JP4153255B2 - 靴底材の成形法 - Google Patents

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    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
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    • A43B13/14Soles; Sole-and-heel integral units characterised by the constructive form
    • A43B13/22Soles made slip-preventing or wear-resisting, e.g. by impregnation or spreading a wear-resisting layer

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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性及び耐滑性に優れた靴底材の成形法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐滑性の靴底として、実開昭62−21904号によって、ガラス繊維を未加硫ゴムに混合し、これを圧延することによって、ガラス繊維を圧延方向に配向させたものを適宜数重ねた後、圧延する方向に直交する方向に裁断した耐滑片を、裁断面を接地面となるようにして、靴底の接地面に埋め込み成形した靴底が提案されている。
【0003】
しかしながら、この従来の耐滑性靴底は、耐滑片に混入されたガラス繊維が接地面に対して直角に配列されているため、氷面では耐滑効果が発揮されるが、磨かれた石材などの床面では靴底突起の接地全面に硬いガラス繊維が配列されているため、反って滑りやすくなり耐滑機能が十分ではなかった。またこれら従来の靴底は着地時の衝撃力や摩擦力を耐滑片が直接受け止める構造であるため、靴底突起の摩耗が激しく耐摩耗性について不十分であった。さらに、従来の靴底は耐滑片の成形作業が煩雑で、しかも耐滑片を靴底に埋め込み成形しなければならずコストアップとなる欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は前記従来の問題点を解決しようとするものであって、その目的とするところは、耐摩耗性に優れ、かつ氷面や磨かれた石材などの乾いた床面又は濡れた床面においても優れた耐滑性を兼ね備えた靴底材を極めて簡単な方法で廉価に提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、流入孔12、12…を備えた多数の独立した突起成形凹部11、11…を有する靴底材成形型1に、未加硫ゴム生地2と硬質繊維31、31…を混入した異質の未加硫ゴム生地3とを順次載置して積層し、これを加熱加圧することによって突起成形凹部11、11…に充填するとともに流入孔12、12…に流入させながら靴底材4と一体に突起41、41…を成形した後、該突起の底部411、411…をバフして突起の底面410、410…を異質のゴム部材で形成し、硬質繊維31、31…を露出させたことを特徴とする靴底材の成形法を発明の要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は靴底材成形状態を示す要部断面図であり、図2は靴底材成形型より取り出された靴底の要部断面であり、図3は完成された靴底材の要部断面図である。符号1は靴底材成形型、符号11は突起成形凹部、符合110は側壁、符号111は上方部、符号112は下方部、符号12は流入孔、符号2は未加硫ゴム生地、符号3は硬質繊維を混入した未加硫ゴム生地、符号31は硬質繊維、符号4は靴底材、符号41は突起、符号410は底面、符号411は底部を示す。
【0007】
この発明において、突起成形凹部11、11…の形状はその側壁110、110…を漏斗形に狭窄しておけば、靴底材4の成形時に未加硫ゴム生地2及び硬質繊維を混入した未加硫ゴム生地を突起成形凹部11、11…に加圧充填する際、漏斗形の側壁110,110が誘導壁となって突起成形凹部11、11…での未加硫ゴム生地2及び硬質繊維31、31…を混入した未加硫ゴム生地3の流れ方向を流入孔12、12…へと方向づけることができる。よって、突起41はその内部が上下方向に方向づけられた硬質繊維31、31…を含むゴム部材で形成され、その外周部は硬質繊維を含まないゴム材で形成される。
【0008】
この発明において、未加硫ゴム生地2は天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタヂエンゴム、イソプレンゴム、ハイスチレンゴム、アクリルニトリルゴム、クロロプレインゴムなどの1種または2種以上の混合物を主成分として使用され、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、充填剤、顔料、安定剤等のゴム配合用の常用薬品さらに必要によっては発泡剤を添加し、バンバリーミキサー、ヘンシルミキサー、ミキシングロール、ニーダーなどの混合機によって混合し、これをロールによってシーティングし適宜形状に裁断したものである。
【0009】
未加硫ゴム生地2の成形後のゴム硬度は、50〜80°(JIS−K6301加硫ゴム物理試験方法によるスプリング式硬さ試験器A形)とし、さらには55〜65°より好ましい。また、そのゴム材の耐摩耗性はアクロン式で採取試料の傾斜角度10°とし3kg荷重で1000回転を測定条件とした場合、摩耗減量が0.3cc以下とし、より好ましくは0.1cc以下が良い。
【0010】
未加硫ゴム生地3は、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタヂエンゴム、イソプレンゴム、ハイスチレンゴム、アクリルニトリルゴム、クロロプレインゴムなどの1種または2種以上の混合物を主成分として使用され、硬質繊維並びに加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、充填剤、顔料、安定剤等のゴム配合用の常用薬品さらに必要によっては発泡剤を添加し、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ミキシングロール、ニーダーなどの混合機によって混合し、これをロールによってシーティングし適宜形状に裁断したものである。
【0011】
前記未加硫ゴム生地3に添加される硬質繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、セルロース繊維、岩綿、ロックウール、石英繊維、シリカ繊維、ウォラストナイト繊維、セラミックス繊維などの無機質繊維、金属繊維、炭素繊維等の1種または2種異常の混合物なる硬質な繊維31、31…が使用され、ロールによってシーティングされ圧延方向に硬質繊維が配向されて作られる。硬質の繊維の添加量はゴム100重量部に対して5〜50重量部とし、より好ましくは10〜30重量部が良い。
【0012】
また前記の硬質繊維21,21…の大きさは直径が0.05μm〜30μmで、その長さは0.1mm〜20mmのものが好ましい。また必要によって未加硫ゴム生地3は、未加硫ゴム2に添加された顔料と異なった顔料を添加しておけば、これによって成形された靴底は突起の底面が異質(色)材で形成されるので視覚的に美的効果がある。そして、成形後のゴム硬度(JIS−K6301A)は、45〜70°とし、より好ましくは50〜60°が良い。
【0013】
以上のように、準備された未加硫ゴム生地2を成形型1の底部に置いた後、その上に硬質繊維を混入した未加硫ゴム生地3を載置してセットし、常法によって加熱加圧され、未加硫ゴム生地2の一部が突起成形凹部11、11…内壁に沿って流入孔12、12…に流入されるとともに硬質繊維31、31…を混入した未加硫ゴム生地3も流入孔12、12…方向へと流入されるので、硬質繊維31、31…が突起成形凹部の上方部111から下方部112へと正確に配向される。
【0014】
このようにして加熱加圧し加硫成形された靴底材4は、突起41の底部411、411…をグラインダーなどでバフして除去すれば、突起41、41…成形時に上下方向、即ち接地面に対してほぼ垂直に配向された硬質繊維31、31…を突起41、41…の底面410の中央に露出させるとともに、その外周には硬質繊維を含まないゴム材で形成した底面を有する靴底材ができた。成形された靴底材は、硬質繊維を含まないゴム部材の接地面積の比率を突起底面面積の5〜80%とし、好ましくは10〜50%が良い。そして、成形された靴底材は、従来からあるゴム、ウレタン、EVA製などの靴底の接地面側に積層接着して使用される。
【0015】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。天然ゴムをベースにスチレンブタジエンゴムとブタジエンゴムをブレンドしてゴム主成分100に対して、ガラス繊維及びワラストナイト繊維を各15部、その他ゴム配合用常用薬品を添加して耐滑配合とし、ニーダーで混練したものを圧延ロールにて3mm厚の未加硫ゴム生地2シートを準備する。また、スチレンブタジエンゴムをベースにブタジエンゴムと天然ゴムをブレンドし、その他ゴム配合用常用薬品を添加して耐摩耗配合とし、ニーダーで混練したものを圧延ロールにて1mm厚の未加硫ゴム生地3シートを準備する。詳細な配合は下記の通りである。
【0016】
Figure 0004153255
【0017】
次に、靴底材成形型1に1mm厚の耐摩耗配合の未加硫ゴム生地3のシート上に3mm厚の防滑配合の未加硫ゴム生地2のシートを重ねて置き、160℃、50kg/cm2で6分加熱加圧した後、成形型から取り出した靴底の突起41、41…をバフして、突起の底面410、410…を防滑性ゴムと耐摩耗性ゴムとの異質のゴム部材で形成するとともに、接地面に対し直交方向に配向した硬質繊維311、311…を露出させた本発明の靴底材が得られた。成形された靴底材の硬度は、突起外周部の硬質繊維を含まないゴム部材が60°で、突起内側部の硬質繊維を含むゴム部材が55°であった。また、得られた靴底材は、硬質繊維を含まないゴム材の底面面積の比率が突起底面面積の45%であった。
【0018】
比較例の配合は下記の通りで、実施例と同様にして靴底を得た。
Figure 0004153255
【0019】
実施例と比較例との摩耗減量及び動摩擦係数の比較は下記の通りである。
Figure 0004153255
尚、摩耗減量はアクロン式で試料の傾斜角度10°とし、3kg荷重、1000回転の条件で測定した。また動摩擦係数は長さ10cm幅8cm試験片を作成し、該試験片を移動させている時の牽引力を試験片にかけた荷重で割った数値である。
【0020】
以上の結果から明らかであるように、本発明の靴底材は氷面では突起底面に露出させた硬質繊維により、また磨かれた石材などの乾いた床面又は濡れた床面では硬質繊維を有しないゴム部材の突起底面と接地面との接地面積が確保されてすべり抵抗が増し、耐滑性及び耐摩耗性が共に向上していることが分る。
【0021】
【発明の効果】
本発明は以上のように極めて簡単な方法で、突起の底面に接地面に対してほぼ垂直方向に硬質繊維を配向させ露出させ、また突起の底面が硬質繊維を混入されたゴム部材と硬質繊維を有しないゴム部材との異質のゴム部材で形成された靴底材が成形できるとともに、得られた靴底材は、氷面においては硬質繊維の把持力により、また磨かれた石材などの床面においても硬質繊維を含まないゴム部材のスベリ抵抗力によって、共に優れた耐滑性を有するものであった。
【0022】
そして、この発明の靴底材はその突起が硬質繊維を混入されたゴム部材が硬質繊維を含まないゴム部材によって被覆された重層構造で保護されているので摩耗が少なく、耐摩耗性及び耐滑性を兼ね備えた効果を奏するものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】靴底材成形状態を示す要部断面図である。
【図2】靴底材成形型より取り出された靴底材の要部断面である。
【図3】完成された靴底材の要部断面図である。
【符号の説明】
1 …靴底材成形型
11 …突起成形凹部 110…側壁 111…上方部 112…下方部
12 …流入孔
2 …未加硫ゴム生地
3 …硬質繊維を混入させた未加硫ゴム生地
31 …硬質繊維
4 …靴底材
41 …突起 410…底面 411…底部

Claims (1)

  1. 流入孔12、12…を備えた多数の独立した突起成形凹部11、11…を有する靴底材成形型1に、未加硫ゴム生地2と硬質繊維31、31…を混入した未加硫ゴム生地3とを順次載置して積層し、これを加熱加圧することによって突起成形凹部11、11…に充填するとともに流入孔12、12…に流入させながら靴底材4と一体に突起41、41…を成形した後、該突起の底部411、411…をバフして突起の底面410、410…を異質のゴム部材で形成するとともに、硬質繊維31、31…を露出させたことを特徴とする靴底材の成形法。
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