JP4160357B2 - アザビシクロ化合物及びマトリックスメタロプロテアーゼ阻害物、皮膚外用剤 - Google Patents
アザビシクロ化合物及びマトリックスメタロプロテアーゼ阻害物、皮膚外用剤 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アザビシクロ化合物、特にマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)活性阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトの皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層に大別され、表皮と真皮は基底膜を介して接している。
基底膜に接している表皮細胞は絶えず分裂を繰り返し、この分裂した表皮細胞が順次上方に押し上げられ、分化を経て、表皮の最上層にある角質層を形成する。角質層は美容上極めて重要な部位である。基底膜構造は、表皮細胞の分裂等に大きな影響を与えることから、基底膜の肌への影響もまた大きいといえる。
基底膜は細胞外マトリックスの一種とされ、タイプIVコラーゲン、プロテオグリカン、ラミニン、フィブロネクチン等から成り立っている。
【0003】
真皮の細胞外空間は主に、細胞外マトリックス(ECM:extracellular matrix)と呼ばれる巨大分子の網目構造によって満たされている。ECMは、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニン等の繊維状タンパク質や、グリコサミノグリカン、プロテオグリカンと呼ばれる多糖類からなり、こうした構造により、真皮は皮膚の弾力、張りなどに大きく影響している。
【0004】
従来、皮膚の老化に伴う変化、すなわち、しわ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等に紫外線が大きく関与していることが知られている。これらの変化をミクロ的に見れば、真皮でのコラーゲン、エラスチン等のECM成分の減少・変性、さらには基底膜損傷や表皮肥厚が起こっている。
【0005】
近年研究が進み、これらの変化を誘導する因子として、特にマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs:Matrix Metalloproteinases)の関与が指摘されている。MMPsは、細胞外マトリックスタンパク質を主要な基質とする一群の金属プロテアーゼの総称名である。MMPsには多くの種類が知られており、構造的、機能的特徴に共通点を有してはいるものの、それぞれの基質タンパク質が異なっている(宮崎香、他、「生化学」、68巻12号、pp.1791-1807(1996))。
【0006】
MMPsは,その構造及び機能の面から、通常、コラゲナーゼ群、ゼラチナーゼ群、ストロムライシン群、及びその他(マトリライシン等)に分類されている。
コラゲナーゼ群には、MMP−1(間質コラゲナーゼ)、MMP−8、MMP−13等が含まれる。中でもMMP−1は、真皮マトリックスの主な構成成分であるタイプI、IIIコラーゲン等を分解する酵素として知られている。MMP−8、MMP−13もタイプIコラーゲン等の分解作用を有する。
【0007】
ゼラチナーゼ群には、MMP−2、MMP−9等が含まれる。これらMMP−2、9は、基底膜成分であるタイプIVコラーゲンやラミニン、真皮マトリックス成分のエラスチン等を分解する酵素として知られている。
ストロムライシン群には、MMP−3、MMP−10等が含まれる。これらMMP−3、10は、プロテオグリカンや、タイプIVコラーゲン、ラミニン等を分解する酵素として知られている。
【0008】
さらに、これら各酵素は、その発現が紫外線の照射により大きく増加し、紫外線によるECMの減少・変性の原因の1つとなり、皮膚のしわの形成等の大きな要因の1つであると考えられている(Gary J.Fisher et al.,"Nature",379(25),335(1996); Gary J.Fisher et al.,"The New England Journal of Medicine",337(20),1419(1997))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、MMPs活性の阻害は、基底膜や種々の細胞外マトリックスを保護し、しわやたるみなど皮膚の老化の改善、防止において重要であると考えられ、優れたMMPs活性阻害物質が求められている。
【0010】
また、MMPsは上述のように組織マトリックス分解に関与していることから、結合組織や基底膜マトリックスの異常な代謝を伴う多くの病的状態、例えば関節炎(慢性関節リュウマチ、変形性関節症など)、骨疾患(骨粗鬆症など)、歯周病、異所性脈管形成、多発性硬化症、腫瘍の転移、組織潰瘍形成(角膜、上皮、胃の潰瘍形成など)に関与することが示唆されている。従って、MMPs活性阻害剤は、これら組織マトリックスの異常代謝による疾患の治療剤、予防剤としても期待される。
【0011】
本発明の目的は、MMPs活性阻害作用を有する化合物、及びそれを有効成分とするMMPs活性阻害剤、医薬用組成物、化粧用組成物、皮膚外用剤を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のアザビシクロ化合物に優れたMMPs活性阻害作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかるアザビシクロ化合物は、下記一般式(I)で示されることを特徴とする。
【0013】
【化2】
【0014】
(Rは水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アシル、COOR1、カルバモイル又はSO2R2であり、
R1、R2はそれぞれ独立して、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルである;
Xはメチレン、エチレン又はプロピレンである;
また、・・・・・・は一重結合又は二重結合を示す。)
【0015】
本発明において、RがSO2R2であることが好適であり、また、R2がアリールであることが好適である。
また、本発明において、Xがメチレンであることが好適である。
【0016】
また、本発明にかかるマトリックスメタロプロテアーゼ活性阻害剤は、前記何れかに記載のアザビシクロ化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明にかかる化粧用組成物は、前記何れかに記載のアザビシクロ化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明にかかる医薬用組成物は、前記何れかに記載のアザビシクロ化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする。
また、本発明にかかる皮膚外用剤は、前記何れかに記載のアザビシクロ化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において、Rは水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アシル、COOR1、カルバモイル又はSO2R2(R1、R2はそれぞれ独立してアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキル)とすることができる。好ましいRとしてはSO2R2である。
【0018】
SO2R2の好ましいR2としてはアリールが挙げられ、フェニル、ビフェニリル等が含まれるが、好ましくはフェニルである。また、該アリールは置換されていてもよい。このような置換基としては、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ハロゲン原子、アミノ、アシルアミノ基等が挙げられるが、好ましくはアルコキシ又はハロゲン原子である。
【0019】
本発明において、Xはメチレン、エチレン又はプロピレンであるが、好ましくはメチレンである。
また、式(I)中、・・・・・・は一重結合又は二重結合を示すが、好ましくは一重結合である。
【0020】
なお、本発明の各置換基は、特に問題のない限り、置換可能な位置で1個以上置換されていてもよい。その置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ヘテロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールアミノ基、アシル基、水酸基、オキソ基、チオキソ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、シアノ基等が挙げられ、これらを複数組み合わせることも可能である。
【0021】
また、R2がアルキルである場合、該アルキルは−Z1−A1(Z1はC≡C、CONH、NHCO、O又はS;A1はヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリール)で置換されていてもよい。
また、R2がアリールである場合、該アリールは−Z2−A2(Z2はC≡C、CONH、NHCO、O又はS;A2はアルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリール)で置換されていてもよい。
【0022】
各基の定義は特に指定のない限り次のとおりである。
アルキルとは、直鎖状、分枝状何れでもよく、好ましくは炭素原子を1〜6個有する飽和炭化水素基である。例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、 n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、 n-ペンチル基、イソアミル基、 n-ヘキシル基などが挙げられる。また、環状アルキル基も包含され、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等も含まれる。
ヘテロアルキルとは、直鎖状、分枝状何れでもよく、炭素原子と1つ以上のヘテロ原子とで構成される飽和基であり、好ましくは2〜6の原子を有する。また、環状ヘテロアルキル基も包含され、例えば、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリル、チオモルホニル、テトラヒドロフリル等が含まれる。
【0023】
アリールとは、芳香族炭素環基である。好ましいアリール基には、例えば、フェニル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アリールアルキルとは、前記アリール基で置換された前記アルキル基であり、好ましい例としてベンジル、フェニルエチル等が挙げられる。
ヘテロアリールとは、芳香族複素環基である。好ましいヘテロアリール基には、例えば、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、チアゾリル基、ピリミジニル基、キノリニル基、テトラゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾフリル基、インドリル基等が含まれる。
ヘテロアリールアルキル基とは、前記ヘテロアリール基で置換された前記アルキル基である。
【0024】
ハロゲン原子とは、クロロ、ブロモ、フルオロ、又はヨード原子である。
ヘテロ原子とは、窒素、酸素、又は硫黄原子である。2個以上のヘテロ原子を含有する基は、異なるヘテロ原子を含有してもよい。
アシルとは、水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル又はアルキニルを有するカルボニル基であり、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、アクリロイル、ベンゾイル等が挙げられる。なお、Rにおけるアシルは、アルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリールを有するカルボニル基であることが好ましい。
【0025】
カルバモイル(−CONH2)は、非置換又は置換カルバモイルであることができ、置換カルバモイルとしては、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル及びヘテロアリールアルキルから選ばれる1個又は2個の置換基を有するものが挙げられる。また、カルバモイル基中の窒素原子が5〜6員のヘテロ環の一員であってもよい。この5〜6員ヘテロ環にはN、O及びSから選ばれる追加のヘテロ原子を1個又は2個含んでいてもよい。また、そのヘテロ環の置換可能な位置において、アルキル基、ヘテロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリールアルキル基、オキソ基、ハロゲン原子、水酸基及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい。
メルカプトは、非置換又は置換メルカプトであることができ、置換基としては、アルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリールが挙げられる。
【0026】
アルケニルとは、直鎖状、分枝状何れでもよく、好ましくは炭素原子を2〜6個有し、少なくとも1つの二重結合を任意の位置に有する不飽和炭化水素基である。また、環状アルケニル基も包含され、例えば、シクロペンテニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等も含まれる。
アルキニルとは、好ましくは炭素原子を2〜6個有し、少なくとも1つの三重結合を任意の位置に有する不飽和炭化水素基である。
【0027】
アルコキシとは、前記アルキル基を有するオキシ基である。
アルキルアミノとは1つ又は2つの前記アルキル基を有するアミノ基である。
アシルアミノとは1つ又は2つの前記アシル基を有するアミノ基である。
アリールオキシとは、前記アリール基を有するオキシ基である。
アリールアミノとは、1つ又は2つの前記アリール基を有するアミノ基である。
【0028】
ヘテロアリールオキシとは、前記ヘテロアリール基を有するオキシ基である。
ヘテロアリールアミノとは、1つ又は2つの前記ヘテロアリール基を有するアミノ基である。
アルコキシカルボニルとは、前記アルコキシ基を有するカルボニル基である。
アルキルチオとは、前記アルキル基を有するチオ基である。
【0029】
本発明のアザビシクロ化合物(I)には1つ以上の不斉中心が存在することがある。本発明においては、これらの不斉炭素に基づくエナンチオマー、ジアステレオマー又はそれらの混合物であることができる。なお、本発明においては、−CO−NH−OH基で置換されている3位炭素原子がR配置である下記アザビシクロ化合物(II)が好ましい。
【0030】
【化3】
また、配座異性体及び幾何異性体等のその他の異性体が存在する場合には、これらも本発明に包含される。
【0031】
本発明化合物(I)の代表的な製造方法を下記に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の製造方法において、特に明記しない限り、R及びXは前記定義の通りである。また、化合物を光学活性体として得るためには、光学活性な原料、試薬又は触媒等を用いればよく、また、適切な段階で、クロマトグラフィー、分別結晶等の分離操作を行なえばよい。また、配座異性体及び幾何異性体が存在する場合には、原料、反応条件の適切な選択、及び分離操作を行なうことで、純粋な配座異性体及び幾何異性体として得ることができる。また、官能基が分子内に存在し、この官能基が反応の妨害となる、あるはその恐れのある場合には、適切な保護基を用いて効率的に反応を進行させることが好ましい。保護基の利用は、例えば、Theodora W.Greene、Peter G.M.WutsによるProtective Groups in Organic Synthesis等に従って実施できる。また、特に問題のない限り、各反応の条件や各工程の順序を変更することも可能であり、より適切な方法を選択することができる。
【0032】
スキーム1
【化4】
【0033】
スキーム1の反応1〜4により、アザビシクロ環上に2重結合を有する本発明化合物(I')を得ることができる。
反応1では、例えば、ジクロロメタン又はトルエン等の溶媒中、グリオキシル酸エステル(i)又はそのポリマー型(i')(式中Pは保護基を表し、例えばアルキル等である)と、アミン(ii)との反応により、イミン(iii)を調製する。
反応2では、前記イミン(iii)とジエン(iv)とを用いたDiels-Alder反応によりアザビシクロ環を形成し、化合物(v)を得る。本反応は、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド等の溶媒中、酸(例えばトリフルオロ酢酸、ボロントリフルオロリド ジエチルエーテラート等)の存在下で行うことができる。
【0034】
反応3では、エステルの加水分解の標準的な方法を用いて、化合物(v)からカルボン酸(vi)を得る。
反応4では、カルボン酸(vi)又はその対応する活性化体を、ヒドロキシルアミン又はその酸付加塩(例えば塩酸塩)と反応させることにより、本発明化合物(I')を得る。本反応は、例えば、塩基(例えばトリエチルアミン)存在下、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又はジクロロメタン等の溶媒中で行うことができる。
【0035】
カルボン酸の対応する活性化体とは、例えば、酸無水物(特に混合酸無水物)、酸ハライド又は活性化エステルを表す。混合酸無水物は、例えばピバロイルクロリド又はクロロ炭酸エチルを用いて調製できる。酸ハライドは好ましくは酸クロリドであり、例えばチオニルクロリド又はオキサリルクロリドを用いて調製できる。活性化エステルは、例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下又は非存在下で、1,1’−カルボニルジイミダゾール、N−(ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド又はジシクロヘキシルカルボジイミドを用いて調製できる。
【0036】
一方、飽和アザビシクロ環を有する本発明化合物(I'')を得る場合には、前記化合物(I’)の合成の適切な段階で二重結合の還元を行えばよい。例えば、前記反応2で得られた化合物(v)に対して還元を行なえばよい。
すなわち、反応5において、水素化反応により二重結合の還元を行ない、化合物(v)から化合物(vii)を得ることができる。水素化反応としては、例えば、水素雰囲気下、エタノール、酢酸エチル等の溶媒中、Pd-C等の金属触媒を用いる反応が挙げられる。
本化合物(vii)に対し、前記反応3及び反応4に準じて反応3’及び反応4’をそれぞれ行なうことにより、本発明化合物(I'')が得られる。
【0037】
スキーム2
【化5】
【0038】
また、スキーム1のアミン(ii)の代わりに、基R’(R’はアミン保護基であり、例えばベンジル基等である)を有するアミン(ii')を用いることもできる。
すなわち、スキーム2の反応1’のように、まずグリオキシル酸エステル(i)又はそのポリマー型(i')と、アミン(ii')とからイミン(iii')を得る。本反応は前記反応1に準じて行えばよい。
反応2’において、イミン(iii')とジエン(iv)とのDiels-Alder反応を前記反応2に準じて行うことにより、化合物(ix)を得ることができる。
【0039】
反応6では、化合物(ix)の保護基R’の除去、及び必要に応じて二重結合の単結合への還元反応を行なうことにより、化合物(x)を得る。例えば、R’がt−ブトキシカルボニル基である場合には、トリフルオロ酢酸等を用いることでこれを除去できる。二重結合の単結合への還元反応は、例えば、水素雰囲気下で、エタノール、酢酸エチル等の溶媒中、Pd-C等の金属触媒を用いて行なえばよい。また、R’がベンジル基又はそれに準ずる保護基である場合には、例えば、エタノール、酢酸エチル等の溶媒中、Pd(OH)2等の金属触媒を用いて反応を行なうことにより、保護基R’の除去と二重結合の単結合への還元反応を同時に行なうことができる。
【0040】
反応7で、化合物(x)に置換基Rを導入して化合物(xi)を得る。例えば、クロロホルム等の溶媒中、塩基(例えばトリエチルアミン等)の存在下で、ハライドR−X’(X’は塩素、臭素等のハロゲン)との反応を行なえばよい。また、R−X’の代わりにR''−X(R''はRへ変換可能な基)を用いて同様の反応を行ない、適切な段階でR''をRへと変換してもよい。
化合物(xi)に対し、前記反応3及び反応4に準じて反応3''及び反応4''をそれぞれ行なうことにより、本発明化合物(I)を得ることができる。
また、化合物(ix)に対し、前記反応3、反応4及び反応6に準じた反応を適宜組み合わせて行えば、R=Hの本発明化合物も合成可能である。
【0041】
前記ジエン(iv)は市販品として入手可能であるか、あるいは公知の方法により合成することができる。例えば、シクロペンタジエンはその2量体であるジシクロペンタジエンの熱分解を行なうことにより得ることができる。その他の出発原料及び試薬についても、市販品として入手可能であるか、あるいは公知の方法を適宜組み合わせて合成することができる。
【0042】
本発明のアザビシクロ化合物(I)は、必要に応じて、通常の方法により酸付加塩へと変換することができる。酸付加塩の酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。このような塩も本発明に包含される。
【0043】
本発明のアザビシクロ化合物(I)は、優れたMMPs活性阻害作用を有するので、本作用により改善が期待できる疾患、例えば、慢性関節リュウマチ、変形性関節症、骨粗鬆症、歯周病、異所性脈管形成、多発性硬化症、腫瘍の転移、角膜潰瘍等の治療剤、予防剤として有用である。
本発明にかかるアザビシクロ化合物(I)を医療目的に投与する場合、投与経路は特に限定されず、経口、非経口、局所等何れの方法でも投与することができる。投与量は、対象(哺乳動物、特にはヒト)、年齢、性別、個人差、症状などによって適宜調整されるので特に限定されないが、例えば、本発明のジチアゾ−ル化合物(I)として0.1〜500mg/kg、好ましくは0.5〜200mg/kgの用量を経口、非経口投与にて1日1回又は数回に分けて投与することができる。
【0044】
本発明のアザビシクロ化合物(I)は多様な製剤形態で投与できる。製剤中の有効成分の量は特に限定されるものではないが、通常0.01%〜70質量%、好ましくは0.1〜50質量%とすることができる。
製剤化の際は、通常の製剤担体を用いて常法により製造するが、必要により薬理学的に許容し得る添加物を加えてもよい。
すなわち、経口用固形製剤を調整する場合には、主薬に賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤等を加え、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとする。
【0045】
賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、ニ酸化ケイ素、リン酸カルシウム、グリシン等が、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン等が、崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸ナトリウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油などが、着色剤としては医薬品に添加することが許されているものが、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末などが用いられる。また、錠剤、顆粒剤等は、糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングすることが可能である。
【0046】
経口用液剤とする場合には、有効成分を矯味矯臭剤、着色剤、乳化剤、沈殿防止剤、希釈剤等を加えて、水性懸濁剤、エリキシル剤、シロップ剤等とすることができる。
注射剤(筋肉内、腹腔内、関節内、皮下、静脈内注射等)としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤が含まれる。また、必要に応じて、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤のような補助剤を含有してもよい。注射剤は通常、濾過(バクテリア保留フィルター等)、殺菌剤の配合又はγ線照射によって無菌化されるか、又はこれらの処理をした後、凍結乾燥等の方法により固体組成物とし、使用直前に無菌水又は無菌の注射用希釈剤を加えて使用される。
また、坐剤などとして非経口的に投与することも可能である。
【0047】
また、本発明にかかるアザビシクロ化合物(I)は、皮膚外用剤に配合することができ、特に、肌のしわ、たるみ、くすみなどの皮膚老化の改善・予防を目的とした抗老化用化粧料として有効である。なお、本発明でいう「抗老化用化粧料」とは、老化、特に皮膚の老化を予防、改善するための化粧料を広く意味する。
本発明化合物を、皮膚外用剤として用いる場合、アザビシクロ化合物(I)の配合量は、組成物全量中0.00001〜10質量%、好ましくは0.0001〜5質量%である。0.00001質量%未満では効果が十分に発揮されず、一方、10質量%を超えて配合してもさほど大きな効果の向上は認められず、また製剤化が難しくなることがある。
【0048】
本発明の皮膚外用剤には、有効成分であるアザビシクロ化合物(I)に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の外用剤に用いられる他の成分、例えば美白剤、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて、適宜配合することができる。
【0049】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、カリンの果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、グルコース、フルクト−ス、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類、レチノイン酸、レチノール、レチノール酢酸、レチノールパルミチン酸等のビタミンA誘導体類なども適宜配合することができる。
【0050】
皮膚外用剤の剤形は特に限定されるものでもなく、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油二相系、水−油−粉末三相系、固形、軟膏、ゲル、エアゾール、ムース等、任意の剤型が適用される。また、その使用形態も任意であり、例えばローション、乳液、クリーム、パック、美容液等の基礎化粧料や、ファンデーション等のメーキャップ化粧料、毛髪用化粧料、芳香化粧料、浴用剤等とすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
以下、具体例を挙げてさらに本発明を説明する。
MMPs活性阻害試験
(a)試料溶液の調製
被験物質をジメチルスルホキシド(DMSO)に濃度10mMとなるよう溶解して、原液を調製した。本原液を、測定用緩衝液(0.2M NaCl、5mMCaCl2を含むpH7.5の0.05Mトリス)で希釈して濃度を100μMに調整し、これを試料溶液として用いた。また、コントロール溶液として、被験物質を含まない溶液も同様に調製した。
【0052】
(b)ゼラチナーゼ群MMPs活性阻害試験
ゼラチナーゼ群酵素としてMMP-9(マウス皮膚由来の粗酵素液)を用いた。試験はゼラチンザイモグラフィー法(「バイオ抗酸化剤プロビタミンC」三羽信比古編著、p76、1999、フレグランスジャーナル社、東京)により行なった。
すなわち、所定量の粗酵素液を予め電気泳動したゼラチン入りゲルを、試料溶液又はコントロール溶液で一晩インキュベート後、ゲル染色を行ない、出現してくるMMP−9に対応するバンドを、コントロール溶液のバンドの大きさと比較してその減少量により評価した。評価基準は次の通り。
【0053】
◎:バンドが消失した。
◯:バンドがわずかに確認された。
△:コントロールよりもバンドが細くなった。
×:変化なし。
【0054】
(c)結果
下記アザビシクロ化合物を被験物質として用いて試験を行なった。下記表1から明らかなように、本発明にかかるアザビシクロ化合物はMMPs活性を阻害した。
化合物1:
N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド
化合物3:
(1S, 3R, 4R)-N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド
化合物7:
(3R)-N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキサミド
化合物8:
(1S, 3R, 4R)-N-ヒドロキシ-2-(フェニルスルホニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド
化合物9:
(1S, 3R, 4R)-2-[(4-クロロフェニル)スルホニル]-N-ヒドロキシ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド
化合物12:
(1S, 3R, 4R)-2-[4-(ブトキシフェニル)スルホニル]-N-ヒドロキシ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド
化合物13:
(1S, 3R, 4R)-2-[(4-フルオロフェニル)スルホニル]-N-ヒドロキシ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド
化合物14:
5-(tert-ブチル)-(1R, 3R, 4S)-N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド
【0055】
【表1】
―――――――――――――――――――――――――――
被験物質 MMPs活性阻害
―――――――――――――――――――――――――――
化合物1 ○〜◎
化合物3 ○〜◎
化合物7 ○〜◎
化合物8 ○
化合物9 ○
化合物12 ◎
化合物13 ○
化合物14 ○
―――――――――――――――――――――――――――
【0056】
【実施例】
実施例1
N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物1)
【化6】
【0057】
(a)エチル グリオキシレート、ポリマーフォーム(45〜50% in toluene, 4.68 g)のクロロホルム(41 ml)溶液に、3A モレキュラーシーブス(4.13 g)、DL-1-フェニルエチルアミン(2.66 ml, 20.6 mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で1時間攪拌した。3A モレキュラーシーブスをろ取した後、溶媒を留去した。
残渣をN, N - ジメチルホルムアミド(15 ml)に溶解させ、アルゴン雰囲気下、-78℃でトリフルオロ酢酸(1.59 ml, 20.6 mmol)、ボロントリフルオロリド ジエチルエーテラート(2.62 ml, 20.6 mmol)及びシクロペンタジエン(4.63 ml, 41.3 mmol)を順次5分間隔で加えた。-78℃で2時間攪拌後、反応液を濃縮した。飽和重曹水を加えた後、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5% 酢酸エチル / ヘキサン)にて精製し、エチル 2-(1-フェニルエチル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-カルボキシレートを得た(4.04 g, 72%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.33 - 7.16 (m, 5H), 6.41 (m, 1H), 6.27 (dd, 1H), 4.30 (s, 1H), 3.81 (m, 2H), 3.03 (q, 1H), 2.90 (brs, 1H), 2.20 (s, 1H), 2.12 (d, 1H), 1.41(d, 4H), 0.95 (t, 3H).
【0058】
(b) エチル 2-(1-フェニルエチル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-カルボキシレート(1.29 g, 4.77 mmol)の酢酸エチル(10 ml)溶液に20wt%Pd(OH)2(1.47 g)を加え、45℃、水素雰囲気下で24時間攪拌した。セライトろ過後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%〜3% メタノール / クロロホルム)にて精製し、エチル 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得た(0.181 g, 22%)。
1H NMR (CDCl3) δ 4.18 (q, 2H), 3.53 (s, 1H), 3.31 (s, 1H), 2.62 (s, 1H), 1.68 - 1.39 (m, 5H), 1.28 (t, 3H), 1.24 (d, 1H).
【0059】
(c) エチル 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(664 mg, 3.92 mmol)のクロロホルム(8 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.55 ml, 3.92 mmol)、4 - メトキシベンゼンスルホニルクロリド(892 mg, 4.32 mmol)を加えた。室温で4時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣を再結晶(ヘキサン/酢酸エチル)することにより、エチル 2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得た(927 mg, 70%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.89 (d, 2H), 6.95 (d, 2H), 4.12 - 4.06 (m, 3H), 3.93 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 2.70 (d, 1H), 2.04 - 1.97 (m, 2H), 1.77 - 1.69 (m, 1H), 1.56 - 1.44 (m, 2H), 1.31 (d, 1H), 1.22 (t, 3H).
【0060】
(d) エチル 2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(903 mg, 2.66 mmol)のテトラヒドロフラン(25 ml)溶液に、1N水酸化ナトリウム(15 ml)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を1N塩酸を用いて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 7.87 (d, 2H), 6.98 (d, 2H), 4.12 (s, 1H), 3.92 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 2.85 (d, 1H), 1.98 - 1.87 (m, 2H), 1.77 - 1.69 (m, 1H), 1.54 - 1.43 (m, 1H), 1.40 - 1.34 (m, 2H).
【0061】
(e) 2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸(495 mg, 1.59 mmol)のジクロロメタン(6.1 ml)溶液に、氷冷下で塩化オキサリル(0.29 ml, 3.34 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.12 ml, 1.59 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(442 mg, 6.36 mmol)のテトラヒドロフラン(2.0 ml)−水(0.4 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(1.35 ml, 9.70 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で13時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた固体をクロロホルムにより洗浄し、標題化合物を得た(338 mg, (d)、(e)2工程 73%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.47 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 7.81 (d, 2H), 7.09 (d, 2H), 3.94 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.56 (s, 1H), 2.44 (d, 1H), 2.12 (d, 1H), 1.60 - 1.52 (m, 1H), 1.50 - 1.44 (m, 1H), 1.38 - 1.30 (m, 1H), 1.23 (d, 1H), 1.05 - 0.99 (m, 1H).
【0062】
実施例2
(1R, 3S, 4S)-N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物2)
【化7】
【0063】
(a)エチル グリオキシレート、ポリマーフォーム(45〜50% in toluene, 9.36 g)のジクロロメタン(82 ml)溶液に、3A モレキュラーシーブス(8.25 g)、(R)-(+)-1-フェニルエチルアミン(5.32 ml, 41.3 mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で1時間攪拌した。3A モレキュラーシーブスをろ取した後、溶媒を留去した。
残渣をN, N - ジメチルホルムアミド(30 ml)に溶解させ、アルゴン雰囲気下、-78℃でトリフルオロ酢酸(3.18 ml, 41.3 mmol)、ボロントリフルオロリド ジエチルエーテラート(5.23 ml, 41.3 mmol)及びシクロペンタジエン(5.09 ml, 45.4 mmol)を順次5分間隔で加えた。-78℃で2時間攪拌後、反応液を濃縮した。飽和重曹水を加えた後、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5% 酢酸エチル / ヘキサン)にて精製し、エチル (1S, 3S, 4R)-2-[(R)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-カルボキシレートを得た(5.83 g, 52%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.34 - 7.13 (m, 5H), 6.41 (m, 1H), 6.27 (dd, 1H), 4.30 (s, 1H), 3.81 (m, 2H), 3.03 (q, 1H), 2.90 (brs, 1H), 2.20 (s, 1H), 2.12 (d, 1H), 1.41(d, 4H), 0.95 (t, 3H).
【0064】
(b) エチル (1S, 3S, 4R)-2-[(R)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-カルボキシレート(3.01 g, 11.1 mmol)の酢酸エチル(22 ml)溶液に20wt%Pd(OH)2(3.89 g)を加え、45℃、水素雰囲気下で60時間攪拌した。セライトろ過後、溶媒を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%〜2.5% メタノール / クロロホルム)にて精製し、エチル (1R, 3S, 4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得た(0.724 g, 39%)。
1H NMR (CDCl3) δ 4.18 (q, 2H), 3.53 (s, 1H), 3.30 (s, 1H), 2.62 (s, 1H), 1.68 - 1.38 (m, 5H), 1.28 (t, 3H), 1.24 (d, 1H).
【0065】
(c) エチル (1R, 3S, 4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(0.724 g, 4.28 mmol)のクロロホルム(8 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.60 ml, 4.28 mmol)、4 - メトキシベンゼンスルホニルクロリド(0.973 g, 4.71 mmol)を加えた。室温で4時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣を再結晶(ヘキサン/酢酸エチル)することにより、エチル (1R, 3S, 4S)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得た(1.04 g, 71%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.89 (d, 2H), 6.95 (d, 2H), 4.15 - 4.05 (m, 3H), 3.93 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 2.70 (d, 1H), 2.04 - 1.97 (m, 2H), 1.77 - 1.69 (m, 1H), 1.56 - 1.45 (m, 2H), 1.32 (d, 1H), 1.22 (t, 3H).
【0066】
(d) エチル (1R, 3S, 4S)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(1.04 g, 3.06 mmol)のテトラヒドロフラン(20 ml)‐メタノール(15 ml)溶液に、1N水酸化ナトリウム(17 ml)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を1N塩酸を用いて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、(1R, 3S, 4S)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 7.87 (d, 2H), 6.98 (d, 2H), 4.12 (s, 1H), 3.92 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 2.85 (d, 1H), 1.98 - 1.86 (m, 2H), 1.77 - 1.69 (m, 1H), 1.51 - 1.43 (m, 1H), 1.40 - 1.33 (m, 2H).
【0067】
(e) (1R, 3S, 4S)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸(1.07 g, 3.44 mmol)のジクロロメタン(13 ml)溶液に、氷冷下で塩化オキサリル(0.63 ml, 7.22 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.27 ml, 3.44 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.955 g, 13.8 mmol)のテトラヒドロフラン(4.2 ml)−水(0.84 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(2.92 ml, 21.0 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で13時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた固体をクロロホルムにより洗浄し、標題化合物を得た(0.608 g, (d)、(e)2工程 61%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.47 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 7.82 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 3.95 (s, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.56 (s, 1H), 2.45 (d, 1H), 2.13 (d, 1H), 1.62 - 1.53 (m, 1H), 1.51 - 1.45 (m, 1H), 1.39 - 1.32 (m, 1H), 1.25 (d, 1H), 1.06 - 1.00 (m, 1H).
【0068】
実施例3
(1S, 3R, 4R)-N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物3)
【化8】
【0069】
(a)エチル グリオキシレート、ポリマーフォーム(45〜50% in toluene, 9.36 g)のジクロロメタン(82 ml)溶液に、3A モレキュラーシーブス(8.25 g)、(S)-(-)-フェニルエチルアミン(5.32 ml, 41.3 mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で1時間攪拌した。3A モレキュラーシーブスをろ取した後、溶媒を留去した。
残渣をN, N - ジメチルホルムアミド(30 ml)に溶解させ、 アルゴン雰囲気下、-78℃でトリフルオロ酢酸(3.18 ml, 41.3 mmol)、ボロントリフルオロリド ジエチルエーテラート(5.23 ml, 41.3 mmol)及びシクロペンタジエン(9.26 ml, 82.5 mmol)を順次5分間隔で加えた。-78℃で2時間攪拌後、反応液を濃縮した。飽和重曹水を加えた後、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5% 酢酸エチル / ヘキサン)にて精製し、エチル (1R, 3R, 4S)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-カルボキシレートを得た(8.77 g, 78%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.34 - 7.14 (m, 5H), 6.41 (m, 1H), 6.27 (dd, 1H), 4.30 (s, 1H), 3.81 (m, 2H), 3.03 (q, 1H), 2.90 (brs, 1H), 2.20 (s, 1H), 2.12 (d, 1H), 1.41(d, 4H), 0.95 (t, 3H).
【0070】
(b) エチル (1R, 3R, 4S)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-カルボキシレート(3.84 g, 14.2 mmol)の酢酸エチル(28 ml)溶液に20wt%Pd(OH)2(4.97 g)を加え、45℃、水素雰囲気下で64時間攪拌した。セライトろ過後、溶媒を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%〜5% メタノール / クロロホルム)にて精製し、エチル (1S, 3R, 4R)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得た(0.595 g, 25%)。
1H NMR (CDCl3) δ 4.18 (q, 2H), 3.54 (s, 1H), 3.32 (s, 1H), 2.62 (s, 1H), 1.65 - 1.38 (m, 5H), 1.28 (t, 3H), 1.24 (d, 1H).
【0071】
(c) エチル (1S, 3R, 4R)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(807 mg, 4.77 mmol)のクロロホルム(8 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.67 ml, 4.77 mmol)、4 - メトキシベンゼンスルホニルクロリド(1.08 g, 5.25 mmol)を加えた。室温で4時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣を再結晶(ヘキサン/酢酸エチル)することにより、エチル (1S, 3R, 4R)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得た(0.965 g, 60%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.89 (d, 2H), 6.95 (d, 2H), 4.13 - 4.06 (m, 3H), 3.93 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 2.70 (d, 1H), 2.04 - 1.97 (m, 2H), 1.77 - 1.69 (m, 1H), 1.56 - 1.45 (m, 2H), 1.31 (d, 1H), 1.22 (t, 3H).
【0072】
(d) エチル (1S, 3R, 4R)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(965 mg, 2.84 mmol)のテトラヒドロフラン(40 ml)‐メタノール(10 ml)溶液に、1N水酸化ナトリウム(16 ml)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を1N塩酸を用いて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、(1S, 3R, 4R)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 7.88 (d, 2H), 6.98 (d, 2H), 4.12 (s, 1H), 3.92 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 2.85 (d, 1H), 1.99 - 1.86 (m, 2H), 1.77 - 1.69 (m, 1H), 1.51 - 1.43 (m, 1H), 1.41 - 1.35 (m, 2H).
【0073】
(e) (1S, 3R, 4R)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸(667 mg, 2.14 mmol)のジクロロメタン(8.2 ml)溶液に、氷冷下で塩化オキサリル(0.39 ml, 4.50 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.17 ml, 2.14 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(595 mg, 8.57 mmol)のテトラヒドロフラン(2.6 ml)−水(0.5 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(1.82 ml, 13.1 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で13時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた白色固体をクロロホルムにより洗浄し、標題化合物を得た(389 mg, (d)、(e)2工程 62%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.47 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 7.82 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 3.95 (s, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.56 (s, 1H), 2.45 (d, 1H), 2.13 (d, 1H), 1.62 - 1.53 (m, 1H), 1.51 - 1.45 (m, 1H), 1.40 - 1.32 (m, 1H), 1.25 (d, 1H), 1.06 - 1.00 (m, 1H).
【0074】
実施例4
(1S, 3R, 4R)-N-ヒドロキシ-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物4)
【化9】
【0075】
(a)実施例3の反応(a)で得られたエチル (1R, 3R, 4S)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-カルボキシレート(791 mg, 2.91 mmol)の酢酸エチル(15 ml)溶液に10%Pd-C(53 mg)を加え、水素雰囲気下、室温で16時間攪拌した。セライトろ過後、溶媒を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5% 酢酸エチル / ヘキサン)にて精製し、エチル (1S, 3R, 4R)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得た(601 mg, 76%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.33 - 7.14 (m, 5H), 3.75 (s, 1H), 3.70 (m, 2H), 3.50 (q, 1H), 2.55 (s, 1H), 2.28 (d, 1H), 2.13 (m, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.65 (m, 1H), 1.44 - 1.28 (m, 6H), 0.92 (t, 3H).
【0076】
(b) エチル (1S, 3R, 4R)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(601 mg, 2.20 mmol)のテトラヒドロフラン(12 ml)‐メタノール(6 ml)溶液に、1N水酸化ナトリウム(12 ml)を加え、65℃で21時間撹拌した。反応液を中和した後、水層を濃縮した。残渣をクロロホルムに溶解させ、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0〜15% メタノール / クロロホルム)にて精製し、(1S, 3R, 4R)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸を得た(445 mg, 83%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.41 - 7.28 (m, 5H), 4.20 (s, 1H), 3.88 (q, 1H), 3.08 (s, 1H), 2.80 (d, 1H), 2.11 - 2.03 (m, 1H), 1.95 (d, 1H), 1.89 - 1.81 (m, 1H), 1.68 - 1.53 (m, 5H), 1.47 (d, 1H).
【0077】
(c) (1S, 3R, 4R)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸(224 mg, 0.913 mmol)のジクロロメタン(3.5 ml)溶液に、氷冷下で塩化オキサリル(0.17 ml, 1.92 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.07 ml, 0.913 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(254 mg, 3.65 mmol)のテトラヒドロフラン(1.0 ml)−水(0.2 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.78 ml, 5.57 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で14時間攪拌した。反応液に水を加えた後、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1% メタノール / クロロホルム)にて精製し、標題化合物を得た(126 mg, 53%)。
1H NMR (CDCl3) δ7.30 - 7.19 (m, 5H), 3.64 (s, 1H), 3.44 (q, 1H), 2.68 (s, 1H), 2.38 (d, 1H), 2.04 - 1.98 (m, 1H), 1.74 - 1.63 (m, 2H), 1.46 - 1.37 (m, 5H), 1.24 (d, 1H).
【0078】
実施例5
N-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンゾイル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物5)
【化10】
【0079】
(a)実施例1の反応(b)で得られたエチル 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(181 mg, 1.07 mmol)のクロロホルム(2 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.16 ml, 1.18 mmol)、4 - メトキシベンゾイルクロリド(201 mg, 1.18 mmol)を加えた。室温で1時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(25%〜40% 酢酸エチル / ヘキサン)にて精製し、エチル 2-(4-メトキシベンゾイル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得た(239 mg, 74%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.51 (d, 2H), 6.91 (d, 2H), 4.34 (s, 1H), 4.22 (q, 2H), 4.15 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 2.76 (d, 1H), 2.16 (d, 1H), 1.83 - 1.60 (m, 4H), 1.34 - 1.24 (m, 4H).
【0080】
(b) エチル 2-(4-メトキシベンゾイル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(239 mg, 0.787 mmol)をテトラヒドロフラン(5 ml) - メタノール (4 ml) 溶液に、1N水酸化ナトリウム(5 ml)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を1N塩酸を用いて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、2-(4-メトキシベンゾイル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸を得た。
【0081】
(c) 2-(4-メトキシベンゾイル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸(217 mg, 0.787 mmol)のジクロロメタン(3.0 ml)溶液に、氷冷下で塩化オキサリル(0.14 ml, 1.65 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.06 ml, 0.787 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(219 mg, 3.15 mmol)のテトラヒドロフラン(1.0 ml)−水(0.2 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.67 ml, 4.80 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で4時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2.5%〜10% メタノール / クロロホルム)にて精製し、標題化合物を得た(69.4 mg, (b)、(c)2工程 30%)。
1H NMR (CDCl3) δ 10.12 (brs, 1H), 7.52 (d, 2H), 6.91 (d, 2H), 4.33 (s, 1H), 4.17 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 2.94 (s, 1H), 2.21 (d, 1H), 1.74 (m, 1H), 1.58 - 1.49 (m, 3H), 1.40 (d, 1H).
【0082】
実施例6
N-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物6)
【化11】
【0083】
(a) エチル 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(231 mg, 1.37 mmol)のクロロホルム(5 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.20 ml, 1.43 mmol)、4 - メトキシベンジルクロリド(0.19 ml, 1.43 mmol)を加えた。60℃で20時間反応させた後、反応液に水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1% メタノール / クロロホルム)にて精製し、エチル 2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得た(340 mg, 86%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.26 (d, 2H), 6.81 (d, 2H), 4.00 (q, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.67 (s, 2H), 3.32 (s, 1H), 2.64 (s, 1H), 2.50 (d, 1H), 2.03 - 1.96 (m, 1H), 1.93 (d, 1H), 1.65 (m, 1H), 1.41 - 1.31 (m, 2H), 1.23 (d, 1H), 1.13 (t, 3H).
【0084】
(b) エチル 2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(340 mg, 1.18 mmol)のテトラヒドロフラン(8 ml)‐メタノール(4 ml)溶液に、1N水酸化ナトリウム(8 ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を1N塩酸を用いて中和した後、濃縮した。得られた白色固体をクロロホルムにて洗浄し、濾去した。濾液を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸を得た。
1H NMR (DMSO-d6) δ 7.40 (d, 2H), 6.90 (d, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.76 (s, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.12 (s, 1H), 2.58 (d, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.71 - 1.50 (m, 4H), 1.44 (d, 1H).
【0085】
(c) 2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボン酸(297 mg, 1.14 mmol)のジクロロメタン(4.4 ml)溶液に、氷冷下で塩化オキサリル(0.21 ml, 2.34 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.09 ml, 1.14 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(316 mg, 4.55 mmol)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)−水(0.3 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.97 ml, 6.94 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2% メタノール / クロロホルム)にて精製し、標題化合物を得た(152 mg, (b)、(c)2工程 47%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 9.81 (brs, 1H), 8.59 (brs, 1H), 7.32 (d, 2H), 6.85 (d, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.54 (dd, 2H), 3.07 (s, 1H), 2.53 (s, 1H), 2.33 (d, 1H), 1.91 (m, 1H), 1.66 (d, 1H), 1.59 (m, 1H), 1.36 (m, 1H), 1.21 (m, 1H), 1.14 (d, 1H).
【0086】
実施例7
(3R)-N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキサミド(化合物7)
【化12】
【0087】
(a)エチル グリオキシレート、ポリマーフォーム(45〜50% in toluene, 4.54 g)のクロロホルム(40 ml)溶液に、3A モレキュラーシーブス(4.00 g)、(S)-(-)-フェニルエチルアミン(2.58 ml, 20.0 mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で1時間攪拌した。3A モレキュラーシーブスをろ取した後、溶媒を留去した。
残渣をN, N - ジメチルホルムアミド(14 ml)に溶解させ、 アルゴン雰囲気下、-78℃でトリフルオロ酢酸(1.54 ml, 20.0 mmol)、ボロントリフルオロリド ジエチルエーテラート(2.53 ml, 20.0 mmol)及び1,3-シクロヘキサジエン(2.86 ml, 30.0 mmol)を順次5分間隔で加えた。室温で5時間攪拌後、反応液を濃縮した。飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2% 酢酸エチル / ヘキサン)にて精製し、エチル (1R, 3R, 4S)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-3-カルボキシレートを得た(1.20 g, 21%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.40 (d, 2H), 7.27 - 7.16 (m, 3H), 6.39 (m, 1H), 6.26 (m, 1H), 3.97 (q, 2H), 3.62 (m, 1H), 3.43 (q, 1H), 2.89 (m, 1H), 2.72 (m, 1H), 2.03 (m, 1H), 1.59 (m, 1H), 1.32 - 1.24 (m, 1H), 1.29 (d, 3H), 1.12 (t, 3H), 1.02 (m, 1H).
【0088】
(b) エチル (1R, 3R, 4S)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-3-カルボキシレート(1.20 g, 4.17 mmol)の酢酸エチル(52 ml)溶液に20wt%Pd(OH)2(0.878 g)を加え、45℃、水素雰囲気下で14時間攪拌した。セライトろ過後、溶媒を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%〜5% メタノール / クロロホルム)にて精製し、エチル (3R)-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキシレートを得た(0.362 g, 47%)。
1H NMR (CDCl3) δ 4.28 - 4.15 (m, 2H), 3.71 (brs, 1H), 2.91 (brs, 1H), 2.10 (br, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.89 - 1.48 (m, 8H), 1.28 (t, 3H).
(c) エチル (3R)-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキシレート(362 mg, 1.97 mmol)のクロロホルム(4.0 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.30 ml, 2.17 mmol)、4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド(448 mg, 2.17 mmol)を加えた。室温で2時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣を再結晶(ヘキサン/酢酸エチル)することにより、エチル (3R)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキシレートを得た(261 mg)。さらに、母液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%〜5% メタノール / クロロホルム)にて精製し同化合物を得た(137 mg, 合計399 mg, 57%)。
1H NMR (CDCl3) δ 7.95 (d, 2H), 6.96 (d, 2H), 4.34 (d, 1H), 4.22 (q, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.58 (d, 1H), 2.22 (m, 1H), 1.99 (m, 1H), 1.83 (m, 1H), 1.69 - 1.38 (m, 6H), 1.29 (t, 3H).
【0089】
(d) エチル (3R)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキシレート(399 mg, 1.13 mmol)のテトラヒドロフラン(7 ml)‐メタノール(4 ml)溶液に、1N水酸化ナトリウム(7 ml)を加え、65℃で12時間撹拌した。反応液を1N塩酸を用いて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、(3R)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボン酸を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 7.91 (d, 2H), 6.98 (d, 2H), 4.32 (d, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.66 (d, 1H), 2.29 (d, 1H), 2.00 (m, 1H), 1.79 - 1.39 (m, 7H).
【0090】
(e) (3R)-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボン酸(343 mg, 1.06 mmol)のジクロロメタン(4.0 ml)溶液に、氷冷下で塩化オキサリル(0.19 ml, 2.21 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.08 ml, 1.06 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(293 mg, 4.22 mmol)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)−水(0.3 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.90 ml, 6.44 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で15時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた白色固体をクロロホルムにより洗浄し、標題化合物を得た(75 mg, (d)、(e)2工程 19%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.42 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 7.86 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 3.95 (d, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.53 (d, 1H), 1.99 (m, 1H), 1.92 (brs, 1H), 1.68 (m, 1H), 1.55 - 1.26 (m, 5H), 1.14 (m, 1H).
【0091】
実施例8
(1S, 3R, 4R)-N-ヒドロキシ-2-(フェニルスルホニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物8)
【化13】
【0092】
(a)実施例3の反応(b)で得られたエチル (1S, 3R, 4R)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(152 mg, 0.897 mmol)のクロロホルム(4.5 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.13 ml, 0.942 mmol)、ベンゼンスルホニルクロリド(0.12 ml, 0.942 mmol)を加えた。室温で2時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
(b)残渣をテトラヒドロフラン(8 ml)‐メタノール(4 ml)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム(7 ml)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
【0093】
(c)残渣をジクロロメタン(3.9 ml)に溶解させ、氷冷下で塩化オキサリル(0.19 ml, 2.14 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.08 ml, 1.02 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(284 mg, 4.08 mmol)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)−水(0.3 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.87 ml, 6.23 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で18時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=40:1〜20:1)にて精製し、標題化合物を得た(119 mg,(a)、(b)、(c)3工程 45%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.51 (s, 1H), 9.90 (s, 1H), 7.89 (d, 2H), 7.68 (t, 1H), 7.60 (t, 2H), 3.99 (s, 1H), 3.61 (s, 1H), 2.46 (d, 1H), 2.15 (d, 1H), 1.57 (m, 1H), 1.42 - 1.34 (m, 2H), 1.26 (d, 1H), 1.01 (m, 1H).
【0094】
実施例9
(1S, 3R, 4R)-2-[(4-クロロフェニル)スルホニル]-N-ヒドロキシ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物9)
【化14】
【0095】
(a)実施例3の反応(b)で得られたエチル (1S, 3R, 4R)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(146 mg, 0.864 mmol)のクロロホルム(4.3 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.13 ml, 0.907 mmol)、4-クロロベンゼンスルホニルクロリド(192 mg, 0.907 mmol)を加えた。室温で2時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
(b)残渣をテトラヒドロフラン(7 ml)‐メタノール(4 ml)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム(6 ml)を加え、室温で17時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
【0096】
(c)残渣をジクロロメタン(3.8 ml)に溶解させ、氷冷下で塩化オキサリル(0.18 ml, 2.09 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.08 ml, 1.00 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(277 mg, 3.98 mmol)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)−水(0.3 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.85 ml, 6.07 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で62時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた白色固体をメタノールにて洗浄し、標題化合物を得た(15 mg,(a)、(b)、(c)3工程 5%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.52 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 7.89 (t, 2H), 7.66 (d, 2H), 4.01 (s, 1H), 3.63 (s, 1H), 2.49 (s, 1H), 2.13 (d, 1H), 1.77 (m, 1H), 1.64 - 1.20 (m, 3H), 1.11 (m, 1H).
【0097】
実施例10
(1S, 3R, 4R)-2-{[4-(アセチルアミノ)フェニル]スルホニル}-N-ヒドロキシ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物10)
【化15】
【0098】
(a)実施例3の反応(b)で得られたエチル (1S, 3R, 4R)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(145 mg, 0.855 mmol)のクロロホルム(4.3 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.13 ml, 0.898 mmol)、4-アセトアミドベンゼンスルホニルクロリド(210 mg, 0.898 mmol)を加えた。室温で2時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
(b)残渣をテトラヒドロフラン(7 ml)‐メタノール(4 ml)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム(6 ml)を加え、室温で21時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
【0099】
(c)残渣をジクロロメタン(3.7 ml)に溶解させ、氷冷下で塩化オキサリル(0.17 ml, 2.00 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.07 ml, 0.95 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(264 mg, 3.80 mmol)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)−水(0.3 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.81 ml, 5.80 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で23時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた白色固体をメタノールにて洗浄し、標題化合物を得た(16 mg,(a)、(b)、(c)3工程 5%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.46 (s, 1H), 10.28 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 7.82 - 7.75 (m, 4H), 3.97 (s, 1H), 3.56 (s, 1H), 2.45 (d, 1H), 2.13 (d, 1H), 2.09 (s, 3H), 1.56 (m, 1H), 1.47 - 1.33 (m, 2H), 1.24 (d, 1H), 1.00 (m, 1H).
【0100】
実施例11
(1S, 3R, 4R)-N-ヒドロキシ-2-[4-(メチルフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物11)
【化16】
【0101】
(a)実施例3の反応(b)で得られたエチル (1S, 3R, 4R)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(148 mg, 0.876 mmol)のクロロホルム(4.4 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.13 ml, 0.920 mmol)、p-トルエンスルホニルクロリド(175 mg, 0.920 mmol)を加えた。室温で2時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
(b)残渣をテトラヒドロフラン(7 ml)‐メタノール(4 ml)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム(7 ml)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
【0102】
(c)残渣をジクロロメタン(3.6 ml)に溶解させ、氷冷下で塩化オキサリル(0.17 ml, 1.94 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.07 ml, 0.92 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(257 mg, 3.69 mmol)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)−水(0.3 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.78 ml, 5.63 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で24時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた白色固体をメタノールにて洗浄し、標題化合物を得た(72 mg,(a)、(b)、(c)3工程 25%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.49 (s, 1H), 8.81 (s, 1H), 7.77 (d, 2H), 7.39 (d, 2H), 3.97 (s, 1H), 3.59 (s, 1H), 2.45 (d, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.14 (d, 1H), 1.57 (m, 1H), 1.43 - 1.34 (m, 2H), 1.24 (d, 1H), 1.01 (m, 1H).
【0103】
実施例12
(1S, 3R, 4R)-2-[4-(ブトキシフェニル)スルホニル]-N-ヒドロキシ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物12)
【化17】
【0104】
(a)実施例3の反応(b)で得られたエチル (1S, 3R, 4R)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(194 mg, 1.15 mmol)のクロロホルム(5.7 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.17 ml, 1.20 mmol)、4-(n-ブトキシ)ベンゼンスルホニルクロリド(300 mg, 1.20 mmol)を加えた。室温で2時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
(b)残渣をテトラヒドロフラン(10 ml)‐メタノール(6 ml)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム(10 ml)を加え、室温で17時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
【0105】
(c)残渣をジクロロメタン(4.0 ml)に溶解させ、氷冷下で塩化オキサリル(0.19 ml, 2.18 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.08 ml, 1.04 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(289 mg, 4.16 mmol)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)−水(0.3 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.88 ml, 6.34 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で18時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた白色固体をメタノールにて洗浄し、標題化合物を得た(128 mg,(a)、(b)、(c)3工程 30%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.47 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 7.80 (d, 2H), 7.08 (d, 2H), 4.07 (t, 2H), 3.95 (s, 1H), 3.56 (s, 1H), 2.45 (d, 1H), 2.12 (d, 1H), 1.72 (m, 2H), 1.63 - 1.33 (m, 5H), 1.24 (d, 1H), 1.03 (m, 1H), 0.94 (t, 3H).
【0106】
実施例13
(1S, 3R, 4R)-2-[(4-フルオロフェニル)スルホニル]-N-ヒドロキシ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物13)
【化18】
【0107】
(a)実施例3の反応(b)で得られたエチル (1S, 3R, 4R)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(272 mg, 1.61 mmol)のクロロホルム(8 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.24 ml, 1.69 mmol)、4-フルオロベンゼンスルホニルクロリド(329 mg, 1.69 mmol)を加えた。室温で2時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
(b)残渣をテトラヒドロフラン(14 ml)‐メタノール(8 ml)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム(14 ml)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液に1N塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
【0108】
(c)残渣をジクロロメタン(4.4 ml)に溶解させ、氷冷下で塩化オキサリル(0.21 ml, 2.40 mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(0.09 ml, 1.14 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(318 mg, 4.58 mmol)のテトラヒドロフラン(1.5 ml)−水(0.3 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.97 ml, 6.98 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で17時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた白色固体をメタノールにて洗浄し、標題化合物を得た(195 mg,(a)、(b)、(c)3工程 39%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 10.52 (s, 1H), 8.81 (s, 1H), 7.97 (dd, 2H), 7.43 (t, 2H), 4.00 (s, 1H), 3.62 (s, 1H), 2.47 (d, 1H), 2.14 (d, 1H), 1.61 (m, 1H), 1.54 - 1.38 (m, 2H), 1.27 (d, 1H), 1.10 (m, 1H).
【0109】
実施例14
5-(tert-ブチル)-(1R, 3R, 4S)-N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド(化合物14)
【化19】
【0110】
(a)エチル グリオキシレート、ポリマーフォーム(45〜50% in toluene, 4.68 g)のクロロホルム(41 ml)溶液に、3A モレキュラーシーブス(4.13 g)、(S)-(-)-フェニルエチルアミン(2.66 ml, 20.6 mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で1時間攪拌した。3A モレキュラーシーブスをろ去した後、溶媒を留去した。
残渣をN,N-ジメチルホルムアミド(15 ml)に溶解させ、アルゴン雰囲気下、-78℃でトリフルオロ酢酸(1.59 ml, 20.6 mmol)、ボロントリフルオロリド ジエチルエーテラート(2.62 ml, 20.6 mmol)及びtert-ブチルシクロペンタジエン(6.08 ml, 41.3 mmol)を順次5分間隔で加えた。-78℃で2時間攪拌後、反応液を濃縮した。飽和重曹水を加えた後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%〜3% 酢酸エチル/ヘキサン)にて精製し、エチル(1R, 3R, 4R)-5-(tert-ブチル)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-カルボキシレートを得た(3.41 g, 51%)。
1H NMR(CDCl3) δ 7.29-7.13(m, 5H), 5.86(s, 1H), 4.19(s, 1H), 3.83(q, 2H), 3.11(q, 1H), 2.98(s, 1H), 2.32(s, 1H), 2.13(d, 1H), 1.41(d, 4H), 1.13(s, 9H), 0.95(t, 3H).
【0111】
(b)エチル(1R, 3R, 4R)-5-(tert-ブチル)-2-[(S)-1-フェニルエチル]-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-カルボキシレート(1.22 g, 3.74 mmol)の酢酸エチル(43 ml)溶液に20wt%Pd(OH)2(0.578 g)を加え、45℃、水素雰囲気下で62時間攪拌した。セライトろ過後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%〜5% メタノール/クロロホルム)にて精製し、エチル(1R, 3R, 4S)-5-(tert-ブチル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキシレートを得た(0.197 g, 23%)。
1H NMR(CDCl3) δ 4.18(q, 2H), 3.50(s, 1H), 3.25(s, 1H), 2.55(s, 1H), 1.60-1.22(m, 8H), 0.87(s, 9H).
【0112】
(c)エチル(1R, 3R, 4S)-5-(tert-ブチル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレート(182 mg, 0.806 mmol)のクロロホルム(4.0 ml)溶液に、氷冷下でトリエチルアミン(0.12 ml, 0.846 mmol)、4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド(175 mg, 0.846 mmol)を加えた。室温で2時間反応させた後、反応液を1N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水にて順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
【0113】
(d)残渣をテトラヒドロフラン(10 ml)−メタノール(6 ml)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム(10 ml)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液に1N塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。
【0114】
(e)残渣をジクロロメタン(3.1 ml)に溶解させ、氷冷下で塩化オキサリル(0.15 ml, 1.70 mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(0.06 ml, 0.809 mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。別途、ヒドロキシルアミン塩酸塩(225 mg, 3.24 mmol)のテトラヒドロフラン(1.0 ml)−水(0.2 ml)懸濁液に、0℃でトリエチルアミン(0.69 ml, 4.93 mmol)を加え、0℃で15分間攪拌した。本反応液に酸クロリド溶液を0℃で加え、室温で15時間攪拌した。反応液を1N塩酸で酸性とし、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=40:1)にて精製し、標題化合物を得た(175 mg, (a)〜(c)3工程 57%)。
1H NMR(DMSO-d6) δ 10.49(s, 1H), 8.77(s, 1H), 7.83(d, 2H), 7.10(d, 2H), 3.92(s, 1H), 3.85(s, 3H), 3.57(s, 1H), 2.39(s, 1H), 2.02(d, 1H), 1.64(t, 1H), 1.27(d, 1H), 1.18(m, 1H), 0.99(t, 1H), 0.72(s, 9H).
【0115】
さらに、本発明化合物ならびにその簡単な製造方法を例示する。
化合物15
N−ヒドロキシ−2−{[4’-メトキシ(1,1’-ビフェニル)-4-イル]スルホニル}-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキサミド
【化20】
【0116】
(a) 実施例1の反応(a)において、シクロペンタジエンの代わりに1,3-シクロヘキサジエンを用いることで、エチル 2-(1-フェニルエチル)-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-3-カルボキシレートを得る。
(b) エチル 2-(1-フェニルエチル)-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-3-カルボキシレートに対して、実施例1の反応(b)と同様の反応を行ない、エチル 2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキシレートを得る。
【0117】
(c) エチル 2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキシレートに対して、実施例1の反応(c)の4 - メトキシベンゼンスルホニル クロリドの代わりに[4-(4-メトキシフェニル)フェニル]スルホニル クロリドを用いて同様の反応を行ない、エチル 2−{[4’-メトキシ(1,1’-ビフェニル)-4-イル]スルホニル}-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキシレートを得る。
(d) エチル 2−{[4’-メトキシ(1,1’-ビフェニル)-4-イル]スルホニル}-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキシレートに対して、実施例1の反応(d)及び(e)と同様の反応を行ない、標題化合物を得る。
【0118】
化合物16
N-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)スルホニル]-2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキサミド
【化21】
【0119】
化合物15の反応(b)で得られるエチル 2-アザビシクロ[2.2.2]オクタン-3-カルボキシレートに対して、実施例1の反応(c)、(d)及び(e)と同様の反応を行ない、標題化合物を得る。
【0120】
化合物17
N-ヒドロキシ-2-{[4-(4-ピリジニルオキシ)フェニル]スルホニル}-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキサミド
【化22】
【0121】
(a) 実施例1の反応(b)で得られたエチル 2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートに対して、実施例1の反応(c)の4 - メトキシベンゼンスルホニル クロリドの代わりに[4-(4-ピリジルオキシ)フェニル]スルホニル クロリド塩酸塩を用いて同様の反応を行ない、エチル 2-{[4-(4-ピリジルオキシ)フェニル]スルホニル}-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートを得る。
(b) エチル 2-{[4-(4-ピリジルオキシ)フェニル]スルホニル}-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-カルボキシレートに対して、実施例1の反応(d)及び(e)と同様の反応を行ない、標題化合物を得る。
【0122】
化合物18
N-ヒドロキシ-6-(1-フェニルエチル)-6-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-8-エン-7-カルボキサミド
【化23】
【0123】
(a) 実施例1の反応(a)において、シクロペンタジエンの代わりに1,3-シクロヘプタジエンを用いることで、エチル 6-(1-フェニルエチル)-6-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-8-エン-7-カルボキシレートを得る。
(b) エチル 6-(1-フェニルエチル)-6-アザビシクロ[3.2.2]ノナ-8-エン-7-カルボキシレートに対して、実施例1の反応(d)及び(e)と同様の反応を行ない、標題化合物を得る。
【0124】
化合物19
【化24】
化合物20
【化25】
化合物21
【化26】
【0125】
化合物19〜21も、前記記載の方法に準じて製造することができる。例えば、化合物19及び20はそれぞれベンジルオキシカルボニルクロリド及びt-ブチルオキシカルボニルクロリドを用いて、実施例5に準じた方法により製造することができる。また、化合物21は、ジエチルアミノカルボニルクロリドを用いて製造することができる。
また、以上の化合物に限らず、その他の本発明化合物も前記記載の方法や公知の方法に準じて製造することができる。
【0126】
また、本発明化合物(I)は、特に問題のない限りにおいて、アザビシクロ環上に置換基を有していてもよい。このような化合物を得るには、所望の置換基を有するジエンを用いればよい。あるいは所望の置換基に変換可能な官能基を有するジエンを用い、これを適切な段階で所望の置換基に変換してもよい。また、アザビシクロ環上の二重結合の反応性を利用して、所望の置換基を導入することもできる。これらの反応は、公知の方法を単独であるいは組み合わせることにより達成可能である。
【0127】
アザビシクロ環上の置換基としては、例えば次のような基RA、RBが挙げられる。
RA:水素原子、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、アシル、カルバモイル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、イミノ(=NH)、COOR3、又は=CR4R5。
RB:水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、メルカプト、OR7、又はSO2R8。
【0128】
R4、R5はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、カルバモイル又はCOOR6であることができる。
R3、R6、R7はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであることができる。
R8はアルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリールであることができる。
【0129】
RAとRBはそれぞれ複数存在していてもよい。なお、Xがメチレン又はエチレンであり、かつRがSO2R2であり、かつRAがすべて水素原子であるとき、RBは水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリールであることが好適である。また、Xがプロピレンであり、かつRがアシル、COOR1、カルバモイル又はSO2R2であるとき、RAはハロゲン原子、ニトロ、シアノ、アシル、COOR3、カルバモイル、=CR4R5、チオキソ又はイミノであることが好適である。
【0130】
また、RAとRBがそれぞれアザビシクロ環上の異なる原子と結合しているとき、RA、RBならびにこの両者がそれぞれ結合している原子とが一緒になって3〜6員環を形成してもよい。この3〜6員環は、N、O及びSから選ばれるヘテロ原子を1個又は2個含んでいてもよい。また、この3〜6員環は、その置換可能な位置で、少なくとも1つの置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、オキソ、ハロゲン原子、水酸基及びアルコキシから選ぶことができる。
【0131】
アミノ基は、非置換又は置換アミノ基であることができ、置換アミノ基としては、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、OR9(R9は、水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキル)、アシル、COOR10(R10は、アルキル、アリール又はヘテロアリール)、カルバモイル、及びSO2R11(R11は、アルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリール)から選ばれる1個又は2個の置換基を有するものが挙げられる。また、アミノ基は5〜6員の環状アミノ基であってもよく、その環にはN、O及びSから選ばれる追加のヘテロ原子を1個又は2個含んでいてもよい。また、環状アミノ基の置換可能な位置において、アルキル基、ヘテロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリールアルキル基、オキソ基、ハロゲン原子、水酸基及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい。
【0132】
アシルは、水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル又はアルキニルを有するカルボニル基であり、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、アクリロイル、ベンゾイル等が挙げられるが、RA、RBにおけるアシルは、水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール又はヘテロアリールを有するカルボニル基であることが好ましい。
【0133】
カルバモイル(−CONH2)は、非置換又は置換カルバモイルであることができ、置換カルバモイルとしては、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリールアルコキシ及び水酸基から選ばれる1個又は2個の置換基を有するものが挙げられる。また、RAにおいて置換カルバモイル基は、カルバモイル基中の窒素原子が5〜6員のヘテロ環の一員であってもよい。この5〜6員ヘテロ環にはN、O及びSから選ばれる追加のヘテロ原子を1個又は2個含んでいてもよい。また、そのヘテロ環の置換可能な位置において、アルキル基、ヘテロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリールアルキル基、オキソ基、ハロゲン原子、水酸基及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも一つの置換基を有していてもよい。
【0134】
イミノは、非置換イミノ(=NH)又は置換イミノ(=NR9)であることができ、R9としては、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、OR12(R12は、水素原子、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキル)、アシル、COOR13(R13は、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキル)、カルバモイル又はアミノが挙げられる。
【0135】
また、各置換基は、特に問題のない限り、置換可能な位置で1個以上置換されていてもよい。その置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ヘテロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、アリールアミノ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールアルキル基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールアミノ基、アシル基、水酸基、オキソ基、チオキソ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキルチオ基、シアノ基等が挙げられ、これらを複数組み合わせることも可能である。
【0136】
配合例1 クリーム
(1)ステアリン酸 5.0質量%
(2)ステアリルアルコール 4.0
(3)イソプロピルミリステート 18.0
(4)グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
(5)プロピレングリコール 10.0
(6)化合物1 0.001
(7)ビタミンEアセテート 0.05
(8)苛性カリ 0.2
(9)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(10)フェノキシエタノール 0.02
(11)香料 適 量
(12)イオン交換水 残 余
【0137】
(製法)
(12)に(5)、(8)を加え溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(4)、(6)、(7)、(9)〜(11)を混合し加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を徐々に加え、全部加え終わってからしばらくその温度に保った。その後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、クリームを得た。
【0138】
配合例2 クリーム
(1)ステアリン酸 2.0質量%
(2)ステアリルアルコール 7.0
(3)水添ラノリン 2.0
(4)スクワラン 5.0
(5)2−オクチルドデシルアルコール 6.0
(6)POE(25)セチルエーテル 3.0
(7)グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
(8)プロピレングリコール 5.0
(9)アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1
(10)化合物2 0.001
(11)亜硫酸水素ナトリウム 0.03
(12)エチルパラベン 0.3
(13)香料 適 量
(14)イオン交換水 残 余
【0139】
(製法)
(14)に(8)、(9)を加え、加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(7)、(10)〜(13)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、クリームを得た。
【0140】
配合例3 クリーム
(1)固形パラフィン 5.0質量%
(2)ミツロウ 10.0
(3)ワセリン 15.0
(4)流動パラフィン 41.0
(5)グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
(6)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
(7)石鹸粉末 0.1
(8)ホウ砂 0.2
(9)大豆リゾレシチン 0.1
(10)化合物3 0.01
(11)亜硫酸水素ナトリウム 0.03
(12)エチルパラベン 0.3
(13)香料 適 量
(14)イオン交換水 残 余
【0141】
(製法)
(14)に(7)、(8)、(9)を加え、加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(6)、(10)〜(13)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、クリームを得た。
【0142】
配合例4 乳液
(1)ステアリン酸 2.5質量%
(2)セチルアルコール 1.5
(3)ワセリン 5.0
(4)流動パラフィン 10.0
(5)POE(10)モノオレイン酸エステル 2.0
(6)ポリエチレングリコール1500 3.0
(7)トリエタノールアミン 1.0
(8)カルボキシビニルポリマー 0.05
(カーボポール941、B.F.Goodrich社)
(9)ブナの芽エキス 0.1
(10)化合物4 0.001
(11)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(12)エチルパラベン 0.3
(13)香料 適 量
(14)イオン交換水 残 余
【0143】
(製法)
少量の(14)に(8)を溶解した(A相)。一方、残りの(14)に(6)、(7)、(9)を加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。(1)〜(5)、(10)〜(13)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行い、A相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0144】
配合例5 乳液
(1)マイクロクリスタリンワックス 1.0質量%
(2)ミツロウ 2.0
(3)ラノリン 20.0
(4)流動パラフィン 10.0
(5)スクワラン 5.0
(6)ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
(7)POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
(8)プロピレングリコール 7.0
(9)アセンヤクエキス 0.1
(10)化合物1 2.0
(11)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(12)エチルパラベン 0.3
(13)香料 適 量
(14)イオン交換水 残 余
【0145】
(製法)
(14)に(8)、(9)を加え、加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(7)、(10)〜(13)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。油相をかき混ぜながらこれに水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0146】
配合例6 ゼリー
(1)95%エタノール 10.0質量%
(2)ジプロピレングリコール 15.0
(3)POE(50)オレイルエーテル 2.0
(4)カルボキシビニルポリマー 1.0
(カーボポール940、B.F.Goodrich社)
(5)苛性ソーダ 0.15
(6)L−アルギニン 0.1
(7)化合物2 1.0
(8)ビタミンEアセテート 0.05
(9)2−ヒドロキシ−4−メトシキベンゾフェノン
スルホン酸ナトリウム 0.05
(10)エチレンジアミンテトラアセテート3Na・2水 0.05
(11)メチルパラベン 0.2
(12)香料 適 量
(13)イオン交換水 残 余
【0147】
(製法)
(13)に(4)を均一に溶解した(水相)。一方、(1)に(3)、(7)(8)を溶解し、これを水相に添加した。次いで、これに(2)、(9)〜(12)を加えた後、(5)、(6)で中和して、ゼリーを得た。
【0148】
配合例7 美容液
A相:
95%エタノール 10.0質量%
POE(20)オクチルドデカノール 1.0
パントテニールエチルエーテル 0.1
化合物3 1.0
メチルパラベン 0.15
B相:
水酸化カリウム 0.1
C相:
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
(カーボポール940、B.F.Goodrich社)
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1
大豆リゾレシチン 0.1
精製水 残 余
【0149】
(製法)
A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相をA相に加えて可溶化した。次いで、B相を加えた後、容器に充填し、美容液を得た。
【0150】
配合例8 パック
A相:
ジプロピレングリコール 5.0質量%
POE(60)硬化ヒマシ油 5.0
B相:
化合物4 0.01
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
C相:
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール(ケン化度90、重合度2,000) 13.0
エタノール 7.0
大豆リゾレシチン 0.1
ブナの芽エキス 0.1
精製水 残 余
【0151】
(製法)
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化した。次いで、これにC相を加えた後、容器に充填し、パックを得た。
【0152】
配合例9 固形ファンデーション
(1)タルク 43.0質量%
(2)カオリン 15.0
(3)セリサイト 10.0
(4)亜鉛華 7.0
(5)二酸化チタン 3.6
(6)黄色酸化鉄 2.9
(7)黒色酸化鉄 0.2
(8)スクワラン 8.0
(9)イソステアリン酸 4.0
(10)モノオレイン酸POEソルビタン 3.0
(11)オクタン酸イソセチル 2.0
(12)ビタミンEアセテート 0.05
(13)化合物1 1.0
(14)ブナの芽エキス 0.1
(15)防腐剤 適 量
(16)香料 適 量
【0153】
(製法)
(1)〜(7)の粉末成分をブレンダーで十分混合し、これに(8)〜(13)の油性成分、(14)〜(16)を加えてよく混練した後、容器に充填、成型し、固形ファンデーションを得た。
【0154】
配合例10 乳化型ファンデーション(クリームタイプ)
粉体部:
二酸化チタン 10.3質量%
セリサイト 5.4
カオリン 3.0
黄色酸化鉄 0.8
ベンガラ 0.3
黒色酸化鉄 0.2
油相:
デカメチルシクロペンタシロキサン 11.0
流動パラフィン 4.4
POE変性ジメチルポリシロキサン 4.0
化合物2 1.0
メトキシケイ皮酸オクチル 0.5
ビタミンEアセテート 0.05
水相:
精製水 51.0
1,3−ブチレングリコール 4.5
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 3.0
アセンヤクエキス 0.1
防腐剤 適 量
香料 適 量
【0155】
(製法)
香料以外の水相を加熱攪拌後、十分に混合粉砕した粉体部を添加して、ホモミキサー処理した。さらに、加熱混合した油相を加えてホモミキサー処理した後、攪拌しながら香料を添加し、室温まで冷却して乳化型ファンデーションを得た。
【0156】
【発明の効果】
本発明のアザビシクロ化合物(I)はマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)活性阻害剤として有用であり、各種医薬品、化粧品に配合可能である。特に、皮膚老化の改善・予防を目的とした皮膚外用剤や、関節炎、組織潰瘍形成、腫瘍の転移・湿潤など組織マトリックスの代謝異常による各種疾患の治療剤、予防剤として適用可能である。
Claims (8)
- 請求項1記載の化合物において、RがSO2R2であることを特徴とするアザビシクロ化合物又はその塩。
- 請求項2記載の化合物において、R2がアリールであることを特徴とするアザビシクロ化合物又はその塩。
- 請求項1〜3の何れかに記載の化合物において、Xがメチレンであることを特徴とするアザビシクロ化合物又はその塩。
- 請求項1〜4の何れかに記載のアザビシクロ化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有するマトリックスメタロプロテアーゼ活性阻害剤。
- 請求項1〜4の何れかに記載のアザビシクロ化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する化粧用組成物。
- 請求項1〜4の何れかに記載のアザビシクロ化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
- 請求項1〜4の何れかに記載のアザビシクロ化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する皮膚外用剤。
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