JP4159614B2 - 保持手段のある支持枠組立体を有するカラーｃｒｔ - Google Patents

Description

本発明は支持枠組立体に取付けられたテンションマスクを有するカラー画像管（ＣＰＴ）及びカラーディスプレイ管（ＣＤＴ）のようなカラー陰極線管（ＣＲＴ）に関し、より詳細には保持手段を設けた可撓性支持枠に取付けられたテンションマスクを有する支持枠組立体のあるＣＲＴに関する。
発明の背景
カラー陰極線管（ＣＲＴ）は三つの電子ビームを発生させ、ＣＲＴのスクリーンへ導く電子銃を具備している。スクリーンはＣＲＴの円筒形フェースプレートの内部面に配設されており、異なる三色を発光する発光体要素の配列から構成される。テンションマスクのような孔のあるマスクは電子銃とスクリーンの間に介在し、各電子ビームがそのビームと関連した蛍光体要素のみに当たることを可能にする。テンションマスクは鋼のような金属の薄板であり、ＣＲＴの円筒形フェースプレートの内面に若干平行な輪郭を有する。一般には、テンションマスクは、比較的大きな支持枠に取付けられたワイヤの平行ストランドを有し、支持枠はストランドのテンションを維持する。他のタイプのＣＲＴには、相互に垂直であり、通常絶縁層により分離されている二組の導電性ストランドを含むテンションフォーカスマスクがある。
ＣＲＴのいずれかのタイプでも、テンションマスクのストランドは支持枠に取付けられ、しかもＣＲＴの作動中にはテンションを維持する必要がある。先行の支持枠の欠点は、フェースプレートパネルがＣＲＴのファンネルに密閉されている熱処理サイクル中に、約４４０〜４６０℃の範囲にある密閉温度により、永久伸長つまりマスクストランドの“クリープ”を引き起こし、正常にＣＲＴが作動している間にストランドのテンションを低下させることにある。作動中の高いストランドテンションは、良好なマイクロフォン性能には望ましく、正常作動中の電子ビームによる加熱に起因するストランドの熱膨張を吸収する。一般には、正常作動中の加熱により、約６５度以下にテンションマスクの温度が上昇する。
Noskerらへの１９９７年１月１４日に発行された米国特許第５、５９４、３００号には、テンションマスクと可撓性支持枠組立体を有するＣＲＴが開示されている。支持枠部材には、ＣＲＴの大きい軸に平行である二つの部分と小さい軸に平行である二つの部分がある。大きい軸に平行である各部分は、剛体部分と剛体部分から片持ちされた可撓性部分とを具備する。片持ち部分はマスクストランドのテンションを維持する。この種の構造はより大きな枠構造に対して改良されており、枠組立体の重量及びコストを軽減させるが、円筒形フェースプレートを有するＣＲＴタイプでは更なる改良が必要であり、ＣＲＴ処理及び作動の全段階での枠組立体の性能を改良する必要がある。
発明の要約
本発明によれば、ＣＲＴはテンションマスクと改良支持枠組立体を有する。支持枠組立体は矩形であり、組立体の中央の大きい軸に平行である二つの長い側面と、組立体の中央の小さい軸に平行である二つの短い側面を有する。マスクは実質的には円筒形の輪郭を有し、一つの軸に沿って曲がっている。支持枠組立体は、大きな軸に平行である二つの第一の部材と、第一の部材の端に取付けられ、小さい軸に平行である二つの第二の部材とを有する。各第一の部材は、剛体部分とその剛体部分から片持ちされた可撓性部分とを有する。各可撓性部分は遠位端と近位端とを有する。マスクは可撓性部分の遠位端間に取付けられる。高温度に晒され、高温度以下の温度でマスクのテンションが復元するときに、マスクを保持する部分を設けた第一の部材の少なくとも一つの可撓性部分により、改良がなされる。
図面の説明
図１は、本発明の実施態様のＣＲＴの部分軸方向断面図である。
図２は、テンションフォーカスマスクと支持枠組立体の斜視図である。
図３は、本発明によるテンションマスクと支持枠組立体の第一の実施例の部分斜視図である。
図４は、図３の支持枠組立体の可撓性部分の斜視図である。
図５は、本発明によるテンションマスクと支持枠組立体の第二の実施例の部分斜視図である。
図６は、図５の支持枠組立体の可撓性部分の斜視図である。
好ましい実施例の詳細な説明
図１は、矩形のフェースプレートパネル１２と、矩形のファンネル１５により接続した管状ネック１４とを具備するガラスエンベロープ１１を有するＣＲＴ１０を示す。ファンネルには、アノードボタン１６からネック１４へ伸長する内部導電性塗膜（図示せず）がある。パネル１２は、実質的に円筒形である観察フェースプレート１８と、ガラスフリット１７によりファンネル１５へ密閉された周辺フリンジつまり側壁２０とを具備する。三色蛍光体スクリーン２２はフェースプレート１８の内部面に有する。スクリーン２２は、トライアド（triad）に配置された蛍光体ラインのあるラインスクリーンであり、各トライアドは各三色の蛍光体ラインを含む。実質的に円筒形である多孔色選択電極つまりテンションマスク２４は、スクリーン２２に関して所定の間隔で脱着可能に取付けられる。色選択電極つまりテンションマスク２４は、テンションマスク又はテンションフォーカスマスクのいずれかである。図１において点線で模式的に示す電子銃２６は、ネック１４内の中央に配設され、三つのインラインビーム（図示せず）を発生させて、マスク２４を介して収束経路に沿ってビームをスクリーン２２へ導く。
ＣＲＴ１０は、ファンネル-ネック接合の近くに図示してあるように、ヨーク３０のような外部磁気偏向ヨークを利用するように設計されている。作動状態では、ヨーク３０は三つのビームに磁界を与え、ビームをスクリーン２２上の矩形ラスターに水平及び垂直に走査させる。
図２のテンションフォーカスマスク２４として示すテンションマスクは、複数の金属ストランド３２と金属ストランドから絶縁されたクロスワイヤ３４を有する。支持枠組立体３５は実質的には矩形であり、大きい軸に平行な第一の部材３６及び３８を有する二つの長い側面と、第一の部材の端に取付けられ、小さい軸に平行である第二の部材４０及び４２を有する二つの短い側面とを有する。テンションフォーカスマスク２４は実質的に円筒形の輪郭を有し、大きい軸に沿って曲がっており、小さい軸に沿って真っ直ぐである。図３に示すように、第一の部材３６は剛体部分５０と、遠位端５４及び近位端５６のある可撓性部分５２を有する。近位端５６は剛体部分５０に固着しており、遠位端５４は剛体部分から片持ちされる。図示してないが、同一の構造は対向する第一の部材３８にもある。マスク３４のストランド３２は、可撓性部分５２の遠位端５４間に取付けられ、図３にはその一つのみを示す。今まで説明したように、テンションマスク２４及び支持枠組立体３５は、前記引用された米国特許第５、５９４、３００号に開示された構造と同じである。
本発明の第一の実施例は、本発明の可撓性部分５２には、フェースプレートパネル１２のファンネル１５へのフリット密閉の間、マスク２４のストランド３２を保持する手段が設けてあるという点で、米国特許第５、５９４、３００号とは異なる。図３及び図４に示す本発明の第一の実施例では、可撓性部分５２はバイメタル部分５８と合金部分６０とを有する。可撓性部材５２のバイメタル部分５８は、第一の部材３６のような第一の部材の少なくとも一つの剛体部分５０に取付けられる。あるいは、各可撓性部材５２はバイメタル部分５８を有する。バイメタル部分５８は低膨張の第二の金属層６４と向かい合わせの関係で接合した高膨張の第一の金属層６２を具備する。フリット密閉の間に温度が増加するにつれて、最終的には約４４０〜４６０℃の範囲内の密閉温度に達すると、第一の金属層６２の高膨張により、可撓性部分５２は図３の矢印の方向内側に曲がり、テンションフォーカスマスク２４のストランド３２のテンションを緩和する。
６８ｃｍの対角線を有するＣＲＴ１０での第一の好ましい実施例において、可撓性部分５２のバイメタル部分５８は、約５１．９１ｃｍの長さＡと、約１．９１ｃｍの高さＢを有する。バイメタルは、ノースキャロライナ州ライズビル（Reidsville）にあるチェースプレシジョンメタル社（Chase Precision Metals, Inc.）からのタイプ２５００として市販されている。可撓性部分５２の合金部分６０は、１００８鋼製であり、外縁で約２．９２ｃｍの高さＣを有する。可撓性部分５２の中心では、全体の高さＤは約７．３９ｃｍである。合金部分６０の遠位端５４は、１３０ｃｍの曲率半径を有する。
図５及び図６に示す本発明の第二の実施例において、少なくとも一つの可撓性部分１５２は、バイメタル部分１５８と、第一の合金部分１６０と、第二の合金部分１６１とを有する。バイメタル部分１５８は第一のと第二の合金部分の間に配し、それらに取付けられる。各可撓性部分１５２の近位端は第一の部材１３６、１３８の剛体部分１５０に取付けられる。しかしながら、第一の部材１３６のみを図５に示す。あるいは、各可撓性部分１５２はバイメタル部分１５８を有する。バイメタル部分１５８は、低膨張の第二の金属層１６４と向かい合って接合する高膨張の第一の金属層１６２を有する。フリット密閉の間に、温度が約４４０〜４６０℃の範囲内の密閉温度に増加するにつれて、第一の金属層１６２の高膨張により、可撓性部分１５２は図５の矢印の方向内側に曲がり、可撓性部分の遠位端１５４間に取付けられたテンションフォーカスマスク２４のストランドのテンションを緩和させる。第二の好ましい実施例において、可撓性部分１５２は約５１．９２ｃｍの長さＥと、約２．９２ｃｍの全体の高さＦを有する。第一の合金部分１６０は可撓性部分１５２と等しい長さと、約０．５８ｃｍの外端での高さを有する。合金部分１６０の中心での高さＨは、約３．１５ｃｍである。さらに、第二の合金部分１６１は、可撓性部分１５２と等しい長さと、約１．０９ｃｍの高さＩを有する。さらに、バイメタル部分１５８はタイプ２５００バイメタル製であり、チェースプレシジョンメタル社から市販されている。バイメタル１５８は可撓性部分１５２と等しい長さと、約３．１５ｃｍの高さＪを有する。
表１は、本発明の第一及び第二の実施例での、２３℃の室温におけるマスクのさまざまな部分内のマスクストランド３２のテンションを掲載する。表１及び表２の双方とも、位置ａはマスクの中心から外に向かって測定された。表２は、本発明の第一及び第二の実施例での、４２５℃の高温でのさまざまな位置のマスクストランドのテンションを掲載する。表に掲げる位置ａ〜ｉは図２に示す。

Claims (6)

1. 実質的に矩形のテンションマスクと、支持枠組立体とを有し、該支持枠組立体は、その中央の大きい軸と平行である２つの長い側面と、その中央の小さい軸と平行である２つの短い側面とを有し、前記テンションマスクは、複数のストランドを含み、実質的に円筒形である輪郭を有し、前記大きい軸に沿って曲がっており、前記小さい軸に沿って真っ直ぐであり、前記支持枠組立体は、前記大きい軸と平行である２つの第一部材と、該第一部材の端部に取り付けられ、前記小さい軸と平行である２つの第二部材とを含み、前記第一部材のそれぞれは、剛体部分と、遠位端及び近位端を含む可撓性部分とを有し、前記近位端は、前記剛体部分から片持ちされており、前記テンションマスクは、前記可撓性部分の各遠位端に取り付けられるカラー陰極線管であって、
   前記可撓性部分の少なくとも１つは、合金部分と、４２５℃である高温度に晒されるときに、前記テンションマスクの前記ストランドのテンションを緩和し、前記高温度以下の温度で、前記テンションマスクの前記ストランドのテンションを復元するバイメタル部分とを含み、前記可撓性部分の前記バイメタル部分は、向き合って取り付けられるバイメタルであることを特徴とする、
   カラー陰極線管。
2. 前記可撓性部分の前記合金部分の高さは、その中心から端部に亘って変化し、前記バイメタル部分は、実質的に一定の長さ及び高さであることを特徴とする、請求項１に記載のカラー陰極線管。
3. 前記可撓性部分の少なくとも１つは、第一合金部分と、前記バイメタル部分に取り付けられる第二合金部分とを含むことを特徴とする、請求項２に記載のカラー陰極線管。
4. 前記第一合金部分は、その中央から端部にかけて高さが変化し、前記第二合金部分は、実質的に一定に長さ及ぴ高さであり、前記第一部材の前記剛体部分に取り付けられ、前記バイメタル部分は、実質的に一定の長さ及び高さであり、前記第一合金部分と前記第二合金部分の間に配されることを特徴とする、請求項５に記載のカラー陰極線管。
5. 前記テンションマスクは、前記ストランドに実質的に対して垂直であり、ストランドから絶縁される複数のクロスワイヤを有するフォーカスマスクであることを特徴とする、請求項１に記載のカラー陰極線管。
6. 前記高温度以下の前記温度は、２３〜６５℃の範囲内にあることを特徴とする、請求項１に記載のカラー陰極線管。

Images