JP4149656B2 - 移動通信システムにおける閉じたユーザグループの音声メールサービス - Google Patents

移動通信システムにおける閉じたユーザグループの音声メールサービス Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、移動通信システムに係り、より詳細には、少なくとも1つの加入者の少なくとも1つの閉じたユーザグループを含む移動通信システムにおいてコール再送を実行する方法及び装置に係る。この方法は、コール設定に関連してある定められたコール再送番号への条件付又は無条件コールを検出する段階を含む。
【0002】
【背景技術】
通常のスピーチ及びデータ送信に加えて、移動通信システムは、加入者に対し複数の補足的サービスを提供する。仕様に基づく基本的なサービスは、既に利用されており、インテリジェントネットワークアーキテクチャーをベースとするより進歩したサービスの数が増え続けている。
【0003】
移動通信システムに含まれる1つの補足的サービスは、閉じたユーザグループである。閉じたユーザグループにより、内部又は外部テレコミュニケーションに関する多数の異なる制約を、選択された加入者グループに対して定義することができる。使用できるコール制約は、例えば、入呼び又は出呼びを阻止したり、長距離又は国際コールを阻止したりすることを含む。閉じたユーザグループは、通常、従業員に与えられた移動ステーションの使用を主として仕事の目的に制約することが所望される会社に適用される。コール設定プロセスにおいて、閉じたユーザグループは、付加的なチェックを行い、これに基づいて、コール設定が通常通りに続けられるか、又はコール制約によって中断される。
【0004】
移動通信システムにより提供される別の補足的サービスは、加入者がアクチベートすることのできるコール再送である。コール再送は、無条件とすることができ、即ちコールが常に所与の新たな番号へ再送されるようにすることができる。又、コール再送は、条件付と定義することもでき、例えば、加入者が通話中であるときに、応答しないか又は繋がらないようにすることができる。最も一般的に使用されるコール再送の形式は、音声メールサービス(ボイスメールサービスVMS)であり、加入者は、自分への入呼びがVMSセンターへ無条件に再送されるか条件付で再送されるかを定義する。VMSセンターは、コールに応答し、そして加入者に残されたメッセージを記憶する。
【0005】
閉じたユーザグループにおいて音声メールへのコール再送を実行する際には、閉じたユーザグループのメンバーへのコールは、通常通りに行なわれるが、音声メールへのコール再送が、コール制約及び被呼者の出アクセスの定義に基づいて成功したり失敗したりする状態が生じる。通常のユーザにとって、技術用語で表わされた制約や定義を理解することは容易でない。それ故、システムの機能及び信頼性に関して、少なくとも両加入者間の実際のコールが可能である場合は問題なく音声メールを利用できることが重要である。
【0006】
【発明の開示】
本発明の目的は、上記問題を解消するための方法及びこの方法を実施する装置を提供することである。本発明の目的は、コール再送が音声メールに向けられたかどうかチェックし、そしてコール再送が音声メールに向けられたことに応答して、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用によるコール再送の考えられる阻止に関わりなく、コール再送を実行するという段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法により達成される。
【0007】
又、本発明は、コール再送に関する加入者の情報が記憶される請求項8に記載の加入者データベースにも係る。この加入者データベースは、コール再送が音声メールに向けられたかどうかチェックし、そしてコール再送が音声メールに向けられたことに応答して、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用によるコール再送の考えられる阻止に関わりなく、コールを再送するように構成されたことを特徴とする。
【0008】
従属請求項は、本発明の好ましい実施形態に関する。
本発明は、少なくともコール再送が失敗する前に、定義されたコール再送番号が音声メールの番号であるかどうかチェックするようにシステムが構成されるという考え方をベースとする。当該再送番号が音声メールの番号であることをシステムが検出した場合には、コールの制約に関連したチェックが省略され、そして考えられるコール制約に関わりなくコールが音声メールへ再送される。
【0009】
本発明の解決策は、システムの加入者データベースに音声メールの番号(1つ又は複数)を記憶し、そしてコール再送がアクチベートされたときにコール再送番号を音声メール番号と比較するように加入者データベースを構成することにより実施される。それらの番号が同一である場合には、コールの制約に関連したチェックが行なわれない。
本発明の方法及びシステムは、音声メールへのコール再送に関連して閉じた加入者グループの制約により生じる考えられる問題を排除することができる。
【0010】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明は、GSM移動通信システム(移動通信用のグローバルシステムGSM)の機能及び構造を一例として使用して説明するが、本発明は、コール再送ファシリティ及び閉じたユーザグループに関連したファシリティをサポートする他の同様の無線システムにも適用することができる。
【0011】
図1は、GSMシステムの基本的な要素を示すが、このシステムの特徴及び他の要素については詳細に示さない。GSMシステムの詳細な説明については、GSM推奨勧告、及び「移動通信用のGSMシステム(The GSM System for Mobile Communications)」、M.モーリ及びM.ポーテット、パライゼウ、フランス、1992年、ISBN:2−9507190−0−0−7を参照されたい。
【0012】
移動サービス交換センターMSCは、入呼び及び出呼びのスイッチングの役割を果たす。これは、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)のセンターと同じ形式のタスクを遂行する。これらタスクに加えて、ネットワークの加入者レジスタと共に、加入者位置の管理のような移動電話トラフィックの典型である機能のみを遂行する。GSMシステムでは、ホーム位置レジスタHLR及びビジター位置レジスタVLRが加入者レジスタとして機能する。移動ステーションMSが位置するVLRに関する加入者データ及び情報は、ホーム位置レジスタHLRに永久的に記憶される。ビジター位置レジスタVLRは、次いで、ビジター位置レジスタVLRに関連した移動サービス交換センターのエリアに移動ステーションが留まる時間中、移動ステーションMSの加入者データを一時的に記憶する。通常、1つのVLRが1つの移動サービス交換センターMSCにサービスする。移動ステーションMSは、ベースステーションシステムBSSにより交換センターMSCに接続される。ベースステーションシステムBSSは、ベースステーションコントローラBSC及びベーストランシーバステーションBTSを備えている。多数のベーストランシーバステーションBTSを制御するのに1つのベースステーションコントローラBSCが使用される。
【0013】
閉じたユーザグループCUGは、移動通信システムの加入者をグループ編成にしそしてCUGパラメータによりこれらグループに対して異なる制約を定義することができるようにする補足的サービスである。CUGファシリティの詳細な説明については、GSM仕様書GSM02.85及び03.85を参照されたい。加入者は、多数の閉じたユーザグループに属することができ、例えば、GSMシステムでは、加入者特有の最大値は10である。GSMシステムでは、閉じたユーザグループは、CUGインターロックコードICにより明確に識別される。閉じたユーザグループは、加入者に対してCUGインデックスで指示され、このインデックスは、通常、ビジター位置レジスタVLRにおいて変換される。
【0014】
以下CUG加入者と称する閉じた加入者グループのメンバーのグループ特有の定義は、制約を追加又は除去することにより更に特定することができる。入アクセスIAをもつCUG加入者は、加入者グループの外部からコールを受け取ることができる。対応的に、出アクセスOAをもつCUG加入者は、グループの外部にコールを発することができる。入呼び阻止ICBは、CUG加入者が同じグループの他のメンバーからコールを受け取るのを防止する。対応的に、出呼び阻止OCBをもつCUG加入者は、同じグループの他のメンバーにコールすることができない。
【0015】
移動ステーションに着信するコールは、以下、MTコール(移動着信MT)と称し、そして移動ステーションから発信するコールは、MOコール(移動発信MO)と称する。閉じたユーザグループを示すために、図2のブロック及び信号図を参照して、GSM型の移動通信システムにおける2つの移動ステーション間のコール設定について説明する。ステップ2.1では、移動ステーションMSaが交換センターMSCaにコール設定要求を送信し、該交換センターの制御のもとで加入者Aは送信の瞬間にある。加入者Aは、移動ステーションからCUGインデックスを与えることによりコールに関連して使用すべきCUGグループを明確に定義することができる。交換センターMSCaは、それに関連して機能するビジター位置レジスタVLRaへ加入者データ質問を送信し(ステップ2.2)、この質問は、コール設定要求において送信される考えられるCUG情報も含む。加入者AがCUGインデックスを明確に与えない場合には、加入者データがコール設定要求で指示された基本的サービスに関連した好ましいCUGを含むかどうかがビジター位置レジスタVLRにおいてチェックされる。好ましいCUGが定義されている場合には、閉じた加入者グループがそれに基づいて決定される。コール設定メッセージがCUG情報を含まずそして好ましいCUGが定義されていない場合には、当該コールが通常のコールである。
【0016】
ビジター位置レジスタVLRaにおいてCUGチェックが行なわれる(ステップ2.3)。このチェックの間に、加入者により与えられた情報、ビジター位置レジスタにおいて更新される加入者データ、及び加入者がコール設定要求を行う権利があるかどうかのMO CUGチェック機能に基づいて判断がなされる。MO CUGチェック機能の詳細な説明については、GSM規格03.85(バージョン4.2.0のページ13−14)を参照されたい。チェックに関しては、考えられるCUGインデックスがCUGインターロックコードに変換され、これに基づいて、移動通信ネットワークは、コールが意図されたCUGグループを識別する。CUG情報が明確にも暗示的にも示されない場合には、コールが通常のコールとして確立される。CUGチェックに基づいてコールが許され、そしてCUG情報が示される場合には、コールがMO CUGコールとして確立される。この場合に、VLRaは、CUG情報を交換センターMSCaに返送し(ステップ2.4)、コール設定を続けることができる。CUGチェックに基づいてコールが許されない場合には、ビジター位置レジスタVLRaは、コールが拒絶されそしてコール設定が中断したことを交換センターMSCaに通知する。交換センターは、その情報を移動ステーションMSaに転送する。
【0017】
交換センターMSCaは、ビジター位置レジスタVLRaからそれが受け取ったCUG情報をコール設定シグナリングにおいて加入者Bのネットワークへ送信する(ステップ2.5)。図2の場合には、コールが加入者Bのネットワークの第1交換センターGMSCbに入り、そして交換センターは、加入者のディレクトリ番号MSISDNによって決定されたホーム位置レジスタHLRbにルート情報質問を送信する(ステップ2.6)。コール設定シグナリングにおいて受け取られるCUG情報も、ルート情報質問に関するメッセージにおいてホーム位置レジスタHLRbへ送信される。
【0018】
ホーム位置レジスタHLRbにおいて別のCUGチェックが行なわれる(ステップ2.7)。このチェックの目的は、コール設定に関連して受け取ったCUG情報、ホーム位置レジスタHLRbに記憶された加入者BのCUG情報、及びMT CUGチェックに基づいて、加入者A及び加入者Bの定義に従いコールが許されるよう確保することである。MT CUGチェックの詳細な説明については、GSM仕様書GSM03.85(バージョン4.2.0のページ14−15)を参照されたい。CUGチェックに基づきコールが許されない場合には、HLRは、コール設定を中断し、拒絶の指示及び説明をゲートウェイ交換センターGMSCbに送信し、該交換センターは、その情報を加入者Aのネットワークに転送する。コールがCUG定義に基づいて許される場合には、コール設定が通常通りに続けられる。位置更新の間に、加入者Bが位置するビジター位置レジスタVLRbに関する情報が、加入者のホーム位置レジスタHLRbにおいて更新されている。この情報に基づき、ホーム位置レジスタHLRbは、ローミング番号を予約する要求をビジター位置レジスタVLRbに送信する(ステップ2.8)。ローミング番号を予約する要求は、コールに必要とされるネットワークリソースに関する情報を含む。ビジター位置レジスタVLRbは、加入者に対してローミング番号を予約し、そしてそれを応答メッセージにおいてホーム位置レジスタHLRbへ送信し(ステップ2.9)、このホーム位置レジスタは、そのローミング番号及び考えられるCUG情報を、そのローミング情報を尋ねた交換センターGMSCbに送信する(ステップ2.10)。
【0019】
ローミング番号スペースは、ビジター位置レジスタVLRbがローミング番号を予約したところの交換センターMSCbへコールが常にルート指定されるように定義されている。従って、ゲートウェイ交換センターGMSCbは、ローミング番号で指示された移動サービス交換センターMSCbへ初期アドレスメッセージ2.11を送信することによりローミング番号に基づいてコール再送をルート指定することができる。初期アドレスメッセージ2.11を受信すると、交換センターMSCbは、ローミング番号分析において、コールがそれ自身のエリアに着信しそしてその先へルート指定されるものでないことを見出す。この場合に、MSCbは、それ自身のビジター位置レジスタVLRbからコール設定のための被呼加入者のデータを要求する(メッセージ2.12)。ビジター位置レジスタVLRは、応答メッセージ2.13において必要なデータを送信し、そしてMSCがデータ送信に必要なリソースを与えることができる場合には、交換センターMSCbと移動ステーションMSBとの間でコール設定のシグナリングが行なわれ、これが矢印2.14及び2.15で示されている。入呼びに含まれた情報と加入者Bの加入者データとが組合わされる状態では、ビジター位置レジスタVLRは、CUGインターロックコードの逆変換を実行し、そして加入者Bの移動ステーションMSbにCUG指示を与えるCUGインデックスを交換センターMSCに返送する。
【0020】
GSM仕様書02.85は、閉じたユーザグループ(以下、CUGグループと称する)とコール再送との間の相互作用を規定している。一般に、CUGコールを機能させるためのコール再送の場合は、CUGの定義に基づいて加入者Aと加入者Bとの間のコールを許さねばならない。加入者BのCUG定義が加入者Bと加入者Cとの間に転送されるべきコール形式のコールを阻止する場合には、コールを再送することができない。再送されるべきコールは、発呼者(加入者A)のCUG定義を使用し、従って、加入者A及び加入者CのCUG定義は、一般に、それらの間のコールを許さねばならない。
【0021】
条件付コール再送は、加入者の状態又はコール設定の進行に関する情報を必要とし、従って、それらは、通常、ビジター位置レジスタVLRを経てルート指定される。無条件コール再送の情報は、ホーム位置レジスタHLRに記憶され、従って、それは、ルート情報質問に関連して予め検出される。CFNRcに到達しない移動加入者に関するコール再送は、加入者のアクセス性に関する情報が得られるレジスタを経てルート指定される。閉じたユーザグループとコール再送との間の相互作用は、コール再送がアクチベートされた場合にはCUGチェックの後にチェックされる。無条件コール再送、及びホーム位置レジスタHLRによりアクチベートされる条件付コール再送CFNRcの場合には、上記相互作用がホーム位置レジスタHLRにおいてチェックされ、そして他の条件付コール再送の場合には、相互作用がビジター位置レジスタVLRにおいてチェックされる。
【0022】
図3は、CUGの定義とコール再送ファシリティとの間の相互作用を示すGSM仕様書02.85に基づく一般的テーブルである。このテーブルの列は、再送加入者(加入者B)の異なるCUG定義を表わし、そしてテーブルの行は、ネットワークから受け取られるCUG定義を表わす。テーブルの最初の2行は、入呼びに含まれたCUGインターロックコードが加入者BのCUGインターロックコードと一致する場合(M)及び一致しない場合(NM)を別々に示す2つの部分に分割される。このテーブルを参照し、コール再送が成功する場合について以下に説明する。コール再送と閉じたユーザグループとの間の相互作用によりコールが拒絶される場合には、加入者データベースは、再送交換センターに拒絶を通知し、そしてその理由として「被呼者の補足サービスの相互作用違反」を与える。
【0023】
テーブルの最初の行は、再送されるべきコールが、出アクセスOAに対する定義を含まないCUGコールであるケース31を示す。再送加入者BがCUG加入者であって、そのCUGインターロックコードが加入者Aから受け取ったものと一致し、そして出呼び阻止OCBが加入者Bに対して定義されていない場合には、コール再送が成功し、そして再送されるコールは、加入者Aから受け取ったCUGインターロックコードを含み(ケース311.1及び311.3)、そして他のケース(311.2、311.4、312.1、312.及び313)では、コールが拒絶される。
【0024】
テーブルの第2行目は、再送されるべきコールがCUGコールであり、そして出アクセスOAに対する定義を含むケース32を示している。加入者BがCUG加入者であって、そのCUGインターロックコードが加入者Aから受け取ったものに一致する場合には、コール再送が成功し、そして再送されるコールは、加入者Aから受け取ったCUGインターロックコードを含むが、出アクセスは含まない(ケース321.1)。加入者BがCUG加入者であって、そのCUGインターロックコードが加入者Aから受け取ったものに一致しそして出アクセスOAを有するが、出呼び阻止OCBをもたない場合には、コール再送が成功し、そして再送されるコールは、加入者Aから受け取ったCUGインターロックコード及び出アクセスOAを含む(ケース321.3)。加入者BがCUG加入者であって、そのCUGインターロックコードが加入者Aから受け取ったものに一致し、そして出アクセスOAを有するが、出呼び阻止OCBをもたない場合には、コールを通常のコールとして再送することができる(ケース321.4)。
【0025】
加入者BがCUG加入者であって、そのCUGインターロックコードが加入者AのCUGインターロックコードに一致しないが、入アクセスIA及び出アクセスOAを有する場合には、コール再送が成功し、そして再送されるコールは、加入者Aから受け取られるCUGインターロックコード及び出アクセスOAを含む(ケース323)。他のケース(ケース321.2及び322.1)では、コール再送が失敗となる。
テーブルの第3行目は、再送されるべきコールがCUG情報を含まないケース33を示す。加入者Bが、出アクセスが定義されたCUG加入者である場合は、コールが通常のコールとして再送される(ケース333)。他のケース(ケース331.1)では、コール再送が失敗となる。
【0026】
図4は、一般的なレベルにある上記のコール再送及び閉じたユーザグループの定義がコール設定及び音声メールへのコール再送にいかに作用するかを示すテーブルである。図4のテーブルにおいて、加入者Bは、インターロックコードIC1で定義されるべきCUGグループのメンバーであり、そしてこのテーブルは、発呼加入者Aが同じCUGグループのメンバー(IC1)であるか、別のCUGグループのメンバー(IC2)であるか、又は通常の加入者である状態を示している。加入者Aについては、テーブルは、付加的な定義OAの作用を示し、これは、加入者Bの付加的な定義とあいまって、コールが拒絶されるか、CUGコールとして接続されるか又は通常のコールとして接続されるかに影響する。付加的な定義が使用される場合には、テーブルの列に「OA」が入る。列の符号「−」は、付加的な定義が使用されないことを意味する。定義がここに取り上げる最後の2つの列に関して意味をもたない場合には、列に符号「*」が入る。テーブルの他の列にも対応するマークが使用される。
【0027】
加入者Bについては、テーブルは、ここに取り上げるケースにおける付加的な定義IA、ICB、OA及びOCBの作用を示す。列「コール」は、コールが通常のコール(NORM)として接続されるか又はCUGコール(CUG)として接続されるケースと、コールが拒絶される(REJ)ケースとを示す。テーブルの最後の列は、加入者Aと加入者Bとの間で通常のコール又はCUGコールを行うことができたとしても、音声メールへの再送がCUGチェックにより失敗となるケース(INV)を示している。
【0028】
ケース4.2及び4.3において、加入者A及び加入者Bは、同じCUGグループのメンバーであり、そして加入者Bに出呼び阻止が設定されておらず、従って、加入者間のコールは、CUGコールとして接続される。しかしながら、CUG内の出呼び阻止OCBが加入者Bに設定されており、従って、音声メールへの再送が失敗となる。出アクセスOAが加入者Bに設定された場合だけ再送が成功する(ケース4.4参照)。
【0029】
ケース4.8において、加入者A及び加入者Bは、同じCUGグループのメンバーである。加入者Bは、入呼び阻止ICBを有するが、加入者Aが出アクセスOAを有するので、コールは、通常のコールとして接続することができる。しかしながら、加入者Bは、出アクセスOAをもたず、従って、再送されるべきコールが通常のコールであるので、音声メールへの再送は失敗となる。
ケース4.11では、加入者A及び加入者Bが異なるCUGグループのメンバーであるが、加入者Aは出アクセスOAを有するので、コールは、通常のコールとして接続することができる。上記ケースと同様に、加入者Bは出アクセスOAをもたず、従って、当該コールが通常のコールであるから、音声メールへの再送は失敗となる。
【0030】
ケース4.14では、加入者Aが閉じたユーザグループのメンバーでなく、従って、コールは、通常のコールとして接続される。加入者Bが出アクセスOAをもたないので、音声メールへの再送は、この場合も、失敗となる。
上述した全てのケースは、CUG定義の性質から生じる通常の状態であり、従って、エラーは含まない。それらを理解するために、CUGグループや、CUG定義により生じる制約及び相互作用について、若干高度な技術的知識をもたねばならない。自分自身について定義された特徴を単に使用しそしてそれらがあるときは機能しそしてあるときは機能しないことを知っている通常の加入者は、失敗の原因を考慮せず、補足的サービスを、エラーの傾向があり且つ信頼性が低いものとみなす。本発明は、このような状態を回避することができる。
【0031】
図5及び6を参照して好ましい実施形態を以下に説明する。図5は、n個の基本的サービスを任意に有する加入者に対しホーム位置レジスタに加入者データがいかに与えられるかを一般的に示すものである。加入者は、自分自身の国際移動加入者認識IMSIを有し、これは、移動通信ネットワーク内で加入者認識として使用される。加入者に対して定義されたサービスは、加入者のIMSIに添付される。多加入者ナンバリングシステムの原理によれば、各加入者サービス1ないしnには、それ自身のディレクトリーナンバーMSISDN−1ないしMSISDN−nが与えられる。各MSISDN番号に関連したコール形式を決定する1つの基本的サービスコードSC−1ないしSC−nがある。この基本的サービスコードは、上記テレサービス又はベアラサービスコードの1つである。
【0032】
各基本的なサービスとして4つの異なるコール再送サービスを選択することができ、即ち「コール再送無条件CFU」、及び条件付コール再送「CFNRcに到達しない移動加入者のコール再送」、「無応答CFNRyのコール再送」及び「コール再送ビジーCFB」を選択することができる。CFNRcサービスは、加入者の非アクセス性に関する情報(IMSI削除)を含み、そしてCFNRyサービスは、加入者がコールに応答することが予想される時間(呼び出し時間)に関する情報を含む。各基本的サービスに関連してせいぜい10個のCUGインターロックコードIC−1ないしIC−nがある。これらの1つは、好ましいCUGインターロックコードであり、そして他のコードは、コールの始めに加入者により自分の移動ステーションから選択することができる。
【0033】
図6のフローチャートは、ホーム位置レジスタHLRにおいてコール再送が検出されたときにMT CUGコールに関連した本発明の解決策を示す。ステップ610では、ホーム位置レジスタHLRは、ゲートウェイ交換センターGMSCにより送信されたルート情報質問を受け取り、そして発呼者(加入者A)からのコールを被呼者(加入者B)に関連付ける。ステップ615では、ホーム位置レジスタHLRは、加入者Bが基本的サービスに関連したCUG定義を有するかどうかチェックする。このような定義がない場合には、ホーム位置レジスタは、コール設定メッセージが加入者Aにより与えられたCUG定義を含むかどうかもチェックする(ステップ620)。このような定義がない場合には、通常の入呼び許可が行なわれる(ステップ625)。CUG定義が見つかった場合には、ホーム位置レジスタHLRにおいて、加入者A及び加入者BのCUG定義に基づいてCUGチェックが行なわれる(ステップ630)。加入者A及び加入者BのCUG定義が不適合の場合には、コールが拒絶され、そしてコール設定が中断される(ステップ680)。CUG定義に基づいてコールを継続できる場合には、ホーム位置レジスタは、コールに関連した基本的サービスに関するコール再送が加入者Bに対して定義されたかどうかチェックする(ステップ640)。コール再送が定義されていない場合には、ホーム位置レジスタHLRは、ローミング番号を予約する要求を行い、そしてルート情報をゲートウェイ交換センターGMSCへ送信する(ステップ660)。コール再送が定義されていない場合には、ホーム位置レジスタHLRは、CUG相互作用に基づいてコール再送が許されるかどうかチェックする(ステップ645)。コール再送が許される場合には、ホーム位置レジスタHLRは、コール再送に関する情報及びコール再送番号をゲートウェイ交換センターGMSCへ返送する(ステップ670)。
【0034】
CUG相互作用により上記コール再送を実行できない場合には、公知技術に基づいてコールが拒絶される(ステップ680)。問題を回避するために、ホーム位置レジスタは、コール再送がCUG相互作用により失敗することを通知するときに、付加的なチェックを行い(ステップ650)、コール再送番号が音声メール番号と比較される。これら番号が同一であり、即ち再送が音声メールに向けられた場合には、相互作用に関わりなく再送が許される(ステップ670)。コール再送番号が音声メール番号以外の番号である場合だけ、ホーム位置レジスタHLRは、コールの拒絶に関する情報をゲートウェイ好感センターGMSCへ送信する(ステップ680)。公知技術によれば、ホーム位置レジスタは、加入者に与えられた音声メール番号に関する情報を有していない。本発明のチェックにとって予め必要なものを与える1つの好ましいやり方は、図5に基づきホーム位置レジスタHLRにおいてコール再送番号と比較することのできる少なくとも許された音声メール番号VMB#をセーブすることである。
【0035】
図7は、GSMシステムにおける位置更新に関連してビジター位置レジスタで更新されるコール再送情報を一般的レベルで示している。少なくともIMSI及び一次MSISDN、即ち一次サービスに基づくMSISDNは、ホーム位置レジスタHLRからビジター位置レジスタVLRへ送信される。通常、一次MSISDNは、スピーチサービスに接続されたMSISDNである。これらに加え、ユーザの任意である特殊なサービス及びそれに関連した情報、例えば、アクチベーション及びコール再送番号に関連した情報のリストが、ビジター位置レジスタVLRにおいて更新される。無条件コール再送CFUは、ホーム位置レジスタHLRを経てルート指定されるので、それに関連した情報は、ビジター位置レジスタVLRにおいて更新されない。
【0036】
ビジター位置レジスタVLRに対し本発明のチェックに必要な情報を与える1つのやり方は、音声メール番号VMB#を例えば「インサート」メッセージにおいてビジター位置レジスタへ送信することであり、この場合、加入者データは、通常、位置更新に関連してホーム位置レジスタHLRからビジター位置レジスタVLRへ送信される。GSM推奨勧告によれば、本発明の付加的な情報に対して「インサート」メッセージに延長部を添付することができる。ビジター位置レジスタVLRは、各「インサート」メッセージを確認し、そして情報が1つのメッセージに適合しない場合には、多数の「インサート」メッセージを順次に送信することができる。
【0037】
図8は、加入者が応答しないときにMT CUGコールに関連した本発明の解決策を示す。この場合、ビジター位置レジスタVLRにおいてコール再送が検出される。当該コールは移動着信コールMTであるから、CUGチェックは、加入者Bのホーム位置レジスタHLRbにおいて予め行なわれている。ステップ810では、ビジター位置レジスタは、加入者Bが入呼びに応答しないことを検出する。所定の呼び出し時間の後、システムは、ビジター位置レジスタにおいて(ステップ820)、加入者がこのケースに関連した条件付コール再送を定義したかどうかチェックする。このようなコール再送に関する情報が見つからない場合には、コール設定が終了し、そしてコールの終了に関する情報が加入者Aに送られる(ステップ850)。コール再送に関する情報がビジター位置レジスタVLRに見つかった場合には(CFNRyアクティブフラグ)、コール再送の相互作用及び閉じたユーザグループに関連した定義に対してチェックが行なわれる(ステップ830)。相互作用に基づいてコール再送が許された場合には、コールがコール再送番号に接続される(ステップ860)。相互作用によりコール再送が禁じられた場合には、本発明の付加的なチェックが行なわれ、このチェックは、コール再送番号C#を音声メール番号VMB#と比較することを含む(ステップ840)。これら番号が同一である場合には、コール再送が許され、そしてコール再送番号へのコール設定が続けられる(ステップ860)。
【0038】
上記例では、相互作用のためにコール再送が失敗した状態においてチェックが行なわれた。しかしながら、本発明のチェックは、他のプロセス段階に追加することもできる。例えば、コール再送ファシリティとCUG定義との間の相互作用をチェックする前にチェックを行うことができ、従って、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用は、コール再送が音声メールに向けられないときだけチェックされる。
技術の進歩に伴い、本発明の考え方は多数の異なるやり方で実施できることが当業者に明らかであろう。従って、本発明及びその実施形態は、上記の例に限定されるものではなく、請求の範囲内で種々変更し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 GSMシステムの基本的な要素を一般的なレベルで示すブロック図である。
【図2】 GSM形式の移動通信システムにおいて2つの移動ステーション間で設定されるコールを示すブロック及び信号図である。
【図3】 CUGの定義と、GSM仕様書02.85に基づくコール再送ファシリティとの間の相互作用を示す一般的なテーブルである。
【図4】 一般的なレベルにある上記のコール再送及び閉じた加入者グループの定義がコール設定及び音声メールへのコール再送にいかに作用するかを示すテーブルである。
【図5】 n個の基本的サービスを任意に有する加入者に対しホーム位置レジスタに加入者データがいかに与えられるかを一般的に示す図である。
【図6】 ホーム位置レジスタHLRにおいてコール再送が検出されたときにMT CUGコールに関連して本発明の解決策を示すフローチャートである。
【図7】 GSMシステムの位置更新に関連してビジター位置レジスタVLRにおいて更新されるコール再送に関する情報を一般的なレベルで示す図である。
【図8】 加入者が応答しないときにMT CUGコールに関連した本発明の解決策を示す図である。

Claims (19)

  1. 少なくとも1つの加入者の少なくとも1つの閉じたユーザグループを含む移動通信システムにおいてコール再送を実行する方法であって、コール設定に関連してあるコール再送番号への条件付又は無条件コールを検出する段階を含む方法において、
    上記設定されたコール再送が音声メールに向けられたかどうかをチェックし、
    コール再送が音声メールに向けられたことに応答して、コール再送を実行し、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用によるコール再送に対する考えられる阻止を無視する、
    という段階を含むことを特徴とする方法。
  2. コール設定に関連して検出されるコール再送に応答して、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用がコール再送を阻止するかどうかチェックし、
    コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用がコール再送を阻止するのに応答して、コール再送が音声メールに向けられかどうかチェックする、
    という段階を含む請求項1に記載の方法。
  3. コール再送が音声メールに向けられない場合だけ、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用がコール再送を阻止するかどうかチェックする請求項1に記載の方法。
  4. 上記チェックは、
    コール再送番号を音声メール番号と比較し、
    それら番号が同一である場合にコール再送を音声メールに向けられたコール再送であると解釈する、
    という段階を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 上記チェックは、加入者データベースにおいて行なわれる請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 上記加入者データベースは、ホーム位置レジスタ(HLR)又はビジター位置レジスタ(VLR)である請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 加入者に関連した少なくとも1つの音声メール番号を加入者のホーム位置レジスタ(HLR)に記憶し、
    加入者に関連した少なくとも1つの音声メール番号を、好ましくは位置更新に関連して、ホーム位置レジスタ(HLR)からビジター位置レジスタ(VLR)へ転送し、
    コール再送番号を少なくとも1つの音声メール番号と比較することによりコール再送が音声メールに向けられたかどうかチェックする、
    という段階を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  8. コール再送に関する加入者情報が記憶される移動通信システムの加入者データベース(HLR,VLR)において、
    この加入者データベースは、コール再送がアクチベートされるのに応答して、コール再送が音声メールに向けられたかどうかチェックし、
    この加入者データベースは、コール再送が音声メールに向けられたことに応答して、コール再送を実行しかつコール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用により生じるコール再送に対する考えられる阻止を無視するように構成されたことを特徴とする加入者データベース。
  9. コール設定に関連して検出されるコール再送に応答して、加入者データベースは、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用がコール再送を阻止するかどうかチェックするように構成され、
    コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用がコール再送を阻止するのに応答して、加入者データベースは、コール再送が音声メールに向けられかどうかチェックするように構成された請求項8に記載のデータベース(HLR,VLR)。
  10. 加入者データベースは、コール再送が音声メールに向けられない場合だけ、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用がコール再送を阻止するかどうかチェックするように構成された請求項8に記載のデータベース(HLR,VLR)。
  11. 加入者データベースは、
    加入者に関連した少なくとも1つの音声メール番号を記憶し、
    加入者に関連した少なくとも1つの音声メール番号を、好ましくは位置更新に関連して、ホーム位置レジスタ(HLR)からビジター位置レジスタ(VLR)へ転送し、 コール再送番号を少なくとも1つの音声メール番号と比較することによりコール再送が音声メールに向けられたかどうかチェックする、
    ように構成された加入者のホーム位置レジスタ(HLR)である請求項8ないし10のいずれかに記載の加入者データベース。
  12. 加入者データベースは、
    加入者データを永久的に記憶し、
    好ましくは位置更新に関連して、ホーム位置レジスタ(HLR)からビジター位置レジスタ(VLR)へ転送された少なくとも1つの音声メール番号を記憶し、
    コール再送番号を少なくとも1つの音声メール番号と比較することによりコール再送が音声メールに向けられたかどうかチェックする、
    ように構成されビジター位置レジスタ(VLR)である請求項8ないし10のいずれかに記載の加入者データベース。
  13. 移動サービス交換センター(GMSC;MSC)と、加入者データベース(HLR,VLR)と、少なくとも1つの加入者の少なくとも1つの閉じたユーザグループとを備えた移動通信システムにおいてコール再送を実行する構成体であって、コール設定に関連して移動サービス交換センターから加入者データベース(HLR,VLR)へデータベース質問を行う手段と、加入者データベースにおいて加入者のコール再送設定をチェックする手段とを備えた構成体において、更に、
    加入者により設定されたコール再送の検出に応答して、そのコール再送が音声メールに向けられたかどうかチェックするための手段と、
    コール再送が音声メールに向けられたことに応答して、コール再送を実行し、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用により生じるコール再送に対する考えられる阻止を無視する手段と、
    を備えたことを特徴とする構成体。
  14. 上記チェック手段は、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用がコール再送を阻止する場合だけコール再送が音声メールに向けられたかどうかチェックする請求項13に記載の構成体。
  15. 上記チェック手段は、コール再送が音声メールに向けられない場合だけ、コール再送ファシリティと閉じたユーザグループとの間の相互作用がコール再送を阻止するかどうかチェックする請求項13に記載の構成体。
  16. 上記チェック手段は、コール再送番号を音声メール番号と比較し、
    それら番号が同一である場合にコール再送が音声メールに向けられると解釈する請求項13ないし15のいずれかに記載の構成体。
  17. 上記チェック手段は、加入者データベース(HLR,VLR)に含まれる請求項13ないし16のいずれかに記載の構成体。
  18. 加入者データベースは、ホーム位置レジスタ(HLR)又は加入者位置レジスタ(VLR)である請求項17に記載の構成体。
  19. 加入者のホーム位置レジスタ(HLR)は、加入者に関連した少なくとも1つの音声メール番号を記憶するように構成され、
    ホーム位置レジスタ(HLR)は、加入者に関連した少なくとも1つの音声メール番号を、好ましくは位置更新に関連して、ビジター位置レジスタ(VLR)へ転送するように構成され、
    加入者データベース(HLR,VLR)は、コール再送番号を少なくとも1つの音声メール番号と比較することによりコール再送が音声メールに向けられたかどうかチェックするように構成される請求項13ないし18のいずれかに記載の構成体。
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