JP4151572B2 - トランジスタ対の特性差測定装置および特性差測定方法 - Google Patents
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Description
測定した2つの出力電圧には、上記トランジスタ対の特性の違いが差分量として含まれる一方、種々の測定誤差要因が同等に含まれている。従って、これら出力電圧の差分に基づいて、種々の測定誤差要因をキャンセルしながら高精度且つ安定に特性差(ミスマッチ)を測定することができる。
以下、本発明の第1の実施形態について図1および図2を参照しながら説明する。
図1は、MOS製造プロセスのプロセスパラメータ特にトランジスタ対のミスマッチ(特性差に相当)を測定するために用いられるミスマッチ測定回路である。ここでいうミスマッチとは、トランジスタ対のゲート・ソース間電圧VGSの差ΔVGSをいう。このミスマッチ測定回路1は、半導体ウェーハのチップ間に設けられる約100μm幅のスクライブ線の部分に、MOS製造プロセスによって作られるダイシングラインTEG(Test Element Group)に組み込まれるものである。
ウェーハの検査工程においては、ICテスタ等を用いて各チップの電気的特性や性能が測定される。このウェーハの検査工程あるいはその前の段階で、ダイシングラインTEGに搭載されたミスマッチ測定回路1についての測定が、以下の手順によって行われる。
ΔVGS=(VOUT1−VOUT2)/2 …(1)
Id=β・(VGS−Vth)2 …(2)
β=(1/2)・μ・COX・W/L …(3)
μ:移動度、COX:ゲート容量、W:ゲート幅、L:ゲート長
これをVGSについて解くと(4)式が得られる。
VGS=(Id/β)1/2+Vth …(4)
ΔVGS=VGS1−VGS2
=(Id/β1)1/2−(Id/β2)1/2+ΔVth …(5)
ΔVth=Vth1−Vth2 …(6)
次に、本発明の第2の実施形態について図3ないし図5を参照しながら説明する。
本実施形態は、複数のトランジスタ対のミスマッチを測定するためにダイシングラインTEGに組み込まれたミスマッチ測定回路16に係るもので、図3は、その全体的な電気的構成を示している。また、図4、図5は、それぞれ図3に示す回路ブロック17、18の具体的な回路構成を示している。これら図3ないし図5において、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
まず、電源線4、5間(図5参照)に適当な電源電圧VDDを印加するとともに、信号入力端子7に適当な電圧VINを印加する。続いて、選択信号SEL1、SEL2をともにLレベルとし、第1の回路ブロック17をアナログスイッチ10〜13および回路ブロック18に電気的に接続する。この場合、他の回路ブロック18は電気的に切り離される。その後、第1の実施形態と同様に、切替信号VPTをLレベル、切替信号VPTNをHレベルに設定して出力電圧VOUT1を測定し、さらに切替信号VPTをHレベル、切替信号VPTNをLレベルに設定して出力電圧VOUT2を測定する。
次に、本発明の第3の実施形態について図6を参照しながら説明する。
本実施形態は、ミスマッチの測定対象であるトランジスタ対を差動増幅回路の負荷トランジスタ対として組み入れたミスマッチ測定回路であって、図6に示す回路構成となっている。この図6において、図1と同一部分には同一符号を付して構成説明を省略する。
まず、電源線4、5間に適当な電源電圧VDDを印加するとともに、信号入力端子7に適当な電圧VINを印加する。続いて、切替信号VPTをLレベル(0V)、切替信号VPTNをHレベル(VDD)に設定すると、トランジスタQ29、Q32、Q34からなる第1のスイッチ群が全てオンとなり、トランジスタQ30、Q31、Q33からなる第2のスイッチ群が全てオフとなる。このとき、トランジスタQ1とQ3のドレイン同士、トランジスタQ2とQ4のドレイン同士が接続され、トランジスタQ4のゲート・ドレイン間が接続される。この第1の接続状態で、出力電圧VOUT1を測定する。
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
ミスマッチ測定回路1、16、23は、ダイシングラインTEG以外の種類のTEGに設けてもよく、オペアンプやコンパレータに付随してICチップ内に設けてもよい。ICチップ内に設けた場合、ミスマッチの測定結果に応じて、ミスマッチに起因する誤差を補償する回路を設けてもよい。
第2の実施形態と同様に、第3の実施形態に対してもデコーダ19(選択手段)を設け、複数の負荷トランジスタ対を順次切り替えながら各トランジスタ対のミスマッチを測定できるように構成してもよい。
Claims (10)
- トランジスタ対を構成するトランジスタ同士のゲート・ソース間電圧の差の測定対象である当該トランジスタ対を、信号入力端子から入力信号が与えられる差動入力トランジスタ対として使用し、この差動入力トランジスタ対と電源線との間に負荷トランジスタ対を設けて構成される差動増幅回路であって、
この差動増幅回路において、前記負荷トランジスタおよび前記信号入力端子に対する接続状態を前記差動入力トランジスタ同士で入れ替える切替回路を備え、
前記差動増幅回路の出力電圧を測定可能に構成され、
前記切替回路による接続状態の入れ替え前後の前記出力電圧の差分により前記ゲート・ソース間電圧の差を求めることを特徴とするトランジスタ対の特性差測定装置。 - 前記切替回路は、
第1の差動入力トランジスタと第1、第2の負荷トランジスタとの間にそれぞれ設けられた第1、第2のスイッチ回路と、
第2の差動入力トランジスタと第1、第2の負荷トランジスタとの間にそれぞれ設けられた第3、第4のスイッチ回路と、
第1の差動入力トランジスタと第1、第2の信号入力端子との間にそれぞれ設けられた第5、第6のスイッチ回路と、
第2の差動入力トランジスタと第1、第2の信号入力端子との間にそれぞれ設けられた第7、第8のスイッチ回路と、
前記第1、第4、第6、第7のスイッチ回路が同一のオンオフ状態であり、前記第2、第3、第5、第8のスイッチ回路が同一のオンオフ状態であり、これら両スイッチ群のオンオフ状態が相反した動作となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のトランジスタ対の特性差測定装置。 - 前記差動増幅回路は、
複数の差動入力トランジスタ対と、
共通に用いられる1つの負荷トランジスタ対と、
共通に用いられる1つの切替回路と、
前記複数の差動入力トランジスタ対から1つを選択して前記負荷トランジスタ対と前記切替回路に接続する選択回路とから構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のトランジスタ対の特性差測定装置。 - 信号入力端子から入力信号が与えられる差動入力トランジスタ対を備え、トランジスタ同士のゲート・ソース間電圧の差の測定対象であるトランジスタ対を、前記差動入力トランジスタ対と電源線との間に設けられた負荷トランジスタ対として使用した差動増幅回路であって、
この差動増幅回路において、前記差動入力トランジスタに対する接続状態を前記負荷トランジスタ同士で入れ替える切替回路を備え、
前記差動増幅回路の出力電圧を測定可能に構成され、
前記切替回路による接続状態の入れ替え前後の前記出力電圧の差分により前記ゲート・ソース間電圧の差を求めることを特徴とするトランジスタ対の特性差測定装置。 - 前記切替回路は、
第1の負荷トランジスタと第1、第2の差動入力トランジスタとの間にそれぞれ設けられた第1、第2のスイッチ回路と、
第2の負荷トランジスタと第1、第2の差動入力トランジスタとの間にそれぞれ設けられた第3、第4のスイッチ回路と、
第1の負荷トランジスタのゲート・ドレイン間に設けられた第5のスイッチ回路と、
第2の負荷トランジスタのゲート・ドレイン間に設けられた第6のスイッチ回路とを備えており、
前記第1、第4、第6のスイッチ回路が同一のオンオフ状態であり、前記第2、第3、第5のスイッチ回路が同一のオンオフ状態であり、これら両スイッチ群のオンオフ状態が相反した動作となるように構成されていることを特徴とする請求項4記載のトランジスタ対の特性差測定装置。 - 前記差動増幅回路は、
複数の負荷トランジスタ対と、
共通に用いられる1つの差動入力トランジスタ対と、
共通に用いられる1つの切替回路と、
前記複数の負荷トランジスタ対から1つを選択して前記差動入力トランジスタ対と前記切替回路に接続する選択回路とから構成されていることを特徴とする請求項4または5記載のトランジスタ対の特性差測定装置。 - 前記差動増幅回路の後段に出力増幅回路を設けて構成した演算増幅回路において、前記信号入力端子を当該演算増幅回路の信号入力端子とし、当該演算増幅回路の出力電圧を測定可能に構成し、前記切替回路による接続状態の入れ替え前後の当該演算増幅回路の出力電圧の差分により前記ゲート・ソース間電圧の差を求めることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のトランジスタ対の特性差測定装置。
- 前記演算増幅回路の出力電圧が第2の信号入力端子に与えられ、外部電圧が第1の信号入力端子に与えられるように構成されていることを特徴とする請求項7記載のトランジスタ対の特性差測定装置。
- トランジスタ対を構成するトランジスタ同士のゲート・ソース間電圧の差の測定対象である当該トランジスタ対を、信号入力端子から入力信号が与えられる差動入力トランジスタ対として使用し、この差動入力トランジスタ対と電源線との間に負荷トランジスタ対を設けて構成される差動増幅回路に対し、
前記負荷トランジスタおよび前記信号入力端子に対する接続状態を差動入力トランジスタ同士で入れ替え、各接続状態における差動増幅回路の出力電圧を測定し、その測定した出力電圧の差分に基づいて前記ゲート・ソース間電圧の差を測定することを特徴とするトランジスタ対の特性差測定方法。 - 信号入力端子から入力信号が与えられる差動入力トランジスタ対を備え、トランジスタ同士のゲート・ソース間電圧の差の測定対象であるトランジスタ対を、前記差動入力トランジスタ対と電源線との間に設けられた負荷トランジスタ対として使用した差動増幅回路に対し、
前記差動入力トランジスタに対する接続状態を前記負荷トランジスタ同士で入れ替え、各接続状態における差動増幅回路の出力電圧を測定し、その測定した出力電圧の差分に基づいて前記ゲート・ソース間電圧の差を測定することを特徴とするトランジスタ対の特性差測定方法。
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