oxidase activity can be extracted from, for example, a Bacillus subtilis Marburg 168 strain, or can be chemically synthesized. Furthermore, a DNA fragment containing a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity can be obtained by utilizing the polymerase chain reaction method (PCR method).
[0019]
Examples of the gene include DNA encoding a protein consisting of the amino acid sequence set forth in SEQ ID NO: 1 in the Sequence Listing, or an amino acid sequence in which one or several amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence. And a DNA encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity. Specifically, for example, DNA consisting of the base sequence described in SEQ ID NO: 4 in the sequence listing, or a base sequence in which one or several bases are deleted, substituted or added in the base sequence can be mentioned.
[0020]
The degree of DNA deletion, substitution, and addition includes those in which the basic characteristics are not changed or the characteristics are improved. A method for producing these mutants can be obtained according to a conventionally known method.
[0021]
As a method for obtaining the above gene, for example, PCR is carried out under known conditions using the chromosomal DNA of Bacillus subtilis Marburg 168 strain as a template and the oligonucleotides of SEQ ID NOs: 2 and 3 in the sequence listing as primers, and has sarcosine oxidase activity. A gene encoding a novel protein may be collected.
[0022]
Specifically, chromosomal DNA of the gene donor Bacillus subtilis Marburg 168 strain is collected by the following steps, for example. That is, a chromosomal DNA-containing lysate can be prepared by collecting a culture obtained by stirring and cultivating a donor microorganism for 1 to 3 days, and then lysing the culture. As a method of lysis, for example, treatment is performed with a lytic enzyme such as lysozyme or β-glucanase, and a protease, other enzyme, or a surfactant such as sodium lauryl sulfate (SDS) is used in combination as necessary, and further freeze-thawing. Or a physical crushing method such as a French press treatment.
[0023]
In order to separate and purify DNA from the lysate obtained as described above, a conventional method is used, for example, by appropriately combining methods such as deproteinization treatment by phenol treatment or protease treatment, ribonuclease treatment, and alcohol precipitation treatment. be able to.
[0024]
As a vector for producing a recombinant, a vector constructed for gene recombination from a phage or plasmid that can autonomously grow in a host microorganism is suitable.
[0025]
Examples of the phage include lambda gt10 and lambda gt11 when Escherichia coli is used as a host microorganism.
[0026]
Examples of the plasmid include pBR322, pUC18, pUC19, and pBluescript when Escherichia coli is used as a host microorganism.
[0027]
On the other hand, any host microorganism may be used as long as the recombinant vector is stable and capable of autonomous propagation and can express a foreign gene. For example, Escherichia coli W3110 and Escherichia coli C600 are generally used. , Escherichia coli HB101, Escherichia coli JM109, and the like.
[0028]
As a method for transferring the recombinant vector into the host microorganism, for example, when the host microorganism is Escherichia coli, a competent cell method using calcium treatment, an electroporation method, or the like can be used.
[0029]
The microorganism, which is a transformant obtained as described above, can stably produce a large amount of the target protein by being cultured in a nutrient medium. Selection for the presence or absence of transfer of the target recombinant vector to the host microorganism may be performed by searching for a drug resistance marker of the vector holding the target DNA and a microorganism that simultaneously expresses sarcosine oxidase activity, for example, based on the drug resistance marker A microorganism that grows in a selective medium and produces sarcosine oxidase may be selected.
[0030]
The culture form of the host microorganism, which is a transformant, may be selected in consideration of the nutritional and physiological properties of the host. In many cases, the culture is performed in liquid culture, but industrially, aeration and agitation culture is performed. Is advantageous. As a nutrient source of the medium, those commonly used for culturing microorganisms can be widely used. Any carbon compound that can be assimilated may be used as the carbon source. For example, glucose, sucrose, lactose, maltose, fructose, molasses, pyruvic acid and the like are used. As the nitrogen source, any nitrogen compound that can be used may be used. For example, peptone, meat extract, yeast extract, casein hydrolyzate, soybean cake alkaline extract, and the like are used. In addition, phosphates, carbonates, sulfates, salts such as magnesium, calcium, potassium, iron, manganese, and zinc, specific amino acids, specific vitamins, and the like are used as necessary.
[0031]
The culture temperature can be appropriately changed within the range in which microorganisms grow and produce the target protein. In the case of Escherichia coli, it is preferably about 20 to 42 ° C. Although the culture time varies somewhat depending on conditions, the culture may be terminated at an appropriate time in consideration of the time when the lactate oxidase reaches the maximum yield, and is usually about 6 to 48 hours. The pH of the medium can be changed as appropriate as long as the bacteria grow and produce the target protein, but is preferably about pH 6.0 to 9.0.
[0032]
A culture solution containing bacterial cells producing a novel protein having sarcosine oxidase activity in a culture can be collected and used as it is, but generally, a novel protein having sarcosine oxidase activity is contained in the culture solution according to a conventional method. If the target protein-containing solution is present, the target protein-containing solution and the microbial cells are separated by filtration, centrifugation, or the like. When a novel protein having sarcosine oxidase activity is present in the microbial cells, the microbial cells are collected from the obtained culture by means of filtration or centrifugation, and then the microbial cells are collected by a mechanical method or lysozyme. The target protein is destroyed by an enzymatic method, and if necessary, a chelating agent such as EDTA and / or a surfactant is added to solubilize the target protein, and separated and collected as an aqueous solution.
[0033]
The solution containing the novel protein having sarcosine oxidase activity obtained as described above is subjected to, for example, vacuum concentration, membrane concentration, salting-out treatment such as ammonium sulfate or sodium sulfate, or a hydrophilic organic solvent such as methanol, What is necessary is just to precipitate by the fractional precipitation method by ethanol, acetone, etc. Heat treatment and isoelectric point treatment are also effective purification means. Then, a novel protein having purified sarcosine oxidase activity can be obtained by performing gel filtration using an adsorbent or a gel filtration agent, adsorption chromatography, ion exchange chromatography, affinity chromatography and the like.
[0034]
For example, separation and purification are performed by gel filtration using Sephadex G-25, G-200 (Pharmacia Biotech), DEAE Sepharose CL6-B (Pharmacia Biotech), octyl Sepharose CL6-B (Pharmacia Biotech) column chromatography. A purified enzyme preparation can be obtained. This purified enzyme preparation is purified to such an extent that it shows an almost single band on electrophoresis (SDS-PAGE).
[0035]
The novel protein having sarcosine oxidase activity of the present invention obtained as described above is characterized in that Km is 1 mM or less. The value of Km is preferably 0.5 mM or less, more preferably 0.2 mM or less, and still more preferably 0.2 ± 0.1 mM. If Km is greater than 1 mM, it is not preferred because it is inferior in terms of rapidity in the determination of sarcosine, creatine and creatinine. That is, conventionally known sarcosine oxidase has a Km of about 3 mM or more, whereas the novel protein having sarcosine oxidase activity of the present invention has a larger Km value than known enzymes that catalyze the same reaction. It is a novel enzyme characterized by being different.
[0036]
Specifically, the novel protein having sarcosine oxidase activity of the present invention preferably has the following physicochemical properties.
Action: acts on sarcosine in the presence of water and oxygen to produce hydrogen peroxide Km: 0.2 ± 0.1 mM
Molecular weight: 40000 ± 4000 (SDS-PAGE)
[0037]
Furthermore, the novel protein having sarcosine oxidase activity of the present invention is more preferably one having the following physicochemical properties.
Action: acts on sarcosine in the presence of water and oxygen to produce hydrogen peroxide Km: 0.2 ± 0.1 mM
Optimal temperature: 45 ± 5 ° C
Optimum pH: 8.0 ± 0.5
Thermal stability: 45 ± 5 ° C or less (pH 8.0, treatment for 10 minutes)
pH stability: 8.0 ± 0.5 (25 ° C., 5 hours treatment)
Molecular weight: 40000 ± 4000 (SDS-PAGE)
160000 ± 16000 (gel filtration)
Inhibitor: PCMB
Substrate specificity: reactive to glycine and N-ethylglycine in addition to sarcosine
As described above, the novel protein having sarcosine oxidase activity of the present invention is useful for quantifying sarcosine, creatine and creatinine, and is suitably used as a reagent for quantifying sarcosine, creatine and creatinine. By using the novel protein having sarcosine oxidase activity in the present invention, the time required for quantification of sarcosine, creatine and creatinine can be shortened several times as compared with the case of using conventional sarcosine oxidase.
[0039]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described by way of examples. In the examples, sarcosine oxidase activity was measured using the following reagents and measurement conditions.
[0040]
<Reagent>
An aqueous solution containing 10 mM sarcosine, 50 mM potassium phosphate (pH 8.0), 0.5 mM 4-aminoantipyrine, 2 mM phenol, 6 U / ml peroxidase was used.
[0041]
<Measurement conditions>
Pre-warm 3 ml of the reagent at 37 ° C for about 2 minutes, add 0.15 ml of sample (enzyme solution), mix gently, and change the absorbance at 500 nm with a spectrophotometer controlled at 37 ° C using water as a control. Was recorded for 2-3 minutes, and the change in absorbance per minute was measured from the initial linear portion. The amount of enzyme that degrades 1 μmol of sarcosine per minute under the above conditions is defined as 1 unit (U).
[0042]
Example 1 Isolation of Chromosomal DNA Chromosomal DNA of Bacillus subtilis MI113 (ATCC 33712), an ATCC-preserving strain and a Marburg 168 strain, was isolated by the following method. The strain was cultured in a brain heart infusion medium (Difco) at 37 ° C. overnight and then collected by centrifugation (8000 rpm, 10 minutes). After washing the cells with a solution of 15 mM sodium citrate (containing 0.15 M sodium chloride), the cells were suspended in 5 ml of a solution containing 20% sucrose, 50 mM Tris-HCl (pH 7.6) and 1 mM EDTA, and 1 ml of lysozyme solution. (100 mg / ml) was added, incubated at 37 ° C. for 30 minutes, and then a solution containing 11 ml of 1% lauroyl sarcosine acid, 0.1 M EDTA (pH 9.6) was added.
[0043]
About 100% of ethidium bromide solution and 0.5% cesium chloride were added to this suspension, mixed with stirring, and DNA was fractionated by ultracentrifugation at 55000 rpm for 20 hours. The collected DNA was dialyzed with 10 mM Tris-HCl buffer (pH 8.0; hereinafter abbreviated as TE) containing 1 mM EDTA to obtain a purified DNA preparation. This was treated with an equal amount of chloroform / phenol solution, and the aqueous layer was separated by centrifugation. Then, twice the amount of ethanol was added, and the DNA was again separated by the above method and dissolved in 2 ml of TE.
[0044]
Example 2 Preparation of a recombinant vector having a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity Table 1 shows the DNA obtained in Example 1 as a template and the oligonucleotides of SEQ ID NOs: 2 and 3 in the Sequence Listing as primers. A composition solution as shown was prepared and PCR was performed under known conditions to amplify a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity.
[0045]
[Table 1]
Figure 0004161232
[0046]
The vector pUC19 digested with the amplification product (about 1.1 kbp) and the restriction enzyme SmaI was ligated with T4 DNA ligase, and transformed with competent cells of Escherichia coli JM109 (manufactured by Toyobo Co., Ltd.) to obtain transformants. . The inserted DNA fragment of about 1.1 kbp exists in the plasmid of about 3.8 kbp possessed by the transformant. The base sequence of the gene was determined by the dideoxy method as shown in SEQ ID NO: 4 in the sequence listing, the plasmid was designated pBSOLR2, and the transformant was Escherichia coli JM109 (pBSOLR2). Escherichia coli JM109 (pBSOLR2) is a transformant having a gene encoding a novel protein having sarcosine oxidase activity. The structure of pBSOLR2 is as shown in FIG.
[0047]
Example 3 Production of a novel protein having sarcosine oxidase activity from Escherichia coli JM109 (pBSOLR2) 500 ml of TB medium was dispensed into a 2 L flask, autoclaved at 121 ° C. for 15 minutes, allowed to cool and then separately sterile filtered 50 mg 0.5 ml / ml ampicillin (Nacalai Tesque) was added. This medium was inoculated with 5 ml of a culture solution of Escherichia coli JM109 (pBSOLR2) previously cultured in an LB medium with shaking at 30 ° C. for 16 hours, and cultured with aeration and stirring at 37 ° C. for 24 hours. The sarcosine oxidase activity at the end of the culture was about 0.35 U / ml.
[0048]
The cells were collected by centrifugation and suspended in 50 mM phosphate buffer (pH 8.0). The cell suspension was crushed with ultrasonic waves and centrifuged to obtain a supernatant. The obtained crude enzyme solution was subjected to 0.5M saturated ammonium sulfate fractionation treatment, desalted by gel filtration with Sephadex G-25 (Pharmacia Biotech), and DEAE Sepharose CL6-B (Pharmacia Biotech). Separation and purification were performed by column chromatography and Sephadex G-200 (Pharmacia Biotech) column chromatography to obtain a purified protein surface product. The novel protein preparation having sarcosine oxidase activity obtained by this method shows an almost single band on electrophoresis (SDS-PAGE), and the specific activity at this time is about 0.6 U / mg protein. Met.
[0049]
Below, the property of the novel protein which has the sarcosine oxidase activity obtained by the said method is shown.
Action: acts on sarcosine in the presence of water and oxygen to produce hydrogen peroxide Km: 0.2 ± 0.1 mM
Optimal temperature: 45 ± 5 ° C
Optimum pH: 8.0 ± 0.5
Thermal stability: 45 ± 5 ° C or less (pH 8.0, treatment for 10 minutes)
pH stability: 8.0 ± 0.5 (25 ° C., 5 hours treatment)
Molecular weight: 40000 ± 4000 (SDS-PAGE)
160000 ± 16000 (gel filtration)
Inhibitor: PCMB
Substrate specificity: reactive to glycine and N-ethylglycine in addition to sarcosine. The amino acid sequence of the protein was determined as SEQ ID NO: 1 in the sequence listing.
[0050]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a novel protein having sarcosine oxidase activity with a Km of 1 mM or less was isolated. Moreover, rapid quantification regarding sarcosine, creatine and creatinine became possible by using the protein. Furthermore, improvement of physicochemical properties can be derived by performing functional modification by using protein engineering techniques.
[0051]
[Sequence Listing]
Figure 0004161232
Figure 0004161232
[0052]
Figure 0004161232
[0053]
Figure 0004161232
[0054]
Figure 0004161232
Figure 0004161232
Figure 0004161232

[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the structure of pBSOLR2.

Claims (6)

以下の(a)または(b)のタンパク質。
(a)配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつサルコシン分解活性を有するタンパク質
Protein of the following (a) or (b).
(A) a protein comprising the amino acid sequence described in the sequence listing / SEQ ID NO: 1 (b) comprising the amino acid sequence in which one or several amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence (a), and sarcosine Protein with degradation activity
以下の(a)または(b)のタンパク質をコードする遺伝子。
(a)配列表・配列番号1に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質
(b)アミノ酸配列(a)において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつサルコシン分解活性を有するタンパク質
Genes encoding the following proteins (a) or (b).
(A) a protein comprising the amino acid sequence described in the sequence listing / SEQ ID NO: 1 (b) comprising the amino acid sequence in which one or several amino acids are deleted, substituted or added in the amino acid sequence (a), and sarcosine Protein with degradation activity
以下の(c)または(d)のDNAである遺伝子。
(c)配列表・配列番号4に記載される塩基配列からなるDNA
(d)上記(c)の配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加されており、かつサルコシン分解活性を有するタンパク質をコードするDNA
Ru DNA der the following (c) or (d) gene.
(C) DNA consisting of the base sequence described in Sequence Listing / SEQ ID NO: 4
(D) DNA encoding a protein having one or several bases deleted, substituted or added in the sequence (c) and having sarcosine degradation activity
請求項2または3に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。A recombinant vector containing the gene according to claim 2 or 3 . 請求項4に記載の組換えベクターを含む形質転換体。A transformant comprising the recombinant vector according to claim 4 . 請求項5の形質転換体を培養し、培養物からサルコシン分解活性を有するタンパク質を採取することを特徴とする請求項1に記載のタンパク質の製造方法。According culturing the transformant of claim 5, protein method according to claim 1 you and collecting the protein having a sarcosine decomposition activity from the culture.
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