JP4156720B2 - 車両用信号灯 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用信号灯に関するもので特にコ−ナ−リングランプ等のデザイン上の都合による設計の自由度を向上させより一層商品性を向上させたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用信号灯(以下コ−ナ−リングランプ)を図15に示す。図15は、コ−ナ−リングランプの斜視図と、長手方向のA−A断面図及び短手方向のB−B断面図を示す。また、図16は、コ−ナ−リングランプの車体への取付け位置を示す図である。図15に示す様にコ−ナ−リングランプ150は、光源に白熱電球154が用いられ、レンズ151とハウジング152が、溶着等によって組み付けてあり、前記白熱電球154はソケット153を介して、予め開けられているハウジング152の穴に装着されている。
【0003】
レンズ151の色は、アンバ−色であり全体に一様に魚眼カット155が施されている。ハウジング152は、その一部がレンズ151の外周に露出しており、デザイン上多くの場合黒色とされる。
【0004】
レンズ151、ハウジング152は白熱電球154の熱による溶損がない様、通常10〜15mmの隙間を確保する必要がありその様に形状が決められている。
【0005】
このように、光源が白熱電球154である為、フィラメントから発せられる熱によるレンズ151及びハウジング152の溶損対策のため、白熱電球154との隙間を10〜15mm確保しなければならずこれにより、コ−ナ−リングランプ150の天地巾dが35〜45mmとなってしまい車のデザインを流線形にするのにデザイン上の自由度がなかった。
【0006】
また、白熱電球154の光は、それ自身では全方向に一様に発せられており、レンズ151も全面にわたって均一形状の魚眼カット155が施されている為、点灯時のフィ−リングが、行灯の様にぼやけたものとなってしまう。特に近年、ヘッドランプやストップランプにクリスタル感のある点灯フィ−リングが要求されてきているが、従来の構造では、この要求に応えることができず表示品位を著しく低下させている。
【0007】
白熱電球154は白色光である為、法規で要求されるアンバ−色を出力する為に、レンズ151をアンバ−色にしなければならないが、このアンバ−色のボディ−色に対する存在感が非常に強くデザイン上好まれていない。
【0008】
更に、熱による溶損を考慮して光源を白熱電球からLEDランプに変え使用した場合、LEDランプの配光特性や視野角及び光量を考慮すると複数個のLEDランプを用いなければならず、特に3〜4個のLEDランプの実装した時そのピッチも大きくなり、レンズに凹凸感が現われ点灯フィ−リングを悪化させていた。
【0009】
【課題が解決しようとする問題点】
本発明は、コ−ナ−リングランプの天地巾dを狭くし、車のデザインを流線形にするのにデザイン上の自由度を向上させ且つ点灯時のフィ−リングを、行灯の様にぼやけたものとなってしまうのを防止し商品性を向上させることを可能とする。また、レンズ色の存在感をボディ−色に対して強くしない様にしデザイン上好まれるコ−ナ−リングランプを提供することを目的とする。更には、LEDランプをコ−ナ−リングランプに使用した場合の点灯時の凹凸感をなくし点灯フィ−リングを向上することも可能である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源とハウジングとレンズからなる車両用信号灯において、該光源は、複数のLEDランプとし、該レンズには、主配光プリズム部と拡散プリズム部を形成し、該主配光プリズム部は、長手方向に複数列のプリズムを持ち、第一、第二の複数列のプリズムを持ち、第一の列のプリズムの間に第二の列のプリズムがあり、第一、第二列のプリズムにおいて逆方向にプリズムカットが施されており、第一の列、第二の列のプリズムの制御角は、LEDランプの真上でプリズムの短手方向での仮想断面に対し対称とすることを特徴とした車両用信号灯であり、ランプの天地巾を小さくしてデザインの自由度を向上させることが出来る。その時のレンズの主配光プリズム部と拡散プリズム部の配置が、レンズ周縁部に拡散プリズム部とし他の中央の部分を主配光プリズム部とし、該主配光プリズム部の前記制御角は2〜5°としている。この時従来の欠点であった点灯時のフィ−リングを大幅に改善できる。前記拡散プリズム部の効果としては、光を斜め方向へ広げることによってより一層点灯時のフィ−リングを向上させる効果がある。また、LEDランプの実装ピッチを短くする時は、複数のLEDランプを全て同一方向に傾けて実装することで主配光プリズム部に充分LEDランプの光が入るようにできる。更に、前記レンズをクリア−とし、前記ハウジングの内側と前記基板表面を白色としたり、前記ハウジングの内側と前記基板のLEDランプ実装部分以外を白色のカバ−で覆ったことで、デザイン上好まれないレンズのアンバ−色をなくすことが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例の斜視図を図1に示す。図1の長手方向であるC−C断面図を図2に、図1の短手方向であるD−D断面図を図3に示す。光源にLEDランプ4を複数個用い、基板5にLEDランプ4を実装し、ハウジング6内に配置される。レンズ1は、主配光用プリズム部2と拡散用プリズム部3から構成される。図4、図5に示すように前記主配光プリズム部2は、長手方向に複数列のプリズムをもつものとし、各列のプリズムの制御角7は、偶数列Aによる制御角aと奇数列Bによる制御角bとでLEDランプの真上でプリズムの短手方向での仮想断面に対し対称となっている。
【0012】
プリズムの制御角7を列A、列B、…(A・B・A・B・A・B・・)1列ごとに置き変えることは、点灯時のフィ−リングを改善させる効果がある。LEDランプ4と主配光プリズム部2の光の配光をもとに詳しく述べる。LEDランプ4を複数個使った灯具では、従来点灯時の見え方が均一にはなりずらくLEDランプ4の実装されている位置のみが非常に明るくなってしまい凹凸感が現れると言う欠点があった。
【0013】
これを改良する為に主配光を出す主配光プリズム部2に於て、プリズムを長手方向に複数列(A列、B列)設定し、各プリズムの持つ光の制御角7は各列ごとにLEDランプ4の真上でプリズムの短手方向での仮想断面に対し左右対称とする。更に制御角7は、LEDランプ4の主配光軸を左右に2〜5°屈折させる様にするという設定をする。これは、LEDを光源に使うことにより熱に対する心配がなくなりコ−ナ−リングランプの天地幅dを大幅に小さくすることが可能になった為である。
【0014】
コ−ナ−リングランプは、視認性の面から一定の発光面積を確保しなければならない為、天地幅を狭くした分ランプは左右に長くしなくてはならない。例えば、上下幅40mm×左右長さ52mm=10mm×208mというようになる。しかし、車両の側面は、車の進行方向に沿って大きなカ−ブがついている為あまり全長の長いコ−ナ−リングランプは、スタイル上好まれない。
【0015】
発明者の経験から、この最大全長を120mmと考えた。この120mmの長さのランプには、光量とコストを考えると3〜4個のLEDランプ4が適当であると考えられる。しかし120mmの長さの中に3〜4個のLEDランプ4を設置すると、その点灯フィ−リングが凹凸感となってしまいスタイリング上好ましくなかった。LEDランプ4の実装ピッチが大きかった為である。
【0016】
しかし、前記した様に光軸を左右に散らばすことによりLEDランプを使うことによって問題となっていた凹凸感を大幅に改善することが出来る。図6に示すように、3〜4個のLEDランプ4を120mmのコ−ナ−リングランプ内に装着した場合その実装ピッチは、40〜30mmとなる。また、図7に示すように、人間の両目の距離を80mmとし、図9に示すようにLEDランプ4から目までの水平距離を1M(1000mm)とする。
【0017】
複数列あるプリズムを偶数番目のA列と奇数番目のB列に分けて考えると図8、図9の様に、A列、B列のプリズムがLEDランプ4の真上での仮想面Cに対し対称になる様にLEDランプ4の光軸を曲げかつ、両端のLEDランプの光軸どうしが逆側の目を狙う様にプリズムを設定した時に、左右に最も広い範囲で人間の目がLEDランプ4の光軸を受けることができる。
【0018】
前記の数値を元にこの時のプリズムの制御角を算出するとピッチを40mmとした時が最も大きくなりTan−1((45+40)/(1000))≒4.86°である。また、LEDランプから目までの距離を2M以上とすると、その天地幅dの狭さからもはや点灯フィ−リング自体を認識しずらくなる為2MをMAX値として同様の角度を求めるとTan−1((45+40)/(2000))≒2.43°となる。この様に、プリズムの制御角7をおよそ2°〜5°に設定し、更に隣り合う列のプリズムカットを逆方向にすることにより、従来に比べより広い範囲(X〜Y)でかつ弱い光で主光軸を認識することになり、結果としてLEDランプ4を光源として使用した場合の欠点であった凹凸感のある点灯フィ−リングを大幅に改善することができる。
【0019】
次に、レンズに設けられたもう一方の拡散プリズム部3は、主配光プリズム部2とは、異なりLEDランプの光をななめ方向へ大きく拡散させるプリズムを使用する。図10に示す様に、LEDランプ4は、逆円錐状の配光パタ−ンを持っている為ビ−ムのレンズへの投影は、拡散部にプリズムカットがないと図11−a)の様になる。この場合斜線部Fは、光が有効に利用されているとはいえない。
【0020】
よって、この範囲のプリズムは大きな拡散角のプリズムとする方が、点灯フィ−リングには役立つ。更に、この拡散プリズム部3は、図11−b)の様に光をレンズ列の長手方向及び短手方向に広げるのではなく図11−c)の様にレンズ列に対し斜め方向へ広げる方がその効果が大きく、点灯フィ−リングの向上に役立つものである。
【0021】
レンズの色は、従来は白熱電球を使っていたので法規上アンバ−を使っていたが、LED自体がアンバ−を発光する為、あえてアンバ−を使う必要がなくなった。そこで、その取付位置が、ヘッドライト(以下H/L)に非常に近く、また車によって、サイドモ−ルが付けられる際、その色はメタリック調となる場合が多いことを考慮してレンズの色は、これらの色と見た目が近いクリア−とすることが可能である。
【0022】
この場合クリア−感を強調する為に図12に示すようにハウジング6内面は、白色とし基板5の表面を白色としたり、白色のカバ−8で、該基板5を覆う様に設置する等の対策をとる。この様に、ボディ−色に対する存在感が強く、デザイン上好ましくなかったという欠点は、レンズ色をクリア−にすることによって、H/Lレンズの色やサイドモ−ルの色と調和し、その見映えが大幅に改善される。
【0023】
図13に示すように、LEDランプ4の実装ピッチに対してランプの奥行きが充分でない場合、主配光プリズム部2のうち斜線部9にLEDランプ4の光が、充分に入らず、凹凸感を増やしてしまう欠点があるが、図14に示すようにそれぞれのLEDランプ4を同一方向へ傾けて実装するとLEDランプのビ−ムのより広い範囲が、レンズに入射できることになり改善できる。
【0024】
この場合、LEDランプ4の傾斜角は、コ−ナ−リングランプの奥行きとLEDランプ4のピッチによるが、それぞれの配光パタ−ン10は、レンズ1上で少なくともプリズムの1カット分は、重複させることでより大きな効果が得られる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、コ−ナ−リングランプのレンズを光源を白熱電球からLEDランプに変えることで熱による溶損対策を行ない従来よりコ−ナ−リングランプの天地幅を狭くし、デザイン上の自由度を向上させている。更に、デザイン上コ−ナ−リングランプの長手方向の長さを長くすることが好まれている為、複数のLEDランプを使用しなければならず、実装ピッチが大きくなり凹凸感が生じ美観をそこねていたが、レンズに主配光プリズム部と拡散プリズム部を設け主配光プリズム部は、偶数列と奇数列からなる光軸を別方向にするプリズムを持ち、レンズ透過後の光軸を左右にそれぞれ2°〜5°拡散するように制御することで解決した。
【0026】
実装ピッチの問題は、LEDランプを全て同一方向に傾け主配光プリズム部により無駄無く入射することで解消している。また、LEDランプが逆円錐状の配光パタ−ンを持っており主配光プリズム部に入射しない部分がある為、この光を配光用に使用すると点灯フィ−リングを悪化させてしまうので、拡散プリズム部によって、拡散させておぎなっている。特に斜め方向への広い拡散が効果的である。
【0027】
また、LEDランプ自体を、アンバ−とした為レンズ自体をアンバ−とする必要がなくなり、ハウジング内を白色とする為の工夫を施しレンズ色をクリア−としH/Lやサイドモ−ルの色との調和をはかり、見映えを向上している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関するコ−ナ−リングランプの斜視図を示す図である。
【図2】本発明に関するコ−ナ−リングランプの長手方向のC―C断面図を示す図である。
【図3】本発明に関するコ−ナ−リングランプの短手方向のD―D断面図を示す図である。
【図4】本発明に関するコ−ナ−リングランプの主配光プリズム部を通過したレンズにLEDランプの光軸方向を示す。
【図5】本発明に関するコ−ナ−リングランプの主配光プリズム部を通過したレンズにLEDランプの光軸方向を示す(遇数列と奇数列による)。
【図6】本発明に関するコ−ナ−リングランプの長手方向が120mmの時3〜4個のLEDランプの実装ピッチを示す図である。
【図7】本発明に関するコ−ナ−リングランプを見る時の通常の人間の平均的な目の間隔を示す図である。
【図8】本発明に関しLEDランプからレンズの主配光プリズム部を通過した光軸が、C面に対し遇数列と奇数列が交互左右に同一角度であることが示された図である。
【図9】図8における複数のLEDを使用した時の光軸を示す図である。
【図10】LEDランプの円錐状の配光パタ−ンを示す図である。
【図11−a】本発明におけるLEDランプの配光パタ−ンを示す図である。
【図11−b】図11−aにおいてレンズ列の長手方向及び短手方向に拡散プリズム部により光を拡散させる図である。
【図11−c】図11−aにおいてレンズ列に対し斜め方向に拡散プリズム部により光を拡散させる図である。
【図12】本発明に関するコ−ナ−リングランプのレンズをクリア−とした時ハウジング内面を白色とし、LEDランプ実装基板を白色とするか、白色カバ−で覆った図を示す。
【図13】本発明に関するコ−ナ−リングランプで複数のLEDランプを使用した場合に傾斜部に光があたらずプツプツ感を生じている図を示す。
【図14】本発明に関するコ−ナ−リングランプで複数のLEDランプを同一方向に傾けることで均一に光を照射し凹凸感が生じない様にした図を示す。
【図15】従来のコ−ナ−リングランプの斜視図、長手方向のA−A断面図及び短手方向のB−B断面図に関する図を示す。
【図16】車体へのコ−ナ−リングランプの取付け位置を示す図である。
【符号の説明】
153・・・ソケット
154・・・白熱電球
151・・・レンズ
2・・・主配光プリズム部
3・・・拡散プリズム部
4・・・LEDランプ
5・・・LEDランプ実装基板
6、152・・・ハウジング
7・・・制御角
8・・・白色のカバ−
9・・・斜線部
150・・・コ−ナ−リングランプ
155・・・魚眼レンズ
A列・・・主配光プリズム偶数列
B列・・・主配光プリズム奇数列
C面・・・LEDの真上でレンズを短手方向に切断した仮想面
Claims (1)
- 光源とハウジングとレンズからなる車両用信号灯において、該光源は、基板上に実装された複数のLEDランプとし、該レンズは、主配光プリズム部と拡散プリズム部から形成され、該主配光プリズム部は、該車両用信号灯の長手方向に第一、第二の複数列のプリズムを持ち、第一の列のプリズムの間に第二の列のプリズムがあり、第一、第二列のプリズムにおいて逆方向にプリズムカットが施されており、第一の列、第二の列のプリズムの制御角は、LEDランプの真上でプリズムの短手方向での仮想断面に対し対称とすることを特徴とした車両用信号灯。
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