JP4154782B2 - 投影表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を投影し、これを走査することによりスクリーンに表示する投影表示装置に関し、詳しくは補助用レーザ発振器を備えた投影表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カラー画像の表示装置では、その色を忠実に再現するべく各種の方式が提案されてきた。ここで、可視光として存在する色彩は、図3に示すJIS Z 8701が準拠したCIE(国際照明委員会)のXYZ表色系(2°視野)のCIE1931色度図において表されるように、いわゆる馬蹄形をしたスペクトル軌跡の範囲であり、図4に示すように、3原色を用いた加法混色の場合に再現できる色の範囲は、その3原色をそれぞれ図上に表した位置を頂点とした3角形の内側の範囲の色になる。カラー画像の表示方法として、例えばCRT(陰極線管)やLCD(液晶ディスプレイ)を用いたカラーディスプレイがあり、さらに近年NTSC(National Television System Committee)方式による高品位なテレビジョンやPDP(プラズマディスプレイ)や、LED(発光ダイオード)によるカラーディスプレイなどがあるが、近年色の再現性が向上してきた。
【0003】
また、特開平1−245780号公報、特開平3−65916号公報、特開平4−181289号公報に記載されているような加法混色の3原色であるレッド(以下R)、グリーン(以下G)、ブルー(以下B)のレーザ光をそれぞれ発振し、これらレーザ発振器により出力されたレーザ光の光路を1つに合成して同時加法混色を行い、この合成されたレーザ光をスクリーンに投射し、これを高速に2次元走査することでスクリーン上にカラー画像等を表示する投影表示装置が提案されている。このような投影表示装置においては、加法混色の3原色が、半導体レーザなどにより単波長に近い周波数帯域で幅広い色の発色が可能なレーザ発振器により、色再現の幅の広い且つ濁りのない色の表示ができるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、色の再現の範囲は3原色をそれぞれ図上に表した位置を頂点とした3角形の内側の範囲に制限されるため、この3原色を変更してこの3角形の位置を拡大し、移動させても、前述の馬蹄形の範囲においては、この3角形でカバーできない部分ができ、即ち再現できない色彩が多く残されてしまい自然な色の再現が困難であるという問題があった。
【0005】
この発明は上記課題を解決するものであり、再現できる色の領域が広く、より自然で美しいカラー画像を表示できる投影表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、請求項1に係る発明の投影表示装置では、画像信号に基づき、加法混色の3原色の波長からなる3種類の主レーザ光及び前記3原色の波長とは異なる波長からなる補助レーザ光をそれぞれ発振するレーザ発振器と、そのレーザ発振器から発振された各波長のレーザ光を一体的に走査して、所定の画面上に所望の画像を投影するレーザスキャナとを備え、前記補助レーザ光は、前記主レーザ光のうち、赤色レーザ光が発振されない場合のみ発振され、前記補助レーザ光の波長は、赤色レーザの波長と略補色の関係にあることを特徴とする。
【0007】
この構成に係る発明の投影表示装置では、前記補助レーザ光は、前記主レーザ光のうち、赤色レーザ光が発振されない場合のみ発振され、赤色レーザの波長と略補色の関係にある波長の補助レーザ光を用いることで、3原色の波長の光では再現できない色彩を再現することが可能になり、より自然の色に近い色再現ができるようになる。また、この構成に係る発明の投影表示装置では、補助レーザ光を必要な場合だけ発振させる制御を行うことができる。
【0008】
【0009】
【0010】
請求項2に係る発明の投影表示装置では、請求項1に記載の投影表示装置の構成に加え、前記補助レーザ光は、略500nmに設定されていることを特徴とする。
【0011】
この構成に係る発明の投影表示装置では、従来の3原色では出すことのできなかった500nm近傍の色彩が再現できる。
【0012】
請求項3に係る発明の投影表示装置では、請求項1又は2に記載の投影表示装置の構成に加え、前記画像信号は、前記3原色の波長に対応する画像信号と、前記補助レーザ光の波長に対応する画像信号とにより生成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成に係る発明の投影表示装置では、補助レーザ光を発振するレーザ発振器を備えた投影表示装置において、この画像信号を用いて好適な制御をすることができ、色の再現性を高めることができる。
請求項4に係る発明の投影表示装置では、請求項1乃至3の何れかに記載の投影表示装置の構成に加え、前記3原色の波長及び前記補助レーザ光の波長に対応する4色のビデオ信号による画像信号を入力する入力手段を備えることを特徴とする
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る投影表示装置を好ましい1の実施の形態により、添付図面を参照して説明する。ここで図1は、本発明に係る実施の形態である投影表示装置1の主要構成を図示した模式図である。まず最初に投影表示装置1の構成の概略について図1を参照しながら説明する。
【0015】
図1で示すように、投影表示装置1は、本体2に収納されたレーザスキャナ部10、制御部40、画像入力部47と、本体2からレーザビームLBを投射されて画像を表示させるスクリーン50などから構成されている。
【0016】
投影表示装置1は、インタフェイス48を介して画像入力部47に入力された画像データに基づいて、制御部40からスキャナ制御部12に信号が送られ、スキャナ制御部12のレーザ発振器制御部15で駆動信号が生成されてレーザスキャナ部10に備えられた赤色レーザ発振器13R、緑色レーザ発振器13G、青色レーザ発振器13B(図3参照、以下これらをまとめて主レーザ発振器13Mという)と、補助レーザ発振器13G(以上まとめてレーザ発振器13という。)とが発振されて赤色レーザビームLB(R)、緑色レーザビームLB(G)、青色レーザビームLB(B)(以下これらをまとめて主レーザビームLB(M)という。)と、補助レーザビームLB(G)(以上をまとめてレーザビームLBという。)とが発光・照射され、レーザビームLBは、主走査ポリゴンミラー(回転多面鏡)17及び副走査ポリゴンミラー18(以下まとめてポリゴンミラー17,18という。)により2次元的に走査されながらスクリーン50を投射されて画像を形成するものである。
【0017】
制御部40は、図示しないCPUとRAMとROMを備えた周知のコンピュータから構成されている。ROMには投影表示装置1全体を制御する為のプログラムが格納されており、このプログラムに従ってCPUにより入力処理・データ展開を行って画像データに基づいてレーザスキャナ部10のレーザ発振器13の発光を画像データに基づいて変調しながらポリゴンミラー17,18に同期させながら投射し、スクリーン50の画面を2次元走査してスクリーン50上に画像を表示するものである。
【0018】
スクリーン50は、レーザビームLBを受けて、これを拡散しつつ透過させてユーザーに画像を観察可能にするものであり、スクリーン50は、半透明乳白色の拡散板から構成されている。なお、本実施の形態では、スクリーン50と本体2とは、分離され移動可能な開放型に構成されるが、これらを一体にして、レーザビームLBが、ユーザーから直接見えないような密閉型に構成されてもよい。さらに、スクリーン50を、反射拡散板により構成された大型画面に投射するようなものであってもよい。要は、本体2に備えられたレーザスキャナ部10により、画面が投影可能で、画像を表示できればスクリーン50の形式は問わないものである。
【0019】
ここで、図2は、レーザスキャナ部10を説明する模式図である。以下この図2によりレーザスキャナ部10の構造と作用を説明する。まず、レーザ発振器13は、特定の色を発振するレーザ発振器を備え、700nmの赤色光を発光する赤色レーザ発振器13Rには、Krレーザが、450nmの青色光を発光する青色レーザ発振器13Bには、He−Cdレーザが、520nmの緑色光を発光する緑色レーザ発振器13G及び500nmの明るい緑色光を発光する補助レーザ発振器13Gには、Arレーザが好適に用いられる。
【0020】
また、これらの4つのレーザ発振器13から発光されるレーザビームLB(R),LB(G),LB(B),LB(G)は、第1レーザビーム合成器14A、第2レーザビーム合成器14B及び第3レーザビーム合成器14C(以下レーザビーム合成器14という。)により1つの光路をもつレーザビームLBに合成される。
【0021】
まず赤色レーザ発振器13Rと緑色レーザ発振器13Gが第1レーザビーム合成器14Aにより合成される。第1レーザビーム合成器14Aは、特定波長は透過させ、他の波長は反射させるコーティングを施されたダイクロイックミラー(波長選択反射板)から構成されており、赤色レーザ発振器13Rから照射されたレーザビームLB(R)は透過させるが、緑色レーザ発振器13Gから照射された緑色レーザビームLB(G)は出力光の波長の違いにより反射させる材質から構成される。そのため第1レーザビーム合成器14Aに、直交して配設された赤色レーザ発振器13Rと緑色レーザ発振器13Gからそれぞれ射出された赤色レーザビームLB(R)及び緑色レーザビームLB(G)は、赤色レーザビームLB(R)がダイクロイックミラーを透過して直進し、緑色レーザビームLB(G)がダイクロイックミラーにより反射してその光軸が直角に偏向されるため、両者の光軸は同一方向に揃えられ、同一の光軸をもつように調整される。
【0022】
同様に、赤色レーザビームLB(R)と緑色レーザビームLB(G)が合成されたものに第2のレーザビーム合成器14Bにより、さらに青色レーザ発振器13Bにより発光された青色レーザビームLB(B)が合成され、主レーザビームLB(M)が合成される。
【0023】
このようにして、生成された主レーザビームLB(M)に加え、さらに、第3のレーザビーム合成器14Cにより、主レーザビームLB(M)に補助レーザビームLB(G)が合成され、合成されたレーザビームLBにより画面が走査される。
【0024】
尚、これら3色のレーザビームLBの合成は、ダイクロイックプリズムの他、波長による屈折率の差を利用してプリズムにより光束を合成するような構成のものであってもよく、要は3つの光束を1つの光路にまとめられればよい。
【0025】
次に、投影表示装置1のレーザビームLBの走査の方法について図1及び図2を参照して説明する。レーザ発振器13により射出され、レーザビーム合成器14により1つの光束にまとめられたレーザビームLBは、高速で回転する主走査ポリゴンミラー17に当接する。主走査ポリゴンミラー17は、図2に示すように底面に対して高さの低い正六角柱形状で、回転軸が水平且つ、レーザビームLBに対して垂直な線を上方に平行移動した位置に配置されているため、レーザビームLBは、この回転軸を中心に回転する6つの平面鏡により下方に反射され、その光軸の向きは主走査ポリゴンミラー17の回転により反射前のレーザビームLBの光軸との内角を大きくするように変化する。
【0026】
このとき、主走査ポリゴンミラー17に反射されたレーザビームLBは、所定角度の範囲外には投射されないように、スキャナ制御部12に備えられたレーザ発振器制御部15とポリゴンミラー制御部16により制御される。又、このレーザ発振器制御部15とポリゴンミラー制御部16による制御を調和させるため、主走査ポリゴンミラー17により反射されたレーザビームLBの光軸が、主走査開始の位置のレーザビームLBの光束が通過する位置の近傍に、主走査ビームセンサ19を設けて、レーザビームLBの実際の位置を検出し、主走査ポリゴンミラー17の回転にレーザ発振器13の発光のタイミングを合わせている。ここで、主走査ビームセンサ19が受光した光は、信号として制御部40に送られるが、この信号を以下主走査SOS(Start Of Scanning)信号と呼ぶ。この主走査SOS信号を検知した制御部40は、この信号に基づいて演算された走査開始位置に基づいてレーザ発振器制御部15に、画像データに基づいて変調されたレーザ発光の為の信号を送出する。このようにして一列分のデータにより変調された信号が、レーザ発振器の駆動手段(ドライバ)であるレーザ発振器制御部15によりレーザ発振器13にドライブ信号が送出されレーザビームLBが、副走査ポリゴンミラー18に反射されてスクリーン50の図2のX方向に走査され、スクリーン上に一列分の画像が投影される。
【0027】
一方、主走査ポリゴンミラー17に反射されて偏向したレーザビームLBは、図2においてその下方に位置する副走査ポリゴンミラー18に向かって反射される。副走査ポリゴンミラー18は6枚の平面鏡を有し底面に対して高さの大きい細長の六角柱の形状で、その回転軸は水平で、スクリーン50と平行に、且つ主走査ポリゴンミラー17よりスクリーン50に対して反対方向に若干変位された位置に配置され、主走査ポリゴンミラー17により偏向される方向と同じ方向に平面鏡の長手方向が配置される。そして、この副走査ポリゴンミラー18は上端がスクリーン50に近づく方向に回転する。そのため主走査ポリゴンミラー17から反射されてきたレーザビームLBは、さらにスクリーン50方向に偏向されて、時間の経過とともに、偏向される内角が大きくなるように、即ちスクリーン50のY方向にレーザビームLBの移動する方向が変化する。
【0028】
このように、水平の主走査を行いながら垂直方向に副走査を行う。これは従来の周知のCRTの水平走査及び垂直走査と同様の走査である。このようにして上端から下端まで繰り返し水平走査を行うと1画面が表示されるが、副走査ポリゴンミラー18は一定の速度で回転するので、制御部40で適当な間隔をおいて信号を送出する。そうすれば、回転する副走査ポリゴンミラー18の次の鏡面で次の画面の副走査を行うことができる。この副走査は電流により傾きを制御するガルバノメータ(揺動一面鏡)を用いても可能であるが、ガルバノメータを用いた場合より、ポリゴンミラーを用いた方が角速度に変化がないため、高速の走査を行う場合には特にポリゴンミラーを用いることが好ましい。
【0029】
なお、さらに厳密にいえば、主走査ポリゴンミラー17により主走査の1ライン分を走査する間に副走査ポリゴンミラー18が回転するので、これを補正するように本実施の形態では副走査ポリゴンミラー18の主走査方向側がやや下がった方向に傾けてセットされている。
【0030】
また、鉛直方向の走査の開始位置を検出するために、本来のスクリーン50上での走査開始位置の僅か上方よりレーザ発振器13を点灯し、無変調でレーザビームLBが射出、主走査及び副走査がされる。そして、走査開始位置近傍に配置された副走査ビームセンサ20にレーザビームLBが入射されると、副走査ビームセンサ20から副走査SOS信号が制御部40に送出され、制御部40ではこの信号から実際の走査開始位置を演算して、演算された所定時間後にレーザスキャナ部10のスキャナ制御部12に制御信号が送出され、スキャナ制御部12はレーザ発振器13にドライブ信号を送出して光量が変調され、主走査及び副走査が開始される。
【0031】
以上のようにして、レーザビームLBにより、スクリーン50上に表示された画像は両側部が糸巻き状の歪みを示し、上下方向には走査線間の間隔の不一致を生じる。そのため、制御部40において、中央部の走査のための変調時間を延長するか、上端、下端部の変調時間を短縮することで、制御的に歪み補正をすることが好ましく、或いは、fθレンズ51などを用いて光学的に歪みを補正することが望ましい。
【0032】
この走査は、本実施の形態では、一画面について主走査線(水平走査線)525本の走査を1/30秒の副走査(垂直走査)により行っており、ちらつきの少ないスムーズな画面が投影可能となっている。
【0033】
図1に戻り、説明を続けると、上述のようにスキャナ制御部12は、レーザ発振器制御部15と、ポリゴンミラー制御部16とから構成されている。レーザ発振器制御部15は、制御部40から送出された微弱な信号を駆動信号としてレーザ発振器13(図2参照)に送出するドライバである。また、ポリゴンミラー制御部16も、制御部40からの微弱な信号を受けて、主走査ポリゴンミラー17及び副走査のポリゴンミラー18を回転させるモータを駆動する駆動信号を送出するドライバである。
【0034】
画像入力部47は、投影すべき画像データを、外部から入力して記憶しておくバッファであり、これをそれぞれの制御信号に分離する場所でもあるため、記憶手段を有している。入力データとして、ビデオ信号がインタフェイス48を介して入力される。もちろん画像情報のデータはビデオ信号に限られず、何らかの方法で画像情報が読みとれればよい。本実施の形態の投影表示装置1においては、入力信号はRGBビデオ信号に補助信号を加え、4色のビデオ信号による画像信号を用い、これらの信号に基づいて画像を生成する。
【0035】
ここで、この画像信号について説明する。まず、人間の目が感じる色について説明すると、人間の目が感じる色は網膜の3種の錐体が受ける刺激である3刺激値に支配されている。そして、グラスマン(Grassmann)の法則などで知られているように、すべての色光は独立な3色の色光の混合で等色することができる条件等色(メタメリズム・Metamerism)が知られている。「メタメリズム」とは、人が、周囲の状況が同じなら、等しい三刺激値を生じる分光組成の異なる2種の光を区別できないことをいう。またここで「独立な3色」とは、そのうちの1色が他の2色で等色できないという意味である。
【0036】
しかしながら、これは正確な表現ではないので、さらに説明すると以下のようになる。例えば、CIEの標準のように赤(R)の原色光をλ=700nm、緑(G)の原色をλ=546.1nm、青(B)の原色をλ=435.8nmの単色光とする。そして、この3色を用いて等色実験を行う。ここで「等色実験」とは、RGBの3色の光源を準備し、このそれぞれの光源のエネルギ強度を調節して混合を作り、この混合光で任意の等色し、そのときの3原色のエネルギ量を記録し、等色関数を求める実験である。「等色関数」とは、これらの3原色の各波長におけるエネルギ強度を関数にしたもので、この実験により導き出した等色関数には、負のエネルギ値を示す部分がある。これは理論的には、如何なる色も3原色の組み合わせでできるが、現実には、負のエネルギ強度は出力できないので、3原色でも再現できない色があることを意味する。
【0037】
具体的な例としては、例えば500nmの単色光と等色するには、赤の原色光のエネルギを負にしなければならない。即ち、実際の色光の混合により再現できる色の範囲は、3原色の選び方により異なるためこのようなことが生じる。ある原色のセットを与えたとき、その混合で再現できる色の範囲を、その原色の「色再現域(Color Gamut)」という。即ち、カラー画像表示装置においても、この3原色自体の発色により色再現域が決定付けられ、例えば、CRTディスプレーでは大きくは蛍光体の発色により決定付けられる。冒頭に説明したように、従来のCRT、LCD、PDP、LEDなどにより表示できる色再現域が狭かったのは、これらの3原色自体の色再現に限界があったためである。
【0038】
この等色関数は、以下のような性質を有している。まず、等色関数[r],[g],[b](通例はバーを付して表示するがここでは便宜上角括弧を付けて[r]のように表示する。)は、任意の色光Sを、与えられた3原色R,B,Gの強度を調節して等色する際、その強度r,g,bを色光S自身から求めるための各波長に対する重み関数である。つまり、Sなる分光エネルギーをもつ色光が3原色光R,B,Gで、式S≡rR+gG+bB(≡は等色の関係とする。)の型で等色されるとすると、r=S・[r],g=S・[g],b=S・[b]になる。人が同じ色に見える色は、同じ3原色値で測色されるように、メタメリズムを保って画像表示するための画像信号は、等色関数の感度をもつ必要があることがわかる。この原理は、実際カラーテレビなどのカラー画像表示装置にも利用される。カラーテレビは赤、緑、青の3原色の蛍光体に当てる電子ビームの量を調節して任意の色光Sを等色するものである。そして、その強度は、それぞれの等色関数に近似する3つの感度をもつようなカラーフィルターを備えたCCDなどの撮像素子を感光素子としたテレビカメラにより計測される。
【0039】
また詳細な説明は省略するが、この等色関数は、人間の網膜の3種の錐体の感度の線形変換であり、等色関数同士も線形変換の関係にある。従って、すべての等色関数は、線形変換で移りあうことができるといえる。そして、3原色光で等色するには、等色関数の感度で画像信号の生成を行わなければならないので、画像信号生成の条件は、等色関数の線形変換になっていなければならない。これを「ルーター条件」という。なお、すべての色光は独立な3色の色光Sで等色できるといえるが、これは画像信号の形成はその分光分布によらず3つの独立な任意の分光センサで行い結果を線形変換さえすれば正しい画像表示ができる訳ではなく、正確な色再現ができる画像信号を生成するには、等色関数の1つで行わなければならない。また、画像信号生成のセンサの分光感度が等色関数になっていなければ、線形変換で正しい画像信号を得ることができない。そして、得られた画像信号の値(r,g,b)は、その等色関数に対応する3原色R,G,Bで、その色光を等色するための強度である。センサの分光が等色関数であるということが、メタメリズムを実現するための条件なのであって、これを満足していない場合には、人の目に違う色に見える光が、同じ色に測定されたり、その逆が起こる可能性がある。さらに、3刺激値は3種の錐体に関する3刺激値の線形変換であるといえる。以上のような意味で、3刺激値は線形変換で移りあうといえるが、その3刺激値は、正しく等色関数でセンスされているのが条件である。従って、画像を形成する各波長のレーザ発振器13と、これを駆動するための画像信号は同じ等色関数とする必要がある。そのため、補助レーザ発振器13Gにより正確な色再現をするには、この発振波長である500nmの波長をセンサーによりセンスする必要がある。
【0040】
上記のように、3刺激値は線形変換によって移りあうので、色を測るには任意の1組の3原色を定め、それにより定まる等色関数によって3刺激値を測定すればよい。しかし、色を定量的に表すために、便宜的に標準的な等色関数があれば便利であるので、その目的としてCIEが1931年に定めた桿体の影響のない2°視野のXYZ系がCIE−1931XYZ系としてStandard Colorimetric Observerが定められて用いられる。ここでは、このCIE−1931XYZ系を用いて説明する。
【0041】
この等色関数[x],[y],[z](通例はバーを付して表示するがここでは便宜上角括弧を付けて[x]のように表示する。)は、上述の[r],[g],[b]を線形変換したもので、計算の便のため各等色関数は、すべての波長帯に亘って正の値をもち、等色関数の1つである[y]は目の照度関数に一致し、[x],[y],[z]の相対的な大きさは、この感度で等エネルギー白色を測定したとき、3刺激値([X],[Y],[Z])がグラフ上の曲線の下の面積が一定になるように[X]=[Y]=[Z]となるようにとられる。この性質のため、この等色関数に対応する3原色X,Y,Zは、実際には存在しない色光となっている。等色関数[x],[y],[z]を用いたCIE−1931XYZ系によれば、色光Sの色は、[X]=S・[x],[Y]=S・[y],[Z]=S・[z]の3刺激値で表される。
【0042】
また、色光Sを明るさと色成分とで表したい場合、輝度Yと色度(x,y)で表すことも行われ、色度(x,y)は、次式で定義される。
x=[X]/([X]+[Y]+[Z])
y=[Y]/([X]+[Y]+[Z])
色度は各波長でのエネルギが同じ割合で変化しても一定であり、ある混色系での色の再現範囲を示すとき、よく色度図が用いられる。ここで、図3は、x,yにJIS Z 8701(XYZ表色系による色の表示方法)によるXYZ系の色度座標を用いたCIE色度図を示す図である。
【0043】
さらに等色関数[x],[y],[z]は、その定義から単光色を等色する3刺激値であるが、単光色の色度x(λ),y(λ)は、
x(λ)=[x](λ)/([x](λ)+[y](λ)+[z](λ))
y(λ)=[y](λ)/([x](λ)+[y](λ)+[z](λ))
という色で表される。
【0044】
図3において、この単光色の色度x(λ),y(λ)を色度図上に描くと、図3のSPに示すように概ね馬蹄形の曲線を描く。この曲線をスペクトル軌跡SP(spectral locus)といい、このスペクトル軌跡SPとその両端を線分でつないだ図形の内部が、世の中に存在する色の存在範囲である。なぜなら、単光色の色度x(λ),y(λ)はスペクトル軌跡SP上にあり、単光色以外のすべての色は単光色の混色で得られるわけであるので、2色が混色された色の色度x(λ),y(λ)は、2色の色度をつなぐ直線上に存在するからである。
【0045】
冒頭においても引用したが、図4は、このCIE色度図において、従来の画像表示装置の色再現域を示す図である(「ディスプレイの先端技術」1998年9月25日・谷千束著・共立出版・183ページより引用)。図上、LCD(液晶ディスプレイ)、CRT(陰極線管)、NTSCのカラーテレビジョン、PDP(プラズマディスプレイパネル)、LED(発光ダイオード)を用いた画像表示装置では、それぞれ3原色となる発光体の色の波長に限界があるとともに、単波長ではないため色の濁りを生じ、色再現域が狭かった。これらに比較して、LS(レーザスキャナディスプレイ)を用いた画像表示装置は、3原色を発光させるレーザ発振器が、単波長で濁りのない純色が再現できること、又近年の半導体の開発により幅広い波長のレーザ光を発振できるようになったことなどの理由から、図4のLSに示す3角形のように、他の方式の画像表示装置と比較して格段に広い色表示領域を達成することができるようになった。
【0046】
ここで図5は、前述CIE色度図において、本実施の形態の投影表示装置1の色再現域を示す図である。従来は、図4に示すようにいずれの方式を用いても3原色を用いて混色を行っていることには変わらず、スペクトル軌跡SPの描く馬蹄形の中で如何に3角形の位置を定めても、このスペクトル軌跡SPの中をカバーすることができなかった。特に従来は前提となる3原色の発色の限界を拡げることが課題であり、再現できない可視光線の波長をなくすことまではそもそも課題とはならなかった。このような中で、半導体レーザを初めとする各種のレーザの開発によりレーザ発振器の発振波長の種類が極めて多くなり、且つレーザスキャナディスプレイが高速で精度の高いスキャニングができるようになったためこの広範な波長を発振できるレーザ発振器を用いた投射表示装置が可能になった。しかしながら、従来の3原色を用いたものでは、再現できない色の領域があり、この再現できない色の領域のため、自然な色の再現ができなかった。例えば、新緑の季節の木々の緑は、500nm付近の波長による純色に近い色であるが、このような彩度が大きい透明感のある緑は、従来如何なる方法でも再現できなかった。本実施の形態の投影表示装置1においては、補助レーザ光による4色目の色を混色に用いることにより図5に示すような4角形の範囲の色を再現して色再現域の拡大を達成し、自然な色調の再現を可能にした。
【0047】
なお、本実施の形態では、補助レーザ光を1色のみ用い画像信号を4色のものとしているが、さらに補助レーザを複数用いることで、色再現域の拡大が可能になることは言うまでもない。
【0048】
ここで、投影表示装置1に好適な画像信号の生成について説明する。画像信号は、ビデオ信号を生成する図示しないCCD(Charge Coupled Device)ビデオカメラを用いて生成するが、前述のメタメリズムによれば、色の測定と再現には同一の波長のセンサと発光体を用いるのが望ましいため、画像読み取り用のCCDのカラーフィルターをレーザ発振器13に合わせて4色にする必要がある。ここで、図6は、この画像読み取り用のCCD上に配列するカラーフィルターを模式的に示した図である。図6に示すように、レーザ発振器13により発振されるレーザビームLBの波長に対応した4つのフィルターである赤色フィルターFR、緑色フィルターFG、青色フィルターFB、補助フィルターFG(以下フィルターFという。)がマトリックス状に配列されている。このフィルターFを通して、それぞれのレーザ発振器13に対応した信号が生成される。
【0049】
以下、このフィルターFについて詳述する。図7は、赤色フィルターFRの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFRと、比較のために示す赤色レーザ発振器13Rの発振スペクトルを表すグラフG13Rを示す図である。このグラフから分かるように、上述のように赤色の画像信号を生成するために、これにセンサを対応すべくCCDに赤色フィルターFRをかけて赤色光を画像信号として記録し、他の波長の光は、カットしている。但し、レーザ発振器13Rの出力する波長に対し、入力する波長の幅を広く取っているのは、信号形成時の光量の確保のためである。このフィルターFRは、広帯域のフィルターでよいので、製作が容易でコストの低い染料フィルターを用いることができる。なお、780nmより長い波長の光線は、可視光ではないが、CCDの赤外線感度の補正のためCM−500等の赤外線カットフィルターを予め設置する。
【0050】
図8は、従来の緑色フィルターFGの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較のために示す緑色レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグラフG13Gを示す図である。従来の緑色フィルターにおいては、後述するような本実施の形態の補助フィルターFGにおけるような狭帯域のフィルターは必要がないので、赤色フィルターFRと同様な広帯域のフィルターを用いることができる。なお、従来の緑色レーザ発振器は、本実施の形態の緑色レーザ発振器13Gと同一の発振波長を示すため、従来の緑色レーザ発振器も13Gとして説明する。
【0051】
図9は、本実施の形態の青色フィルターFBの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFBと、比較のために示す青色レーザ発振器13Bの発振スペクトルを表すグラフG13Bを示す図である。この場合も、上述の赤色フィルターFRや、従来の緑色フィルターFGと同様広帯域のフィルターで画像信号を入力させる。
【0052】
図10は、本実施の形態の透過する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較のために示す補助レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグラフG13Gを示す図である。500nmの波長を発振する補助レーザ発振器13Gは、上述のような従来の緑色フィルターFGのような広帯域のフィルターでは、緑色レーザ発振器13Gの波長と近いため、透過する波長域の狭い狭帯域のフィルターを使用する必要が生じる。そのため図10のGFGに示すような、狭帯域のフィルターFGを使用する。この狭帯域のフィルターは、染料フィルターでは製作できないため、干渉フィルターを用いて透過光を選択する。
【0053】
一方、図11は、本実施の形態の緑色フィルターFGの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較のために示す緑色レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグラフG13Gを示す図である。この場合も、補助レーザ発振器13Gの発振波長と重複しないように、510nm付近以下は透過しないようなフィルターFGを使用する。
【0054】
図12は、従来のフィルターFR,FG,FBの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFR,GFG,GFBと、比較のために示すレーザ発振器13R,13G,13Bの発振スペクトルを表すグラフG13R,G13G,G13Bを示す図である。ここで示すように、従来は、3原色の波長が離れていたため、いずれも広帯域のフィルターを使用し、広い範囲の波長を透過させる構成とすることができた。
【0055】
図13は、本実施の形態のフィルターFR,FG,FG,FBの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFR,GFG,GFG,GFBと、比較のために示すレーザ発振器13R,13G,13G,13Bの発振スペクトルを表すグラフG13R,G13G,G13G,G13Bを示す図である。図に示すように、緑色レーザ発振器13Gと補助レーザ発振器13Gの発振波長G13G,G13Gが近接しているため、前述のように狭帯域のフィルターを使用することで、補助レーザ発振器13Gのための画像信号を得ることができる。
【0056】
上述のようなフィルターFを備えたCCDビデオカメラにより画像情報をビデオ信号に生成する。この方法は、RGB信号の他に補助レーザ光のための補助信号を加えた4色の信号とする他は周知のビデオ信号の生成と同様である。
【0057】
次に、上記のように生成された画像信号により、投影表示装置1において画像を表示する作用を図1及び図2を参照して説明する。上記のようにして生成された画像情報は、CCDビデオカメラ又はこの画像情報を録画したテープ等を再生するビデオデッキからインターフェイス48を介してビデオ信号として入力する。入力されたビデオ信号は、画像入力部47においてRGBと補助信号のそれぞれの分離信号に分けられる。この分離信号に基づいて制御部40は、ポリゴンミラー制御部16にポリゴンミラーの制御信号を送るとともに、レーザ発振器制御部15にポリゴンミラー17,18の回転に同期するように制御信号を送り、レーザ発振器制御部15は、各レーザ発振器13R,13G,13G,13Bに駆動信号を送る。
【0058】
このようにして発光された各レーザビームLB(R),LB(G),LB(B),LB(G)は、レーザ合成器14により1つの光路にまとめられ、主走査ポリゴンミラー17によりスクリーン50上を水平方向Xに走査される。但し、主走査は、スクリーン50への投射方向の誤差を考慮して、図2においてやや上方から開始され、レーザビームLBがスクリーン50の走査開始位置方向近傍に設けられた副走査ビームセンサ20に入射し、副走査ビームセンサ20から制御部40にSOS信号が送られるまではレーザビームLBの変調は開始されない。この副走査ビームセンサ20からのSOS信号があり、さらに、主走査ビームセンサ19にレーザビームLBが入射したときに、主走査ビームセンサ19からSOS信号が制御部40に送信され、制御部40は、このSOS信号に基づいてスクリーン50上の所定場所から画像を投影するように画像信号に基づいて各レーザ発振器13の変調を始める。このように1主走査が終了すると、レーザビームLBの射出方向は副走査ポリゴンミラー18により、次の主走査線上に移動するので、再び主走査ビームセンサ19により送信されるSOS信号により次の行の主走査が行われる。
【0059】
このようにしてスクリーン50上にレーザビームLBにより525回主走査を行って1/30秒毎に1画面を表示する。このように高速で精細に走査することで、従来表現できなかった色まで表現するフルカラーの画面を高輝度で連続的に表示でき、なめらかな動画を表示することができる。
【0060】
なお、この場合、補助レーザ発振器13Gの発振波長は、赤色レーザ発振器13Rの発振波長の略補色の関係にある。前述のように、補助レーザ発振器13Gを発光して500nmのレーザビームLB(G)を発振しても、赤色レーザ発振器13Rを発光している場合は、混色により図5に示す4角形のそれぞれを示す2つ頂点を結ぶ直線上で、両者の発光の強度により決定される色になる。また、図5から分かるように補助レーザ発振器13Gを発光させる必要があるのは、図5における破線より左の部分の領域の色であり、赤色レーザ発振器13Rがほとんど発光していない場合に限られる。逆に言えば、もし赤色レーザ発振器13Rが発光している時には補助レーザ発振器13Gを発光させる意味は低い。そこで、本実施の形態では、赤色レーザ発振器13Rが発光していないことを条件として、この補助レーザ発振器13Gを発光させるように制御する。このようにすることで不必要な補助レーザ発振器13Gの発光を排除している。逆に、補助レーザ発振器13Gを発光させる画像信号が入力された場合には赤色レーザ発振器13Rの発光をカットするように制御するようにしてもよい。この場合も、500nm近傍の波長の色が表示される時には、赤色レーザ発振器13Rが発光すれば、色再現に濁りを生じ、澄んだ500nm近傍の波長の色が再現しにくくなるからである。また、このように、補助レーザ発振器13Gを、主レーザ発振器13Mのいずれかと排他的に選択して使用することにより、制御が単純化する。そして、省電力化もはかることができる。これは、補助レーザ発振器が複数ある場合も同様で、同時点灯を3灯までにすることで同様のメリットが生じる。
【0061】
投影表示装置1は、上記のような構成及び作用を備えるため、従来再現できなかった色なども再現できるようになり、再現できる色の領域が広く、より自然の色に忠実な美しいカラー画像を表示できるという効果がある。
【0062】
以上、1の実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をし実施することができる。例えば、レーザ発振器を半導体レーザ及びSHG(非線形光学素子)を用いてもよい。さらに、単一パッケージから複数のレーザ光を発光する半導体レーザアレイでもよい。
【0063】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、請求項1に係る発明の投影表示装置によれば、画像信号に基づき、加法混色の3原色の波長からなる3種類の主レーザ光及び前記3原色の波長とは異なる波長からなる補助レーザ光をそれぞれ発振するレーザ発振器と、そのレーザ発振器から発振された各波長のレーザ光を一体的に走査して、所定の画面上に所望の画像を投影するレーザスキャナとを備え、前記補助レーザ光は、前記主レーザ光のうち、赤色レーザ光が発振されない場合のみ発振され、前記補助レーザ光の波長は、赤色レーザの波長と略補色の関係にあることを特徴とするため、赤色レーザの波長と略補色の関係にある波長の補助レーザ光を用いることで、3原色の波長の光では再現できない色彩を再現することができるという効果がある。そのため、より自然の色に近い色再現ができるようになるという効果を奏する。また、補助レーザ光を必要な場合だけ発振させる制御を行うことができるという効果がある。
【0064】
【0065】
請求項2に係る発明の投影表示装置では、請求項1に記載の投影表示装置の効果に加え、前記補助レーザ光は、略500nmに設定されていることを特徴とするため、特に従来の3原色では出すことのできなかった500nm近傍の色彩が再現できるという効果がある。
【0066】
請求項3に係る発明の投影表示装置では、請求項1又は請求項2に記載の投影表示装置の効果に加え、前記画像信号は、前記3原色の波長に対応する画像信号と、前記補助レーザ光の波長に対応する画像信号とにより生成されていることを特徴とするため、補助レーザ光を発振するレーザ発振器を備えた投影表示装置において、この画像信号を用いて好適な制御をすることができるという効果がある。そのため、さらに色の再現性を高めることができるという効果を奏する。
請求項4に係る発明の投影表示装置では、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の投影表示装置の効果に加え、前記3原色の波長及び前記補助レーザ光の波長に対応する4色のビデオ信号による画像信号を入力することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態である投影表示装置1の主要構成を図示した模式図である。
【図2】 レーザスキャナ部10を説明する模式図である。
【図3】 x,yに、JIS Z 8701(XYZ表色系による色の表示方法)によるXYZ系の色度座標を用いたCIE色度図を示す図である。
【図4】 CIE色度図において、従来の画像表示装置の色再現域を示す図である。
【図5】 CIE色度図において、本実施の形態の投影表示装置1の色再現域を示す図である。
【図6】 画像読み取り用のCCD上に配列するカラーフィルターを模式的に示した図である。
【図7】 本実施の形態の赤色フィルターFRの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFRと、比較のために示す赤色レーザ発振器13Rの発振スペクトルを表すグラフG13Rを示す図である。
【図8】 従来の緑色フィルターFGの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較のために示す緑色レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグラフG13Gを示す図である。
【図9】 本実施の形態の青色フィルターFBの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFBと、比較のために示す青色レーザ発振器13Bの発振スペクトルを表すグラフG13Bを示す図である。
【図10】 本実施の形態の補助フィルターFGの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較のために示す補助レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグラフG13Gを示す図である。
【図11】 本実施の形態の緑色フィルターFGの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFGと、比較のために示す緑色レーザ発振器13Gの発振スペクトルを表すグラフG13Gを示す図である。
【図12】 従来のフィルターFR,FG,FBの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFR,GFG,GFBと、比較のために示すレーザ発振器13R,13G,13Bの発振スペクトルを表すグラフG13R,G13G,G13Bを示す図である。
【図13】 本実施の形態のフィルターFR,FG,FG,FBの透過する波長のスペクトルを示すグラフGFR,GFG,GFG,GFBと、比較のために示すレーザ発振器13R,13G,13G,13Bの発振スペクトルを表すグラフG13R,G13G,G13G,G13Bを示す図である。
【符号の説明】
1 投影表示装置
2 本体
10 レーザスキャナ部
11 スキャナ
12 スキャナ制御部
13 レーザ発振器
13R 赤色レーザ発振器
13G 緑色レーザ発振器
13B 青色レーザ発振器
13G 補助レーザ発振器
14 レーザビーム合成器
14A 第1レーザビーム合成器
14B 第2レーザビーム合成器
14C 第3レーザビーム合成器
15 レーザ発振器制御部
16 ポリゴンミラー制御部
17 主走査ポリゴンミラー
18 副走査ポリゴンミラー
19 主走査ビームセンサ
20 副走査ビームセンサ
40 制御部
47 画像入力部
48 インタフェイス
50 スクリーン
51 fθレンズ
LB レーザビーム
LB(R) 赤色レーザビーム
LB(G) 緑色レーザビーム
LB(B) 青色レーザビーム
LB(G) 補助レーザビーム

Claims (4)

  1. 画像信号に基づき、加法混色の3原色の波長からなる3種類の主レーザ光及び前記3原色の波長とは異なる波長からなる補助レーザ光をそれぞれ発振するレーザ発振器と、
    そのレーザ発振器から発振された各波長のレーザ光を一体的に走査して、所定の画面上に所望の画像を投影するレーザスキャナと
    を備え、
    前記補助レーザ光は、前記主レーザ光のうち、赤色レーザ光が発振されない場合のみ発振され、
    前記補助レーザ光の波長は、赤色レーザの波長と略補色の関係にあることを特徴とする投影表示装置。
  2. 前記補助レーザ光は、
    略500nmに設定されていること
    を特徴とする請求項1に記載の投影表示装置。
  3. 前記画像信号は、
    前記3原色の波長に対応する画像信号と、前記補助レーザ光の波長に対応する画像信号とにより生成されていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投影表示装置。
  4. 前記3原色の波長及び前記補助レーザ光の波長に対応する4色のビデオ信号による画像信号を入力する入力手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の投影表示装置
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