JP4152568B2 - 感光性組成物および感光性平版印刷版材料 - Google Patents

感光性組成物および感光性平版印刷版材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性組成物に関し、更にこれを利用した感光性平版印刷版材料に関する。更に詳しくは、レーザーを用いて画像形成可能な感光性組成物および感光性平版印刷版材料に関する。更に、プリント配線基板作成用レジストや、カラーフィルター、蛍光体パターンの形成等に好適な感光性組成物に関する。また、特に750nm以上の近赤外光から赤外光の波長範囲にある光に感度を有するネガ型の感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外光露光により感光し、画像形成を行う従来からの感光性樹脂およびこれを利用した平版印刷版に加えて、可視光領域の光に対する感度を大幅に向上させた高感度の感光性樹脂系が開発され、アルゴンイオンレーザー(488nm)やFD−YAG(532nm)等の光源を利用し、これらレーザーによる直接描画、製版が可能な系が実用化されている。これらは、光重合開始剤と色素増感剤および重合性化合物を有し、色素増感剤が吸収した光エネルギーを光重合開始剤のラジカル開裂に利用し、発生するラジカルによる重合性化合物の重合を利用するものである。
【0003】
これらの系ではラジカルによる重合反応を画像形成に利用するため、空気中の酸素が感光層に溶存しラジカル重合を阻害することを防止するために、一般にポリビニルアルコールのような酸素遮断性を有するオーバー層を感光層上に設ける必要がある。あるいはラジカル重合を完結させ、十分な画像部の耐現像性、印刷性を確保するためにしばしば露光後或いは現像処理後に加熱処理を行う必要がある。
【0004】
オーバー層を設けた場合の問題点としては、(1)画質劣化、(2)現像に先立つオーバー層の除去工程の必要、および(3)製造時の2層塗布に係わる問題等が特に問題となる。
【0005】
(1)画質劣化に関しては、オーバー層の存在により、光源からの光が屈折、散乱等の影響により焦点が甘くなり、オーバー層が存在しない場合と比較して解像度が低下することが問題となった。
【0006】
(2)現像に先立つオーバー層を除去するための所謂プレ水洗工程は処理装置の構造および大きさに直接影響を与えるのみならず、プレ水洗で除去されるポリビニルアルコール等のポリマーが粘着性あるいは接着性が強固であるため、プレ水洗糟部のロールが固着し易く、このためにロール部の洗浄等のメンテナンスが必要であり実使用上の問題があった。
【0007】
(3)製造上の問題としては感光層を塗布乾燥により設けた後に更にオーバー層を塗布乾燥により形成する必要があるが、所謂タンデム塗布により2層を連続して塗布形成する場合においても、或いは2層を各々分けて塗布する場合に於いても、一度感光層が形成された後にこの上に再度塗布、乾燥が行われることとなり、オーバー層の乾燥時に加熱が必然的に加わるため、加熱による感光層の特性劣化やロール搬送系に感光層が接触することで表面に傷が付くことがあるなどの製造上の問題も発生した。
【0008】
さらに、重合を完結するための加熱処理に関しては必ずしも必要とするものではないが、十分な現像液耐性あるいは耐刷性を確保するためにはしばしば行われる工程である。しかしながら、加熱処理を行うための機構を処理装置に設けるためのコストおよびスペースの問題や、処理温度の均一性を確保するための機械的精度の問題、および加熱に必要な電気容量が大きいと言った種々の問題と、加熱による画像部の収縮、画質変化等の品質上の問題等を抱えており、こうした加熱処理を必要としない系が望まれているのが現状である。
【0009】
光重合系に係わるもう一つの課題は、硬化に要する露光量、即ち感度特性が軟調であり、画線部のエッジにおいてシャープネスに欠けることがしばしば問題となっていた。特に感光特性に於いて十分な光量を与えられた部分については画像強度、耐刷性は良好であるが、中間程度或いはかろうじて画線として形成される程度の露光量を与えられた部分については耐刷性が劣るため、ガウシアン的なビームプロファイルを有するレーザー等で描画された画線のエッジ部に於いて印刷を続けるうちにエッジ部が後退し、画線やドット径が次第に縮小する等の印刷品質に係わる問題もあり、より硬調な画像形成方法が求められているのが現状である。
【0010】
光重合系について更なる課題として、保存性の問題が挙げられる。特にレーザー露光が可能な高感度光重合系においては保存中に感度が低下する問題や熱的にかぶりが生じたり、非画像部が経時的に支持体(アルミ等)に強固に接着するため現像時に溶出不良を生じる等の問題があった。
【0011】
露光光源として先に述べたような可視光レーザー以外に、750nm以上の領域に発光する高出力半導体レーザーやYAGレーザー等が光源として利用されるようになり、これら光源の出力に合わせた感光材料およびこれを利用した印刷版の開発が盛んに行われるようになってきた。
【0012】
例えば、従来からの光重合系を利用した平版印刷版に関しては特開2000−098603号公報、同2000−131837号公報等に記載される例が挙げられるが、これらは光重合を利用するため酸素遮断のためのオーバー層を必要とし、従って前述したように画質等の点で問題があった。
【0013】
オーバー層を必要としない光架橋タイプの感光性組成物に関しては特開平7−20629号、同271029号、同9−244226号明細書等に記載される例が挙げられる。これらの内、平版印刷版に関する明細書については、フェノール樹脂、赤外線吸収剤、酸発生剤を基本的に含む感光性層を有する平版印刷版が開示されている。こうした平版印刷版は例えば高出力近赤外半導体レーザー等により露光し、光酸発生剤から発生する酸によりフェノール樹脂の現像液に対する溶解性が架橋等により変化することを利用したものである。ネガ型処理では、こうした方式を用いる場合に露光後に版面を加熱処理することが上記明細書中に記載されており、露光部に発生した強酸によるフェノール樹脂の架橋を促進させる上で必要とされる工程であるが、加熱される温度により露光部/未露光部の溶解性の差が一定に保たれず、例えば十分な加熱が行われなければ現像液により露光部まで溶解する場合や、逆に加熱温度が高すぎる場合には未露光部が部分的に不溶化し、現像が十分に行われない等の問題点がある。更には、長期にわたる保存性や特に高温条件下での保存により、感光層が自然硬化する問題や、感度低下を来すといった保存性に問題があった。さらには、露光後に加熱処理を必要としない新規なネガ型の印刷版の実現が求められていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ネガ型感光材料として保存性が特に優れ、高感度であり、かつ解像度が良好で、感光波長域が広く選択できることから、特に近赤外光から赤外光の波長領域に於いて、種々のレーザーを含めた光源が利用できる感光性組成物を与えることを課題とする。さらに、画質、耐刷力に優れ、オーバー層を有せず、露光後に加熱処理を行う必要のないネガ型の平版印刷版を与えることを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、増感色素およびカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーを含む系において、ビニルピロリドンからなる繰り返し単位を有するポリマーを併せて含むことで基本的には達成される。
【0016】
【発明の実施形態】
本発明に於いて言うビニルピロリドンからなる繰り返し単位を有するポリマーとは、化1で示す繰り返し単位をポリマー中に含む系であり、ホモポリマーであっても共重合体であってもよい。
【0017】
【化1】
Figure 0004152568
【0018】
化1を繰り返し単位とするホモポリマーの場合については、市販されるポリビニルピロリドン或いは下記に述べるビニルピロリドンとの各種共重合体が好ましく使用され、その分子量に関しては重量平均分子量にして1000以上100万以下の範囲であることが好ましく、さらにはポリビニルピロリドンについては粘度値から導かれるK値(Fikentscher's K value)としてはK=10からK=90の範囲にあることが好ましい。
【0019】
或いは、共重合体中に化1で示される繰り返し単位を有する場合であっても好ましく使用されるが、この場合、共重合体組成中に含まれる化1の繰り返し単位の割合としては、少なくとも10モル%以上含まれていることが好ましく、これ以下である場合には本発明の効果が認められない場合がある。
【0020】
共重合体として、化1の繰り返し単位を与えるモノマー(N−ビニル−2−ピロリドン)とともに共重合されるその他のモノマーの例としては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルポキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロビオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを化1で示す繰り返し単位を与えるモノマーと上記何れかを単独あるいはこれらの任意の組み合わせで含む共重合体を使用することが出来る。
【0021】
本発明に係わるエチレン性不飽和化合物としては、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する重合性化合物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
【0022】
或いは、上記の重合性化合物に代えてラジカル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、アクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和化合物として同様に好ましく用いることが出来る。
【0023】
或いは更に好ましいエチレン性不飽和化合物として、スチレン誘導体が挙げられ、分子内に2個以上のスチリル基を有する化合物を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度のネガ型感光材料を作成する上で極めて好ましい。特に好ましいエチレン性不飽和化合物として化2および化3に示す例が挙げられる。
【0024】
【化2】
Figure 0004152568
【0025】
【化3】
Figure 0004152568
【0026】
上記のようなエチレン性不飽和化合物が感光性組成物中に占める割合に関しては好ましい範囲が存在し、全感光性組成物100重量部中においてエチレン性不飽和化合物は1重量部から60重量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5重量部から50重量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
【0027】
本発明に係わる光重合開始剤としては、光を吸収してラジカルを発生するものであれば基本的には使用することが可能であるが、特に、化4で示される有機ホウ素アニオンや、或いはトリハロアルキル置換化合物を用いることが好ましい。
【0028】
【化4】
Figure 0004152568
【0029】
化4において、R1,R2,R3およびR4は各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R1,R2,R3およびR4の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
【0030】
上記の有機ホウ素アニオンは、これと塩を形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウムイオンが挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、スルホニウム、ヨードニウムおよびホスホニウム化合物が挙げられる。アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲での感光性を付与することが行われる。
【0031】
本発明に係わる好ましい様態の一つとして、有機ホウ素塩をこれを増感する色素とともに含む感光性組成物であり、この場合の有機ホウ素塩は可視光から赤外光の波長領域に感光性を示さず、増感色素の添加によって初めてこうした波長領域の光に感光性を示すものである。
【0032】
この場合の有機ホウ素塩としては、先に示した化4で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を化5に示す。
【0033】
【化5】
Figure 0004152568
【0034】
本発明に係わる増感色素については、カチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミンおよびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。
【0035】
上記の増感色素の内で、特に本発明の課題の一つである750nm以上の近赤外から赤外光の波長領域の光に感光性を持たせる系に於いては、増感色素としてこうした波長領域に吸収を有することが必要であり、こうした目的で使用される特に好ましい例を化6および化7に示す。
【0036】
【化6】
Figure 0004152568
【0037】
【化7】
Figure 0004152568
【0038】
上記のような色素と光重合開始剤との量的な比率に於いて好ましい範囲が存在する。色素1重量部に対して光重合開始剤は0.01重量部から100重量部の範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは光重合開始剤は0.1重量部から50重量部の範囲で使用することが好ましい。一般に増感色素に対する光重合開始剤の割合が増加するに従って感度が上昇するため、両者の比率を調整することで感度を最適な程度に調整することが出来るため極めて好ましい。
【0039】
先に述べた感光体組成中に於ける有機ホウ素塩の割合については好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100重量部において該有機ホウ素塩は0.1重量部から50重量部の範囲で含まれていることが好ましい。
【0040】
本発明に係わる好ましい光重合開始剤の他の好ましい例としてトリハロアルキル置換化合物が挙げられる。ここで言うトリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
【0041】
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を化8および化9に示す。
【0042】
【化8】
Figure 0004152568
【0043】
【化9】
Figure 0004152568
【0044】
トリハロアルキル置換化合物を用いる場合に於いて、その感光性組成物中に於ける好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100重量部中に於ける割合として0.1重量部から50重量部の範囲で含まれることが好ましい。さらに、これらは前述した有機ホウ素塩とともに感光体組成中に含まれている場合において特に感度が向上するため好ましく、この場合有機ホウ素塩に対する割合としては、有機ホウ素塩1重量部に対してトリハロアルキル置換化合物は0.1重量部から50重量部の範囲で含まれていることが好ましい。
【0045】
本発明に係わるカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーとしては、カルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含むポリマーであり、この場合において共重合体組成中に含まれるカルボキシル基含有モノマーの割合として、トータル組成100重量%中に於いて5重量%以上99重量%以下であることが好ましく、これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。
【0046】
上記のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
【0047】
上記のようなカルボキシル基含有モノマーとともに共重合体を形成するためのモノマーとしては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルポキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロビオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを先に述べたカルボキシル基含有モノマーとともに上記の内のモノマー単独あるいはこれらの任意の組み合わせで含む共重合体を本発明に係わるアルカリ可溶性ポリマーとして使用することが出来る。
【0048】
本発明に係わるカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーの構造中には光重合開始剤から生じるラジカルに反応性を有する置換基を有する場合も好ましく用いられる。例えば、ポリマー側鎖に重合性二重結合を導入した場合については極めて高感度なネガ型の感光性組成物を与えることから特に好ましく用いられる。さらには、側鎖に含まれる重合性二重結合としてスチリルタイプの二重結合を有する場合に於いては、ラジカルが付加することにより生じるスチリルラジカル同士が再結合により互いに結合することから高感度のネガ型の感光材料を与えるため極めて好ましい。好ましいアルカリ可溶性ポリマーの例を化10および化11に示す。尚、式中の数字は重合体中の各繰り返し単位の重量部を表す。
【0049】
【化10】
Figure 0004152568
【0050】
【化11】
Figure 0004152568
【0051】
本発明に係わるアルカリ可溶性ポリマーの分子量については好ましい範囲が存在し、重量平均分子量として1000から100万の範囲にあることが好ましく、さらに5000から50万の範囲にあることがさらに好ましい。
【0052】
上記のような種々のカルボキル基を有するアルカリ可溶性ポリマーと化1で示した繰り返し単位を有するポリマーを溶液中で混合すると、互いに酸−塩基相互作用の結果ポリマーコンプレックスを形成し、沈殿を生成する場合がある。本発明において好ましい両者の比率は、アルカリ可溶性ポリマー1重量部に対して化1で示す繰り返し単位を有するポリマーは0.01重量部から0.7重量部の範囲にあり、更に好ましくは0.05重量部から0.5重量部の範囲である。こうした両者の比率に於いて、互いに濃厚な溶液を使用して両者を混合した場合には各種有機溶剤に不要なゲルを形成し、塗工液として使用不可能になる場合がある。しかしながら、例えば10%以下の濃度に於いて両者を徐々に混合する方法や或いは超音波照射下で混合するなどの方法により均一に分散した混合液を容易に作成することが可能である。このようにして調整した混合液を他の加剤とともに加えて塗工液として使用することが可能であり、これを塗布乾燥して作成した感光層は各種有機溶剤に対する耐性が良好であるが、一方でアルカリ性現像液に対しては現像性が良好であるため、露光後にアルカリ水溶液による現像を行った場合に於いて現像性が良好であるとともに、特に平版印刷版として利用した場合に、画像部が各種有機溶剤に対して高い耐性を有するため耐刷力に優れたネガ型の印刷版を与えるために極めて好ましく使用することが出来ることが本発明の特徴の一つである。
【0053】
さらには、上記に述べたポリマーコンプレックス中に光重合開始剤および増感色素、エチレン性不飽和化合物が含まれる感光性組成物に於いて、該ポリマーコンプレックスをマトリックスとしてこうした加剤が均一に分散されており、恐らくは加剤の拡散を防止するためと推測されるが、本発明の特徴の一つとして感光性組成物の保存安定性が格段に向上することが極めて重要な効果の一つとして挙げられる。
【0054】
上記のような組み合わせにより、上記の感光性組成物は空気中の酸素の影響を受けることなく光照射により直ちに硬化し、現像液に不溶性となることから、感光層上にオーバー層を設ける必要が無く、また露光後に何ら加熱処理を行うこと無く、良好に現像および印刷を行うことが出来る。
【0055】
感光性組成物を構成する他の要素として重合禁止剤の添加も好ましく行うことが出来る。例えば、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく使用され、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、カテコール、t−ブチルカテコール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の化合物が好ましく用いられる。これらの重合禁止剤と先に述べたエチレン性不飽和化合物との好ましい割合は、エチレン性不飽和化合物1重量部に対して0.001から0.1重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0056】
感光性組成物を構成する他の要素として着色剤の添加も好ましく行うことが出来る。着色剤としては露光および現像処理後に於いて画像部の視認性を高める目的で使用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素および顔料を使用することが出来、バインダー1重量郡に対して0.005重量部から0.5重量部の範囲で好ましく添加することが出来る。
【0057】
感光性組成物を構成する要素については上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することも出来る。例えば感光性組成物のブロッキングを防止する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させる等の目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
【0058】
平版印刷版材料として使用する場合の感光層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5ミクロンから10ミクロンの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1ミクロンから5ミクロンの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は上述の3つの要素を混合した溶液を作成し、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体については、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。
【0059】
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する材料を印刷版として使用するためには、これに密着露光あるいはレーザー走査露光を行い、露光された部分が架橋することでアルカリ性現像液に対する溶解性が低下することから、後述するアルカリ性現像液により未露光部を溶出することでパターン形成が行われる。
【0060】
本発明に係わるレーザー走査露光に使用する特に好ましいレーザー光源は、近赤外領域に発振波長を有するレーザーであり、各種半導体レーザー、YAGレーザーやガラスレーザー等の固体レーザーが最も好ましい。
【0061】
アルカリ性現像液としては、本発明に係わる重合体或いはバインダー樹脂を溶解する液で有れば特に制限は無いが、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド等のようなアルカリ性化合物を溶解した水性現像液が良好に未露光部を選択的に溶解し、下方の支持体表面を露出出来るため極めて好ましい。さらには、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種アルコール類をアルカリ性現像液中に添加することも好ましく行われる。こうしたアルカリ性現像液を用いて現像処理を行った後に、アラビアゴム等を使用して通常のガム引きが好ましく行われる。
【0062】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、効果はもとより本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中の部は重量部を示す。
【0063】
実施例1〜4及び比較例1
カルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーとしてアリルメタクリレートとメタクリル酸の7:3(重量比)共重合体を使用し、下記の処方による感光性組成液を作成し(加剤は全て超音波照射下に添加混合した)、ワイアバーを使用して、厚みが0.24mmである砂目立て処理および陽極酸化処理を施したアルミ板上に乾燥膜厚が2ミクロンになるよう塗設し、感光性印刷版原版を作成した。
Figure 0004152568
【0064】
また、比較例1として上記の処方に於いて化1で示す繰り返し単位を有するポリマーのみを含まない処方について同様な試料を併せて作成した。
【0065】
【表1】
Figure 0004152568
【0066】
作成した感光性印刷版原版の保存安定性を調べるために、作成直後の試料と併せて、温度50℃、相対湿度90%に調節した加湿器内に1ヶ月保存を行った試料も作成した。各々の試料を円筒形ドラムの外面に巻き付け、830nmに発光する出力1.2W(可変0〜1.2W)の半導体レーザーを使用して、ドラム回転速度300〜2000rpmの間でレーザー照射エネルギーおよびドラム回転速度を種々変化させて露光試験を行った。この際のレーザー光のスポット径は10ミクロンに調整した。露光後にケイ酸カリウムを2重量%および水酸化カリウム1.5重量%を溶解した現像液を使用して30℃の液温で10秒間現像を行っい、流水にて30秒間表面を洗浄した。現像後に、10ミクロン線が明瞭にアルミ板上に形成されるための最小露光エネルギーを感光材料の感度とし、mJ/cm2の単位で表示した(数値が小さいほど感度が高いことを表す)。結果を表2にまとめた。更に、現像後に得られた画像形成を行ったアルミ板を通常のオフセット印刷機を使用して印刷試験を行い、地汚れの有無および耐刷性を評価した。地汚れの有無および耐刷性評価は、温度50℃、相対湿度90%に調節した加湿器内に1ヶ月保存を行った試料について実施し、印刷開始から1000枚まで印刷を行った際に、印刷物上の白地部分がインキにより地汚れを起こしているか否かにより判定を行った。また、耐刷性は印刷画質が変化しない最大の印刷枚数で評価を行った。結果を表3にまとめた。
【0067】
【表2】
Figure 0004152568
【0068】
【表3】
Figure 0004152568
【0069】
実施例5〜8及び比較例2
カルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーとして化10中P−1(特願2000−021475号公報に記載した方法に従い、クロロメチルスチレンとビスムチオールを等モル反応させて得たモノマーとメタクリル酸をトリエチルアミンで中和してエタノール中で重合を行い、重合終了後クロロメチルスチレンを付加することにより合成した)を使用し、下記の処方による感光性組成液を先の実施例と同様に作成し、ワイアバーを使用して、厚みが0.24mmである砂目立て処理および陽極酸化処理を施したアルミ板上に乾燥膜厚が3ミクロンになるよう塗設し、感光性印刷版原版を作成した。
Figure 0004152568
【0070】
【表4】
Figure 0004152568
【0071】
また、比較例2として上記の処方に於いて化1で示す繰り返し単位を有するポリマーのみを含まない処方について同様な試料を併せて作成した。
【0072】
作成した感光性印刷版原版の保存安定性を調べるために、作成直後の試料と併せて、温度50℃、相対湿度90%に調節した加湿器内に1ヶ月保存を行った試料も作成した。各々の試料を円筒形ドラムの外面に巻き付け、830nmに発光する出力1.2W(可変0〜1.2W)の半導体レーザーを使用して、ドラム回転速度300〜2000rpmの間でレーザー照射エネルギーおよびドラム回転速度を種々変化させて露光試験を行った。この際のレーザー光のスポット径は10ミクロンに調整した。露光後にケイ酸カリウムを2重量%および水酸化カリウム1.5重量%を溶解した現像液を使用して、市販されるPS版処理用プロセサー(PS900V、富士写真フィルム社製エコスタブロンシステム用プロセサー)を用いて現像処理を行った。現像処理後に、10ミクロン線が明瞭にアルミ板上に形成されるための最小露光エネルギーを感光材料の感度とし、mJ/cm2の単位で表示した(数値が小さいほど感度が高いことを表す)。結果を表5にまとめた。更に、現像後に得られた画像形成を行ったアルミ板を通常のオフセット印刷機を使用して印刷試験を行い、地汚れの有無および耐刷性を評価した。地汚れの有無および耐刷性評価は、温度50℃、相対湿度90%に調節した加湿器内に1ヶ月保存を行った試料について実施し、印刷開始から1000枚まで印刷を行った際に、印刷物上の白地部分がインキにより地汚れを起こしているか否かにより判定を行った。また、耐刷性は印刷画質が変化しない最大の印刷枚数で評価を行った。結果を表6にまとめた。
【0073】
【表5】
Figure 0004152568
【0074】
【表6】
Figure 0004152568
【0075】
【発明の効果】
ネガ型感光材料として近赤外光に対して高感度で保存性に優れており、さらに、画質、耐刷力に優れた平版印刷版を与える。

Claims (1)

  1. エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、増感色素およびカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーを含む感光性組成物において、ビニルピロリドンからなる繰り返し単位を有するポリマーを併せて含むことを特徴とする感光性組成物。
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