JP4154759B2 - 用紙排紙装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置等に用いられる用紙排紙装置に係り、特に、用紙排紙時に用紙を搬送する排紙ローラと用紙の後端を押し出す凸部とを備えた用紙排紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置を備えた電子機器において、画像記録処理または画像読取処理された用紙を装置本体の外部へと排出する用紙排紙装置が設けられており、用紙の排紙効率を良好にするために、用紙に当接して回転することにより搬送する排紙ローラに、その周面から外方に突出する少なくとも一つの凸部を一体形成して、排紙ローラにより用紙を所定の用紙搬送方向へと搬送するとともに、凸部を介して用紙の後端を押し出すことにより用紙を排紙するものが知られている。
【0003】
図4(a)は、従来のこの種の用紙排紙装置に備えられた排紙機構の一部を構成する排紙ローラ部材の外観平面図、図4(b)は排紙ローラ部材の長手方向に対して平行に切断し拡大した概略拡大断面図および図4(c)は排紙ローラ部材の長手方向に対して直角に切断し拡大した概略拡大断面図である。図4(a)に示されるように、この排紙ローラ部材は、用紙の紙面に当接して回転することにより用紙を搬送する排紙ローラ102と、排紙ローラ102の端部に一体形成され、用紙が排紙される際に用紙の後端を押し出す複数の凸部104と、排紙ローラ102を軸支するローラシャフト106と、ローラシャフト106の端部に設けられ図示しない排紙駆動モータの動力を享受する排紙駆動ギア108とから構成されている。また、凸部104の内周面とローラシャフト106の外周面との間には空間110が形成されるように切り抜かれており、これにより排紙ローラ102の端部に一体形成された凸部104付近の内周面は、図4(b)に示すように、ローラシャフト106と当接しない構成となっている。
【0004】
このように構成された排紙ローラ部材は、用紙を排紙する際に、凸部104が用紙からローラシャフト106の軸心方向に向かう押圧力を受けたとき、凸部104の内側部分が凸部104とローラシャフト106との間に形成された空間110内に一部入り込むように構成されているため、用紙に必要以上の圧力を加えることがないので、用紙に凸部104の痕跡を残すことを防止しつつ凸部104の過大な変形を防止し、排紙ローラ102および排紙ローラ102に一体形成された凸部104の耐久性を向上させることを可能としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の用紙排紙装置では、排紙ローラ102をローラシャフト106に嵌合した後に、用紙を安定して排紙するために、排紙ローラ102と用紙とが当接する排紙ローラ102の表面を研磨しているが、排紙ローラ102と凸部104が一体形成されているために、凸部104を避けながら排紙ローラ102の表面を研磨する必要があり、製造コストの高騰を招いていた。また、排紙ローラ102の端部に一体形成された凸部104付近の内周面は、空間110を設けることにより、ローラシャフト106と排紙ローラ102が当接しないように構成されているが、これを達成するため排紙ローラ102の内部を加工する必要があり、この結果、排紙ローラ102の加工が困難となり、またコストの高騰を招いていた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、用紙排紙効率を低下させること無く、用紙排紙時に用紙を搬送する排紙ローラおよび用紙の後端を押し出す凸部の加工を容易にするとともに、製造コストの低減を可能にした用紙排紙装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の用紙排紙装置は、用紙の紙面に当接して回転することにより用紙を搬送する排紙ローラと、周面から外方に突出する少なくとも一つの凸部を有し、排紙される前記用紙の後端を凸部により押し出す弾性体ローラと、前記排紙ローラおよび弾性体ローラを軸支するローラシャフトとを有する用紙排紙装置において、前記弾性体ローラは、弾性体シートから打抜加工され、前記ローラシャフトに嵌合された前記排紙ローラ上を弾性変形しながら通過されるとともに、ローラシャフト上において前記排紙ローラと並列して配置されることを特徴とするものである。
【0008】
この用紙排紙装置によれば、用紙の紙面に当接して回転することにより用紙を搬送する排紙ローラと、周面に少なくとも一つの凸部を有し、排紙される用紙の後端を凸部により押し出す弾性体ローラとが別体に形成され、弾性体ローラは弾性体シートを打抜加工されることにより製造される。このため、排紙ローラの表面を研磨する際に、用紙の後端を押し出す凸部を避けながら研磨する必要が無く、また、弾性体ローラは弾性体シートを打抜くことにより加工されるので、非常に加工が容易になり製造コストを格段に低減することができる。一方、弾性体ローラは、ローラシャフトに嵌合された前記排紙ローラ上を弾性変形しながら通過されるとともに、ローラシャフト上において排紙ローラと並列して配置されるので、排紙ローラにより搬送される用紙の後端を安定して押し出すことが可能となり、用紙を良好に排紙することが可能となる。
【0009】
また、請求項2記載の用紙排紙装置は、請求項1記載の用紙排紙装置において、弾性体シートは、その厚さが1mm〜5mmであることを特徴とするものである。
【0010】
この用紙搬送装置によれば、請求項1記載の用紙排紙装置の効果に加えさらに、弾性体シートの厚さを1mm〜5mmにしたので、弾性体シートを打抜加工して弾性体ローラを加工する際に、弾性体シートの弾性力に起因して弾性体ローラの打抜加工が困難になったり、打抜加工の際に弾性体シートの形状が歪んだりすること無く、容易に加工することが可能となる。また、加工されローラシャフトに組付けられた弾性体ローラは、ローラシャフトの長手方向に対して、その厚さが1mm〜5mmに形成されているので、弾性体シートを弾性変形させながら容易にローラシャフトに取り付けることができるとともに、用紙を排紙する際に紙面に過大な押圧力を与えることが無く、紙面に凸部の痕跡を残すことなく用紙を排紙することができる。
【0011】
さらに、請求項3記載の用紙排紙装置は、請求項1または請求項2記載の用紙排紙装置において、弾性体ローラの孔径は、ローラシャフトの軸径よりも小さいことを特徴とするものである。
【0012】
この用紙排紙装置によれば、請求項1または請求項2記載の用紙排紙装置の効果に加えさらに、弾性体ローラの孔径は、ローラシャフトの軸径よりも小さいので、ローラシャフト上に弾性体ローラのずれを規制する係止部などを設けることなく、弾性体ローラの弾性力を介してローラシャフトに取り付けることができ、この点においても、製造コストを低減することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0014】
図1は、本発明の用紙排紙装置を備えたファクシミリ装置の主要構成部品の斜視図である。ファクシミリ装置1の本体ケースは、図1に示すように、メイン下ケース1aと、メイン上ケース1bとから構成されており、メイン下ケース1aには、露光ユニット2、プロセスユニット3および定着ユニット4からなる記録部としての記録ユニット45と、被記録媒体としての用紙P(図2参照)を供給する給紙部としての給紙ユニット5とを備えている。また、メイン上ケース1bには、原稿画像を読み取る読取部としての読取ユニット6と、読取原稿を載置する原稿載置台7と、各種動作指示を与える操作部8とを備えている。尚、メイン上ケース1bは、メイン下ケース1aの上側を覆うとともに、前方を大きく上下回動できるように、メイン下ケース1aの後方側部に軸支されており、メイン下ケース1aおよびメイン上ケース1bともに合成樹脂で構成されている。
【0015】
記録駆動系ユニット9は、図示しない記録用モータとギア列を備え、記録ユニット45、給紙ユニット5および後述する用紙排紙装置70(図2参照)に動力伝達を行っており、図示しないメイン下ケース1aの左側に設けられた収納凹部に装着固定される。
【0016】
一方、メイン下ケース1aの下面を覆う金属板製の底カバー10の上側には、ファクシミリ装置1の各種動作制御を行う制御基板11、低圧電源基板12、高圧電源基板13、および電話回線を介して他の電話装置やファクシミリ装置との間で会話やファクシミリデータの送受信を可能にするためのNCU(Network Control Unit)基板14などが設けられている。
【0017】
また、他の電話装置と電話回線を介して会話を行うための送受話器64は、メイン下ケース1aの左側面から外向きに突設した受け台65の上に載置されるように構成されている。
【0018】
次に、以上のように構成されたファクシミリ装置1の読取装置および記録装置の細部について、図2に示すファクシミリ装置の概略側断面図を参照しながら説明する。
【0019】
まず、読取装置の細部について説明する。メイン上ケース1b上に設けられた読取ユニット6は、原稿を原稿搬送方向にガイドするガイド部材42と、ガイド部材42の原稿搬送経路上に設けられる横長のCIS(Contact Image Sensor)からなる画像読取スキャナ34と、原稿載置台7の近傍に設けられる分離ローラ35と、画像読取スキャナ34を挟んで原稿搬送方向の上流側および下流側にそれぞれ一対に設けられた原稿上流搬送ローラ対43および原稿下流搬送ローラ対44と、分離ローラ35、原稿上流搬送ローラ対43および原稿下流搬送ローラ対44を回転駆動させる読取用モータ(図示しない)などから構成されている。尚、原稿上流搬送ローラ対43および原稿下流搬送ローラ対44は、それぞれ原稿上流搬送上ローラ36と原稿上流搬送下ローラ39および原稿下流搬送上ローラ37と原稿下流搬送下ローラ40により上下一対に形成されており、これらのローラ間で原稿を挟持しながら原稿の搬送を行っている。
【0020】
このように構成された読取装置により原稿載置台7に載置された原稿は、分離ローラ35を介して一枚ずつ分離され、原稿上流搬送ローラ対43および原稿下流搬送ローラ対44を介して原稿搬送方向に搬送されるとともに、原稿押圧部材38により画像読取スキャナ34に密着されながら、原稿の幅方向に1ライン毎の画像読み取りを行っている。尚、下向きに凸湾曲状の形状を有した原稿押圧部材38は、下面が白色で形成されており、原稿を読み取る際に白レベルの基準色として用いられている。
【0021】
次に、記録装置の細部について説明する。給紙ユニット5のフィーダ部ケース5a内に積層された状態でセットされた用紙Pの先端側は、フィーダ部ケース5a内の付勢バネ15aに付勢された支持板15にて給紙ローラ16に向かって押圧され、記録駆動系ユニット9(図1参照)からの駆動力を受けて回転する給紙ローラ16と分離パッド17とによって1枚ずつ分離される。分離された用紙Pは、上下一対に設けられたレジスト上ローラ18、レジスト下ローラ19にてプロセスユニット3の上部側に給送され、プロセスユニット3の上部側を通過することにより表面にトナー(現像剤)による画像が形成される。次いで、用紙Pは定着ユニット4へと給送され、定着ユニット4に設けられた加熱ローラ21と押圧ローラ22とによりトナー画像が熱定着処理された後、用紙排紙装置70に設けられた排紙駆動体72および排紙従動体74とで挟持されながら、排紙口20からファクシミリ装置1の外部へと排紙され、図示しない排紙トレイに排出される。
【0022】
ここで、トナー画像は、上面開放箱体状のメイン下ケース1aのほぼ中央に設けられるプロセスユニット3と、プロセスユニット3の下方に設けられ、メイン下ケース1aの底板部の上面側に一体形成されたステー部にビスなどで固定された露光ユニット2とにより形成される。露光ユニット2は、合成樹脂製の上支持板2aの下面側に、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー23、複数枚設けられたレンズ24、および複数枚設けられた反射鏡25などが設けられており、上支持板2aに感光体ドラム26の軸線に沿って延びるように穿設された横長スキャナ孔を覆う硝子板47を通過してプロセスユニット3に設けられた感光体ドラム26の外周面にレーザ光を露光するように構成されている。
【0023】
このプロセスユニット3は、感光体ドラム26と、感光体ドラム26の上面に当接して回転する転写ローラ27と、感光体ドラム26の下方に設けられたスコロトロン型などの帯電器28と、用紙搬送方向において感光体ドラム26よりも上流側に設けられた現像ローラ29および供給ローラ30を備えた現像装置46と、用紙搬送方向において現像装置46よりも上流側に設けられたトナー供給部としてのトナーカートリッジ31と、用紙搬送方向において感光体ドラム26よりも下流側に設けられたクリーニング装置32などから構成されている。
【0024】
このように構成されたプロセスユニット3では、感光体ドラム26の外周面上いおいて帯電器28を介して形成された帯電層に、露光ユニット2からのレーザ光を走査することにより静電潜像を形成する。
【0025】
また、トナーカートリッジ31の内部に設けられたトナーは、図示しない攪拌体を介して攪拌されて放出された後、供給ローラ30を介して現像ローラ29の外周面上に担持され、図示しないブレードによりトナー層厚が均一にされる。この現像ローラ29に担持されたトナーは、感光体ドラム26の外周面上に形成された静電潜像に付着し、その後、転写ローラ27と感光体ドラム26の間を通る用紙Pに転写されることにより、用紙P上にトナーによる画像を形成している。尚、感光体ドラム26に残ったトナーは、クリーニング装置32を介して回収される。
【0026】
また、トナーカートリッジ31は、プロセスユニット3に対して着脱可能に装着されているので、トナーの不足時はトナーカートリッジ31の交換を行うことにより、容易にトナーの補充を行うことができる。同様に、プロセスユニット3は、メイン下ケース1aに対して着脱可能に装着されているので、感光体ドラム26などが寿命などにより交換が必要となった際には、プロセスユニット3を交換するだけで装置の保守が可能であるため、メンテナンス性に優れた構成となっている。
【0027】
次に、記録装置により記録された用紙Pをファクシミリ装置1の外部へと排紙する用紙排紙装置70について、図2および図3を参照しつつ説明する。用紙排紙装置70は、上述した記録駆動系ユニット9(図1参照)の駆動力を図示しないギア列を介して駆動される排紙駆動体72と、排紙駆動体72または排紙駆動体72によって搬送される用紙Pを介して従動される排紙従動体74とにより、用紙Pを挟持しながらファクシミリ装置1の外部へと排紙している。
【0028】
図3(a)は、用紙排紙装置70に備えられた排紙駆動体72の外観平面図、図3(b)は排紙駆動体72の長手方向に対して平行に切断し拡大した概略拡大断面図および図3(c)は排紙駆動体72の長手方向に対して直角に切断し拡大した概略拡大断面図である。図3(a)に示されるように、排紙駆動体72は、用紙Pの紙面に当接して回転することにより用紙Pを搬送する排紙ローラ76と、周面から外方に突出する凸部78を有し、排紙される用紙Pの後端を凸部78により押し出す押出ローラ80と、排紙ローラ76および押出ローラ80を軸支するローラシャフト82と、ローラシャフト82の端部に設けられ記録駆動系ユニット9(図1参照)からの駆動力を享受する排紙駆動ギア84とから構成されている。
【0029】
ここで、押出ローラ80は厚さが2mmのシート状に形成されたゴム等の弾性体を打抜加工することにより加工されており、そのためローラシャフト82の長手方向に対する押出ローラ80の幅W(図3(b)参照)は、2mmの幅を有している。また、押出ローラ80の中央に設けられた孔径r(5.5mm)は、ローラシャフト82の軸径R(6.0mm)よりも小さくなるように加工されている。
【0030】
このように構成された排紙駆動体72の製造方法は、まずローラシャフト82に複数個の排紙ローラ76を、各排紙ローラ76間の間隔が押出ローラ80の幅W以上となるように、所定の間隔を設けながら嵌合する。ローラシャフト82に嵌合された複数個の排紙ローラ76の表面に対しては、用紙Pを安定して搬送するために、ローラシャフト82を中心に回転駆動させながら研磨処理が行われる。研磨処理が行われた後、上述した加工方法により形成された押出ローラ80をローラシャフト82の端部から弾性変形させながら、排紙ローラ76の上を通過させ、各排紙ローラ76の間に設けられた押出ローラ80の配置位置までスライドした後、ローラシャフト82の軸径Rよりも小さく設けられた押出ローラ80の孔径rの締付力を介して、ローラシャフト82に取り付けられる。
【0031】
このように、ローラシャフト82に排紙ローラ76を嵌合させた状態で、排紙ローラ76の表面を研磨した後に、押出ローラ80をローラシャフト82に取り付ける構成としたので、排紙ローラ76の表面を研磨する際に、押出ローラ80に設けられた凸部78を避けながら研磨する必要が無くなり、加工が非常に行い易くなる。
【0032】
また、押出ローラ80は、厚さが2mmのシート状に形成されたゴム等の弾性体を打抜加工をすることにより加工されているので、容易に加工を行うとともに、精度の良い加工を行うことが可能となる。
【0033】
さらに、押出ローラ80の孔径rは、ローラシャフト82の軸径Rよりも小さく形成されているので、ローラシャフト82上に押出ローラ80を固定する部材または加工をすること無く、確実にローラシャフト82上に固定できるので、製造コストを低減することが可能となる。
【0034】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、本実施の形態では、記録装置の記録手段としてレーザープリンタを備えたファクシミリ装置を例に挙げたが、勿論これに限定されるものではなく、記録装置の記録手段として、インクジェットプリンタやサーマルプリンタなどを備えた画像形成装置に使用しても同様な効果が得られる。
【0035】
また、本実施の形態では、排紙ローラ76および押出ローラ80が設けられたローラシャフト82に排紙駆動ギア84を備え、記録駆動系ユニット9からの駆動力を享受し駆動する構成を例に挙げたが、勿論これに限定されるものではなく、用紙Pもしくは排紙従動体74からの駆動力を享受することにより駆動する構成とした場合にも同様な効果が得られる。
【0036】
さらに、本実施の形態では、記録装置によって記録された用紙Pをファクシミリ装置1の外部へと排紙する用紙排紙装置を例に挙げたが、勿論これに限定されるものではなく、読取装置によって読み取られた原稿を排紙する原稿排紙装置に用いても同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の用紙排紙装置によれば、排紙ローラの表面を研磨する際に、用紙の後端を押し出す凸部を避けながら研磨する必要が無く、また、弾性体ローラは弾性体シートを打抜くことにより加工されるので、非常に加工が容易になり製造コストを格段に低減することができる。一方、弾性体ローラは、ローラシャフトに嵌合された前記排紙ローラ上を弾性変形しながら通過されるとともに、ローラシャフト上において排紙ローラと並列して配置されるので、排紙ローラにより搬送される用紙の後端を安定して押し出すことが可能となり、用紙を良好に排紙することが可能となる。
【0038】
また、請求項2記載の用紙排紙装置によれば、請求項1記載の用紙排紙装置の効果に加えさらに、弾性体シートを打抜加工して弾性体ローラを加工する際に、弾性体シートの弾性力に起因して弾性体ローラの打抜加工が困難になったり、打抜加工の際に弾性体シートの形状が歪んだりすること無く、容易に加工することが可能となる。また、加工されローラシャフトに組付けられた弾性体ローラは、ローラシャフトの長手方向に対して、その厚さが1mm〜5mmに形成されているので、弾性体シートを弾性変形させながら容易にローラシャフトに取り付けることができるとともに、用紙を排紙する際に紙面に過大な押圧力を与えることが無く、紙面に凸部の痕跡を残すことなく用紙を排紙することができる。
【0039】
さらに、請求項3記載の用紙排紙装置によれば、請求項1または請求項2記載の用紙排紙装置の効果に加えさらに、ローラシャフト上に弾性体ローラのずれを規制する係止部などを設けることなく、弾性体ローラの弾性力を介してローラシャフトに取り付けることができ、この点においても、製造コストを低減するとことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の用紙排紙装置を備えたファクシミリ装置の主要構成部品の斜視図である。
【図2】 ファクシミリ装置の概略側断面図である。
【図3】 用紙排紙装置に備えられた排紙駆動体の説明図である。
【図4】 従来の用紙排紙装置に備えられた排紙ローラ部材の説明図である。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置
72 排紙駆動体
76 排紙ローラ
78 凸部
80 押出ローラ
82 ローラシャフト

Claims (3)

  1. 用紙の紙面に当接して回転することにより用紙を搬送する排紙ローラと、
    周面から外方に突出する少なくとも一つの凸部を有し、排紙される前記用紙の後端を凸部により押し出す弾性体ローラと、
    前記排紙ローラおよび弾性体ローラを軸支するローラシャフトと
    を有する用紙排紙装置において、
    前記弾性体ローラは、弾性体シートから打抜加工され、前記ローラシャフトに嵌合された前記排紙ローラ上を弾性変形しながら通過されるとともに、ローラシャフト上において前記排紙ローラと並列して配置されることを特徴とする用紙排紙装置。
  2. 前記弾性体シートは、その厚さが1mm〜5mmであることを特徴とする請求項1記載の用紙排紙装置。
  3. 前記弾性体ローラの孔径は、前記ローラシャフトの軸径よりも小さいことを特徴とする請求項1または請求項2記載の用紙排紙装置。
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