JP4152250B2 - 汚染防止キャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用点眼液を点眼自在に収容する医療用点眼容器(以下、単に「点眼容器」と称する)等に装着する汚染防止キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の点眼具、特に医療用点眼液等の薬液の投与に使用される点眼具としては、例えば、中空円筒状に形成された容器本体に注液筒部を装着し、前記容器本体に装着するキャップも含めると点眼具全体として3部材から形成される、所謂3ピース型点眼具や、図11に示したように、ブロー成型や真空成形等により注液筒部6と容器本体10とを一体に形成してある一体成型型点眼容器AにキャップBを螺合或いは嵌合等により装着させる、所謂ボトルパック点眼具X等が汎用されている。また、前記注液筒部6の先端に前記注液口6aを設けた中栓部を装着するものも知られていた(例えば、特許文献1参照)。このような点眼具Xの素材としては、成形の容易さ等から軟質の熱可塑性樹脂が用いられている。
【0003】
この種の点眼具Xでは、点眼容器A内の薬液を投与する場合、前記点眼容器A(容器本体10)の胴部2を二本の指先で把持して、前記点眼容器Aの注液口6aが投与対象の眼に対面する投与姿勢に保持し、この姿勢を維持しつつ前記胴部2を容器軸線側に押圧操作することにより、前記注液口6aから薬液を滴下供給する。
【0004】
【特許文献1】
実公昭39−11991号公報(第1〜2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記薬液、特に医療用点眼液は、人体における特に鋭敏な器官である目に直接投与されるために、点眼時まで無菌状態に保つことが厳しく求められている。そのため、上述した点眼具の各部材は蒸気滅菌法やEOガス滅菌法等により滅菌した後、及び前記薬液はメンブレンフィルタを用いた濾過滅菌法等により滅菌した後、厳格な条件の整った無菌室で無菌充填する必要がある。
【0006】
上述した従来の点眼具における点眼容器(例えば、前記一体成型型点眼容器)によれば、前記薬液を前記点眼容器に無菌充填した後、前記点眼容器にキャップを装着して点眼容器を封止することにより、外部の空気と前記点眼容器内部の薬液とが直接接触することを防止できるため、通常は、前記キャップの装着を解除して点眼する時まで前記薬液を無菌状態に保つことができる。
【0007】
しかし、前記点眼容器開封後に前記注液口から前記薬液を滴下投与すると、投与した薬液の分だけ外部の空気が前記注液口から前記点眼容器内部に流入する。この時、外部の空気に含まれる微生物等により前記点眼容器内部の無菌状態が確保できなくなり、前記点眼容器内部が汚染される虞がある(点眼容器開封後の容器内部汚染)。
このような容器内部汚染を避けるために、前記薬液に予め防腐剤を添加した状態で前記点眼容器に収容する方法が汎用されている(薬液の防腐)。
【0008】
一方、外部の空気に含まれる微生物等の点眼容器内への取り込みを防ぐ試みもなされている。本発明は、この観点に立って為されたものである。
【0009】
ところで、外部の空気との接触を防ぐため、薬液を流出させる前記注液口を予め設けない完全に一体化された密封点眼容器が汎用されているが、このような密封状態の点眼容器に好適に装着可能なキャップがあれば望ましい。
【0010】
従って、本発明の目的は、液体を収容した密封状態の容器に装着可能であり、容器開封前の液体と外部空気との接触を防止し、かつ、開封後における容器内汚染の防止が可能なキャップを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
〔構成1〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、
液体を収容可能な容器本体に装着可能な基体部材と、
前記基体部材に取付け可能なオーバーキャップとを備え、
前記基体部材に対して摺動自在となるよう前記基体部材に挿入保持され、その側面に前記液体を外部へ導く溝部を有すると共に、前記容器本体の密封状態を解除すべく前記オーバーキャップによって前記容器本体の側へ押込可能な押込部材と、
前記押込部材に対し外方から密接し、前記液体の流出は許容するよう前記基体部材の先端部分に設けた第一密接部材と、
前記基体部材の内周側に設けてあり、押込まれた前記押込部材と密接可能で、前記液体の流出を防止し、外部空気の流入は許容する第二密接部材とを備えた汚染防止キャップ
とする点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0012】
〔作用効果1〕
本発明の汚染防止キャップを、前記基体部材、前記オーバーキャップ、前記押込部材、前記第一密接部材、及び前記第二密接部材により構成することにより、液体を収容した密封状態の容器本体を使用することができる。これは、以下の理由による。
【0013】
密封状態の容器本体に、前記基体部材を装着することにより前記キャップを装着し、使用する際には、前記基体部材に取付けられた前記オーバーキャップにより、前記押込部材を前記押込部材が前記容器本体の側へ押込まれていない非押込姿勢から前記押込部材が前記容器本体の側へ押込んだ押込姿勢へと姿勢変化させることにより前記容器本体の密封状態が解除されるため、前記容器本体に収容されている液体が前記容器本体から流出可能となる。
【0014】
つまり、本発明の汚染防止キャップを密封状態の容器本体に装着した場合、未使用時には、前記押込部材を押込むという操作を行わないため、容器開封前の液体と外部空気との接触が阻止され、未使用時の前記容器本体の密封状態を確実に維持することができる。そして、前記押込部材を押込むという操作によって、前記キャップは前記容器本体に嵌入され、確実に前記容器本体の密封状態を解除できる。
【0015】
そして、前記容器本体から流出した液体は、前記押込部材側面に設けられている溝部により外部へと導かれる。この時、前記基体部材の内周側に設けてある第二密接部材は前記押込部材と密接しているため、前記液体が前記溝部以外の経路により外部に流出することを防止することができる。そのため、使用時における容器本体からの液漏れを抑制できる。
また、前記容器本体の密封状態を解除した後の使用状態にある時、前記容器本体内には、使用により投与した液体の分だけ外部の空気が前記容器本体内に流入する。この時、外部の空気は、前記押込部材と前記基体部材との間を経て前記容器本体内に流入する。
【0016】
さらに、前記基体部材の先端部分に設けられ、前記押込部材に対し外方から密接状態にある前記第一密接部材と前記押込部材とは、前記溝部により導かれた前記液体の圧力により容易に離間するため、前記液体を外部に流出させることができるため、前記液体を容易に供することができる。
【0017】
〔構成2〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、上記構成1において、
前記押込部材は、前記容器本体の側の一端部を針状に形成してある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0018】
〔作用効果2〕
つまり、使用時まで無菌状態を確実に維持できる密封容器であっても、前記押込部材において、前記容器本体の側の一端部を針状に形成することで、前記押込部材を非押込姿勢から押込姿勢へと姿勢変化させることにより、容易かつ確実に密封状態を解除することができる。
【0019】
〔構成3〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、上記構成1又は2において、前記押込部材が押込まれた状態で、前記押込部材と前記基体部材とで保持されるフィルター部材を設けてある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0020】
〔作用効果3〕
つまり、前記容器本体の密封状態を解除した後の使用状態にある時に、前記容器本体内に、使用により投与した液体の分だけ外部の空気が前記容器本体内に流入する。この時、空気の流入は、前記押込部材と前記基体部材との間を経て前記容器本体内に流入する。本構成では、前記押込部材と前記基体部材との間にフィルター部材を設けておき、前記フィルター部材により空気中に含まれる微生物等を捕捉する。これにより、容器開封後においても前記容器本体内部の液体の無菌状態を良好に確保し易くなる。その結果、開封後における容器内汚染の防止が可能となり、前記液体の汚染を効果的に防ぐことができるため、防腐剤を殆ど必要としない。
【0021】
さらに、前記フィルター部材は、前記押込部材が押込まれた状態で、前記押込部材と前記基体部材とで保持されるため、前記押込部材が押込姿勢になった時に前記押込部材により前記フィルター部材が押圧されることになる。そのため、前記フィルター部材の押圧を使用時まで避けることができるため、前記フィルター部材の形態やフィルター機能を使用時まで劣化させることなく良好に保存することができる。
【0022】
〔構成4〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、上記構成3において、
前記基体部材が、第一基体部材と第二基体部材とで構成してあり、前記押込部材を押込む前の状態において、前記フィルター部材の外周を前記第一基体部材と前記第二基体部材とで固定してある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0023】
〔作用効果4〕
つまり、前記フィルター部材の外周を前記第一基体部材と前記第二基体部材とで固定することで、前記フィルター部材の姿勢を安定させることができる。そのため、前記押込部材を押込姿勢とした時に、前記フィルター部材が異常な姿勢で押込部材と基体部材とで保持されることがなくなり、フィルター効果を確実に発揮させることができる。
【0024】
〔構成5〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、上記構成1〜4の何れかにおいて、
前記オーバーキャップが、キャップ体と、当該キャップ体から切り取り除去される切取部とで形成され、前記切取部を除去した後、前記キャップ体を押込んだ際に前記キャップ体が前記基体部材に当接可能に構成してある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0025】
〔作用効果5〕
つまり、前記オーバーキャップが、キャップ体と、当該キャップ体から切り取り除去される切取部とで形成されるため、前記切取部を前記キャップ体から除去しない限り、前記キャップ体を前記容器本体側に押込む(押込姿勢)ことができない。
【0026】
従って、前記点眼容器の使用前は、前記切取部が前記基体部材に当接しているため前記押込部材が押込まれるのを防止することができ、さらに、前記点眼容器の使用時は、前記キャップ体が前記基体部材に当接しているため、前記押込部材が必要以上に押込まれるのを防止することができる。
【0027】
〔構成6〕
この目的を達成するための本発明の特徴構成は、上記構成1〜5の何れかにおいて、前記第一密接部材の前記基体部材側への変形を抑制する突出部を、前記基体部材の先端部分に分散配設してあり、かつ、前記突出部は、前記第一密接部材に近接配置してある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
【0028】
〔作用効果6〕
前記押込部材を押込姿勢にした際に、前記押込部材と前記第一密接部材との摩擦により、前記第一密接部材が前記基体部材側へ変形する虞がある。しかし、前記第一密接部材が前記基体部材側へ変形した場合、前記突出部が前記基体部材の先端部に分散配設してあれば、前記第一密接部材と前記突出部と前記基体部材の先端部分の周囲にほぼ均等に当接することになる。そのため、前記第一密接部材が変形したとしても、いびつな変形を起こし難くなる。従って、前記薬液の偏った流出を防止することができる。
さらに、前記突出部が前記第一密接部材に近接配置してあれば、前記第一密接部材が前記基体部材側へ変形しようとした場合、直ちに前記第一密接部材と前記突出部とが当接して前記第一密接部材の動きを止めることができる。そのため、前記第一密接部材が変形したとしても、軽微な変形に抑えることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は同一又は相当の部分を示している。
【0030】
図1〜5に、主として医療用に用いられる点眼具X及びこの点眼具Xを構成する各部材の要部概略図を示す。この点眼具Xは、液体として主に医療用点眼液等の薬液を収容可能な容器本体10を有する点眼容器Aと、前記点眼容器Aに着脱自在なキャップBとから構成してある。
【0031】
前記点眼容器Aは、中空円筒状に形成された容器本体に注液筒部を装着したもの、或いは、ブロー成型や真空成形等により注液筒部と容器本体とを一体に形成してある一体成型型点眼容器A等が汎用されている。
本実施例では、一体成型型点眼容器AにキャップBを螺合或いは嵌合等により装着させるボトルパック点眼具Xを例示する。従って、本実施形態では、前記容器本体10が即ち一体成型型点眼容器Aとなる。
【0032】
この一体成型型点眼容器Aは、内側に彎曲する円形状の底部1と、これの周縁に連なる中空円筒状の胴部2と、該胴部2の肩部分2aに連続する円筒状の首部3と、該首部3の上側位置から直径方向外方に膨出する円環状段部4と、これの上側に連続する雄ネジ5aを備えたネジ筒部5と、これの上側に備えた注液筒部6とを備えることにより構成してある。
【0033】
前記点眼容器Aの構成材料としては、ポリエチレン、ポリエチレンーポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の熱可塑性材料等があり、成形された点眼容器A全体が弾性変形可能に構成してある。
【0034】
ここで、前記注液筒部6は、点眼容器開封前の漏れを防止するために、前記薬液を流出させる注液口のような構成を予め設けない構成とする。従って、前記点眼容器Aは、点眼時まで密封状態を維持できるため、点眼時まで前記薬液を確実に無菌状態に保つことができる。
【0035】
ここで、密封状態の容器とは、前記注液筒部6において前記注液口を予め設けない構成とする形態に限らない。例えば、前記注液口を予め設けたとしても、前記注液口に栓をしてある等、使用時まで密封状態を確実に維持できるものであれば何れの構成であってもよい。
【0036】
前記キャップBは、前記点眼容器Aの雄ネジ5aに着脱自在に螺合するように構成してある。
前記キャップBは、以下のように構成してある。
【0037】
つまり、前記キャップBは、図1に示したように、薬液を収容可能な点眼容器Aに装着可能な基体部材7と、前記基体部材7に取付け可能なオーバーキャップ8とを備える。当該オーバーキャップ8には、前記基体部材7に対して摺動自在となるよう前記基体部材7に挿入保持され、その側面に前記液体を外部へ導く溝部9aを有すると共に、前記点眼容器Aの密封状態を解除すべく前記オーバーキャップ8によって前記点眼容器Aの側へ押込可能な押込部材9と、前記押込部材9に対し外方から密接した状態で前記基体部材7の先端部分77に設けた第一密接部材11と、前記基体部材7の内周側に設けてあり、押込まれた前記押込部材9と密接可能な第二密接部材12とを備えている。
【0038】
以下に前記キャップBの各部材の構成を詳述する。
【0039】
(基体部材)
前記基体部材7は、前記薬液を収容している前記点眼容器Aに装着可能に構成してある。そのため、前記基体部材7の内周部分には、前記雄ネジ5aに螺合自在なネジ溝部71が形成されている。
【0040】
また、前記基体部材7には、好適な実施の形態の一例として、前記基体部材7の軸芯方向に貫通する第一連通孔72を有すると共に、前記第一連通孔72と連通して前記第一連通孔72より大径の空間部73を有する構成とすることが可能である。後述の押込部材9は、前記第一連通孔72及び前記空間部73を経ることにより前記基体部材7を貫通している。
【0041】
また、前記基体部材7には、側面等に空気の流出入を許容する第二連通孔75を設けてあり、この第二連通孔75は、投与した薬液の分だけ外部の空気が前記点眼容器A内に流入する際の空気取り入れ口となる。
【0042】
また、前記基体部材7には、後述のオーバーキャップ8を装着するための基体部材第一凸状部74を外表面に設け、さらに、後述の押込部材9が押込姿勢となった時に、この押込姿勢を確保するために、前記基体部材7の内周壁に基体部材第二凸状部76を設けることが可能である。
【0043】
前記基体部材7の構成材料としては、ポリプロピレン、及び、ポリエチレン等とすることが可能である。
【0044】
尚、前記基体部材7と前記点眼容器Aとの装着は螺合する装着方法に限らず、嵌合する装着方法も適用可能である。この時、前記ネジ筒部5に該当する部位と、前記ネジ溝部71に該当する部位には、嵌合装着可能な構成(例えば凸状部を設ける)が適宜適用可能である。
【0045】
(オーバーキャップ)
前記オーバーキャップ8は、前記基体部材7に取付け可能に構成してある。前記基体部材7への取付けは、螺合や嵌合等の方法により実施することができる。この時、前記基体部材7外表面には、前記オーバーキャップ8の螺合或いは嵌合装着に対応可能なようなネジ溝部、或いは凸状部を形成する。本実施例では嵌合装着可能にするため、前記基体部材7外表面に基体部材第一凸状部74、及び前記オーバーキャップ8内側に内側凸状部81をそれぞれ設けている。
【0046】
また、前記オーバーキャップ8の好適な実施の形態の一例として、キャップ体8aと、当該キャップ体8aから切り取り除去される切取部8bで形成され、前記切取部8bを除去した後、前記キャップ体8aを押込んだ際に前記キャップ体8aが前記基体部材7に当接可能に構成することが可能である。
【0047】
つまり、キャップ体8aと切取部8bとで形成されるオーバーキャップ8が前記基体部材7に取付けられており、この時、前記オーバーキャップ8及び前記押込部材9は前記点眼容器A側へ押込まれない非押込姿勢に保たれている。そして、前記切取部8bを前記キャップ体8aから切り取ることにより除去し(図2(イ))、その後、前記キャップ体8aを前記点眼容器A側に押込まれる押込姿勢へと姿勢変化させる(図2(ロ))ことにより、前記キャップ体8aが前記基体部材7に当接して、前記押込部材9が必要以上に押込まれるのを防止することができる。
【0048】
また、前記オーバーキャップ8は、少なくとも後述の第一密接部材11を含む前記基体部材7の一部を覆うように前記基体部材7に取付けることが好ましいため、中空円筒状が好適な形態である。
【0049】
前記オーバーキャップ8の構成材料としては、ポリプロピレン、及び、ポリエチレン等とすることが可能である。
【0050】
(押込部材)
前記押込部材9は、前記基体部材7に対して摺動自在となるよう前記基体部材7に挿入保持されている。また、前記押込部材9は、その側面に前記液体を外部へ導く溝部91を有している。この溝部91は、前記押込部材9側面に1本、或いは複数本設けることが可能である。上述したように、前記押込部材9は前記基体部材7の前記第一連通孔72及び前記空間部73を経て貫通しているが、この時、前記溝部91が確保されるように前記押込部材9を前記基体部材7の内周側と当接させる。
【0051】
従って、前記押込部材9は、例えば、図5に示したように、前記第一連通孔72と当接する棒状の軸芯部9aと、前記空間部73当接し、かつ前記軸芯部より大径の大径部9bとを有する形状とすることが可能である。
【0052】
そして、前記点眼容器Aの密封状態を解除するために、前記オーバーキャップ8を前記点眼容器A側に押込むと、前記押込部材9は前記オーバーキャップ8と共に前記点眼容器A側に押込まれる(押込姿勢)。この時、前記押込部材9は、前記点眼容器Aの前記注液筒部6へ押圧され、前記注液筒部6の一部を貫通して孔を生じさせることにより密封状態を解除することができる。そして、前記点眼容器A内部の薬液は、前記孔から流出可能となる。
【0053】
ここで、前記押込部材9の形状として、前記点眼容器Aの側の一端部を針状に形成したものを例示してある。このように構成することで、前記注液筒部6に穿孔を生じ易くして前記点眼容器Aの密封状態を容易に解除することができ、完全密封容器であっても確実に密封状態を解除することができる。
また、この針状部分の径は小さい方が好ましく、実際には、φ0.1mm〜φ0.5mm程度の範囲とする。
この際、前記注液筒部6に先端側ほど内径が大となる有底円錐状の凹部を窪み形成しておくと、穿孔によって生じる注液孔の形状や大きさを均一にすることができる。
【0054】
さらに別の形態として、前記注液筒部6に予め注液口が設けられており、その注液口に栓をすることにより密封状態が保たれている形態の容器である場合、前記押込部材9はこの栓を除去可能な形態を適用する。具体的には、前記押込部材9の前記点眼容器A側の一端部が扁平な形状になるように成形することが可能である。そして、前記押込部材9を押込んだ際に前記栓を前記点眼容器A内部に押込んで前記注液筒部6から除去できるため、前記点眼容器Aの密封状態を容易に解除することができる。
【0055】
前記押込部材9の構成材料としては、前記点眼容器Aの密封状態を解除するために相応しい材料、例えば、前記点眼容器Aより丈夫な熱可塑性樹脂等が適用可能である。
【0056】
(第一密接部材)
前記第一密接部材11は、前記押込部材9に対し外方から密接した状態で前記基体部材7の先端部分77に固定してある。しかし、前記第一密接部材11は、前記押込部材9に対しては単に密接しているだけで固定されていない。従って、前記第一密接部材11と前記押込部材9とは容易に離間可能に構成してある。(図3参照)。
【0057】
この時、前記第一密接部材11と前記押込部材9と前記基体部材7とで囲まれた空間である第二空間部13を設けてあると、前記薬液を、外部に流出する前にこの第二空間部13で一時貯留することができる。
【0058】
また、薬液の切れを良くして1滴量を一定(1滴量当たり25〜50μLの範囲内)にするため、前記第一密接部11と前記押込部材9とが密接する部位の外方側において、環状凸部11aを設けることが好ましい。
【0059】
そして、前記第一密接部材11を、前記基体部材7の先端部分77に固定し、かつ、前記押込部材9とは容易に離間可能な構成とするため、前記第一密接部材11は、ゴム等の弾性材により形成されるのが好ましい。
【0060】
(第二密接部材)
前記第二密接部材12は、前記基体部材7の内周側に設けてあり、押込まれた前記押込部材9と密接可能に構成してある。前記第二密接部材12は、前記液体の流出を防止し、外部空気の流入は許容する。
【0061】
つまり、前記第二密接部材12は、前記押込部材9が押込姿勢になると前記押込部材9と密接する部位を有するように構成してある。つまり、前記押込部材9が押込姿勢にない非押込姿勢の時(図4(イ))には、前記第二密接部材12と前記押込部材9とは密接状態にはない(第一姿勢)。しかし、前記押込部材9が押込姿勢の時(図4(ロ))には、前記第二密接部材12と前記押込部材9とは密接状態となる(第二姿勢)。このように前記押込部材9の押込姿勢時において初めて前記第二密接部材12と前記押込部材9とが密接するように構成することで、前記第二密接部材12の形状に癖を付け難くすることができる。そのため、使用に際して前記第二密接部材12と前記押込部材9とが確実に密接することができる。
【0062】
前記第二密接部材12において前記点眼容器A側の構造は、前記点眼容器A(注液筒部6)と当接するように構成されるのが好ましい。この時、前記第二密接部材12が前記注液筒部6を支持するように当接すれば、前記注液筒部6の変形を防止することができる。
【0063】
尚、前記第二密接部材12は、前記第一密接部材11と同様に、ゴム、ポリエチレン、及び、ポリプロピレン等の弾性材により形成されるのが好ましい。
【0064】
以上のように前記キャップBは、前記基体部材7、前記オーバーキャップ8、前記押込部材9、前記第一密接部材11、及び前記第二密接部材12により構成され、前記キャップBがこのような構成を有することにより、薬液を収容した密封状態の点眼容器Aを使用することができる。
【0065】
つまり、上述した構成を有する点眼容器A及びキャップBから成る点眼具Xを使用する際には、前記オーバーキャップ8を前記点眼容器A側に押圧して前記押込部材9を非押込姿勢から押込姿勢へと姿勢変化させることにより前記点眼容器Aの密封状態が解除される。この時、前記注液筒部6には孔が生じる、或いは、栓が除去される等により前記点眼容器Aの密封状態が解除される。これにより前記点眼容器Aに収容されている薬液は前記点眼容器Aから流出可能となる。従って、前記点眼容器Aの密封状態は、前記押込部材9を押込むという単純な操作により容易に解除することができる。
【0066】
そして、前記オーバーキャップ8を前記基体部材7から離脱させた状態で、前記点眼容器Aの胴部2を指等により押圧することにより、前記点眼容器Aから薬液を流出させる。前記点眼容器Aから流出した薬液は、前記押込部材9に設けられている前記溝部91により外部へと導かれる。この時、前記第二密接部材12は第二姿勢となっている(図4(ロ))ため、前記薬液は前記溝部91以外の経路(例えば、前記第二連通孔75)により外部に流出することがなく、前記点眼容器Aからの液漏れを防止することができる。
また、前記点眼容器Aの内部には、使用により投与した液体の分だけ外部の空気が流入する。この時、外部の空気は、前記第二連通孔75から取り込まれ、前記押込部材9と前記基体部材7との間を経て前記容器本体10に流入する。
【0067】
さらに、前記溝部91により導かれた前記薬液は前記第二空間部13において一時貯留され、前記薬液が前記第二空間部13に充満すると、前記薬液の圧力により密接状態にある前記第一密接部材11と前記押込部材9とは容易に離間し、前記薬液が外部に流出する(図3)。
【0068】
〔別実施例1〕
上述した実施例において、前記押込部材9が押込まれた状態で、前記押込部材9と前記基体部材7とで保持されるフィルター部材78を設けることが可能である(図6参照)。
【0069】
前記点眼容器Aの密封状態を解除した後の使用状態にある時には、点眼により投与した薬液の分だけ外部の空気が前記点眼容器A内に流入する。この時、空気の流入は、前記第二連通孔75から取り込まれ、前記押込部材9と前記基体部材7との間を経て前記点眼容器A内に流入する。
【0070】
この時、前記押込部材9が押込まれた状態で、前記押込部材9と前記基体部材7とで保持されるフィルター部材78を設けて構成することにより、投与した薬液の分だけ空気の流入があったとしても、空気中に含まれる微粒子や微生物を前記フィルター部材78により捕捉することができる。そのため、前記点眼容器A内部の薬液の空気による汚染を防止することができるため、前記薬液の汚染を効果的に防ぐことができる。
【0071】
さらに、前記フィルター部材78は、前記押込部材9が押込まれた状態で、前記押込部材9と前記基体部材7とで保持されるため、前記押込部材9が押込姿勢になった時に前記押込部材9により前記フィルター部材78が押圧されることになる。そのため、前記フィルター部材78の押圧を使用時まで避けることができるため、前記フィルター部材78の形態やフィルター機能を使用時まで劣化させることなく良好に保存することができる。
【0072】
尚、前記フィルター部材78のフィルターは、濾紙等の多孔性物質が好ましく、0.1〜7μm程度の孔が多数設けられているものであれば、空気中に含まれる微粒子や微生物を効率よく捕捉することができるため好ましい。
【0073】
〔別実施例2〕
上記別実施例1に記載の構成において、前記基体部材7が、第一基体部材7aと第二基体部材7bとで構成してあり、前記押込部材9を押込む前の状態において、前記フィルター部材78の外周を前記第一基体部材7aと前記第二基体部材7bとで固定することが可能である(図7参照)。
【0074】
このように前記フィルター部材78の外周を前記第一基体部材7aと前記第二基体部材7bとで固定することで、前記フィルター部材78の姿勢を安定させることができる。そのため、前記押込部材9を押込姿勢とした時に、前記フィルター部材78が異常な姿勢で前記第一基体部材7aと前記第二基体部材7bとで保持されるのを防止することができ、フィルター機能を確実に発揮することができる。
【0075】
尚、この時、前記第一基体部材7aと前記第二基体部材7bとの隙間部を第二連通孔75とすることが可能である。
【0076】
〔別実施例3〕
上述した実施例において、第一密接部材11の前記基体部材7側への変形を抑制する突出部79を、前記基体部材7の先端部分77に分散配設し(図8)、かつ、前記突出部79は、前記第一密接部材11に近接配置して構成する(図9)のが好ましい。
【0077】
前記押込部材9を押込姿勢にした際に、前記押込部材9と前記第一密接部材11との摩擦により、前記第一密接部材11が前記基体部材7側へ変形する虞がある。しかし、前記第一密接部材11が前記基体部材7側へ変形した場合、前記突出部79が前記基体部材7の先端部に分散配設してあれば(図8)、前記第一密接部材11と前記突出部79とが前記基体部材7の先端部分の周囲に亘ってほぼ均等に当接することになる。そのため、前記第一密接部材11が変形したとしても、いびつな変形を起こし難くなる。従って、前記薬液の偏った流出を防止することができる。
【0078】
さらに、前記突出部79が前記第一密接部材11に近接配置してあれば(図9)、前記第一密接部材11が前記基体部材7側へ変形しようとした場合、直ちに前記第一密接部材11と前記突出部79とが当接して前記第一密接部材11の動きを止めることができる。そのため、前記第一密接部材11が変形したとしても、軽微な変形に抑えることができる。
【0079】
また、前記第一密接部材11の前記基体部材7側への変形を抑制する突出部79を、前記基体部材7の先端部に分散配設してあり、かつ、前記突出部79は、前記第一密接部材11に近接配置してある場合、前記突出部79どうしの間と前記第一密接部材11と前記押込部材7とで囲まれた空間は、大空間部131となっている。一方、前記突出部79は、前記第一密接部材11に近接配置してあるため、前記突出部79と前記第一密接部材11と前記押込部材とで囲まれた空間は、小空間部132となっている。
そのため、前記薬液を一時貯溜することができる空間を前記大空間部131と小空間部132とで確保することができる。
【0080】
〔別実施例4〕
上述した実施例において、一体成型型点眼容器AにキャップBを螺合或いは嵌合等により装着させるボトルパック点眼具Xを例示した。一方、他の実施例として、3ピース型点眼具X’を用いた実施例を以下に示す。
【0081】
つまり、前記3ピース型点眼具X’は、図10に示したように、中空円筒状に形成された容器本体10と、前記容器本体10とは別部材の注液筒部60と、キャップBとの3部材から構成される。従って、本実施形態では、容器本体10と注液筒部60とを合わせたものが点眼容器Aとなる。
【0082】
そして、前記3ピース型点眼具X’は、前記容器本体10の開口20に注液筒部60を嵌入装着し、前記容器本体10にキャップBを着脱自在に螺合装着することにより形成される。
【0083】
以下に、前記キャップ10及び点眼容器Aについてそれぞれ説明する。
【0084】
(キャップ)
前記キャップBは、上述した実施例と同じ形態を適用できる。
例えば、図10では、前記基体部材7が、第一基体部材7aと第二基体部材7bとで構成し、前記押込部材9を押込む前の状態において、前記フィルター部材78の外周を前記第一基体部材7aと前記第二基体部材7bとで固定する形態(別実施例2参照)、或いは、第一密接部材11の前記基体部材7側への変形を抑制する突出部79を、前記基体部材7の先端部分に分散配設した形態(別実施例3参照)をそれぞれ適用したものを示す。
【0085】
前記オーバーキャップ8の先端の内壁には、前記押込部材9を押し込んだ押込姿勢のときに、前記押込部材9に当接して前記押込部材9を係止させるオーバーキャップ凸部82を設けることが可能である。
【0086】
さらに、前記オーバーキャップ8の先端の内壁において、前記環状凸部11aの外向きの変形を防止する係止部83を設けることが好ましい。
この係止部83は、押込姿勢のとき(図10(ロ))に、前記環状凸部11aの外面(前記押込部材9と接触しない面)と接触するように構成する。このように構成すると、押込姿勢時や押込姿勢後の保管時等に前記オーバーキャップ8の先端に強い押圧力が働いたとしても、前記環状凸部11aの外面が前記係止部83によって係止されるため、前記環状凸部11aが外向きに開く等の変形が生じ難くなる。そのため、点眼容器の保管中等において薬液が漏洩するのを防止できる。そして、さらに前記環状凸部11aが前記係止部83により前記押込部材9側に付勢されると、前記第一密接部材11と前記押込部材9との密接度合いが高まり、さらなる薬液漏洩防止効果が期待できる。
【0087】
また、前記オーバーキャップ凸部82と前記係止部83との境界には、前記環状凸部11aが侵入可能となる窪み部を形成するのが可能である。このように構成すると、押込姿勢時には、前記環状凸部11aが前記窪み部に侵入できる。この時、前記環状凸部11aは、前記窪み部が形成されていない場合と比べて前記オーバーキャップ8の先端の内壁に当接し難くなる。そのため、前記環状凸部11aの変形が防止できる。
【0088】
前記キャップBのその他の部材については、上述したものと同じであるため、説明は省略する。
【0089】
(点眼容器)
上述したように、本実施形態では、容器本体10と注液筒部60とを合わせたものが点眼容器Aとなっている。
【0090】
中空円筒状に形成してある容器本体10は、開口20を設けたこと以外は、上述した実施形態の容器本体と同様の形態であるため、説明は省略する。
【0091】
前記注液筒部60は、前記容器本体10の開口端部22と係止可能な係止部62、前記第二密接部材12の容器側面12aと密接するテーパ面63、及び、薬液が排出可能な注液開口64とを設けてある。
【0092】
前記容器本体10と注液筒部60とは、前記容器本体10内の薬液漏れが生じないよう開口内壁21と注液筒部外壁61とを密接させ、さらに、係止部62と開口端部22とを係止させることにより、装着する。
【0093】
また、前記注液筒部60は前記第二密接部材12と密接するように構成される。つまり、前記キャップBが容器本体10に螺合装着した際、前記第二密接部材12の容器側面12aと、注液筒部60のテーパ面63とが密接する。これにより、第二密接部材12と注液筒部60との隙間からの薬液漏れを防止できる。
【0094】
前記注液筒部60には、注液開口64が設けられており、前記押込部材9が押込姿勢にない非押込姿勢の時(図10(イ))には、前記押込部材9が注液開口64を封止するよう構成する。そして、前記押込部材9を押し込んだ押込姿勢のとき(図10(ロ))には、前記溝部91が、前記薬液が含まれる前記容器本体10内部の空間と連通するよう構成する。これにより、前記点眼容器Aの密封状態を解除することができる。
【0095】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、同様の作用効果を奏するものであれば、各部構成を適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャップと容器本体とが螺合一体化した状態を示す概略図
【図2】非押込姿勢から押込姿勢へと姿勢変化させた時の概略図
(イ)非押込姿勢(オーバーキャップから切取部を除去)
(ロ)押込姿勢(キャップ体が基体部材に当接)
【図3】点眼時において、薬液が滴下する時の要部概略図
【図4】非押込姿勢から押込姿勢へと姿勢変化させた時の要部概略図
(イ)非押込姿勢
(ロ)押込姿勢(押込部材と第二密接部材とが密接状態)
【図5】押込部材の概略図
【図6】押込部材と基体部材との間にフィルター部材を設けた時の要部概略図
【図7】基体部材を第一基体部材と第二基体部材とで構成し、フィルター部材の外周を第一基体部材と第二基体部材とで固定した時の要部概略図
【図8】基体部材の先端部分に分散配設された突出部の概略図
【図9】基体部材の先端部分に分散配設された突出部の要部概略図
【図10】3ピース型点眼具を用いた本発明の概略図
(イ)非押込姿勢
(ロ)押込姿勢
【図11】従来の点眼具の断面概略図
【符号の説明】
7 基体部材
77 先端部分
8 オーバーキャップ
9 押込部材
91 溝部
10 容器本体
11 第一密接部材
12 第二密接部材
A 点眼容器
B キャップ
X 点眼具

Claims (6)

  1. 液体を収容可能な容器本体に装着可能な基体部材と、
    前記基体部材に取付け可能なオーバーキャップとを備え、
    前記基体部材に対して摺動自在となるよう前記基体部材に挿入保持され、その側面に前記液体を外部へ導く溝部を有すると共に、前記容器本体の密封状態を解除すべく前記オーバーキャップによって前記容器本体の側へ押込可能な押込部材と、
    前記押込部材に対し外方から密接し、前記液体の流出は許容するよう前記基体部材の先端部分に設けた第一密接部材と、
    前記基体部材の内周側に設けてあり、押込まれた前記押込部材と密接可能で、前記液体の流出を防止し、外部空気の流入は許容する第二密接部材とを備えた汚染防止キャップ。
  2. 前記押込部材は、前記容器本体の側の一端部を針状に形成してある請求項1に記載の汚染防止キャップ。
  3. 前記押込部材が押込まれた状態で、前記押込部材と前記基体部材とで保持されるフィルター部材を設けてある請求項1又は2に記載の汚染防止キャップ。
  4. 前記基体部材が、第一基体部材と第二基体部材とで構成してあり、前記押込部材を押込む前の状態において、前記フィルター部材の外周を前記第一基体部材と前記第二基体部材とで固定してある請求項3に記載の汚染防止キャップ。
  5. 前記オーバーキャップが、キャップ体と、当該キャップ体から切り取り除去される切取部とで形成され、前記切取部を除去した後、前記キャップ体を押込んだ際に前記キャップ体が前記基体部材に当接可能に構成してある請求項1〜4の何れか一項に記載の汚染防止キャップ。
  6. 前記第一密接部材の前記基体部材側への変形を抑制する突出部を、前記基体部材の先端部分に分散配設してあり、かつ、前記突出部は、前記第一密接部材に近接配置してある請求項1〜5の何れか一項に記載の汚染防止キャップ。
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