JP4157724B2 - Wire saw manufacturing method and manufacturing apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤーソーの製造方法及びワイヤーソーの製造装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、特に、単結晶シリコン、水晶、アモルファスシリコン等の高脆性材料の切断加工に用いて、目詰まりすることなく切断可能であり、かつ使用中に断線する確率がほとんどないワイヤーソーを製造することができるワイヤーソーの製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスには、メモリー等の集積回路の基板に用いられる単結晶シリコン、発振子に用いられる水晶、太陽電池に用いられるアモルファスシリコンなどの脆性材料が使用されており、これらの材料を高精度・低価格で製造する技術は極めて重要である。
【0003】
半導体デバイスの製造に用いる基板等を得るために、柱状の素材インゴットを径方向に切断して薄板であるウェハーを多数枚切り出すスライシング工程がある。スライシング工程には、スライシング加工による欠損やクラック層の大きさをできる限り小さくし、一つのインゴットからできるだけ多数枚のウェハーをできるだけ速く切り出すことが要求される。
【0004】
このスライシング工程には、従来、内周刃を用いる方法と、遊離砥粒を用いるワイヤーソーによる方法がある。
【0005】
内周刃は、薄い金属製リングの内周部にダイヤモンド砥粒をメッキ法により固着したものであり、工具1枚あたりの切断能率が高く、シリコンインゴット等の切断に広く用いられている。しかし、内周刃の内径を大きくすることは、インゴットの大口径化(直径300mm化)に伴い製造上の限界があり、また、多数の工具で同時加工を行うマルチソーを実現することが困難であるという欠点がある。
【0006】
一方、遊離砥粒を用いたワイヤーソーによる方法は、遊離砥粒としてGC砥粒(高純度炭化珪素系砥粒)等を含んだ加工液(ペーストないしスラリー)をワイヤーに供給しながら、ワイヤーを加工対象に押し当てつつワイヤーを走行させて切断する方法である。この方法は、長いワイヤーを2個の多溝プーリー間に複数回巻きにすることにより、マルチソーを容易に実現でき、多数枚のウェハーをインゴットから同時に切り出すことで加工能率の向上を図ることができ、またインゴットの大口径化への対応も容易である。
【0007】
しかし、遊離砥粒を用いたワイヤーソーによる方法は、ワイヤー1本あたりの加工能率が低く、また、遊離砥粒としてGC砥粒等を用いた加工液を大量に流出しながら加工を行うため、使用環境・廃棄物処理において問題を抱えている。
【0008】
最近、上記両者の長所を兼ね備えた工具として、ダイヤモンド砥粒を金属メッキあるいは樹脂によりワイヤーに固着させた、電着ワイヤーソーあるいはレジンワイヤーソーのような固定砥粒ワイヤーソーが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ダイヤモンド砥粒を金属メッキによりワイヤーに固着させた電着ワイヤーソーは、金属メッキによりダイヤモンド砥粒を固着するため砥粒保持力が高く、理想的な工具と言える。
【0010】
しかし、従来の電着ワイヤーソーの製造方法(例えば、特開平11−277398号公報、特開平9−254008号公報等)では、ワイヤーに砥粒溜まりを通過させることによってワイヤーに砥粒を付着させるので、ワイヤーに対する砥粒の付着量が必要以上に多くなり過ぎ(ワイヤーの外周面の砥粒による被覆率は、一般的に50%以上)、ワイヤーに固着させる単位長さ当たりの砥粒量を少なくして低密度の砥粒分布にした電着ワイヤーソーを製造することは困難である。そのため、従来の製造方法で製造された電着ワイヤーソーは、弾性率が高く、捻りに対して弱いので、使用中に断線する恐れが高かった。また、ワーク(切断対象)及び加工条件に応じて適切な砥粒分布(特に、低密度の砥粒分布)の電着ワイヤーソーを選択して使用することができなかった。さらに、従来の電着ワイヤーソーの製造方法では、製造速度を速くすることが困難であった。
【0011】
なお、特開平9−254008号公報に記載の固定砥粒ワイヤーの製造方法では、ワイヤーの外周面に対して螺旋帯状に砥粒を固定しようとすると、砥粒を固着させながらワイヤーを軸回りに回転させる必要があり、この時に砥粒がワイヤーから脱落してしまう恐れがあるため、製造速度を大きくするのに限界(製造速度であるワイヤー送り速度は200mm/分程度)がある。
【0012】
以上の理由から、砥粒保持力に劣るものの、製造速度を重視して、ダイヤモンド砥粒を樹脂によりワイヤーに固着させたレジンワイヤーソーが製造されている。しかし、熱硬化性樹脂を用いてレジンワイヤーソーを製造する場合、ワイヤーの劣化を防ぐために、熱硬化性樹脂に対して必要充分な熱をかけることができず、耐熱性に優れた樹脂を採用することが難しい問題がある。
【0013】
なお、加熱が不要な光硬化性樹脂を用いてレジンワイヤーソーを製造する場合、アクリル樹脂のラジカル反応を利用することとなるが、耐熱性に優れた多官能モノマーは硬化収縮が大きく使用できないため、やはり耐熱性に問題がある。また、耐熱性を高めるために金属粉末を添加することが考えられるが、金属粉末は光を通さないため、金属粉末を添加した光硬化性樹脂は光硬化させることが難しくなる。
【0014】
本発明の目的は、一視点において、低密度の砥粒分布にした電着ワイヤーソーを製造することができるワイヤーソーの製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、一視点において、低密度の砥粒分布にした電着ワイヤーソーを製造することができるワイヤーソーの製造装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、第1の視点において、砥粒が分散して沈降する砥粒沈降領域を少なくとも一部に有する液状体の前記砥粒沈降領域で走行させて砥粒を外周面に付着させた長尺線状体における、前記外周面に付着させた砥粒を、前記砥粒沈降領域以外の領域において電着層の形成により前記外周面に固定する電着工程を含むワイヤーソーの製造方法により、上記目的を達成することができる。本発明のワイヤーソーの製造方法では、砥粒が分散して沈降する砥粒沈降領域を少なくとも一部に有する電着液を前記液状体として用いて前記電着液の前記砥粒沈降領域で長尺線状体の外周面に砥粒を付着させる砥粒付着工程を、前記電着工程よりも前に有することができる。
【0019】
本発明によれば、第2の視点において、砥粒が分散して沈降する砥粒沈降領域を少なくとも一部に有する電着液の中の前記砥粒沈降領域で長尺線状体を走行させて、前記長尺線状体の外周面に砥粒を付着させる砥粒付着工程と、前記砥粒沈降領域以外の領域において、前記砥粒付着工程で前記外周面に付着させた砥粒を電着層の形成により前記外周面に固定する砥粒電着工程を含み、前記砥粒付着工程において、前記長尺線状体の外周面に所望の密度で砥粒が分布するように、前記砥粒沈降領域へ供給する砥粒ないし砥粒含有物の供給量を制御するワイヤーソーの製造方法により、上記目的を達成することができる。
【0020】
本発明によれば、第3の視点において、長尺線状体に電着層を形成することができる電着漕と、砥粒が分散して沈降する砥粒沈降領域を前記電着漕に貯えられた電着浴の中に形成するように、砥粒ないし砥粒含有物を放出する砥粒放出部と、前記砥粒沈降領域で前記長尺線状体を走行させる手段を有し、前記砥粒放出部として、砥粒投入口から供給された砥粒ないし砥粒含有物を撹拌する砥粒供給部と、前記砥粒供給部で撹拌された砥粒ないし砥粒含有物が分散した状態で放出される砥粒放出口と、前記砥粒放出口から放出された砥粒ないし砥粒含有物を砥粒回収口から回収する砥粒回収部と、前記砥粒回収部と前記砥粒供給部とを接続する略U字形状の戻り管部と、前記砥粒回収部で回収された砥粒ないし砥粒含有物を前記略U字形状の戻り管部を経て前記砥粒供給部に移送するポンプを備える砥粒循環装置を具備するワイヤーソーの製造装置により、上記目的を達成することができる。本発明のワイヤーソーの製造装置は、長尺線状体の外周面に所望の密度で砥粒が分布するように、前記砥粒放出部から放出する砥粒ないし砥粒含有物の放出量を制御する砥粒放出量制御部を有することができる。なお、本発明において数値範囲の記載は、両端値のみならず、その中に含まれる全ての任意の中間値を含むものとする。
【0021】
【発明の実施の形態】
[ワイヤーソー]
本発明のワイヤーソーの製造方法により製造することができるワイヤーソー(以下、単に本発明のワイヤーソーと記述する場合がある)の長尺線状体外周面の砥粒による被覆率(百分率)は、好ましくは1〜35%(より好ましくは1〜25%、さらに好ましくは5〜25%)である。前記被覆率を35%以下にすることにより、ワイヤーソーの剛性を抑えることができる。その結果、本発明のワイヤーソーは、捻った時に生じる剪断力が小さくなり、破断しにくくなる。
【0022】
長尺線状体は、外周面に電着層(例えば、電気メッキ層等)を形成できる材料であれば従来からワイヤーソーに使用されている長尺線状体でよく、1層以上の被覆層で被覆されていてもかまわない。長尺線状体は、例えば、導電性を有するワイヤー(例えば、鋼製のワイヤー)、あるいは、このワイヤーの外周面に1層以上の導電層(例えば、導電性を有するメッキ層等の電着層)を被覆した導電層被覆ワイヤーにすることができる。長尺線状体は、これらのワイヤーのうちの2本以上を縒り合わせたものにすることができる。
【0023】
本発明のワイヤーソーの一形態としては、長尺線状体の外周面の全面に渡って砥粒が略均一な密度(面密度)で分散して分布するワイヤーソーがある。この形態のワイヤーソーは、長さ方向に長さL(L=1〜1000mm)で区分される区間(但し、最終の末端部は前記長さL以下)に分割することができるが、これらの区分された各々の区間の、長尺線状体外周面の砥粒による被覆率は、好ましくは1〜35%(より好ましくは1〜25%、さらに好ましくは5〜25%)である。なお、前記区分された区間の長さLが1000mmよりも小さくなるにつれて(例えば、800mm、600mm、400mm、200mm、100mm、50mm、10mm、5mm、1mm)、前記被覆率が1〜35%(さらには1〜25%、さらには5〜25%)であるという条件を満たす場合は、砥粒がより均一に分散しているので好ましい。
【0024】
この形態のワイヤーソーは、前記長さLで区分された各々の区間毎に、長尺線状体外周面の砥粒による被覆率が存在するが、これらの被覆率の中の最大値と最小値の差の絶対値は、好ましくは3(%)以下(より好ましくは0〜2(%)、さらに好ましくは0〜1(%))である。この形態のワイヤーソーとしては、例えば、前記被覆率の最大値が15%で最小値が12%であるワイヤーソー(前記被覆率のうちの最大値と最小値の差の絶対値は3(%))がある。
【0025】
また、本発明のワイヤーソーの他の形態としては、長尺線状体外周面に砥粒が高密度(高面密度)で分布する(好ましくは均一に分布する)高密度領域と低密度(低面密度)で分布する(好ましくは均一に分布する)低密度領域が、長尺線状体の長さ方向に交互に繰り返す領域を有するワイヤーソーがある。この形態のワイヤーソーの前記高密度領域の全てにおいて、長尺線状体外周面の砥粒による被覆率Aは、1〜35%(好ましくは1〜25%、より好ましくは5〜25%)である。また、前記低密度領域の全てにおいて、長尺線状体外周面の砥粒による被覆率Bは、0.2〜28%(好ましくは0.2〜23%、より好ましくは1〜20%)である。前記高密度領域と前記低密度領域の全ての組み合わせについて、B/Aは0.2〜0.8である。
【0026】
この形態のワイヤーソーの前記高密度領域の各々は、長尺線状体の外周面の砥粒による被覆率を有するが、これらの被覆率(百分率)の中の最大値と最小値の差の絶対値は、好ましくは3(%)以下(より好ましくは0〜2(%)、さらに好ましくは0〜1(%))である。また、この形態のワイヤーソーの前記低密度領域の各々は、長尺線状体の外周面の砥粒による被覆率を有するが、これらの被覆率(百分率)の中の最大値と最小値の差の絶対値は、好ましくは3(%)以下(より好ましくは0〜2(%)、さらに好ましくは0〜1(%))である。
【0027】
長尺線状体の外周面に砥粒が高密度で分布する高密度領域と低密度で分布する低密度領域を、長尺線状体の長さ方向に交互に繰り返す領域を有する本発明のワイヤーソーの例を、図3〜5により説明する。なお、図3〜5では、砥粒を固定する電着層を省略している。図3は、前記本発明のワイヤーソーの一例の概略斜視図である。図3のワイヤーソー30は、略円柱状の長尺線状体31の外周面に砥粒32が高密度で分布する高密度領域33、砥粒32が低密度で分布する低密度領域34、砥粒32が高密度で分布する高密度領域35を、この順に長尺線状体31の長さ方向に有する。
【0028】
長尺線状体31の前記高密度領域33と35の、長尺線状体外周面33sと35sの各々の砥粒32による被覆率Aは、それぞれ1〜35%の範囲内である。また、長尺線状体31の前記低密度領域34の、長尺線状体外周面34sの砥粒32による被覆率Bは0.2〜28%の範囲内である。前記高密度領域33と前記低密度領域34について、B/Aは0.2〜0.8の範囲内である。また、前記高密度領域35と前記低密度領域34について、B/Aは0.2〜0.8の範囲内である。
【0029】
図4は、図3のワイヤーソーの概略断面図であって、(a)は高密度領域の径方向の概略断面図であり、(b)は低密度領域の径方向の概略断面図である。高密度領域33では(a)に示すように長尺線状体外周面33sに砥粒32が高密度で分布し、低密度領域34では(b)に示すように長尺線状体外周面34sに砥粒32が低密度で分布する。
【0030】
図5は、本発明のワイヤーソーの他の一例の長尺線状体の外周面を、長尺線状体の長さ方向に切断し平面にした展開図である。前記展開図には、砥粒52が高密度で分布する長方形の高密度領域53、55と、砥粒52が低密度で分布する長方形の低密度領域54、56が存在する。高密度領域53、低密度領域54、高密度領域55、低密度領域56の順に高密度領域と低密度領域が長尺線状体の長さ方向に交互に繰り返している。
【0031】
高密度領域53、55の各々における長尺線状体外周面53s、55sの砥粒52による被覆率Aは、それぞれ1〜35%の範囲内である。低密度領域54、56の各々における長尺線状体外周面54s、56sの砥粒52による被覆率Bは、それぞれ0.2〜28%の範囲内である。高密度領域53,55と低密度領域54,56の間の4通りの組み合わせについて、B/Aは0.2〜0.8の範囲内である。
【0032】
本発明のワイヤーソーの長尺線状体の外周面に砥粒を固定するための砥粒固定電着層の厚さは、例えば、固定する砥粒の径の5〜200%の厚さにすることができる。また、本発明のワイヤーソーには、前記砥粒固定電着層を被覆する少なくとも1層の被覆層を設けることができる。前記被覆層の材料は、前記砥粒固定電着層の材料と同じ材料にすることができ、また、相違する材料にすることができる。前記被覆層は、電着で形成した層にすることができ、また、電着以外の方法で形成した層にすることができる。砥粒の先端部が前記砥粒固定電着層から突出している場合、砥粒の先端部は、前記被覆層から突出させることができ、また、前記被覆層に埋没させることができる。
【0033】
砥粒は、切断対象に応じて適宜選択することができる。切断対象の硬度が小さい場合は、アルミナ砥粒等の普通砥粒にすることができる。砥粒は、好ましくは、立方晶窒化ホウ素の硬度以上の高い硬度を有する超砥粒(例えば、ダイヤモンド砥粒、立方晶窒化ホウ素砥粒、又はこれらの混合物等)にする。長尺線状体の径との関係から、砥粒の平均粒径は、長尺線状体の径の35%以下(好ましくは1〜35%、より好ましくは5〜35%)にする。また、砥粒の平均粒径は、良好な研削力を確保できるように1μm以上60μm以下(より好ましくは2μm以上55μm以下、さらに好ましくは3μm以上50μm以下)にする。
【0034】
また、砥粒としては、砥粒表面が少なくとも1層の被覆層で被覆されている砥粒である被覆砥粒を用いることができる。前記被覆層は、例えば、ニッケルメッキ層等の金属メッキ層にすることができ、好ましくは、長尺線状体に対して親和性(例えば、化学的親和性)を有するもの(より好ましくは、長尺線状体の素材と同じないし性質が近い素材の被覆層)にする。例えば、長尺線状体が鋼(スチール)の場合は、前記被覆層はニッケル層等の金属層(好ましくは、ニッケルメッキ層等の金属メッキ層)にする。
【0035】
被覆層を有さない裸の砥粒(例えば、ダイヤモンド砥粒)の場合、ワイヤーソーにおける長尺線状体に対して前記砥粒は電着層(例えば、メッキ層)で物理的に保持される。これに対して、長尺線状体(例えば、鋼)に対して親和性(例えば、化学的親和性)を有する被覆層(例えば、ニッケルメッキ層等の金属メッキ層)で被覆されている被覆砥粒の場合、ワイヤーソーにおける長尺線状体に対して前記被覆砥粒は電着層(例えば、金属メッキ層)で物理的に保持されるだけでなく、化学的にも保持されることが可能になる。
【0036】
そのため、被覆砥粒を用いて本発明のワイヤーソーを製造する際に長尺線状体に被覆砥粒を仮固定する場合は、被覆層を有さない裸の砥粒(例えば、ダイヤモンド砥粒)を仮固定する場合(例えば、実施例1の第1の電着漕C1において、付着させた砥粒をメッキ層で固定する場合)と比較して、より少量の電着層(例えば、メッキ層)で長尺線状体に仮固定(プーリーで脱落しない程度での固定)することができる。被覆砥粒を用いる場合の砥粒仮固定用メッキ層の厚さは、走行する長尺ワイヤーに固定した砥粒がプーリーで長尺ワイヤーから脱落しない程度の厚さにし、好ましくは付着させた砥粒の径の1〜10%程度の厚さにする。
【0037】
被覆砥粒としては、被覆率(被覆砥粒における被覆層の重量百分率)が、例えば30〜55重量%のものを用いることができる。被覆率が前記範囲のものは市販されている。被覆砥粒としては、例えば、金属層(ニッケル、チタン、銅等の金属層)が砥粒の表面を被覆しているものがある。被覆砥粒は、樹脂ボンドを用いたダイヤモンドホイール(ダイヤモンド砥粒を用いた環状の砥石車)に用いられる被覆砥粒として市販されているものを使用することができる。
【0038】
また、ニッケル層(例えば、ニッケルメッキ層)で被覆されているダイヤモンド砥粒は、メッキ液中に分散させた後に、若干プラス(正)に帯電するため、この帯電により陰極である長尺線状体(例えば、鋼製のワイヤー)に引き付けられることになる。このため、特に、微粒(例えば、平均粒径20μm以下)の場合、重力に逆らい電気的に長尺線状体に近づくことができるため、長尺線状体の下側(重力方向に向いている側)にも砥粒を付着させることが可能になる。
【0039】
[ワイヤーソーの製造方法]
本発明のワイヤーソーの製造方法は、好ましくは、大多数の砥粒が略同一方向に分散して沈降する砥粒沈降領域を少なくとも一部に有する液状体の前記砥粒沈降領域で砥粒を外周面に付着させた長尺線状体における、前記外周面に付着させた砥粒を、前記砥粒沈降領域以外の領域において電着層の形成により前記外周面に固定する砥粒電着工程を含む。前記外周面に付着させた砥粒を前記外周面に電着するには、例えば、電気メッキにより行うことができる。
【0040】
本発明のワイヤーソーの製造方法の電着工程では、電着層(例えば、電気メッキ層等)形成の邪魔になる砥粒が長尺線状体の外周面に1〜数層しか乗っていない状態で電着層を形成することができるため、長尺線状体の近傍での金属イオンの供給が速やかに行われるから、電流密度を高く設定しても「焼け・水素発生」等の不具合を生じない。その結果、本発明のワイヤーソーの製造方法によれば、不具合を生じさせることなしに電着工程における電流密度を高く設定して、製造速度を速くすることができる。
【0041】
本発明のワイヤーソーの製造方法は、前記砥粒電着工程よりも前に、大多数の砥粒が分散して略同一方向に沈降する砥粒沈降領域を少なくとも一部に有する電着液で長尺線状体の外周面に砥粒を付着させる砥粒付着工程を有することができる。前記砥粒付着工程においては、砥粒が長尺線状体の外周面に付着するように、砥粒の沈降方向に対する長尺線状体の走行方向を適宜設定して、前記砥粒沈降領域で長尺線状体を走行させる。なお、砥粒の沈降方向に対する長尺線状体の走行方向を適宜変化させることにより、長尺線状体の外周面への砥粒の付着量を変化させることができる。長尺線状体は、砥粒沈降方向(一般的に、重力方向)と略直角(好ましくは70〜110°、より好ましくは80〜100°)に交差するように、前記砥粒沈降領域内を走行させることができる。
【0042】
前記砥粒沈降領域の範囲の変更(拡張又は減少)、前記砥粒沈降領域における長尺線状体の走行距離の変更(増加又は減少)、前記砥粒沈降領域における砥粒の分散の程度(一定体積当たりに分散する砥粒の重量ないし数)の変更(増加又は減少)のうちの少なくとも一により、長尺線状体の外周面に付着させる砥粒の量、あるいは、長尺線状体の外周面における砥粒の分布の程度を変更(増加又は減少)することができる。
【0043】
前記砥粒付着工程は、例えば、砥粒を電着することができる電着漕に貯えられた電着液(例えば、電気メッキ液)の少なくとも一部に分散した大多数の砥粒が略同一方向に沈降する砥粒沈降領域の中を、砥粒が長尺線状体の外周面に付着するように長尺線状体を走行させる工程にすることができる。
【0044】
前記砥粒沈降領域としては、例えば、液状体(例えば、電着液)に分散した大多数(好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95〜100%)の砥粒が砥粒の重さで重力方向に自然に沈降する砥粒沈降領域がある。
【0045】
前記砥粒付着工程において、長尺線状体の外周面に、長尺線状体の長さ方向に所望の密度(面密度)で砥粒が分布するように、前記砥粒沈降領域へ供給する砥粒ないし砥粒含有物(スラリーないしペースト状の砥粒含有物)の供給量を制御することができる。例えば、前記供給量を時間の経過に対して略一定に制御して、単位時間当たりに沈降する砥粒の量を略一定に制御した砥粒沈降領域で長尺線状体を走行させることにより、長尺線状体の長さ方向において長尺線状体外周面へ付着する砥粒の量(単位長さないし単位面積当たりの砥粒量)及び分散の程度を略均一にすることができる。また、前記供給量を高くする時間帯と低くする時間帯を交互に繰り返すように制御して、砥粒沈降方向に対して直角の方向の断面における単位時間当たりに沈降する砥粒の量が多い時間帯と少ない時間帯が交互に繰り返すように制御した砥粒沈降領域で長尺線状体を走行させることにより、砥粒が高密度で分散して付着する領域と砥粒が低密度で分散して付着する領域とが長尺線状体の長さ方向において交互に繰り返す領域を長尺線状体外周面に形成することができる。
【0046】
砥粒付着工程において、被覆層が磁性体(好ましくは、強磁性体)である被覆砥粒(例えば、被覆層がニッケル層である被覆砥粒)を長尺線状体の外周面に付着させる場合、長尺線状体が磁化可能である時(例えば、長尺線状体が鋼製のワイヤーである時)は、被覆砥粒を付着させる前に長尺線状体を磁化することができる。前記長尺線状体は、永久磁石(例えば、アルニコ磁石)を用いて磁化することができる。
【0047】
長尺線状体を磁化することにより、前記被覆砥粒は長尺線状体に引き付けられて磁気的に付着し、一度付着すると容易に脱落しない。特に、製造速度(長尺線状体の走行速度)を速めた場合(例えば、1000mm/分)、液状体(例えば、メッキ液等の電着液)との摩擦により砥粒が長尺線状体から脱落することを防止することができる。また、前記被覆砥粒が分散して沈降する砥粒分散沈降領域を、前記長尺線状体が前記被覆砥粒の沈降方向に対して略直角方向に走行するだけで、前記長尺線状体の周方向の全周に渡る外周面(重力方向を向く外周面部分を含む)に前記被覆砥粒を付着させることができる。なお、前記長尺線状体の磁化の程度、あるいは、前記砥粒分散沈降領域における前記長尺線状体の走行距離、走行時間、走行速度等を適宜設定することにより、前記長尺線状体の周方向の全周に渡る外周面に前記被覆砥粒を分散させて付着させることができる。
【0048】
また、本発明のワイヤーソーの製造方法は、前記砥粒付着工程よりも前に、良好に電着ができるように長尺線状体を前処理する前処理工程、前記砥粒電着工程で形成する電着層を形成しやすいように長尺線状体の外周面に下地電着層(好ましくは、形成しようとする電着層と同じ素材の下地電着層)を形成する下地電着層形成工程のいずれか又は双方を有することができる。前記前処理工程としては、例えば、長尺線状体に付着している油分等の付着物を、前記付着物を溶解ないし分散させる溶媒で除去する付着物除去工程と、長尺線状体に形成されている非導電性被膜(非導電性酸化物被膜等)を溶解して除去する非導電性被膜の溶解除去工程がある。
【0049】
本発明のワイヤーソーの製造方法で用いる長尺線状体としては、外周面に電着層(電気メッキ層等)を形成できるものであれば、従来からワイヤーソーに使用されているものを適宜選択して用いることができ、1層以上の被覆層で被覆されているものでもかまわない。長尺線状体は、例えば、導電性を有するワイヤー(例えば、鋼製のワイヤー)、あるいは、このワイヤーの外周面に1層以上の導電層(例えば、導電性を有するメッキ層等の電着層)を被覆したワイヤーにすることができる。また、長尺線状体は、これらのワイヤーのうちの2本以上を縒り合わせたものにすることができる。
【0050】
本発明のワイヤーソーの製造方法で用いる砥粒の平均粒径は、砥粒を液状体(例えば、電気メッキ液)に分散させることができる範囲に設定し、好ましくはさらに前記液状体と共に移送ないし循環させることが可能な範囲に設定する。砥粒の平均粒径は、好ましくは1μm以上60μm以下(より好ましくは2μm以上55μm以下、さらに好ましくは3μm以上50μm以下)にする。平均粒径が60μmを越える砥粒は、液状体に分散させることや液状体と共に移送ないし循環させることが困難になる傾向があるからである。また、砥粒を付着させようとする長尺線状体の径との関係から、砥粒の平均粒径は、好ましくは長尺線状体の径の35%以下(より好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下)にする。
【0051】
[ワイヤーソーの製造装置]
本発明のワイヤーソーの製造装置は、本発明で特定する電着漕、砥粒放出部及び砥粒放出量制御部の他に、長尺線状体を巻いておくための第1のロール、第1のロールから引き出した長尺線状体を巻き取るための第2のロール、前記各ロールを中心軸回りに回転させるためのモータ等のような長尺線状体を走行させるための手段、プーリー等の長尺線状体の走行方向を変更するための手段を有することができる。
【0052】
【実施例】
[実施例1]
本発明の一実施例のワイヤーソーの製造方法を図面の図1に基づいて説明する。図1は、本実施例のワイヤーソーの製造方法の概略を説明するための、長尺ワイヤーの走行方向の概略部分断面図である。長尺ワイヤーWは、ロールRに巻かれており、先端部がモータ等の回転軸(図示せず)に巻き取られることによりプーリーPに案内されて走行するものである。この実施例のワイヤーソーの製造方法では、脱脂漕A1、第1の水洗漕A2、酸洗漕A3、第2の水洗漕A4、下地メッキ漕B、第1の電着漕C1、第2の電着漕C2、埋込漕D、水洗漕A5のそれぞれに貯えられている所定の液状体の中を長尺ワイヤーWが順次通過するようにプーリーPを設けている。
【0053】
また、走行する長尺ワイヤーが下地メッキ漕B、第1の電着漕C1、第2の電着漕C2、及び埋込漕Dのそれぞれの漕で電気メッキされるように、前記それぞれの漕のメッキ浴の中に陽極電極(図示せず)を設けると共に、走行する長尺ワイヤーを陰極電極Z1、Z2、Z3、Z4、Z5及びZ6に接触させている。なお、陰極電極についてより詳細に説明すれば、次のとおりである。
【0054】
陰極電極Z1は、第2の水洗漕A4の水に浸った後かつ下地メッキ漕Bのメッキ浴に浸る前の長尺ワイヤー部分に接触する。陰極電極Z2は、下地メッキ漕Bのメッキ浴に浸った後かつ第1の電着漕C1のメッキ浴に浸る前の長尺ワイヤー部分に接触する。陰極電極Z3及びZ4は、第1の電着漕C1のメッキ浴に浸った後かつ第2の電着漕C2のメッキ浴に浸る前の長尺ワイヤー部分に接触する。陰極電極Z5は、第2の電着漕C2のメッキ浴に浸った後かつ埋込漕Dのメッキ浴に浸る前の長尺ワイヤー部分に接触する。陰極電極Z6は、埋込漕Dのメッキ浴に浸った後かつ水洗漕A5の水に浸る前の長尺ワイヤー部分に接触する。
【0055】
長尺ワイヤーWの走行について詳細に説明すれば、次のとおりである。まず最初に、ロールRから引き出された鋼線である長尺ワイヤーWの一部分である長尺ワイヤー部分は、脱脂漕A1の脱脂用の液(水酸化ナトリウム水溶液)の中を通過するので、長尺ワイヤー部分に油分が付着している場合には、長尺ワイヤー部分から油分を除去することができる。次に、長尺ワイヤー部分は、第1の水洗漕A2の水の中を通過するので、長尺ワイヤー部分に付着している前記脱脂用の液を除去する(水で置換する)ことができる。
【0056】
次に、長尺ワイヤー部分は、酸洗漕A3の酸洗用の液(塩酸)の中を通過するので、長尺ワイヤー部分の表面に酸化物層が形成されている場合には、長尺ワイヤー部分から酸化物層を除去することができる。次に、長尺ワイヤー部分は、第2の水洗漕A4の水の中を通過するので、長尺ワイヤー部分に付着している前記酸洗用の液を除去する(水で置換する)ことができる。
【0057】
次に、長尺ワイヤー部分は、下地メッキ漕Bのメッキ浴の中を通過するので、酸化物層のない長尺ワイヤー部分の表面(外周面)に、長尺ワイヤー部分の外周面を被覆するように電気メッキにより管状の下地メッキ層が形成される。下地メッキ層は、砥粒電着用のメッキ層が長尺ワイヤーに形成され易いように、あらかじめ形成する層である。長尺ワイヤーに形成する下地メッキ層の厚さは、1〜10μm程度にしている。
【0058】
次に、長尺ワイヤー部分は、第1の電着漕C1のメッキ浴の中を通過する。第1の電着漕C1のメッキ浴の一部の領域には、第1の砥粒沈降領域T1を設けている。前記砥粒沈降領域では、メッキ浴の液面に対して砥粒を分散した状態で供給しているので、砥粒は分散した状態でメッキ浴中を沈降する。
【0059】
第1の電着漕C1のメッキ浴において、長尺ワイヤー部分は、第1の電着漕C1のメッキ浴の第1の砥粒沈降領域T1を通過するので、長尺ワイヤー部分(下地メッキ層を備えている)の上側(メッキ浴の液面側)から重力方向に砥粒が沈降して供給されるから、長尺ワイヤー部分の外周面の一部(主として、メッキ浴の液面に向かい合う側の略半周面)にだけ砥粒が付着する。次に、長尺ワイヤー部分は、第1の電着漕C1のメッキ浴の砥粒沈降領域以外の領域(砥粒が供給されない領域)を引き続き通過するのでメッキ層が形成される。形成されるこのメッキ層(砥粒固定用メッキ層)によって、長尺ワイヤー部分の下地メッキ層(場合によっては、下地メッキ層の上に第1の電着漕C1で新たに形成された電気メッキ層)に付着した砥粒は、下地メッキ層(場合によっては、下地メッキ層の上に第1の電着漕C1で新たに形成された電気メッキ層)に固定される。この砥粒固定用メッキ層の厚さは、走行する長尺ワイヤーに固定した砥粒がプーリーで長尺ワイヤーから脱落しない程度の厚さにし、好ましくは付着させた砥粒の径の5〜25%程度の厚さにする。ここで、第1の電着漕C1で長尺ワイヤーに砥粒を固定させた側を長尺ワイヤーの「表側」と呼び、砥粒を固定させなかった側を長尺ワイヤーの「裏側」と呼ぶことにする。
【0060】
第1の電着漕C1のメッキ浴を通過した長尺ワイヤー部分は、第2の電着漕C2のメッキ浴に進入する前に、砥粒を固着させた表側が重力方向を向くようにプーリー11及び12によって走行方向が180°反転する。
【0061】
次に、長尺ワイヤー部分は、第2の電着漕C2のメッキ浴の中を通過する。第2の電着漕C2には、第1の電着漕C1と同様に、メッキ浴の一部の領域に第2の砥粒沈降領域T2を設けている。前記砥粒沈降領域では、メッキ浴の液面に対して砥粒を分散した状態で供給しているので、砥粒は分散した状態でメッキ浴中を沈降する。
【0062】
第2の電着漕C2のメッキ浴において、長尺ワイヤー部分は、第2の電着漕C2のメッキ浴の第2の砥粒沈降領域T2を、砥粒を固定させた側(表側)が下方向(第2の電着漕C2の内側の底面)を向き第1の電着漕C1で砥粒を固定させなかった側(裏側)がメッキ浴の液面側を向くようにして通過する。そのため、長尺ワイヤー部分の前記裏側にだけ砥粒が付着する。次に、長尺ワイヤー部分は、第2の電着漕C2のメッキ浴の第2砥粒沈降領域T2以外の領域を引き続き通過するので当該長尺ワイヤー部分にはメッキ層が形成される。第2の電着漕C2で形成されるメッキ層によって、長尺ワイヤー部分のメッキ層(第1の電着漕で形成されたメッキ層)に付着した砥粒は、付着した前記メッキ層に固定される。第2の電着漕C2で形成するメッキ層の厚さは、走行する長尺ワイヤー部分に固定した砥粒がプーリーで長尺ワイヤー部分から脱落しない程度の厚さにし、好ましくは付着させた砥粒の径の5〜25%程度の厚さにする。
【0063】
次に、長尺ワイヤー部分は、埋込漕Dのメッキ浴の中を通過するので、埋込漕Dにおいて長尺ワイヤー部分の表面に電気メッキにより新たなメッキ層が形成される。このメッキ層は、第1及び第2の電着漕のメッキ浴で長尺ワイヤーの表面に電着された砥粒が完全に埋没するように形成する埋込メッキ層である。埋込メッキ層の厚さは、砥粒が完全に埋没する程度の厚さにし、例えば、埋め込む砥粒の径の20〜80%(好ましくは25〜75%、より好ましくは30〜70%)にする。
【0064】
最後に、長尺ワイヤー部分は、水洗漕A5の水の中を通過して、長尺ワイヤー部分に付着しているメッキ浴のメッキ液を除去する(水で置換する)。
【0065】
[実施例2]
実施例1では、下地メッキ漕B、第1の電着漕C1、第2の電着漕C2、及び埋込漕Dを用いて、下地メッキ層から埋込層までのメッキ層を形成していたが、1つの電着漕だけを用いて同様にメッキ層を形成することができる。この場合の一例を図2に基づいて説明する。図2は、本発明の他の実施例のワイヤーソーの製造方法で使用することができる電着漕20の概略部分断面図である。
【0066】
電着漕20には、砥粒循環装置29が設けられている。この砥粒循環装置について説明すると、次のとおりである。まず最初に、砥粒ないし砥粒含有物(砥粒を含有するスラリーないしペースト)を砥粒投入口29aから供給する。供給された前記砥粒ないし砥粒含有物は、砥粒供給部29bに到達して撹拌され、砥粒が分散した状態で砥粒放出口29cからメッキ液中に放出される。放出された砥粒ないし砥粒含有物における砥粒の大多数は、分散した状態で砥粒回収口29dに向かって沈降し、砥粒沈降領域Tが形成される。
【0067】
沈降する砥粒は、砥粒回収口29dから砥粒回収部29eに入り込み回収される。回収された砥粒は、メッキ液と共に、砥粒回収部29eに設けられているポンプによって、略U字形状の戻り管部29fを経て砥粒供給部29bに移送される。砥粒供給部29bに到達した砥粒とメッキ液は、砥粒供給部29bで撹拌され、砥粒放出口29cからスラリー(砥粒が分散したメッキ液)としてメッキ液中に放出される。放出されたスラリーに含まれている砥粒の大多数は、分散した状態で砥粒回収口29dに向かって沈降するので、砥粒沈降領域Tが連続して維持される。なお、砥粒循環装置を循環する砥粒は長尺ワイヤーに付着して量が次第に減少するので、必要に応じて、砥粒ないし砥粒含有物(砥粒を含有するスラリーないしペースト)を砥粒投入口29aから供給する。
【0068】
一方、実施例1と同様に、脱脂漕、第1の水洗漕、酸洗漕、第2の水洗漕のそれぞれに貯えられた所定の液体を通過した長尺ワイヤーW’は、プーリー21〜28に案内されて、メッキ液20aが満たされている電着漕20内を走行するので、メッキ層が形成される。より詳細には、次のとおりである。
【0069】
プーリー21及び22に案内されてメッキ浴に進入し砥粒沈降領域Tに進入する前までの長尺ワイヤーW’の一部分である長尺ワイヤー部分は、外周面に下地メッキ層が形成される。次に、下地メッキ層を形成した長尺ワイヤー部分は、砥粒沈降領域Tを通過することにより、前記下地メッキ層に砥粒を付着させる。詳細には、長尺ワイヤー部分の外周面の一部(主として、砥粒循環装置29の砥粒放出口29cが存在する側を向いている略半周面部分)に砥粒を付着させる。
【0070】
砥粒沈降領域Tの通過により下地メッキ層に砥粒を付着させた長尺ワイヤー部分は、プーリー23に到達する前までにメッキ層が形成されるので、下地メッキ層に付着した砥粒は前記下地メッキ層に固定される。プーリー23及び24に案内されて砥粒沈降領域Tに再び進入する前までの長尺ワイヤー部分は、プーリー23及び24に案内されることにより、走行方向が180°反転してメッキ浴の中を走行するので、砥粒を付着させた側(表側)の中央部が下(砥粒循環装置29の砥粒回収口29d)を向き、砥粒を付着させなかった側(裏側)の中央部が上(砥粒循環装置29の砥粒放出口29c)を向くようになると共にさらにメッキ層が形成される。
【0071】
砥粒沈降領域Tの再度の通過により前記裏側のみに砥粒を付着させた長尺ワイヤー部分は、プーリー25に到達する前までにメッキ層が形成されるので、前記裏側に付着した砥粒は付着したメッキ層に固定される。このようにして砥粒を固定させた長尺ワイヤー部分は、プーリー25、26、27及び28に案内されてメッキ浴の中を走行するので、前記長尺ワイヤー部分には固定した砥粒を埋没する程度の厚さでさらに埋込メッキ層が形成される。
【0072】
なお、プーリー21〜28は、それぞれ、配設位置を移動させて固定することができる。そのため、プーリー21〜28のそれぞれの配設位置を適宜設定することにより、各メッキ層(下地メッキ層、砥粒を長尺ワイヤーに固定するためのメッキ層及び埋込メッキ層)の厚さを調節することができる。また、実施例1の第1〜2の電着漕C1〜2の砥粒沈降領域T1〜2で砥粒が沈降するように、砥粒循環装置29を第1〜2の電着漕C1〜2のそれぞれに設けることができる。
【0073】
また、実施例1及び2において、砥粒を先に固定した側(表側)を有する長尺ワイヤー部分の走行方向を180°反転させた後、長尺ワイヤー部分の外周面の砥粒未固定側(裏側)に砥粒を電着する際、前記表側と前記裏側へのメッキ層の形成量の差をなくして周方向に均一な厚さでメッキ層を形成するため、前記表側のメッキ層の形成速度が遅くなるように、前記表側が遮蔽物に接触するように走行させてメッキ液が前記表側から排除されるようにすることができる。長尺ワイヤー部分の外周面における前記裏側に砥粒を電着する際のメッキ層の厚さは、好ましくは、前記裏側に付着させた砥粒の径の5〜25%程度にする。
【0074】
また、長尺ワイヤー部分の外周面に電着した砥粒の完全な埋め込みを行う場合、埋込率(砥粒径に対する前記埋込メッキ層の厚さの割合)は、好ましくは20〜80%(より好ましくは25〜75%、さらに好ましくは30〜70%、)である。長尺ワイヤーの送り速度(走行速度)は、速ければ速いほど製造速度が速くなるが、設定する電流密度、メッキ槽の大きさに応じて、適切に定める。
【0075】
[実施例3]
本発明の他の一実施例のワイヤーソーの製造方法を図6に基づいて説明する。図6は、本実施例のワイヤーソーの製造方法の概略を説明するための、長尺ワイヤーの走行方向の概略部分断面図であり、図1と共通のものには図1と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0076】
実施例1と同様に、脱脂漕A1、第1の水洗漕A2、酸洗漕A3、第2の水洗漕A4、下地メッキ漕Bを経た長尺ワイヤーWの一部分である長尺ワイヤー部分は、陰極電極Z2の近傍に設けられている永久磁石であるアルニコ磁石Mにより磁化されて、強磁性体(例えば、鉄、コバルト、ニッケル)を引き付けることができるようになる。
【0077】
磁化された長尺ワイヤー部分は、電着漕C1’のメッキ浴の中を通過する。電着漕C1’のメッキ浴の一部の領域には、砥粒沈降領域T1’を設けている。前記砥粒沈降領域では、メッキ浴の液面に対して平均粒径15μmのニッケル被覆砥粒(砥粒表面がニッケル層で被覆されている砥粒であって、ニッケル被覆砥粒の全重量に占めるニッケル層の重量が30重量%であるもの)を分散した状態で供給しているので、ニッケル被覆砥粒は分散した状態でメッキ浴中を沈降する。なお、ニッケル被覆砥粒は、水に分散させたスラリーとしてメッキ浴の液面ないしその下側近傍に供給することができる。
【0078】
電着漕C1’のメッキ浴において、磁化された長尺ワイヤー部分は、電着漕C1’のメッキ浴の砥粒沈降領域T1’を通過すると、実施例1とは異なり、長尺ワイヤー部分(下地メッキ層を備えている)の上側(メッキ浴の液面側)だけでなく、長尺ワイヤー部分の外周面の全面に渡ってニッケル被覆砥粒を分散して付着させることができる。従って、実施例1で設けていた第2の電着漕C2は、設ける必要がないので設けていない。
【0079】
次に、長尺ワイヤー部分は、電着漕C1’のメッキ浴の砥粒沈降領域以外の領域(砥粒が供給されない領域)を引き続き通過するのでメッキ層が形成される。形成されるこのメッキ層(砥粒固定用メッキ層)によって、長尺ワイヤー部分の下地メッキ層(場合によっては、下地メッキ層の上に電着漕C1’で新たに形成された電気メッキ層)に付着した砥粒は、下地メッキ層(場合によっては、下地メッキ層の上に電着漕C1’で新たに形成された電気メッキ層)に固定される。この砥粒固定用メッキ層の厚さは、走行する長尺ワイヤーに固定した砥粒がプーリーで長尺ワイヤーから脱落しない程度の厚さにし、好ましくは付着させた砥粒の径の1〜10%程度の厚さにする。
【0080】
次に、長尺ワイヤー部分は、実施例1と同様に、埋込漕Dのメッキ浴の中を通過して、ニッケル被覆砥粒が完全に埋没する程度の厚さの埋込メッキ層が形成され、最後に、水洗漕A5の水の中を通過して、長尺ワイヤー部分に付着しているメッキ浴のメッキ液を除去する(水で置換する)。ワイヤーソーの製造方法における製造条件例は、例えば、以下のものがある。
【0081】
〈製造条件例〉
メッキ浴の種類:ワット浴(硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硼酸で調整)
メッキ浴のpH:3.0〜6.0
メッキ浴の温度:30〜50℃
ワイヤー送り速度:50〜5000mm/分
電流密度:0.5〜15A/dm2
ワイヤー径:φ0.05〜0.30mm
砥粒:ダイヤモンド砥粒(平均粒径1〜80μm)
【0082】
上記実施例のワイヤーソーの製造方法は、砥粒によるメッキ阻害が起こり難く、ワット浴を用いた場合でも電流密度を高めることができる。このため、製造速度を速くすることができ、かつ、メッキ浴の手入れが簡便なため、低コストでの製造が可能である。また、全自動化しやすくなり長距離のワイヤーソーの製造に耐えうる。
【0083】
【発明の効果】
【0084】
本発明のワイヤーソーの製造方法は、砥粒が分散して沈降する砥粒沈降領域を少なくとも一部に有する液状体の前記砥粒沈降領域で走行させて砥粒を外周面に付着させた長尺線状体における、前記外周面に付着させた砥粒を、前記砥粒沈降領域以外の領域において電着層の形成により前記外周面に固定する電着工程を含むので、長尺線状体の外周面に電着させる砥粒の分布の程度を制御してワイヤーソーを製造することができる。特に、長尺線状体の外周面に電着させる砥粒の分布を低密度にしたワイヤーソーを製造することができる。
【0085】
本発明のワイヤーソーの製造方法において、長尺線状体の外周面に電着させる砥粒の分布を低密度の範囲にする場合は、剛性が低く、表面の弾性率が小さく、捻りに対する強度が強く、破断しにくく、切味が良好なワイヤーソーを、製造速度を速くして製造することができる。また、ガラス、水晶などの比較的ねばい材料をワイヤーソーで切断する場合、目詰まりしやすいため砥粒間隔を開けたワイヤーソーを用いる必要がある。本発明のワイヤーソーの製造方法によれば、このような砥粒間隔を開けたワイヤーソーを製造することができる。
【0086】
本発明のワイヤーソーの製造装置は、長尺線状体に電着層を形成することができる電着漕と、砥粒が分散して沈降する砥粒沈降領域を前記電着漕に貯えられた電着浴の中に形成するように、砥粒ないし砥粒含有物を放出する砥粒放出部と、前記砥粒沈降領域で前記長尺線状体を走行させる手段を有し、前記砥粒放出部として、砥粒投入口から供給された砥粒ないし砥粒含有物を撹拌する砥粒供給部と、前記砥粒供給部で撹拌された砥粒ないし砥粒含有物が分散した状態で放出される砥粒放出口と、前記砥粒放出口から放出された砥粒ないし砥粒含有物を砥粒回収口から回収する砥粒回収部と、前記砥粒回収部と前記砥粒供給部とを接続する略U字形状の戻り管部と、前記砥粒回収部で回収された砥粒ないし砥粒含有物を前記略U字形状の戻り管部を経て前記砥粒供給部に移送するポンプを備える砥粒循環装置を具備するので、長尺線状体の外周面に電着させる砥粒の分布の程度を制御してワイヤーソーを製造することができる。特に、長尺線状体の外周面に電着させる砥粒の分布を低密度にしたワイヤーソーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1のワイヤーソーの製造方法の概略を説明するための、長尺ワイヤーの走行方向の概略部分断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例2のワイヤーソーの製造方法で使用することができる電着漕の概略部分断面図である。
【図3】図3は、本発明のワイヤーソーの一例の概略斜視図である。
【図4】図4は、図3のワイヤーソーの概略断面図であって、(a)は高密度領域の径方向の概略断面図であり、(b)は低密度領域の径方向の概略断面図である。
【図5】図5は、本発明のワイヤーソーの一例の長尺線状体の外周面を、長尺線状体の長さ方向に切断し平面にした展開図である。
【図6】図6は、本実施例のワイヤーソーの製造方法の概略を説明するための、長尺ワイヤーの走行方向の概略部分断面図である。
【符号の説明】
A1 脱脂槽(水酸化ナトリウム水溶液)
A2 水洗槽
A3 酸洗槽(塩酸)
A4 水洗槽
Z1 電極1
B 下地メッキ槽
Z2 電極2
C1 電着槽1
Z3 電極3
Z4 電極4
C2 電着槽2
Z5 電極5
D1 埋込槽
Z6 電極6
A5 水洗糟[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention, WaThe present invention relates to an ear saw manufacturing method and a wire saw manufacturing apparatus. More specifically, the present invention is used for cutting highly brittle materials such as single crystal silicon, quartz, and amorphous silicon, and can be cut without clogging and has almost no probability of disconnection during use. Wire saw-The present invention relates to a method and an apparatus for manufacturing a wire saw that can be manufactured.
[0002]
[Prior art]
For semiconductor devices, brittle materials such as single crystal silicon used for substrates of integrated circuits such as memories, quartz used for oscillators, and amorphous silicon used for solar cells are used. The technology to manufacture at a low price is extremely important.
[0003]
In order to obtain a substrate or the like used for manufacturing a semiconductor device, there is a slicing process in which a columnar material ingot is cut in a radial direction to cut a large number of thin wafers. In the slicing process, it is required to reduce the size of defects and crack layers by slicing as much as possible, and to cut out as many wafers as possible from one ingot as quickly as possible.
[0004]
Conventionally, this slicing process includes a method using an inner peripheral blade and a method using a wire saw using loose abrasive grains.
[0005]
The inner peripheral blade is obtained by fixing diamond abrasive grains to the inner peripheral portion of a thin metal ring by a plating method, has a high cutting efficiency per tool, and is widely used for cutting silicon ingots and the like. However, increasing the inner diameter of the inner peripheral blade has a manufacturing limit as the ingot becomes larger in diameter (300 mm in diameter), and it is difficult to realize a multi-saw that simultaneously processes with a large number of tools. There is a drawback of being.
[0006]
On the other hand, a method using a wire saw using loose abrasive grains is used to supply a wire with a working fluid (paste or slurry) containing GC abrasive grains (high purity silicon carbide abrasive grains) as loose abrasive grains. In this method, the wire is run while being pressed against the object to be processed. In this method, a multi-saw can be easily realized by winding a long wire between two multi-groove pulleys, and a machining efficiency can be improved by simultaneously cutting a large number of wafers from an ingot. In addition, it is easy to cope with a large diameter ingot.
[0007]
However, the method using a wire saw using loose abrasive grains is low in processing efficiency per wire, and because processing is performed while flowing a large amount of machining liquid using GC abrasive grains as loose abrasive grains, There are problems in the usage environment and waste disposal.
[0008]
Recently, a fixed abrasive wire saw such as an electrodeposited wire saw or a resin wire saw in which diamond abrasive grains are fixed to a wire by metal plating or resin has been proposed as a tool having the advantages of both of the above.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
An electrodeposited wire saw in which diamond abrasive grains are fixed to a wire by metal plating has a high abrasive grain holding power because diamond abrasive grains are fixed by metal plating, and can be said to be an ideal tool.
[0010]
However, in a conventional method for producing an electrodeposited wire saw (for example, JP-A-11-277398, JP-A-9-254008, etc.), abrasive grains are adhered to the wire by passing an abrasive pool through the wire. As a result, the amount of abrasive grains adhering to the wire is excessively large (the coverage of the outer peripheral surface of the wire is generally 50% or more), and the amount of abrasive grains per unit length to be fixed to the wire is reduced. It is difficult to produce an electrodeposited wire saw with a low density abrasive grain distribution. Therefore, an electrodeposited wire saw manufactured by a conventional manufacturing method has a high elastic modulus and is weak against twisting, so that there is a high risk of disconnection during use. Moreover, it was not possible to select and use an electrodeposited wire saw having an appropriate abrasive grain distribution (particularly, a low-density abrasive grain distribution) according to the workpiece (cutting target) and processing conditions. Furthermore, it has been difficult to increase the production speed in the conventional method for producing an electrodeposited wire saw.
[0011]
In the method of manufacturing a fixed abrasive wire described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-254008, when the abrasive grains are fixed in a spiral band shape to the outer peripheral surface of the wire, the wire is rotated around the axis while fixing the abrasive grains. Since it is necessary to rotate and abrasive grains may fall off from the wire at this time, there is a limit to increase the production speed (the wire feed speed, which is the production speed, is about 200 mm / min).
[0012]
For the above reasons, resin wire saws are manufactured in which diamond abrasive grains are fixed to a wire with a resin with an emphasis on production speed, although they are inferior in abrasive grain retention. However, when manufacturing a resin wire saw using a thermosetting resin, a heat-resistant resin cannot be applied to the thermosetting resin in order to prevent the wire from deteriorating. There is a difficult problem to do.
[0013]
In addition, when manufacturing a resin wire saw using a photo-curable resin that does not require heating, the radical reaction of acrylic resin will be used, but polyfunctional monomers with excellent heat resistance cannot be used due to large shrinkage in curing. There is still a problem with heat resistance. In addition, it is conceivable to add metal powder in order to enhance heat resistance. However, since the metal powder does not transmit light, it is difficult to photocur the photocurable resin to which the metal powder is added.
[0014]
BookThe objective of invention is providing the manufacturing method of the wire saw which can manufacture the electrodeposition wire saw made into the low density abrasive grain distribution from one viewpoint. Moreover, the objective of this invention is providing the manufacturing apparatus of the wire saw which can manufacture the electrodeposition wire saw made into the low density abrasive grain distribution from one viewpoint.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
[0018]
According to the present invention, the first1In the long linear body in which the abrasive grains are adhered to the outer peripheral surface by running in the abrasive grain sedimentation area of the liquid material having at least a part of the abrasive grain sedimentation area in which the abrasive grains are dispersed and settled. The abrasive grains adhered to the outer peripheral surfaceIn a region other than the abrasive sedimentation regionThe above object can be achieved by a method of manufacturing a wire saw including an electrodeposition step of fixing to the outer peripheral surface by forming an electrodeposition layer. In the method of manufacturing a wire saw of the present invention, an electrodeposition liquid having at least a part of an abrasive grain settling region in which abrasive grains are dispersed and settled is used as the liquid material and is long in the abrasive settling region of the electrodeposition liquid. Abrasive adhesion work that attaches abrasive grains to the outer peripheral surface of the linear bodyAbout, Before the electrodeposition step.
[0019]
According to the present invention, the first2In this aspect, the long linear body is caused to travel in the abrasive sedimentation area in the electrodeposition liquid having at least a part of the abrasive sedimentation area in which the abrasive grains are dispersed and settled. Abrasive adhesion work to attach abrasive grains to the outer peripheral surface ofAbout,In regions other than the abrasive sedimentation region,Including an abrasive electrodeposition step of fixing the abrasive particles adhered to the outer peripheral surface in the abrasive particle adhesion step to the outer peripheral surface by forming an electrodeposition layer, and in the abrasive particle adhesion step, the long linear body The above object can be achieved by a method of manufacturing a wire saw that controls the supply amount of abrasive grains or abrasive grains to be supplied to the abrasive sedimentation region so that abrasive grains are distributed at a desired density on the outer peripheral surface. it can.
[0020]
According to the present invention, the first3In the electrodeposition bath stored in the electrodeposition bath, an electrodeposition rod capable of forming an electrodeposition layer on a long linear body and an abrasive sedimentation region in which the abrasive particles are dispersed and settled And a means for causing the long linear body to travel in the abrasive sedimentation region, and the abrasive grain ejecting portion is used as an abrasive. An abrasive grain supply unit that stirs the abrasive grains or abrasive grain-containing material supplied from the grain inlet, and an abrasive release that is released in a state where the abrasive grains or abrasive grain-containing material stirred in the abrasive grain supply unit is dispersed. A substantially U connecting the outlet, an abrasive recovery unit that recovers abrasive grains or abrasive-containing materials discharged from the abrasive discharge port from the abrasive recovery port, and the abrasive recovery unit and the abrasive supply unit A shaped return pipe part and abrasive grains or abrasive grain-containing materials recovered by the abrasive grain recovery part through the substantially U-shaped return pipe part The apparatus for manufacturing a wire saw comprising an abrasive circulation system comprising a pump for transporting the sheet portion, it is possible to achieve the above object. The apparatus for manufacturing a wire saw according to the present invention can reduce the amount of abrasive grains or abrasive-grain-containing materials released from the abrasive grain discharge portion so that abrasive grains are distributed at a desired density on the outer peripheral surface of the long linear body. An abrasive grain discharge amount control unit can be provided. In the present invention, the description of the numerical value range includes not only both end values but also any arbitrary intermediate value included therein.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Wire saw]
Of the wire saw of the present inventionA wire saw that can be manufactured by a manufacturing method (hereinafter, simply referred to as a wire saw of the present invention)The coverage (percentage) of the outer periphery of the long linear body with abrasive grains is preferably 1 to 35% (more preferably 1 to 25%, still more preferably 5 to 25%). By setting the coverage to 35% or less, the rigidity of the wire saw can be suppressed. As a result, in the wire saw of the present invention, the shearing force generated when twisted is reduced and it is difficult to break.
[0022]
The long linear body may be a long linear body conventionally used for a wire saw as long as it is a material that can form an electrodeposition layer (for example, an electroplating layer) on the outer peripheral surface. It may be covered with a layer. The long linear body is, for example, a conductive wire (for example, a steel wire) or one or more conductive layers (for example, a conductive plating layer) on the outer peripheral surface of the wire. The layer can be a conductive layer-coated wire. The long linear body can be a combination of two or more of these wires.
[0023]
As one form of the wire saw of the present invention, there is a wire saw in which abrasive grains are dispersed and distributed at a substantially uniform density (area density) over the entire outer peripheral surface of a long linear body. The wire saw of this form can be divided into sections (however, the final end portion is equal to or less than the length L) divided in the length direction by a length L (L = 1 to 1000 mm). The coverage by the abrasive grains on the outer periphery of the long linear body in each section is preferably 1 to 35% (more preferably 1 to 25%, still more preferably 5 to 25%). In addition, as the length L of the segmented section becomes smaller than 1000 mm (for example, 800 mm, 600 mm, 400 mm, 200 mm, 100 mm, 50 mm, 10 mm, 5 mm, 1 mm), the coverage becomes 1-35% (further 1 to 25%, and further 5 to 25%) is preferable because the abrasive grains are more uniformly dispersed.
[0024]
In this form of wire saw, the coverage by the abrasive grains on the outer circumference of the long linear body exists in each section divided by the length L, and the maximum value and the minimum of these coverages The absolute value of the difference between the values is preferably 3 (%) or less (more preferably 0 to 2 (%), still more preferably 0 to 1 (%)). As a wire saw of this form, for example, a wire saw in which the maximum value of the coverage is 15% and the minimum value is 12% (the absolute value of the difference between the maximum value and the minimum value of the coverage is 3 (% )).
[0025]
Moreover, as another form of the wire saw of the present invention, the abrasive grains are distributed at a high density (high surface density) (preferably uniformly distributed) on the outer periphery of the long linear body, and a low density ( There is a wire saw in which a low density region distributed (preferably uniformly distributed) with a low areal density repeats alternately in the length direction of the long linear body. The high-density region of this form of wire sawAll ofIn this case, the coverage A by the abrasive grains on the outer peripheral surface of the long linear body is1~ 35%(Good1-25%,ThanPreferably it is 5 to 25%). Also, the low density regionAll ofThe coverage B by the abrasive grains on the outer circumference of the long linear body is, 0. 2-28%(GoodPreferably 0.2-23%,ThanPreferably it is 1 to 20%). The high density region and the low density regionAll ofCombinationIn any wayabout,B / A is 0.2 to 0.8.
[0026]
Each of the high-density regions of the wire saw of this form has a coverage by the abrasive grains on the outer peripheral surface of the long linear body, but the difference between the maximum value and the minimum value in these coverages (percentage) The absolute value is preferably 3 (%) or less (more preferably 0 to 2 (%), still more preferably 0 to 1 (%)). Further, each of the low-density regions of the wire saw of this embodiment has a coverage by the abrasive grains on the outer peripheral surface of the long linear body, and the maximum value and the minimum value among these coverages (percentage) The absolute value of the difference is preferably 3 (%) or less (more preferably 0 to 2 (%), still more preferably 0 to 1 (%)).
[0027]
The present invention has a region in which a high-density region in which abrasive grains are distributed at a high density and a low-density region in which a low-density distribution is distributed alternately on the outer circumferential surface of the long linear body in the length direction of the long linear body. An example of a wire saw will be described with reference to FIGS. 3-5, the electrodeposition layer which fixes an abrasive grain is abbreviate | omitted. FIG. 3 is a schematic perspective view of an example of the wire saw of the present invention. The wire saw 30 in FIG. 3 includes a
[0028]
The coverage A of the high-
[0029]
4 is a schematic cross-sectional view of the wire saw of FIG. 3, wherein (a) is a schematic cross-sectional view in the radial direction of the high-density region, and (b) is a schematic cross-sectional view in the radial direction of the low-density region. . In the
[0030]
FIG. 5 is a developed view in which the outer peripheral surface of a long linear body as another example of the wire saw of the present invention is cut in the length direction of the long linear body to make a flat surface. In the developed view, there are rectangular
[0031]
The coverage A of the long linear body outer
[0032]
The thickness of the abrasive fixed electrodeposition layer for fixing abrasive grains to the outer peripheral surface of the long linear body of the wire saw of the present invention is, for example, 5 to 200% of the diameter of the abrasive grains to be fixed. can do. The wire saw of the present invention can be provided with at least one coating layer that covers the abrasive fixed electrodeposition layer. The material of the coating layer can be the same as the material of the abrasive fixed electrodeposition layer, or can be a different material. The coating layer can be a layer formed by electrodeposition, or can be a layer formed by a method other than electrodeposition. When the front-end | tip part of an abrasive grain protrudes from the said abrasive fixed electrodeposition layer, the front-end | tip part of an abrasive grain can be protruded from the said coating layer, and can be made to embed in the said coating layer.
[0033]
An abrasive grain can be suitably selected according to a cutting object. When the hardness to be cut is small, ordinary abrasive grains such as alumina abrasive grains can be used. The abrasive grains are preferably superabrasive grains having a hardness higher than that of cubic boron nitride (for example, diamond abrasive grains, cubic boron nitride abrasive grains, or a mixture thereof). From the relationship with the diameter of the long linear body, the average grain size of the abrasive grains is, Long35% or less of the diameter of the linear body(GoodPreferably 1-35%,ThanPreferably, it is 5 to 35%. In addition, the average grain size of the abrasive grains ensures a good grinding force.1μm or more and 60 μm or less (more preferably 2 μm or more and 55 μm or less, and further preferably 3 μm or more and 50 μm or less).
[0034]
Moreover, as an abrasive grain, the coated abrasive grain which is an abrasive grain with which the abrasive grain surface is coat | covered with the at least 1 layer of coating layer can be used. The coating layer can be, for example, a metal plating layer such as a nickel plating layer, and preferably has an affinity (for example, chemical affinity) to a long linear body (more preferably, The covering layer is made of a material that is the same as or similar to the material of the long linear body. For example, when the long linear body is steel, the coating layer is a metal layer such as a nickel layer (preferably a metal plating layer such as a nickel plating layer).
[0035]
In the case of bare abrasive grains (for example, diamond abrasive grains) that do not have a coating layer, the abrasive grains are physically held by an electrodeposited layer (for example, a plating layer) against a long linear body in a wire saw. The On the other hand, the coating coated with a coating layer (for example, a metal plating layer such as a nickel plating layer) having an affinity (for example, chemical affinity) to a long linear body (for example, steel) In the case of abrasive grains, the coated abrasive grains are not only physically held by an electrodeposition layer (for example, a metal plating layer) but also chemically held with respect to a long linear body in a wire saw. Is possible.
[0036]
Therefore, when the coated abrasive is temporarily fixed to the long linear body when the coated saw is used to manufacture the wire saw of the present invention, a bare abrasive grain having no coating layer (for example, diamond abrasive) ) Is temporarily fixed (for example, in the first electrodeposition iron C1 of Example 1, when the adhered abrasive grains are fixed with a plating layer), a smaller amount of electrodeposition layer (for example, plating) Layer) can be temporarily fixed to a long linear body (fixed to the extent that it does not fall off with a pulley). When using coated abrasive grains, the thickness of the plating layer for temporarily fixing the abrasive grains is such that the abrasive grains fixed to the traveling long wire do not fall off the long wires with a pulley, and preferably the adhered abrasive The thickness is about 1 to 10% of the grain diameter.
[0037]
As the coated abrasive, one having a coverage (weight percentage of the coating layer in the coated abrasive) of, for example, 30 to 55% by weight can be used. Those with a coverage in the above range are commercially available. As the coated abrasive, for example, there is one in which a metal layer (metal layer of nickel, titanium, copper, etc.) covers the surface of the abrasive. As the coated abrasive grains, those commercially available as coated abrasive grains used for diamond wheels using resin bonds (annular grinding wheels using diamond abrasive grains) can be used.
[0038]
In addition, since the diamond abrasive grains coated with a nickel layer (for example, nickel plating layer) are dispersed in the plating solution and then charged slightly positive (positive), this charging causes a long linear shape as a cathode. It will be attracted to the body (eg, steel wire). For this reason, in particular, in the case of fine particles (for example, an average particle diameter of 20 μm or less), it is possible to electrically approach the long linear body against gravity, so the lower side of the long linear body (towards the direction of gravity) Abrasive grains can also be attached to the other side.
[0039]
[Wire saw manufacturing method]
In the method of manufacturing a wire saw according to the present invention, preferably, the abrasive grains are dispersed in the abrasive sedimentation area of the liquid material having at least a part of the abrasive grain sedimentation area in which a large number of abrasive grains are dispersed and settled in substantially the same direction. In the long linear body adhered to the outer circumferential surface, the abrasive grains adhered to the outer circumferential surfaceIn a region other than the abrasive sedimentation regionAbrasive electrodeposition step of fixing to the outer peripheral surface by forming an electrodeposition layer is included. Electrodeposition of the abrasive grains adhered to the outer peripheral surface to the outer peripheral surface can be performed, for example, by electroplating.
[0040]
In the electrodeposition step of the wire saw manufacturing method of the present invention, only one to several layers of abrasive grains are present on the outer peripheral surface of the long linear body, which hinders the formation of an electrodeposition layer (for example, an electroplating layer). Since the electrodeposition layer can be formed in the state, the supply of metal ions in the vicinity of the long linear body is performed quickly, so even if the current density is set high, problems such as "burning / hydrogen generation" Does not occur. As a result, according to the method for manufacturing a wire saw of the present invention, the current density in the electrodeposition process can be set high without causing problems, and the manufacturing speed can be increased.
[0041]
The wire saw manufacturing method of the present invention is an electrodeposition liquid having at least a part of an abrasive grain settling region in which a majority of abrasive grains are dispersed and settle in substantially the same direction before the abrasive electrodeposition process. An abrasive grain attaching step of attaching abrasive grains to the outer peripheral surface of the long linear body can be provided. In the abrasive grain adhesion step, the traveling direction of the long linear body with respect to the sedimentation direction of the abrasive grains is appropriately set so that the abrasive grains adhere to the outer peripheral surface of the long linear body, and the abrasive sedimentation region The long linear body is made to travel with. In addition, the adhesion amount of the abrasive grain to the outer peripheral surface of a long linear body can be changed by changing suitably the running direction of a long linear body with respect to the sedimentation direction of an abrasive grain. The long linear body is in the abrasive grain settling region so as to intersect at substantially right angles (preferably 70 to 110 °, more preferably 80 to 100 °) with the abrasive settling direction (generally the gravity direction). Can be run.
[0042]
Change (expansion or reduction) of the range of the abrasive grain settling region, change (increase or decrease) of the travel distance of the long linear body in the abrasive settling region, degree of dispersion of abrasive grains in the abrasive settling region ( The amount of abrasive grains adhered to the outer peripheral surface of the long linear body or the long linear body by at least one of the change (increase or decrease) of the weight or number of abrasive grains dispersed per fixed volume It is possible to change (increase or decrease) the degree of distribution of the abrasive grains on the outer peripheral surface of.
[0043]
In the abrasive grain adhesion step, for example, most of the abrasive grains dispersed in at least a part of an electrodeposition liquid (for example, electroplating liquid) stored in an electrodeposition bath capable of electrodepositing abrasive grains are substantially the same. In the abrasive grain settling region that settles in the direction, the long linear body can be made to travel so that the abrasive grains adhere to the outer peripheral surface of the long linear body.
[0044]
Examples of the abrasive sedimentation region include a majority (preferably 70% or more, more preferably 80% or more, still more preferably 90% or more, particularly preferably 95 to 90%) dispersed in a liquid material (for example, electrodeposition liquid). There is an abrasive sedimentation region where 100% of the abrasive grains naturally settle in the direction of gravity due to the weight of the abrasive.
[0045]
In the abrasive grain adhesion step, the abrasive grains are supplied to the abrasive sedimentation region so that the abrasive grains are distributed at a desired density (surface density) in the longitudinal direction of the long linear body on the outer circumferential surface of the long linear body. It is possible to control the supply amount of abrasive grains or abrasive grains-containing materials (slurry or paste-like abrasive grains-containing materials). For example, by controlling the supply amount to be substantially constant over time, and running a long linear body in an abrasive sedimentation region in which the amount of abrasive particles that settle per unit time is controlled to be substantially constant. The amount of abrasive grains adhering to the outer circumference of the long linear body in the length direction of the long linear body (unit length or amount of abrasive grains per unit area) and the degree of dispersion can be made substantially uniform. . In addition, the amount of abrasive grains settled per unit time in a cross section in a direction perpendicular to the abrasive grain settling direction is increased by controlling the supply amount to be increased and decreased time periods alternately. By running a long linear body in an abrasive grain settling area that is controlled so that the time zone and a few time zones are repeated alternately, the abrasive grains are dispersed at a high density, and the abrasive grains are dispersed at a low density. Thus, it is possible to form a region on the outer peripheral surface of the long linear body, in which the region to be adhered alternately repeats in the length direction of the long linear body.
[0046]
In the abrasive grain adhesion step, coated abrasive grains (for example, coated abrasive grains whose coating layer is a nickel layer) whose coating layer is a magnetic body (preferably a ferromagnetic body) are adhered to the outer peripheral surface of the long linear body. In this case, when the long linear body can be magnetized (for example, when the long linear body is a steel wire), the long linear body can be magnetized before the coated abrasive is attached. it can. The long linear body can be magnetized using a permanent magnet (for example, an alnico magnet).
[0047]
By magnetizing the long linear body, the coated abrasive particles are attracted to the long linear body and magnetically attached, and once attached, they do not easily fall off. In particular, when the production speed (running speed of the long linear body) is increased (for example, 1000 mm / min), the abrasive grains become long linear due to friction with the liquid body (for example, electrodeposition liquid such as plating solution). It can be prevented from falling off the body. Further, the long linear body travels in a direction substantially perpendicular to the settling direction of the coated abrasive grains in the abrasive dispersion settling region where the coated abrasive grains are dispersed and settled. The said coated abrasive grain can be made to adhere to the outer peripheral surface (including the outer peripheral surface part which faces a gravitational direction) over the perimeter of the circumferential direction of a body. In addition, by appropriately setting the degree of magnetization of the long linear body, or the travel distance, traveling time, traveling speed, etc. of the long linear body in the abrasive grain dispersion sedimentation region, the long linear body The coated abrasive grains can be dispersed and adhered to the outer peripheral surface over the entire circumference in the circumferential direction of the body.
[0048]
Moreover, the manufacturing method of the wire saw of this invention is the pre-processing process which pre-processes a elongate linear body so that electrodeposition can be favorably performed before the said abrasive grain adhesion process, and the said abrasive grain electrodeposition process. Base electrodeposition to form a base electrodeposition layer (preferably a base electrodeposition layer of the same material as the electrodeposition layer to be formed) on the outer peripheral surface of the long linear body so that the electrodeposition layer to be formed can be easily formed Either or both of the layer forming steps can be included. As the pretreatment step, for example, the deposit removal step of removing deposits such as oil adhering to the long linear body with a solvent that dissolves or disperses the deposits, and the long linear body There is a step of dissolving and removing the non-conductive film in which the formed non-conductive film (non-conductive oxide film or the like) is dissolved and removed.
[0049]
As a long linear body used in the method of manufacturing a wire saw of the present invention, any wire wire saw conventionally used as long as an electrodeposition layer (electroplating layer or the like) can be formed on the outer peripheral surface is appropriately used. It can be selected and used, and it may be coated with one or more coating layers. The long linear body is, for example, a conductive wire (for example, a steel wire) or one or more conductive layers (for example, a conductive plating layer) on the outer peripheral surface of the wire. Layer). Further, the long linear body can be formed by twisting two or more of these wires.
[0050]
The average grain size of the abrasive grains used in the method of manufacturing a wire saw of the present invention is set to a range in which the abrasive grains can be dispersed in a liquid material (for example, electroplating liquid), and preferably transferred with the liquid material. Set to a range that can be circulated. The average grain size of the abrasive grains is preferably 1 μm or more and 60 μm or less (more preferably 2 μm or more and 55 μm or less, and further preferably 3 μm or more and 50 μm or less). This is because abrasive grains having an average particle size exceeding 60 μm tend to be difficult to disperse in a liquid or to be transported or circulated together with the liquid. In addition, the average particle diameter of the abrasive grains is preferably 35% or less (more preferably 30% or less) of the diameter of the long linear bodies from the relationship with the diameter of the long linear bodies to which the abrasive grains are to be attached. And more preferably 25% or less).
[0051]
[Wire saw manufacturing equipment]
The wire saw manufacturing apparatus of the present invention includes a first roll for winding a long linear body in addition to the electrodepositing iron, the abrasive grain discharge part, and the abrasive grain discharge amount control part specified in the present invention, Means for running a long linear body such as a second roll for winding the long linear body drawn from the first roll, a motor for rotating the rolls around the central axis, etc. A means for changing the traveling direction of the long linear body such as a pulley can be provided.
[0052]
【Example】
[Example 1]
The manufacturing method of the wire saw of one Example of this invention is demonstrated based on FIG. 1 of drawing. Drawing 1 is an outline fragmentary sectional view of the running direction of a long wire for explaining an outline of a manufacturing method of a wire saw of this example. The long wire W is wound around a roll R and travels while being guided by a pulley P when its tip is wound around a rotating shaft (not shown) such as a motor. In the method of manufacturing the wire saw of this embodiment, the degreasing iron A1, the first water washing iron A2, the pickling iron A3, the second water washing iron A4, the base plating iron B, the first electrodeposition iron C1, the second A pulley P is provided so that the long wire W sequentially passes through a predetermined liquid material stored in each of the electrodeposition rod C2, the embedded rod D, and the water washing rod A5.
[0053]
Each of the above-mentioned irons is electroplated so that the traveling long wire is electroplated with each of the base plating iron B, the first electrodeposition iron C1, the second electrodeposition iron C2, and the embedded iron D. In addition, an anode electrode (not shown) is provided in the plating bath, and a traveling long wire is brought into contact with the cathode electrodes Z1, Z2, Z3, Z4, Z5 and Z6. The cathode electrode will be described in detail as follows.
[0054]
The cathode electrode Z1 is in contact with the long wire portion after being immersed in the water of the second water rinsing bath A4 and before being immersed in the plating bath of the base plating bath B. The cathode electrode Z2 is in contact with the long wire portion after being immersed in the plating bath of the base plating rod B and before being immersed in the plating bath of the first electrodeposition rod C1. The cathode electrodes Z3 and Z4 are in contact with the long wire portion after being immersed in the plating bath of the first electrodeposition rod C1 and before being immersed in the plating bath of the second electrodeposition rod C2. The cathode electrode Z5 is in contact with the long wire portion after being immersed in the plating bath of the second electrodeposition rod C2 and before being immersed in the plating bath of the embedded rod D. The cathode electrode Z6 is in contact with the long wire portion after being immersed in the plating bath of the embedded rod D and before being immersed in the water of the water rinsing A5.
[0055]
The travel of the long wire W will be described in detail as follows. First, since the long wire part which is a part of the long wire W which is the steel wire pulled out from the roll R passes through the degreasing liquid (sodium hydroxide aqueous solution) of the degreasing pad A1, the long wire part is long. When oil is attached to the length wire portion, the oil content can be removed from the long wire portion. Next, since the long wire portion passes through the water of the first water washing bowl A2, the degreasing liquid adhering to the long wire portion can be removed (replaced with water). .
[0056]
Next, since the long wire portion passes through the pickling solution A3 (hydrochloric acid), when the oxide layer is formed on the surface of the long wire portion, the long wire portion is long. The oxide layer can be removed from the wire portion. Next, since the long wire portion passes through the water of the second washing bowl A4, the pickling solution adhering to the long wire portion may be removed (replaced with water). it can.
[0057]
Next, since the long wire portion passes through the plating bath of the base plating rod B, the outer peripheral surface of the long wire portion is coated on the surface (outer peripheral surface) of the long wire portion without the oxide layer. Thus, a tubular base plating layer is formed by electroplating. The base plating layer is a layer formed in advance so that a plating layer for abrasive electrodeposition can be easily formed on a long wire. The thickness of the base plating layer formed on the long wire is about 1 to 10 μm.
[0058]
Next, the long wire portion passes through the plating bath of the first electrodeposition rod C1. A first abrasive grain settling region T1 is provided in a partial region of the plating bath of the first electrodeposit iron C1. In the abrasive grain settling region, since the abrasive grains are supplied in a dispersed state with respect to the liquid level of the plating bath, the abrasive grains settle in the plating bath in a dispersed state.
[0059]
In the plating bath of the first electrodeposition rod C1, the long wire portion passes through the first abrasive sedimentation region T1 of the plating bath of the first electrodeposition rod C1, so that the long wire portion (underlying plating layer) Abrasive grains settle and are supplied in the direction of gravity from the upper side (plating bath liquid level side), so that part of the outer peripheral surface of the long wire portion (mainly facing the plating bath liquid level) Abrasive grains adhere only to the substantially half circumferential surface on the side. Next, since the long wire portion continues to pass through a region (region where no abrasive grains are supplied) other than the abrasive sedimentation region of the plating bath of the first electrodeposition rod C1, a plating layer is formed. By this formed plating layer (abrasive-fixing plating layer), the base plating layer of the long wire portion (in some cases, the electroplating newly formed on the base plating layer with the first electrodeposition electrode C1) The abrasive grains adhering to the layer) are fixed to a base plating layer (in some cases, an electroplating layer newly formed on the base plating layer with the first electrodeposition electrode C1). The thickness of the plating layer for fixing the abrasive grains is set so that the abrasive grains fixed to the traveling long wire do not fall off from the long wire with a pulley, and preferably 5 to 25 of the diameter of the adhered abrasive grains. % Thickness. Here, the side on which the abrasive grains are fixed to the long wire by the first electrodeposition electrode C1 is referred to as the “front side” of the long wire, and the side on which the abrasive grains are not fixed is referred to as the “back side” of the long wire. I will call it.
[0060]
The long wire portion that has passed through the plating bath of the first electrodeposition rod C1 is a pulley so that the front side to which the abrasive grains are fixed faces the direction of gravity before entering the plating bath of the second electrodeposition rod C2. 11 and 12 reverse the traveling direction by 180 °.
[0061]
Next, the long wire portion passes through the plating bath of the second electrodeposition rod C2. Similar to the first electrodeposition iron C1, the second electrodeposition iron C2 is provided with a second abrasive sedimentation region T2 in a partial region of the plating bath. In the abrasive grain settling region, since the abrasive grains are supplied in a dispersed state with respect to the liquid level of the plating bath, the abrasive grains settle in the plating bath in a dispersed state.
[0062]
In the plating bath of the second electrodeposition rod C2, the long wire portion has the second abrasive sedimentation region T2 of the plating bath of the second electrodeposition rod C2 on the side (front side) on which the abrasive grains are fixed. Passes with the side (back side) where the abrasive grains are not fixed by the first electrodeposition rod C1 facing the liquid surface side of the plating bath, facing downward (the inner bottom surface of the second electrodeposition rod C2). . Therefore, abrasive grains adhere only to the back side of the long wire portion. Next, since the long wire portion continues to pass through a region other than the second abrasive sedimentation region T2 of the plating bath of the second electrodeposition rod C2, a plating layer is formed on the long wire portion. By the plating layer formed by the second electrodeposition rod C2, the abrasive grains adhering to the plating layer of the long wire portion (plating layer formed by the first electrodeposition rod) are fixed to the adhered plating layer. Is done. The thickness of the plating layer formed by the second electrodeposition electrode C2 is set to such a thickness that the abrasive grains fixed to the traveling long wire portion do not fall off from the long wire portion with a pulley, and preferably the adhered abrasive The thickness is about 5 to 25% of the grain diameter.
[0063]
Next, since the long wire portion passes through the plating bath of the embedded rod D, a new plating layer is formed on the surface of the long wire portion in the embedded rod D by electroplating. This plating layer is a buried plating layer formed so that the abrasive grains electrodeposited on the surface of the long wire in the first and second electrodeposition plating baths are completely buried. The thickness of the embedded plating layer is set to such a thickness that the abrasive grains are completely embedded, for example, 20 to 80% (preferably 25 to 75%, more preferably 30 to 70%) of the diameter of the embedded abrasive grains. To.
[0064]
Finally, the long wire portion passes through the water of the water rinsing A5 to remove the plating solution of the plating bath adhering to the long wire portion (replace with water).
[0065]
[Example 2]
In Example 1, the plating layer from the base plating layer to the embedded layer is formed using the base plating rod B, the first electrodeposition rod C1, the second electrodeposition rod C2, and the embedded rod D. However, the plating layer can be formed in the same manner using only one electrodeposition electrode. An example of this case will be described with reference to FIG. FIG. 2 is a schematic partial cross-sectional view of an
[0066]
The
[0067]
The settling abrasive grains enter the abrasive
[0068]
On the other hand, in the same manner as in Example 1, the long wire W ′ that has passed the predetermined liquid stored in each of the degreasing basket, the first washing bowl, the pickling bowl, and the second washing bowl is provided with
[0069]
A base plating layer is formed on the outer peripheral surface of the long wire portion that is a part of the long wire W ′ that is guided by the
[0070]
Since the long wire portion in which the abrasive grains are adhered to the underlying plating layer by passing through the abrasive sedimentation region T is formed before reaching the
[0071]
Since the long wire portion in which the abrasive grains are attached only to the back side by re-passing through the abrasive sedimentation region T is formed with a plating layer before reaching the
[0072]
The
[0073]
Moreover, in Examples 1 and 2, after reversing the traveling direction of the long wire portion having the side (front side) on which the abrasive grains were fixed first by 180 °, the abrasive grain unfixed side of the outer peripheral surface of the long wire portion When electrodepositing abrasive grains on the back side, in order to eliminate the difference in the formation amount of the plating layer on the front side and the back side and form a plating layer with a uniform thickness in the circumferential direction, The plating solution can be removed from the front side by running so that the front side is in contact with the shield so that the formation speed becomes slow. The thickness of the plating layer when electrodepositing the abrasive grains on the back side of the outer peripheral surface of the long wire portion is preferably about 5 to 25% of the diameter of the abrasive grains adhered to the back side.
[0074]
Further, when complete embedding of the electrodeposited abrasive grains on the outer peripheral surface of the long wire portion is performed, the embedding rate (ratio of the thickness of the embedded plating layer to the abrasive grain size) is preferably 20 to 80%. (More preferably 25 to 75%, still more preferably 30 to 70%). The higher the wire feed rate (running speed), the faster the production speed, but it is appropriately determined according to the current density to be set and the size of the plating tank.
[0075]
[Example 3]
The manufacturing method of the wire saw of other one Example of this invention is demonstrated based on FIG. FIG. 6 is a schematic partial cross-sectional view in the traveling direction of the long wire for explaining the outline of the manufacturing method of the wire saw of the present embodiment, and the same reference numerals as those in FIG. The description is omitted.
[0076]
As in Example 1, the long wire portion that is a part of the long wire W that has passed through the degreasing rod A1, the first water washing rod A2, the acid washing rod A3, the second water washing rod A4, and the base plating rod B, It is magnetized by the Alnico magnet M, which is a permanent magnet provided in the vicinity of the cathode electrode Z2, so that a ferromagnetic material (for example, iron, cobalt, nickel) can be attracted.
[0077]
The magnetized long wire portion passes through the plating bath of the electrodeposition electrode C1 '. An abrasive grain settling region T1 'is provided in a partial region of the plating bath of the electrodeposition rod C1'. In the abrasive sedimentation region, nickel-coated abrasive grains having an average particle diameter of 15 μm with respect to the liquid surface of the plating bath (the abrasive grains are coated with a nickel layer on the surface of the nickel-coated abrasive grains, The nickel-coated abrasive grains settle in the plating bath in a dispersed state. The nickel-coated abrasive grains can be supplied as a slurry dispersed in water to the liquid surface of the plating bath or near the lower side thereof.
[0078]
In the plating bath of the electrodeposition rod C1 ′, when the magnetized long wire portion passes through the grain settling region T1 ′ of the plating bath of the electrodeposition rod C1 ′, unlike the first embodiment, the long wire portion ( The nickel-coated abrasive grains can be dispersed and attached not only on the upper side (which includes the base plating layer) (the liquid surface side of the plating bath) but also on the entire outer peripheral surface of the long wire portion. Therefore, the second electrodeposition electrode C2 provided in Example 1 is not provided because it is not necessary to provide it.
[0079]
Next, the long wire portion continues to pass through a region (region where no abrasive grains are supplied) other than the abrasive grain settling region of the plating bath of the electrodeposition rod C1 ', so that a plating layer is formed. By this formed plating layer (abrasive-fixing plating layer), a base plating layer for the long wire portion (in some cases, an electroplating layer newly formed on the base plating layer with an electrodeposition electrode C1 ′) The abrasive grains adhering to are fixed to a base plating layer (in some cases, an electroplating layer newly formed on the base plating layer with an electrodeposition iron C1 ′). The thickness of the plating layer for fixing the abrasive grains is set to such a thickness that the abrasive grains fixed to the traveling long wire does not fall off from the long wire with a pulley, and preferably 1 to 10 of the diameter of the adhered abrasive grains. % Thickness.
[0080]
Next, in the same manner as in Example 1, the long wire portion passes through the plating bath of the embedded rod D to form an embedded plating layer having a thickness enough to completely bury the nickel-coated abrasive grains. Finally, it passes through the water of the water rinsing A5 and removes the plating solution of the plating bath adhering to the long wire portion (replaces with water). Examples of manufacturing conditions in the method for manufacturing a wire saw include the following.
[0081]
<Examples of manufacturing conditions>
Type of plating bath: Watt bath (adjusted with nickel sulfate, nickel chloride, boric acid)
Plating bath pH: 3.0 to 6.0
Plating bath temperature: 30-50 ° C
Wire feed rate: 50-5000mm / min
Current density: 0.5 to 15 A / dm2
Wire diameter: φ0.05-0.30mm
Abrasive grains: Diamond abrasive grains (average grain size 1-80 μm)
[0082]
In the method of manufacturing the wire saw of the above embodiment, plating inhibition due to abrasive grains hardly occurs, and even when a watt bath is used, the current density can be increased. For this reason, the production speed can be increased, and the plating bath can be easily maintained, so that it can be produced at low cost. In addition, it becomes easier to fully automate and can withstand the production of long-distance wire saws.
[0083]
【The invention's effect】
[0084]
The method of manufacturing a wire saw according to the present invention is a method in which the abrasive grains are adhered to the outer peripheral surface by running in the abrasive sedimentation area of the liquid material having at least a part of the abrasive grain sedimentation area in which the abrasive grains are dispersed and settled. Abrasive grains attached to the outer peripheral surface of the linear bodyIn a region other than the abrasive sedimentation regionSince the electrodeposition step of fixing to the outer peripheral surface by forming an electrodeposition layer is included, a wire saw can be manufactured by controlling the degree of distribution of abrasive grains to be electrodeposited on the outer peripheral surface of the long linear body. In particular, it is possible to manufacture a wire saw in which the distribution of abrasive grains electrodeposited on the outer peripheral surface of a long linear body is made low density.
[0085]
In the method for manufacturing a wire saw of the present invention, when the distribution of abrasive grains to be electrodeposited on the outer peripheral surface of a long linear body is in a low density range, the rigidity is low, the surface elastic modulus is small, and the strength against twisting A wire saw that is strong, hard to break, and has a good sharpness can be produced at a high production rate. Further, when a relatively thick material such as glass or crystal is cut with a wire saw, it is necessary to use a wire saw with a gap between the abrasive grains because it is easily clogged. According to the method for manufacturing a wire saw of the present invention, it is possible to manufacture a wire saw having such an interval between abrasive grains.
[0086]
In the wire saw manufacturing apparatus of the present invention, an electrodeposition rod capable of forming an electrodeposition layer on a long linear body, and an abrasive sedimentation region in which abrasive grains are dispersed and settled are stored in the electrodeposition rod. Abrasive grain discharge part that discharges abrasive grains or abrasive grains-containing material so as to form in the electrodeposition bathAnd means for running the long linear body in the abrasive grain settling regionHaveAs the abrasive discharge part, there are an abrasive supply part for stirring the abrasive grain or abrasive grain-containing material supplied from the abrasive grain inlet, and an abrasive grain or abrasive grain-containing substance stirred by the abrasive grain supply part Abrasive grain discharge port that is released in a dispersed state, an abrasive grain recovery unit that collects abrasive grains or abrasive grain-containing materials released from the abrasive grain release port from an abrasive grain recovery port, the abrasive grain recovery unit, and the A substantially U-shaped return pipe part connecting the abrasive grain supply part, and the abrasive grains or abrasive-containing material collected by the abrasive grain recovery part through the substantially U-shaped return pipe part. Abrasive circulation device having a pump for transferring to the sectionTherefore, a wire saw can be manufactured by controlling the degree of distribution of the abrasive grains to be electrodeposited on the outer circumferential surface of the long linear body. In particular, it is possible to manufacture a wire saw in which the distribution of abrasive grains electrodeposited on the outer peripheral surface of a long linear body is made low density.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic partial cross-sectional view in the traveling direction of a long wire for explaining the outline of the method for manufacturing a wire saw of Example 1. FIG.
FIG. 2 is a schematic partial sectional view of an electrodepositing iron that can be used in the method of manufacturing a wire saw according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a schematic perspective view of an example of the wire saw of the present invention.
4 is a schematic cross-sectional view of the wire saw of FIG. 3, wherein (a) is a schematic cross-sectional view in the radial direction of the high-density region, and (b) is a schematic cross-sectional view in the radial direction of the low-density region. It is sectional drawing.
FIG. 5 is a developed view in which the outer peripheral surface of a long linear body as an example of the wire saw of the present invention is cut in the length direction of the long linear body to make a flat surface.
FIG. 6 is a schematic partial cross-sectional view in the traveling direction of the long wire for explaining the outline of the method of manufacturing the wire saw according to the present embodiment.
[Explanation of symbols]
A1 Degreasing tank (sodium hydroxide aqueous solution)
A2 washing tank
A3 Pickling tank (hydrochloric acid)
A4 washing tank
Z1 electrode 1
B Base plating tank
Z2 electrode 2
C1 Electrodeposition tank 1
Z3 electrode 3
Z4 electrode 4
C2 Electrodeposition tank 2
Z5 electrode 5
D1 Embedded tank
Z6 electrode 6
A5 water wash bowl
Claims (5)
前記砥粒沈降領域以外の領域において、前記砥粒付着工程で前記外周面に付着させた砥粒を電着層の形成により前記外周面に固定する砥粒電着工程を含み、
前記砥粒付着工程において、前記長尺線状体の外周面に所望の密度で砥粒が分布するように、前記砥粒沈降領域へ供給する砥粒ないし砥粒含有物の供給量を制御することを特徴とするワイヤーソーの製造方法。A long linear body is caused to travel in the abrasive grain settling area in the electrodeposition liquid having at least a part of the abrasive grain settling area in which the abrasive grains are dispersed and settled, and the outer circumferential surface of the long linear body is formed. and the extent abrasive with grain starts to adhere the abrasive grains,
In a region other than the abrasive sedimentation region , including an abrasive electrodeposition step of fixing the abrasive particles adhered to the outer peripheral surface in the abrasive particle adhesion step to the outer peripheral surface by forming an electrodeposition layer,
In the abrasive grain adhesion step, the supply amount of abrasive grains or abrasive grain-containing materials supplied to the abrasive grain sedimentation region is controlled so that the abrasive grains are distributed at a desired density on the outer peripheral surface of the long linear body. A method of manufacturing a wire saw.
砥粒が分散して沈降する砥粒沈降領域を前記電着漕に貯えられた電着浴の中に形成するように、砥粒ないし砥粒含有物を放出する砥粒放出部と、
前記砥粒沈降領域で前記長尺線状体を走行させる手段を有し、
前記砥粒放出部として、砥粒投入口から供給された砥粒ないし砥粒含有物を撹拌する砥粒供給部と、前記砥粒供給部で撹拌された砥粒ないし砥粒含有物が分散した状態で放出される砥粒放出口と、前記砥粒放出口から放出された砥粒ないし砥粒含有物を砥粒回収口から回収する砥粒回収部と、前記砥粒回収部と前記砥粒供給部とを接続する略U字形状の戻り管部と、前記砥粒回収部で回収された砥粒ないし砥粒含有物を前記略U字形状の戻り管部を経て前記砥粒供給部に移送するポンプを備える砥粒循環装置を具備することを特徴とするワイヤーソーの製造装置。An electrodepositing iron capable of forming an electrodeposition layer on a long linear body;
An abrasive grain discharge part for discharging abrasive grains or abrasive grains-containing material so as to form an abrasive deposition area in which the abrasive grains are dispersed and settled in the electrodeposition bath stored in the electrodeposition bath;
Means for running the long linear body in the abrasive grain settling region;
As the abrasive grain release part, the abrasive grain supply part that stirs the abrasive grain or the abrasive grain-containing material supplied from the abrasive grain inlet, and the abrasive grain or abrasive grain-containing substance stirred by the abrasive grain supply part are dispersed. Abrasive grain discharge port that is released in a state, an abrasive grain recovery unit that recovers abrasive grains or abrasive grain-containing materials discharged from the abrasive grain discharge port from the abrasive grain recovery port, the abrasive grain recovery unit, and the abrasive grain A substantially U-shaped return pipe part connecting the supply part, and abrasive grains or abrasive-grain-containing materials recovered by the abrasive grain recovery part to the abrasive grain supply part via the substantially U-shaped return pipe part An apparatus for manufacturing a wire saw, comprising an abrasive circulation device including a pump for transferring.
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