JP2002030081A - ジアリールヘプタノイド誘導体及びマトリックスメタロプロテアーゼ活性阻害剤 - Google Patents

ジアリールヘプタノイド誘導体及びマトリックスメタロプロテアーゼ活性阻害剤

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JP2002030081A
JP2002030081A JP2000212988A JP2000212988A JP2002030081A JP 2002030081 A JP2002030081 A JP 2002030081A JP 2000212988 A JP2000212988 A JP 2000212988A JP 2000212988 A JP2000212988 A JP 2000212988A JP 2002030081 A JP2002030081 A JP 2002030081A
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Tomomi Okazaki
具視 岡崎
Koji Kobayashi
孝次 小林
Shinji Inomata
慎二 猪股
Tadao Fukuhara
忠雄 福原
Seiichi Yoshida
誠一 吉田
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Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組織マトリックスタンパク質の分解に大きな
影響を与えるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP
s)の活性に対して優れた阻害作用を有し、皮膚老化の
改善・予防や、組織マトリックスの代謝異常による疾患
の治療・予防に有効な化合物、およびこれを有効成分と
するMMPs阻害剤、医薬組成物、化粧用組成物を提供
する。 【解決手段】 一般式(I)のジアリールヘプタノイド誘
導体。 【化1】 (R、Rは、H、C1−6アルキル基又はC2−7
アシル基;A、Bの炭素間結合は一重結合又は二重結合
を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジアリールヘプタ
ノイド誘導体、特にマトリックスメタロプロテアーゼ
(MMPs)活性阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトの皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3
層に大別され、表皮と真皮は基底膜を介して接してい
る。
【0003】基底膜では、基底細胞が耐えず分裂を繰り
返し、この分裂した基底細胞が順次上方に押し上げら
れ、表皮の最上層にある角質層を形成している。角質層
は美容上の肌の性質とも関わりが極めて深いことから、
基底膜の肌への影響もまた大きい。基底膜は細胞外マト
リックス(下記参照)の一種とされ、タイプIVコラーゲ
ン、プロテオグリカン、ラミニン、フィブロネクチン等
を含む。
【0004】真皮は結合組織からなり、細胞外空間はお
もに、細胞外マトリックス(ECM: extracellular matri
x)と呼ばれる巨大分子の網目構造によって満たされて
いる。細胞外マトリックス(ECM)は、繊維性タンパ
ク質(コラーゲン、エラスチン等)や、細胞接着性タン
パク質(グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、フ
ィブロネクチン、ラミニン等)からなり、こうした構造
により、真皮は皮膚の弾力、張りなどに大きく影響して
いる。
【0005】従来、皮膚の老化に伴う変化、すなわち、
しわ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等に紫外線が
大きく関与していることが知られている。これらの変化
をミクロ的にみれば、真皮でのコラーゲン、エラスチン
等の細胞外マトリックス成分(ECM)の減少・変性、
さらには基底膜損傷や表皮肥厚が起こっている。
【0006】近年研究が進み、これらの変化を誘導する
因子として、特にマトリックスメタロプロテアーゼ(M
MPs: Matrix Metalloproteinases)の関与が指摘さ
れている。MMPsは、細胞外マトリックスタンパク質
を主要な基質とする一群の金属プロテアーゼの総称名で
ある。MMPsには多くの種類が知られており、構造
的、機能的特徴に共通点を有してはいるものの、それぞ
れの基質タンパク質が異なっている(宮崎香、他、「生
化学」、68巻12号、pp.1791-1807(1996))。
【0007】MMPsは、その構造及び機能の面から、
通常、コラゲナーゼ群、ゼラチナーゼ群、ストロムライ
シン群、及びその他(マトリライシン等)に分類されて
いる。
【0008】コラゲナーゼ群には、MMP−1(間質コ
ラゲナーゼ)、MMP−8、MMP−13等が含まれ
る。中でもMMP−1は、真皮マトリックスの主な構成
成分であるタイプI、IIIコラーゲンや、基底膜成分で
あるプロテオグリカン等を分解する酵素として知られて
いる。MMP−8、MMP−13もタイプIコラーゲン
等の分解作用を有する。
【0009】ゼラチナーゼ群には、MMP−2、MMP
−9等が含まれる。これらMMP−2、9は、基底膜成
分であるタイプIVコラーゲンやラミニン、真皮マトリッ
クス成分のエラスチン等を分解する酵素として知られて
いる。
【0010】ストロムライシン群には、MMP−3、M
MP−10等が含まれる。これらMMP−3、10は、
基底膜成分であるプロテオグリカンや、タイプIVコラー
ゲン、ラミニン、その他フィブロネクチン等を分解する
酵素として知られている。
【0011】さらに、これら各酵素は、その発現が紫外
線の照射により大きく増加し、紫外線による細胞外マト
リックス(ECM)の減少・変性の原因の1つとなり、
皮膚のしわの形成等の大きな要因の1つであると考えら
れている(Gary J. Fisher et al., "Nature", 379(2
5),335(1996); Gary J. Fisher et al., "The New Engl
and Journal of Medicine", 337(20), 1419(1997))。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、MMPs活性
の阻害は、種々の細胞外マトリックスを保護し、しわや
たるみなど皮膚の老化の改善、防止において重要である
と考えられるが、これまで、MMPs活性阻害に着目し
た抗老化用化粧料は得られていない。
【0013】また、MMPsは上述のように組織マトリ
ックス分解に関与していることから、結合組織や基底膜
マトリックスの異常な代謝を伴う多くの病的状態、例え
ば関節炎(慢性関節リュウマチ、変形性関節症など)、
骨疾患(骨粗鬆症など)、歯周病、異所性脈管形成、多
発性硬化症、腫瘍の転移、組織潰瘍形成(角膜、上皮、
胃の潰瘍形成など)に関与することが示唆されている。
従って、MMPs活性阻害剤は、これら組織マトリック
スの異常代謝による疾患の治療剤、予防剤としても期待
される。本発明の目的は、MMPs活性阻害作用を有す
る化合物、及びそれを有効成分とするMMPs活性阻害
剤、医薬用組成物、化粧用組成物、皮膚外用剤を提供す
ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ショウガ科
(Zingiberaceae)のウコン属(Curcuma)植物の特定の抽
出画分に、優れたMMPs活性阻害作用があることを見
出した。そして、その活性成分をさらに検討した結果、
新規なジアリールヘプタノイド誘導体を見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち本発明にかかるジアリー
ルヘプタノイド誘導体は、下記一般式(I)で示される
ことを特徴とする。
【0015】
【化2】 (一般式(I)中、R、Rは、それぞれ水素原子、C
1−6アルキル基又はC 2−7アシル基であり、A、B
の炭素間結合は一重結合又は二重結合を表す。)
【0016】一般式(I)において、結合Aが何れも二重
結合であることが好適である。また、一般式(I)におい
て、Rが水素原子であることが好適である。また、一
般式(I)において、Rがアシル基であることが好適で
あり、さらにはアセチル基であることが好適である。ま
た、一般式(I)において、Rがアルキル基であること
が好適であり、さらにはメチル基であることが好適であ
る。また、本発明にかかる抽出物は、ショウガ科ウコン
属植物の親水性溶媒抽出物から、ヘキサン可溶部を除去
して得られるヘキサン不溶性抽出物であることを特徴と
する。
【0017】本発明にかかるマトリックスメタロプロテ
アーゼ活性阻害剤は、前記何れかに記載のジアリールヘ
プタノイド誘導体、又はヘキサン不溶性抽出物を有効成
分として含有することを特徴とする。本発明にかかる化
粧用組成物は、前記何れかに記載のジアリールヘプタノ
イド誘導体、又はヘキサン不溶性抽出物を有効成分とし
て含有することを特徴とする。本発明にかかる医薬用組
成物は、前記何れかに記載のジアリールヘプタノイド誘
導体、又はヘキサン不溶性抽出物を有効成分として含有
することを特徴とする。本発明にかかる皮膚外用剤は、
前記何れかに記載のジアリールヘプタノイド誘導体、又
はヘキサン不溶性抽出物を有効成分として含有すること
を特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において、C1−6アルキ
ル基は、直鎖状、分枝状何れでもよく、例えば、メチル
基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、 n-ブ
チル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル
基、 n-ペンチル基、イソアミル基、 n-ヘキシル基など
が挙げられる。また、環状アルキル基も包含され、例え
ば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基が挙げられる。好ましいアルキ
ル基としては、メチル基である。
【0019】また、C2−7アシル基とは、炭素数2〜
7のアルカノイル基、すなわち上記で定義したC1−6
アルキル基を有するカルボニル基を表し、例えば、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基などが挙げられ
る。一般式(I)中、5つのRはそれぞれ異なっていて
もよいが、全てのRが同じである方が製造の点から好
ましい。一般式(I)中の4つのRについても同様であ
る。
【0020】本発明において、Rとして好ましくは水
素原子又はアシル基であり、Rとして好ましくはアル
キル基である。特に好ましくは、Rとしては水素原子
又はアセチル基、Rとしてはメチル基である。また、
一般式(I)の炭素間結合A、Bは、それぞれ一重結合又
は二重結合を表すが、結合Aは二重結合であることが好
ましい。
【0021】なお、本発明のジアリールヘプタノイド誘
導体(I)には複数の不斉中心が存在し、また、二重結合
が存在することがある。本発明化合物においては、この
ような不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体、配座異
性体及び幾何異性体、又は、それらの混合物であること
ができる。
【0022】本発明のジアリールヘプタノイド誘導体
(I)は、ショウガ科ウコン属に属する植物から抽出する
ことが可能である。ショウガ科ウコン属に属する植物と
しては特に限定されないが、好ましくはウコン(Curcum
a longa L.)であり、その使用部位としては、好ましく
は根茎である。抽出法としては、本発明の目的に反しな
い限り特に限定されないが、例えば、ウコン根茎を親水
性抽出溶媒にて浸漬又は加熱還流した後、得られた抽出
物をヘキサン可溶部とヘキサン不溶部に分画し、該ヘキ
サン不溶部をカラムクロマトグラフィー等により精製す
ることにより、下記表1の化合物1、2を得ることがで
きる。化合物1,2は新規ジアリールヘプタノイド誘導
体であり、本発明者らによって初めて見出されたもので
ある。
【0023】
【表1】 ――――――――――――――――――――――――――― R A B ――――――――――――――――――――――――――― 化合物1 H CH C=C C−C 化合物2 H CH C=C C=C ―――――――――――――――――――――――――――
【0024】親水性抽出溶媒としては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール、グリセリン等のアルコール類、水、
これらの混合溶媒等が挙げられるが、好ましくはメタノ
ールあるいはエタノールである。本発明にかかる抽出物
としては、上記親水性溶媒抽出液を濃縮乾固して得られ
る残分にヘキサンを加え、ヘキサン可溶部を除去して得
られるヘキサン不溶性固形物を用いることができる。さ
らには、上記親水性溶媒抽出液をヘキサンで分画して得
られたヘキサン不溶部を抽出液のまま、あるいはその濃
縮物として用いることもできる。また、本発明の効果が
損なわれない限り、このヘキサン不溶性抽出物から不純
物を常法により除去したものも本願に包含される。
【0025】また、本発明のジアリールヘプタノイド誘
導体(I)は、植物抽出物由来のものに限らず、化学的合
成法等により得られた合成品も包含する。以下、ジアリ
ールヘプタノイド誘導体(I)の代表的な合成例を示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、
以下の製造方法において、特に明記しない限り、R
、A、Bは一般式(I)の定義の通りである。また、
PG、PG'はフェノール性水酸基の保護基を表す。
【0026】
【化3】
【0027】反応式1では、まず化合物(I-1)の水酸基
を保護基PGにより保護して化合物(II)とし、次いで脱
メチル化反応によりR位のメチル基を除去して化合物
(III)とする。次に、アルキル化又はアシル化反応によ
り、化合物(III)のR位に所望のアルキル基又はアシ
ル基を導入して化合物(IV)とした後、脱保護反応を行う
ことにより、化合物(I-1)のR位のメチル基が、別の
アルキル基又はアシル基に変換された本発明化合物(I-
2)を得ることができる。また、本化合物(I-2)をさらに
アルキル化又はアシル化して、R位に所望のアルキル
基又はアシル基を導入することにより、化合物(I-3)と
することができる。また、化合物(I-1)をアルキル化又
はアシル化すれば、化合物(I-1)のR位にアルキル基
又はアシル基を導入することができる。反応式1の出発
化合物(I-1)としては、例えば、前記化合物1、2を用
いることができる。
【0028】フェノール性水酸基の保護基PGとして
は、本目的に合致するものであれば何れも用いることが
でき、例えば、TBDMS基(t-ブチルジメチルシリル
基)を挙げることができる。
【0029】脱メチル化反応は、例えば、「Protecting
Groups in Organic Synthesis」(T. W. Greene著、Jo
hn Wiley & Sons発刊)に記載されている方法を用いる
ことができる。例えば、クロロホルムなどの溶媒中での
MeSiI(Iodotrimethylsilane)を用いた反応、
テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド又はコリジ
ンなどの溶媒中でのPhPLi(Lithium diphenylph
osphide)、NaCN(Sodium cyanide)又はLiI(L
ithium iodide)などの強い求核剤を用いた反応、ある
いは、エタンチオール、塩化メチレンなどの溶媒中での
AlBr(Aluminium bromide)やBBr(Boron
tribromide)などのルイス酸を用いた反応などによっ
て目的を達成することができる。
【0030】アルキル化反応、アシル化反応としては、
例えば、「Protecting Groups in Organic Synthesis」
(T. W. Greene著、John Wiley & Sons発刊)に記載され
ている方法を用いることができる。アルキル化反応の場
合には、例えば、EtNF(Tetraethylammonium flu
oride)のようなルイス塩基、又は炭酸カルシウムの存
在下、ジメトキシエタンやアセトンなどの溶媒中で、対
応するアルキルハライドとの反応を行うことによって達
成される。アシル化反応には、例えば、ピリジンのよう
な塩基の存在下、無溶媒あるいはベンゼン、クロロホル
ムなどの溶媒中で、対応する酸ハライド又は酸無水物と
の反応を行うことによって達成される。
【0031】また、Rがアルキル基又はアシル基で、
が水素原子である本発明化合物は、例えば、化合物
(III)の水酸基をPG’で保護した後、PGの脱保護、
位へのアルキル基又はアシル基の導入、PG’の脱
保護を順次行うことにより合成することが可能である。
この場合の保護基PG、PG’としては、選択的に脱保
護できるものを組み合わせて用いることができる。
【0032】
【化4】
【0033】また、反応式2のように、前記化合物(I-
3)のR、Rがアルキル基である化合物(I-3a)を脱ア
ルキル化することにより、R及びRが水素原子であ
る化合物(I-4)を得ることができる。もちろん、化合物
(I-3a)の代わりに、化合物(I-1)や、化合物(I-2)のR
がアルキル基である化合物を用いてもよい。脱アルキル
化反応は、前記反応式1の脱メチル化反応に準じて行う
ことができる。
【0034】
【化5】
【0035】また、反応式3のように、R及びR
水素原子である化合物(I-4)を、アルキル化又はアシル
化すれば、R及びRが全て同じアルキル基又はアシ
ル基である化合物(I-3b)とすることができる。アルキ
ル化反応、アシル化反応は上記に準じて行うことができ
る。
【0036】
【化6】
【0037】結合A,Bが何れも一重結合である化合物
(I-5)は、例えば、反応式4のように、化合物(I-3
c)の還元により合成することができる。反応式4にお
いて、結合A,Bの少なくとも一つは二重結合であり、
、Rは一般式(I)の定義の通りである。
【0038】本反応のようなα,β−不飽和カルボニル
基の還元には、公知の各種反応を用いることができる。
例えば、パラジウム触媒(例えば、Pd−CやPd−C
aCO)を用いた水素添加反応、適当な触媒(例え
ば、Ni2+)存在下でのNaBH(Sodium borohyd
ride)による還元反応(J. Am. Chem. Soc. 1981, 10
3, 5454-5459等)、CuIやTiCl共存下でのLi
AlH(Lithium aluminium hydride)による還元反
応(Tetrahedron Lett. 1975, 4453-4456等)、Et
SiH(Triethylsilane)などを用いたハイドロシリレ
ーション反応(Organometallics 1982, 1, 1390-1399
等)あるいはパラジウム触媒(例えば、Pd(Pφ
(Tetrakis(triphenylphosphine)palladium(0))存在
下でのBuSnH(Tributyltin(IV) chloride)によ
る還元反応(Tetrahedron Lett. 1982,23, 477-480等)
などの方法によって目的を達成することができる。
【0039】本発明のジアリールヘプタノイド誘導体
(I)は、優れたMMPs活性阻害作用を有するので、本
作用により改善が期待できる疾患、例えば、慢性関節リ
ュウマチ、変形性関節症、骨粗鬆症、歯周病、異所性脈
管形成、多発性硬化症、腫瘍の転移、角膜潰瘍等の治療
剤、予防剤として有用である。
【0040】本発明にかかるジアリールヘプタノイド誘
導体を医療目的に投与する場合、投与経路は特に限定さ
れず、経口、非経口、局所等何れの方法でも投与するこ
とができる。投与量は、対象(哺乳動物、特にはヒ
ト)、年齢、性別、個人差、症状などによって適宜調整
されるので特に限定されないが、例えば、本発明のジア
リールヘプタノイド誘導体(I)として0.1〜500m
g/kg、好ましくは0.5〜200mg/kgの用量
を経口又は非経口投与にて、1日1回又は数回に分けて
投与することができる。
【0041】本発明のジアリールヘプタノイド誘導体は
多様な製剤形態で投与できる。製剤中の有効成分の量は
特に限定されるものではないが、通常0.01%〜70
重量%、好ましくは0.1〜50重量%とすることがで
きる。製剤化の際は、通常の製剤担体を用いて常法によ
り製造するが、必要により薬理学的に許容し得る添加物
を加えてもよい。
【0042】すなわち、経口用固形製剤を調製する場合
には、主薬に賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊
剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤等を加え、常法により
錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などとす
る。
【0043】賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスタ
ーチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、
二酸化ケイ素、リン酸カルシウム、グリシン等が、結合
剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニル
エーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラ
ビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスター
チ、ポリビニルピロリドン等が、崩壊剤としては、例え
ば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カル
シウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、ク
エン酸ナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン
酸等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシ
ウム、ラウリン酸ナトリウム、タルク、ポリエチレング
リコール、シリカ、硬化植物油などが、着色剤としては
医薬品に添加することが許されているものが、矯味矯臭
剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、
龍脳、桂皮末などが用いられる。また、錠剤、顆粒剤等
は、糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティ
ングすることが可能である。経口用液剤とする場合に
は、有効成分を矯味矯臭剤、着色剤、乳化剤、沈澱防止
剤、希釈剤を加えて、水性懸濁剤、エリキシル剤、シロ
ップ剤等とすることができる。
【0044】注射剤(筋肉内、腹腔内、関節内、皮下、
静脈内注射等)としては、無菌の水性又は非水性の溶液
剤、懸濁剤、乳濁剤等が含まれる。また、必要に応じ
て、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解
補助剤のような補助剤を含有してもよい。注射剤は通
常、濾過(バクテリア保留フィルター等)、殺菌剤の配
合またはガンマー線照射によって無菌化されるか、又は
これらの処理をした後、凍結乾燥等の方法により固体組
成物とし、使用直前に無菌水または無菌の注射用希釈剤
を加えて使用される。また、坐剤などとして非経口的に
投与することも可能である。
【0045】また、本発明にかかるジアリールヘプタノ
イド誘導体は、皮膚外用剤に配合することができ、特
に、肌のしわ、たるみ、くすみなどの皮膚老化の改善・
予防を目的とした抗老化用化粧料として有用である。な
お、本発明でいう「抗老化用化粧料」とは、老化、特に
皮膚の老化を予防、改善するための化粧料を広く意味す
る。
【0046】本発明化合物を、皮膚外用剤として用いる
場合、ジアリールヘプタノイド誘導体(I)の配合量は、
組成物全量中0.00001〜10重量%、好ましくは
0.0001〜5重量%である。0.00001重量%
未満では効果が十分に発揮されず、一方、10重量%を
超えて配合してもさほど大きな効果の向上は認められ
ず、また製剤化が難しくなることがある。
【0047】本発明の皮膚外用剤には、有効成分である
ジアリールヘプタノイド誘導体(I)に加えて、本発明の
効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の外
用剤に用いられる他の成分、例えば美白剤、保湿剤、酸
化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘
剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、各
種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができ
る。
【0048】さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸
三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリ
ウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖
剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム
酸及びその誘導体、甘草抽出物、グラブリジン、カリン
の果実の熱水抽出物、各種生薬、酢酸トコフェロール、
グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、
ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アス
コルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白
剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、
トレハロース等の糖類、レチノイン酸、レチノール、レ
チノール酢酸、レチノールパルミチン酸等のビタミンA
誘導体類なども適宜配合することができる。
【0049】皮膚外用剤の剤形は特に限定されるもので
なく、溶液系、可溶化系、乳化系、粉末分散系、水−油
二層系、水−油−粉末三層系、固形、軟膏、ゲル、エア
ゾール、ムース等、任意の剤型が適用される。また、そ
の使用形態も任意であり、例えばローション、乳液、ク
リーム、パック、美容液等の基礎化粧料や、ファンデー
ション等のメーキャップ化粧料、毛髪用化粧料、芳香化
粧料、浴用剤等とすることができるが、これらに限定さ
れるものでない。
【0050】以下、具体例を挙げてさらに本発明を説明
する。MMPs活性阻害試験 (a)試料溶液の調製 被験物質をジメチルスルホキシド(DMSO)に濃度2
%となるよう溶解して、原液を調製した。本原液を、測
定用緩衝液(0.2M NaCl、5mM CaCl
を含むpH7.5の0.05Mトリス)で希釈して濃度
を調整し、これを試料溶液として用いた。また、コント
ロール溶液として、被験物質を含まない溶液も同様に調
製した。
【0051】(b)ゼラチナーゼ群MMPs活性阻害試
験 ゼラチナーゼ群酵素としてMMP−9(マウス皮膚由来
の粗酵素液)を用いた。試験はゼラチンザイモグラフィ
ー法(「バイオ抗酸化剤プロビタミンC」三羽信比古編
著、p76、1999、フレグランスジャーナル社、東
京)により行った。
【0052】すなわち、所定量の粗酵素液を予め電気泳
動したゼラチン入りゲルを、試料溶液又はコントロール
溶液で一晩インキュベート後、ゲル染色を行い、出現し
てくるMMP−9バンドの大きさをイメージアナライザ
ーにて定量化した。MMP−9活性阻害率は、コントロ
ール溶液の場合のバンドの大きさを基準とし、試料溶液
の場合のバンドの減少量から算出した。
【0053】(c)コラゲナーゼ群及びストロムライシ
ン群MMPs活性阻害試験 コラゲナーゼ群酵素としてMMP−1を、ストロムライ
シン群酵素としてMMP−3をそれぞれ用いた(何れも
ヒト細胞由来、ヤガイ製)。測定にはヤガイ製のI型コ
ラゲナーゼ測定キット及びストロメリシン−1測定キッ
トをそれぞれ用いた。
【0054】試料溶液又はコントロール溶液を、酵素溶
液及び基質溶液と下記表2の組成で混合し、一定時間、
所定温度でインキュベートした後、キット添付の実験プ
ロトコルに従い、反応液の遠心分離上清液の蛍光強度を
測定することで各MMP活性を求めた。そして、コント
ロール溶液でのMMP活性に対する試料溶液でのMMP
活性の減少から、各被験物質のMMP活性阻害率を求め
た。
【0055】
【表2】 反応液組成及び反応条件 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 測定キット 基質溶液*1 酵素溶液*2 被験溶液 反応条件 遠心分離条件 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― I型コラケ゛ナーセ゛ 50μl 100μl 50μl 37℃×4hr 2,000×Gストロメリシン -1 50μl 25μl 25μl 35℃×4hr 7,000×G ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― *1 基質溶液濃度は1 mg/ml *2 酵素溶液濃度は0.5 単位/ml(酵素1単位は、1分間に1μgの基質を分解する酵 素量)。
【0056】(d)結果 本発明のジアリールヘプタノイド誘導体である化合物1
〜3、ならびにMMPs阻害作用がよく知られている物
質であるエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を被験物
質として用いて試験を行った。結果を表3に示す。表3
から明らかなように、本発明化合物は何れのMMP活性
も阻害し、その効果はEDTAに比べ非常に高かった。
【0057】
【表3】 ―――――――――――――――――――――――――――――― 被験物質* 濃度(%) 酵素 阻害率(%) ―――――――――――――――――――――――――――――― 化合物1 0.005 MMP−9 90 化合物1 0.0005 MMP−9 82 化合物2 0.005 MMP−9 84 化合物2 0.0005 MMP−9 46 化合物3 0.005 MMP−9 20 EDTA 0.05 MMP−9 100 EDTA 0.005 MMP−9 0 ―――――――――――――――――――――――――――――― 化合物1 0.01 MMP−1 50 EDTA 0.05 MMP−1 89 EDTA 0.01 MMP−1 10 ―――――――――――――――――――――――――――――― 化合物1 0.01 MMP−3 40 EDTA 0.05 MMP−3 82 EDTA 0.01 MMP−3 10 ―――――――――――――――――――――――――――――― *化合物1,化合物2は、前記表1に記載の通り。 化合物3は、R=Ac、R=CH、A:C=C、B:C−C
【0058】
【実施例】実施例1 6,11-ジヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェネ
チル)-7-[(E)-4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2
-オキソ-3-ブテニル]-10-メトキシ-2-オキサビシクロ
[6.3.1]ドデカ-1(11),8(12),9-トリエン-5-イル (E)-3
-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-プロペノエー
ト(化合物1)
【0059】
【化7】
【0060】乾燥ウコン根(5kg)にエタノールを加
え室温で7日間浸漬した。同様の操作を2回繰り返して得
られた濾液を合し濃縮乾固した。得られた残分(405
g)を、ヘキサン可溶部(84g)と不溶部(320
g)に分画した。ヘキサン不溶部(320g)をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;5%アセトン
/クロロホルム → メタノール)に付し、活性画分と
してメタノール溶出画分(120g)を得た。本画分を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロ
ホルム:メタノール:水=9:1:0.05)に付し、
活性画分(26g)を得た。本画分を再度シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタ
ノール:水=9:1:0.05)に付し、活性画分
(7.7g)を得た。本画分をさらにシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム:メタノー
ル:水=95:5:0.2)に付し、活性画分(2.5
g)を得た。
【0061】次いで、本画分をカラムクロマトグラフィ
ー(Sephadex LH−20,溶出液;メタノー
ル:水=8:2)に付し、活性画分(0.24g)を得
た。本画分をさらに分取HPLC(ODS,溶出液;ア
セトニトリル:水=4:6)に付し、得られた活性画分
(53mg)を、再度、分取HPLC(ODS,溶出
液;メタノール:水=8:7)に付し主活性成分(34
mg)と副活性成分(6mg)を得た。各種NMRスペ
クトルの解析などにより、主活性成分は標題化合物1で
あると決定した。その物理化学的データを以下に示す。
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】IR νKBr cm−1 :3420, 2935, 2850, 1
690, 1630, 1595, 1515, 1270, 1155,1030, 980, 850,
815. HR-MS(高分解能マススペクトル):[M+H]+ exp=757.2835,
[M+H]+ calc=757.2860 for C42H45O13.
【0065】実施例2 6,11-ジヒドロキシ-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェネ
チル)-7-[(3E)-4-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-
2-オキソ-3-ブテニリデン]-10-メトキシ-2-オキサビシ
クロ[6.3.1]ドデカ-1(11),8(12),9-トリエン-5-イル
(E)-3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-2-プロペノ
エート(化合物2)
【0066】
【化8】
【0067】上記実施例1で得られた副活性成分は、化
合物1との各種NMRスペクトルなどの比較、解析によ
り標題化合物2であると決定した。その物理化学的デー
タは以下の通り。
【0068】1H-NMR (DMSO-d6) δ1.64(2H, m), 1.96
(2H, m), 2.43 (2H, m), 3.25 (3H, s), 3.52 (3H, s),
3.71 (3H, s), 3.85 (3H, s), 3.97 (1H, d), 4.08 (1
H, q),4.99 (1H, m), 6.4-7.7 (16H).
【0069】IR νKBr cm−1:3415, 2925, 2855, 169
0, 1630, 1600, 1515, 1265, 1155, 1030, 825. HR-MS(高分解能マススペクトル):[M+H]+ exp=755.2673,
[M+H]+ calc=755.2704 for C42H43O13
【0070】実施例3 6,11-ジアセトキシ-3-(4-アセトキシ-3-メトキシフェネ
チル)-7-[(E)-4-(4-アセトキシ-3-メトキシフェニル)-2
-オキソ-3-ブテニル]-10-メトキシ-2-オキサビシクロ
[6.3.1]ドデカ-1(11),8(12),9-トリエン-5-イル (E)-3
-(4-アセトキシ-3-メトキシフェニル)-2-プロペノエー
ト(化合物3)
【0071】
【化9】
【0072】化合物1(21mg)をピリジン(1.0
ml)に溶かし、無水酢酸(1.0ml)を加えた。室
温で20時間攪拌後、反応液にエーテル(20ml)と水
(5ml)を加え攪拌した。エーテル層を水、希塩酸及
び重曹水で順次洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃
縮して標題化合物(22mg)を得た。本化合物のプロ
トンNMRにおいて、特徴的な5本のアセチル基のシグ
ナルが観測された。プロトンNMRにつき、特徴的なア
セチル基のケミカルシフト値を示す。
【0073】1H-NMR (DMSO-d6) δ2.12 (3H, s), 2.19
(3H, s), 2.22 (3H, s), 2.26 (3H, s), 2.28 (3H, s).
【0074】 配合例1 クリーム (1)ステアリン酸 5.0重量% (2)ステアリルアルコール 4.0 (3)イソプロピルミリステート 18.0 (4)グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0 (5)プロピレングリコール 10.0 (6)化合物1 0.001 (7)苛性カリ 0.2 (8)亜硫酸水素ナトリウム 0.01 (9)防腐剤 適 量 (10)香料 適 量 (11)イオン交換水 残 余
【0075】(製法)(11)に(5)〜(7)を加え
溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。一方、
(1)〜(4)、(8)〜(10)を混合し加熱融解し
て70℃に保った(油相)。水相に油相を徐々に加え、
全部加え終わってからしばらくその温度に保った。その
後、ホモミキサーで均一に乳化し、よくかき混ぜながら
30℃まで冷却し、クリームを得た。
【0076】 配合例2 クリーム (1)ステアリン酸 2.0重量% (2)ステアリルアルコール 7.0 (3)水添ラノリン 2.0 (4)スクワラン 5.0 (5)2−オクチルドデシルアルコール 6.0 (6)POE(25)セチルエーテル 3.0 (7)グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 (8)プロピレングリコール 5.0 (9)化合物2 0.001 (10)亜硫酸水素ナトリウム 0.03 (11)エチルパラベン 0.3 (12)香料 適 量 (13)イオン交換水 残 余
【0077】(製法)(13)に(8)を加え、加熱し
て70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(7)、
(9)〜(12)を混合し、加熱融解して70℃に保っ
た(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行い、ホモ
ミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30
℃まで冷却し、クリームを得た。
【0078】 配合例3 クリーム (1)固形パラフィン 5.0重量% (2)ミツロウ 10.0 (3)ワセリン 15.0 (4)流動パラフィン 41.0 (5)グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0 (6)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0 (7)石鹸粉末 0.1 (8)ホウ砂 0.2 (9)ウコン抽出物 0.01 (エタノール抽出物のヘキサン不溶性画分、乾燥重量) (10)亜硫酸水素ナトリウム 0.03 (11)エチルパラベン 0.3 (12)香料 適 量 (13)イオン交換水 残 余
【0079】(製法)(13)に(7)、(8)を加
え、加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜
(6)、(9)〜(12)を混合し、加熱融解して70
℃に保った(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行
い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜな
がら30℃まで冷却し、クリームを得た。
【0080】 配合例4 乳液 (1)ステアリン酸 2.5重量% (2)セチルアルコール 1.5 (3)ワセリン 5.0 (4)流動パラフィン 10.0 (5)POE(10)モノオレイン酸エステル 2.0 (6)ポリエチレングリコール1500 3.0 (7)トリエタノールアミン 1.0 (8)カルボキシビニルポリマー 0.05 (カーボポール941、B.F.Goodrich社) (9)化合物3 0.001 (10)亜硫酸水素ナトリウム 0.01 (11)エチルパラベン 0.3 (12)香料 適 量 (13)イオン交換水 残 余
【0081】(製法)少量の(13)に(8)を溶解し
た(A相)。一方、残りの(13)に(6)、(7)を
加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。(1)〜
(5)、(9)〜(12)を混合し、加熱融解して70
℃に保った(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行
い、A相を加え、ホモミキサーで均一に乳化した後、よ
くかき混ぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0082】 配合例5 乳液 (1)マイクロクリスタリンワックス 1.0重量% (2)ミツロウ 2.0 (3)ラノリン 20.0 (4)流動パラフィン 10.0 (5)スクワラン 5.0 (6)ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0 (7)POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0 (8)プロピレングリコール 7.0 (9)化合物1 2.0 (10)亜硫酸水素ナトリウム 0.01 (11)エチルパラベン 0.3 (12)香料 適 量 (13)イオン交換水 残 余
【0083】(製法)(13)に(8)を加え、加熱し
て70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(7)、
(9)〜(12)を混合し、加熱融解して70℃に保っ
た(油相)。油相をかき混ぜながらこれに水相を徐々に
加え、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜ
ながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
【0084】 配合例6 ゼリー (1)95%エタノール 10.0重量% (2)ジプロピレングリコール 15.0 (3)POE(50)オレイルエーテル 2.0 (4)カルボキシビニルポリマー 1.0 (カーボポール940、B.F.Goodrich社) (5)苛性ソーダ 0.15 (6)L−アルギニン 0.1 (7)化合物2 1.0 (8)2−ヒドロキシ−4−メトシキベンゾフェノン スルホン酸ナトリウム 0.05 (9)エチレンジアミンテトラアセテート3Na・2水 0.05 (10)メチルパラベン 0.2 (11)香料 適 量 (12)イオン交換水 残 余
【0085】(製法)(12)に(4)を均一に溶解し
た(水相)。一方、(1)に(7)、(3)を溶解し、
これを水相に添加した。次いで、これに(2)、(8)
〜(11)を加えた後、(5)、(6)で中和して、ゼ
リーを得た。
【0086】 配合例7 美容液 A相: 95%エタノール 10.0重量% POE(20)オクチルドデカノール 1.0 パントテニールエチルエーテル 0.1 化合物3 1.0 メチルパラベン 0.15 B相: 水酸化カリウム 0.1 C相: グリセリン 5.0 ジプロピレングリコール 10.0 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 カルボキシビニルポリマー 0.2 (カーボポール940、B.F.Goodrich社) 精製水 残 余
【0087】(製法)A相、C相をそれぞれ均一に溶解
し、C相をA相に加えて可溶化した。次いで、B相を加
えた後、容器に充填し、美容液を得た。
【0088】 配合例8 パック A相: ジプロピレングリコール 5.0重量% POE(60)硬化ヒマシ油 5.0 B相: 化合物1 0.01 オリーブ油 5.0 酢酸トコフェロール 0.2 エチルパラベン 0.2 香料 0.2 C相: 亜硫酸水素ナトリウム 0.03 ポリビニルアルコール(ケン化度90、重合度2,000) 13.0 エタノール 7.0 精製水 残 余
【0089】(製法)A相、B相、C相をそれぞれ均一
に溶解し、A相にB相を加えて可溶化した。次いで、こ
れにC相を加えた後、容器に充填し、パックを得た。
【0090】 配合例9 固形ファンデーション (1)タルク 43.1重量% (2)カオリン 15.0 (3)セリサイト 10.0 (4)亜鉛華 7.0 (5)二酸化チタン 3.8 (6)黄色酸化鉄 2.9 (7)黒色酸化鉄 0.2 (8)スクワラン 8.0 (9)イソステアリン酸 4.0 (10)モノオレイン酸POEソルビタン 3.0 (11)オクタン酸イソセチル 2.0 (12)ウコン抽出物 1.0 (エタノール抽出物のヘキサン不溶性画分、乾燥重量) (13)防腐剤 適 量 (14)香料 適 量
【0091】(製法)(1)〜(7)の粉末成分をブレ
ンダーで十分混合し、これに(8)〜(11)の油性成
分、(12)〜(14)を加えてよく混練した後、容器
に充填、成型し、固形ファンデーションを得た。
【0092】 配合例10 乳化型ファンデーション(クリームタイプ) 粉体部: 二酸化チタン 10.3重量% セリサイト 5.4 カオリン 3.0 黄色酸化鉄 0.8 ベンガラ 0.3 黒色酸化鉄 0.2 油相: デカメチルシクロペンタシロキサン 11.5 流動パラフィン 4.5 POE変性ジメチルポリシロキサン 4.0 水相: 精製水 51.0 1,3−ブチレングリコール 4.5 化合物2 1.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 3.0 防腐剤 適 量 香料 適 量
【0093】(製法)香料以外の水相を加熱攪拌後、十
分に混合粉砕した粉体部を添加して、ホモミキサー処理
した。さらに、加熱混合した油相を加えてホモミキサー
処理した後、攪拌しながら香料を添加し、室温まで冷却
して乳化型ファンデーションを得た。
【0094】
【発明の効果】本発明のジアリールヘプタノイド誘導体
はマトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)活性阻
害剤として有用であり、各種医薬品、化粧品に配合可能
である。特に、皮膚老化の改善・予防を目的とした皮膚
外用剤や、関節炎、組織潰瘍形成、腫瘍の転移・湿潤な
ど組織マトリックスの代謝異常による各種疾患の治療
剤、予防剤として適用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 M U 7/035 7/035 31/335 31/335 35/78 35/78 C A61P 1/02 A61P 1/02 1/04 1/04 17/00 17/00 17/02 17/02 17/16 17/16 19/02 19/02 19/10 19/10 27/04 27/04 29/00 101 29/00 101 35/00 35/00 43/00 111 43/00 111 (72)発明者 猪股 慎二 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 (72)発明者 福原 忠雄 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 (72)発明者 吉田 誠一 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株 式会社資生堂第一リサーチセンター内 Fターム(参考) 4C062 JJ70 4C083 AA082 AA111 AA112 AA122 AB032 AB212 AB232 AB242 AB352 AB432 AB442 AC012 AC022 AC072 AC092 AC102 AC122 AC182 AC242 AC262 AC352 AC402 AC422 AC432 AC442 AC482 AC532 AC542 AC582 AC642 AC792 AC841 AC842 AD042 AD092 AD112 AD162 AD172 AD512 AD662 CC04 CC05 CC07 CC12 DD21 DD23 DD31 DD41 FF01 FF05 4C086 AA01 AA02 AA03 BA10 MA63 NA14 ZA33 ZA67 ZA68 ZA89 ZA96 ZA97 ZB15 ZB26 ZC20 4C088 AB81 AC11 BA08 CA04 MA63 NA14 ZA33 ZA67 ZA68 ZA89 ZA96 ZA97 ZB15 ZB26 ZC20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されることを特徴
    とするジアリールヘプタノイド誘導体。 【化1】 (一般式(I)中、R、Rは、それぞれ水素原子、C
    1−6アルキル基又はC 2−7アシル基であり、A、B
    の炭素間結合は一重結合又は二重結合を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物において、結合A
    が何れも二重結合であることを特徴とするジアリールヘ
    プタノイド誘導体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の化合物において、
    が水素原子であることを特徴とするジアリールヘプ
    タノイド誘導体。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の化合物において、
    がアシル基であることを特徴とするジアリールヘプ
    タノイド誘導体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の化合物において、R
    アセチル基であることを特徴とするジアリールヘプタノ
    イド誘導体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の化合物に
    おいて、Rがアルキル基であることを特徴とするジア
    リールヘプタノイド誘導体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の化合物において、R
    メチル基であることを特徴とするジアリールヘプタノイ
    ド誘導体。
  8. 【請求項8】 ショウガ科ウコン属植物の親水性溶媒抽
    出物から、ヘキサン可溶部を除去して得られるヘキサン
    不溶性抽出物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7の何れかに記載のジアリー
    ルヘプタノイド誘導体、又は請求項8記載のヘキサン不
    溶性抽出物を有効成分として含有するマトリックスメタ
    ロプロテアーゼ活性阻害剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7の何れかに記載のジアリ
    ールヘプタノイド誘導体、又は請求項8記載のヘキサン
    不溶性抽出物を有効成分として含有する化粧用組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7の何れかに記載のジアリ
    ールヘプタノイド誘導体、又は請求項8記載のヘキサン
    不溶性抽出物を有効成分として含有する医薬組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜7の何れかに記載のジアリ
    ールヘプタノイド誘導体、又は請求項8記載のヘキサン
    不溶性抽出物を含有する皮膚外用剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003051380A3 (en) * 2001-12-14 2004-06-17 Council Scient Ind Res Compositions containeing curcuma extracts for the treatment of neurocerebrovascular disorders

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