JP4159322B2 - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性塗料組成物に関し、更に詳しくは、一時的なマーキング及び塗布後の経過時間把握のために利用することができ、且つ塗布後一定期間経過後に塗膜を消失させることが可能な水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、一時的なマーキング目的のための手法として、屋内にあっては、チョークと黒板と黒板ふき、あるいはマーカーペンと白板と拭き取り具をセットにして用いることが広く知られている。しかしながら、いずれも手法も特定の拭き取り具をあらかじめ準備する必要がある。
【0003】
一方、屋外における一時的なマーキング目的のための手法としては、チョーク、石墨、刷毛ぬりペンキ、エアゾルスプレー等を用いて、任意のマーキング対象物に対しマーキングすることが知られている。しかし、一時的なマーキング目的を達した後、マーキングを除去する等の手段は採られてなく、そのまま放置されてきているのは周知の通りである。
【0004】
一時的なマーキングは、情報を一定期間保持するために行われ、一定期間経過後には不要となる以上、マーキングされる被塗物を損なうことなく、また、必要期間経過後には、被塗物は元どおりに復元されてしかるべきである。しかしながら、特に、屋外における一時的なマーキングを見る限り、上述の通り、必要期間経過後もマーキングは放置されたままであり、復元されないがために、いたずらに被塗物の美観と環境を損ねているというのが実状である。
【0005】
そして、上記現状は、マーキング後の被塗物をマーキング前の状態へ戻す便利な技術手段がないこと、煩わしさのためにマーキング前の状態へ積極的に復元させることを放棄していること、何時マーキングされたかについて技術的に追跡調査できないこと等に起因していると考えられる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、一時的なマーキングに関し、適当な技術的手段がないがために生じている問題を解決し、現在のこうした悪循環を断ち切るための技術について検討を行い、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、炭酸カルシウムを90重量%以上含む少なくとも1種の無機顔料、少なくとも1種の水溶性セルロース、アンモニア水、pH=5.0〜8.0に変色範囲を有する少なくとも1種のpH指示薬、及び水を含む水性塗料組成物であって、無機顔料、水溶性セルロース、及びpH指示薬の割合が、水性塗料組成物の総重量に対して、それぞれ、45〜55重量%、0.2〜1.0重量%、及び0.01〜0.1重量%であり、水性塗料組成物におけるアンモニアNH3濃度が0.028〜0.224重量%である、前記水性塗料組成物に関する。
【0008】
また、本発明は、上記水性塗料組成物を塗布することで得られる経時変色塗膜に関し、また、上記水性塗料組成物を被塗物に塗布することからなる経時変色塗膜の形成方法に関する。
【0009】
このように、本発明は、塗膜とした際に、一時的なマーキングが可能であると共に、塗布後の経過時間を把握することもできる水性塗料組成物を提供するものである。また、本発明の水性塗料組成物は、塗布後必要期間経過後に塗膜を消失させることが可能である。
【0010】
本発明の水性塗料組成物は、上記した特定の成分を特定量含む塗料組成物であるが、主として以下の技術的着想に基づき完成に到っている。
(1)塗膜の乾燥過程は、塗料組成物中の揮発成分が大気中へ経時飛散する過程であり、この乾燥過程を時間因子として利用する;
(2)塗料組成物中の中和剤が経時揮発することにより生じる塗膜のpH変化を、pH指示薬と組み合わせることで検知し、乾燥過程における塗膜の経時変化を塗膜の変色により示す;
(3)原料として水及び天然に存在する物質を用い塗料組成物とすることで、水洗又は自然分解により塗膜の除去を可能とし、環境に対する影響を低減する。
【0011】
なお、pH指示薬がpHに対して変色域を持ち、該指示薬の存在する系のpHが変わることでpH指示薬に変色が生じることは万人の認めるところである。しかし、このpH指示薬の変色機構を、一時的なマーキングを目的とする塗料組成物や塗膜に応用し、本発明のようにpH指示薬を水性塗料組成物に経時変色機能を与える手段として利用し、塗膜の塗布時間計測に活用することは、これまでのところ行われていない。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記したように、本発明の水性塗料組成物は、無機顔料、水溶性セルロース、アンモニア水、pH指示薬及び水を必須成分として含む。まず、本発明の水性塗料組成物に用いられる各成分について、以下に具体的に説明する。
【0013】
本発明の水性塗料組成物においては、必須成分として、少なくとも1種の無機顔料が配合されており、また、無機顔料として炭酸カルシウムを含んでいることが必要である。ここで、(イ)炭酸カルシウムが塗料の色彩ベースとなる白色を確保していること、(ロ)炭酸カルシウムは、炭酸ガスを吸収し水に溶けた場合には、弱アルカリ性を示すので、塗膜の乾燥過程においてpHの時間変化を緩やかにする微妙な役割を有していること、(ハ)炭酸カルシウムは、自然界に存在する石灰石、貝殻そのものであり、洗い流しても自然に戻るだけであること等の理由により、炭酸カルシウムの量は、無機顔料の総重量に対して90重量%以上であることが好ましく、より好ましくは94重量%以上、最も好ましくは100重量%である。また、無機顔料はpH指示薬の担体の役割を果たしており、また、水性塗料組成物の塗装性を支配することから、無機顔料の量は、水性塗料組成物の総重量に対して45〜55重量%とすることが好ましく、より好ましくは47〜54重量%、最も好ましくは48〜52重量%である。45重量%未満では、マーキング時に塗膜が流れて崩れ易くなると共に、塗膜の乾燥が遅くなり、一方55重量%より多くなると、平滑な塗装面を得にくく、マーキング表示に不都合を生じる。
【0014】
2種以上の無機顔料を用いる場合、炭酸カルシウムと組み合わせて使用する無機顔料としては、天然に存在する無色の顔料が好ましい。例えば、シリカ、タルク、バライタ、クレイ、マイカ、ベントナイト等が使用できる。これらの中でも、透明顔料であり、pHに対する影響が少なく、粘度調節機能を有しているという点から、シリカを用いることが好ましい。
【0015】
なお、塗膜の基調となる色を有色にしたい場合には、無機顔料として着色顔料を用いれば良い。
【0016】
本発明で用いられる水溶性セルロースとは、天然のセルロースから変性され塗料用のバインダーに使用され得る、水に可溶なセルロースを指し、本発明においては、これらの中の少なくとも1種を使用すればよい。ただし、バインダーとして使用する以上、水に対する溶解性が大きく加水分解し易いこと、及び少量でもバインダーとして機能すること等の条件を満たすことが望ましく、水溶性セルロースとして水溶性セルロース誘導体を用いることが好ましい。ここで、水溶性セルロース誘導体としては、セルロースの水酸基をエステル化した水溶性セルロースエステル、又はセルロースの水酸基をエーテル化した水溶性セルロースエーテル等が挙げられる。これらの中でも、本発明においては、塗膜が分解して自然に戻る際の影響を小さくするため、特に水に対する溶解性が大きい、セルロースの水酸基をメチル基又はエチル基でアルコキシ化した水溶性セルロースエーテルを用いることが好ましい。また、これらの誘導体は、2000〜20000の分子量とすることが好ましい。なお、水溶性セルロース誘導体の分子量は、調製された塗料組成物の粘度を支配するので、塗料粘度の使用範囲である100〜10000mPa・sを目安に選択すればよい。
【0017】
水溶性セルロースの量は、塗料粘度及び塗膜の分解性についての制約もあるため、水性塗料組成物の総重量に対して0.2〜1重量%とすることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.9重量%、最も好ましくは0.3〜0.8重量%である。
【0018】
ここで、水溶性セルロースの代わりに、水溶性アクリル樹脂などの合成樹脂を使用しても支障はない。しかしながら、水洗等の後処理において塗膜を除去し難いなどの問題があるため、本発明において、水溶性アクリル樹脂などの合成樹脂を使用することは好ましくはない。
【0019】
本発明で用いられるアンモニア水の濃度については、特に制限はない。ただし、アンモニアは、本発明の水性塗料組成物において中和剤として機能しており、塗装面からアンモニア成分が経時的に揮発していくことによって塗膜のpHが変動し、塗膜の色が変化するため、水性塗料組成物におけるアンモニア成分の量は重要となる。本発明においては、水性塗料組成物におけるアンモニアNH3濃度を0.028〜0.224重量%の範囲とする必要がある。本発明の水性塗料組成物は上記変色原理によるので、使用するアンモニアの量を多くした(アンモニアの揮発に時間がかかる)場合には、塗膜が変色するまでの時間間隔が長くなり、逆に、アンモニア量を少なくすると、塗膜が変色するまでの時間間隔が短くなる。したがって、使用目的に応じて、アンモニアの使用量を上記範囲内で適宜調節すればよい。例えば、28重量%のアンモニア水を用いる場合には、水性塗料組成物の総重量に対して0.1〜0.8重量%の範囲で使用することができる。
【0020】
本発明においては、pH=5.0〜8.0に変色範囲を有するものであれば、何れのpH指示薬を用いてもよい。本発明の水性塗料組成物からなる塗膜の乾燥が経時的に進みアンモニアが揮発すると、塗膜のpHは、アンモニアに由来する初期のpH=10〜12から徐々に低下し、完全に乾燥すると、炭酸カルシウム由来のpH、即ち、中性付近のpH=6〜7となる。このように、塗膜のpHはアルカリ性→中性・酸性に変化するので、中性付近のpH=5.0〜8.0でアルカリ色から酸性色に変化するpH指示薬を選択すれば、塗膜の乾燥が進むにつれ、アルカリ色→酸性色→乾燥色(乾燥塗膜の色)と経時的に塗膜の色を経時的に変化させることが可能となる。なお、pH<5.0に変色域を持つpH指示薬では塗膜の乾燥過程での色の変化は観測されないし、逆に、pH>8.0に変色域を持つpH指示薬では、塗装後の経過時間を塗膜の多段階変色により詳細に把握することはできなくなる。
【0021】
pH指示薬として、具体的には、メチルレッド、ブロムクレゾールパープル、ブロムチモールブルー、ニュートラルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド、チモールブルー、クレゾールフタレイン、フェノールフタレイン、アリザリンエロー、アルカリブルーを単独で又は組み合わせて使用できる。これらの中でも、簡素で目立つ変化を示す色変化が有効であることから、ブロムチモールブルーを用いることが好ましい。
【0022】
また、pH指示薬の量については、水性塗料組成物の性質に応じて決めればよいが、炭酸カルシウムがpH指示薬(粉末)の担体となるので、使用する炭酸カルシウム(無機顔料)の粒度によって、pH指示薬の最適使用量が変化する。この点から、pH指示薬の量は、水性塗料組成物の総重量に対して0.01〜0.1重量%とすることが好ましい。なお、本発明の水性塗料組成物においては、粗い粒度の塗料組成物の場合にはpH指示薬を多めに使用し、細かい粒度の塗料組成物の場合には、pH指示薬を少なめに使用すればよい。
【0023】
本発明の水性塗料組成物は、上記した成分に加えて、残部の水を含んでいる。すなわち、本発明においては、上記成分に、バランス量の水を配合することにより、水性塗料組成物としている。
【0024】
また、本発明の水性塗料組成物においては、上記各成分を攪拌し塗料組成物とする際に発生する泡を抑えるため、少なくとも1種の消泡剤を配合することが望ましい。消泡剤の量は、水性塗料組成物の総重量に対して0.05〜0.5重量%とすることが好ましい。最適使用量は、水性塗料組成物と消泡剤との相性に支配されるので、上記範囲内でその都度選択すればよい。消泡剤の種類に関しては特に制約はないが、シリコン系のものが好ましい。
【0025】
続いて、本発明の水性塗料組成物を製造する方法について説明する。なお、以下に示す方法は、本発明の水性塗料組成物を製造するための一具体例に過ぎず、この方法以外の方法により製造することも可能である。
【0026】
まず、目的とする水性塗料組成物の重量の10重量%に相当する水を加熱して、70〜100℃の温水にしたものに、水溶性セルロースの全量を加え、1〜5分攪拌分散する。次に、水溶性セルロースは低温で溶解した方が溶けやすいため、目的とする水性塗料組成物の重量の20重量%に相当する30℃以下の水を加え、希釈冷却した後、5〜15分攪拌溶解させる。次いで、炭酸カルシウムを加え20〜30分攪拌し、攪拌しながら残りの水を30℃以下の水として加える。そして更に、pH指示薬、消泡剤、アンモニア水の順で添加し、10〜30分攪拌する。
【0027】
本発明の水性塗料組成物の被塗物への塗布(マーキング)方法については、特に制限はなく、従来公知の方法に従えば良い。マーキングの手法としては、通常のインキ・塗料の印刷又は塗装方法を任意に使用できる。当然のことながら、これらの手法を適用する際には、塗料組成物を最適粘度に調整する必要があるが、インキ・塗料における通常の調整法に準じて、塗料組成物組成の変更、希釈等を行えば良い。例えば、本発明の水性塗料組成物を300〜400mPa・secの粘度にし、刷毛塗り用の刷毛で所望のマーク(文字等)に塗装する。塗膜の厚さに関しても特に制限はなく、また、インキ・塗料分野における通常の手法にしたがって、重ね塗り等を行うことも可能である。本発明の塗料組成物は、塗布するまで初期の色を保持しておく必要があり、アンモニアや水の揮発・飛散等を防ぐことが重要である。したがって、本発明の塗料組成物を保存する際には、密閉容器等で保存することが望ましい。
【0028】
被塗物の種類についても特に制限はない。本発明の塗料組成物を塗布することによって被塗物が著しく損傷を受けるような材質のものでなければ、形状・表面状態の如何にかかわらず塗布できる。
【0029】
本発明の水性塗料組成物により形成される塗膜は、水洗によって除去することができ、また、自然分解によって一定期間経過後に消滅するものである。すなわち、塗膜を除去したい時には水で洗い落せるし、屋外であればそのまま放置することで風化によって一定期間後に自然に消し落される。このように、本発明の水性塗料組成物は、一時的なマーキング目的に好適なものである。特に、本発明の水性塗料組成物を用いて被塗物にマーキングした場合、洗浄等といった被塗物をマーキング前の状態へ積極的に復元させる手段を採らなくても、一定期間後に自然消滅するため、一時的マーキング用塗料として非常に適している。なお、塗膜が屋外放置により自然消滅するまでの所要時間は、通常の自然環境であれば3ヶ月程度であるが、経時変色による時間計測の目的を達した後も、さらにこのマーキング(情報等)を保存したい場合には、マーキングを覆うといった自然暴露を阻害する手段を採ればよい。
【0030】
ここで、本発明の水性塗料組成物を用いた塗膜が自然消滅するという特性は、該塗料組成物の塗料組成に依存している。すなわち、本発明の水性塗料組成物においては、炭酸ガス存在化で水に可溶となる炭酸カルシウムを主成分とし、且つ、該主成分のバインダーとして、水に可溶な樹脂である水溶性セルロースを必要最小限の量用いることで、上記特性が達成されている。
【0031】
また、本発明の水性塗料組成物を塗布することで得られる塗膜は経時変色塗膜であり、塗膜形成後、塗膜の色が経時的に変化する。これにより、塗料を塗布(マーキング)してからどのくらいの時間が経過したのかを把握することができる。したがって、マーキングの際に、時間を記録しなくても、マーキング後の時間経過を瞬時且つ容易に知ることが可能となる。
【0032】
かかる塗膜の色の経時変化は、上記したように、塗料組成物中の成分が経時飛散することで、塗膜のpHが経時的に変化するという知見に基づいている。すなわち、本発明の塗料組成物の色及びその色の変色過程の設計は、塗膜の乾燥過程におけるアンモニア成分の揮発減少で引き起こされる塗膜のpH変化に呼応して、pH指示薬が変色することに基づいている。したがって、塗膜の初期の色及び変化していく色の種類はpH指示薬によって決まり、経過時間の各段階で示される色の持続時間はアンモニア成分の揮発速度で決まることになる。故に、時間と共に段階的に塗膜の色を変化させるためには、pH指示薬を単独若しくは複数組み合わせて用いることが有効であるが、本発明のアンモニア成分の揮発を引き金にする塗膜の変色手法では、全てのpH指示薬が使用できる訳ではなく、pH=5.0〜8.0の範囲で変色する上記特定のpH指示薬に限られる。
【0033】
具体的には、本発明の水性塗料組成物から得られる経時変色塗膜では、塗布直後から30分までの間、又は塗布直後から1時間以内の間で経時的に3〜5回変色させることが可能となる。
【0034】
以上述べたように、本発明の水性塗料組成物は、一時的なマーキング及び塗布後の経過時間把握のために利用することができ、且つ塗布後一定期間経過後に塗膜を消失させることが可能である。したがって、本発明の水性塗料組成物は、アスファルト又はコンクリート舗装上になされる一時的な標識、壁や橋梁等の屋外構築物の修理位置を表示するためのマーク、天日暴露物体又は屋外放置物体の暴露・放置時間の簡易計測のためのマーク等に好適に用いられる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
2000mlのビーカーに水道水100重量部を入れ70℃に加熱した。ここに、水溶性セルロースエーテル(信越化学工業(株)、メトローズ65SH−4000)3重量部を静かに加え、均一になるように10分間攪拌した。次に、水道水200重量部を加えて冷却し、10分間攪拌することで、水溶性セルロースを水に完全に溶解させた。得られた溶液に炭酸カルシウム(白石工業(株)、ホワイトンH)500重量部を加え、20〜30分間攪拌を続け、炭酸カルシウムを分散させた。得られた白色分散液に、更に水道水200重量部を加え希釈し、更に、pH指示薬としてブロムチモールブルー(粉末)0.2重量部、消泡剤(コグニスジャパン(株)、デヒドラン1513)1重量部、28重量%アンモニア水1重量部を添加し、20分間攪拌して、水性塗料組成物(1)を得た。なお、得られた塗料組成物における仕込原料の総量は1005.2重量部であり、得られた塗料組成物の粘度を、B型粘度計により測定したところ、350mPa・secであった。
【0037】
この塗料組成物(1)を用いて、アスファルト道路、コンクリート壁、コンクリート道路、木板、タイヤ、鉄製門扉に、それぞれ、屋外において、降雨時を避けながら、塗料用刷毛で文字をマーキングし、マーキング後の塗膜(文字)の色の経時変化を観測した。その結果、約10分ごとに青色→緑色→淡黄色→白色の変化が観測された。その後、該塗膜を水洗除去するまでは、塗膜は白色のままであった。また、この塗膜は、屋外に放置すれば約3ヶ月で消失することも確認した。
【0038】
(実施例2)
実施例1における水溶性セルロースエーテル(信越化学工業(株)、メトローズ65SH−4000)3重量部の代わりに、水溶性セルロースエーテル(信越化学工業(株)、メトローズ65SH−4000)3重量部及び水溶性セルロースエーテル(信越化学工業(株)、メトローズ65SH−15000)5重量部からなる2種類の水溶性セルロースエーテルを組み合わせて用いた以外は、実施例1と同様にして、水性塗料組成物(2)を得た。なお、得られた塗料組成物における仕込原料の総量は1010.2重量部であり、得られた塗料組成物の粘度を、B型粘度計により測定したところ、3000mPa・secであった。
【0039】
実施例1と同じ方法に従い、得られた塗料組成物(2)を用いて文字のマーキングを行い、マーキング後の塗膜(文字)の色の経時変化を観測した。観測の結果、実施例1の塗料組成物(1)を用いた場合と同様の結果であることが確認された。
【0040】
(実施例3)
実施例1における炭酸カルシウム(白石工業(株)、ホワイトンH)500重量部の代わりに、炭酸カルシウム(白石工業(株)、ホワイトンH)470重量部及びシリカ(冨士シリシア(株)、サイリシア435)30重量部からなる2種類の無機顔料を組み合わせて使用し、pH指示薬ブロムチモールブルー(粉末)0.2重量部の代わりに、pH指示薬ブロムチモールブルー(粉末)0.2重量部及びpH指示薬メチルレッド(粉末)0.2重量部からなる複合系のpH指示薬を使用し、更に、28重量%アンモニア水の量を1重量部から5重量部に増量した以外は、実施例1と同様にして、水性塗料組成物(3)を得た。なお、得られた塗料組成物における仕込原料の総量は1009.4重量部であり、得られた塗料組成物の粘度を、B型粘度計により測定したところ、400mPa・secであった。
【0041】
実施例1と同じ方法に従い、得られた塗料組成物(3)を用いて文字のマーキングを行い、マーキング後の塗膜(文字)の色の経時変化を観測した。観測の結果、塗膜の色の変化が青色→緑色→淡黄色→赤色→白色であったこと以外は、実施例1の塗料組成物(1)を用いた場合と同様の結果であった。

Claims (8)

  1. 炭酸カルシウムを90重量%以上含む少なくとも1種の無機顔料と、少なくとも1種の水溶性セルロースと、アンモニア水と、少なくとも1種のpH指示薬と、水とを含む、水性塗料組成物であって、
    前記無機顔料及び前記水溶性セルロースの割合が、水性塗料組成物の総重量に対して、それぞれ、45〜55重量%及び0.2〜1.0重量%である、水性塗料組成物。
  2. 屋外での一時的なマーキングに用いるための、請求項1に記載の水性塗料組成物。
  3. 形成される塗膜が屋外で3ヶ月以内に消失する、請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  4. 前記pH指示薬の割合が、水性塗料組成物の総重量に対して、0.01〜0.1重量%である、請求項1〜3の何れか1項に記載の水性塗料組成物。
  5. 記水性組成物中のNH3濃度が0.028〜0.224重量%である、請求項1〜4の何れか1項に記載の水性塗料組成物。
  6. 前記pH指示薬の少なくとも1種が、pH=5.0〜8.0に変色範囲を有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の水性塗料組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の水性塗料組成物を塗布することで得られる経時変色塗膜。
  8. 請求項1〜6の何れか1項に記載の水性塗料組成物を被塗物に塗布することからなる経時変色塗膜の形成方法。
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