JP4150893B2 - 鉄道車両用転落防止柵 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道車両用転落防止柵に関するもので、更に詳細には、例えば、鉄道車両の乗降口の扉が故障により閉まらなくなった際に、車内から人が転落するのを防止する鉄道車両用転落防止柵に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道車両の乗降口の扉が故障で閉まらなくなった場合、鉄道車両を停車させて修理するのが一般的である。しかし、運行中に何等かの原因で乗降口の扉が閉まらなくなった場合で、修理に長時間を要する場合等は、運行に支障をきたすので、従来では、縦手摺の間にロープ等をたすき状に緊縛して乗降口を遮断することにより、車内の乗客に危険性を示して、車内から過って転落するのを防止していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように乗降口の縦手摺にロープ等を緊縛して乗降口を遮断する方法では、ロープの緊縛に手間を要すると共に、縦手摺とロープ等との固定が確実でなく、ロープ等が下方にずれ落ちてしまうため、車内から過って乗客が転落する危険性が生じるという問題があった。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、乗降口への取付を容易にすると共に、強固にし、また、不使用時にはコンパクトにして収納スペースを小さくできるようにした鉄道車両用転落防止柵を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明の鉄道車両用防止柵は、鉄道車両の乗降口の扉が閉まらなくなった際に使用する転落防止柵であって、 上記乗降口の両側付近に設けられた縦手摺の間に水平方向に架設される転落防止手摺パイプと、 上記転落防止手摺パイプの一端に、回動可能に連結され、上記縦手摺の一方を着脱可能に掴持するバックル部と、 上記転落防止手摺パイプの他端に装着され、上記縦手摺の他方に着脱可能に係着されるフック部と、 上記転落防止用手摺パイプに巻装可能に吊持され、危険であることを表示した垂れ幕と、 上記垂れ幕の下端部の両端と上記両縦手摺とを繋着する索条と、を具備してなることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
この発明において、上記転落防止用手摺パイプは、架設する縦手摺間の距離が一定である場合には、その距離に適合した長さを有する1本のパイプであっても差し支えないが、好ましくは、上記転落防止用手摺パイプを、一端にバックル部を回動可能に連結する大径パイプ部材と、この大径パイプ部材に摺動可能に嵌挿され、大径パイプ部材から突出する先端部にフック部を装着する小径パイプ部材と、上記大径パイプ部材と小径パイプ部材とに連結され、小径パイプ部材を常時大径パイプ部材側に収縮させる弾性力を付勢するばね部材とで構成する方がよい(請求項2)。この場合、上記小径パイプ部材におけるフック部側近傍に弾性を有する筒状グリップを嵌挿しておく方が好ましい(請求項3)。
【0007】
また、上記バックル部における縦手摺を掴持する面に、滑り止め用部材を設ける方が好ましい(請求項4)。
【0008】
更に、上記バックル部の回動部は、垂直方向に回動自在な垂直ヒンジと、水平方向に回動自在な水平ヒンジとを具備する方が好ましい(請求項5)。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、転落防止手摺パイプの一端に回動可能に連結されるバックル部で、縦手摺の一方に着脱可能に掴持すると共に、転落防止手摺パイプの他端に装着されるフック部で、縦手摺の他方に着脱可能に係着することで、乗降口の縦手摺に転落防止手摺パイプを強固に取り付けることができる。
【0010】
また、転落防止用手摺パイプに、危険であることを表示した垂れ幕を巻装可能に吊持することにより、使用時には、垂れ幕を展開して乗客に危険性を示すことができ、また、不使用時には、垂れ幕を転落防止手摺パイプに巻装することができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明によれば、転落防止手摺パイプを大径パイプ部材と小径パイプ部材とを常時収縮させる弾性力を付勢するばね部材とで摺動可能に連結するので、乗降口の縦手摺間の距離に応じて転落防止手摺パイプの長さを変えて架設することができる。また、常時収縮させる弾性力が付勢するので、転落防止手摺パイプを短い状態で収納することができる。この場合、小径パイプ部材におけるフック部側近傍に弾性を有する筒状グリップを嵌挿することにより、筒状グリップを把持して転落防止手摺パイプの伸縮動作を行うことができる(請求項3)。
【0012】
また、請求項4記載の発明によれば、滑り止め用部材によってバックル部と縦手摺との摩擦抵抗を増大することができるので、バックル部を縦手摺に強固に掴持することができる。
【0013】
また、請求項5記載の発明によれば、転落防止用手摺パイプのバックル部を乗降口の一方の縦手摺に掴持した後、フック部を他方の縦手摺に容易に係着することができる。また、バックル部を縦手摺に掴持した状態で、転落防止手摺パイプを開閉可能にすることも可能である。
【0014】
【発明の実施形態】
以下に、この発明に係る鉄道車両用転落防止柵について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、この発明に係る鉄道車両用転落防止柵の使用状態を示す概略側面図、図2は、鉄道車両用転落防止柵の全体を示す側面図(a)及び平面図(b)である。
【0016】
上記鉄道車両用転落防止柵F(以下に転落防止柵Fという)は、図1に示すように、鉄道車両の乗降口Gの両側付近に設けられた縦手摺Hの間に架設される転落防止手摺パイプ1と、この転落防止手摺パイプ1の一端に、ヒンジ部材8を介して回動可能に連結されると共に、縦手摺Hの一方を着脱可能に掴持するバックル部2と、転落防止手摺パイプ1の他端に装着されて、縦手摺Hの他方に着脱可能に係着されるフック部3と、転落防止手摺パイプ1に巻装可能に吊持されて、危険であることを表示した垂れ幕4と、垂れ幕4の下端部の両側と両縦手摺Hとを繋着する索条44とで主に構成されている。なお、縦手摺Hは、図1に示すように、鉄道車両の乗降口Gの両側付近に対峙するように設置されて、乗客等が掴まり易いように形成されている。
【0017】
上記転落防止手摺パイプ1(以下に手摺パイプ1という)は、図1及び図2に示すように、一端にバックル部2を回動可能に連結する大径パイプ部材10と、この大径パイプ部材10に摺動可能に嵌挿され、大径パイプ部材10から突出する先端部にフック部3を装着する小径パイプ部材11と、大径パイプ部材10の内部に内装されて小径パイプ部材11に連結される例えばコイルばね等の連結用ばね部材12とで構成されている。
【0018】
上記大径パイプ部材10の基端部には、図2ないし図4に示すように、この大径パイプ部材10の外周面に沿って延在し、後述するヒンジ部材8の垂直ヒンジ部81を挟持すべく対峙する一対の挟持片16aが形成されている。なお、この場合、両挟持片16aの中央部には、貫通孔16bが穿設されており、これら貫通孔16bと垂直ヒンジ部81に穿設された連結孔82(図3(b)及び図4(b)参照)に後述する第2の連結用ボルト93が貫通されている。
【0019】
また、上記大径パイプ部材10の基端部の内方には、図2(a)及び(b)に示すように、連結用ばね部材12を連結するばね取付孔18aを有するばね取付部18が形成されている。
【0020】
上記小径パイプ部材11は、図1及び図2に示すように、上記大径パイプ部材10内に摺動可能に嵌挿されており、この小径パイプ部材11の先端部に、後述するフック部3が例えば溶接等の固定手段によって取り付けられている。また、小径パイプ部材11の他端すなわち大径パイプ部材10内側端部には、連結用ばね部材12を連結するばね取付孔19aを有するばね取付部19が形成されてる。
【0021】
この場合、小径パイプ部材11のフック部3の近傍には、弾性を有する例えばゴムグリップ等の鍔付きの筒状グリップ13が、小径パイプ本体15を嵌挿した状態で装着されている。
【0022】
上記連結用ばね部材12は、図2に示すように、例えばコイルばね等によって形成されており、両端が大径パイプ部材10及び小径パイプ部材11のばね取付部18,19のばね取付孔18a,19aに係止されて大径パイプ部材10と小径パイプ部材11に連結されている。そして、小径パイプ部材11を常時大径パイプ部材10側に収縮させる弾性力を付勢している。
【0023】
このように構成することにより、大径パイプ部材10の内部に小径パイプ部材11を嵌挿すると共に、大径パイプ部材10と小径パイプ部材11とを連結用ばね部材12によって連結することによって、大径パイプ部材10と小径パイプ部材11とを常に収縮した状態に保つことができ、手摺パイプ1をコンパクトにして手摺パイプ1の収納スペースを小さくすることができる。また、小径パイプ部材11におけるフック部3の近傍位置にゴムグリップ等の鍔付きの筒状グリップ13を装着(嵌挿)することによって、筒状グリップ13を握って転落防止手摺パイプ1の伸縮作業を容易に行うことができる。また、筒状クリップ13を設けることによって、フック部3を縦手摺Hから取り外した後に、小径パイプ部材11が収縮する際に、手が挟まれるのを防止することができる。
【0024】
上記バックル部2は、図1及び図2に示すように、乗降口Gの縦手摺Hを掴持する掴持部材5と、掴持部材5をロックする止め具6と、掴持部材5に対して水平方向に回動可能に連結されると共に、上記大径パイプ部材10に対して垂直方向に回動可能に連結されるヒンジ部材8とで構成されている。
【0025】
この場合、掴持部材5は、図2、図3及び図4に示すように、略四角筒状に形成され、上下端面に蓋部材50aを固着してなるバックル基部50と、このバックル基部50の外方側面から外方に向かって湾曲状に突設されると共に、先端部とバックル基部50との間に開口部53を有し、かつ、常時外方に向かって延びる弾性力が付勢する板ばね部材にて形成される掴持体54とで構成されている。この掴持体54の内面には、図3及び図4に示すように、掴持体54の内面に沿って例えば発泡ゴム等にて形成される滑り止め用部材56が接着剤等(図示せず)によって接着されている。
【0026】
止め具6は、図2、図3及び図4に示すように、バックル基部50の一側の取付面51に固定される取付部材60と、この取付部材60に揺動可能に枢着される操作レバー61と、この操作レバー61に一端が回動自在に連結される略C字状の係止部材62aと、掴持体54の先端側面に止着されて係止部材62aを係脱可能に係合(係止)する係止受部材62bと、係止部材62aと係止受部材62bとの係止状態をロックする補助ロック機構7とで構成されている。この場合、止め具6は、バックル基部50の取付面51に2個取り付けられている。
【0027】
上記取付部材60は、図5に示すように、バックル基部50の取付面51に予め設けられた固定用ねじ孔(図示せず)に例えば六角穴付きボルト90を締結して固定される固定基部63と、この固定基部63の一端両辺から対峙するように垂直に折曲し、先端付近に通孔(図示せず)を有するブラケット64と、固定基部63の一側片の略中央のから固定基部63に対して垂直に折曲されると共に、上端部が固定基部63の内方に向かって下り勾配に折曲される補助ロック機構7の一部を構成するロック受部63aとで構成されている。
【0028】
また、上記操作レバー61は、図3、図4及び図5に示すように、止め具6のロック時に取付部材60の上部に位置する可動基部65と、この可動基部65の自由端から外方に傾斜状に延在する操作片65aと、可動基部65の両側辺から取付部材60のブラケット64と平行になるように折曲して対峙する連結片66,67とを一体に形成しており、連結片66,67とブラケット64を貫通する枢支ピン91を中心として揺動可能に枢着されている。なお、対峙した連結片66,67の間に、取付部材60に形成されたロック受部63aに係脱可能な補助ロック機構7が形成されている。この場合、可動基部65の取付部材60側の端部は、枢支ピン91を被うように湾曲した形状に形成されている。
【0029】
また、両連結片66,67の中央部から若干先端側にずれた位置に、係止部材62aの両端を枢着する枢着孔(図示せず)が形成されている。更に、一方の連結片66には、後述する補助ロック機構7の補助ロック基部70を摺動可能に貫挿する切欠き孔68が形成され、他方の連結片67には、後述する補助ロック機構7の2本の脚片72が摺動可能に貫挿する2つの透孔69が形成されている。
【0030】
上記係止部材62aは、図5に示すように、例えば線状部材によって略C字状に形成され、C字状の開口端部が操作レバー61の枢着孔に枢着されて操作レバー61に回動可能に連結されている。なお、この場合、係止部材62aは、略中央部から外方にかけて、掴持体54側に向かって若干下り勾配に傾斜して形成されている。
【0031】
上記補助ロック機構7は、図5(a)に示すように、操作レバー61の両連結片66,67間に摺動可能に配設される可動ロック基部70に設けられたロック爪73と、取付部材60に設けられたロック受部63aとを着脱可能にする構造となっている。この場合、可動ロック基部70は、一方の連結片66に設けられた切欠き孔68内に摺動可能に貫挿されており、この可動ロック基部70の内方側の端部から突設された互いに平行な一対の脚片72が圧縮ばね74を介在して他方の連結片67に設けられた透孔69内に摺動可能に貫挿されている。また、連結片66の外方に突出する可動ロック基部70の先端には、略L字状に折曲されたロック解除片71が形成されている。
【0032】
上記のように構成される補助ロック機構7によれば、上記止め具6の係止部材62aと係止受部材62bとが係合(係止)した状態で、圧縮ばね74の弾性力(弾発力)の付勢によってロック爪73がロック受部63aに係合してロック状態を維持することができる。ロック状態を解除する場合は、ロック解除片71を圧縮ばね74の弾性力(弾発力)に抗して可動ロック基部70を内方へ押圧してロック爪73とロック受部63aとの係合(係止)を解けばよい。
【0033】
上記のように構成されるバックル部2を鉄道車両の乗降口Gに設置された縦手摺Hに固定するには、まず、止め具6の取付部材60と操作レバー61のロックを解除し、係止部材62aと掴持体54に設けられた係止受部材62bとの係合を解いて、掴持体54の開口部53を大きく開いた状態にする(図4参照)。この状態で、掴持体54を縦手摺H側に移動して掴持体54の内方に縦手摺Hを収容し、係止受部材62bに係止部材62aを係合(係止)させる。
【0034】
次に、操作レバー61に形成された操作片65aを押圧し、係止部材62aで係止受部材62bをバックル基部50側へ引張ると共に、掴持体54の内面と縦手摺Hとを圧接する。更に、操作片65aを押圧し操作レバー61を取付部材60上方の固定位置へ回動させることにより、縦手摺Hに対する掴持体54の掴持状態が強固にして縦手摺Hにバックル部2を固定することができる(図3参照)。
【0035】
この場合、操作レバー61を取付部材60上方の固定位置に回動させると共に、取付部材60のロック受部63aと補助ロック機構7のロック爪73とを係合することにより、取付部材60と操作レバー61とがロックされる。
【0036】
また、縦手摺Hからバックル部2を取り外す場合は、まず、補助ロック機構7のロック解除部71を押圧することにより、ロック爪73とロック受部63aとの係合を解く。この状態で、操作レバー61が取付部材60に対して回動可能になり、操作片65aを上方に引き上げることによって、操作レバー61が回動すると共に、係止部材62aと係止受部材62bとの係合が解かれ、掴持体54の開口部53が開くので、縦手摺Hからバックル部2を取り外すことができる。
【0037】
一方、上記ヒンジ部材8は、図2、図3及び図4に示すように、円筒状に形成され、バックル基部50に水平方向に回動可能に連結される水平ヒンジ部80と、この水平ヒンジ部80の上部側面から水平方向に突設され、大径パイプ部材10に垂直方向に回動可能に連結される垂直ヒンジ部81とで形成される。
【0038】
この場合、水平ヒンジ部80は、水平ヒンジ部80の円筒中空部内に上方から第1の連結用ボルト92を挿入し、バックル基部50の上端の蓋部材50aに穿設された連結孔52を貫通し、上端面の内方に設けられた連結用ナット57に螺着することで、ヒンジ部材8と掴持部材5とが水平方向に回動可能に連結される。また、垂直ヒンジ部81は、大径パイプ部材10に形成された対峙する挟持片16aに垂直ヒンジ部81に設けられた連結用孔82と挟持片16aに設けられた貫通孔16bとを連通した状態で挟持して、これら挟持片16aと垂直ヒンジ部81に第2の連結用ボルト93を貫通すると共に、連結ボルト93に連結用ナット94を螺着するとによってヒンジ部材8と大径パイプ部材10が垂直方向に回動可能に連結されている。
【0039】
このように構成することにより、バックル部2を縦手摺Hに取り付けた状態において、ヒンジ部材8の水平ヒンジ部80とバックル基部50とが水平方向に回動すると共に、垂直ヒンジ部81と大径パイプ部材10とが垂直方向に回動するので、バックル部2に対して転落防止手摺パイプ1を自由に回動することができる。
【0040】
一方、上記フック部3は、図2及び図6に示すように、小径パイプ部材11の先端に直交するように形成されるフック基部30と、このフック基部30の先端から長手方向の外方に向かって延在し、先端付近がフック基部30に向かって湾曲すると共に、フック基部30と先端部との間に開口部31を有するフック状の係着部32と、フック部30に揺動可能に通着され、弾性力(弾発力)の付勢によって常時開口部31を閉じる抜け止め部材36とで構成されている。
【0041】
この場合、フック基部30の上端及び下端には、図6(a)、(b)に示すように、抜け止め部材36を取リ付けるための第1及び第2の枢着孔33,34が穿設されている。なお、この場合、第1及び第2の枢着孔33,34は偏心した状態で形成されている。
【0042】
また、抜け止め部材36は、例えば線状部材によって一部が断絶された矩形状に折曲されており、上端側に垂下する第1の枢着部37が第1の枢着孔33内に回動自在に枢着され、下端側に起立する第2の枢着部38が第2の枢着孔34内に回動自在に枢着されている。
【0043】
このように構成することにより、抜け止め部材36の第1及び第2の枢着部37,38が偏心した状態に形成され枢着されているため、抜け止め部材36は2つの回動中心を支点として回動することによってねじれ作用が生じ、このねじれ作用に伴ってばね力が生じる。これにより、抜け止め部材36は、常時開口部31を閉じる方向に弾性力が付勢される。
【0044】
なお、上記係着部32の内面には、縦手摺Hと係着部32との係着を確実にするために、係着部32の内面に沿って例えば発泡ゴム等の滑り止め用部材35が接着剤等によって接着されている(図6(b)参照)。
【0045】
このように構成されたフック部3を縦手摺Hに係着するには、まず、一方の縦手摺Hにバックル部2を固定する。次に、この状態で、小径パイプ部材11に装着された筒状クリップ13を掴み、大径パイプ部材10と小径パイプ部材11とを連結している連結用ばね部材12の弾性力(弾発力)に反して小径パイプ部材11を他方の縦手摺H側に引張ると共に、縦手摺Hにフック部3の抜け止め部材36を押圧することによって、抜け止め部材36がねじり作用によるばね力に抗して回動し、フック部3の開口部31内に縦手摺Hを挿入することができる。この状態で、小径パイプ部材11への引張り力を解除することによって、縦手摺Hが係着部32の内面に接着された滑り止め用部材35に圧接されて、縦手摺Hに係着部32を係着することができる。
【0046】
また、縦手摺Hからフック部3を取り外すには、図6(b)に二点鎖線で示すように、抜け止め部材36を開口部31が開口した状態に回動して、筒状クリップ13を握って小径パイプ部材11を引張ると共に、開口部31から縦手摺Hを抜き出すことによって縦手摺Hからフック部3を取り外すことができる。
【0047】
上記垂れ幕4は、図1に示すように、例えばポリエステル等の合成樹脂製シートによって形成されており、転落防止手摺パイプ1に巻装される巻装部40と、この巻装部40から下方に延在する幕本体41とで一体に形成されている。この場合、巻装部40は、幕本体41の上端部をループ状に屈曲して転落防止手摺パイプ1に巻回された状態で、幕本体41の端部を接着等により接着することによって形成されている。
【0048】
また、幕本体41の下端部の両側には、索条用孔43が形成されており、この索条用孔43に、索条例えばロープ44が取り付けられている。また、幕本体41の略中央位置には、鉄道車両内の乗客等に危険であることを表示した文字がプリントされている。なお、上記説明では、索条がロープ44にて形成される場合について説明したが、ロープ44に代えて帯状紐やバンドを用いてもよい。
【0049】
このように構成される垂れ幕4は、転落防止手摺パイプ1を乗降口Gの両縦手摺H間に取り付けた状態で、転落防止手摺パイプ1から垂下した状態で吊持され、垂れ幕4の下端部の両側に取り付けられた索条例えばロープ44を両縦手摺Hに繋着することによって、垂れ幕4を展開した状態で吊持することができる。これにより、乗客等に危険であることを知らせると共に、転落の防止を図ることができる。
【0050】
また、転落防止柵Fの不使用時には、図7に示すように、垂れ幕4を転落防止手摺パイプ1に巻装すると共に、バックル部2を手摺パイプ1側に折り畳むことができるので、コンパクトにすることができ、収納スペースを少なくすることができ、例えば鉄道車両の座席の下に形成される収納空間に収納することができる。
【0051】
上記のように構成される転落防止柵Fを使用する場合は、座席の下に形成される収納空間から取り出し、まず、バックル部2の掴持体54を縦手摺Hの一方に掴持し、止め具6の操作レバー61を取付部材60上方の固定位置へ回動させることによって縦手摺Hにバックル部2を固定する。次に、この状態で、小径パイプ部材11に装着された筒状クリップ13を掴んで、連結用ばね部材12の弾性力(弾発力)に反して小径パイプ部材11を他方の縦手摺H側に引張ると共に、縦手摺Hにフック部3の開口部31内に縦手摺Hを挿入した後、小径パイプ部材11への引張り力を解除することによって、縦手摺Hにフック部3を係着して、転落防止手摺パイプ1を架設する。この状態で、垂れ幕4を下方に展開して、垂れ幕4の下部両側に取り付けられたロープ44を両縦手摺Hに繋着することによって、垂れ幕4を展開状態に吊持する。なお、上述のようにして転落防止柵Fを取り付けた状態において、フック部3側のロープ44の繋着を解くと共に、フック部3を縦手摺Hから外すことによって、バックル部2を支点として転落防止柵Fを開閉することができる。したがって、転落防止柵Fの使用中に緊急事態が生じた場合、転落防止柵Fを開放して乗客を安全に避難させることができる。
【0052】
転落防止柵Fを取り外す場合は、上記取付手順と逆の操作を行って両縦手摺Hから容易に取り外すことができる。取り外された転落防止柵Fは、上述したように、手摺パイプ1の大径パイプ部材10と小径パイプ部材11とを収縮させると共に、垂れ幕4を手摺パイプ1に巻装し、更にバックル部2を手摺パイプ1側に折り畳んで、コンパクトにした状態で、例えば鉄道車両の座席の下に形成される収納空間に収納することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明の鉄道車両用転落防止柵は、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
【0054】
(1)請求項1記載の発明によれば、転落防止手摺パイプの一端に回動可能に連結されるバックル部を、縦手摺の一方に着脱可能に掴持し、転落防止手摺パイプの他端に装着されるフック部を、縦手摺の他方に着脱可能に係着することにより、乗降口の両縦手摺間に転落防止手摺パイプを架設するので、転落防止手摺パイプの取付作業を容易にすることができると共に、取付を強固することができる。
【0055】
また、転落防止用手摺パイプに危険であることを表示した垂れ幕を巻装可能に吊持して垂れ幕の下端部の両端と縦手摺とを索条によって繋着することにより、使用時に危険性を示すことができると共に、乗客等の転落を防止することができる。
【0056】
また、不使用時には、垂れ幕を転落防止手摺パイプに巻装することができるので、全体をコンパクトにすることができ、収納スペースを小さくすることができる。
【0057】
(2)請求項2記載の発明によれば、転落防止手摺パイプを大径パイプ部材と小径パイプ部材とを常時収縮させる弾性力を付勢するばね部材とで摺動可能に連結するので、乗降口の縦手摺間の距離に応じて転落防止手摺パイプの長さを変えて架設することができると共に、転落防止手摺パイプを短い状態で収納することができるので、上記(1)に加えて更に取付作業を容易に行うことができると共に、不使用時には全体を更にコンパクトにすることができ、小さい収納スペースに収納することができる。
【0058】
(3)請求項3記載の発明によれば、筒状グリップを把持して転落防止手摺パイプの伸縮動作を行うことができるので、上記(2)に加えて更に取付作業が容易にすることができる。また、フック部を縦手摺から取り外す際にフック部と大径パイプ部との間に手を挟まないようにすることができるので、取扱いを安全に行うことができる。
【0059】
(4)請求項4記載の発明によれば、バックル部の掴持部に設けられた滑り止め用部材によってバックル部と縦手摺との摩擦抵抗を増大することができるので、上記(1)ないし(3)に加えて更にバックル部を縦手摺に強固に取り付ることができる。
【0060】
(5)請求項5記載の発明によれば、転落防止用手摺パイプのバックル部を乗降口の一方の縦手摺に掴持した後、フック部を他方の縦手摺に容易に係着することができるので、上記(1)ないし(4)に加えて更に取付及び取外し作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る鉄道車両用転落防止柵の使用状態を示す概略側面図である。
【図2】上記鉄道車両用転落防止柵の全体を示す側面図(a)及び平面図(b)である。
【図3】この発明におけるバックル部のロック状態を示す拡大側面図(a)及び拡大平面図(b)である。
【図4】上記バックル部のロック解除状態を示す拡大側面図(a)及び拡大平面図(b)である。
【図5】この発明における止め具の構造を示す拡大側面図(a)及び拡大平面図(b)である。
【図6】この発明におけるフック部を示す拡大側面図(a)及び拡大平面図(b)である。
【図7】上記鉄道車両用転落防止柵の不使用時の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
F 鉄道車両用転落防止柵
G 乗降口
H 縦手摺
1 転落防止手摺パイプ
2 バックル部
3 フック部
4 垂れ幕
10 大径パイプ部材
11 小径パイプ部材
12 連結用ばね部材(ばね部材)
13 筒状グリップ
44 ロープ(索条)
56 滑り止め用部材
80 水平ヒンジ部
81 垂直ヒンジ部

Claims (5)

  1. 鉄道車両の乗降口の扉が閉まらなくなった際に使用する転落防止柵であって、
    上記乗降口の両側付近に設けられた縦手摺の間に水平方向に架設される転落防止手摺パイプと、
    上記転落防止手摺パイプの一端に、回動可能に連結され、上記縦手摺の一方を着脱可能に掴持するバックル部と、
    上記転落防止手摺パイプの他端に装着され、上記縦手摺の他方に着脱可能に係着されるフック部と、
    上記転落防止用手摺パイプに巻装可能に吊持され、危険であることを表示した垂れ幕と、
    上記垂れ幕の下端部の両端と上記両縦手摺とを繋着する索条と、を具備してなることを特徴とする鉄道車両用転落防止柵。
  2. 請求項1記載の鉄道車両用転落防止柵において、
    上記転落防止用手摺パイプは、一端にバックル部を回動可能に連結する大径パイプ部材と、
    上記大径パイプ部材に摺動可能に嵌挿され、大径パイプ部材から突出する先端部にフック部を装着する小径パイプ部材と、
    上記大径パイプ部材と小径パイプ部材とに連結され、小径パイプ部材を常時大径パイプ部材側に収縮させる弾性力を付勢するばね部材とで構成してなる、ことを特徴とする鉄道車両用転落防止柵。
  3. 請求項2記載の鉄道車両用転落防止柵において、
    上記小径パイプ部材におけるフック部側近傍に弾性を有する筒状グリップを嵌挿してなる、ことを特徴とする鉄道車両用転落防止柵。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の鉄道車両用転落防止柵において、
    上記バックル部における縦手摺を掴持する面に、滑り止め用部材を設けてなることを特徴とする鉄道車両用転落防止柵。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の鉄道車両用転落防止柵において、
    上記バックル部の回動部が、垂直方向に回動自在な垂直ヒンジと、水平方向に回動自在な水平ヒンジとを具備することを特徴とする鉄道車両用転落防止柵。
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