JP4151863B2 - 半導体単結晶引き上げ装置における単結晶インゴットの振れ検知方法および装置 - Google Patents

半導体単結晶引き上げ装置における単結晶インゴットの振れ検知方法および装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CZ(チョクラルスキー)法による半導体単結晶引き上げ装置における単結晶インゴットの振れ検知方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体単結晶の製造装置として、CZ法を利用した単結晶引き上げ装置が知られている。この方法は、例えば、シリコン半導体の場合を例に採ると、小片に砕いた棒状多結晶シリコンを石英ガラス製のるつぼ内に投入して溶融した後、シリコン融液面に結晶成長の核となる種結晶(シード)をワイヤで吊るして浸し、種結晶をゆっくりと回転させながら引き上げていくことにより、種結晶の先端から単結晶を成長させていくものである。このようなCZ法を利用した単結晶引き上げ装置においては、成長していく単結晶のインゴットは、ワイヤの先端に吊り下げられた状態でゆっくりと回転されながら引き上げられていくため、様々な原因でインゴットに振れが発生することがある。
【0003】
インゴットに振れが発生した場合、結晶の曲がりや転移が発生し、不良品発生の原因となる。また、振れが大きくなると、揺れるインゴットが石英ガラス製のるつぼに接触してるつぼを破損し、るつぼ中のシリコン融液が漏れ出したり、インゴットの落下事故にもつながるおそれがある。また、歩留りの低下や、再溶融(メルトバック)と再引き上げによる製造時間のロス、電力などのエネルギーロスを引き起こす。このように、単結晶引き上げ時におけるインゴットの振れは、結晶品質や歩留りだけにとどまらず、安全性の面からも重要な問題である。
【0004】
この振れの発生原因としては、次のようなものが考えられる。
(1) 引き上げる際のインゴットの回転数が不適切で、単結晶引き上げ系と共振する場合
(2) シード取り付け部に偏芯がある場合
(3) 引き上げ用ワイヤに塑性変形が発生している場合
(4) 引き上げ用ワイヤの回転中心に芯ズレがある場合
(5) 引き上げ用ワイヤとるつぼの回転中心とに芯ズレがある場合
(6) 真空ポンプの排気が悪くなり、真空チャンバ内の不活性ガス(アルゴンガス)の流れが変化し、引き上げ用ワイヤが揺れ出した場合
【0005】
上記原因のうち、(1)は回転数を変えるしか対策はない。また、(4)(5)(6)の場合は、既に単結晶の引き上げが開始されてしまっていれば、直すことができない。したがって、回転数を落として振れを小さくするしかない。(2)(3)の場合は、るつぼが納まっているチャンバとその上部の引き上げ用チャンバの間のアイソレーションバルブ(支切り弁)を閉め、引き上げ用チャンバを大気圧に戻してワイヤの調整や交換を行なうことにより、作業の続行が可能である。しかし、(2)(3)については、ほとんど結晶引き上げ開始前に判明するので、実際的な原因としては、(1)(4)(5)(6)がほとんどである。
【0006】
従来における上記インゴットの振れ検出方法としては、最も簡単には、作業者が目視にてインゴットの状態を監視する方法が採用されている。この方法では、インゴットに振れが発生したことを確認した場合、作業者はインゴットの回転数を変更するなどの措置をとることでインゴットの振れを無くし、インゴットの曲がりや転位の発生をくい止めていた。そして、やむなく転位などが発生してしまった場合には、引き上げたインゴットの再溶融(メルトバック)による再引き上げを行なっていた。
【0007】
また、特開昭63−170296号には、画素が一列に並んだ一次元CCDカメラを用いて、インゴットとシリコン融液面の接触境界部に発生する高輝度な帯状の輪(メニスカス)を撮影し、インゴット胴部の左右縁部の高輝度部間の距離の変動からインゴットの振れを自動的に検出する方法が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の振れ検知方法によるときは、次のような問題があった。
すなわち、単結晶を引き上げるのに数十時間を要するため、目視による監視の場合、一定の時間間隔をおいた巡回監視にならざるを得ず、インゴットの振れの発生と監視タイミングとが合わなかった場合には、作業者はこれに気づかずに放置することとなり、その間に結晶の曲がりや転位が発生し、歩留りの低下、再溶融と再引き上げによる製造時間のロス、電力などのエネルギーロスを引き起こすことになる。
【0009】
また、目視による監視の場合、作業者の負担が大きくなるとともに、作業者による判断基準がばらつき、標準化しにくい。このような問題を解決するには、人手によらずに連続監視できるようにするとともに、インゴットの振れが発生した場合、これを自動的に検出して知らせることができるようにする必要がある。
【0010】
一方、特開昭63−170296号の検知方法の場合、インゴット胴部の右側縁と左側縁のメニスカス部分が一つの画面中に同時に入るように撮影する必要があるため、インゴットの先端部の胴部全体とその外側のシリコン融液面とを一度に撮影できるように多数の画素を左右方向に一列に並べた専用の1次元CCDカメラが必要となり、装置が高価なものとなる。
【0011】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、インゴットの振れを常時監視し、振れが発生した場合には自動的に検知できるとともに、市販の安価な2次元CCDカメラなどを用いてシステムを構築することができる単結晶インゴットの振れ検知方法とその装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の振れ検出方法は、CZ法を利用した半導体単結晶引き上げ装置における単結晶インゴットの振れ検知方法であって、るつぼ内の単結晶インゴットの一部と、前記単結晶インゴットの一部の近辺の半導体融液面の両方が同一画面内に同時に入る位置に監視エリアを設定し、前記監視エリアを2次元CCDカメラによって撮影し、画像処理装置によって、前記監視エリアの撮影画像を白黒の2値画像に変換した後、該変換した2値画像を用いて監視エリア内の白画素または黒画素のいずれか一方または両方の画素数を計数し、該計数した白画素または黒画素の数の変化から単結晶インゴットの振れを検出する単結晶インゴットの振れ検知方法において、前記画像処理装置に、前記単結晶インゴットの許容振れ範囲に対応した前記白画素または黒画素数mの下限値Lと上限値Hとを比較基準値として予め設定し、前記画像処理装置によって、前記白画素または黒画素数mを前記下限値Lおよび前記上限値Hと比較して、L≦m≦Hの場合には、前記単結晶インゴットに振れが発生していないものと判定し、m<LまたはH<mの場合には振れが発生したものと判定することを特徴としている。
【0013】
このような構成とした場合、監視エリア内の白画素または黒画素の数の変化からインゴットの振れを自動的に検出することができる。このため、作業者による目視監視を不要とすることができる。また、市販の安価な2次元CCDカメラを用いて振れ検知を行なうことができる。
【0014】
また、本発明の振れ検出装置は、CZ法を利用した半導体単結晶引き上げ装置における単結晶インゴットの振れ検知装置であって、るつぼ内の単結晶インゴットの一部と、前記単結晶インゴットの一部の近辺の半導体融液面の両方が同一画面内に同時に入る位置に設定された監視エリアを、撮影する2次元CCDカメラと、前記2次元CCDカメラで撮影した撮影画像を白黒の2値画像に変換し、該変換した2値画像における監視エリア内の白画素または黒画素のいずれか一方または両方の画素数を計数し、該計数した白画素または黒画素の数の変化から単結晶インゴットの振れを検出する画像処理装置とを備えた単結晶インゴットの振れ検知装置において、前記画像処理装置に、前記単結晶インゴットの許容振れ範囲に対応した前記白画素または黒画素数mの下限値Lと上限値Hとを比較基準値として予め設定され、前記画像処理装置が、前記白画素または黒画素数mを前記下限値Lおよび前記上限値Hと比較して、L≦m≦Hの場合には前記単結晶インゴットに振れが発生していないものと判定し、m<LまたはH<mの場合には振れが発生したものと判定することを特徴としている。
【0015】
このような構成とした場合、監視エリア内の白画素または黒画素の数の変化からインゴットの振れを自動的に検出することができる単結晶インゴットの振れ検出装置を得ることができる。また、撮像手段として市販の安価な2次元CCDカメラを用いることができるので、装置のコストを低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1および図2に、本発明の一実施の形態を示す。図1は本発明になるインゴットの振れ検知装置を付設したCZ式シリコン単結晶引き上げ装置の全体構成図、図2は図1中の画像処理装置の回路例を示す図である。
【0017】
図1において、1はCZ式シリコン単結晶引き上げ装置(以下、「単結晶引き上げ装置」と略称)、2は本発明になる単結晶インゴットの振れ検知装置(以下、「振れ検知装置」と略称)、3は種結晶から成長したシリコン単結晶のインゴットである。
【0018】
単結晶引き上げ装置1は、黒鉛製ヒータ(図示せず)などで加熱される石英ガラス製のるつぼ101を備えており、その周囲を真空容器102で囲まれている。この真空容器102の首部上端には、モータや巻き上げドラムなどで構成された結晶回転・昇降機構103が設置されている。結晶成長の核となる種結晶(図示せず)は、この結晶回転・昇降機構103につながれたステンレスやタングステン製のワイヤ104の先端に、シードチャックなどで把持されて吊り下げられており、この結晶回転・昇降機構103によって自在に回転・昇降できるように構成されている。
【0019】
また、るつぼ101は、るつぼ回転・昇降機構105上に設置されており、るつぼ全体を自在に回転・昇降できるように構成されている。真空容器102の肩部には透明な石英ガラス製の覗き窓106が設けられており、この窓部分に、後述する2次元CCDカメラ201がるつぼ101内に向けて設置されている。なお、107は、るつぼ101内の溶融したシリコンの融液面である。
【0020】
振れ検知装置2は、覗き窓106からるつぼ101内を撮影する2次元CCDカメラ201と、単結晶引き上げ時のインゴット3の振れを画像処理によって検知する画像処理装置202と、モニタテレビ203、警報手段としてのブザー204や表示灯205から構成されている。
【0021】
画像処理装置202は、図2にその回路例を示すように、2次元CCDカメラ(撮像手段)201によって撮影された画像を白黒の2値画像に変換する2値画像変換部206と、該変換された2値画像中の予め設定された監視エリア内における黒画素の数を計数する黒画素計数部207と、該計数された黒画素の数が予め設定した比較基準となる画素数範囲から外れた時にインゴット3に振れが発生したものと判定する振れ判定部208と、該振れ判定部208の判定結果に従って振れの発生を示す検知信号を出力する信号出力部209とから構成されている。なお、この画像処理装置202は、パーソナルコンピュータなどを用いてブログラム上でソフトウェア的に構成してもよいし、専用のハードウェア回路によって構成してもよいものである。
【0022】
まず最初に、本発明の振れ検知装置2による振れ検知動作の詳細を説明する前に、単結晶引き上げ装置1の単結晶引き上げ動作について簡単に説明する。
【0023】
原材料となる棒状多結晶シリコンはブロック状に砕かれてるつぼ101内に投入され、図示を略した黒鉛製ヒータなどで加熱することにより溶融される。また、種結晶はワイヤ104の先端に図示を略したシードチャックなどで把持され、るつぼ101内に吊り下げられる。
【0024】
この状態でシリコン単結晶の製造が開始されると、結晶回転・昇降機構103によってワイヤ104が下方へ向かって降ろされ、ワイヤ104の先端に吊り下げられた種結晶の先端がるつぼ101内のシリコン融液面107に浸けられるとともに、結晶回転・昇降機構103とるつぼ回転・昇降機構105は、所定の駆動が開始され、種結晶とるつぼ101は反対方向に向かって所定の速度でゆっくりと回転されながら引き上げが開始される。これによってシード工程が開始され、種結晶の先端から単結晶の成長が始まる。
【0025】
種結晶の先端から単結晶がある程度成長した時点で、単結晶の無転位化を図るために処理はネック工程へ移行し、成長する結晶の径を細く絞りながら引き上げていく。そして、細径で所定の距離引き上げた後、製品となる大径の単結晶を安定に成長させるためのボディ工程へと移行し、大径に成長したインゴット3をゆっくりと引き上げていく。
本発明の振れ検出装置2は、このような単結晶製造工程における単結晶引き上げ時のインゴットの振れを常時監視し、インゴットに振れが発生した場合には自動的に検出して警報を発するようにしたものである。
【0026】
次に、前記振れ検出装置2の動作について、図3および図4を参照して説明する。図3はインゴットの振れを監視するための監視エリアの説明図、図4は監視エリア内のインゴットとシリコン融液面の白黒の2値画像の例を示す図である。
【0027】
上記した単結晶引き上げ動作時に、予め設定しておいた振れ監視のための監視エリア4(図3参照)を含むるつぼ内の一定範囲を覗き窓106から2次元CCDカメラ201によって撮影し、該撮影画像を画像処理装置202に送る。
なお、この実施の形態の場合、監視エリア4は、インゴット3の右側縁部と、この右側縁部近辺のシリコン融液面107とが同一画面内に同時に入るような位置に設定されている。
【0028】
画像処理装置202の2値画像変換部206は、2次元CCDカメラ201から送られてくる撮影画像信号をデジタル信号に変換した後、所定のスレッショルドレベル(しきい値)で白黒の2値画像に変換する。白黒の2値画像に変換された撮影画像は、モニタテレビ203におくられて画面に映し出されるとともに、黒画素計数部207に送られる。
【0029】
黒画素計数部207は、この送られてきた白黒の2値画像中から前記した監視エリア4内に存在する黒画素の数m(インゴット3の面積に相当)を計数し、振れ判定部208に送る。振れ判定部208は、この計数された画素数mが予め設定した比較基準となる画素数の範囲から外れたか否かを監視し、比較基準値から外れた時にインゴット3に振れが発生したものと判定する。
【0030】
すなわち、監視エリア4は、図3に示したようにインゴット3の右側縁部と、この右側縁部近辺のシリコン融液面107とが同一画面内に同時に入るような位置に設定されている。したがって、この監視エリア4の白黒2値画像は、図4(a)〜(c)に示すような画像となって表れる。
【0031】
結晶成長に従って引き上げられていくインゴット3に振れが発生していない場合には、インゴット3は左右に揺れることがないので、監視エリア4内の黒画素の数(インゴット3の面積)はほとんど一定のままで変化しない。
一方、引き上げられていくインゴット3に振れが発生した場合には、インゴット3が左右に揺れるため、監視エリア4内の黒画素の数m(インゴット3の面積に相当)は、図4(a)〜(c)に例示したように、インゴット3の振れに合わせて変化する。しかも、この変化の度合いは、インゴット3の振れの大きさに比例する。
【0032】
そこで、本発明では、振れ判定部208に上記インゴット3の許容振れ範囲に対応した黒画素数の下限値Lと上限値Hとを比較基準値として予め設定しておく。振れ判定部208は、黒画素計数部207から送られてくる前記黒画素数mを、この下限値Lおよび上限値Hと比較する。
そして、黒画素数mが下限値Lと上限値Hの間にある場合(L≦m≦H)には、インゴット3に振れが発生していないものと判定する。また、下限値Lよりも小さい場合(m<L)、または上限値Hよりも大きい場合(H<m)には、インゴット3に振れが発生したものと判定し、その判定結果を信号出力部209に送る。
【0033】
信号出力部209は、振れ判定部208から送られてくる判定結果に従って検知信号を出力し、インゴット3に振れが発生した場合には、例えば、ブザー204を鳴らしたり、表示灯205を点灯したりして警報を発し、作業者に知らせる。また、必要に応じて、この検知信号を単結晶引き上げ装置1の引き上げ制御装置(図示せず)などに送り、結晶回転・昇降機構103やるつぼ回転・昇降機構105の動作を自動制御する。
【0034】
なお、インゴット3の振れが検知された場合における振れ防止対策としては、例えば、作業者が手動で結晶回転・昇降機構103を操作し、インゴット3の回転数を所定の回転数から10rpm程度落としたり、あるいは、前述した引き上げ制御装置などによって結晶回転・昇降機構103を自動操作し、インゴット3の回転数を10rpm程度落とすなどの処理を行なえばよい。自動操作による場合は、作業者がすぐにこれないような作業環境の場合などにおいて特に有効である。
【0035】
また、前記振れ検知装置2の検知信号を用いれば、次のような応用も可能である。すなわち、単結晶引き上げにおいては、引き上げ途中で結晶が単結晶から多結晶に変化し、再度引き上げを行なうような場合には、引き上げたインゴット3を再度溶かし込む再溶融(メルトバック)を行なっている。手動でメルトバックを行なう場合には、メルトバックの状態は作業者が直接目で見ているので分かるが、自動でメルトバックを行なう場合には、完全にメルトバックしたか否かを判定することが難しい。
【0036】
そこで、このような場合には、本発明の振れ検知装置2の検知信号を利用してメルトバルク検知することにより、メルトバックの完了を簡単に知ることができる。
すなわち、本発明の振れ検知装置2では、メルトバック中のインゴットは黒色に変換させて表示し、溶け終わると黒色部がシリコン融液面107と同じ白色に変わり、画面全体が白色になる。したがって、黒画素計数部207の黒画素計数値mが0になったか否かを監視すれば、メルトバックの完了を自動的に知ることができる。
さらに、このようにして得られたメルトバックの完了信号を単結晶引き上げ装置1の引き上げ制御装置に送り、単結晶の再引き上げを自動で再開させることも可能である。
【0037】
以上説明したように、上記実施の形態にかかる振れ検知装置2による場合、インゴット3の振れを自動的に検出することができるので、作業者の目視による監視が不要となり、インゴットの振れの発生時期と監視タイミングとが合わなかったりするようなことがなくなり、作業者は直ちに振れ防止対策をとることができる。
したがって、結晶の曲がりや転位の発生を未然に防ぐことができるとともに、歩留りの低下、再溶融と再引き上げによる製造時間のロス、電力などのエネルギーロスも回避することができる。
【0038】
また、撮像手段としては、特開昭63−170296号の検出方法で用いているような多数の画素を左右方向に一列に並べた専用の1次元CCDカメラが不要となり、市販の安価な2次元CCDカメラを用いることができる。このため、装置の製造コストを低減することができる。
【0039】
なお、上記説明では、インゴット3の部分を黒色に、シリコン融液面107の部分を白色に2値変換した場合を例に採ったが、これとは逆に、インゴット3の部分を白色に、シリコン融液面107の部分を黒色に2値変換しても、白黒が逆になるだけで、上記したと同様にインゴットの振れを検出することができる。また、監視エリア4をインゴット3の右側縁部(図3参照)に設定した場合を例に採ったが、反対側の左側縁部に設定しても同様に検知することができる。
【0040】
また、単結晶引き上げ装置1の覗き窓106に設置した2次元CCDカメラ201を取り外し可能にし、モニタテレビ203を含む振れ検出装置2全体を移動自在な運搬用台車などに載せて可搬型装置とすれば、振れ検知装置が付設されていない他の単結晶引き上げ装置にも共用することができる。さらに、本発明の振れ検知装置2は、単結晶引き上げ時のシリコン融液面107の揺らぎの数値化、各種液体の液面の揺らぎの検出などにも応用することが可能である。
【0041】
また、前述した実施の形態では、監視エリア4内の黒色部分(インゴット3部分)の画素数を計数するようにしたが、図5に示すように、白色部分(シリコン融液面107部分)の画素数を計数してもよいものである。
【0042】
また、2次元CCDカメラ201で撮影する監視エリア4の場所を、図6(a)に示すようにインゴット3の左側縁部や、図6(b)に示すようにインゴット3の前面中央下部としてもよいものである。
【0043】
また、図7に示すように、インゴット3とシリコン融液面107だけでなく、さらにその近辺の炉内固定物(例えば、輻射シールド)5の部分も同時に入れて撮影し、この画像中の白色部分と黒色分の画素数を数えてもよいものである。
【0044】
また、図8(a)(b)に示すように、監視エリア4内に白色部分(シリコン融液面107部分)または黒色部分(インゴット3部分)のみが入るようにして撮影し、白色部分のみを写した画像(図8(a))の時は、インゴット3の振れによって表れる黒色画素の数を計数し、黒色部分のみを写した画像(図8(b))の時は、インゴット3の振れによって表れる白色画素の数を計数するようにしてもよいものである。
【0045】
また、図9(a)(b)に示すように、白色部分または黒色部分の画素数の変化の平均値を演算し、その平均値を基準として指定の変動量を超えた時に、インゴットの振れの発生として判定するようにしてもよい。
すなわち、図9(a)における白色部分の画素数をj、図9(b)における白色部分の画素数をkとすると、{(j+k)/2−j}または{(j+k)/2−k}の値によってインゴットの振れの有無を判定する。この方法による場合、引き上げ途中でインゴット3の直径が変わっても、振れを検知することが可能である。また、この方法は、インゴット3の直胴部分はもちろんのこと、インゴット3の肩口やテール部分でも振れを検知することができる。
【0046】
また、2次元CCDカメラ201を2台用意し、図10(a)(b)に示すように、一方のカメラでインゴット3の右側縁部を、また他方のカメラでインゴット3の左側縁部を撮影し、この左右の監視エリア4におけるそれぞれの白色部分または黒色部分の画素数を計数し、インゴット3に振れがない時に両者の画素数が等しくなるように、お互いの監視エリア4の位置を調整しておき、両者の画素数の差が基準値を超えた時に振れの発生として判定してもよいものである。
この方法の場合、前述した図9(a)(b)の場合と同様に、引き上げ途中でインゴット3の直径が変わっても、振れを検知することが可能である。また、インゴット3の直胴部分はもちろんのこと、インゴット3の肩口やテール部分でも振れを検知することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の振れ検知方法と装置によれば、以下のような優れた効果を奏することができる。
(1) CZ法を利用した半導体単結晶装置の単結晶引上げ工程におけるインゴットの振れを常時監視して自動検知することが可能となり、さらにその振れ幅を数値化することが可能となるので、作業者により判断基準がばらつく現象を解消することができる。
(2) 目視による監視が不要となり、省人化が可能となる。
【0048】
(3) インゴット振れの発生を検知することにより、タイミング良く手動介入または自動介入が可能になり、結晶の曲がりや転位が発生して結晶品質や歩留りが低下することを防止でき、さらに、再溶融と再引き上げによる製造時間のロス、電力などのエネルギーロスを防止することができる。
(4) インゴット振れの発生を検知することにより、タイミング良く手動介入または自動介入が可能になり、インゴットが振れルツボに接触し、ルツボを破損して中のシリコン融液が漏れ出したり、インゴットが落下する事故を未然に防止することができ、操業の安全性を高めることができる。
(5) インゴットの右側縁部や左側縁部など、インゴットの一部分のみを2次元撮影するだけでよいので、撮像手段の画素数が少なくて済み、市販の安価な2次元CCDカメラを用いることが可能となる。このため装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる単結晶インゴットの振れ検知装置を付設したCZ式シリコン単結晶引き上げ装置の全体構成図である。
【図2】図1中の画像処理装置の回路例を示す図である。
【図3】振れ検知のための監視エリアの説明図である。
【図4】(a)〜(c)は監視エリア内のインゴットとシリコン融液面の白黒の2値画像の例を示す図である。
【図5】監視エリアの第2の設定例と振れ判別法を示す図である。
【図6】(a)は監視エリアの第3の設定例と振れ判別法を示す図、(b)は監視エリアの第4の設定例と振れ判別法を示す図である。
【図7】監視エリアの第5の設定例と振れ判別法を示す図である。
【図8】(a)は監視エリアの第6の設定例と振れ判別法を示す図、(b)は監視エリアの第7の設定例と振れ判別法を示す図である。
【図9】(a)(b)は監視エリアの第8の設定例と振れ判別法を示す図である。
【図10】(a)(b)は監視エリアの第9の設定例と振れ判別法を示す図である。
【符号の説明】
1 CZ式シリコン単結晶引き上げ装置
2 振れ検知装置
3 単結晶インゴット
4 監視エリア
5 炉内固定物
101 るつぼ
102 真空容器
103 結晶回転・昇降機構
104 ワイヤ
105 るつぼ回転・昇降機構
106 覗き窓
107 シリコン融液面
201 2次元CCDカメラ(撮像手段)
202 画像処理装置
203 モニタテレビ
204 ブザー
205 表示灯
206 2値画像変換部
207 黒画素計数部
208 振れ判定部
209 信号出力部

Claims (2)

  1. CZ法を利用した半導体単結晶引き上げ装置における単結晶インゴットの振れ検知方法であって、
    るつぼ内の単結晶インゴットの一部と、前記単結晶インゴットの一部の近辺の半導体融液面の両方が同一画面内に同時に入る位置に監視エリアを設定し、
    前記監視エリアを2次元CCDカメラによって撮影し、
    画像処理装置によって、前記監視エリアの撮影画像を白黒の2値画像に変換した後、該変換した2値画像を用いて監視エリア内の白画素または黒画素のいずれか一方または両方の画素数を計数し、該計数した白画素または黒画素の数の変化から単結晶インゴットの振れを検出する単結晶インゴットの振れ検知方法において、
    前記画像処理装置に、前記単結晶インゴットの許容振れ範囲に対応した前記白画素または黒画素数mの下限値Lと上限値Hとを比較基準値として予め設定し、
    前記画像処理装置によって、前記白画素または黒画素数mを前記下限値Lおよび前記上限値Hと比較して、L≦m≦Hの場合には、前記単結晶インゴットに振れが発生していないものと判定し、m<LまたはH<mの場合には振れが発生したものと判定することを特徴とする単結晶インゴットの振れ検知方法。
  2. CZ法を利用した半導体単結晶引き上げ装置における単結晶インゴットの振れ検知装置であって、
    るつぼ内の単結晶インゴットの一部と、前記単結晶インゴットの一部の近辺の半導体融液面の両方が同一画面内に同時に入る位置に設定された監視エリアを、撮影する2次元CCDカメラと、
    前記2次元CCDカメラで撮影した撮影画像を白黒の2値画像に変換し、該変換した2値画像における監視エリア内の白画素または黒画素のいずれか一方または両方の画素数を計数し、該計数した白画素または黒画素の数の変化から単結晶インゴットの振れを検出する画像処理装置とを備えた単結晶インゴットの振れ検知装置において、
    前記画像処理装置に、前記単結晶インゴットの許容振れ範囲に対応した前記白画素または黒画素数mの下限値Lと上限値Hとを比較基準値として予め設定され、
    前記画像処理装置が、前記白画素または黒画素数mを前記下限値Lおよび前記上限値Hと比較して、L≦m≦Hの場合には前記単結晶インゴットに振れが発生していないものと判定し、m<LまたはH<mの場合には振れが発生したものと判定することを特徴とする単結晶インゴットの振れ検知装置。
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