JP4160307B2 - ハーメチックシール容器用閉成インサート及びハーメチックシール容器 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハーメチックシールされた容器に関し、より特定的には、貫通可能な膜によりシールされたアクセスポートと、容器内に排液用スパイクのための一対のシール面とが備えられたハーメチックシールされた容器に関する。
【０００２】
【発明の背景】
本発明は、ワイラー（Weiler）たちのアメリカ合衆国特許第６，０７６，７０４及び６，０９２，６８２に概略が開示されている形式のハーメチックシールされた容器に向けられたものである。この容器は、貫通可能な膜を組み込んでおり、該膜は、容器内容物を密閉しており、かつ内容物が容器から吐出または排出されるように、排液用スパイクにより貫通され得るように構成されている。
【０００３】
特に、Weilerらのアメリカ合衆国特許第第６，０７６，７０４に開示されている容器は、開口部を形成している首部を有し、該開口部が、独立の排液用スパイクにより貫通されるように構成された貫通可能な膜によりシールされており、それによって容器首部上に固定されているキャップの排出ノズルを通して、容器内容物が排出されることが可能とされる。アメリカ合衆国特許第６，０７６，７０４に開示されている容器は、ノズルを通して容器内容物を排出させるのが好ましい場合において、また、容器内容物へのアクセスが、排液用スパイクのような排液用治具により得られる場合において有効ではあるが、さらなるシール面を設けることが好ましいことがある。
【０００４】
Weilerのアメリカ合衆国特許第６，０９２，６８２に開示されている容器は、ノズルと、ノズルを被覆しておりかつ容器内容物への貫通によるアクセスを提供する膜を有する独立したスパイク・キャップとを有する閉成インサートサブ・アセンブリーを組み込んでいる。アメリカ合衆国特許第６，０９２，６８２に開示されている容器は、容器内容物に対するアクセスを得るためにシリンジなどが用いられる用途において非常に有効であることが分かっているが、貫通可能な膜がインサートから独立したキャップなどの部材よりもむしろ閉成インサートサブアセンブリー内においてノズルのアクセスポートに一体化されていること、並びに排液用スパイクがシールを保ちつつ容器により受け入れられ得る容器が求められている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
ハーメチックシールされた容器のための本発明の閉成インサートは、排液用スパイクに対して改善されたシールを提供する。
【０００６】
本発明は、ハーメチックシールされた容器のための閉成用インサートであって、内部空間を規定している内面を有する中空のベースと、前記ベースから径方向内側に延びる上部壁と、前記上部壁の内縁から上方に延びておりかつ凹状の貫通可能な膜が備えられている中空ボスと、前記内部空間内に前記上部壁から下方に向かって延びており、全長に渡って前記内面から隔てられており、周縁シールバンドで終了している内部スカート部分とを備え、前記貫通可能な膜が、前記シールバンドから隔てられており、前記シールバンドが、前記膜を貫通している排液用スパイクの周りをシールするように構成されている、ハーメチックシール容器用閉成インサートである。
また、本発明の別の広い局面によれば、ハーメチックシールされた容器のための閉成用インサートであって、内部空間を規定している内面を有する中空のベースと、前記ベースから径方向内側に延びている上部壁と、凹状の貫通可能な膜が備えられた中空ボスと、前記内部空間に向かって前記上部壁から下方に延びており、全長に渡り前記内面から隔てられておりさらに前記膜を貫通する排液用スパイクをシールするように取り囲むように構成された周縁シールバンド内において終了している、内部スカート部分とを備え、前記内部スカート部分が、前記膜を貫通している排液用スパイクと接触した関係にあるときに、前記ベースの内面に向かうように外側に向かって柔軟性を有するように構成されている、ハーメチックシール容器用の閉成インサートが提供される。
本発明に係るハーメチックシールされた容器は、容器にシールを与える閉成インサートが備えられたハーメチックシール容器であって、前記インサートが、内部空間を規定している内面を有する中空のベースと、前記ベースから径方向内側に延びている上部壁と、凹状の貫通可能な膜が設けられた中空ボスと、前記内部空間に向かって前記上部壁から下方に延びており、全長に渡り前記内面から離されており、さらに周縁シールバンドで終了しており、内側に垂れ下がっている内部スカート部分とを備え、前記貫通可能な膜が、前記シールバンドから隔てられており、かつ前記シールバンドが、前記膜を貫通している排液用スパイクをシールしつつ取り囲むように構成されている、ハーメチックシール容器である。
【０００７】
本発明の他の効果及び特徴は、本発明の好ましい実施例についての以下の詳細な説明、添付の図面及び添付の請求の範囲から明らかとなる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本明細書で開示されている本発明は、もちろん様々な形態で具体化され得る。本発明の好ましい実施例は、図面及び以下の詳細な説明で示される。しかしながら、この開示内容は本発明の原理の例示であり、説明される実施例に本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【０００９】
説明を容易とするために、本発明の容器及び閉成用インサートは、通常の（直立した）動作常態で説明され、かつ上方、下方、水平方向などの用語は、この動作位置に関連して用いられている。しかしながら、本発明の容器及び閉成用インサートは、説明されている配置以外の方向となるように、製造され、保管され、運搬され、用いられかつ販売されてもよいことを理解すべきである。
【００１０】
成形されており、内容物が満たされており、かつハーメチックシールされた本発明の熱可塑性容器１０が、図１及び図２に示されている。図１及び図２では容器の上部のみが示されているが、容器１０は、好ましくは、意図している容器内容物に適合し得る、（低密度もしくは高密度）ポリエチレン、ポリプロピレンなどの材料のような公知の成形材料により製造される。容器の全体の形状は限定されない。
【００１１】
容器１０の上部１６は、上部１６と一体化されている首部１８において終了しており、首部１８は、略円筒状喉部２０を含み、喉部２０は、容器内容物を排出するための中空流路を形成している。
【００１２】
喉部２０は、喉部２０と一体化されているソケット２２で終了しており、ソケット２２は、図２に示されているように閉成用インサート２４を受け入れている。壊れ易いウェブ２８によりソケット２２に連結されている閉成被覆部２６が、閉成用インサート２４を被覆している。閉成被覆部２６は、任意に、２つの隔てられており、かつ一体化されておりさらに径方向に対向されている羽３０，３２を有する。閉成被覆部は、所望のように、透明であってもよく、半透明であってもよく、あるいは不透明であってもよい。
【００１３】
図２及び図３を参照して、閉成用インサート２４は、中空の略円筒状のベース３４を有し、該ベース３４は、外周面３６を有する。外周面３６には、容器１０及びソケット２２が製造される熱可塑性材料により成形された凹凹を有する外側周辺帯が備えられている。ワイラーのアメリカ合衆国特許第６，０９２，６８２において記載されておりかつクレームされているように、容器のソケット２２を形成している熱可塑性材料は、閉成用インサート２４が容器内で固定された際に、閉成用インサート２４を固定しかつ閉成用インサート２４とソケット２２との間に永久的なシールを形成するために、凹凸帯により形成されている溝を実質的に満たしている。また、ベース３４は、内部空間３９を形成する内側面３７を有する。
【００１４】
また、閉成用インサート２４には、肩部４０が備えられている。肩部４０は、ベース３４の上方周縁から一体的に、上方にかつ内側に傾斜している。肩部４０は、円筒状ウェブ部分４２に合体しており、かつウェブ部分４２は、肩部４０の上方周縁から一体的に、略垂直方向及び上方に延びている。
【００１５】
閉成用インサート２４は、平坦な上部壁４４を有し、上部壁４４は、ウェブ部分４２の上方周縁から径方向にかつ略内側に延びており、上部壁４４と一体化されているボス４６において終了している。図４及び図５に最もよく示されているように、中空ボス４６は、円錐台形状の周方向に延びている壁４７を有し、該壁４７は、壁４４の内側周縁４８から内側及び上方に傾斜しており、かつ流路もしくは中空内部５２を形成している内側面５０を有しており、流路５２は、ベース３４により形成されている空間３９に連通されており、ベース３４は、容器の喉部２０及び容器１０の内部に液体が流れるように連通されている。
【００１６】
凹状の貫通可能な膜５６は、ボス４６に一体化されており、中空内部５２に対するアクセスを防止している。貫通可能な膜５６は、ボス４６及び閉成用インサート２２の残りの部分を形成している熱可塑性材料の厚みよりも厚みが薄い、貫通可能な芯のない厚みの熱可塑性材料からなる。
【００１７】
より特定的には、膜５６は、第１の壁部分５８を有し、第１の壁部分５８は、上部壁４４の上部周縁６０から径方向内側に延びている。また、膜５６は、円錐形状の第２の壁部分６２を有し、壁部分６２は、第１の膜の壁部分５８の内側周縁６４から内側及び下方に傾斜しており、かつ円錐形状の圧縮された、ソケットすなわち円錐状空間６６を形成しており、該円錐状空間６６は、容器１０の長手方向軸に存在する点６８において終了している。
【００１８】
図４を参照して、閉成用インサート２４は、さらに、内部スカート部分、すなわち中空の開放端を有するチューブ７０を有しており、該チューブ７０は、壁４４の内側周縁４８から内側に、かつベース３４の内側に形成された空間３９内に延びるように傾斜している。ビードまたはリブ７４のようなシールバンドが、スカート７０の末端に配置されており、かつスカート７０の下方周縁部分７６から周方向、径方向及び内側に突出しかつ延びている。スカート７０の末端部分は、ベースの空間３９に連通されている下方スカート開口７８を形成している。シールバンドが、膜５６から隔てられており、好ましくは、排液用スパイクの外径の少なくとも１倍に等しい距離だけ隔てられている。好ましくは、凹状の膜５６とアクセス開口５４は、下方のスカート開口７８の径よりも小さい径を有する。
【００１９】
閉成用インサート２４並びにより詳細には、その中空ボス４６は、図４及び図５にも示されているような排液用スパイク８０またはこの種の貫通治具を受け入れるように構成されている。
【００２０】
図４は、排液用スパイク８０の先端８２が膜の円錐状空間６６の内側に位置しており、膜を貫通しようとしている、排液用スパイク位置を示している。膜５６の壁部分６２の形状は、スパイクの先端８２の形状に実質的に適合されており、従って、該形状は、スパイクの先端８２が膜の壁部分６２の点６８の外面上に配置されかつ当接した位置に先端８２をガイドするように作用する。
【００２１】
スパイク８０が図４に示されているように一旦位置決めされると、スパイクの先端８２が、膜の壁６２の点６８において膜の壁６２を貫通しかつ引き裂くようにスパイクが下方に付勢される。膜５６が引き裂かれると、スパイクの先端８２は、ポート４６により構成されている流路５２を通して、次にスカート７０を形成しているチューブの内側を通り、図５の位置までベース３４の内部に形成されている空間３９に至るように、内側に押される。この段階において、貫通スパイク８０の先端８２は、容器内容物の除去が可能となるようにほぼ位置決めされ、かつ排液用スパイク８０は安定化される。スカート７０のこの末端部分は、リブもしくはビード７４のようなシールバンドと共に、排液用スパイクの周りに一次的なシールを与え、かつ引き裂かれた膜５６の壁６２が、排液用スパイク８０に対し二次的なシールを与える。
【００２２】
図５にも示されているように、膜の壁６２の外表面８４は、スパイク８０の外側面８６に接触するように構成されている。また、本願発明によれば、ボス４６の壁４７は、好ましくは、排液用スパイクが受け入れられ得るように、外側に柔軟性を有するように構成されている。これにより、膜の壁６２が、スパイク８０の外側面８６に対して圧縮力を与え、従って、ボス４６と排液用スパイク８０との間にシールを与え、容器内容物の漏洩を最小とする。
【００２３】
図５にも示されているように、スカート７０のシールビードすなわちリブ７４は、スパイク８０の外側表面８６の下方部分に当接するように構成されており、それによって、閉成用インサート２４とスパイク８０との間に一次的なシールを与え、従って、ボス４６とスパイク８０との間における容器内容物の漏洩が最小とされる。貫通された膜によりスパイクの周囲に形成されたシールは、上述したように、二次的なシールとして作用する。図４及び図５に示されているように、スカート７０の開口７８におけるスカート７０の径は、好ましくは、スパイク８０が通過した際の図４の位置から図５の位置までスカート壁７２を外側に対して柔軟性を有するように構成するために、スパイク８０の径よりも小さくされる。この柔軟性により、スカート７０、従ってスカート７０のリブ７４が、スカート７０とスパイク８０との間の緊密なシールを与えるように、スパイク８０の外側表面８６に対して内向きの圧縮力を加える。
【００２４】
本発明により意図されている閉成用インサートは、例えば射出成形により予め製造され、かつ意図している最終的な使用方法に応じた様々な形状を有するように構成され得る。単一の部品としてのインサートと、サブアセンブリーとが意図される。しかしながら、いずれの場合においても、上記閉成用インサートには、凹状の貫通膜を有するボスが備えられることになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による閉成用インサートを組み込んだハーメチックシールされた容器の上部の拡大部分切欠斜視図。
【図２】本発明の閉成用インサートを有する、図１の容器の上部の拡大された、部分切欠垂直方向断面図。
【図３】本発明の閉成用インサートの拡大斜視図。
【図４】排液用スパイクが貫通位置にある、図３の閉成用インサートの拡大された、垂直方向断面図。
【図５】排液用スパイクが膜を貫通した後であって、容器内に安定化されている状態を示す、拡大された、垂直方向断面図。
【符号の説明】
１０…容器
１６…上部
１８…首部
２０…喉部
２２…ソケット
２４…閉成用インサート
２６…閉成被覆部
２８…ウェブ
３０，３２…羽
３４…ベース
３６…外側周縁面
３７…内面
３９…内部空間
４０…肩部
４２…ウェブ部分
４４…壁
４６…中空ボス
４８…周縁
５０…内面
５２…流路
５６…貫通可能な膜
５８…壁部分
６０…上部周縁
６２…壁部分
６４…内側周縁
６６…円錐状空間
７０…スカート部
７２…環状周壁
７４…シールバンド
７６…下方周縁部分
７８…下方スカート開口
８０…排液用スパイク
８２…先端
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハーメチックシールされた容器に関し、より特定的には、貫通可能な膜によりシールされたアクセスポートと、容器内に排液用スパイクのための一対のシール面とが備えられたハーメチックシールされた容器に関する。
【０００２】
【発明の背景】
本発明は、ワイラー（Weiler）たちのアメリカ合衆国特許第６，０７６，７０４及び６，０９２，６８２に概略が開示されている形式のハーメチックシールされた容器に向けられたものである。この容器は、貫通可能な膜を組み込んでおり、該膜は、容器内容物を密閉しており、かつ内容物が容器から吐出または排出されるように、排液用スパイクにより貫通され得るように構成されている。
【０００３】
特に、Weilerらのアメリカ合衆国特許第第６，０７６，７０４に開示されている容器は、開口部を形成している首部を有し、該開口部が、独立の排液用スパイクにより貫通されるように構成された貫通可能な膜によりシールされており、それによって容器首部上に固定されているキャップの排出ノズルを通して、容器内容物が排出されることが可能とされる。アメリカ合衆国特許第６，０７６，７０４に開示されている容器は、ノズルを通して容器内容物を排出させるのが好ましい場合において、また、容器内容物へのアクセスが、排液用スパイクのような排液用治具により得られる場合において有効ではあるが、さらなるシール面を設けることが好ましいことがある。
【０００４】
Weilerのアメリカ合衆国特許第６，０９２，６８２に開示されている容器は、ノズルと、ノズルを被覆しておりかつ容器内容物への貫通によるアクセスを提供する膜を有する独立したスパイク・キャップとを有する閉成インサートサブ・アセンブリーを組み込んでいる。アメリカ合衆国特許第６，０９２，６８２に開示されている容器は、容器内容物に対するアクセスを得るためにシリンジなどが用いられる用途において非常に有効であることが分かっているが、貫通可能な膜がインサートから独立したキャップなどの部材よりもむしろ閉成インサートサブアセンブリー内においてノズルのアクセスポートに一体化されていること、並びに排液用スパイクがシールを保ちつつ容器により受け入れられ得る容器が求められている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
ハーメチックシールされた容器のための本発明の閉成インサートは、排液用スパイクに対して改善されたシールを提供する。
【０００６】
本発明は、ハーメチックシールされた容器のための閉成用インサートであって、内部空間を規定している内面を有する中空のベースと、前記ベースから径方向内側に延びる上部壁と、前記上部壁の内縁から上方に延びておりかつ凹状の貫通可能な膜が備えられている中空ボスと、前記内部空間内に前記上部壁から下方に向かって延びており、全長に渡って前記内面から隔てられており、周縁シールバンドで終了している内部スカート部分とを備え、前記貫通可能な膜が、前記シールバンドから隔てられており、前記シールバンドが、前記膜を貫通している排液用スパイクの周りをシールするように構成されている、ハーメチックシール容器用閉成インサートである。
また、本発明の別の広い局面によれば、ハーメチックシールされた容器のための閉成用インサートであって、内部空間を規定している内面を有する中空のベースと、前記ベースから径方向内側に延びている上部壁と、凹状の貫通可能な膜が備えられた中空ボスと、前記内部空間に向かって前記上部壁から下方に延びており、全長に渡り前記内面から隔てられておりさらに前記膜を貫通する排液用スパイクをシールするように取り囲むように構成された周縁シールバンド内において終了している、内部スカート部分とを備え、前記内部スカート部分が、前記膜を貫通している排液用スパイクと接触した関係にあるときに、前記ベースの内面に向かうように外側に向かって柔軟性を有するように構成されている、ハーメチックシール容器用の閉成インサートが提供される。
本発明に係るハーメチックシールされた容器は、容器にシールを与える閉成インサートが備えられたハーメチックシール容器であって、前記インサートが、内部空間を規定している内面を有する中空のベースと、前記ベースから径方向内側に延びている上部壁と、凹状の貫通可能な膜が設けられた中空ボスと、前記内部空間に向かって前記上部壁から下方に延びており、全長に渡り前記内面から離されており、さらに周縁シールバンドで終了しており、内側に垂れ下がっている内部スカート部分とを備え、前記貫通可能な膜が、前記シールバンドから隔てられており、かつ前記シールバンドが、前記膜を貫通している排液用スパイクをシールしつつ取り囲むように構成されている、ハーメチックシール容器である。
【０００７】
本発明の他の効果及び特徴は、本発明の好ましい実施例についての以下の詳細な説明、添付の図面及び添付の請求の範囲から明らかとなる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本明細書で開示されている本発明は、もちろん様々な形態で具体化され得る。本発明の好ましい実施例は、図面及び以下の詳細な説明で示される。しかしながら、この開示内容は本発明の原理の例示であり、説明される実施例に本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【０００９】
説明を容易とするために、本発明の容器及び閉成用インサートは、通常の（直立した）動作常態で説明され、かつ上方、下方、水平方向などの用語は、この動作位置に関連して用いられている。しかしながら、本発明の容器及び閉成用インサートは、説明されている配置以外の方向となるように、製造され、保管され、運搬され、用いられかつ販売されてもよいことを理解すべきである。
【００１０】
成形されており、内容物が満たされており、かつハーメチックシールされた本発明の熱可塑性容器１０が、図１及び図２に示されている。図１及び図２では容器の上部のみが示されているが、容器１０は、好ましくは、意図している容器内容物に適合し得る、（低密度もしくは高密度）ポリエチレン、ポリプロピレンなどの材料のような公知の成形材料により製造される。容器の全体の形状は限定されない。
【００１１】
容器１０の上部１６は、上部１６と一体化されている首部１８において終了しており、首部１８は、略円筒状喉部２０を含み、喉部２０は、容器内容物を排出するための中空流路を形成している。
【００１２】
喉部２０は、喉部２０と一体化されているソケット２２で終了しており、ソケット２２は、図２に示されているように閉成用インサート２４を受け入れている。壊れ易いウェブ２８によりソケット２２に連結されている閉成被覆部２６が、閉成用インサート２４を被覆している。閉成被覆部２６は、任意に、２つの隔てられており、かつ一体化されておりさらに径方向に対向されている羽３０，３２を有する。閉成被覆部は、所望のように、透明であってもよく、半透明であってもよく、あるいは不透明であってもよい。
【００１３】
図２及び図３を参照して、閉成用インサート２４は、中空の略円筒状のベース３４を有し、該ベース３４は、外周面３６を有する。外周面３６には、容器１０及びソケット２２が製造される熱可塑性材料により成形された凹凹を有する外側周辺帯が備えられている。ワイラーのアメリカ合衆国特許第６，０９２，６８２において記載されておりかつクレームされているように、容器のソケット２２を形成している熱可塑性材料は、閉成用インサート２４が容器内で固定された際に、閉成用インサート２４を固定しかつ閉成用インサート２４とソケット２２との間に永久的なシールを形成するために、凹凸帯により形成されている溝を実質的に満たしている。また、ベース３４は、内部空間３９を形成する内側面３７を有する。
【００１４】
また、閉成用インサート２４には、肩部４０が備えられている。肩部４０は、ベース３４の上方周縁から一体的に、上方にかつ内側に傾斜している。肩部４０は、円筒状ウェブ部分４２に合体しており、かつウェブ部分４２は、肩部４０の上方周縁から一体的に、略垂直方向及び上方に延びている。
【００１５】
閉成用インサート２４は、平坦な上部壁４４を有し、上部壁４４は、ウェブ部分４２の上方周縁から径方向にかつ略内側に延びており、上部壁４４と一体化されているボス４６において終了している。図４及び図５に最もよく示されているように、中空ボス４６は、円錐台形状の周方向に延びている壁４７を有し、該壁４７は、壁４４の内側周縁４８から内側及び上方に傾斜しており、かつ流路もしくは中空内部５２を形成している内側面５０を有しており、流路５２は、ベース３４により形成されている空間３９に連通されており、ベース３４は、容器の喉部２０及び容器１０の内部に液体が流れるように連通されている。
【００１６】
凹状の貫通可能な膜５６は、ボス４６に一体化されており、中空内部５２に対するアクセスを防止している。貫通可能な膜５６は、ボス４６及び閉成用インサート２２の残りの部分を形成している熱可塑性材料の厚みよりも厚みが薄い、貫通可能な芯のない厚みの熱可塑性材料からなる。
【００１７】
より特定的には、膜５６は、第１の壁部分５８を有し、第１の壁部分５８は、上部壁４４の上部周縁６０から径方向内側に延びている。また、膜５６は、円錐形状の第２の壁部分６２を有し、壁部分６２は、第１の膜の壁部分５８の内側周縁６４から内側及び下方に傾斜しており、かつ円錐形状の圧縮された、ソケットすなわち円錐状空間６６を形成しており、該円錐状空間６６は、容器１０の長手方向軸に存在する点６８において終了している。
【００１８】
図４を参照して、閉成用インサート２４は、さらに、内部スカート部分、すなわち中空の開放端を有するチューブ７０を有しており、該チューブ７０は、壁４４の内側周縁４８から内側に、かつベース３４の内側に形成された空間３９内に延びるように傾斜している。ビードまたはリブ７４のようなシールバンドが、スカート７０の末端に配置されており、かつスカート７０の下方周縁部分７６から周方向、径方向及び内側に突出しかつ延びている。スカート７０の末端部分は、ベースの空間３９に連通されている下方スカート開口７８を形成している。シールバンドが、膜５６から隔てられており、好ましくは、排液用スパイクの外径の少なくとも１倍に等しい距離だけ隔てられている。好ましくは、凹状の膜５６とアクセス開口５４は、下方のスカート開口７８の径よりも小さい径を有する。
【００１９】
閉成用インサート２４並びにより詳細には、その中空ボス４６は、図４及び図５にも示されているような排液用スパイク８０またはこの種の貫通治具を受け入れるように構成されている。
【００２０】
図４は、排液用スパイク８０の先端８２が膜の円錐状空間６６の内側に位置しており、膜を貫通しようとしている、排液用スパイク位置を示している。膜５６の壁部分６２の形状は、スパイクの先端８２の形状に実質的に適合されており、従って、該形状は、スパイクの先端８２が膜の壁部分６２の点６８の外面上に配置されかつ当接した位置に先端８２をガイドするように作用する。
【００２１】
スパイク８０が図４に示されているように一旦位置決めされると、スパイクの先端８２が、膜の壁６２の点６８において膜の壁６２を貫通しかつ引き裂くようにスパイクが下方に付勢される。膜５６が引き裂かれると、スパイクの先端８２は、ポート４６により構成されている流路５２を通して、次にスカート７０を形成しているチューブの内側を通り、図５の位置までベース３４の内部に形成されている空間３９に至るように、内側に押される。この段階において、貫通スパイク８０の先端８２は、容器内容物の除去が可能となるようにほぼ位置決めされ、かつ排液用スパイク８０は安定化される。スカート７０のこの末端部分は、リブもしくはビード７４のようなシールバンドと共に、排液用スパイクの周りに一次的なシールを与え、かつ引き裂かれた膜５６の壁６２が、排液用スパイク８０に対し二次的なシールを与える。
【００２２】
図５にも示されているように、膜の壁６２の外表面８４は、スパイク８０の外側面８６に接触するように構成されている。また、本願発明によれば、ボス４６の壁４７は、好ましくは、排液用スパイクが受け入れられ得るように、外側に柔軟性を有するように構成されている。これにより、膜の壁６２が、スパイク８０の外側面８６に対して圧縮力を与え、従って、ボス４６と排液用スパイク８０との間にシールを与え、容器内容物の漏洩を最小とする。
【００２３】
図５にも示されているように、スカート７０のシールビードすなわちリブ７４は、スパイク８０の外側表面８６の下方部分に当接するように構成されており、それによって、閉成用インサート２４とスパイク８０との間に一次的なシールを与え、従って、ボス４６とスパイク８０との間における容器内容物の漏洩が最小とされる。貫通された膜によりスパイクの周囲に形成されたシールは、上述したように、二次的なシールとして作用する。図４及び図５に示されているように、スカート７０の開口７８におけるスカート７０の径は、好ましくは、スパイク８０が通過した際の図４の位置から図５の位置までスカート壁７２を外側に対して柔軟性を有するように構成するために、スパイク８０の径よりも小さくされる。この柔軟性により、スカート７０、従ってスカート７０のリブ７４が、スカート７０とスパイク８０との間の緊密なシールを与えるように、スパイク８０の外側表面８６に対して内向きの圧縮力を加える。
【００２４】
本発明により意図されている閉成用インサートは、例えば射出成形により予め製造され、かつ意図している最終的な使用方法に応じた様々な形状を有するように構成され得る。単一の部品としてのインサートと、サブアセンブリーとが意図される。しかしながら、いずれの場合においても、上記閉成用インサートには、凹状の貫通膜を有するボスが備えられることになる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による閉成用インサートを組み込んだハーメチックシールされた容器の上部の拡大部分切欠斜視図。
【図２】本発明の閉成用インサートを有する、図１の容器の上部の拡大された、部分切欠垂直方向断面図。
【図３】本発明の閉成用インサートの拡大斜視図。
【図４】排液用スパイクが貫通位置にある、図３の閉成用インサートの拡大された、垂直方向断面図。
【図５】排液用スパイクが膜を貫通した後であって、容器内に安定化されている状態を示す、拡大された、垂直方向断面図。
【符号の説明】
１０…容器
１６…上部
１８…首部
２０…喉部
２２…ソケット
２４…閉成用インサート
２６…閉成被覆部
２８…ウェブ
３０，３２…羽
３４…ベース
３６…外側周縁面
３７…内面
３９…内部空間
４０…肩部
４２…ウェブ部分
４４…壁
４６…中空ボス
４８…周縁
５０…内面
５２…流路
５６…貫通可能な膜
５８…壁部分
６０…上部周縁
６２…壁部分
６４…内側周縁
６６…円錐状空間
７０…スカート部
７２…環状周壁
７４…シールバンド
７６…下方周縁部分
７８…下方スカート開口
８０…排液用スパイク
８２…先端
Claims (10)
- ハーメチックシールされた容器のための閉成用インサートであって、内部空間を規定している内面を有する中空のベースと、前記ベースから径方向内側に延びる上部壁と、前記上部壁の内縁から上方に延びておりかつ凹状の貫通可能な膜が備えられている中空ボスと、前記内部空間内に前記上部壁から下方に向かって延びており、全長に渡って前記内面から隔てられており、周縁シールバンドで終了している内部スカート部分とを備え、
前記貫通可能な膜が、前記シールバンドから隔てられており、前記シールバンドが、前記膜を貫通している排液用スパイクの周りをシールするように構成されている、ハーメチックシール容器用閉成インサート。 - 前記貫通可能な膜が円錐形状のソケットを形成している、請求項１に記載の閉成用インサート。
- 貫通された際に前記ソケットを形成している膜が前記排液用スパイクを取り囲んでいる、請求項２に記載の閉成用インサート。
- 前記膜が、熱可塑性材料からなり、かつ前記閉成用インサートと一体化されている、請求項１に記載の閉成用インサート。
- 前記内部スカート部が、前記膜を貫通する排液用スパイクと接触した関係にあるときに、外側に対して柔軟性を有するように構成されている、請求項１に記載の閉成用インサート。
- 前記膜の径が、前記スカート部の径よりも小さい、請求項１に記載の閉成用インサート。
- 前記シールバンドが、前記スカートから径方向内側に延びているシールビードである、請求項１に記載の閉成用インサート。
- ハーメチックシールされた容器のための閉成用インサートであって、内部空間を規定している内面を有する中空のベースと、前記ベースから径方向内側に延びている上部壁と、凹状の貫通可能な膜が備えられた中空ボスと、前記内部空間に向かって前記上部壁から下方に延びており、全長に渡り前記内面から隔てられておりさらに前記膜を貫通する排液用スパイクをシールするように取り囲むように構成された周縁シールバンド内において終了している、内部スカート部分とを備え、前記内部スカート部分が、前記膜を貫通している排液用スパイクと接触した関係にあるときに、前記ベースの内面に向かうように外側に向かって柔軟性を有するように構成されている、ハーメチックシール容器用の閉成インサート。
- 容器にシールを与える閉成インサートが備えられたハーメチックシール容器であって、
前記インサートが、
内部空間を規定している内面を有する中空のベースと、前記ベースから径方向内側に延びている上部壁と、凹状の貫通可能な膜が設けられた中空ボスと、前記内部空間に向かって前記上部壁から下方に延びており、全長に渡り前記内面から離されており、さらに周縁シールバンドで終了しており、内側に垂れ下がっている内部スカート部分とを備え、
前記貫通可能な膜が、前記シールバンドから隔てられており、かつ前記シールバンドが、前記膜を貫通している排液用スパイクをシールしつつ取り囲むように構成されている、ハーメチックシール容器。 - 前記シールバンドが、前記スカート部分から径方向内側に延びているシールビードである、請求項９に記載の容器。
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