JP4152345B2 - イージーピール性容器の製造方法 - Google Patents
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なお、前記した用語で、溶着、シール、及び融着は同一の意味を表し、二つ以上の重ね合わされた熱可塑性樹脂成形体の被接合面を溶融温度以上に加熱し接合する方法を指す。
溶着線幅について、二つの熱可塑性樹脂成形体の重ね合わせを例に説明する。厚さが一様な熱可塑性オレフィン系エラストマーシート(厚さ=0.4mm、引張破断強度=2.0N/mm)と、厚さが一様な低密度ポリエチレンフィルム(厚さ=0.2mm、引張破断強度=2.5N/mm)との異種材料からなるシート同士の溶着で、該溶着部のイージーピール性を付与したい場合、一本あたりの溶着線幅は、低引張破断強度側の成形体である熱可塑性オレフィン系エラストマーシートの厚さ0.4mm未満とする。一方、同一材質かつ同一厚さからなる二つの熱可塑性樹脂成形体の場合、例えば、低密度ポリエチレンフィルム(厚さ=0.2mm、引張破断強度=2.5N/mm)の重ね合わせに対しては、二枚のフィルムの引張強度は同等であるから、溶着線幅は0.2mm未満とする。
さらに、一本あたりの溶着線幅をW、低引張破断強度を示す成形体側の厚さをTとすると、溶着線幅Wは、次式の範囲を満たしていることが好ましい。
溶着線の本数については、容器密封性の信頼性を確保する意味で、複数本あり、数多くあればよいが、5本以上あることが好ましい。
溶着線の間隔は特に規定を要しないが、溶着線の間隔をDとすると次式を満たしていることが好ましい。
一本あたりの溶着線の形状ついては、直線のみならず、蛇行した曲線、折線及びこれらを組み合わせた複合線であってもよい。肝要なのは、イージーピール性が必要とされる溶着部には密封性をもつ連続した溶着線が複数本形成されており、一本あたりの溶着線幅が低引張強度側の成形体の厚さを超えないことである。
本発明の熱可塑性樹脂成形体1及び2の成形法には特に制限はなく、公知の成形法を適用することができる。例えば、押出成形法、キャスト成形法、真空成形法、射出成形法、ブロー成形法、インフレーション成形法、チューブ成形法、発泡成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法などが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂成形体1及び2の形状は、フィルムやシート状から筒、チューブ等の複雑な形状を有する成形体まで様々な形状のものを用いることができる。熱可塑性樹脂成形体1及び2の厚さは、1μm以上10mm以下であることが好ましく、特に10μm以上1mm以下が好ましい。また、熱可塑性樹脂成形体1及び2は、単層構造であっても多層構造であってもよい。多層構造を有する熱可塑性樹脂成形体1または2は、公知の方法、例えば、押出ラミネートやドライラミネートを用いて成形することができる。
本発明での赤外線ビーム4は、重ね合わされた熱可塑性樹脂成形体1及び2への照射により、熱可塑性樹脂成形体1及び2の被溶着面を直接加熱し溶融し得る赤外線波長、単位照射面積あたりの照射パワー(パワー密度)、照射時間を選択する。赤外線ビーム4を発生する赤外線光源は、波長が、0.7μm以上1,000μm以下の範囲にある赤外線ビームを発生するものを用いるのが好ましい。より好ましくは、波長が0.8μm以上13μm以下の範囲、さらにより好ましくは、0.8μm以上7μm以下の範囲である。赤外線光源の例を挙げると、赤外線ランプ、もしくは赤外線レーザのどちらを用いてもよい。赤外線ランプの種類としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、及びタングステンランプ、一方、赤外線レーザの種類としては、赤外線ビームを発生する固体レーザ、半導体レーザ、ファイバレーザー、ディスクレーザ、気体レーザ、色素レーザ、及び化学レーザのいずれを用いてもよい。赤外線光源の波長は、熱可塑性樹脂成形体1及び2の材質、厚さを考慮して適宜選択される。
本発明の赤外線光源より発生した赤外線ビーム4の伝送・照射方法としては、光学ミラー、レンズ、回折光学素子、ファイバ、マスクなどを用いることにより、重ね合わせた熱可塑性樹脂成形体1及び2の被溶着部に向けて、所望の複数の溶着線を形成できるように、赤外線ビーム4を照射することが肝要である。
一例として、前述した赤外線ビーム4が赤外線レーザの場合、レンズを用いて、所望の溶着線幅以下のビームスポット径を有するレーザビームを被溶着面近傍に集光させ、それを走査することで、溶着線を得ることができる。複数の溶着線は、互いに溶着線が重ならないように、所定の間隔を設けてレーザビームを複数回走査することで得られる。レーザビームの走査には、ガルバノスキャナーや、機械式プロッタ、電動スライダー、多間接ロボットを用いることができる。
透過基板及び支持体には、冷却器を設けることにより、赤外線ビーム照射により加熱された熱可塑性樹脂成形体1及び2からの熱伝導によって、それぞれに蓄積した熱を効率良く取り除く工夫、またこれとは逆に補助加熱器を設けることにより一定の温度に保持する工夫がなされてもよい。
これらの静的若しくは動的な圧縮力としては、圧縮力不足により溶着後の溶着部にボイドや破れ、顕著な収縮などの欠陥が生じないこと、また反対に過剰な圧縮力により熱可塑性樹脂成形体1及び2の破損が生じない程度の圧縮応力を保持させればよい。例えば、圧縮応力の適正な範囲の目安として、0.01MPaから10MPaが上げられる。
図3に示す装置を用い、重ね合わせた熱可塑性樹脂成形体1及び2に対するイージーピル性を有する溶着加工性を検証した。赤外線ビーム4として、炭酸ガスレーザビーム8(波長=10.6μm、連続波出力、ビーム径=3mm、発振器最大出力=25W、出力安定性=±5%)を用いた。透過基板として、炭酸ガスレーザ透過性をもつシリコン基板(厚さ=0.8mm、幅=13mm、長さ=82mm、炭酸ガスレーザ透過率=50%、27℃での熱伝導度=150W/m・℃)を用いた。マスク材料には金を用い、前記シリコン基板の片面に、厚さ0.3μmの金を蒸着して形成させた。マスクパタンは、前述のシリコン基板の中央の長さ50mm、幅8mmの範囲内に、開口部7(金未蒸着部、幅=100μm)とマスク部(金蒸着部、幅=150μm)の1周期として平行に連続パタンを形成させた。支持体9には、炭酸ガスレーザ照射側から順に、アルミニウム箔9a(厚さ=50μm)、シリコンゴム9b(厚さ=2mm)、及びアルミニウム合金板9c(厚さ=5mm)からなる積層体を用いた。熱可塑性樹脂成形体1及び2としては、低密度ポリエチレンフィルム(厚さ=200μm、幅=40mm、引張破断強度=43N/15mm、引張破断伸び=500%)同士の二枚重ね合わせを用いた。
実施例での透過基板でマスクのみ除外した装置、及び熱可塑性樹脂成形体1及び2を用い、溶着線幅6が熱可塑性樹脂成形体の厚さより太い場合のイージーピール性を検証した。マスクの無い透過基板と前記支持体との間に、低密度ポリエチレンフィルムの二枚重ね合わせをクランプを用いて挟み込んだ。炭酸ガスレーザビーム8は、透過基板に対して垂直かつ長手方向の中心線に沿って水平に、一定の走査速度4mm/秒で距離40mmにわたり走査させながら照射した。レーザ照射パワーとしては、レーザ発振器の最大出力25W時の100%に対して、レーザ出力を19%、21%、23%、及び25%の4水準を選定した。炭酸ガスレーザ照射後は、直ちに溶着した低密度ポリエチレンフィルムをとり出した。
以上より、比較例1〜4では、実施例1〜3に比し、レーザ出力変化に対して、安定的な剥離強度もち、かつ密封性のある溶着部を得ることは困難であった。
2 熱可塑性樹脂成形体
3 溶着部
4 赤外線ビーム
5 溶着線幅
6 マスク
7 マスク開口部
8 炭酸ガスレーザビーム
9 支持体
9a アルミニウム箔
9b シリコンゴム
9c アルミニウム合金板
10 マスク付き透過基板
11 クランプ
Claims (3)
- 一部を重ね合わせた二つの熱可塑性樹脂成形体に赤外線の照射によりイージーピール性をもつ溶着部を形成するにあたって、外部より被溶着部に赤外線ビームを照射して複数の溶着線を形成し、一本あたりの溶着線幅は、溶着部を形成する熱可塑性樹脂成形体のうち、引張破断強度が低い側の成形体の被溶着部分の厚さより細くなるように溶着することを特徴とするイージーピール性を持つ溶着部の形成方法。
- 赤外線反射性遮蔽部と開口部をもつマスクを用い、該開口部を通して、重ね合わせた二つの熱可塑性樹脂成形体に赤外線ビームを照射することを特徴とする請求項1に記載のイージーピー性を持つ溶着部の形成方法。
- 熱可塑性樹脂成形体Aと熱可塑性樹脂成形体Bと赤外線透過性固体基板CとをC/A/Bの位置関係になるように接触させ、赤外線ビームを赤外線透過体材料Cの外部から照射することを特徴とする請求項1または2に記載のイージーピール性をもつ溶着部の形成方法。
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