JP4155726B2 - 光ディスクドライブ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスクドライブ装置の改良に関し、特に光ピックアップのチルト補正機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクの記録情報の高密度化に伴い、光ディスクに対して記録再生を行う際に使用する光学系(光ピックアップ)からのレーザ光のスポット径を小さくするために対物レンズの高NA化が図られている。このような光学系を備えた光ディスクドライブ装置では、光ディスクと光学系との間で傾き(チルト)が発生すると、波面収差が大きく発生するために、書き込み特性、読み取り特性が極端に悪化する。このようにチルトに対してマージンが小さいという課題を解決するために、従来からさまざまな形式のチルト補正機構が提案されている。
チルト補正機構の一つとして光ピックアップをガイドレールと共に半径方向に傾けることで、ディスクの反りなどに起因した半径方向へのチルトを除去する方法が知られている。
また、光ピックアップに接触式のセンサをぶつけるか、光ディスクの最内周に設けたストッパに光ピックアップが当たったことをソフト的に検出することで、光ピックアップが最内周にあることを検出している。このときに、最内周位置検出用のセンサを設けると共に、オーバーラン防止用のストッパを同時に設ける場合もある。
ここで、上記の如きチルト補正機構を持つ光ディスクドライブ装置におけるチルト補正動作を考える。チルト補正機構は、後述する図1に示すように例えば、ドライブ装置に固定された固定部に対して光ピックアップを搭載した可動ユニットを半径方向へ傾斜させる構成を備えており、可動ユニット側に取り付けられたチルトセンサからの検知信号に基づいて、光ディスクとチルトセンサが取り付けられた可動ユニットのチルトを補正する。
しかし、この従来例にあっては、可動ユニット側に取り付けられたチルトセンサは、光ディスクとの間の相対的なチルトのみを検出し、ドライブ装置の固定部分に対するチルト角度を検出することはできない。
また、チルト補正機構は、駆動源としてのモータを一定方向に回転させたときに揺動するカムまたはリンク機構にて駆動するように構成されていることが多い。このような駆動機構を採用した場合、光ディスクとチルトセンサを取付けた可動ユニットとの間のチルトがチルト補正機構の補正ストロークを超えた場合に、チルトユニットが暴走しかねないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、光ピックアップを搭載した可動ユニットを固定部に対して半径方向へ傾動させることによりチルト補正を行うチルト補正機構を備えた光ディスクドライブ装置において、部品点数の少ない簡単な構成により、固定部に対する可動ユニットの角度を検出することができるようにした光ディスクドライブ装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、光学的手段を用いて光ディスク面に対して情報の再生または記録を行う光ピックアップと、該光ディスクに対する該光ピックアップの傾きを補正するチルト補正機構と、を備えた光ディスクドライブ装置において、前記チルト補正機構は、回動支持部を備えた固定シャーシと、該光ピックアップを搭載し該回動支持部を中心に回動する可動シャーシとからなり、前記固定シャーシに前記光ピックアップの前後方向位置を検出するとともに位置検出が行われる位置が可動シャーシの角度に応じて変化する位置検出手段と、前記光ピックアップが規定の範囲外に移動することを衝止するとともに光ピックアップが接触する位置が可動シャーシの回転中心から一定となるストッパとを設け、前記可動シャーシを傾けることで光ディスクに対する前記光ピックアップの傾きを補正する構成を備え、前記位置検出手段による位置検出が行われてから前記ストッパによって前記光ピックアップが衝止させられるまでの該光ピックアップの移動距離を検出する移動距離演算手段と、該移動距離演算手段により検出された移動距離に基づいて前記固定シャーシに対する前記可動シャーシの傾きを検出する傾角演算手段と、を設けたことを特徴とする。請求項2の発明は、前記光ディスクの最内周または最外周付近に前記位置検出手段を設置したことを特徴とする。請求項3の発明は、前記ストッパを前記固定シャーシに固設し、前記ストッパ、又は/及び該ストッパに接触する光ピックアップ部分の形状を、全ての接触位置において前記回動支持部からの距離が等しくなるようにしたことを特徴とする。請求項の発明は、前記傾角演算手段により検出される光ピックアップの傾角の変化に応じて、前記移動距離演算手段により検出される光ピックアップの移動距離が異なるように、前記ストッパの形状、又は/及び該ストッパに接触する光ピックアップ部分の形状を形成したことを特徴とする。請求項の発明は、前記傾角演算手段により検出される光ピックアップの傾角の変化に応じて、前記移動距離演算手段により検出される光ピックアップの移動距離が異なるように、前記位置検出手段の形状、又は/及び該位置検出手段により検出される光ピックアップ部分の形状を形成したことを特徴とする。請求項の発明は、前記ストッパの形状、又は/及び該ストッパに接触する光ピックアップ部分の形状を、前記可動シャーシに対し傾斜をもつように形成したことを特徴とする。請求項の発明は、前記位置検出手段の形状、又は/及び該位置検出手段により検出される光ピックアップ部分の形状を、前記可動シャーシに対し傾斜をもつように形成したことを特徴とする。請求項の発明は、前記固定シャーシに、可動シャーシ面と直交する上下方向に沿って複数の前記位置検出手段を設けたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。図1(a)(b)(c)及び(d)は本発明の一実施形態に係る光ディスクドライブ装置の要部構成(チルト補正機構)を示す正面図、平面図、(b)の左側面図、及び斜視図であり、図2(a)(b)は動作を説明する正面図、及び斜視図である。図1、図2に示した光ディスクドライブ装置の構成部分は、光ディスクドライブ装置内で位置決め固定される固定シャーシ1と、固定シャーシ1に設けた一対の回動支持部2によって光ディスクの半径方向へ回動可能に支持された可動シャーシ3と、可動シャーシ3に設けたガイドシャフト4によって光ディスクの半径方向へ進退可能に支持され且つ光学的手段を用いて情報の再生または記録を行う光ピックアップ5と、光ピックアップ5が当接することによって作動して光ピックアップの現在位置を検出するスイッチとしての位置検出手段6と、ガイドシャフト4に沿って進退する光ピックアップ5に当接して光ピックアップ5が規定の範囲外に移動することを衝止するストッパ7と、固定シャーシ1上に固定され且つ光ディスクの中心部を支持部8aによって着脱自在に支持して回転させるスピンドルモータ8と、を備える。更に、位置検出手段6により光ピックアップ5の位置検出が行われてからストッパ7によって光ピックアップが衝止させられるまでの光ピックアップの移動距離を検出する移動距離演算手段15と、移動距離演算手段15により検出された移動距離に基づいて固定シャーシ1に対する可動シャーシ3の傾きを検出する傾角演算手段16とを備えている。回動支持部2は、固定シャーシ1に固定された固定片2aと、固定片2aの上部によって矢印A方向へ回動可能に支持され且つ可動シャーシ3と固定された可動片2bと、を備える。
【0006】
位置検出手段6は、固定シャーシ1上に固定されたスイッチ本体6aと、スイッチ本体6の前端面から突出入可能に支持され且つ突出方向へ弾性付勢されたスイッチ片6bとを有する。スイッチ片6bが光ピックアップの前面に当接すること、或いは該前面にて押圧されることによって位置検出手段6はONし、検出信号を移動距離演算手段15に出力する。ガイドシャフト4は、可動シャーシ3下面の前後端部に夫々固定された受け部4aによって前後端部を固定されており、光ピックアップ5を前後方向へガイドする。光ピックアップ5は、スピンドルモータ8の出力軸に相当する支持部8aによって中心部を支持されて回転駆動される光ディスク下面の記録面に対物レンズを対向配置した構成を有する。光ピックアップ5の前面には、ストッパ7と接触するストッパ接触面20と、位置検出手段6のスイッチ片6bと接触するスイッチ接触面21と、を備えている。固定シャーシ1と、固定シャーシ1に固定された構成要素群2,6,7,8は、固定ユニットを構成し、可動シャーシと、可動シャーシに支持された構成要素群4,5は、可動ユニットを構成する。また、上記各構成要素のうち、固定シャーシ1,回動支持部2,可動シャーシ3、位置検出手段6,ストッパ7は、チルト補正機構を構成しており、チルト補正機構は、回動支持部2を中心として可動シャーシ3を傾けることで、スピンドルモータ8の支持部8aによって中心を支持された光ディスクに対する光ピックアップ5の傾きを補正する。本実施形態では、ストッパ7に接触するストッパ接触面20を可動ユニットの回転中心である可動支持部2の可動片2bからの距離が等しい円弧状の面から成る曲面とし、位置検出手段(以下、スイッチという)6に接触するスイッチ接触面21は垂直に延びる平面としている。このような構成とすることで、チルト補正機構を動作させて可動シャーシ3上の可動ユニットを上下動させた時に、光ピックアップ前面(ストッパ接触面20)がストッパ7の端部に接触する位置はいつも回転中心である可動片2bから一定の半径位置となるのに対し、スイッチ片6bが接触してONとなるスイッチ接触面21の位置はチルト補正機構の作動によって変化することとなる。
【0007】
図2には図1のチルト補正機構を動作させた場合の構成を示す。この例では上記の説明のように、チルト補正機構を動作させたことで、チルト補正機構を動作させていない図1の場合に比して、スイッチ接触面21が接触することによってスイッチ6がONとなる位置が、光ディスクの回転中心(支持部8aに相当)から遠い位置に変化している。このようにスイッチ6のON位置からストッパ接触面20までの距離が、チルト補正機構の移動量によって変化することとなる。
なお、本実施形態例では、光ピックアップ5上のストッパ接触面20の形状を、可動シャーシ3の回動支持部2を中心とする一定半径の円弧状面として例示したが、これに限られず、光ピックアップ5上のストッパ接触面20が可動シャーシの回動支持部2を中心とする球面状にしてもよい。また、ストッパ7自体の接触部分の形状を可動シャーシ3の回動支持部2を中心とする円弧面状や或いは球面状にしてもよいし、ストッパ7自体およびストッパ接触面20双方の形状を回転中心2から一定の距離となるようにしたような曲面形状(円弧状、球面状等)にしてもよい。さらに、ストッパ接触面20を光ピックアップ5上に設ける必要は必ずしもなく、例えばストッパ接触面20を別個にガイドシャフト4上に搭載した構成としてもよい。要するに本実施形態では、チルト補正機構を動作させて可動シャーシ3上の可動ユニットを上下動させた時に、光ピックアップ前面(ストッパ接触面20)がストッパ7の端部に接触する位置を常に回転中心2から一定の半径位置とする一方で、スイッチ片6bが接触してONとなるスイッチ接触面21の位置をチルト補正機構の作動によって変化するように構成すればよい。
【0008】
一般的に光ピックアップをシーク動作させるためのモータ(ピックアップモータ)17としては、光ディスク面上の任意の位置にアクセスする為にステッピングモータを用いたり、或いはエンコーダを備えたモータユニットを用いるなどして、光ピックアップの移動量を検出できる構成となっている。そこで、移動距離演算手段15が、スイッチ6がスイッチ接触面21を検出した位置(スイッチ検出位置)からストッパ7によってストッパ接触面20が衝止されるまでの光ピックアップの移動量(モータの駆動量=回転数)を検出することにより、この移動量に基づいて傾角演算手段16が現在のチルト補正機構の角度を検出することができる。すなわち、予め光ピックアップを移動させる上記モータの移動量(回転数)と固定シャーシ1に対する可動シャーシ3の傾角との関係を求めておき、図示しないドライブ内のメモリに保存しておけば、モータの移動量に基づいてメモリから対応する傾角を読み出して求めることができる。このような傾角の検出が可能となる理由は、上記の如くストッパ接触面20と、スイッチ接触面21との関係を、可動ユニットを上下動させた時に、ストッパ接触面20がストッパ7の端部に接触する位置を常に回転中心2から一定の半径位置とする一方で、スイッチ片6bが接触してONとなるスイッチ接触面21の位置をチルト補正機構の作動によって変化するように構成したからである。また、光ディスクドライブ装置では、光ピックアップは、光ディスクの最内周側にアクセスすることが多いために、最内周付近に光ピックアップの位置検出用のスイッチまたはセンサを設けることがある。このような場合には、スイッチ6に代えて既存の最内周検出スイッチを、またストッパ7に代えて既存の内周のオーバーラン防止用ストッパを夫々用いて、本発明特有の上記構成を再現することにより、何ら新規の部品を追加することなくチルト補正機構の角度を検出することができる。一方、光ディスクの最外周に相当する付近に、光ディスクの位置検出用スイッチおよび外周のオーバーラン防止用ストッパを設け、夫々をスイッチ6とストッパ7に代える構成としてもよい。このようにしてチルト補正機構の角度を検出することで、光ディスクとチルトセンサを取り付けた固定ユニットがなす角度がチルト補正機構の補正ストロークの範囲外にある場合にこれを容易に検出することができる。このためチルト補正機構の暴走を未然に防ぐことができる。
【0009】
次に、図3(a)(b)及び(c)は本発明の第2の実施形態に係るチルト補正機構を示す正面図、平面図、及び斜視図、図4(a)及び(b)は図3のチルト補正機構の動作例を示す正面図、及び斜視図である。この実施形態は、位置検出スイッチ6、ストッパ7のいずれか一方を、チルト補正機構を動作させた際に移動する部分(可動ユニット側)に取り付けたことを特徴とする。上記第1の実施形態ではスイッチ6,ストッパ7を固定ユニット側に設けたが、この例ではいずれか一方を可動ユニット側に設けた構成が特徴的である。また、光ピックアップ前面のストッパ接触面20は平坦面としてもよい。上記以外の構成は、上記第1の実施形態と同様であるため、同一部分には同一符号を付し、重複した構成、動作の説明は省略する。
図3の例ではストッパ7を可動ユニット側の可動シャーシ3に取り付けており、具体的にはガイドシャフト4の受け部4aのうちの前方の受け部4aの一部を後方に突出させることによってストッパ7の機能を兼ねさせている。このような構成とすることで部品点数を増加させることなく、本発明を実施することが可能となる。
図4にこの実施形態においてチルト補正機構を動作させた場合を図示する。ストッパ7を可動ユニット側に取り付けた構成では、ストッパ7とストッパ接触面20との間に相対的位置変化がないため、チルト補正機構を動作させた際においても、光ピックアップ5がストッパ7に接触する位置は変化しない。このため、光ピックアップの構成部分のうち接触を望まない部分が接触し、光ピックアップ5にダメージを与えることがない。ストッパ7を可動ユニット側に設けた場合には、ストッパが接触面20と接触する位置は常に一定の位置となるが、スイッチ6が光ピックアップと接触してONとなる接触位置はチルト補正機構の角度によって変化するために、この間隔を測定することで現在のチルト補正機構の角度を検出することができる。つまり、チルト補正機構の角度を検出することで、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
一方、図示しないが、スイッチ6を可動ユニット側(可動シャーシ3)に取り付けた場合は、スイッチ6の検出精度を確保することが可能となる。
【0010】
次に、図5(a)(b)及び(c)は本発明の第3の実施形態に係るチルト補正機構の構成を示す正面図、平面図、及び斜視図であり、ストッパ接触面20の形状を図1の実施形態と同様に回転中心2から常に一定の距離となる曲面に形成すると共に、スイッチ接触面21を前方下方へ傾斜する傾斜面とした構成が特徴的である。
この実施形態によれば、図5に示すようにスイッチ6、ストッパ7に接触する部分20,21のいずれか一方の形状を、チルト補正機構の角度によって一義的に決定されるように設定したことを特徴とする。即ち、図示した一例では、スイッチ6に接触する接触面21の形状を可動シャーシ3に対して、前方下向きに大きく傾かせた傾斜面としている。図6(a)に図5の例において、チルト補正機構を時計周りに動作させた場合を、図6(b)に図5の例においてチルト補正機構を反時計周りに動作させた場合を示す。
本実施形態では、図6(a)から分かるようにチルト補正機構を時計周りに動作させた場合には、チルト補正機構を動作させていない図5の場合に比べて、光ディスクの回転中心から遠い位置でスイッチがONとなる。一方、図6(b)に示すようにチルト補正機構を反時計周りに動作させた場合には、チルト補正機構を動作させていない場合に比べて、光ディスクの回転中心から近い位置でスイッチがONとなる。この構成では、チルト補正機構の回転角度を、スイッチ6が接触面21に接触してONした位置からストッパ7が接触面20に接触した位置までの間隔から一義的に決定できる。本実施形態では、スイッチ6に接触する部分21の形状を可動シャーシ3に対して傾けた形状としているが、スイッチ6側の接触部の形状を可動シャーシ3に対して傾けた形状としても良い。また、双方を傾斜した形状としてもよい。更には、ストッパ7に接触する部分20の形状、又は/及びストッパ7自体の形状を可動シャーシ3に対して傾斜した形状としても良い。但し、ストッパ7又はストッパ接触部20の形状を傾斜面とする場合には、光ピックアップの制止位置が変動するため、光ピックアップのうち他の部分との接触を望まない部分へ衝撃が作用しないように構成することが必要である。
さらに、図示しないがスイッチ接触部21またはストッパ接触部20の形状を適切な形状とすることで、チルト補正機構の回転角度とスイッチONからストッパ接触までの間隔との関係を、例えば1次関数のような簡単な関数関係とすることが可能である。
【0011】
次に、図7(a)(b)及び(c)は本発明の第4の実施形態に係るチルト補正機構の構成を示す正面図、平面図、及び斜視図であり、図8(a)及び(b)はその動作を示す正面図、及び斜視図である。
本発明の第4の実施形態は、図7に示すように位置検出用スイッチ6を冗長に(複数個)設けたことを特徴とする。図示した例では上下位置関係にて2つの位置検出用スイッチ6B、6Aを配置し、チルト補正機構が機械的に水平を保っているときは上下のスイッチ6B、6Aが同時にONとなるように設置されている場合を示す。
図8にこの実施形態においてチルト補正機構を時計周りに回転させ、スイッチの一方がONとなった場合を示す。図8から分かるように下のスイッチ6AがONとなっているが、上のスイッチ6Bは光ピックアップ5の前面とは接触しておらず、OFFの状態にある。この状態から更に光ピックアップが同方向へ移動すると上のスイッチ6BもONとなる。この2つのスイッチのONとなる間隔はチルト補正機構(可動ユニット)の角度のみに依存するので、2つのスイッチがONになる間隔からチルト補正機構の角度を検出することができる。
また、図示しないが、当然反時計周りに動作させた場合には上のスイッチ6Bが先にONとなり、その後下のスイッチ6AがONとなる。このことから、回転方向、回転角度ともに検出することが可能であることが明らかである。
【0012】
図9に本実施形態例のディスクドライブ装置の基本的なブロック図を示す。この図は記録再生型のドライブのブロック図であるが、記録補償回路を省略した再生型ドライブであってもよい。信号入力/出力には信号の利用目的によりオーディオ回路や、画像圧縮/伸張回路、あるいはコンピュータと接続のためのインターフェイスが接続されている。記録補償は記録信号によるレーザ変調など、またRF信号処理は読取り信号の波形整形などの回路を含んでいる。そしてサーボ回路は読取り信号よりトラッキング誤差信号やフォーカス誤差信号等の誤差成分を検出し、光ピックアップやディスクモータにフィードバックして制御している。このサーボにはフォーカスサーボやトラッキングサーボ、ピックアップ送りサーボがある。また、ピックアップ送り機構には送りねじ方式やラックピニオン方式、リニヤモータ方式等が知られている。チルト補正機構は図示しないチルトセンサ等によって検出される光ピックアップの光ディスクに対するチルト量に応じてチルト量が0になるようにチルト補正を行う。また、固定側のシャーシ1に対する移動側のシャーシ3の傾きは上述した実施例によって求めることができる。
情報の再生動作は、光ピックアップにより光ディスク上に記録された情報信号を読出し、その信号をRF信号処理回路に入力する。RF信号処理回路では入力信号の波形整形等を行い、その後信号を復調回路に入力する。復調後、信号は図示しないホストコンピュータ等に出力される。
情報の記録動作においては、まず図示しないホストマシン等から記録したい信号の入力があると信号変調回路により、光ディスク上に記録しやすい信号に変調される。つぎに変調された信号は記録補償回路に入力され、レーザ変調等を行い、信号に応じたレーザ駆動電流を光ピックアップに流す。一般に情報記録時に流す電流は情報再生時よりも大きい。そして、入力信号に基づいて半導体レーザが発光され光ピックアップからレーザを光ディスクの記録面に照射することにより、情報記録を行う。この動作の間、サーボ制御は常になされている。
【0013】
なお、チルト補正機構の一部、或いは独立した回路構成として、位置検出手段(スイッチ)6により光ピックアップの位置検出が行われてからストッパ7によって光ピックアップが衝止させられるまでの該光ピックアップの移動距離を検出する移動距離演算手段15と、該移動距離演算手段15により検出された移動距離に基づいて固定シャーシ1に対する可動シャーシ3の傾きを検出する傾角演算手段16と、を設ける。各手段15,16が実施する各機能は、例えばCPU等の制御手段によって実現するようにしてもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上のように本発明は、光ピックアップを搭載した可動ユニットを固定部に対して半径方向へ傾動させることによりチルト補正を行うチルト補正機構を備えた光ディスクドライブ装置において、部品点数の少ない簡単な構成により、固定部に対する可動ユニットの角度を検出することができるようにした光ディスクドライブ装置を提供することができる。まず、請求項1記載の発明によれば、従来の一般的な光ディスクドライブ装置に対して新規に部品を追加することなく、チルト補正機構の角度を検出することができる。請求項2記載の発明によれば、従来の一般的な光ディスクドライブ装置に対して新規に部品を追加することなく、チルト補正機構の角度を検出することができる。さらにこの信号を制御情報として用いることで、例えばチルト補正機構の暴走を未然に防止することができる。請求項3記載の発明によれば、光ピックアップの制止位置を常に一定に保つことができ、精度よくチルト補正機構の角度検出が行える。請求項乃至の発明によれば、可動シャーシの両方向の傾きに対して角度を一義的に求めることができる。また、例えばスイッチ検出からストッパ接触までの間隔をチルト補正機構の角度の1次関数とすることにより、簡単な演算によって現在のチルト検出手段の角度を一義的に検出することができる。請求項記載の発明によれば、例えば2つのスイッチのONになるタイミングはチルト補正機構の角度のみに依存し、その関係は簡単な関数によって表現できるように、2つのスイッチを設置することができる。このため、簡単な部品を追加することにより、チルト補正機構の角度を一義的に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)(c)及び(d)は本発明の一実施形態に係る光ディスクドライブ装置の要部構成(チルト補正機構)を示す正面図、平面図、(b)の左側面図、及び斜視図。
【図2】(a)及び(b)は図1のチルト補正機構の動作を説明する正面図、及び斜視図。
【図3】(a)(b)及び(c)は本発明の第2の実施形態に係るチルト補正機構を示す正面図、平面図。
【図4】(a)及び(b)は図3のチルト補正機構の動作例を示す正面図、及び斜視図。
【図5】(a)(b)及び(c)は本発明の第3の実施形態に係るチルト補正機構の構成を示す正面図、平面図、及び斜視図。
【図6】(a)及び(b)は図5の実施形態の動作説明図。
【図7】(a)(b)及び(c)は本発明の第4の実施形態に係るチルト補正機構の構成を示す正面図、平面図、及び斜視図。
【図8】(a)及び(b)はその動作を示す正面図、及び斜視図。
【図9】本実施形態例のディスクドライブ装置の基本的なブロック図。
【符号の説明】
1 固定シャーシ、2 回動支持部、3 可動シャーシ、4 ガイドシャフト、4a シャフトの受け部、5 光ピックアップ、6 位置検出手段、7 ストッパ、8 スピンドルモータ、8a 支持部、15 移動距離検出手段、16 傾角検出手段、20 ストッパ接触面、21 スイッチ接触面。

Claims (8)

  1. 光学的手段を用いて光ディスク面に対して情報の再生または記録を行う光ピックアップと、該光ディスクに対する該光ピックアップの傾きを補正するチルト補正機構と、を備えた光ディスクドライブ装置において、
    前記チルト補正機構は、回動支持部を備えた固定シャーシと、該光ピックアップを搭載し該回動支持部を中心に回動する可動シャーシとからなり、前記固定シャーシに前記光ピックアップの前後方向位置を検出するとともに位置検出が行われる位置が可動シャーシの角度に応じて変化する位置検出手段と、前記光ピックアップが規定の範囲外に移動することを衝止するとともに光ピックアップが接触する位置が可動シャーシの回転中心から一定となるストッパとを設け、前記可動シャーシを傾けることで光ディスクに対する前記光ピックアップの傾きを補正する構成を備え、
    前記位置検出手段による位置検出が行われてから前記ストッパによって前記光ピックアップが衝止させられるまでの該光ピックアップの移動距離を検出する移動距離演算手段と、該移動距離演算手段により検出された移動距離に基づいて前記固定シャーシに対する前記可動シャーシの傾きを検出する傾角演算手段と、を設けたことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
  2. 前記光ディスクの最内周または最外周付近に前記位置検出手段を設置したことを特徴とする請求項1記載の光ディスクドライブ装置。
  3. 前記ストッパを前記固定シャーシに固設し、前記ストッパ、又は/及び該ストッパに接触する光ピックアップ部分の形状を、全ての接触位置において前記回動支持部からの距離が等しくなるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスクドライブ装置。
  4. 前記傾角演算手段により検出される光ピックアップの傾角の変化に応じて、前記移動距離演算手段により検出される光ピックアップの移動距離が異なるように、前記ストッパの形状、又は/及び該ストッパに接触する光ピックアップ部分の形状を形成したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の光ディスクドライブ装置。
  5. 前記傾角演算手段により検出される光ピックアップの傾角の変化に応じて、前記移動距離演算手段により検出される光ピックアップの移動距離が異なるように、前記位置検出手段の形状、又は/及び該位置検出手段により検出される光ピックアップ部分の形状を形成したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光ディスクドライブ装置。
  6. 前記ストッパの形状、又は/及び該ストッパに接触する光ピックアップ部分の形状を、前記可動シャーシに対し傾斜をもつように形成したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光ディスクドライブ装置。
  7. 前記位置検出手段の形状、又は/及び該位置検出手段により検出される光ピックアップ部分の形状を、前記可動シャーシに対し傾斜をもつように形成したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光ディスクドライブ装置。
  8. 前記固定シャーシに、可動シャーシ面と直交する上下方向に沿って複数の前記位置検出手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光ディスクドライブ装置。
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