JP4160999B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
発電に伴って発生する発電熱を利用して加熱した温水を貯湯槽に貯えておき、加熱装置を通過させてから温水利用箇所に給湯する装置の一例を図11に示す。この給湯装置は、特許文献1に開示されている。図11の装置は、発電して給湯するコージェネレーションシステム(電気と熱の併給システム)を構成する。
ミキシングユニット106で混合する前の出湯温度を測定する出湯サーミスタ124と、ミキシングユニット106で混合する前の水道水温度を測定する冷水サーミスタ126が設けられている。
貯湯槽104の上部に戻った温水は、貯湯槽104の下部に貯蔵されている冷水よりも比重が小さいために、貯湯槽104の上部に溜まる。貯湯槽104内の加熱前の冷水は、温水よりも比重が大きいために貯湯槽104の下部に留まる。貯湯槽上部の温水と下部の冷水との間で対流がほとんど起きない状態が保たれることで、貯湯槽104の内部では、上部に温水が貯湯されて下部に冷水が貯められ、両者がほとんど混じりあわない温度成層が形成される。
ミキシングユニット106で混合する前の出湯温度T1が設定温度T3よりも高い場合には、ミキシングユニット106で水道水と混合して設定温度T3に調温する。ミキシングユニット106で設定温度T3に調温された温水が加熱装置108を通過して給湯配管118に供給される。この場合、加熱装置108は加熱運転を実行せず、設定温度T3に調温された温水が加熱装置108を通過していく。貯湯槽104では温度成層が保たれるために、貯湯槽104に貯湯されていた温水を使いきるまで、ミキシングユニット106には高温の温水が出湯される。加熱装置108を利用しないで設定温度T3に調温できることが多い。このために、加熱装置108で使用する燃料量を減らすことができ、省エネルギーとすることができる。ミキシングユニット106で設定温度T3に調温するために、ミキシングユニット106で混合する前の出湯温度T1と水道水温度T2が測定され、その測定結果から温水と水道水の混合比率が求められる。
ミキシングユニット106は、出湯温度T1の低下に追従して水道水の混合比率を下げ、混合後の水温を設定温度T3に維持しようとする。また、混合後の水温を設定温度T3に維持できない場合には、加熱装置108に燃焼開始命令を出力する。
温度変化に対するミキシングユニット106の混合比追従性が高く、加熱装置108の加熱量調整速度が速ければ、貯湯槽104の温水を使いきっても、給湯配管118に給湯される温水の温度は変化しないはずである。しかしながら、実際にはそうはならず、給湯配管118に給湯される温水の温度は、湯きれ時に一旦下がってしまう。
給湯装置100は、出湯サーミスタ124によって、ミキシングユニット106に入る温水温度T1を監視している。期間1は、貯湯槽104に充分な量の温水が貯湯されており、出湯温度T1が給湯設定温度T3よりも高い温度で安定している期間を示している。期間1では、加熱装置108は燃焼せず、貯湯槽104から出湯された温水は、ミキシングユニット106で水道水と混合して設定温度T3に調温されたのち、配管116と加熱装置108と給湯配管118を通過して温水利用箇所120に給湯される。
貯湯槽104の温水が残り少なくなると、ミキシングユニット106に入る出湯温度T1は急速に下がり始める。給湯装置100は、出湯温度T1が予め設定されている制御開始温度(ミキシングレート変更温度)よりも下がったとき、期間2の制御を開始する。給湯装置100は、ミキシングユニット106の水道水用バルブを絞ることで、水道水の混合比率を経時的に減らす。通常、ミキシングユニット106に入る出湯温度T1は急速に下がるために、ミキシングユニット106で水道水の混合比率を減少させても混合後の温水温度を給湯設定温度T3に維持するができない。給湯装置100は、混合する水道水の比率がゼロとなるまで水道水用バルブを絞る。給湯装置100がミキシングユニット106の水道水用バルブの絞り操作を開始してから、バルブが応答して水道水の混合比率が実際に減るまでには時間がかかる。この結果、貯湯槽104の温水が使いきられたときの出湯温度T1の急速な低下に対して水道水の混合比率を減らす操作が追従できず、給湯温度T4は徐々に下がる。
加熱装置108に点火指令を出しても、加熱装置108の加熱量は急には増大しない。加熱装置108が実際に点火処理を開始するまでには一定の時間が必要とされ、また、点火直後は不安定な燃焼状態であることが多いため、急激にガス供給量を増大させることができない。加熱量が増大するまでには遅れが生じることから、期間3になっても給湯温度T4はしばらく下がりつづける。加熱装置108の燃焼量が増加してやっと給湯温度T4を設定温度T3にまで戻すことができる。
貯湯槽とミキシングユニットを接続する出湯配管に水道水が供給されると、貯湯槽から出湯される温水に水道水が混じり合って温水温度が低下してからミキシングユニットに入る。この場合、ミキシングユニットに入力される温水温度の変化速度が遅くなる。
貯湯槽が湯切れする前から、ミキシングユニットに入る温水は、給水配管からの水道水と混合して温度が低められている。ミキシングユニット内では少量の水道水と混合すれば設定温度に調整することができるので、ミキシングユニット内の水道水用バルブは絞られて少量の水を混合する状態となっている。
貯湯槽が湯切れとなってミキシングユニットに供給される温水の温度が緩やかに低下するとき(給水配管からの水道水と混合しないでミキシングユニットに送り込まれる場合に比して、給水配管からの水道水と混合してからミキシングユニットに送り込まれる場合には、温度変化が遅い)、ミキシングユニットでは既に絞られている水道水用バルブを更に段階的に絞る操作を行う。ミキシングユニットに供給される温水の温度が急速に変化すると、ミキシングユニットでは、温度変化に追従して水道水の混合比率を変化させることが困難であった。しかしながらすでに絞られている水道水用バルブを更に絞る操作は、バルブの開閉量が少ないために応答性が早い。しかも、ミキシングユニットに入る温水温度の低下が緩やかであるために、水道水用バルブを通常の操作速度で絞った場合でも、温水温度の低下に追従して水道水の混合比率を下げることができる。湯切れ時に貯湯槽から出湯される温水の温度が急速に下がっても、ミキシングユニットから送出される温水の温度変化を抑制することができる。
出湯配管が高さを異にする2箇所以上で貯湯槽に連通していると、貯湯槽内の高さの異なる位置から温水が取出されてミキシングユニットに供給される。
貯湯槽に貯えられている水には温度成層が形成されており、貯湯槽内の温水が使用されるのに連れて貯湯槽内に残った温水は上部に押し上げられる。出湯配管と貯湯槽の間の複数の連通箇所のうちの最低連通位置よりも上方に温水が押し上げられたとき、その連通箇所から出湯される水の温度が急速に下がる。低い連通箇所から出湯される冷水は、上部で連通している出湯配管から出湯される温水と混合してミキシングユニットに入る。混合後の温水の温度は、最も低い連通箇所から出湯される水の温度変化を反映して早い段階からゆっくり下がり始める。
また、急速に温度の下がる水と高温で安定している温水が混合されるために、混合後の温水が供給されるミキシングユニットの入口での温度変化は緩やかである。
ミキシングユニットは、入力する温水の温度が下がり始めると、水道水用バルブを段階的に絞る操作を行う。温水の温度変化を早いタイミングで知ることができ、且つ温水の温度低下が緩やかであるために、水道水用バルブを通常の操作速度で絞った場合でも、温水の温度低下に追従して水道水の混合比率を下げることができる。ミキシングユニットから送出される温水の温度変化を抑制することができる。
加熱装置は、貯湯槽から出湯される温水の温度がさらに下がったとき、温水の加熱を開始する。温水の温度低下が緩やかなために、加熱装置で給湯設定温度にまで加熱し始めるまでの間に給湯温度が低下することを抑制することができる。
貯湯槽とミキシングユニットを接続する出湯配管が、貯湯槽の上部に貯湯されている温水と熱交換する熱交換器を介してその下方位置で貯湯槽に連通していると、貯湯槽内の温水が押し上げられて出湯配管に冷水が入り始めると、その冷水は貯湯槽上部の温水によって加熱されてから出湯される。冷水が加熱されてからミキシングユニットに供給されるようにすると、ミキシングユニットに入る温水温度が低下し始めるタイミングが従来よりも早く、温度変化も緩やかであるために、ミキシングユニットの水道水供給バルブを通常の操作速度で絞った場合でも、温水温度の低下に追従して水道水の混合比率を下げることができる。これによりミキシングユニットから送出される温水温度の変化が抑制される。
加熱装置は、出湯温度がさらに下がったときに温水の加熱を開始する。ミキシングユニットから送出される温水の温度低下が緩やかなために、加熱装置で給湯設定温度にまで加熱し始めるまでの間に給湯温度が低下することを抑制することができる。
貯湯槽の連通箇所よりも上方に残った温水は、ミキシングユニットに供給されることはないが、熱交換器の中を通過する冷水に熱を供給して冷やされる。このことによって、貯湯槽に蓄えられた熱を使いきることができる。貯湯した熱量を無駄にすることがない。
発電中に発電熱回収配管から供給される量以上の温水が使用されて貯湯槽の温水残量が減ったときには、発電熱回収配管の連通箇所の周囲に、冷水が上昇してくる。このときにも、高い温度の水と低い温度の水が対流によって混ざり合い、発電熱回収配管の連通箇所よりも上部の温水は均一な温度に保たれる。
発電中に発電熱回収配管から供給される量以上の温水が使用される場合でも、対流によって発電熱回収配管の連通箇所よりも上部の温水が均一な温度に保たれるために、貯湯槽から出湯される温水温度は緩やかに低下する。貯湯槽から出湯される温水の緩やかな温度変化に追従して、ミキシングユニットでの温水と水道水の混合比率と、加熱量を制御することで、給湯温度の変動を効果的に抑制することができる。
一つの具体例では、貯湯槽から出湯される温水に一定比率で水道水を混合してミキシングユニットに供給することにより、貯湯槽が湯切れ状態となったときにミキシングユニットに入る温水の温度変化を緩やかにすることができ、ミキシングユニットと加熱装置による温度調整を温水の温度変化によく追従させて、給湯温度を設定温度近傍に保つことができる。
他の一つの具体例では、高さの異なる2箇所以上から出湯することによって、貯湯槽の湯切れ前にミキシングユニットに入る温水温度を変化させる。湯切れをより早いタイミングで知ることができる。更にこのような給湯装置では、湯切れが始まったときに貯湯槽から出湯される温水の温度変化が緩やかであり、ミキシングユニットと加熱装置を出湯温度の変化によく追従させて調整することができ、給湯温度を設定温度近傍に保つことができる。
出湯配管が貯湯槽上方の温水と熱交換する熱交換器を介して貯湯槽の下方位置で貯湯槽と連通するようにしても、同様の効果を得ることができる。
さらに、発電熱回収配管と貯湯槽の連通高さを、出湯配管と貯湯槽の連通高さよりも所定距離だけ下方にすることによって、貯湯槽上部で対流を発生させることができ、発電中の温度分布を均一にすることができる。このコージェネレーションシステムによっても、貯湯槽の湯切れが発生したときに貯湯槽から供給される温水の温度変化が緩やかとなり、ミキシングユニットと加熱装置による温度調整によって、給湯温度を設定温度近傍に保つことができる。
(形態1)給湯装置は、ミキシングユニットに水道水を供給するバルブの開閉量と、バーナの燃焼量を制御する制御手段を有する。
(形態2)貯湯槽内部の温水は、温度成層を形成している。
(形態3)出湯配管に接続された給水配管から、出湯配管を流れる温水に対して一定の比率で水道水が供給される。貯湯槽から出湯される温水と給水配管から供給される水道水が混合して、ミキシングユニットに入る。
(形態4)貯湯槽の高さの異なる2以上の箇所に取水口が設けられている。出湯配管は、貯湯槽側で分岐して各取水口に接続する。
(形態5)出湯配管が、貯湯槽の上部に貯湯されている温水と熱交換する熱交換器を経由して、貯湯槽の内部で下方に延びている。配管の先端が取水口となっており、貯湯槽内の温水が取出される。
(形態6)出湯配管が、貯湯槽上部から貯湯槽内に入り、貯湯槽の内部を下方に延びている。下方に伸びる配管の高さの異なる複数の位置に取水口が設けられている。
(形態7)貯湯槽の上部に熱交換器が設けられており、貯湯槽下部に貯蔵されている水を発電熱で加熱して貯湯槽上部に戻す発電熱回収配管が、熱交換器よりも下方で貯湯槽に連通している。
(第1実施例) 図1は、本発明の第一実施例に係わるコージェネレーションシステムの構成を示している。本実施例のコージェネレーションシステムは、電力と発電熱を発生する発電装置32と、給湯装置2を備えている。給湯装置2は、発電装置32が発電時に発生する発電熱によって加熱された温水を貯蔵しておく貯湯槽4と、貯湯槽4からの温水に水道水を混合して混合温水の温度を適温に下げるミキシングユニット6と、ミキシングユニット6を通過した後の水を加熱する加熱装置8と、加熱装置8を通過した温水を温水利用箇所20に給湯する給湯配管18を備えている。
ミキシングユニット6で混合する前の出湯温度を測定する出湯サーミスタ24と、ミキシングユニット6で混合する前の水道水温度を測定する冷水サーミスタ26が設けられている。
さらに、給水配管10から給水配管40が分岐し、出湯配管14に接続されている。分岐給水配管40からは、貯湯槽4から出湯される温水に対して常に一定の比率で水道水が供給される。水道水の混合比率は、貯湯槽4に通常貯められている温水の温度と、水道水の温度と、通常設定される給湯設定温度に基づいて予め一定値に調整されている。即ち、水道水と混合されてミキシングユニット6に入る温水の温度が、通常の給湯設定温度よりも高くなるように、水道水の混合比率が定められている。貯湯槽4から出湯される温水と分岐配管40から供給される水道水は混合してミキシングユニット6に入る。
貯湯槽4の上部に戻った温水は、貯湯槽4の下部に貯蔵されている冷水よりも比重が小さいために、貯湯槽4の上部に溜まる。貯湯槽4内の加熱前の冷水は、温水よりも比重が大きいために貯湯槽4の下部に留まる。貯湯槽上部の温水と下部の冷水との間で対流がほとんど起きない状態が保たれることで、貯湯槽4の内部では、上部に温水が貯湯されて下部に冷水が貯められ、両者がほとんど混じりあわない温度成層が形成される。
ミキシングユニット6で混合する前の出湯温度T1が設定温度T3よりも高い場合には、ミキシングユニット6で水道水と混合して設定温度T3に調温する。ミキシングユニット6で設定温度T3に調温された温水が加熱装置8を通過して給湯配管18に供給される。この場合、加熱装置8は加熱運転を実行せず、設定温度T3に調温された温水が加熱装置8を通過していく。貯湯槽4では温度成層が保たれるために、貯湯槽4に貯湯されていた温水を使いきるまで、ミキシングユニット6には高温の温水が出湯される。加熱装置8を利用しないで設定温度T3に調温できることが多い。このために、加熱装置8で使用する燃料量を減らすことができ、省エネルギーとすることができる。ミキシングユニット6で設定温度T3に調温するために、ミキシングユニット6で混合する前の出湯温度T1と水道水温度T2が測定され、その測定結果から温水と水道水の混合比率が求められる。
ここでは、給湯の行われる期間を、期間1から期間4までの4つの期間に分けて説明する。
制御手段30は、温水温度T1と水道水温度T2の測定結果から、混合後の温水を設定温度T3に調整できる水道水の混合比率を演算し、演算結果に基づいてミキシングユニット6の水道水用バルブの開放量を決定する。このときのバルブの開放量は、分岐配管40から水道水が供給されない場合に比較すると、少なくなる。
出湯配管14からの温度T1の温水は、ミキシングユニット6によって、温度T2の水道水と混合して設定温度T3となり、給湯配管18を通って温水利用箇所20に供給される。
制御手段30は、点火判定温度による点火判断を、温度T1が下がり続けてミキシングユニット6の水道水用バルブの絞り操作を繰り返しているときにのみ行う。点火判定温度は、給湯設定温度T3よりも高く設定されており、加熱装置8に点火指令が行われた時点では、ミキシングユニット6によって水道水が混合されている。さらに温度T1が下がり、給湯設定温度T3よりも低くなった場合には、制御手段30はミキシングユニット6の水道水用バルブを絞る。貯湯槽4からの温水は、加熱装置8の加熱量を考慮してミキシングユニット6で水道水を混合し、配管16を通って加熱装置8に供給される。
加熱装置8は、温度T1の低下が緩やかなために、給湯温度が給湯設定温度を大きく下回る前に、加熱を開始することができる。加熱開始の前後に熱エネルギが不足して給湯温度が若干低くなる場合があるものの、燃焼量が増加すると加熱装置8を通過する温水の温度は速やかに上がる。給湯温度の低下は極く小さく抑制され、給湯温度をほぼ設定温度に維持することができる。
貯湯槽4とミキシングユニット6が、出湯配管14と出湯配管44で連通していることによって、高さの異なる位置からほぼ等量ずつの温水が取出されて、ミキシングユニット6に供給される。貯湯槽4に貯えられた水には温度成層が形成されており、貯湯槽4の温水が使用されるに連れて、給水配管10から水道水が供給され、残った温水は上部に押し上げられる。
貯湯槽4の温水が、出湯配管44が接続する箇所よりも上に押し上げられたとき、出湯配管44から出湯される水の温度TLは急速に下がる。出湯配管14には残った温水が供給されており、温度THは高温で安定している。貯湯槽4の高さの異なる位置から取出された温水は、出湯配管14と配管44の合流箇所で混合して、ミキシングユニット6に入る。ミキシングユニット6の入口温度T1は、温度TLと温度THの平均値にほぼ等しくなっており、TLの温度変化を反映して早めに下がり始める。
制御手段30は、温度T1が下がり始めると、ミキシングユニット6の水道水用バルブを段階的に絞る操作を行う。温度T1の変化を早いタイミングで知ることができ、且つ温度T1の低下が緩やかであるために、水道水用バルブを通常の操作速度で絞った場合でも、温度T1の低下に追従して水道水の混合比率を下げることができる。
貯湯槽4が湯切れとなって温度THが下がり始めると、温度T1の温度変化が大きくなる。しかし、温度THが安定していた間にミキシングユニット6の水道水用バルブは段階的に絞られており、引き続きバルブを絞る操作が行われるときには、長い応答時間を必要としない。温度T1の急速な温度変化に対するバルブの絞り操作の応答遅れは大きくならず、ミキシングユニット6から供給される温水温度を、給湯設定温度近傍に保つことができる。
出湯配管14は、貯湯槽4内の熱交換器54よりも下部にある取水口56から貯湯槽4の水を出湯する。取水口56から取り込まれた水は、熱交換器54を通過する間に貯湯槽4上部の温水と熱交換し、貯湯槽4から出るときには、貯湯槽4の上部に貯湯されている水とほぼ同じ温度となる。貯湯槽4を出た水は、ミキシングユニット6に供給される。
貯湯槽4に残った温水は、熱交換器54内の水に熱を供給して温度が下がるので、熱交換器54を通過してミキシングユニット6に入る温水の温度も下がりはじめる。ミキシングユニット6に入る温水温度T1が下がり始めるタイミングは貯湯槽4とミキシングユニット6を接続する出湯配管14が貯湯槽4の最上部で連通している従来の給湯装置よりも、より早くなっている。また、貯湯槽4に残った温水が、取水口56から取り込まれた水を加熱することから温度T1は緩やかに変化する。
制御手段30はより早いタイミングで知ることのできた貯湯槽4の湯切れに対応するために、早めにミキシングユニット6の制御を開始することができる。又、温度T1の変化が緩やかに進むために、ミキシングユニット6の水道水用バルブの絞り制御と加熱装置8の燃焼量の制御を通常の速度で行えば、温水の温度変化に良く追従することができる。これにより、給湯装置52は、貯湯槽4が湯切れとなったときにも、温水利用箇所20に供給する温水の温度をほぼ一定に保つことができる。
発電の開始直後には、貯湯槽4は冷水で充填されている。温水戻り口76から貯湯槽4に入った温水は、温水戻り口76よりも上部で対流を起こし、貯められている冷水と混じり合う。温水戻り口76よりも上部の貯湯槽4の水の温度は均一になる。温水戻り口76よりも下の貯湯槽4の水は、対流が発生しないために、温度が変化せず冷水の状態を保つ。
発電が続けられて発電熱回収配管12から温水が供給し続けられると、貯湯槽4の温水戻り口76よりも上部の水の温度は、対流によって均一化しながら徐々に上昇し、発電熱回収配管から供給される温水の温度とほぼ同じ温度となる。さらに発電が続けられた場合には、高温の水の層が温水戻り口76よりも下に降りてきて、冷水層が貯湯槽4の底部に溜まる。
例えば、ミキシングユニット6の水道水用バルブの応答時間が全開から全閉までに1分間の応答時間が必要であり、加熱装置8が点火指令を受けてから設定温度の温水を供給できるまでに1分間必要であり、加熱装置8の最大給湯能力が24号相当の場合は、貯湯槽4の温水戻り口76よりも上部に貯えることのできる温水の量が24リットル以上で、より好ましくは30リットル以上とすることが望ましい。貯湯槽4の温水戻り口76から上に貯えることのできる温水の量が多いほど、温水が温水戻り口76よりも上方に押し上げられて、温度T1が下がり始めたとき貯湯槽4の上部には多量の温水が残っている。温水利用箇所20に対して最大限に給湯しているときに湯切れが発生して温度T1が下がり始めると、制御手段30はミキシングユニット6のバルブを段階的に閉じると共に、加熱装置8に点火を命じる。加熱装置8が点火準備をして設定温度の温水を供給し始めるまでの1分間の間に、貯湯槽の上部に残った温水の量にほぼ相当する24リットルの温水が出湯配管14から取出されて給湯される。このとき貯湯槽4の上部では残った温水と冷水の対流が起こって温度が均一化しつつ徐々に下がり、それに連れて温度T1が緩やかに下がる。ミキシングユニット6の水道水用バルブを段階的に絞る操作によって、給湯温度が下がりすぎないように調整される。1分後に加熱装置8が点火して設定温度になるように温水を加熱することで、温水利用箇所20に、設定温度の温水が供給される。
貯湯槽4が湯切れとなって熱交換器84を通過しても水の温度が充分に上がらないときは、補助加熱装置88が点火して、低温負荷用経路86を循環する水を温める。
4,104:貯湯槽
6,106:ミキシングユニット
8,108:バーナ
10,110:給水経路
12,112:発電熱回収経路
14,16,18,40,44,114,116,118:配管
20,120:温水利用箇所
22,94,122:循環ポンプ
24,26,124,126:温度センサ
32,102:発電機
34,130:改質器
36,132:燃料電池セル
54:熱交換器
56,64a,64b,64c,64d,74:吸水口
76:温水戻し口
86:低温負荷経路
90:シスターン
92:低温負荷
Claims (1)
- 貯湯槽と、貯湯槽からの温水と水道水を混合するミキシングユニットと、ミキシングユニット通過後の水を加熱する加熱装置と、加熱装置を通過した温水を温水利用箇所に給湯する給湯配管とを有する給湯装置であり、
貯湯槽とミキシングユニットを接続する出湯配管に、水道水を供給する給水配管が接続されており、
貯湯槽からの温水が、給水配管からの水道水と混合された後、さらにミキシングユニットで水道水と混合されることを特徴とする給湯装置。
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