JP4463094B2 - 底面フィルタ付液体収容容器 - Google Patents

底面フィルタ付液体収容容器 Download PDF

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Description

本発明は、液体を収容する液体収容部を有する容器本体と、開封状態で液体の流出を許容する注液部とを設けてある液体収容容器に関する。
上述した液体収容容器は、例えば、医療用点眼液を点眼自在に収容する医療用点眼具(以下、単に「点眼具」と称する)がある。このような点眼具としては、例えば、中空円筒状に形成されると共に薬液を収容する液体収容部を有する容器本体に注液筒部を装着し、注液筒部を封止するキャップも含めると点眼具全体として3部材から形成される、所謂3ピース型点眼具が知られている。
また、図4に示したように、ブロー成形や真空成形等により注液筒部6と容器本体10とを一体に形成してある一体成形型点眼容器AにキャップBを螺合或いは嵌合等により装着させる、所謂ボトルパック点眼具X等が汎用されている。
さらに、注液筒部の先端に注液口を設けた中栓部を装着するものも知られていた(例えば、特許文献1参照)。
このような点眼具Xの素材としては、成形の容易さ等から軟質の熱可塑性樹脂が用いられている。
この種の点眼具Xでは、例えば図4に示した点眼容器A内の薬液を投与する場合、点眼容器A(容器本体10)の胴部2を二本の指先で把持して、点眼容器Aの注液口61aが投与対象の眼に対面する投与姿勢に保持し、この姿勢を維持しつつ胴部2を容器軸線側に押圧操作することにより、注液口61aから薬液を滴下投与する。
上述した点眼具においては、点眼具開封後に注液口から薬液を滴下投与すると、容器本体自身の復元性等により形状が液体を外部流出する前の状態に戻ろうとするため、投与した薬液の分だけ外部空気が点眼容器内部に流入する。このように外部空気を流入可能にした構成として、外気吸入用の均圧弁を設けた構成が知られていた(例えば、特許文献2)。これにより、薬液の滴下投与後に外部空気を取り込むことができるため、容器内の圧力を外部と平衡させることが可能となっていた。
これは、外気吸入用弁の取付け位置が注液口近傍に設けられた構成であるが、これに対して、外気吸入用弁の取付け位置が注液口の反対側に設けられた注液容器の構成(例えば、特許文献3)が知られていた。
実公昭39−11991号公報(第1〜2図) 特開昭51−146789号公報(第7〜8頁、図4参照) 実開平1−110147号公報(実用新案登録請求の範囲、第2図参照)
特許文献2に記載の点眼具は、外気吸入用弁と共にフィルタ部材が設けてあり、外気吸入に伴う微生物等による液体収容部内の汚染を防止することが可能となっていた。また、外気吸入用弁とフィルタ部材の取付け位置を注液口近傍とすると、例えば、注液筒部に注液口、外気吸入用弁、及び、フィルタ部材を設ける必要があるため、注液口近傍の構成が複雑になると共に、外気吸入用弁及びフィルタ部材は、大きさ等が制約される。一方、特許文献3に記載の注液容器のように、外気吸入用弁の取付け位置を注液口の反対側に設けた構成とすると、注液口近傍の構成が簡略化され、容器の製造が容易になる。
さらに、特許文献2に記載の点眼具は、注液に際して注液口は下向きになり、この状態が維持されれば液体収容部にある液体と外気吸入用弁とが常に接触することになる。ここで、外気吸入用弁は、外気流入を許容するが液体の外部流出を許容しない逆止弁の構成を有するものの、注液時には、外気吸入用弁は液体と接触しない構成にする方が液体の漏洩防止の観点から好ましい。
一方、特許文献3に記載の注液容器の構成では、注液口の反対側に外気吸入用弁が設けてあり、注液後の外気吸入時には、液体収容部にある液体と外気吸入用弁とは接しないため、外気吸入用弁から液体が漏洩する虞はない。しかし、フィルタ部材が設けられていないことから、外気吸入に伴う微生物等による液体収容部内の汚染の虞があった。
また、これら点眼具や注液容器の構成によると、保管時等の注液以外のときには注液口は閉状態にある。このとき、外気吸入用弁に衝撃等により圧力が加わる等して外気吸入用弁から液体収容部に外気が流入すると、液体収容部の圧力は上昇した状態となる。この状態で注液時に注液口を開くと上昇した圧力が注液口から開放されるため、液体収容部にある液体が勢いよく飛び出す虞がある。
このとき、例えば、注液時の1滴量を一定に制御してあるような点眼具であれば、このように注液時に液体が勢いよく飛び出すと、周縁に散逸した液体の分量を補うために再度注液操作を行って眼に滴下する必要がある。そのため、過剰の注液操作と液体の無駄が生じるという問題点があった。
従って、本発明の目的は、外気吸入用弁からの液体の漏洩や、外気吸入に伴う微生物等による液体収容部内の汚染を防止できると共に、注液時以外において、容器の内外圧差が生じるのを防止可能な液体収容容器を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る液体収容容器の第1特徴構成は、液体を収容する液体収容部を有する容器本体と、開封状態で液体の流出を許容する注液部とを設けてある液体収容容器において、前記容器本体の底面に、フィルタ部材と、外部からの空気の流入を許容すると共に外部への液体の流出を阻止する逆止弁とを備えた通気手段を設けてあり、前記容器本体に装着可能であると共に、未開封状態の前記注液部を開封可能な開封手段と、外部への液体の流出を許容すると共に外部からの空気の流入を阻止する弁手段を備えたキャップを設け、前記弁手段が、前記開封手段に対し外方から密接状態にあるときには外部からの空気の流入を阻止し、液体の圧力により前記開封手段から離間した状態にあるときには外部への液体の流出を許容する点にあり、その作用効果は以下の通りである。
例えば、容器本体の胴部を押圧する等して容器本体の容積を減少させることにより液体を外部流出させる容器の場合、所望量の液体を外部流出させた後、容器本体の押圧を停止すると、容器本体自身の復元性等により形状が液体を外部流出する前の状態に戻ろうとする。この時、容器本体内部は陰圧となって流出した液体の分だけ外部空気が通気手段から液体収容部内部に流入するように構成することができる。
ここで、フィルタ部材と逆止弁とを備えた通気手段は容器本体の底面に設けてあるため、注液部の反対側に設けることになる。そのため、注液に際して注液口は下向きになり、この状態を維持して注液後の外気吸入が行われれば液体収容部にある液体と通気手段とは接しないため、通気手段から液体が漏洩する虞はない。
また、通気手段は、フィルタ部材を備えている。フィルタ部材は、外部空気に含まれる微生物等の汚染源の侵入を許容しないように構成してあり、通気手段から吸い込まれる外部空気がフィルタ部材を経由することで、液体収容部内の汚染を防止することが可能となる。
さらに、通気手段は、外部からの空気の流入を許容すると共に外部への液体の流出を阻止する逆止弁を備えている。そのため、この逆止弁において外部空気の流入を行って容器内と外部との圧力を平衡させることが可能となる。この逆止弁は液体の流出を阻止するため、保管時等において、通気手段からの液体の漏洩を防止することができる。
また、上記特許文献2に記載の点眼具のように、注液口近傍に通気手段を設ける構成とすると、注液口との位置関係などを考慮する必要があるため、通気手段は大きさ等において設計上の制約を受ける。しかし、本発明のように、容器本体の底面にフィルタ部材と逆止弁とを備えた通気手段を設ける構成とすることにより、容器本体の底面の大きさの範囲内であれば、フィルタ部材と逆止弁との大きさ等に設計上の制約を受け難くなる。つまり、通気手段の設計の自由度が増すため、液体収容容器の製造が容易になる。
上述したように、液体収容容器は容器本体の底面に通気手段を設けてあるため、通気手段の重量分だけ液体収容容器の重心は容器本体の底面側に移動する。そのため、通気手段を注液口近傍に設けるときと比べて、容器本体の底面を床面に接触させて液体収容容器を床面に載置したときの安定性が向上する。従って、振動等によって液体収容容器が倒れ難くなるため、保管に適した構成となる。
また、キャップを、液体を収容した未開封の容器本体に装着すれば、開封手段により密封状態を解除可能となる。一方、開封手段による注液部の開封時まで確実に容器本体の密封状態を維持することができる。
当該キャップは、外部への液体の流出を許容すると共に外部からの空気の流入を阻止する弁手段を備えている。当該弁手段は、開封手段に対し外方から密接状態にあるときには外部からの空気の流入を阻止し、開封手段から離間した状態にあるときには外部への液体の流出を許容するため、所望量の液体を外部流出させた後には、外部空気が容器本体内に流入する経路を遮断できる構成となる。従って、容器開封後に外部の空気に含まれる微生物等の点眼容器内への取り込みを防ぐことができ、容器開封後における容器内汚染の防止が可能となる。
本発明に係る液体収容容器の第2特徴構成は、前記通気手段が、床面と接すると共に容器本体を支える受部を有する点にあり、その作用効果は以下の通りである。
つまり、通気手段が、床面と接すると共に容器本体を支える受部を有すると、受部と床面とを接触させて液体収容容器を床面に載置するときには、床面と液体収容容器との接触状態を一定とすることが可能となる。そのため、バランスよく液体収容容器を床面に載置することができる。
本発明に係る液体収容容器の第3特徴構成は、前記通気手段を覆う底面キャップを設けてある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
このように、通気手段を覆う底面キャップを設けてあると、外部からの圧力変動が直接通気手段に及ぶのを防止できる構成となる。そのため、通気手段に対して何らかの圧力が加った場合でも通気手段から液体収容部に外気が流入する虞が殆ど無くなり、このような圧力変動を原因とした液体収容部の圧力上昇を有効に防止することができる。
従って、底面キャップ装着時には容器の内外圧差が生じるのを防止できるため、注液以外のときに上昇した圧力が注液時に注液部から開放され、液体収容部にある液体が勢いよく飛び出すのを防止できる構成となる。従って、注液時に、再度注液操作を行うことや、液体の無駄が生じることはない。さらに、底面キャップ装着時には、通気手段を良好に保護することができる。
本発明に係る液体収容容器の第4特徴構成は、前記底面キャップが前記容器本体と一体に形成してあり、前記底面キャップは前記容器本体に対して切り取り自在に構成してある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
このように構成すると、例えば、ブロー成形や真空成形等で液体収容容器を形成するに際して、底面キャップを容器本体と同じパリソンで形成することができる。
そのため、底面キャップを設けた液体収容容器を容易に製造することができる。
また、底面キャップは容器本体に対して切り取り自在に構成してあるため、底面キャップを切り取り除去すると通気手段が露出する構成となる。このとき、底面キャップは、例えばミシン目等の切取線に沿って簡便に切り取り除去できると共に、底面キャップがいびつな形状で除去されるのを防止できるため、使用に際して利便性の向上を図ることができる。
一方、使用者が意図的に底面キャップを切り取りしない除去しない限り通気手段は露出し難い構成となるため、輸送中等に不意に底面キャップが外れる虞は殆どなくなる。従って、液体収容容器の使用前において、通気手段を良好に保護することができる。
本発明に係る液体収容容器の第5特徴構成は、前記逆止弁が、端部において相互に接触自在な一対の板状部位を有すると共に、前記一対の板状部材の端部同士の接触により閉塞し、或いは、前記一対の板状部材の端部同士が離間することにより開口するように構成してあるダックビル型である点にあり、その作用効果は以下の通りである。
ここで、容器本体を押圧操作して液体収容容器から液体を流出させる形態の容器を例にして説明する。
このとき、逆止弁を上述したダックビル型とすると、この逆止弁は、端部において相互に接触自在な一対の板状部位を有するため、各板状部位はそれぞれテーパ面を有する。
このため、液体の流出操作をしない通常時には、各板状部位の端部同士の接触によって閉塞された状態となっている(閉状態)。
そして、容器本体を押圧操作している間は、容器本体内部が陽圧となり、外部空気は液体収容部内部に流入しないため、流入する外部空気の圧力が各テーパ面の内側(図1:104a、b)に作用せず、各テーパ面の端部同士の接触は解除されない(閉状態:図1)。そのため、容器本体を押圧操作して液体を流出している間は、通気手段から薬液が流出すること及び外部空気が流入することはない。
一方、押圧操作を停止すると、容器本体自身の復元性等により形状が液体を外部流出する前の状態に戻ろうとする。この時、容器本体内部は陰圧となる。このとき、流入する外部空気の圧力が各テーパ面の内側に作用して端部同士の接触が解除され(図2)、通気手段は開状態となる。このようにして流出した液体の分だけ外部空気が液体収容部内部に流入する。
従って、本発明の第5特徴構成に記載の液体収容容器であれば、逆止弁がダックビル型となっているため、液体流出時に容器本体を押圧操作するとき(容器本体内部は陽圧となる)には、逆止弁を閉状態とすることができる
また、液体流出後、容器本体の押圧操作を停止して容器本体の形状が、液体が流出する前の状態に戻ろうとするとき(容器本体内部は陰圧となる)には、流入する外部空気の圧力を好適に利用して逆止弁を開状態とすることができる。
そのため、液体流出の有無に応じて、タイミングよく外部空気の流入を許容すると共に外部への液体の流出を許容しない逆止弁とすることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に、液体収容容器として、主に医療用に用いられる点眼具Xの概略図を示す。この点眼具Xは、液体として主に医療用点眼液等の薬液を収容可能な容器本体10を有する点眼容器Aと、点眼容器Aに着脱自在なキャップBとから構成してある。
点眼容器Aは、中空円筒状に形成され、薬液を収容する液体収容部12を有する容器本体10に注液筒部6を形成し、注液筒部6の先端に注液部(注液口)61aを設けたものを例示する。この点眼容器Aは、例えば、ブロー成形や真空成形等により容器本体10と注液筒部6とを一体に形成することができる。
この点眼容器Aは、円形状の底部1と、これの周縁に連なる中空円筒状の胴部2と、胴部2の肩部分2aに連続する円筒状の首部3と、首部3の上側に連続する注液筒部6とを備えることにより構成してある。注液筒部6の外周には、雄ネジ6aを備えてある。
尚、注液筒部6の先端に中栓部を設ける構成とすることが可能である(図示しない)。ブロー成形や真空成形等を適用して注液筒部6に直接注液口61aを形成する場合に比べて製造コストが低くなる等の理由により汎用されている。この場合、中栓部は、外部空気の流入を防止するため、注液筒部6と密着するように装着される。
点眼容器Aの構成材料としては、ポリエチレン、ポリエチレンーポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の熱可塑性材料等があり、成形された点眼容器A全体が弾性変形可能に構成してある。
キャップBは、点眼容器Aの雄ネジ6aに着脱自在に螺合するように構成してあれば、何れの構成でも適用可能である(詳細は後述)。このとき、点眼具X開封前の密封状態の確実な維持、点眼具X開封後において液体収容部12に収容してある薬液の漏洩の防止、或いは、外部の空気に含まれる微生物等の点眼容器A内への取り込みを防ぐことにより液体収容部12内部の汚染を効果的に防止できる等の効果を奏する形態であれば好ましい。
本発明では、点眼容器Aは、容器本体10の底面に通気手段100を備えており、通気手段100は、フィルタ部材101と、外部からの空気の流入を許容すると共に外部への薬液の流出を阻止する逆止弁103を設けている。通気手段100は、容器本体100の底面に開口させた開口部102に装着する。
このように通気手段100を設けているため、この逆止弁103において外部空気の流入を行うことができ、容器内の圧力を外部と平衡させることが可能となる。
つまり、点眼動作の際には、点眼容器A(容器本体10)の胴部2を二本の指先で把持して胴部2を容器軸線側に押圧操作して容器本体10の容積を減少させることにより薬液を外部流出させる。所望量の液体を外部流出させた後、容器本体10の押圧を停止すると、容器本体10自身の復元性等により形状が液体を外部流出する前の状態に戻ろうとする。この時、容器本体10内部は陰圧となって流出した液体の分だけ外部空気が通気手段100から液体収容部12内部に流入するように構成することができる。
フィルタ部材101は、例えば、逆止弁103の外側に設けることが可能であり、外部空気に含まれる微生物等の汚染源の侵入を許容しないように構成する。このように構成すると、通気手段100から吸い込まれる外部空気は最初にフィルタ部材101を経由するため、点眼容器Aの密封が解除された後であっても、容器本体10内にある薬液の汚染を防止することができる。また、この逆止弁103は外部からの空気の流入を許容すると共に外部への液体の流出を阻止するように構成してあるため、この逆止弁103において外部空気の流入を行って容器本体10内と外部との圧力を平衡させることが可能となる。
通気手段100は、床面と接すると共に容器本体10を支える受部105を有するのが好ましい。このように構成すると、点眼容器Aを床面に載置するときには、バランスよく点眼容器Aを床面に載置することができる。
上述したように点眼容器Aは弾性変形可能に構成してあるが、仮に、容器本体10の底面の変形が歪な形状のまま残る場合であっても、通気手段100が受部105を有すると、点眼容器Aを安定して床面に載置することができる。
さらに、通気手段100を覆う底面キャップ110を設けてある。つまり、底面キャップ110装着時には、外部からの圧力変動が直接通気手段100に及ぶのを防止できる構成となる。そのため、通気手段100に対して何らかの圧力が加った場合でも通気手段100から液体収容部12に外気が流入する虞が無くなり、このような圧力変動を原因とした液体収容部12の圧力上昇を有効に防止することができる。
さらに、底面キャップ110装着時には、通気手段100を良好に保護することができる。
従って、注液以外のときに上昇した圧力が注液時に注液口61aから開放され、液体収容部12にある薬液が勢いよく飛び出すのを防止できる構成となり、再度注液操作を行うことや、液体の無駄が生じることはない。
つまり、通気手段100を覆う底面キャップ110を設けることにより、容器本体10の内外圧差が生じるのを防止することができる。
底面キャップ110が、容器本体10と一体に形成してあり、底面キャップ110は容器本体10に対して切り取り自在に構成してあるのが好ましい。このとき、容器本体10と底面キャップ110との境界は、例えば、ミシン目等の切取部120で構成してある。
このように構成すると、例えば、後述するようにブロー成形や真空成形等により容器本体10を形成する際に、底面キャップ110を容器本体10と同じパリソンで形成することができる。
そのため、底面キャップ110を設けた容器本体10を容易に製造することができる。
また、底面キャップ110は容器本体10に対して切り取り自在に構成してあるため、点眼具X開封後に底面キャップ110を切り取り除去すると通気手段100が露出する構成となる。このとき、底面キャップ110は、ミシン目等の切取部120に沿って簡便に切り取り除去できると共に、底面キャップ110がいびつな形状で除去されるのを防止できるため、使用に際して利便性の向上を図ることができる。
一方、使用者が意図的に底面キャップ110を切り取り除去しない限り通気手段100は露出し難い構成となるため、点眼具Xの輸送中等に不意に底面キャップ110が外れる虞は殆どなくなる。従って、点眼具Xの使用前において、通気手段100を良好に保護することができる。
逆止弁103は、端部において相互に接触自在な一対の板状部位103a、bを有すると共に、一対の板状部材103a、bの端部同士の接触により閉塞し、或いは、一対の板状部材103a、bの端部同士が離間することにより開口するように構成してあるダックビル型とするのが好ましい。
一対の板状部位103a、bは、それぞれの端部において相互に接触してテーパ状に構成してある。そのため、各板状部位103a、bはそれぞれテーパ面104a、bを有する。
点眼操作をしない通常時には、各板状部位103a、bの端部同士の接触によって閉塞された状態となっている(閉状態)。
一方、点眼動作の際には、点眼容器A(容器本体10)の胴部2を二本の指先で把持して胴部2を容器軸線側に押圧操作する。この押圧操作により点眼容器A内部は陽圧となるため、薬液が注液口61aから流出して滴下投与される。
薬液を滴下投与した後、押圧操作を停止すると、点眼容器A自身の復元性等により薬液を滴下投与する前の形状に戻ろうとする。この時、点眼容器A内部は陰圧となって投与した薬液の分だけ外部空気が液体収容部12内部に流入する。
ここで、点眼容器A(容器本体10)の胴部2を押圧操作している間は、点眼容器A内部が陽圧となる。このとき、外部空気は液体収容部12内部に流入しないため、外部空気の圧力が各板状部位103a、bの内側のテーパ面104a、b(フィルタ部材101側)に作用せず、各板状部位103a、bの端部同士の接触は解除されない(閉状態となっている:図1参照)。そのため、点眼容器Aの胴部2を押圧操作して薬液を滴下投与している間は、通気手段100から薬液が流出すること及び外部空気が流入することはない。
一方、押圧操作を停止すると、投与した薬液の分だけ外部空気が液体収容部12内部に流入しようとする。このとき、フィルタ部材101を介して流入する外部空気が開口部102を通過すると、流入する外部空気の圧力が各テーパー面104a、bに作用する。このとき、各板状部位103a、bの端部同士の接触が解除される。そして、このとき通気手段100は開状態となり(図2参照)、外部空気が外気吸入孔105から液体収容部12内部に流入する。
従って、逆止弁103を上述したダックビル型とすることにより、薬液投与時に点眼容器Aの胴部2を押圧操作するとき(点眼容器A内部は陽圧となる)には、通気手段100を閉状態とすることができる。
また、薬液投与後、点眼容器Aの胴部2の押圧操作を停止して点眼容器Aの形状が薬液を滴下投与する前の状態に戻ろうとするとき(点眼容器A内部は陰圧となる)には、流入する外部空気の圧力を好適に利用して通気手段100を開状態とすることができる。
そのため、点眼動作に合わせて、タイミングよく外部空気の流入を許容すると共に外部への薬液の流出を許容しない逆止弁103とすることができる。
以上、点眼容器Aの構成を説明したが、以下に点眼容器Aに装着するキャップBについて説明する。
上述したように、キャップBは点眼容器Aの雄ネジ6aに着脱自在に螺合するものが適用可能である。
例えば、キャップBは、未開封状態の注液部61aを開封可能な開封手段と、外部への液体の流出を許容すると共に外部からの空気の流入を阻止する弁手段を備えた構成とすることが可能である。
具体的には、図1に示したように、薬液を収容可能な点眼容器Aに装着可能な基体部材7と、基体部材7に取付け可能なオーバーキャップ8とを備える。オーバーキャップ8には、基体部材7に対して摺動自在となるよう基体部材7に挿入保持され、その側面に薬液を外部へ導く溝部9aを有すると共に、点眼容器Aの密封状態を解除すべくオーバーキャップ8によって点眼容器Aの側へ押込可能な押込部材(開封手段)9と、押込部材9に対し外方から密接した状態で基体部材7の先端部分77に設けた第一密接部材(弁手段)11と、基体部材7の内周側に設けてあり、押込まれた押込部材9と密接可能な第二密接部材13とを備えて構成してある。
オーバーキャップ8の好適な実施の形態の一例として、キャップ体8aと、当該キャップ体8aから切り取り除去される切取部8bで形成され、切取部8bを除去した後、キャップ体8aを押込んだ際(図2参照)に、キャップ体8aが押込部材9を点眼容器Aの側へ押込むと共に、キャップ体8aが基体部材7に当接可能に構成することが可能である。
また、基体部材7を、第一基体部材7aと第二基体部材7bとで構成することが可能である。
点眼具Aの未使用時には点眼容器Aは密封状態を維持しており(図1)、キャップBの押込部材9(開封手段)を押込むという操作を行わないため、容器開封前の薬液と外部空気との接触が阻止され、未使用時の点眼容器Aの密封状態を確実に維持することができる。そして、押込部材9を押込むという操作によって、押込部材9は点眼容器Aに嵌入され(つまり、未開封状態の注液部61aを開封)、確実に点眼容器Aの密封状態を解除できる(図2)。
そして、密封状態の解除後に点眼容器Aから流出した液体は、押込部材9側面に設けられている溝部9aにより外部へと導かれる。この時、基体部材9の内周側に設けてある第二密接部材13は押込部材9と密接しているため、薬液が溝部9a以外の経路により外部に流出することを防止することができる。そのため、使用時における容器本体10からの液漏れを抑制できる。
さらに、基体部材7の先端部分77に設けられ、押込部材9に対し外方から密接状態にある第一密接部材11(弁手段)と押込部材9とは、溝部9aにより導かれた薬液の圧力により容易に離間するため、薬液を外部に流出させることができるため、薬液を容易に供することができる。
所望量の薬液を外部流出させた後には、第一密接部材11は、再び押込部材9に対し外方から密接状態となり、外部空気が容器本体10内に流入する経路を遮断できる構成となる。従って、点眼容器A開封後に外部の空気に含まれる微生物等の点眼容器A内への取り込みを防ぐことができ、点眼容器A開封後における容器内汚染の防止が可能となる。
キャップBの構成材料としては、ポリエチレン、ポリエチレン−ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の熱可塑性材料等とすることが可能である。
以下に、本発明の点眼具Xにおける点眼容器Aの製造方法を記載する。
点眼容器Aは、例えばブロー成形や真空成形により作製する。
本実施例では、ブロー成形、薬液充填、容器閉塞の一貫システムであるブローフィルシール法により底面キャップ110と点眼容器A(容器本体10)とを一体化形成する態様を例示する(図3参照)。
(a)胴部2と注液筒部6とを成形する一対の主成形金型41と、底面キャップ110を成形すると共に、通気手段100を容器本体10にかしめて一体化可能な一対の副成形金型42とを開いた状態とする。これらの上部に配置した押し出しヘッド43から中空円筒状のパリソン44を押し出し、両成形型41〜42の間に配置する。
(b)主成形金型41を閉じると共にノズル45から圧縮空気を吹き込み、パリソン44を膨張させることにより、胴部2と注液筒部6とを成形する。
(c)ノズル45により所定量の薬液を充填する。
(d)設置ノズル46により別工程で製造した通気手段100を所定位置(点眼容器Aの底面位置)に載置する。
(e)設置ノズル46を上昇させた後、副成形金型42を閉じて通気手段100を容器本体10にかしめると共に、底面キャップ110を成形する。
(f)主成形金型41と副成形金型42とを開き、点眼容器Aを取り出す。
容器本体10と底面キャップ110との境界は、底面キャップ110を切り取り除去し易くなるように、例えば肉薄に成形するのが好ましい。
このように、底面キャップ110を、容器本体10と同じパリソン44で形成することができるため、底面キャップ110を設けた容器本体10を容易に製造することができる。
本発明は、液体を収容する液体収容部を有する容器本体と、開封状態で液体の流出を許容する注液部とを設けてある液体収容容器に適用でき、当該液体収容容器は、医療用点眼液を点眼自在に収容する医療用点眼具として利用可能である。
本発明の液体収容容器(点眼具)の概略図 開状態の通気手段の概略図 点眼容器Aの製造方法の概略図 従来の点眼容器の概略図
符号の説明
A 点眼容器
10 容器本体
12 液体収容部
61a 注液口
100 通気手段
103 逆止弁
101 フィルタ部材
110 底面キャップ

Claims (5)

  1. 液体を収容する液体収容部を有する容器本体と、開封状態で液体の流出を許容する注液部とを設けてある液体収容容器において、
    前記容器本体の底面に、フィルタ部材と、外部からの空気の流入を許容すると共に外部への液体の流出を阻止する逆止弁とを備えた通気手段を設けてあり、
    前記容器本体に装着可能であると共に、未開封状態の前記注液部を開封可能な開封手段と、外部への液体の流出を許容すると共に外部からの空気の流入を阻止する弁手段を備えたキャップを設け、
    前記弁手段が、前記開封手段に対し外方から密接状態にあるときには外部からの空気の流入を阻止し、液体の圧力により前記開封手段から離間した状態にあるときには外部への液体の流出を許容する液体収容容器。
  2. 前記通気手段が、床面と接すると共に容器本体を支える受部を有する請求項1に記載の液体収容容器。
  3. 前記通気手段を覆う底面キャップを設けてある請求項1又は2に記載の液体収容容器。
  4. 前記底面キャップが前記容器本体と一体に形成してあり、前記底面キャップは前記容器本体に対して切り取り自在に構成してある請求項3に記載の液体収容容器。
  5. 前記逆止弁が、端部において相互に接触自在な一対の板状部位を有すると共に、前記一対の板状部材の端部同士の接触により閉塞し、或いは、前記一対の板状部材の端部同士が離間することにより開口するように構成してあるダックビル型である請求項1〜4の何れか一項に記載の液体収容容器
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