JP4158300B2 - 3次元入力方法及び3次元入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体にスリット光を投射して物体を走査し、物体形状に応じたデータを得る3次元入力方法及び3次元入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触型の3次元入力装置は、接触型に比べて高速の計測が可能であることから、CGシステムやCADシステムへのデータ入力、身体計測、ロボットの視覚認識などに利用されている。
【0003】
物体を光学的に走査して形状情報を得る能動的計測方法としてスリット光投影法(光切断法ともいう)が知られている。一般に、スリット光投影法で用いられるスリット光のビームの断面は直線帯状である。走査中のある時点では物体の一部が照射され、撮像面には照射部分の起伏に応じて曲がった輝線が現れる。したがって、走査中に周期的に撮像面の各画素の輝度をサンプリングすることにより、物体形状を特定する一群のデータ(3次元入力データ)を得ることができる。
【0004】
従来においては、撮像面内の輝線の位置に基づいて、物体で反射して撮像面に入射したスリット光の入射角度を求め、その入射角度と当該スリット光の投射角度と基線長(投射の起点と受光基準点との距離)とから三角測量の手法で物体の位置を算出していた。つまり、スリット光の投射方向と受光方向とに基づいて位置演算が行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来においては、3次元入力データの精度がスリット光の投射角度制御の精度に依存し、このために十分に高い精度の3次元入力データが得られなかったり、精度を確保するために高価な部品を用いなければならなかったり、投光系の取付け姿勢の調整に手間がかかったりするという問題があった。精度の確保が難しい理由としては、投光系はスリット光を偏向する可動機構を有しており、その動作は温度、湿度などの使用環境の変化の影響を受け易いことが挙げられる。
【0006】
なお、パターン光投影を行うステレオ視測距装置においては、エピポーラ拘束された複数の画像の特徴点のマッチングによって複数の視点からみた物体位置の方位が求められ、それらの方位に基づいて三角測量の手法で物体位置が算出される。この3次元入力方法では、3次元入力データの精度がパターン光投射の精度には依存しないものの、マッチングの精度に依存する。受光デバイスの画素間の感度のばらつきもマッチングに影響する。
【0007】
本発明は、スリット光の投射角度情報を用いない3次元入力を実現し、投射角度制御の精度及び受光デバイスの画素間の感度のばらつきに係わらず高精度の3次元入力データを得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、本出願人が既に提案した3次元入力方法(特願平10−257870号)を適用し、検出光としてのスリット光で部分的に照らされた状態の物体を互いに離れた2点のそれぞれを視点として撮像し、視点間の距離と各視点からみた物体上の照射部分の方位(視点どうしを結ぶ直線に対する傾き)とから三角測量の手法で照射部分の位置を算出する。
【0009】
加えて、本発明においては、ビーム断面形状が異なり又は偏向方向(走査方向)に対する傾きが異なるといった、照射パターンの異なる2以上のスリット光を同時に又は時間的にずらして投射する。
【0010】
単一のスリット光のみで物体を走査する場合、2つの視点の撮像面について、スリット像の通過時刻が同一であって且つステレオ視におけるエピポーラ拘束条件を満たす画素どうしを対応点とする。通常、エピポーラ拘束条件はモデルを基に解析学的に求める。実際の装置とモデルとの違いは撮像系のキャリブレーションにより補正する。撮像系の光軸、イメージセンサの位置や姿勢に関する補正は可能である。しかし、レンズの歪曲収差やレンズ個体毎の歪み(加工や組み立て誤差に起因する)については補正できない。このため、3次元入力に誤差が生じる。
【0011】
これに対して、照射パターンの異なる複数のスリット光を投射して物体を走査する場合は、エピポーラ拘束条件下での対応点探索を行わなくてもよく、撮像系の位置ずれを補正してエピポーラ拘束条件を満たすために撮影像の平行化処理を行う必要もない。
【0012】
図1及び図2は本発明の原理説明図である。ここでは、互いに傾きの異なる直線帯状の第1及び第2のスリット光U1,U2を順に用いて、計2回の走査を行うものとする。
【0013】
図1(a)において、スリット光U1の長さ方向は水平方向であり、物体Qはスリット光U1を垂直方向に偏向することにより走査される。走査に同期してフレーム周期毎に物体Qが撮影される。各撮影時点において、垂直方向に並ぶ撮像面SA,SBには、物体Qにおける走査位置の起伏に応じたスリット像u1A,u1Bがそれぞれ結像する。また、図1(b)において、スリット光U2の長さ方向は垂直方向であり、物体Qはスリット光U2を水平方向に偏向することにより走査される。この走査においても、撮像面SA,SBには物体Qにおける走査位置の起伏に応じたスリット像u2A,u2Bがそれぞれ結像する。
【0014】
第1の走査中に撮像面SAの各画素をスリット像が通過した時刻を示す時間重心画像GA1を求め、同様に撮像面SBについても時間重心画像GB1を求める。また、第2の走査についても、各撮像面SA,SBに対応した時間重心画像GA2,GB2を求める。なお、本明細書において、時間重心画像とは、単純に各画素の受光量が最大となる時期を検出して得た輝度ピーク時刻画像を含み、重心演算で得られるものに限らない。
【0015】
図2のように、例えば第1の走査で得られた時間重心画像GA1のある画素g(ia列,ja行)に注目する。この画素gが物体Qの点Pに対応しているとする。画素gの輝度ピーク時刻を示す値がT1であるとすると、時間重心画像GB1における点Pに対応した画素の値もT1である。なぜなら、時間重心画像GA1,GB1は同時に撮影された情報に基づいているからである。注目画素gの対応点の候補は、時間重心画像GB1の画素のうちの値がT1の画素に絞られる。同様に、第2の走査で得られた時間重心画像GA2のia列ja行の画素gに注目する。画素gの輝度ピーク時刻を示す値がT2であるとすると、時間重心画像GB2における点Pに対応した画素の値もT2である。注目画素gの対応点の候補は、時間重心画像GB2の画素のうちの値がT2の画素に絞られる。
【0016】
したがって、時間重心画像GB1と時間重心画像GB2とで共通の候補(ib列jb行の画素g’)が、注目画素gの対応点となる。各画素についての受光角度はレンズ中心と画素位置との関係で一義的に定まるので、対応点が見つかれば三角測量の手法で点Pの位置を算出することができる。なお、対応点検出の精度をさらに向上させるために、3組以上の時間重心画像を使用してもよい。
【0017】
請求項1の発明の方法は、入力対象の物体に向かってそれを走査するように検出光を投射し、前記物体で反射した前記検出光である反射光を、互いに離れた第1及び第2の位置で同時に受光し、前記物体における複数の部位の位置関係を、各部位で反射した反射光についての前記第1及び第2の位置での受光角度と、前記第1及び第2の位置どうしの距離とに基づいて算出する3次元入力方法であって、前記検出光として、前記物体に対する照射パターンが互いに異なる複数のスリット光を投射し、前記複数のスリット光のそれぞれに対応した受光データに基づいて、前記各部位で反射した反射光についての前記第1及び第2の位置での受光角度を特定するものである。
【0018】
請求項2の発明の3次元入力方法は、前記複数のスリット光を同時に投射するものである。
請求項3の発明の3次元入力方法は、前記複数のスリット光を複数回に分けて投射するものである。
【0019】
請求項4の発明の装置は、入力対象の物体に向かってそれを走査するように検出光を投射する投光系と、前記物体で反射した前記検出光である反射光を、互いに離れた第1及び第2の位置で同時に受光する撮像系とを備え、前記物体における複数の部位のそれぞれで反射した反射光についての前記第1及び第2の位置での受光角度に応じた測定データを、前記複数の部位の位置情報として出力する3次元入力装置であって、前記投光系が、前記検出光として前記物体に対する照射パターンが互いに異なる複数のスリット光を投射し、前記複数のスリット光のそれぞれに対応した受光データに基づいて、前記各部位で反射した反射光についての前記第1及び第2の位置での受光角度を特定するものである。
【0020】
請求項5の発明の3次元入力装置において、前記検出光の投射の起点は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の位置である。
請求項6の発明の3次元入力装置において、前記検出光の投射の起点は、前記第1及び第2の位置の双方に対して等距離の位置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
図3は第1実施形態に係る3次元入力装置の機能ブロック図である。
3次元入力装置1は、スリット光Uを投射する投光系10、同一構成の2個の撮像系20A,20Bからなる受光系20、同一構成の2個の受光信号処理回路30A,30B、及びスリット光Uの傾きを切り換えるための回動機構34を有している。
【0022】
投光系10は、光源としての半導体レーザ12、ビーム整形のためのレンズ群13、及び投射角度を変更するビーム偏向手段としてのガルバノミラー14からなる。レンズ群13は、コリメータレンズとシリンドリカルレンズとで構成される。ガルバノミラー14には、投光制御回路32からD/A変換器33を介して偏向制御信号が与えられる。投光系10の全体又は一部が投光の起点(又はその付近)を中心に回動することにより、物体Qに対して照射パターンの異なるスリット光Uの投射が実現される。
【0023】
各撮像系20A,20Bは、受光レンズ21、ビームスプリッタ22、物体Qの形状を計測するためのイメージセンサ24、モニター用の2次元画像を得るためのカラーイメージセンサ25、及びズーミングとフォーカシングとを可能にするレンズ駆動機構26からなる。ビームスプリッタ22は、半導体レーザ12の発光波長域(例えば中心波長685nm)の光と可視光とを分離する。イメージセンサ24及びカラーイメージセンサ25はCCDエリアセンサである。イメージセンサ24及びカラーイメージセンサ25としてCMOSエリアセンサを使用してもよい。イメージセンサ24の出力は、受光信号処理回路30A,30Bにおいて所定ビット数の受光データにA/D変換される。そして、受光信号処理回路30A,30B内のメモリ回路で、受光データに基づいて受光角度を特定するデータが記憶される。
【0024】
3次元入力装置1を制御するCPU31は、制御対象に適時に指示を与えるとともに、各受光信号処理回路30A,30Bのメモリ回路からデータを読み出して距離演算を行う。演算結果は適時に3次元入力データとして図示しない外部装置に出力される。その際、受光信号処理回路30A,30Bの少なくとも一方で記憶されている2次元カラー画像も出力される。外部装置としては、コンピュータ、ディスプレイ、記憶装置などがある。
【0025】
以上の構成の3次元入力装置1は、ガルバノミラー14の反射面上の点を起点として、まず垂直方向に仮想面を走査するようにスリット光Uを投射する。仮想面は、イメージセンサ24の撮像エリアを受光レンズ21で逆投影した平面に相当する。そして、仮想面のうちのイメージセンサ24における各画素gに対応した範囲が、3次元入力のサンプリング区画となる。図3の構成においては、投光の起点、及び2つの視点(受光の主点)が一直線上に配置され、2つの視点は垂直方向に沿って並んでいる。垂直方向に走査が終わると、ガルバノミラー14を90°回転させて、水平方向に走査するようにスリット光Uを投射する。
【0026】
各方向の走査においては、ガルバノミラー14の偏向に同期させて2個のイメージセンサ24によるフレーム周期の撮影を行う。このとき、2個のイメージセンサ24を同一タイミングで駆動する。つまり、物体Qを2つの視点から同時に撮影する。そして、各イメージセンサ24の各画素が、刻々と偏向されていくスリット光Uのどの時点の投射により照らされたかを検知する。図1及び図2で説明したとおり、2個のイメージセンサ24の出力によって走査毎に2個ずつ得られる計4つの時間重心画像を用いて対応点を探索すれば、物体Qについて画素数分のサンプリング点の3次元位置情報が得られる。
【0027】
次に、輝度ピーク時刻を検出するための回路の具体的な構成を説明する。
図4はメモリ回路の第1例のブロック図である。
例示のメモリ回路37は、2個のメモリ371,376、比較器377、及びインデックスジェネレータ378から構成されている。
【0028】
メモリ371にはA/D変換器から受光データD35が入力され、メモリ376にはインデックスジェネレータ378からフレーム番号Tが入力される。比較器377は、イメージセンサ24の画素毎に最新の入力データであるt番目のフレームの受光データD35と以前にメモリ371に書き込まれた受光データD35とを比較し、最新の受光データD35が以前の受光データD35より大きい場合にメモリ371,376に対して書込みを許可する。これを受けて各メモリ371,376は最新の入力データの上書きを行う。比較結果が逆の場合は各メモリ371,376において以前の記憶内容が保持される。したがって、走査が終了した時点において、メモリ371は画素毎に受光データD35の最大値を記憶し、メモリ376は画素毎に受光データD35が最大となったフレームの番号Tを記憶することになる。各フレームの撮像は一定周期で行われるので、フレーム番号Tは走査期間中の時刻(走査開始からの経過時間)を表す。
【0029】
この例によれば、比較的に簡単な回路構成によって受光角度を検知することができる。ただし、受光角度の検知の分解能はイメージセンサ24の画素ピッチに依存する。分解能の向上を図ったものが次の第2例である。
【0030】
図5はメモリ回路の第2例のブロック図、図6は撮像面における輝度分布と受光データとの関係を示す図である。図5において図4に対応した要素には図4と同一の符号を付してある。
【0031】
第2例のメモリ回路37bは、メモリ371に加えてそれと同サイズの4個のメモリ372,373,374,375を設け、計4個の1フレームディレイメモリ379a〜dを介在させて各メモリ372〜375のデータ入力をメモリ371に対して順に1フレームずつ遅らせるように構成したものである。すなわち、メモリ回路37bでは、各画素について連続した5フレームの受光データD35が同時に記憶される。比較器377は、入力が2フレーム遅れの第3番目のメモリ373の入力と出力とを比較する。メモリ373の入力データ値が出力データ値(以前に書き込まれたデータ値)より大きい場合に、メモリ371〜375及びメモリ376の書込みが許可される。
【0032】
各走査が終了した時点において、メモリ373は各画素g毎に受光データD35の最大値を記憶することになる。また、メモリ371,372,374,375によって、受光データD35が最大となったフレームの2つ前、1つ前、1つ後、2つ後の計4フレームの受光データD35が記憶されることになる。そして、メモリ376は、画素毎に受光データD35が最大となったフレームの番号Tを記憶することになる。
【0033】
ここで、図6(a)のように、撮像面に結像したスリット像の幅が5画素分であり、輝度分布が単一峰の山状であるものとする。このとき、1つの画素に注目すると、図6(b)のように輝度分布に応じた変化の受光データが得られる。したがって、メモリ371〜375に記憶されている5フレーム分の受光データD35に基づいて重心演算を行うことにより、フレーム周期(つまり画素ピッチ)よりも細かな刻みで輝度が最大となる時刻TA,TBを算出することができる。図6(b)の例では、時刻TA(TB)はt回目と(t+1)回目のサンプリング時刻間にある。
【0034】
この第2例によれば分解能が向上するが、輝度分布によっては所望の精度が得られないという問題がある。すなわち、実際の撮像では、光学系の特性などに起因して結像に何らかのノイズが加わる。このため、輝度分布に複数のピークが生じたり、平坦でピークの不明瞭な輝度分布となったりする。輝度分布が理想形状から大きく外れると、重心演算の信頼性が低下する。
【0035】
このようなノイズの影響は、輝度の最大値が得られたフレームとその前後の各数フレームを合わせた程度の短い期間ではなく、十分に長い期間の輝度分布に基づいて重心演算を行うことによって低減することができる。それを実現するのが次の第3例である。
【0036】
図7はメモリ回路の第3例のブロック図である。
第3例のメモリ回路37cは、メモリ3710、定常光データ記憶部3720、減算部3730、第1加算部3740、第2加算部3750、及び除算部3760から構成され、画素毎にフレーム数分の受光データD35に基づいて重心(時間重心)を算出する。
【0037】
メモリ3710は、物体Qに対する走査で得られた所定数kのフレームの受光データD35を記憶する。各画素のT番目(T=1〜k)のフレームの受光データ値をxT と表す。定常光データ記憶部3720は、スリット光U以外の不要入射光量を表す定常光データを記憶する。定常光データはスリット光Uが入射していないときの受光データD35に基づいて算出される。その値sは、予め定めた固定値でもよいし、受光データD35を用いてリアルタイムで求めてもよい。固定値とする場合には、受光データD35が8ビット(256階調)である場合に、例えば「5」「6」又は「10」などとする。減算部3730は、メモリ3710から読み出された受光データD35の値xT から定常光データの値sを差し引く。ここで、減算部3730からの出力データの値をあらためてXT とする。第1加算部3740は、画素g毎にk個の受光データD35について、それぞれの値XT とそれに対応したフレーム番号Tとの乗算を行い、得られた積の合計値を出力する。第2加算部3750は、画素g毎にk個の受光データD35の値XT の総和を出力する。除算部3760は、第1加算部3740の出力値を第2加算部3750の出力値で除し、得られた重心を時刻TA(又はTB)として出力する。
【0038】
図8は投光と受光との位置関係の設定例を示す図である。
投光系10及び受光系20の配置においては、必ずしも投光の起点C及び受光の主点(視点)A,Bが一直線上に並ぶ図8(a)又は(b)のような構成にする必要はない。例えば、物体からの観察において3個の点A,B,CがL字状に並ぶ図8(c)の構成、T字状に並ぶ図8(d)の構成を採用してもよい。特に、図8(b)又は(d)のように視点Aと視点Bとの間に起点Cを配置すれば、視点A,Bと起点Cとが異なることにより発生するオクルージョンを軽減することができる。その際には投光の起点Cと各視点A,Bとの距離dを等しくするのが好ましい。また、図8(b)〜(d)の構成では視点間の距離Lを図8(a)の構成と比べて大きくすることができる。
【0039】
図9はスリット光の照射パターンの変形例を示す図である。
図9(a)の例の1回目の走査では、直線帯状のスリット光Uの長さ方向を水平方向にとり走査方向M2を垂直方向とし、2回目の走査では、スリット光Uの長さ方向を垂直方向にとり走査方向M2を水平方向とする。1回目の走査と2回目の走査とでスリット光Uの傾きの差が90°であって位置差感度が大きい。すなわち、複数の走査の間でスリット傾斜の差が大きいほど対応点候補の分布が拡がり、真の対応点を探索の精度が高くなる(重なり部分が小であるから)。
【0040】
なお、イメージセンサ24の読出しについては、フレーム毎に撮像面の全体を読出し対象とする形態と、各フレームでスリット像の結像が予想される部分のみを読出し対象とする形態とがある。前者にはイメージセンサの駆動制御が簡単という長所がある。後者を採用すれば、読出し時間を短縮することができる。
【0041】
図9(b)の例では、1回目の走査のスリット光U1は走査方向M2である垂直方向に対して右上がりに傾いており、2回目の走査のスリット光U2は右下がりに傾いている。1回目及び2回目の走査の方向が同一であるので、投光系の機構構成が簡単になるという長所がある。
【0042】
図9(c)の例では、1回目の走査のスリット光U1は走査方向M2に対して右上がりに傾いた互いに平行な複数の短いスリット光の集合であり、2回目の走査のスリット光U2は右下がりに傾いた互いに平行な複数のスリット光の集合である。図9(b)と同様の長所があり、且つ位置差感度は図9(b)の例より大きい。各回の走査で複数の短いスリット光を使用するので、複数個の対応点が発生する場合がある。しかし、対応点の存在し得る領域を限定することで容易に1個に決定することができる。
【0043】
図10は第2実施形態に係るスリット光の照射パターンを示す図である。
上述した第1実施形態は2回の走査を行うものであった。これに対して、第2実施形態では、照射パターンの異なる第1及び第2のスリット光U1,U2を同時に投射して1回の走査で物体の3次元入力を行う。第2実施形態も基本的には図3の装置構成で実現可能である。ただし、回動機構34は不要であり、投光系10は固定でよい。光源12を複数にするか又は適当なビーム分離手段を設けることにより、複数のスリット光U1,U2を投射することができる。
【0044】
図10(a)の例では、第1のスリット光U1は走査方向M2に対して右下がりに傾いた直線状であり、第2のスリット光U2は右上がりに傾いた直線状である。図10(b)の例では、第1及び第2のスリット光U1,U2は互いが対称関係となるジグザグ状である。これらの例において、スリット光U1及びスリット光U2は、撮像面の各画素でのスリット像の受光時期(通過時刻)がΔt以上ずれるように、走査方向M2に離されている。Δtは2つのスリット像の受光時期を区別して検知するのに必要な時間である。
【0045】
スリット光U1,U2を同時に投射する場合にも、照射パターンが異なっているので、図1及び図2で説明した原理に基づいて視点(A,B)間の対応点探索を行うことができる。
【0046】
視点Aでの受光データに基づいて、各スリット光U1,U2に対応した時間重心画像GA1,GA2(図2参照)を作成する。視点Bについても各スリット光U1,U2に対応した時間重心画像GB1,GB2を作成する。一方の視点Aに対応した時間重心画像GA1,GA2における同一画素位置の画素に注目する。注目画素は物体上の点Pに対応するものとする。スリット光U1に対応した時間重心画像GA1における注目画素gの値(輝度ピーク時刻)がT1で、スリット光U2に対応した時間重心画像GA2における注目画素gの値がT2(=T1+ΔT)であったとする。この場合、他方の視点Bに対応した時間重心画像GB1,GB2において、次の2つの条件を満たす画素の組が存在する。
【0047】
1.各画像GB1,GB2における画素位置が互いに等しい。
2.画像GB1の画素の値はT1で、画像GB2の画素の値はT2である。
これら条件を満たす画素の組が注目画素gの対応点である。すなわち、この画素の組の画素位置が、物体上の点Pに対応した視点Bにおける受光角度を示す情報である。
【0048】
以上のようにして対応点を決定すればよいので、視点間のエピポーラ拘束条件を満たす必要はなく、受光系の組み立ての制約が緩和される。画像の平行化処理で画素位置を補正する必要もない。第2実施形態は、1回の走査で所定サンプリング数の3次元データが得られるので、高速性が要求される動体の3次元入力に好適である。人体測定においても、より高速である方が、被測定者が静止しなければならない時間が短いので好ましい。
【0049】
図11は第2実施形態に係るデータ処理の説明図である。
一方の視点(例えばA)のイメージセンサ24により得られた所定フレーム数分の受光データのうち、1つの画素に注目してデータ値(スリット像の輝度)をフレーム番号順にプロットすると、図11のようにスリット光U1,U2のそれぞれの反射光の通過に伴う2つの輝度ピークが現れる。スリット光U1,U2の投射に際して上述の間隔(Δt)を適切に設定すれば、ピークどうしが明確に分離する。
【0050】
最大ピーク時刻T1,T2を求めるために2つの閾値th1,th2を設定する。フレーム番号の小さい方から輝度を調べていき、最初に閾値th2を超えたフレーム番号Tp1を検出する。そのフレーム番号Tp1から番号の小さくなる側及び大きくなる側の双方に検索していき、輝度が閾値th1より大きい連続したフレーム番号の範囲TR1を見つける。続いて、見つけた範囲TR1の最大フレーム番号の次のフレーム番号から順に番号が大きくなる側について輝度を調べていき、閾値th2を超えたフレーム番号Tp2を検出する。フレーム番号Tp2から両側に検索していき、輝度が閾値th1より大きい連続したフレーム番号の範囲TR2を見つける。このようにして見つけた範囲TR1,TR2のそれぞれについて重心演算を行い、スリット光U1に対応した時間重心T1とスリット光U2に対応した時間重心T2とを求める。同様の処理を全ての画素について行い、時間重心画像GA1,GA2を得る。また、視点Bについても同様の処理を行って時間重心画像GB1,GB2を得る。なお、時間重心画像GA2,GB2は各画素について求めた時間重心T2を記録するのではなく、各画素についての時間重心T1と時間重心T2との時間差を記憶するものであってもよい。
【0051】
以上の実施例では、2パターンのスリット光を投射するものであったが、3パターン以上のスリット光を投射して、より精度の高い対応点探索を実現してもよい。スリット光のビームの断面は直線状に限らず、曲線状であってもかまわない。また、スポット光を偏向して疑似的にスリット光を形成して走査を行ってもよい。
【0052】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項6の発明によれば、スリット光の投射角度情報を用いない3次元入力を実現し、投射角度制御の精度及び受光デバイスの画素間の感度のばらつきに係わらず高精度の3次元入力データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の原理説明図である。
【図3】第1実施形態に係る3次元入力装置の機能ブロック図である。
【図4】メモリ回路の第1例のブロック図である。
【図5】メモリ回路の第2例のブロック図である。
【図6】撮像面における輝度分布と受光データとの関係を示す図である。
【図7】メモリ回路の第3例のブロック図である。
【図8】投光と受光との位置関係の設定例を示す図である。
【図9】スリット光の照射パターンの変形例を示す図である。
【図10】第2実施形態に係るスリット光の照射パターンを示す図である。
【図11】第2実施形態に係るデータ処理の説明図である。
【符号の説明】
1 3次元入力装置
A 視点(第1の位置)
B 視点(第2の位置)
Q 物体
U,U1,U2 スリット光
L 視点間の距離
10 投光系
20 撮像系
Claims (6)
- 入力対象の物体に向かってそれを走査するように検出光を投射し、
前記物体で反射した前記検出光である反射光を、互いに離れた第1及び第2の位置で同時に受光し、
前記物体における複数の部位の位置関係を、各部位で反射した反射光についての前記第1及び第2の位置での受光角度と、前記第1及び第2の位置どうしの距離とに基づいて算出する3次元入力方法であって、
前記検出光として、前記物体に対する照射パターンが互いに異なる複数のスリット光を投射し、
前記複数のスリット光のそれぞれに対応した受光データに基づいて、前記各部位で反射した反射光についての前記第1及び第2の位置での受光角度を特定する
ことを特徴とする3次元入力方法。 - 前記複数のスリット光を同時に投射する
請求項1記載の3次元入力方法。 - 前記複数のスリット光を複数回に分けて投射する
請求項1記載の3次元入力方法。 - 入力対象の物体に向かってそれを走査するように検出光を投射する投光系と、
前記物体で反射した前記検出光である反射光を、互いに離れた第1及び第2の位置で同時に受光する撮像系とを備え、
前記物体における複数の部位のそれぞれで反射した反射光についての前記第1及び第2の位置での受光角度に応じた測定データを、前記複数の部位の位置情報として出力する3次元入力装置であって、
前記投光系は、前記検出光として前記物体に対する照射パターンが互いに異なる複数のスリット光を投射し、
前記複数のスリット光のそれぞれに対応した受光データに基づいて、前記各部位で反射した反射光についての前記第1及び第2の位置での受光角度を特定する
ことを特徴とする3次元入力装置。 - 前記検出光の投射の起点は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の位置である
請求項4記載の3次元入力装置。 - 前記検出光の投射の起点は、前記第1及び第2の位置の双方に対して等距離の位置である
請求項5記載の3次元入力装置。
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