JP4156175B2 - Precision polishing composition for lithium tantalate / lithium niobate single crystal materials - Google Patents
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Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、タンタル酸リチウム/ニオブ酸リチウム単結晶材料用精密研磨組成物に係り、特に、タンタル酸リチウム単結晶材料やニオブ酸リチウム単結晶材料の如き硬脆材料を研磨加工するに際して、精密で綺麗な面質を与えると共に、優れた研磨効率、研磨寿命を有する硬脆材料用精密研磨組成物に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、テレビの中間周波数フィルタや共振器等のエレクトロニクス部品として、圧電体における圧電効果により発生する弾性表面波(SAW)を利用した弾性表面波デバイスが、広く用いられてきており、特に、近年においては、そのような弾性表面波デバイスが用いられる携帯電話の普及率が著しく拡大しているが、また、それに伴って、かかる弾性表面波デバイスを構成する圧電体ウェーハの需要も指数関数的に増大してきている。そして、そのような圧電体ウェーハ材料としては、圧電性、焦電性、電気光学効果に優れたタンタル酸リチウム単結晶材料やニオブ酸リチウム単結晶材料といった硬脆材料が、広く採用されているのである。
【0003】
そして、そのような硬脆材料からなる弾性表面波デバイス用ウェーハにあっては、通常、電極が写真印刷せしめられる表面には、精密研磨加工が施されて、該表面が鏡面と為されるのであって、具体的には、ポリウレタン等からなる研磨布を貼った定盤を用いて、かかる定盤を回転せしめると共に、スラリー状の研磨材を研磨布面上に供給しつつ、被加工材料としてのウェーハを研磨布面に押圧せしめることにより、ウェーハ表面が精密研磨(ポリッシング)されるように為し、以て精密研磨加工が施されることとなる。
【0004】
また、この精密研磨加工において用いられる研磨材としては、被加工材料(ウェーハ)表面を、高度に精密研磨仕上げせしめ得るものであることは勿論、その研磨効率乃至は研磨速度において優れたものであることが、望まれているのである。しかも、そのような研磨材は、経済的な理由から、一般に、その一定量を循環させることにより、繰り返し使用されるものであり(所謂、循環供給方式)、そして、そのような使用に際しては、研磨効率の減少に応じて研磨材の一部を新しい研磨材と交換したり、或いはまた、所定の研磨時間の経過後にその全てを新しいものに交換する必要性が不可避的に生じるところから、研磨効率(速度)が長時間に亘って一定に維持され得る、換言すれば研磨寿命の良好なものであることが、要請されている。
【0005】
ところで、上述の如きウェーハ材料として用いられるタンタル酸リチウム単結晶材料等の硬脆材料にあっては、硬くて脆いものであるところから、研磨材として仕上研磨に通常用いられる、粒子が粗く且つ硬い性質を有するアルミナや、ダイヤモンド等の硬質研磨材を採用すると、研磨速度は上がるものの、研磨表面にピットやスクラッチが生じたり、ウェーハ表面内部に加工歪みが残ったり、また表面精度が極めて悪くなる等といった問題を内在しているため、実用化は極めて困難であったのであり、また、化学的に安定な材料であるところから、メカノケミカル作用による研磨効果が極めて低く、これまでに、そのようなメカノケミカル作用に基づいた有用な研磨促進効果も報告されておらず、有効な研磨促進剤も見出されていないのである。
【0006】
そこで、かくの如きウェーハの精密研磨材としては、特開昭58−225177号公報、特開昭62−30333号公報、特開平5−154760号公報等に開示されている如き、コロイダルシリカを主成分として含むシリコンウェーハ用研磨材が、採用されてきたのであるが、そのようなコロイダルシリカ研磨材にあっては、表面及び内面に欠陥を惹起することなく、研磨面の精度を高度に達成し得るという特徴を有する一方で、研磨速度(研磨効率)が充分であるとは言い難く、研磨時間の短縮を図る上で、大きな障害となっていたのであり、また、研磨時間の経過に従って、研磨速度が顕著に低下するといった不具合をも惹起するものであるところから、上述の如く、循環供給方式を採用する場合にあっては、研磨材の交換を頻繁に行なう必要性が生じているのであるのである。このため、そのような方式には、作業効率及び作業性が悪化し、また研磨材や設備に要されるコストの上昇を惹起する等といった問題があったのである。
【0007】
そして、そのような問題に対処するために、特開平5−1279号公報には、硬脆材料用の表面精密研磨材として、BET比表面積が10〜60m2 /gであり、二次粒子の平均粒子径が0.5〜5μmである微粒子状二酸化珪素のみを固形成分として含む、水性スラリー分散液が提案されており、そこでは、研磨面の表面精度が良好に維持され、且つ、上述のコロイダルシリカ研磨材に比して、研磨寿命が向上されてはいるものの、研磨速度に関しては、未だ改善の余地が存している。
【0008】
また、特開平6−191988号公報には、特定のコロイダルシリカ、つまり、pH=9〜14の塩基性水溶液中に、粒径30〜70nmの固形成分(シリカ)が分散せしめられたコロイダルシリカのみからなる研磨材が提案されているが、そこでは、光学ウエハーの研磨面を鏡面にすることによって、エピタキシャル成長層を形成した後の光学ウエハーの反りを防止することが開示されているに過ぎず、研磨速度や研磨寿命については、検討されていない。
【0009】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、タンタル酸リチウム/ニオブ酸リチウム単結晶材料(以下、硬脆材料という)の精密研磨加工において、該硬脆材料に、ピット、スクラッチ、突起、及び加工歪み等の研磨不良を生じることなく、表面を高精度に研磨せしめることが出来ると共に、優れた研磨速度と研磨寿命とを実現し得る硬脆材料用精密研磨組成物を提供することにある。
【0010】
そして、本発明者らは、上述の如き課題を解決すべく鋭意検討した結果、研磨組成物における主たる成分であるベース研磨材としてのコロイダルシリカに対して、ヒュームド・アルミナ、無晶形二酸化珪素、ヒュームド・シリカ、若しくはベース研磨材とは異なる粒子径のコロイダルシリカ、又はキレート性化合物を添加することにより、優れた研磨面精度、研磨速度及び研磨寿命を実現し得る事実を見出したのである。
【0011】
従って、本発明は、かくの如き知見に基づいて完成されたものであって、その要旨の一つとするところは、コロイダルシリカに対して、平均1次粒子径が10〜40nmで、BET比表面積が40〜100m2 /gのヒュームド・アルミナ、平均粒子径が1.0〜5.0μmで、BET比表面積が110〜420m2 /gの無晶形二酸化珪素、及び平均1次粒子径が12〜40nmで、BET比表面積が50〜200m2 /gのヒュームド・シリカのうちの少なくとも何れか一つを分散、含有せしめたことを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物にある。
【0012】
このような、本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、ベース研磨材としての比較的軟らかなコロイダルシリカに対して、該コロイダルシリカよりも、構造的な見地より、硬度が高いと推定される、所定のヒュームド・アルミナ、無晶形二酸化珪素、ヒュームド・シリカのうちの何れか1種が、均一に分散せしめた状態で、更に配合せしめられるものであるところから、加工歪みが効果的に回避され得ると共に、研磨面にスクラッチやピット等の損傷が付与されたり、研磨面の表面粗度を悪化するようなことが、有利に阻止乃至は解消され得ることとなり、以て、硬脆材料の表面を極めて綺麗な鏡面に精密研磨せしめると共に、研磨速度が有利に向上され得て、研磨時間を効果的に短縮せしめることが出来るのであり、また、その繰り返しの使用に際して、研磨速度が長時間に亘って維持され得、特に優れた研磨寿命が実現され得るのである。そして、そのような優れた研磨速度及び研磨寿命によって、硬脆材料の精密研磨加工における作業能率及び作業性の飛躍的な向上と良好な経済性という効果をも享受し得るのである。
【0013】
なお、かかる本発明に従う研磨組成物の好ましい態様の一つによれば、前記コロイダルシリカとしては、5〜150nmの粒子径の範囲のものが採用され、これによって、硬脆材料の研磨面が綺麗な鏡面に効果的に仕上げられることとなる。
【0014】
また、本発明によれば、前記コロイダルシリカは固形分で10〜50重量%の割合において含有される一方、前記ヒュームド・アルミナ、無晶形二酸化珪素及びヒュームド・シリカのうちの少なくとも何れか一つは、合計量で、2〜25重量%の割合において含有せしめられ、それによって、研磨組成物のシリカ粒子及び/又はアルミは粒子の安定した分散が確保され得、以て、上述した効果がより一層効果的に発揮されるのである。
【0015】
また、本発明においては、前述の課題を解決するために、第一のコロイダルシリカに対して、該第一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロイダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せしめたことを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物をも、その要旨とするものである。
【0016】
このような本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、平均粒度、従って粒度分布の異なる複数のコロイダルシリカを組み合わせたところに、大きな特徴を有しており、それにより、研磨特性の有効な向上が図られ得ているのである。即ち、そのような粒度の異なるコロイダルシリカ同士を組み合わせるところから、コロイダルシリカ中のシリカの粒度分布が広範囲なものと為されることにより、研磨不良を生じることなく、極めて優れた面質が確保されると共に、研磨速度とその維持において、良好な機能が実現され得るのである。
【0017】
さらに、本発明にあっては、前述せる課題を解決するために、コロイダルシリカに対して、キレート性化合物を研磨促進剤として添加、含有せしめてなることをも、その要旨としている。
【0018】
この本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、所定のキレート性化合物が、研磨促進剤として添加せしめられて、構成されるところに、大きな特徴があり、そのような研磨組成物にあっては、研磨の際の研磨抵抗が適度に緩和されること等により、従来のコロイダルシリカのみからなる、研磨促進剤を何等含有していない研磨組成物に比して、より一層、研磨速度が向上せしめられると共に、そのような研磨速度が長期間に亘って維持され、優れた研磨寿命を奏し得るのである。
【0019】
加えて、本発明にあっては、前述せる課題を解決するために、また、コロイダルシリカに対して、シリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少なくとも何れか一つを分散、含有せしめると共に、更に、キレート性化合物を添加、含有せしめてなることを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物をも、その要旨としている。
【0020】
このような本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子と共に、キレート性化合物が、所定のコロイダルシリカ中に含有せしめられることによって、より一層優れた研磨特性の改善効果が得られることとなる。
【0021】
そして、また、本発明にあっては、前述せる課題を解決するために、第一のコロイダルシリカに対して、該第一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロイダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せしめると共に、更に、キレート性化合物を添加、含有せしめてなることを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物をも、その要旨とするものである。
【0022】
かかる硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、異なる平均粒度を有する複数のコロイダルシリカを組み合わせることによる上述せる如き効果と、キレート性化合物による研磨促進効果が相俟って、研磨加工の際に、より優れた研磨表面が得られると共に、研磨速度、及びその持続性が有利に向上されることとなる。
【0023】
さらに、本発明において、前述せる課題を解決するために、別の要旨とするところは、第一のコロイダルシリカに対して、該第一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロイダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せしめると共に、更に、シリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少なくとも何れか一つを分散、含有せしめてなることを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物にある。
【0024】
このような硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、平均粒度の異なるコロイダルシリカの複数を組み合わせることにより、極めて広い粒度分布のシリカが分散せしめられることとなり、更に、それに対して、所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子を分散せしめるところから、前述した種々の優れた効果が、より一層効果的に実現され得るのである。
【0025】
また更に、本発明においては、先述せる課題を解決するために、第一のコロイダルシリカに対して、該第一のコロイダルシリカとは平均粒度が異なる第二のコロイダルシリカの少なくとも1種を添加、含有せしめると共に、シリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少なくとも何れか一つを分散、含有せしめ、更に、キレート性化合物を研磨促進剤として添加、含有せしめてなることを特徴とする硬脆材料用精密研磨組成物をも、その要旨をしている。
【0026】
かかる硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、ベース研磨材たるコロイダルシリカに対して、上述の如き優れた研磨特性を付与する所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子、ベース研磨材とは平均粒度の異なるコロイダルシリカ、及びキレート性化合物が共に含有せしめられてなるところから、より一層優れた研磨特性が奏され得ることとなる。
【0027】
また、かくの如き本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物の好ましい態様の一つによれば、前記第一のコロイダルシリカが固形分で10〜50重量%の割合において含有せしめられていると共に、該第一のコロイダルシリカと前記第二のコロイダルシリカとが、固形分の合計量で、20〜60重量%の割合において含有せしめられる。
【0028】
さらに、かかる本発明の別の好ましい態様によれば、前記第一のコロイダルシリカの平均粒子径が30〜60nmである一方、前記第二のコロイダルシリカの平均粒子径が5〜22nmまたは80〜100nmであり、且つ該第一のコロイダルシリカと該第二のコロイダルシリカとが固形分の重量比で60〜80%と40〜20%の割合となるように用いられる。これにより、前述した各種の効果が、より一層効果的に向上せしめられ得るのである。
【0029】
なお、本発明に従う研磨組成物にあっては、前記研磨促進剤としては、ポリアミノカルボン酸系キレート性化合物及び有機フォスフォン酸系キレート性化合物のうちの少なくとも1種が、有利に用いられる。
【0030】
また、そのような本発明に従う研磨組成物に添加せしめられる、前記研磨促進剤は、0.1〜5.0重量%の割合において含有せしめられることが望ましく、これによって、より一層優れた研磨効率が得られることとなる。
【0031】
さらに、本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、前記シリカ粒子及びアルミナ粒子として、無晶形二酸化珪素、ヒュームド・シリカ及びヒュームド・アルミナが、有利に用いられることとなる。
【0032】
加えて、そのような本発明に従う研磨組成物の好ましい態様の一つによれば、前記シリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少なくとも何れか一つが、合計量で、2〜25重量%の割合において含有せしめられ、これにより、シリカ粒子及び/又はアルミナ粒子の均一単分散化が可能となり、以て、研磨組成物のゲル化が阻止され得て、極めて綺麗な研磨鏡面が得られる等といった各種の優れた効果が発揮されるのである。
【0033】
そして、上述の如き本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、pHが7〜11のアルカリ性に調整されていることが望ましく、それによって、粒子間において働く電気的な反発力が、各粒子に効果的に作用して、固形成分は、均等に分散されることとなるところから、それら微粒子が凝集して固まることにより、研磨精度が低下したり、循環利用が困難となる等といった不具合を惹起するようなことが、有利に抑制乃至は防止され得るのである。
【0034】
また、このような本発明にあっては、前述せるように、かかる硬脆材料としては、タンタル酸リチウム単結晶材料またはニオブ酸リチウム単結晶材料が対象とされるのである。
【0035】
【発明の実施の形態】
要するに、かかる本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物(研磨材)にあっては、珪酸のコロイド溶液であるシリカゾルの中でも、特に、特殊処理によってその分散状態が安定化せしめられたシリカゾルであるコロイダルシリカをベース研磨材として用い、それに対して、他の研磨材としての所定のシリカ粒子、アルミナ粒子、又は、平均粒度の異なるコロイダルシリカ、或いは研磨促進剤としてのキレート性化合物のうちの少なくとも一つを、更に分散乃至は溶解させて、配合せしめたものであるところから、硬脆材料の精密研磨加工の際に、優れた面性状を確保すると共に、研磨効率、研磨寿命が極めて効果的に向上せしめられ得ることとなるのであるが、このような本発明において、ベース研磨材として用いられるコロイダルシリカは、上述の各種の研磨特性の中でも特に研磨材料である硬脆材料の研磨表面の面質を高度に維持する上において、必要不可欠の成分なのである。
【0036】
ところで、そのようなコロイダルシリカとしては、かかるコロイダルシリカ中の固形成分であるシリカが公知の如何なる粒子径や含有量(固形分量)のものでも採用することが出来るが、研磨面を極めて綺麗な鏡面に仕上げるためには、その粒子径としては、5〜150nmの範囲にあるものが、好適に採用され、また、コロイダルシリカの固形分量としては、研磨材の安定した分散状態の確保やその経済性等を考慮して、10〜50重量%が望ましく、更には、それらの粒子径及び固形分量の中でも、粒子径が大きく、固形分量の高いものが、高い研磨速度を得る上で、有利に用いられることとなる。なお、そのようなコロイダルシリカの粒子径が5nmより小さい場合にあっては、有効な研磨速度が得られないこととなり、150nmより大きい場合には、面質が悪化すると共に、コストも高くなってしまうのである。また、固形分が10重量%未満である場合には、コロイダルシリカによる研磨効果、特に優れた面質が得られないのであり、50重量%を超える場合には、コストの急騰が惹起されるのみならず、ベース研磨材としてのコロイダルシリカ以外の研磨材やその他の配合剤を更に配合せしめる際に、凝集やゲル化が発生し易くなるといった問題が生ずるのである。
【0037】
そして、本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物の一つは、このようなコロイダルシリカに対して、所定のシリカ粒子及びアルミナ粒子のうちの少なくとも1種が適宜に選択されて、それが細かな微粒子状態において、分散せしめられてなる構成とされており、それによって、ピットやスクラッチ、加工歪み等の研磨不良が効果的に回避され、硬脆材料の表面が極めて綺麗な鏡面に精密研磨せしめられ得ると共に、研磨速度が有利に向上され得て、研磨時間を効果的に短縮せしめることが出来るようになったのであり、また、特に、それを循環利用するに際して、研磨速度が長時間に亘って維持される、優れた研磨寿命が実現され得たのである。そして、そのような研磨速度と研磨寿命の向上により、精密研磨加工における作業効率及び作業性の向上と、良好な経済性が奏され得ることとなったのである。
【0038】
そのようなシリカ粒子及びアルミナ粒子には、精密研磨加工の際に、前述せる如きコロイダルシリカによる優れた表面性状を悪化させないものであることが求められ、特に、極めて細かな微粉末状のものが好適に採用されることとなる。具体的には、シリカ粒子としては、無晶形二酸化珪素やヒュームド・シリカが挙げられる一方、アルミナ粒子としては、ヒュームド・アルミナが挙げられ、このような微粒子状のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子が配合せしめられることによって、優れた研磨速度、研磨寿命を実現し得るのであるが、その理由としては、本発明者らの推察によれば、かかるシリカ粒子やアルミナ粒子が、コロイダルシリカに比して適度に硬いものであるところに起因すると考えられる。なお、そのようなコロイダルシリカやシリカ粒子、アルミナ粒子の硬度は実測されてはいないのであるが、無晶形二酸化珪素やヒュームド・シリカは、球状シリカが水溶液中で網の目状や、鎖状に分散しているのに対して、コロイダルシリカは球状シリカがコロイド状に単分散しているために、コロイダルシリカがより軟らかく挙動するものと推定され、また、ヒュームド・アルミナにあっては、その材質上、コロイダルシリカより硬いものと考えられるのである。
【0039】
詳細には、本発明に用いられる無晶形二酸化珪素は、湿式法(代表的な方法として、珪酸ナトリウムを酸で中和する方法がある)にて製造される微粉末状の非晶質シリカ(湿式法シリカ)であり、ゲル状にして製造されるために、シリカ粒子間は単なる凝集ではなく融合した状態となっており、最終的に乾燥された製品は、一般に、一定の2次粒子となっている。そのような2次粒子からなる無晶形二酸化珪素の中でも、優れた表面性状を維持しつつ、研磨速度及び研磨寿命を上げるためには、粒子径の細かなものを選択することが望ましく、一般に、平均粒子径:1.0〜5.0μm、BET比表面積:110〜420m2 /gのものが有利に採用される。
【0040】
一方、本発明に用いられるヒュームド・シリカは、微粉末状の非晶質シリカの中でも、気相反応法乃至は乾式法にて製造されるシリカ(気相法シリカ)であって、気相にて製造されるものであるところから、エアロゾルに近い、極めて細かな粒子径を有する、1次粒子からなるものである。そして、かかるヒュームド・シリカの中でも、優れた表面性状を維持しつつ、研磨速度及び研磨寿命を上げるためには、比表面積が小さく、1次粒子の大きなものを選択することが望ましく、1次粒子の平均粒子径:12〜40nm、BET比表面積:50〜200m2 /gのものが、より好適に用いられる。なお、上記の気相反応法とは、金属化合物(珪素化合物)蒸気と反応ガスとの反応(酸化反応)であり、具体的には、四塩化珪素蒸気を水素と酸素により、1000℃以上の高温で燃焼加水分解される方法等が挙げられる。また、本発明においては、このような気相合成時に、塩化アルミニウムを混ぜる等といった手法を採用して、特殊硬化処理を施したヒュームド・シリカも、高い研磨速度を得る上で、好適に用いられるのである。
【0041】
また、 本発明で使用されるヒュームド・アルミナにあっても、上述のヒュームド・シリカと同様に、気相反応法で製造されるアルミナ(気相法アルミナ)であり、塩化アルミニウムを加熱して蒸気化し、そこに水蒸気等を導入することによって、気相中で製造されるものであるところから、極めて微細な1次粒子からなっている。そして、そのようなヒュームド・アルミナの中でも、研磨速度並びに研磨寿命の効果的な向上を図るためには、比表面積が小さく、1次粒子の大きなものが良く、具体的には、1次粒子の平均粒子径:10〜40nm、BET比表面積:40〜100m2 /gのものがより好適に用いられる。そして、かかるヒュームド・アルミナは、シリカに比して硬いアルミナから構成されるものであるために、上述の無晶形二酸化珪素やヒュームド・シリカに増して研磨速度を向上せしめる作用が高く、また、アルミナの中でも比較的軟質で適度な硬さとなっているために、被研磨材料の研磨表面に、ピット、スクラッチ等の損傷を生じて面質を下げるようなことはない。
【0042】
そして、かくの如きシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子は、合計量において、2〜25重量%となるように配合することが好ましく、かかる配合割合が2重量%よりも少ない場合には、それを添加することによる効果は殆ど無く、逆に25重量%より多くした場合にあっては、コストが嵩むばかりでなく、組成物全体の分散状態を悪化せしめ、具体的には、凝集、ゲル化を誘引し、ひいては、研磨面の面性状が悪化することとなるのである。特に、ヒュームド・アルミナを採用した場合には、その少量の配合でも、研磨速度が有利に向上せしめられ、逆に、その配合量が多くなると、組成物の粘性を著しく上昇させてしまうこととなるのである。
【0043】
また、本発明においては、上述の如きベース研磨材としてのコロイダルシリカ(第一のコロイダルシリカ)に対して、更に、該コロイダルシリカとは平均粒度が異なる別のコロイダルシリカ(第二のコロイダルシリカ)の少なくとも1種を添加、含有せしめることによっても、有効な硬脆材料用精密研磨組成物が形成される。
【0044】
すなわち、そのような硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、異なる平均粒度のコロイダルシリカが組み合わされることにより、コロイダルシリカ中の固形分(シリカ)の粒度分布が広範囲なものとなり、それによって、硬脆材料の精密研磨加工の際に、研磨不良を惹起することなく、研磨表面が鏡面とされると共に、優れた研磨速度と研磨寿命が得られるのであるが、本発明者らの考察によれば、そのような広い分布範囲とされたコロイダルシリカ中の固形分の中でも、平均粒子径が大きいものが研磨速度を高め、より小さな平均粒度のものが研磨面の仕上がり状態を良くするように作用するものと考えられる。
【0045】
そして、そのような2種以上の平均粒度の異なるコロイダルシリカを組み合わせるに際しては、それらのコロイダルシリカ中の固形分の含有割合は、要求される研磨特性等を考慮して、適宜に決定されることとなるのであるが、ベース研磨材としての固形分量10〜50重量%の第一のコロイダルシリカに対して、第二のコロイダルシリカを、それら第一のコロイダルシリカと第二のコロイダルシリカを合わせた全固形分量が20〜60重量%の割合で含有せしめることが、好ましく、更には、20〜50重量%となるように配合することがより望ましいのである。
【0046】
なお、そのような第一のコロイダルシリカと第二のコロイダルシリカを合わせた固形分が20重量%未満である場合は、上述せる如き複数のコロイダルシリカを組み合わせることによる研磨速度の向上等の効果が得られず、また、60重量%を超えるようになると、非経済的であるばかりか、コロイダルシリカ中のシリカの分散状態が不安定化され、均一な分散が為され得なくなるといった問題も生じることとなる。また、一般に、市販のコロイダルシリカの固形分の最大含有量は約50重量%であるが、濾過膜、フィルター等によって濃縮すれば、50重量%以上の固形分のコロイダルシリカを製造することは可能である。しかし、濃縮によって、部分的に安定なコロイダルシリカ構造が壊れ易くなることから、上記したような分散の不均一化等の問題を考慮して、60重量%以下にすることが望ましく、そうすることによって、コロイダルシリカ中のシリカが単一且つ均一に分散され得、以て、研磨組成物中のシリカ粒子による凝集、ゲル化等の不具合が阻止乃至は防止され得、ピットやスクラッチ等の研磨不良や研磨精度の低下等が、極めて効果的に回避され得るのである。
【0047】
ところで、上述のようなコロイダルシリカの組み合わせとしては、実用的には、第一のコロイダルシリカとして、平均粒度が30〜60nmであるものを採用し、第二のコロイダルシリカとして、平均粒度が5〜22nm及び/又は80〜100nmのものを採用することが望ましく、それによって、上述せる如き効果がより一層効果的に発揮されることとなる。特に、第二のコロイダルシリカとして、平均粒度が5〜22nmのものを採用した場合にあっては、面質がより一層良好なものとなり、且つ、コストダウンも有利に達成せしめられる一方、第二のコロイダルシリカとして、平均粒度が80〜100nmのものを採用した場合には、研磨速度が効果的に向上することとなる。
【0048】
また、そのような複数の平均粒度のコロイダルシリカを配合する際には、第一のコロイダルシリカと第二のコロイダルシリカは、固形分の重量比でそれぞれ、60〜80%と40〜20%の割合となるように配合することが望ましい。けだし、そのような配合割合は、最密充填化せしめるための適正な分布範囲であり、その範囲を採用することによって、研磨速度と面質が有利に向上せしめられると共に、良好な経済性が実現され得るからである。また、第二のコロイダルシリカの配合割合が20%未満である場合には、その配合による効果は何等発揮されないのである。
【0049】
加えて、本発明に従う研磨組成物の別の一つによれば、コロイダルシリカに対して、キレート性化合物を研磨促進剤として添加し、それを溶解、含有せしめた形態のものがあるが、そのような研磨組成物は、キレート性化合物が添加されることによって、研磨の際の研磨抵抗が適度に緩和されること等により、研磨速度が有利に向上せしめられると共に、そのような研磨速度が長期間に亘って維持され、優れた研磨寿命が実現されるのである。
【0050】
なお、そのようなキレート性化合物としては、例えば、ポリアミノカルボン酸系キレート性化合物や有機フォスフォン酸系キレート性化合物等が挙げられ、それらのうちの少なくとも一つが適宜に選択されて使用されることが望ましいのである。かかるポリアミノカルボン酸系キレート性化合物としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸や、それらのナトリウム塩、アンモニウム塩及びカルシウム塩等が、好適に採用され、また、有機フォスフォン酸系キレート性化合物としては、フォスフォノブタントリカルボン酸(PBTC)、ヒドロキシエタンジフォスフォン酸、アミノトリスメチレンフォスフォン酸やそれらの塩が、有利に用いられる。
【0051】
そして、上述の如きキレート性化合物は、0.1〜5.0重量%の割合で添加されることが好ましく、より好ましくは、0.5〜3.0重量%の配合割合が良い。けだし、かかる配合割合が、0.1重量%より少ない場合には、研磨速度の向上は発現されず、5.0重量%より多い場合には、コストの上昇を招くばかりでなく、それに見合うだけの効果が得られないからである。
【0052】
また、本発明においては、ベース研磨材としてのコロイダルシリカに対して、上述の如き所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子を分散させ、更に上述の如きキレート性化合物を研磨促進剤として添加した硬脆材料用精密研磨組成物や、ベース研磨材としてのコロイダルシリカに対して、該ベース研磨材としてのコロイダルシリカとは平均粒度の異なるコロイダルシリカの少なくとも1種を配合せしめ、更に、所定のキレート性化合物を研磨促進剤として添加した硬脆材料用精密研磨組成物、また、平均粒度の異なるコロイダルシリカを2種以上配合し、更に、研磨促進剤としての所定のキレート性化合物を添加した硬脆材料用精密研磨組成物、更には、平均粒度の異なるコロイダルシリカを2種以上配合し、それに対して、所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子を分散させ、更に、研磨促進剤としての所定のキレート性化合物を添加した硬脆材料用精密研磨組成物も、有利に採用され得るものである。なお、それらの硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子、ベース研磨材と異なる平均粒度を有するコロイダルシリカ、キレート性化合物のうちの複数が、適宜に選択され、ベース研磨材としてのコロイダルシリカに配合せしめられるものであることにより、それらのうちの一つを単独でベース研磨材に配合せしめる場合に比べて、一層優れた研磨特性乃至は研磨効果を発揮するのである。
【0053】
また、本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、そのpH値が7〜11のアルカリ性に調整されていることが望ましく、それによって、硬脆材料用精密研磨組成物の粘度が低減し、可及的に単一且つ均一な分散が出来ると共に、研磨組成物中のシリカの含有量をより多くすることが出来る。尤も、pHが7未満、特にpHが5〜6付近となるような場合には、粒子間の電荷のバランスが崩れ、粒子同士が接合し、増粘、ゲル化、及び微粒子の凝集が惹起されて、均等に分散され得なくなり、従って、研磨精度が低下したり、繰り返しの使用が困難となるのであり、また一方、pHが11程度を越えるようになると、徐々にシリカ表面が溶解し、研磨組成物としての作用を有効に発揮し得なくなる。
【0054】
例えば、粒径の極めて細かなヒュームド・シリカにあっては、その細かさのために、嵩張り易く、ひいては、増粘及びゲル化を惹起し易いのであり、そのために、pHの影響を特に受け易いのである。詳細には、ヒュームド・シリカの等電点はpH=2付近にあり、pH=4〜5が分散域、pH=7〜8が増粘域、pH=9〜10が分散域となっており、このことから分かるように、ヒュームド・シリカを単に水(pH=7程度)に分散させると増粘し、攪拌すると、時にはゲル状に急激に増粘してしまうため、後述する如く、予めアルカリ性に調整された溶液に分散せしめる手法が有利に用いられるのである。
【0055】
また、そのようなpHの調整には、研磨組成物に配合する研磨材や配合剤に応じて、各種のpH調整剤が適宜に選択され、所望のpHとなるように用いられるのである。そのようなpH調整剤としては、例えば、NaOH、KOH、アンモニア等が挙げられる。
【0056】
さらに、本発明に従う硬脆材料用精密研磨組成物にあっては、必要に応じて、固形成分をより確実に分散せしめて、更なる研磨促進を図るべく、従来から公知の分散剤、例えば、有機アミンやアニオン系、ノニオン系界面活性剤等を添加せしめたり、また、他の金属材料の表面加工の際に使用されるエッチャント等、例えば、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩、塩化第一鉄等の鉄塩、クエン酸等の有機酸を添加しても良く、また更に、その他、研磨組成物に添加される従来からの公知の各種の添加剤も、上述せる効果を阻害しないものであれば、適宜に選択して、適量にて添加しても良い。
【0057】
そして、本発明に従う精密研磨組成物は、各種の硬脆材料の精密研磨加工に用いられることとなるのであるが、そのような硬脆材料の中でも、特に、タンタル酸リチウム単結晶材料若しくはニオブ酸リチウム単結晶材料に対して、有利に適用され得、それによって、上述の如き種々の優れた効果が効果的に発揮され得るのである。
【0058】
ところで、本発明の目的とする硬脆材料用精密研磨組成物を製造するに際しては、以下の如き方法を、例示することが出来る。なお、本発明に従う硬脆材料用研磨組成物の調製方法は、例示の方法に限定されるものでは、決してなく、配合される研磨材や添加剤等に応じて、種々の態様にて実施され得る。
【0059】
コロイダルシリカ+シリカ粒子及び/又はアルミナ粒子からなる研磨組成物
予め、所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子を、所定のpH(アルカリ性)に調整された水溶液中に添加し、次いで、高剪断攪拌機や媒体ミル攪拌で、所定時間、攪拌することで、所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子の分散液(スラリー)を準備し、次いで、必要に応じて、そのように準備された分散液に、各種添加剤を所望の割合で添加した後、かかる分散液を、所望の配合量になるように、コロイダルシリカに加えて、羽根攪拌機又は反転式攪拌機等の公知の攪拌機にて、所定時間、混合攪拌することにより、目的とする硬脆材料用精密研磨組成物を得るのである。このように、特に増粘化やゲル化等の問題を惹起し易い研磨材の分散液を得る際には、かかる問題を回避するために、それらの粒子が分散せしめられるpH範囲(分散域)の水溶液を予め用意し、それに対して、それらの粒子を添加して、分散せしめて、予め粒子分散液を作り、次いでコロイダルシリカに加えて混合する手法を採用することが、望ましいのである。
【0060】
第一のコロイダルシリカ+第二のコロイダルシリカからなる研磨組成物
第一のコロイダルシリカに、第二のコロイダルシリカ、及び、必要に応じて、pH調整剤、更には、各種の添加剤の水溶液を、所望の配合量となるように添加し、混合攪拌することにより、目的とする硬脆材料用精密研磨組成物を得る。
【0061】
コロイダルシリカ+研磨促進剤からなる研磨組成物
予め、所定のpH(アルカリ性)に調整された水溶液に、研磨促進剤、及び、必要に応じて、各種添加剤を添加することで、研磨促進剤液を準備した後、そのような研磨促進剤液を、コロイダルシリカに加えて、混合攪拌することにより、目的とする硬脆材料用精密研磨組成物を得る。このように、アンモニア水や水酸化ナトリウム等のpH調整剤にて、予めアルカリ性に調整された水溶液にキレート性化合物を添加することが望ましいのである。けだし、これらのキレート性化合物を添加する際、特に、キレート性化合物が酸である場合には、その添加により、硬脆材料用精密研磨組成物のpHが低下することとなり、コロイダルシリカの性状が破壊されたり、ゲル化を惹起する等の不具合が生じるおそれがあるからである。
【0062】
そして、本発明に従う精密研磨組成物を用いて、硬脆材料に精密研磨加工を施す際には、 従来から公知の各種の研磨手法が適宜に選択され、実施されることとなるのである。例えば、所定量の硬脆材料用精密研磨組成物を研磨機に設けられた供給容器に投入し、かかる供給容器からノズルやチューブ等を用いて、研磨機の定盤上に貼付されたポリウレタン等からなる研磨布に対して研磨組成物を滴下して供給する一方、硬脆材料(ウェーハ)の研磨面を研磨布面に押圧せしめ、かかる定盤を所定の回転速度にて回転せしめることにより、ウェーハ表面を精密研磨(ポリッシング)するのである。
【0063】
【実施例】
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべきである。
【0064】
硬脆材料用精密研磨組成物の調製
下記表1及び表2の配合割合となるように、 以下に示す方法で、実験例1〜13、及び、比較例1〜5の各種の研磨組成物の調製を行なった。
【0065】
実験例 1
市販の無晶形二酸化珪素(平均粒子径:1.8μm、BET比表面積:180m2 /g)100gを、水酸化ナトリウムにてpH=9.5に調整したアルカリ性水溶液500gに添加し、次いで、高剪断攪拌機ホモミキサーにて30分間、攪拌、分散して得られた無晶形二酸化珪素の分散水溶液600gに、市販のアルカリ性コロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)400gを加えて、羽根攪拌機で30分間、混合、攪拌せしめることにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0066】
実験例 2
実験例1と同様にして、無晶形二酸化珪素の代わりに、市販のヒュームド・シリカ(1次粒子平均粒子径:16nm、BET比表面積:130m2 /g)100gを用い、 研磨組成物を1kgを得た。
【0067】
実験例 3
市販の無晶形二酸化珪素(平均粒子径:1.8μm、BET比表面積:180m2 /g)100gを、水酸化ナトリウムにてpH=9.5に調整したアルカリ性水溶液450gに添加し、次いで、高剪断攪拌機ホモミキサーにて30分間、攪拌、分散せしめて得られた無晶形二酸化珪素の分散水溶液550gに、市販のアルカリ性コロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)400gを加え、 更に、これに、研磨促進剤としてのエチレンジアミンテトラ酢酸二アンモニウム塩(EDTA・2NH4 )8gを溶解した水溶液50gを添加して、羽根攪拌機で30分間、混合、攪拌せしめることにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0068】
実験例 4,5
市販のアルカリ性のコロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)600gに、それとは平均粒子径の異なるコロイダルシリカ(平均粒子径:80nm又は15nm、固形分量:40重量%、pH=10)250gを混合及び攪拌し、更に5%の水酸化ナトリウム水溶液にて、pH=9.5に調整したアルカリ性水溶液150gを添加して、攪拌せしめることにより、コロイダルシリカの合計固形分量が40重量%とされた、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0069】
実験例 6
実験例5と同様に、市販のアルカリ性のコロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)400gに、それとは平均粒子径の異なるコロイダルシリカ(平均粒子径:15nm、固形分量:40重量%、pH=10)250gを混合及び攪拌し、更に、そこに、市販の無晶形二酸化珪素(平均粒子径:3.6μm、BET比表面積:150m2 /g)100gを、5%水酸化ナトリウム水溶液でpH=9.5に調整したアルカリ性の水溶液250gに、高剪断攪拌機で分散せしめられた無晶形二酸化珪素の分散水溶液(シリカスラリー)を添加して、羽根攪拌機で混合、 攪拌せしめることにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0070】
実験例 7
実験例6と同様に、市販のアルカリ性のコロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)600gに、それとは平均粒子径の異なるコロイダルシリカ(平均粒子径:15nm、固形分量:40重量%、pH=10)250gを混合、攪拌し、更にこれに、研磨促進剤としてのEDTA・2NH4 の8gが、5%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9.5に調整したアルカリ性の水溶液に溶解せしめられてなる溶液150gを添加し、羽根攪拌機で30分間、混合、攪拌することにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0071】
実験例 8〜10
市販のアルカリ性コロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)800gに、8gのEDTA・2NH4 、又はフォスフォノブタントリカルボン酸(PBTC)、或いはエチレンジアミンテトラ酢酸二カルシウム塩(EDTA・2Ca)を、5%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9.5に調整したアルカリ性の水溶液に溶解した溶液200gを添加し、攪拌することにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0072】
実験例 11
市販のアルカリ性コロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)800gに、ヒュームド・アルミナ(1次粒子平均粒子径:20nm、BET比表面積:100m2 /g)6gが、5%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9.5に調整したアルカリ性の水溶液に高剪断攪拌機で分散せしめられたスラリー200gを添加して、最後に羽根攪拌機で30分間、混合、攪拌せしめることにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0073】
実験例 12
実験例11と同様に、市販のアルカリ性コロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)800gに、ヒュームド・アルミナ(1次粒子平均粒子径:20nm、BET比表面積:100m2 /g)6gが、5%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9.5に調整されたアルカリ性の水溶液に高剪断攪拌機で分散せしめられたスラリー192gを加え、 更に、8gのEDTA・2NH4 を添加して、羽根攪拌機で混合、攪拌せしめることにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0074】
実験例 13
実験例6と同様に、市販のアルカリ性のコロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)400gに、それとは平均粒子径の異なるコロイダルシリカ(平均粒子径:15nm、固形分量:40重量%、pH=10)250gを混合及び攪拌し、更に、そこに、市販のヒュームド・シリカ(1次粒子平均粒子径:16nm、BET比表面積:130m2 /g)100gが、5%水酸化ナトリウムにてpH=9.5に調整されたアルカリ性の水溶液に高剪断攪拌機で分散せしめられたスラリー342gを加え、更に8gのEDTAの二ソーダ塩(EDTA・2Na)を添加して、羽根攪拌機で混合、攪拌せしめることにより、均一な研磨組成物1kgを得た。
【0075】
比較例 1〜4
実験例1〜13との比較のために、粒子径の同じ、1種のコロイダルシリカが単独で配合される、研磨組成物1kgを調製した。なお、比較例1は、上述のコロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)600gに、5%水酸化ナトリウム水溶液で、pH=9.5に調整したアルカリ性の水溶液400gを混合、攪拌することにより調製し、また、比較例2,3では、平均粒子径:80nm又は15nmのコロイダルシリカ(固形分量:40重量%)1kgをそれぞれ、そのまま使用し、比較例4では、コロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)800gに、pH=9.5に調整された水溶液200gを加えることで、それぞれ、1kgの均一な研磨組成物を準備した。
【0076】
比較例 5
また、コロイダルシリカ(平均粒子径:40nm、固形分量:50重量%、pH=11)に対して、コロイダルシリカに比して極めて硬質なα−アルミナ(平均粒子径:0.5μm、BET比表面積:5m2 /g)を分散、含有せしめた研磨組成物を比較のために、調製した。即ち、先ず、α―アルミナ100gと分散水500gをポットミルに加え、70時間粉砕し且つ分散させたα―アルミナ分散溶液(α―アルミナスラリー)を準備し、このように準備されたα―アルミナスラリー600gをコロイダルシリカ400gと攪拌混合して、1kgの研磨組成物を得た。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】
研磨試験
上記で得られた実験例1〜13及び比較例1〜5の各1kgの研磨組成物を、それぞれ、研磨機(不二越社製:SLM−100、ポリッシング定盤直径:350mm)に設けられた研磨材供給容器に導入した後、該研磨機を用いて、タンタル酸リチウム単結晶材料からなるウェーハ(直径:75mm)の表面を5時間、ポリッシング(精密研磨)せしめた。なお、かかるポリッシングに際して、定盤の回転速度(回転数)は、60rpmに設定され、また、研磨圧力は、200g/cm2 であった。また、研磨組成物は、チューブポンプを用いて、200mL/minの供給速度にて、定盤上に貼られた研磨布面上に供給されると共に、溢れ出した研磨組成物が容器に戻される、所謂、循環供給方式によって、繰り返し用いられた。
【0080】
そして、上述の如くしてウェーハの表面をポリッシングしつつ、研磨時間が1時間経過する毎に、マイクロメータ(三豊製、測定精度:1μm)を用いて、ウェーハの厚みを測定し、それより、1時間毎の研磨速度(μm/Hr)を求め、また、微分干渉顕微鏡(独国ライカ社製:マイクロスコープ)を用いて、40倍の倍率にて、ウェーハの研磨面を十文字観察し、スクラッチ乃至はピットの有無により、研磨初期における研磨面の表面状態を評価し、それらの結果を下記表3に併せ付した。
【0081】
【表3】
【0082】
かかる表3から明らかなように、コロイダルシリカに対して、無晶形二酸化珪素、ヒュームド・シリカ、ヒュームド・アルミナの何れかを分散、配合した実験例1,2,11にあっては、粒度分布の狭い1種のコロイダルシリカのみからなる比較例1〜4の研磨組成物に比して、研磨面の表面性状を良好に維持しつつ、研磨速度を2倍以上に向上させ、特に、優れた研磨寿命を実現しているのである。また、粒度の異なる2つのコロイダルシリカを配合し、その粒度分布が広範囲とされた実験例4,5にあっても、より粒度分布の狭い比較例1〜4と比較して、優れた研磨面の表面性状を確保しつつ、研磨速度及び研磨寿命の向上が見られる。そして、コロイダルシリカに対して、研磨促進剤としてのキレート性化合物が添加された実験例8〜10にあっても、そのような研磨促進剤が添加されない比較例1〜4に比して、優れた研磨速度と研磨寿命の向上が達成されているのである。加えて、ベース研磨材としてのコロイダルシリカに対して、無晶形二酸化珪素、ヒュームド・シリカ、ヒュームド・アルミナ、粒度の異なるコロイダルシリカ、又はキレート性化合物のうちの複数を組み合わせてなる実験例3,6,7,12、13にあっては、それらの複数を組み合わせるところから、より一層優れた研磨特性が付与されていることがわかる。
【0083】
また、コロイダルシリカに対して、極めて硬質な研磨材であるα−アルミナ(平均粒子径:0.5μm、BET比表面積5m2 /g)を配合した比較例5にあっては、研磨速度は極めて高くなるものの、ピット、スクラッチ等の表面不良を引き起こすことがわかるのである。
【0084】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従うタンタル酸リチウム/ニオブ酸リチウム単結晶材料用精密研磨組成物、つまり、コロイダルシリカ(ベース研磨材)に対して、所定のシリカ粒子及び/又はアルミナ粒子を組み合わせたタンタル酸リチウム/ニオブ酸リチウム単結晶材料用精密研磨組成物にあっては、ピットやスクラッチ、加工歪み等の研磨不良の発生を効果的に回避し、硬脆材料の表面を極めて綺麗な鏡面に精密研磨せしめことが出来ると共に、研磨速度が有利に向上され得、研磨に費やす時間の短縮化が実現され、更には、その研磨速度が長時間に亘って維持されるといった優れた研磨寿命が実現され得るのである。また、そのような研磨速度と研磨寿命の向上により、精密研磨加工における作業効率及び作業性の向上と、良好な経済性をも享受され得るのである。[0001]
【Technical field】
The present inventionLithium tantalate / lithium niobate single crystalThe present invention relates to a precision polishing composition for materials, and in particular, when polishing hard and brittle materials such as lithium tantalate single crystal material and lithium niobate single crystal material, it gives a precise and clean surface quality and has excellent polishing efficiency, The present invention relates to a precision polishing composition for hard and brittle materials having a polishing life.
[0002]
[Background]
2. Description of the Related Art Conventionally, surface acoustic wave devices using surface acoustic waves (SAW) generated by piezoelectric effects in piezoelectric bodies have been widely used as electronic components such as television intermediate frequency filters and resonators, especially in recent years. However, the penetration rate of mobile phones using such surface acoustic wave devices has been remarkably increased, and along with this, the demand for piezoelectric wafers constituting such surface acoustic wave devices has also increased exponentially. It is increasing. As such piezoelectric wafer materials, hard and brittle materials such as lithium tantalate single crystal materials and lithium niobate single crystal materials having excellent piezoelectricity, pyroelectricity, and electro-optic effect are widely used. is there.
[0003]
In a surface acoustic wave device wafer made of such a hard and brittle material, the surface on which the electrode is photo-printed is usually subjected to precision polishing, and the surface is made into a mirror surface. Specifically, using a surface plate with an abrasive cloth made of polyurethane or the like, while rotating the surface plate, supplying slurry-like abrasive onto the surface of the abrasive cloth, By pressing the wafer against the polishing cloth surface, the wafer surface is precisely polished (polished), so that the precision polishing is performed.
[0004]
In addition, the polishing material used in this precision polishing process is excellent in polishing efficiency or polishing rate, as well as being capable of finishing the surface of the material to be processed (wafer) to a highly precise polishing finish. That is desired. Moreover, such an abrasive is generally used repeatedly by circulating a certain amount thereof for economic reasons (so-called circulation supply system), and in such use, As the polishing efficiency decreases, it is necessary to replace a part of the abrasive material with a new abrasive material, or to replace all of the abrasive material with a new one after a predetermined polishing time. It is required that the efficiency (speed) can be maintained constant over a long period of time, in other words, the polishing life is good.
[0005]
By the way, in hard brittle materials such as lithium tantalate single crystal material used as the wafer material as described above, since it is hard and brittle, it is usually used for finish polishing as an abrasive, and the particles are coarse and hard. If a hard abrasive such as alumina or diamond is used, the polishing speed will increase, but pits and scratches will occur on the polishing surface, processing distortion will remain inside the wafer surface, and surface accuracy will be extremely poor. Since the problem is inherent, the practical application was extremely difficult, and since it is a chemically stable material, the polishing effect due to the mechanochemical action is extremely low. No useful polishing acceleration effect based on mechanochemical action has been reported, and no effective polishing accelerator has been found. That.
[0006]
Therefore, colloidal silica as disclosed in JP-A-58-225177, JP-A-62-233333, JP-A-5-154760 and the like is mainly used as a precision polishing material for such a wafer. Silicon wafer abrasives, which are included as components, have been adopted, but in such colloidal silica abrasives, the accuracy of the polished surface is achieved to a high degree without causing defects on the surface and the inner surface. However, it was difficult to say that the polishing rate (polishing efficiency) was sufficient, and it was a major obstacle to shortening the polishing time. Since this also causes a problem that the speed is remarkably reduced, as described above, when the circulating supply method is adopted, the abrasive is frequently replaced. Cormorants need is for it to have occurred. For this reason, such a method has problems such as deterioration in work efficiency and workability and an increase in cost required for abrasives and equipment.
[0007]
In order to cope with such a problem, Japanese Patent Laid-Open No. 5-1279 discloses a BET specific surface area of 10 to 60 m as a surface precision abrasive for hard and brittle materials.2/ G and an aqueous slurry dispersion containing only finely divided silicon dioxide having a secondary particle average particle size of 0.5 to 5 μm as a solid component has been proposed. Although it is maintained well and the polishing life is improved as compared with the above-described colloidal silica abrasive, there is still room for improvement with respect to the polishing rate.
[0008]
JP-A-6-191988 discloses only a specific colloidal silica, that is, a colloidal silica in which a solid component (silica) having a particle size of 30 to 70 nm is dispersed in a basic aqueous solution having a pH of 9 to 14. However, it is only disclosed to prevent warping of the optical wafer after forming the epitaxial growth layer by making the polishing surface of the optical wafer a mirror surface. The polishing rate and the polishing life have not been studied.
[0009]
[Solution]
Here, the present invention has been made in the background of such circumstances, the place to be solved is,Lithium tantalate / lithium niobate single crystalmaterial(Hereafter referred to as hard and brittle material)In the precision polishing process, the hard and brittle material can be polished with high accuracy without causing polishing defects such as pits, scratches, protrusions, and processing distortions, and with an excellent polishing speed and polishing life. Is to provide a precision polishing composition for hard and brittle materials.
[0010]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have found that fumed alumina, amorphous silicon dioxide, fumed silica, and colloidal silica as a base abrasive that is the main component in the polishing composition. The present inventors have found that by adding silica, colloidal silica having a particle size different from that of the base abrasive, or a chelating compound, excellent polishing surface accuracy, polishing rate and polishing life can be realized.
[0011]
Therefore, the present invention has been completed based on such knowledge, and one of the gist thereof is that the average primary particle diameter is 10 to 40 nm and the BET specific surface area is compared with colloidal silica. 40-100m2/ G fumed alumina, the average particle size is 1.0 to 5.0 μm, and the BET specific surface area is 110 to 420 m.2/ G of amorphous silicon dioxide and an average primary particle size of 12 to 40 nm and a BET specific surface area of 50 to 200 m2A precision polishing composition for hard and brittle materials, wherein at least one of / g of fumed silica is dispersed and contained.
[0012]
In such a precision polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention, the hardness is higher than the colloidal silica in terms of structure compared to the relatively soft colloidal silica as the base abrasive. It is estimated that any one of the prescribed fumed alumina, amorphous silicon dioxide, and fumed silica can be further blended in a uniformly dispersed state, so that processing strain is effective. As a result, it is possible to advantageously prevent or eliminate damages such as scratches and pits on the polished surface and worsening the surface roughness of the polished surface. The surface of the brittle material can be precisely polished to a very clean mirror surface, the polishing rate can be advantageously improved, and the polishing time can be shortened effectively. In use of the return Ri, obtained and maintained the polishing rate for a long time, it as it can be achieved particularly good polishing life. And, by such an excellent polishing speed and polishing life, it is possible to enjoy the effects of dramatic improvement in work efficiency and workability in precision polishing of hard and brittle materials and good economic efficiency.
[0013]
According to one of the preferred embodiments of the polishing composition according to the present invention, as the colloidal silica, one having a particle diameter in the range of 5 to 150 nm is adopted, whereby the polished surface of the hard and brittle material is clean. It will be effectively finished to a specular surface.
[0014]
In addition, this departureClearlyAccording to the present invention, the colloidal silica is contained in a solid content of 10 to 50% by weight, while at least one of the fumed alumina, amorphous silicon dioxide and fumed silica is a total amount, The silica particles and / or aluminum of the polishing composition can be contained in a proportion of 2 to 25% by weight, so that stable dispersion of the particles can be ensured, and thus the above-described effects are more effectively exhibited. It is.
[0015]
Further, in the present invention, in order to solve the above-mentioned problem, at least one second colloidal silica having an average particle size different from that of the first colloidal silica is added to and contained in the first colloidal silica. The gist of the precision polishing composition for hard and brittle materials, characterized in that it is caulked.
[0016]
The precision polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention has a great feature when combining a plurality of colloidal silicas having different average particle sizes and hence different particle size distributions. It is possible to achieve an effective improvement. That is, by combining such colloidal silicas having different particle sizes, the particle size distribution of the silica in the colloidal silica is made wide, so that an excellent surface quality is ensured without causing poor polishing. In addition, good functions can be realized in the polishing rate and its maintenance.
[0017]
Furthermore, in the present invention, in order to solve the above-described problems, the gist is that a chelating compound is added and contained as a polishing accelerator to colloidal silica.
[0018]
In the precision polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention, a predetermined chelating compound is added as a polishing accelerator and has a great feature. Such a polishing composition In that case, the polishing resistance at the time of polishing is moderately relaxed, etc., so that the polishing is further improved compared to a polishing composition made of only conventional colloidal silica and containing no polishing accelerator. While the speed is improved, such a polishing speed is maintained over a long period of time, and an excellent polishing life can be achieved.
[0019]
In addition, in the present invention, in order to solve the problems described above, at least one of silica particles and alumina particles is dispersed and contained in the colloidal silica, and further, the chelate is added. The gist of the present invention is also a precision polishing composition for hard and brittle materials, which is characterized by adding and containing a functional compound.
[0020]
In such a precision polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention, the chelating compound is contained in the predetermined colloidal silica together with the predetermined silica particles and / or alumina particles, so that it is further excellent. Thus, an effect of improving the polishing characteristics can be obtained.
[0021]
And in this invention, in order to solve the subject mentioned above, at least 1 sort (s) of 2nd colloidal silica from which average particle diameter differs from this 1st colloidal silica with respect to 1st colloidal silica. The gist of the present invention is also a precise polishing composition for hard and brittle materials, which is characterized by adding and containing a chelating compound.
[0022]
In such a precision polishing composition for hard and brittle materials, the above-mentioned effect by combining a plurality of colloidal silicas having different average particle sizes and the polishing promoting effect by a chelating compound are combined, and at the time of polishing processing In addition, a more excellent polishing surface can be obtained, and the polishing rate and its sustainability can be advantageously improved.
[0023]
Furthermore, in the present invention, in order to solve the above-described problems, another gist is that the second colloidal silica having an average particle size different from that of the first colloidal silica is different from the first colloidal silica. The precision polishing composition for hard and brittle materials is characterized in that at least one kind is added and contained, and at least one of silica particles and alumina particles is further dispersed and contained.
[0024]
In such a precise polishing composition for hard and brittle materials, by combining a plurality of colloidal silicas having different average particle sizes, silica having an extremely wide particle size distribution can be dispersed. Since the silica particles and / or the alumina particles are dispersed, the various excellent effects described above can be realized more effectively.
[0025]
Furthermore, in the present invention, in order to solve the above-described problems, at least one second colloidal silica having an average particle size different from that of the first colloidal silica is added to the first colloidal silica, Precise polishing for hard and brittle materials characterized by containing and dispersing and containing at least one of silica particles and alumina particles, and further adding and containing a chelating compound as a polishing accelerator. The composition also has its gist.
[0026]
In such a precision polishing composition for hard and brittle materials, the predetermined silica particles and / or alumina particles that give the above-described excellent polishing properties to colloidal silica that is a base abrasive, and the average of the base abrasive Since the colloidal silica and the chelating compound having different particle sizes are contained together, even more excellent polishing characteristics can be achieved.
[0027]
Further, according to one of the preferred embodiments of the precision polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention as described above, the first colloidal silica is contained in a solid content of 10 to 50% by weight. The first colloidal silica and the second colloidal silica are contained in a total amount of solids in a proportion of 20 to 60% by weight.
[0028]
Furthermore, according to another preferred embodiment of the present invention, the average particle size of the first colloidal silica is 30 to 60 nm, while the average particle size of the second colloidal silica is 5 to 22 nm or 80 to 100 nm. And the first colloidal silica and the second colloidal silica are used so that the ratio by weight of the solid content is 60 to 80% and 40 to 20%. Thereby, the various effects described above can be improved more effectively.
[0029]
In the polishing composition according to the present invention, as the polishing accelerator, at least one of a polyaminocarboxylic acid chelating compound and an organic phosphonic acid chelating compound is advantageously used.
[0030]
In addition, it is desirable that the polishing accelerator added to the polishing composition according to the present invention is contained in a proportion of 0.1 to 5.0% by weight, thereby further improving the polishing efficiency. Will be obtained.
[0031]
Furthermore, in the precision polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention, amorphous silicon dioxide, fumed silica and fumed alumina are advantageously used as the silica particles and alumina particles.
[0032]
In addition, according to one of the preferable embodiments of the polishing composition according to the present invention, at least one of the silica particles and the alumina particles is contained in a total amount of 2 to 25% by weight. As a result, the silica particles and / or the alumina particles can be uniformly monodispersed, and thus, the gelation of the polishing composition can be prevented, and an extremely beautiful polishing mirror surface can be obtained. The effect is demonstrated.
[0033]
And, in the precision polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention as described above, it is desirable that the pH is adjusted to be alkaline in the range of 7 to 11, whereby the electric repulsive force working between the particles is increased. Since the solid component acts effectively on each particle and the solid component is uniformly dispersed, the fine particles are aggregated and solidified, so that the polishing accuracy is lowered and the circulation use becomes difficult. Such an inconvenience can be advantageously suppressed or prevented.
[0034]
Moreover, in such this invention,As mentioned above, takeHard and brittle materialas, Lithium tantalate single crystal material or lithium niobate single crystal materialIs targetedInThe
[0035]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In short, in the precision polishing composition (abrasive material) for hard and brittle materials according to the present invention, among silica sols which are colloidal solutions of silicic acid, particularly, silica sols whose dispersion state is stabilized by special treatment. Colloidal silica is used as a base abrasive and at least one of predetermined silica particles as another abrasive, alumina particles, colloidal silica having a different average particle size, or a chelating compound as a polishing accelerator. As a result of further dispersing or dissolving the material, it is ensured that, in the precision polishing of hard and brittle materials, excellent surface properties are ensured, and polishing efficiency and polishing life are extremely effective. The colloidal silica used as the base abrasive in the present invention can be improved. In order to highly maintain the particular surface quality of the polished surface of the brittle material is abrasive material among polishing characteristics of the above-mentioned various, it is the essential ingredient.
[0036]
By the way, as such colloidal silica, any known particle size and content (solid content) of silica as a solid component in such colloidal silica can be adopted, but the polished surface is a very beautiful mirror surface. In order to finish, a particle diameter in the range of 5 to 150 nm is preferably employed, and as the solid content of colloidal silica, the stable dispersion state of the abrasive and its economic efficiency In consideration of the above, the content is preferably 10 to 50% by weight, and among those particle sizes and solid contents, those having a large particle diameter and a high solid content are advantageously used for obtaining a high polishing rate. Will be. When the colloidal silica particle size is smaller than 5 nm, an effective polishing rate cannot be obtained. When the particle size is larger than 150 nm, the surface quality is deteriorated and the cost is increased. It ends up. Further, when the solid content is less than 10% by weight, a polishing effect by colloidal silica, in particular, excellent surface quality cannot be obtained. When the solid content exceeds 50% by weight, only a rapid increase in cost is caused. In other words, when an abrasive other than colloidal silica as the base abrasive and other compounding agents are further blended, there arises a problem that aggregation and gelation easily occur.
[0037]
One of the precision polishing compositions for hard and brittle materials according to the present invention is such that at least one of predetermined silica particles and alumina particles is appropriately selected with respect to such colloidal silica. In such a fine particle state, it is configured to be dispersed, thereby effectively avoiding poor polishing such as pits, scratches and processing distortion, and the surface of the hard and brittle material is precisely polished to a very clean mirror surface. In addition, the polishing rate can be advantageously improved, and the polishing time can be effectively shortened. In particular, when the material is circulated, the polishing rate can be increased over a long period of time. An excellent polishing life that can be maintained for a long time could be realized. By improving the polishing speed and the polishing life, it is possible to improve work efficiency and workability in precision polishing and to achieve good economic efficiency.
[0038]
Such silica particles and alumina particles are required not to deteriorate the excellent surface properties due to colloidal silica as described above during precision polishing, and in particular, those in the form of extremely fine fine powders. It will be suitably adopted. Specifically, the silica particles include amorphous silicon dioxide and fumed silica, while the alumina particles include fumed alumina, and such fine silica particles and / or alumina particles are blended. It is possible to achieve an excellent polishing rate and polishing life by being caulked, because, according to the inventor's inference, such silica particles and alumina particles are more suitable than colloidal silica. This is considered to be due to the fact that it is hard. Although the hardness of such colloidal silica, silica particles, and alumina particles has not been measured, amorphous silicon dioxide and fumed silica have a net-like or chain-like shape in which spherical silica is in an aqueous solution. In contrast to colloidal silica, colloidal silica is presumed to be softer because spherical silica is monodispersed in a colloidal form, and in the case of fumed alumina, its material In addition, it is considered to be harder than colloidal silica.
[0039]
Specifically, the amorphous silicon dioxide used in the present invention is a fine powdery amorphous silica produced by a wet method (a typical method is a method of neutralizing sodium silicate with an acid) ( Since the silica particles are manufactured in a gel state, the silica particles are not merely aggregated but fused, and the final dried product generally has certain secondary particles. It has become. Among amorphous silicon dioxide composed of such secondary particles, in order to increase the polishing rate and the polishing life while maintaining excellent surface properties, it is desirable to select a fine particle diameter, Average particle size: 1.0 to 5.0 μm, BET specific surface area: 110 to 420 m2/ G is advantageously employed.
[0040]
On the other hand, fumed silica used in the present invention is a silica (gas phase method silica) produced by a gas phase reaction method or a dry method among fine powdery amorphous silica, Since it is manufactured in this way, it is composed of primary particles having an extremely fine particle size close to that of an aerosol. Among these fumed silicas, in order to increase the polishing speed and the polishing life while maintaining excellent surface properties, it is desirable to select particles having a small specific surface area and large primary particles. Average particle size: 12 to 40 nm, BET specific surface area: 50 to 200 m2/ G is more preferably used. The above gas phase reaction method is a reaction (oxidation reaction) between a metal compound (silicon compound) vapor and a reactive gas. Specifically, silicon tetrachloride vapor is heated to 1000 ° C. or more with hydrogen and oxygen. Examples include a method in which hydrolysis is performed at a high temperature. In the present invention, fumed silica that has been subjected to special curing treatment by employing a technique such as mixing aluminum chloride at the time of vapor phase synthesis is also preferably used for obtaining a high polishing rate. It is.
[0041]
Further, the fumed alumina used in the present invention is also alumina (gas phase method alumina) produced by a gas phase reaction method, similar to the fumed silica described above. It is made of extremely fine primary particles because it is produced in the gas phase by introducing water vapor or the like there. Among such fumed aluminas, in order to effectively improve the polishing rate and the polishing life, those having a small specific surface area and large primary particles are preferable. Average particle diameter: 10 to 40 nm, BET specific surface area: 40 to 100 m2/ G is more preferably used. And since such fumed alumina is composed of harder alumina than silica, it has a higher effect of improving the polishing rate than the above-mentioned amorphous silicon dioxide and fumed silica. Among them, since it is relatively soft and has an appropriate hardness, the surface of the material to be polished will not be damaged by causing damage such as pits and scratches.
[0042]
And it is preferable to mix | blend such silica particle and / or alumina particle | grain so that it may become 2-25 weight% in a total amount, and when this compounding ratio is less than 2 weight%, it is added. In contrast, when the amount is more than 25% by weight, not only the cost is increased, but also the dispersion state of the whole composition is deteriorated, and specifically, aggregation and gelation are induced. As a result, the surface properties of the polished surface are deteriorated. In particular, when fumed alumina is employed, the polishing rate is advantageously improved even with a small amount of the compound, and conversely, when the compounding amount is increased, the viscosity of the composition is remarkably increased. It is.
[0043]
In the present invention, the colloidal silica (first colloidal silica) as the base abrasive as described above is further combined with the colloidal silica.Is flatAn effective precision polishing composition for hard and brittle materials can also be formed by adding and incorporating at least one other colloidal silica (second colloidal silica) having different average particle sizes.
[0044]
That is, in such a precision polishing composition for hard and brittle materials, a combination of colloidal silicas having different average particle sizes results in a wide particle size distribution of solids (silica) in the colloidal silica. In the precision polishing processing of hard and brittle materials, the polishing surface is made to be a mirror surface without causing poor polishing, and an excellent polishing rate and polishing life can be obtained. Therefore, among the solid contents in colloidal silica having such a wide distribution range, those having a large average particle size increase the polishing rate, and those having a smaller average particle size improve the finished state of the polished surface. It is thought to work.
[0045]
And when combining two or more kinds of colloidal silicas having different average particle sizes, the solid content in those colloidal silicas should be appropriately determined in consideration of the required polishing characteristics and the like. However, the second colloidal silica is combined with the first colloidal silica and the second colloidal silica with respect to the first colloidal silica having a solid content of 10 to 50% by weight as the base abrasive. The total solid content is preferably 20 to 60% by weight, more preferably 20 to 50% by weight.
[0046]
When the solid content of the first colloidal silica and the second colloidal silica is less than 20% by weight, the effect of improving the polishing rate by combining a plurality of colloidal silicas as described above can be obtained. In addition, when it exceeds 60% by weight, not only is it uneconomical, but the dispersion state of silica in colloidal silica is destabilized, resulting in problems that uniform dispersion cannot be achieved. It becomes. In general, the maximum solid content of commercially available colloidal silica is about 50% by weight, but it is possible to produce colloidal silica with a solid content of 50% by weight or more by concentrating with a filtration membrane or filter. It is. However, since the partially stable colloidal silica structure is easily broken by concentration, it is desirable to make it 60% by weight or less in consideration of the above-mentioned problems such as non-uniform dispersion. By virtue of this, the silica in the colloidal silica can be dispersed in a single and uniform manner, so that problems such as aggregation and gelation due to the silica particles in the polishing composition can be prevented or prevented, and poor polishing such as pits and scratches In addition, a decrease in polishing accuracy can be avoided very effectively.
[0047]
By the way, as a combination of the above colloidal silica, practically, the first colloidal silica adopts an average particle size of 30 to 60 nm, and the second colloidal silica has an average particle size of 5 to 5 nm. It is desirable to adopt a film having a thickness of 22 nm and / or 80 to 100 nm, whereby the effects as described above are more effectively exhibited. In particular, when the second colloidal silica having an average particle size of 5 to 22 nm is adopted, the surface quality is further improved and the cost reduction is advantageously achieved. When a colloidal silica having an average particle size of 80 to 100 nm is employed, the polishing rate is effectively improved.
[0048]
Moreover, when mix | blending such colloidal silica of several average particle sizes, the 1st colloidal silica and the 2nd colloidal silica are 60-80% and 40-20%, respectively by the weight ratio of solid content. It is desirable to blend so as to be a ratio. However, such a mixing ratio is an appropriate distribution range for close packing, and by adopting this range, the polishing speed and surface quality are advantageously improved, and good economic efficiency is realized. Because it can be done. In addition, when the blending ratio of the second colloidal silica is less than 20%, no effect of the blending is exhibited.
[0049]
In addition, according to another one of the polishing compositions according to the present invention, there is a form in which a chelating compound is added as a polishing accelerator to colloidal silica, and dissolved and contained. In such a polishing composition, by adding a chelating compound, the polishing resistance at the time of polishing is moderately eased, and thus the polishing rate is advantageously improved, and such a polishing rate is long. It is maintained over a period of time and an excellent polishing life is achieved.
[0050]
Examples of such chelating compounds include polyaminocarboxylic acid chelating compounds and organic phosphonic acid chelating compounds, and at least one of them is appropriately selected and used. Is desirable. As such polyaminocarboxylic acid-based chelating compounds, ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA), diethylenetriaminepentaacetic acid, sodium salts, ammonium salts and calcium salts thereof are preferably employed, and organic phosphonic acid-based chelating properties are also used. As the compound, phosphonobutane tricarboxylic acid (PBTC), hydroxyethane diphosphonic acid, aminotrismethylene phosphonic acid and salts thereof are advantageously used.
[0051]
The chelating compound as described above is preferably added in a proportion of 0.1 to 5.0% by weight, and more preferably in a proportion of 0.5 to 3.0% by weight. However, when the blending ratio is less than 0.1% by weight, the improvement of the polishing rate is not exhibited, and when it is more than 5.0% by weight, not only the cost is increased but also it is commensurate with it. This is because the above effect cannot be obtained.
[0052]
Further, in the present invention, hard brittleness in which predetermined silica particles and / or alumina particles as described above are dispersed in colloidal silica as a base abrasive and further a chelating compound as described above is added as a polishing accelerator. In addition to the colloidal silica as the base polishing material, the precision polishing composition for materials and the colloidal silica as the base polishing material are blended with at least one kind of colloidal silica having an average particle size different from that of the colloidal silica as the base polishing material. Polishing composition for hard and brittle materials to which is added as a polishing accelerator, and for hard and brittle materials to which two or more kinds of colloidal silicas having different average particle sizes are blended and a predetermined chelating compound as a polishing accelerator is added. Two or more types of precision polishing compositions and colloidal silicas having different average particle sizes are blended, and a predetermined silica Kooyobi / or alumina particles are dispersed, further, hard and brittle materials for precision polishing composition containing a predetermined chelate compound as a polishing accelerator is also one which can be employed advantageously. In these precision polishing compositions for hard and brittle materials, predetermined silica particles and / or alumina particles, colloidal silica having an average particle size different from that of the base abrasive, and a plurality of chelating compounds are appropriately selected. By being selected and blended with colloidal silica as a base abrasive, it is possible to achieve even better polishing characteristics or polishing effect than when one of them is blended with a base abrasive alone. Demonstrate.
[0053]
Further, in the precision polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention, it is desirable that the pH value is adjusted to be alkaline of 7 to 11, whereby the viscosity of the precision polishing composition for hard and brittle materials is increased. The amount of silica can be reduced and the dispersion can be made as uniform and uniform as possible, and the content of silica in the polishing composition can be increased. However, when the pH is less than 7, particularly when the pH is around 5 to 6, the charge balance between the particles is lost, the particles are joined together, and thickening, gelation, and aggregation of the fine particles are caused. Therefore, it becomes impossible to disperse evenly, so that the polishing accuracy is lowered and repeated use becomes difficult. On the other hand, when the pH exceeds about 11, the silica surface gradually dissolves and polishes. The function as a composition cannot be exhibited effectively.
[0054]
For example, in the case of fumed silica having a very fine particle size, it is easy to be bulky due to its fineness, and thus easily causes thickening and gelation. Therefore, it is particularly affected by pH. It is easy. Specifically, the isoelectric point of fumed silica is in the vicinity of pH = 2, pH = 4-5 is a dispersion region, pH = 7-8 is a thickening region, and pH = 9-10 is a dispersion region. As can be seen from this, when fumed silica is simply dispersed in water (pH = about 7), the viscosity increases, and when stirred, the viscosity sometimes increases rapidly in a gel state. The method of dispersing in a solution adjusted to the above is advantageously used.
[0055]
Further, for such pH adjustment, various pH adjusting agents are appropriately selected according to the abrasive and the compounding agent to be blended in the polishing composition, and are used so as to obtain a desired pH. Examples of such a pH adjuster include NaOH, KOH, ammonia and the like.
[0056]
Furthermore, in the precision polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention, if necessary, a conventionally known dispersant, for example, in order to further disperse the solid component and further promote the polishing, Add organic amines, anionic and nonionic surfactants, and etchants used for surface processing of other metal materials, such as aluminum salts such as aluminum nitrate, ferrous chloride, etc. An organic acid such as iron salt and citric acid may be added, and, in addition, other conventionally known various additives added to the polishing composition may also be used as long as they do not inhibit the above-described effects. It may be appropriately selected and added in an appropriate amount.
[0057]
The precision polishing composition according to the present invention is to be used for precision polishing of various hard and brittle materials. Among such hard and brittle materials, in particular, lithium tantalate single crystal material or niobic acid The present invention can be advantageously applied to a lithium single crystal material, whereby various excellent effects as described above can be effectively exhibited.
[0058]
By the way, when manufacturing the precise polishing composition for hard and brittle materials which is the object of the present invention, the following methods can be exemplified. In addition, the preparation method of the polishing composition for hard and brittle materials according to the present invention is not limited to the exemplified method, and is nevertheless carried out in various modes depending on the abrasives and additives to be blended. obtain.
[0059]
Polishing composition comprising colloidal silica + silica particles and / or alumina particles
Predetermined silica particles and / or alumina particles are added to an aqueous solution adjusted to a predetermined pH (alkaline) in advance, and then stirred for a predetermined time with a high shear stirrer or a medium mill. A dispersion (slurry) of silica particles and / or alumina particles is prepared, and then, if necessary, various additives are added to the dispersion thus prepared at a desired ratio, and then the dispersion is added. In addition to colloidal silica so as to obtain a desired blending amount, by mixing and stirring for a predetermined time with a known stirrer such as a blade stirrer or a reversing stirrer, the desired precision polishing composition for hard and brittle materials To get. Thus, when obtaining a dispersion of an abrasive that tends to cause problems such as thickening and gelation, a pH range (dispersion region) in which these particles can be dispersed in order to avoid such problems. It is desirable to adopt a method in which an aqueous solution of the above is prepared in advance and the particles are added and dispersed to form a particle dispersion in advance, and then added to the colloidal silica and mixed.
[0060]
Polishing composition comprising first colloidal silica + second colloidal silica
To the first colloidal silica, add the second colloidal silica and, if necessary, an aqueous solution of a pH adjusting agent and various additives so as to obtain a desired blending amount, and mix and stir. Thus, a target precision polishing composition for hard and brittle materials is obtained.
[0061]
Polishing composition comprising colloidal silica + polishing accelerator
After preparing a polishing accelerator liquid by adding a polishing accelerator and, if necessary, various additives to an aqueous solution adjusted to a predetermined pH (alkaline) in advance, such a polishing accelerator. The liquid is added to colloidal silica and mixed and stirred to obtain a target precision polishing composition for hard and brittle materials. Thus, it is desirable to add a chelating compound to an aqueous solution that has been previously adjusted to be alkaline with a pH adjuster such as aqueous ammonia or sodium hydroxide. However, when these chelating compounds are added, particularly when the chelating compound is an acid, the addition reduces the pH of the precision polishing composition for hard and brittle materials, and the properties of colloidal silica are reduced. This is because there is a possibility that problems such as destruction or gelation may occur.
[0062]
When the precision polishing composition according to the present invention is used to perform a precision polishing process on a hard and brittle material, conventionally known various polishing techniques are appropriately selected and implemented. For example, a predetermined amount of a precision polishing composition for hard and brittle materials is put into a supply container provided in a polishing machine, and a polyurethane or the like stuck on the surface plate of the polishing machine using a nozzle or a tube from the supply container While dropping and supplying the polishing composition to the polishing cloth comprising the above, by pressing the polishing surface of the hard and brittle material (wafer) against the polishing cloth surface, and rotating the platen at a predetermined rotation speed, The wafer surface is precisely polished (polished).
[0063]
【Example】
Hereinafter, representative examples of the present invention will be shown to clarify the present invention more specifically, but the present invention is not limited by the description of such examples. It goes without saying. In addition to the following examples, the present invention includes various changes and modifications based on the knowledge of those skilled in the art without departing from the spirit of the present invention, in addition to the specific description described above. It should be understood that improvements can be made.
[0064]
Preparation of precision polishing composition for hard and brittle materials
By the method shown below so that it may become the mixture ratio of the following Table 1 and Table 2., ExperimentExamples 1 to 13 and Comparative Examples 1 to 5VariousA polishing composition was prepared.
[0065]
FruitExperimentExample 1
Commercially available amorphous silicon dioxide (average particle size: 1.8 μm, BET specific surface area: 180 m2 / G) Amorphous silicon dioxide obtained by adding 100 g to 500 g of an alkaline aqueous solution adjusted to pH = 9.5 with sodium hydroxide, and then stirring and dispersing with a high shear stirrer homomixer for 30 minutes. Uniform polishing by adding 400 g of commercially available alkaline colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50% by weight, pH = 11) to 600 g of the dispersion aqueous solution and mixing and stirring with a blade stirrer for 30 minutes. 1 kg of composition was obtained.
[0066]
FruitExperimentExample 2
FruitExperimentIn the same manner as in Example 1, instead of amorphous silicon dioxide, commercially available fumed silica (average primary particle diameter: 16 nm, BET specific surface area: 130 m)2 / G) Using 100 g, 1 kg of the polishing composition was obtained.
[0067]
FruitExperimentExample 3
Commercially available amorphous silicon dioxide (average particle size: 1.8 μm, BET specific surface area: 180 m2 / G) Amorphous silicon dioxide obtained by adding 100 g to 450 g of an alkaline aqueous solution adjusted to pH = 9.5 with sodium hydroxide, followed by stirring and dispersing for 30 minutes with a high shear stirrer homomixer 400 g of commercially available alkaline colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50% by weight, pH = 11) was added to 550 g of a dispersion solution of ethylenediaminetetraacetic acid diammonium salt ( EDTA 2NHFour ) 50 g of an aqueous solution in which 8 g was dissolved was added, and mixed and stirred for 30 minutes with a blade stirrer to obtain 1 kg of a uniform polishing composition.
[0068]
FruitExperimentExample 4, 5
600 g of commercially available alkaline colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50% by weight, pH = 11) and colloidal silica having an average particle size different from that (average particle size: 80 nm or 15 nm, solid content: 40%) %, PH = 10) 250 g was mixed and stirred, and further 150 g of an alkaline aqueous solution adjusted to pH = 9.5 was added with a 5% aqueous sodium hydroxide solution and stirred to obtain a total solid of colloidal silica. 1 kg of a uniform polishing composition having an amount of 40% by weight was obtained.
[0069]
FruitExperimentExample 6
FruitExperimentSimilar to Example 5, 400 g of commercially available alkaline colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50% by weight, pH = 11) and colloidal silica having an average particle size different from that (average particle size: 15 nm, solids) 250 g of 40% by weight, pH = 10) are mixed and stirred, and further, commercially available amorphous silicon dioxide (average particle size: 3.6 μm, BET specific surface area: 150 m)2 / G) A dispersion solution of amorphous silicon dioxide (silica slurry) dispersed with a high shear stirrer was added to 250 g of an alkaline aqueous solution adjusted to pH = 9.5 with a 5% aqueous sodium hydroxide solution. By mixing and stirring with a blade stirrer, 1 kg of a uniform polishing composition was obtained.
[0070]
FruitExperimentExample 7
FruitExperimentSimilar to Example 6, 600 g of commercially available alkaline colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50 wt%, pH = 11) and colloidal silica having an average particle size different from that (average particle size: 15 nm, solid Amount: 40% by weight, pH = 10) 250 g was mixed and stirred, and EDTA · 2NH as a polishing accelerator was further added to this.Four The solution was dissolved in an alkaline aqueous solution adjusted to pH = 9.5 with a 5% aqueous sodium hydroxide solution, and mixed and stirred for 30 minutes with a blade stirrer. 1 kg of polishing composition was obtained.
[0071]
FruitExperimentExamples 8-10
To 800 g of commercially available alkaline colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50 wt%, pH = 11), 8 g of EDTA · 2NHFour Or 200 g of a solution of phosphonobutanetricarboxylic acid (PBTC) or ethylenediaminetetraacetic acid dicalcium salt (EDTA · 2Ca) dissolved in an alkaline aqueous solution adjusted to pH = 9.5 with a 5% aqueous sodium hydroxide solution. By adding and stirring, 1 kg of a uniform polishing composition was obtained.
[0072]
FruitExperimentExample 11
800 g of commercially available alkaline colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50 wt%, pH = 11), fumed alumina (average particle size of primary particles: 20 nm, BET specific surface area: 100 m)2 / G) 6 g was added to 200 g of slurry dispersed with a high shear stirrer in an alkaline aqueous solution adjusted to pH = 9.5 with 5% aqueous sodium hydroxide solution, and finally mixed with a blade stirrer for 30 minutes. By stirring, 1 kg of a uniform polishing composition was obtained.
[0073]
FruitExperimentExample 12
FruitExperimentIn the same manner as in Example 11, 800 g of commercially available alkaline colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50% by weight, pH = 11) was added to fumed alumina (average particle size of primary particles: 20 nm, BET specific surface area: 100 m).2 / G) 6 g of 192 g of slurry dispersed with a high shear stirrer was added to an alkaline aqueous solution adjusted to pH = 9.5 with 5% aqueous sodium hydroxide solution, and 8 g of EDTA · 2NH was further added.Four Was added and mixed and stirred with a blade stirrer to obtain 1 kg of a uniform polishing composition.
[0074]
FruitExperimentExample 13
FruitExperimentIn the same manner as in Example 6, 400 g of commercially available alkaline colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50% by weight, pH = 11) and colloidal silica having an average particle size different from that (average particle size: 15 nm, solids) 250 g of 40% by weight, pH = 10) are mixed and stirred, and further, commercially available fumed silica (average primary particle diameter: 16 nm, BET specific surface area: 130 m).2 / G) 100 g of 342 g of a slurry dispersed with a high shear stirrer was added to an alkaline aqueous solution adjusted to pH = 9.5 with 5% sodium hydroxide, and 8 g of EDTA disodium salt (EDTA · 2Na) was added and mixed and stirred with a blade stirrer to obtain 1 kg of a uniform polishing composition.
[0075]
Comparative Examples 1-4
ExperimentFor comparison with Examples 1 to 13, 1 kg of a polishing composition was prepared in which one type of colloidal silica having the same particle diameter was blended alone. In Comparative Example 1, the above colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50 wt%, pH = 11) was adjusted to 600 g with 5% aqueous sodium hydroxide solution and adjusted to pH = 9.5. 400 g of an aqueous solution was mixed and stirred. In Comparative Examples 2 and 3, 1 kg of colloidal silica (solid content: 40% by weight) having an average particle diameter of 80 nm or 15 nm was used as it was. Then, by adding 200 g of an aqueous solution adjusted to pH = 9.5 to 800 g of colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50 wt%, pH = 11), 1 kg of a uniform polishing composition, respectively. Prepared.
[0076]
Comparative Example 5
Also, α-alumina (average particle size: 0.5 μm, BET specific surface area) extremely hard compared to colloidal silica relative to colloidal silica (average particle size: 40 nm, solid content: 50 wt%, pH = 11). : 5m2/ G) was prepared for comparison for the purpose of comparison. That is, first, 100 g of α-alumina and 500 g of dispersed water were added to a pot mill to prepare an α-alumina dispersion solution (α-alumina slurry) that was pulverized and dispersed for 70 hours. The α-alumina slurry thus prepared 600 g was stirred and mixed with 400 g of colloidal silica to obtain 1 kg of a polishing composition.
[0077]
[Table 1]
[0078]
[Table 2]
[0079]
Polishing test
The fruit obtained aboveExperimentEach 1 kg of the polishing composition of each of Examples 1 to 13 and Comparative Examples 1 to 5 was introduced into an abrasive supply container provided in a polishing machine (manufactured by Fujikoshi Co., Ltd .: SLM-100, polishing platen diameter: 350 mm). Thereafter, the surface of a wafer (diameter: 75 mm) made of a lithium tantalate single crystal material was polished (precisely polished) for 5 hours using the polishing machine. In this polishing, the rotation speed (rotation speed) of the surface plate is set to 60 rpm, and the polishing pressure is 200 g / cm.2 Met. The polishing composition is supplied onto the polishing cloth surface affixed on the surface plate at a supply rate of 200 mL / min using a tube pump, and the overflowing polishing composition is returned to the container. It was used repeatedly by the so-called circulation supply system.
[0080]
Then, while polishing the surface of the wafer as described above, each time polishing time is 1 hour, the thickness of the wafer is measured using a micrometer (manufactured by Mitoyo, measurement accuracy: 1 μm). The hourly polishing rate (μm / Hr) was obtained, and the polished surface of the wafer was observed at a magnification of 40 times using a differential interference microscope (manufactured by Leica, Germany), and scratched. Through the presence or absence of pits, the surface state of the polished surface at the initial stage of polishing was evaluated, and the results are also shown in Table 3 below.
[0081]
[Table 3]
[0082]
As is apparent from Table 3, the result is obtained by dispersing and blending amorphous silicon dioxide, fumed silica, or fumed alumina with respect to colloidal silica.ExperimentIn Examples 1, 2, and 11, polishing was performed while maintaining the surface properties of the polished surface better than the polishing compositions of Comparative Examples 1 to 4 consisting of only one type of colloidal silica having a narrow particle size distribution. The speed is improved more than twice, and in particular, an excellent polishing life is realized. In addition, two colloidal silicas with different particle sizes are blended, and the particle size distribution is wide.ExperimentEven in Examples 4 and 5, as compared with Comparative Examples 1 to 4 having a narrower particle size distribution, the polishing speed and the polishing life are improved while ensuring excellent surface properties of the polishing surface. In addition, the fact that a chelating compound as a polishing accelerator is added to colloidal silica.ExperimentEven in Examples 8 to 10, excellent polishing rate and improvement in polishing life are achieved as compared with Comparative Examples 1 to 4 in which such a polishing accelerator is not added. In addition, colloidal silica as a base abrasive is combined with a combination of amorphous silicon dioxide, fumed silica, fumed alumina, colloidal silica of different particle sizes, or chelating compounds.ExperimentIn Examples 3, 6, 7, 12, and 13, it can be seen that even more excellent polishing properties are imparted by combining a plurality of them.
[0083]
Further, α-alumina (average particle size: 0.5 μm, BET specific surface area of 5 m) which is an extremely hard abrasive against colloidal silica.2In Comparative Example 5 in which / g) was blended, the polishing rate was extremely high, but it was found that surface defects such as pits and scratches were caused.
[0084]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, the present invention is followed.Lithium tantalate / lithium niobate single crystalPrecise polishing composition for materials, that is, predetermined silica particles and / or alumina particles are combined with colloidal silica (base abrasive)Lithium tantalate / lithium niobate single crystalPrecision polishing composition for materialsTo thingsThereTheIt is possible to effectively avoid the occurrence of polishing defects such as cracks, scratches, processing distortions, etc., the surface of hard and brittle materials can be precisely polished to a very clean mirror surface, and the polishing speed can be advantageously improved for polishing. A reduction in time spent can be realized, and an excellent polishing life can be realized such that the polishing rate is maintained for a long time. In addition, by improving the polishing speed and the polishing life, it is possible to improve the working efficiency and workability in precision polishing and to enjoy good economic efficiency.
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