JP4149262B2 - モノフィラメント・テープ - Google Patents

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Description

発明の内容の開示
本発明はデンタル・フロスとして使用できるモノフィラメント・テープに関する。このフロスは歯の間において摺動しやすく、清浄化に効果的であり、各種のゴムに対して穏やかであり、同等の各種のフロスよりもさらに多くの香味を運ぶことができる。
デンタル・フロスの使用は事実上全ての歯科保健開業医により推奨されている。デンタル・フロスにより処理することは歯科治療会議(Council on Dental Therapeutics)により歯間のプラークの除去に有効であることが示されている。これらの事実にもかかわらず、米国の人口の約12%だけが規則的にフロスを使用している。フロスを使用する人の中で、これらの消費者はすりきれや破断に対して耐性があり、密接している歯の間を容易に通過して、各種のゴムに対して穏やかであり、口内を清新にし、使用が容易であるフロスを好む。口内を清新にすることは各種の被膜の使用により調整され、これらの被膜は一般的に香味料、口内清涼剤、清浄剤、研磨剤等を含む。このフロスの支持体が担持できる被膜の量が多いほど、このフロスはそれだけ良好に口内を清新にして浄化できる。
ポリ(テトラフルオロエチレン)(「PTFE」)により作成したモノフィラメント・フロスは、比較的に多くの香味料およびその他の添加物を担持することおよび取り扱いの容易さを除いて、上述した各種の特性の多くを提供している。また、多くの消費者はPTFEフィラメントが従来的なマルチフィラメント型のフロスと同様に浄化しないと感じている。加えて、PTFEフロスの費用は、主にその樹脂の費用により、比較的に高い。それゆえ、このPTFEを上述したような消費者が好む各種の特性を提供する比較的に費用のかからない材料に代えることが要望されている。
上記のようなデンタル・フロスの用途において有用と考えられる一例の技法は二成分系の繊維技法である。二成分系繊維は2種類の異なるポリマーにより作成されている繊維である。また、このような二成分系繊維は「共役型(conjugate)」、「複合型(composite)」あるいは「ヘテロ型(hetero)」の繊維としても知られている。この技法を用いる主な利点は異なる特性を有する複数のポリマーを単一フィラメントに結合することである。このような二成分系繊維は一般的にコア−シース型(core-sheath)、横並び方(side-by-side)、海中島型(islands-in-the-sea)およびパイ型(pie-shaped)等のようなそれぞれの断面構造により分類される。
米国特許第5,845,652号は異なる材料および糸の構成によるコア−シース型の二成分系繊維の調製を開示している。このシースのポリマーはペバックス(Pebax)(登録商標)およびハイトレル(Hytrel)(登録商標)等の銘柄のポリマーのような熱可塑性のエラストマーであり、コアのポリマーはナイロンである。この特許において記載されている特定の各実施例は、例えば、144本のフィラメント、580乃至730の範囲のデニール値、撚り無しおよび3.4g/d乃至5g/dの引張強度を有する、ナイロン/ペバックス(Pebax)(登録商標)、ナイロン/ハイトレル(Hytrel)およびナイロン/ナイロンにより作成した70/30のコア−シース型繊維に基づいている。これらの繊維はその繊維紡糸処理中に加熱したゴデット上において平坦化されて各フィラメントのシースが結合される。この特許は、主に横並び型の二成分系繊維の使用による、異なる材料の使用により膨張可能なフロスを形成する各種の態様を開示している。また、この特許は自己膨張性で張力誘発型の膨張可能なフロスを得る方法も教示している。
米国特許第5,904,152号はハイトレル(Hytrel)(登録商標)またはペバックス(Pebax)(登録商標)の銘柄の熱可塑性の弾性ポリマーのいずれかをシースとして伴うナイロンにより作成した多数個のコアを有するマルチフィラメント型のフロスを開示している。
また、米国特許第5,875,797号はナイロン等の第1の材料を含むコアを有する多成分系で同時押出型のモノフィラメント・デンタル・フロスを開示している。このコアは熱可塑性の弾性ポリマー等の第2の材料を含むシースの中に埋め込まれている。このフロスは連続的な外表面部を有している。このモノフィラメント・フロスはその同時押出処理中にコア−シース技法およびダイ組立体を用いることにより調製される。この特許において開示されている典型的なフロスは600乃至700のデニール値を有していて、70/30の比率のコア・ポリマー/シース・ポリマーによる34本のフィラメントを含む。さらに、この開示されているフロスは3g/d乃至4.5g/dの靭性および少なくとも300%の伸び率を有している。
上記の各参考文献における開示にもかかわらず、すりきれや破断に対して耐性があり、各種のゴムに対して穏やかであり、口内を清新にし、浄化において効果的であり、使用が容易で密接している歯の間を容易に通過するフロスに対する要望が存在し続けている。
本発明は二成分系モノフィラメント・テープを備えている物品を提供し、この二成分系モノフィラメント・テープは第1のポリマーを含有する少なくとも約60本の個別のコア繊維を含み、これら個別のコア繊維は第2のポリマーを含有する融着したシースの中に埋め込まれていて当該シースにより実質的に完全に囲まれている。
別の態様において、本発明はある方法を提供しており、この方法は少なくとも約60本の二成分系のコア−シースの各繊維を提供する工程、およびこれらのシースを融着してモノフィラメント・テープを形成する工程を含む。
本発明の二成分系モノフィラメント・テープは二成分系のコア−シースの各繊維のシースの融着により作成される。これら二成分系のコア−シースの繊維は同時押出溶融紡糸処理または溶液紡糸処理等を含むがこれらに限らない当業界において知られている任意の方法により作成可能である。二成分系繊維の同時押出処理は2種類のポリマーがこれらの間に明確な境界部分を伴って同一のフィラメント内に共に収容されている状態でこれらのポリマーを同一の紡糸口金を通して同時押出処理することとして定義できる。
図1は二成分系繊維を作成するための適当な方法の概略図である。上記コアおよびシースを形成するために用いるそれぞれのポリマーがそれぞれの一軸スクリュー押出機(1A)および(1B)の中に入れられている。これらのポリマーは各押出機の中でそれぞれ加熱および溶融された後に、防止口金(2)の中を通過して複数の同時押出処理された二成分系の繊維(3)が形成される。これらの同時押出処理された二成分系繊維は少なくとも1個のローラー(4)により延伸される。また、これらの同時押出処理された二成分系繊維(3)は上記の紡糸口金とローラー(4)との間の領域内において冷却される。この冷却処理は冷却空気(5)等を含むがこれに限らない当業界において知られている各種の手段により行なうことができる。この二成分系繊維の同時押出処理中に、上記紡糸口金における2種類のポリマーの粘度が好ましくは一致していて押出物の曲がりが紡糸されており、この曲りはその同時押出処理された二成分系繊維(3)が紡糸口金(2)を出る時の不所望な屈曲である。なお、それぞれの粘度の一致は各高分子成分の選択およびそれぞれの一軸スクリュー押出機(1A)および(1B)および紡糸口金(2)の中における各ポリマーの温度の調整により達成できる。
紡糸仕上剤は上記紡糸口金(2)と第1のローラー(4)との間の冷却領域(5)内に配置されているローラー(6)により供給できる。適当な紡糸仕上剤はファサビン(Fasavin)(登録商標)2830およびファサビン(Fasavin)(登録商標)2758を含むがこれらに限らず、これらはツキマー・アンド・シュワルツ社(Zschimmer and Schwarz)から市場において入手可能である。
ローラー(4)は紡糸口金(2)から出た複数の二成分系繊維を延伸し、これらの繊維は冷却領域(5)を通過して第1のローラー(4)に移動する時に延伸されるか、あるいは、引き伸ばされる。この延伸または引き伸ばしの工程の作用効果は二つあり、一つは各繊維の直径が減少する(すなわち、それぞれのデニール値が下がる)こと、二つ目は引張強度が増大することである。既に周知であるように、用語の「デニール(値)(denier)」は9000メートルの繊維当たりのグラム単位の重量を言う。
例えば、一定速度の紡糸口金(2)からの溶融したポリマーの押出処理において、上記繊維のデニール値はローラー(4)の回転速度の増加により減少する。このローラー(4)は一般的に約100メートル/分乃至約2000メートル/分、好ましくは約400メートル/分乃至約1000メートル/分の一定速度で回転する。好ましくは、第2のローラー(7)が第1のローラー(4)と共に用いられている。この第2のローラー(7)は第1のローラー(4)と実質的に同一の速度で回転する。図1および図1Aを参照することにより分かるように、複数の二成分系繊維(3)が上記冷却領域の下方部分を出る時に順序正しくまとめられてから、ローラー(4)の下面部に接触している。その後、これらのまとめられた二成分系繊維(3A)はローラー(4)を通過してローラー(7)の(図1において見られるような)最下の面部に接触する。さらに、これらの繊維はローラー(7)の(図1において見られるような)最上の面部に到達するまで、反時計方向にこのローラー(7)の周りを通過し続ける。その後、これらの繊維は各ローラー(4)および(7)の間の隙間を跨いで、ローラー(4)の(図1において見られるような)最上の面部に接触する。このようにして、上記の同時押出処理された各繊維のまとめられた束が最初に冷却領域(5)を出た時に初めてローラー(4)に接触した位置にこれらの繊維が再び到達した時点においてそのまとめられた繊維の一巻きが完成する。その後、各ローラー(4)および(7)の周りにこのような4個の巻き付けが完成した後に、そのまとめられた繊維の束(3A)はローラー(7)の(図1において見られるような)下面部から出てローラー(8)に向かって進行する。
ローラー(8)はローラー(4)およびローラー(7)よりも速い速度で回転するように設定されており、この結果として、上記のまとめられた束(3A)の形態の同時押出処理された二成分系繊維(3)はさらに延伸され、当業界において周知であるように、これらのデニール値がさらに減少して、それぞれの引張強度がさらに高まる。図1Bにおいて分かるように、まとめられた繊維の束(3A)はローラー(8)の周りに数回にわたり巻き付いた後に、ローラー(9)に向かって進行する。さらに、この繊維の束(3A)はローラー(9)の周りに数回にわたり巻き付いてからローラー(10)に向かって進行する。
上記ローラー(8)およびローラー(9)は一般的に100メートル/分乃至3000メートル/分の一定速度で、好ましくは1500メートル/分乃至2500メートル/分の一定速度でそれぞれ回転する。なお、ローラー(9)は少なくともローラー(8)と同一の速度で動作する必要がある。望まれる場合に、ローラー(9)はローラー(8)よりも速い速度で動作可能であり、この場合に、それぞれの繊維のデニール値はさらに減少し、これらの引張強度もさらに高まる。
上述したように、まとめられた繊維の束(3A)はローラー(9)を通過した後にローラー(10)に到達する。このローラー(10)はローラー(9)よりも遅い速度で回転し、この結果として、各繊維は自然に緩和される。その後、繊維の束(3A)は数回にわたりローラー(10)に巻き付いてからアイドル・ローラー(11)の下部を通過する。さらに、この繊維の束(3A)はローラー(12)上に巻き取られて、次の処理に対して待機する。
当業界において知られているように、上記の各ローラー(4),(7),(8),(9)および(10)はいずれも加熱することが可能である。このように加熱したローラー(4),(7),(8),(9)および(10)の温度は約30℃乃至約80℃、好ましくは約50℃乃至約75℃の範囲にできる。
本発明において用いられている二成分系繊維はコア−シース型の繊維である。このような本発明において用いられている二成分系繊維は丸形、トリロバール形(trilobal)、十字形、およびその他の当業界において知られている形状を含む各種の断面形状を有することができる。
本発明における使用に適するために、上記コア−シース型の二成分系繊維におけるシース部品を構成しているポリマーの融点はそのコア部品を構成しているポリマーの融点よりも低いことが必要である。一方、このコア部分に適しているポリマーはナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、およびナイロン66を含むがこれらに限らない各種ポリアミド、ポリ(エチレン・テレフタレート)(「PET」)およびポリ(ブチレン・テレフタレート)(「PBT」)を含むがこれらに限らない各種ポリエステル、ポリプロピレンおよびポリエチレンを含むがこれらに限らない各種ポリオレフィン、ポリ弗化ビニリデンを含むがこれに限らない各種弗素化ポリマー、およびこれらの混合物を含む。なお、ナイロン6およびポリプロピレンが好ましい。
また、上記シースに適しているポリマーはポリエチレン(「PE」)およびポリプロピレンを含むがこれらに限らない各種ポリオレフィン、ポリカプロラクトン(「PCL」)を含むがこれに限らない各種ポリエステル、ペバックス(Pebax)(登録商標)4033SAおよびペバックス(Pebax)(登録商標)7233SA(エルフ・アトケム社(Elf Atochem)の商標)を含むがこれらに限らないポリ(エーテル−アミド)、ハイトレル(Hytrel)(登録商標)4056(デュポン社(DuPont)の商標)およびヘフスト−セラネーゼ社(Hoechst-Celanese)から入手可能なライトフレックス(Riteflex)(登録商標)ポリ(エーテル−エステル)ポリマーを含むがこれらに限らないポリ(エーテル−エステル)、例えば、デュポン・ダウ社(DuPont Dow)から入手可能なエンゲージ(Engage)(登録商標)エラストマー等の各種ポリオレフィンにより作成されるエラストマー、BFグッドリッチ社(BF Goodrich)から入手可能なエスタン(Estane)(登録商標)ポリ(エーテル−ウレタン)ポリマーを含むがこれに限らないポリ(エーテル−ウレタン)、BFグッドリッチ社(BF Goodrich)から入手可能なエスタン(Estane)(登録商標)を含むがこれに限らないポリ(エーテル−ウレタン)、シェル社(Shell)から入手可能なポリ(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)を含むがこれに限らないクラトン(Kraton)(登録商標)ポリマー、およびエルフ・アトケム社(Elf Atochem)から入手可能なキナルフレックス(KynarFlex)(登録商標)2800を含むがこれに限らない各種ポリ弗化ビニリデン・コポリマーを含む。なお、ペバックス(Pebax)(登録商標)4033、ポリエチレン、およびPCLが好ましい。
上記コア−シース型の繊維における2種類の成分の比率は変更可能である。本明細書において用いられている全ての比率値は容量パーセント(%)値に基づいている。この比率は約10%のコアおよび約90%のシース乃至約90%のコアおよび約10%のシース、好ましくは約20%のコアおよび約80%のシース乃至約80%のコアおよび約20%のシース、さらに好ましくは約30%のコアおよび約70%のシース乃至約70%のコアおよび約30%のシースの範囲にできる。
本発明のモノフィラメント型二成分系テープを作成するための処理中において、その二成分系繊維の各シースが融着される。本明細書において用いられているように、用語の「融着される(fused)」は上記のようにまとめられた束(3A)を構成している二成分系の繊維が十分な時間にわたり十分な温度に曝されることにより、個別のコア−シース・フィラメント(3)の各シースが完全に溶融して一体に流動して、実質的に連続的なシース材料の基質が形成される。このような融着処理を行なう時間および温度の条件は、当該技術分野における熟練者により理解されるように、個別のコア−シース繊維のシース材料を構成している特定のポリマーの融点の関数である。なお、このコア−シース繊維の各シースの融着を行なう温度はそのコア−シースにおける二成分系繊維の各コアの融点よりも低い。この結果として、本発明の二成分系モノフィラメント・テープは融着したシース材料の中に埋め込まれていて当該材料により実質的に完全に囲まれている複数の個別の高分子材料のコア繊維を含む。上記の融着は、例えば、上記繊維の束(3A)を予備加熱した後にこの予備加熱した束をカレンダー処理することにより達成できる。このカレンダー処理は上記テープの厚さおよび幅を調整するように設定されている特定の間隔だけ分離されている2個の加熱したローラーにおけるニップの間に各繊維を通過させる処理である。このように仕上げ処理したモノフィラメントの二成分系テープの柔軟性は、そのコアおよびシースに対応するそれぞれの適当な材料の選択、そのシース材料のコア材料に対する比率、さらに、上記繊維の束3Aにおけるコア−シース・フィラメントの数およびデニール値により、調整できる。
図2は同時押出処理した二成分系の各繊維を本発明のモノフィラメント型テープに変換するための方法の概略図である。先ず、上述したように調整した同時押出処理された二成分系の各繊維(3)が巻取ローラー(20)により引き出される。これらの繊維(3)の数は少なくとも約60本、一般的に約150本乃至約500本、好ましくは約200本乃至約450本、さらに好ましくは約300本乃至約400本である。この変換処理において、同時押出処理された二成分系繊維(3)はローラー(20)により加熱処理した各ローラー(21A)および(21B)のニップの中を通して引き動かされ、これにより、個別の二成分系繊維の各シースが融着して、本発明の教示に従ってモノフィラメント型テープが形成される。上記各ローラー(21A)および(21B)の温度は約40℃乃至約90℃、好ましくは約40℃乃至約85℃の範囲にできる。
随意的に、上記繊維(3)はカレンダー処理の前に少なくとも1個の加熱したローラー(22A)の上にその供給ロール(12)(図2)から引き出すことができる。さらに、好ましい実施形態において、これらの繊維(3)は上記のローラー(21A/21B)においてカレンダー処理される前に第2の加熱したローラー(22B)の上に引き動かされる。これらの加熱したローラー(22A)および(22B)の温度は約40℃乃至約170℃の範囲にできる。その後、これらの繊維(3)をカレンダー処理の前に少なくとも1個のオーブン(23A)の中に入れることができる。さらに、好ましい実施形態において、これらの繊維はカレンダー処理の前に第2のオーブン(23B)に入れることも可能である。これらのオーブンの温度は約110℃乃至約180℃、好ましくは約115℃乃至約170℃の範囲にできる。さらに、このモノフィラメント型テープは当該テープを冷却する補助のために周囲温度において少なくとも1個のローラー(24)の上を引き動かすことができる。
上記モノフィラメント型テープの厚さは約0.013mm乃至約0.15mm、好ましくは約0.025mm乃至約0.07mmの範囲にできる。
上記のような軟質のシース・ポリマーおよび各コア繊維により賦与される強度の組み合わせにより、各種ゴムに対する所望の柔軟さおよび穏やかさを提供するためにフロスの各種の特性をつり合わせることが可能になる。このシース材料は当該材料が高い摩擦係数および臨界界面自由エネルギーを有するように選択して、上記テープが比較的に多量のワックス(蝋質)およびその他の添加物により被覆されて取り扱いの容易さおよびその他の望ましい特性が得られるようにできる。
デンタル・フロスの用途において、上記モノフィラメント型テープはワックス、香味料、およびその他のデンタル・フロスを形成するための添加物を含む被膜組成物により被覆される。このようにフロスを作成するために繊維上に一般的に塗布されるワックス、香味料およびその他の添加物の量は当業界において知られている。一般的に、このような被膜組成物は、上記モノフィラメント型テープの重量に基づいて、15重量%乃至60重量%で添加される。適当な香味料はミントおよびシナモン等の天然および合成の香味油を含むがこれらに限らない。これらの香味油はそのまま使用可能であり、あるいは、デンプンまたは変性デンプン等のキャリヤーによりカプセル化または支持することができる。
その他の添加物は、各種のワックスおよび甘味剤に関連する開示について本明細書に参考文献として含まれている米国特許第6,080,481号により教示されているような、ソルビタールおよびマンニトールを含む増量用甘味剤、およびアスパルテームおよびサッカリン・ナトリウムを含む増強用甘味剤等のような各種甘味剤、シリカ等の各種研磨剤、弗化物または弗化物含有化合物等の各種歯科用材料、各種化学療法剤、過酸化物等の各種クリーナー、および各種白色化剤を含むがこれらに限らない。なお、適当な添加物の例が米国特許第5,908,039号において開示されており、この特許の開示は本明細書に参考文献として含まれる。
以下の各実施例は本発明のモノフィラメント・テープおよび方法を説明することを目的としている。なお、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものとして何ら解釈するべきではない。
実施例1
本発明の教示によるモノフィラメント型テープを図2において示されている装置により調製した。この実施例1のモノフィラメント型テープはポリエチレン・シース材料の実質的に連続的な基材の中に埋め込まれている複数のポリエステル・コアにより構成されている。各テープをポリエチレン・テレフタレート(PET)のコアおよびポリエチレン(PE)のシースを有する市場において入手可能な複数の二成分系の繊維により調製した。これら開始材料の二成分系の繊維は1本のフィラメント当たりに約1.64デニール乃至2.8デニールの範囲のデニール値をそれぞれ有していた。この開始材料の二成分系の繊維におけるPEシース材料のPETコア材料に対する容積比率は20/80のPE/PET乃至60/40のPE/PETの範囲であった。また、このPEポリマーの210℃における比重は約0.76およびPETポリマーの290℃における比重は約1.19であった。表1において記載されている11種類の全てのモノフィラメント型テープのサンプルは開始材料の304本のPE/PETの二成分系繊維の束により作成されている。表1においてサンプル1乃至サンプル11として記載されている仕上げ状態の各モノフィラメント型テープは約0.03mm乃至約0.05mmの範囲内の厚さを有していた。さらに、表1においてサンプル1乃至サンプル4として認められる仕上げ状態の各モノフィラメント型テープは840のデニール値を有しており、この値はそれぞれが約2.76のデニール値を有している304本の開始材料の二成分系繊維を用いることにより得られている。同様に、表1においてサンプル5乃至サンプル7として認められる仕上げ状態の各モノフィラメント型テープは700のデニール値を有しており、この値はそれぞれが約2.3のデニール値を有している304本の開始材料の二成分系繊維を用いることにより得られている。また、表1においてサンプル8乃至サンプル10として認められる仕上げ状態の各モノフィラメント型テープは600のデニール値を有しており、この値はそれぞれが約2のデニール値を有している304本の開始材料の二成分系繊維を処理することにより得られている。加えて、表1においてサンプル11として認められる仕上げ状態のモノフィラメント型テープは約500のデニール値を有しており、この値はそれぞれが約1.64のデニール値を有している304本の開始材料の二成分系繊維を用いることにより得られている。
さらに、表1において記載されている破断荷重、靭性、およびパーセント伸び率の各データはそれぞれの仕上げ状態のモノフィラメント型テープについての値である。
本発明による表1において記載されているこれら11種類のモノフィラメント型テープは図2において示されている装置により作成されている。二成分系繊維の開始材料の束(3A)が供給ロール(12)から取り出される。ローラー(22A)およびローラー(22B)は約12インチだけ離間している。これら両方のローラーは120℃乃至125℃の温度に維持されて、約80メートル/分の一定速度で回転する。オーブン(23A)は約8フィート(2.44メートル)の長さであり、ローラー(22B)から12インチ(30.48センチメートル)だけ離間していて、130℃の一定温度に維持されている。また、オーブン(23B)は6フィート(1,83メートル)の長さであり、これもまた130℃の一定温度に維持されている。これら2個のオーブンの間の距離は約6インチ(15.24センチメートル)である。
レンダー装置がオーブン(23B)の出口のすぐ近くに配置されていて、垂直に重ねられた一対のローラー21Aおよび21Bにより構成されており、これらのローラーは共に約70℃の一定温度に維持されていて、約80メートル/分で回転している。これらのカレンダー・ロール(21A)およびカレンダー・ロール(21B)の間にはわずかな隙間があり、この隙間は各仕上げ状態のテープの所望の厚さに実質的に相当している。ローラー24は周囲温度に維持されていて、約80メートル/分で回転している。各ローラー(21A),(21B)のニップ部分から出たテープは、約80メートル/分で動作している巻取ローラー20に進行する前に、ローラー24の周囲に約3回乃至4回にわたり巻き付けられる。上記の積み重ねられたローラー(21A),(21B)とオーブン(23B)との間の距離は約6インチ(15.24センチメートル)である。
さらに、図2において、二成分系繊維の開始材料の束(3A)は供給ローラー(12)から案内されて、ローラー(22B)に進行する前に、ローラー(22A)の周りに約6回にわたり巻き付けられる。その後、これらの繊維は、各オーブン(23A),(23B)の中を通して引き動かされる前に、ローラー(22B)の周りに約4回にわたり巻き付けられる。さらに、オーブン(23B)を出た後に、この繊維の束は各カレンダー・ロール(21A),(21B)のニップの中を通過して、巻取ローラー(20)に巻き取られる前に、ローラー(24)の周りに3回乃至4回にわたり巻き付けられる。上記の各処理条件下において、各ローラー(21A),(21B)の上における繊維の束の存在時間は約8秒である。また、各オーブン(23A),(23B)の中における存在時間は合計で約3秒乃至4秒である。
上記の各モノフィラメント型テープをその機械的特性について分析した。これらの結果が表1における右側の3個の縦列において示されている。また、種々の仕上げ状態のモノフィラメント型テープのデニール値も表1において示されている。
本特許出願における各実施例の全てにおいて、デニール値、靭性、破断負荷、およびパーセント破断伸び率はASTM2763プロトコルに従って調べた。
Figure 0004149262
ンタル・フロスとしての用途における各繊維の強度および柔軟さの間の適当な釣り合いを得るために、それぞれの靭性を各繊維におけるパーセントPE含有量に対してプロットした。この結果、各繊維の靭性はそのPE含有量の増加と共に指数関数的に低下した。それゆえ、このPE含有量を増加すると、比較的に柔軟性の高いフロスが提供できる。
上記の靭性はそれぞれの二成分系繊維の束およびそのモノフィラメント型テープの両方について測定した。この結果、モノフィラメント型テープの靭性はその二成分系繊維の束の靭性よりも約6%乃至10%だけ一貫して高かった。
さらに、上記表1におけるサンプル1乃至サンプル11を作成するために用いた方法と同一の方法により本発明による6種類のさらに別のモノフィラメント型テープを作成した。
2種類のサンプル、すなわち、12および12Aは600の仕上げ状態のデニール値を有していた。このサンプル12はそれぞれが約3.95のデニール値を有している152本の個別のPE/PETの二成分系繊維の束により作成されており、サンプル12Aはそれぞれが約2のデニール値を有している304本の個別のPE/PETの二成分系繊維の束により作成されている。また、サンプル13およびサンプル13Aは650の仕上げ状態のデニール値を有しており、それぞれ、152本の繊維(それぞれが約4.2デニール/フィラメント)および304本の繊維(それぞれが約2.1デニール/フィラメント)の開始材料の繊維により作成されている。さらに、サンプル14およびサンプル14Aは700の仕上げ状態のデニール値を有しており、サンプル14はそれぞれが約4.6のデニール値を有している152本の二成分系繊維の開始材料の束により作成されており、サンプル14Aはそれぞれが約2.3のデニール値を有している304本の二成分系繊維の開始材料の束により作成されている。
上記の全ての場合において、それぞれの二成分系繊維は実質的に円形の断面であり、45PE/55PETの容積比率におけるポリエチレン(PE)シースおよびポリエチレン・テレフタレート(PET)コアにより構成されている。
上記6種類のサンプルの破断負荷および靭性が以下の表2において記載されている。
Figure 0004149262
一般に、上記の各モノフィラメント型テープはそれぞれデンタル・フロスとして用いるための十分な靭性および強度を有している。また、152本の二成分系繊維により作成した各物フィラメント型テープは同一デニール値の304本の二成分系繊維により調製したそれぞれの対応するテープよりも強度が高い。さらに、これら152本の二成分系繊維により作成した600デニールのモノフィラメント型テープの特性を改善するために、異なる量のPEを用いて各種の実験を行なった。これらの結果が以下の表3においてまとめられている。
Figure 0004149262
上記の結果は35%のPEがほとんど6g/dの靭性を有する最も強度の高いモノフィラメント型テープを提供することを示している。
次に、以下の実施例2乃至実施例5において用いられているそれぞれの二成分系フィラメントを図1において概略的に示されている押出処理により調製した。
この押出処理において、以下の装置および条件を用いた。
押出装置:各種のホッパーを備えているL:D=30:1の標準的な3.8cm一軸スクリュー押出機、紡糸口金:175個穴の各紡糸口金および0.4mm乃至0.8mmの各ダイ穴を伴う2個の紡糸用ヘッド、急冷空気温度=6℃乃至18℃、全体の延伸比率=ローラー(10)の速度/ローラー(7)の速度、巻取速度:700m/分乃至2500m/分
実施例2−ポリオレフィン−ポリエステル(コア−シース)
一連のポリオレフィン/ポリエステルのコア−シース・モノフィラメント型テープを図1に基づいて上記において説明されている押出設備および同時押出処理により調製した。このコア材料はポリプロピレン(「PP」)であり、シース材料はポリカプロラクトン(「PCL」)であった。この実施例2において用いたPCLは市場において入手可能であり、指定名称トーン(Tone)(登録商標)767としてユニオン・カーバイド社(Union Carbide)から入手した。また、上記PPの250℃における比重は0.75である。このようなPP−PCLの各種のコア−シース繊維を80/20乃至50/50のコア−シース比率、175本乃至350本の繊維、0.4mm乃至0.8mmの穴の寸法、500デニール乃至800デニール(1本の繊維当たり1.4デニール乃至4.6デニール)、2.5乃至6の延伸比率、周囲温度乃至50℃の延伸温度、および2g/d乃至5.5g/dの靭性の条件下において調製した。各モノフィラメント型テープを形成するための上記PCLシース材料の融着は図1において示されている装置における領域(5)とローラー(12)との間において行なわれている。これらのモノフィラメント型テープをそれぞれの機械的特性について分析した。これらの結果が以下の表4A、表4B、表5、表6Aおよび6Bにおいてそれぞれ示されている。
Figure 0004149262
Figure 0004149262
Figure 0004149262
Figure 0004149262
Figure 0004149262
上記の各結果は延伸比率が高いほど優れた特性が得られることを示している。また、上記の結果は穴の大きさが小さいほど(表5を参照されたい)良好な特性が得られることも示している。このことは、おそらく、紡糸処理中における剪断力が高いほど各ポリマー分子における高度な分子の配向状態が得られることによると考えられる。
上記の組み合わせにおける最適な特性は36のMFR値を有するポリプロピレンを用いること、および小さい穴の大きさにより高い延伸比率および延伸温度で各繊維を処理することにより得られている。
実施例3−ポリアミド−ポリエステル(コア−シース)
一連のポリアミド−ポリエステルのコア−シース型二成分系繊維を上述したようにそれぞれ調整した。この実験の組においては、ナイロン6(B−3)をコアとし、PCL(トーン(Tone)(登録商標)767)をシースとした。このナイロン6(B−3)の比重は265℃において1である。このようなコア−シース繊維を約640のデニール値(1本の繊維当たり1.8デニール)において80/20乃至35/65の各コア−シース比率でそれぞれ調製して、周囲温度乃至50℃、2.5乃至4の延伸比率、および2.5g/d乃至5g/dの靭性の条件下において処理した。これらの繊維はライン上において、すなわち、図1において示されている領域(5)とローラー(12)との間において融着して上記PP−PCL型の各コア−シース繊維と同様にそれぞれのモノフィラメント型テープを形成したので、図2において示されている装置における後続の処理は必要としなかった。これらのモノフィラメント・テープをそれぞれの機械的特性について分析した。これらの結果が表7Aおよび表7Bにおいてそれぞれ示されている。
Figure 0004149262
Figure 0004149262
上記の結果はナイロン6の量が多いほど高い靭性の値が得られることを示している。フロスの用途において、65%のナイロン6が十分な強度を示し、35%のPCLが適当な柔軟性およびコア繊維に対する結合性を示す。
実施例4−ポリアミド−ポリ(エーテル−アミド)(コア−シース)
一連のポリアミド−ポリ(エーテル−アミド)のコア−シース二成分系繊維を上述したようにそれぞれ調製した。この組の各実験においては、ナイロン6(B−3)をコアとし、エルフ・アトケム社(Elf Atochem)から市場において入手可能なペバックス(Pebax)(登録商標)4033のポリ(エーテル−アミド)をシースとした。このペバックス(Pebax)(登録商標)4033の比重は240℃において1.05であった。また、ナイロン6(B−3)の比重は265℃において1.0であった。それぞれの繊維を600デニール乃至650デニール(1本の繊維当たり1.7デニール乃至1.85デニール)において、2.3の延伸比率、50℃乃至90℃の延伸温度、および3.5g/d乃至5g/dの靭性の条件下において80/20乃至35/65のコア−シース比率によりそれぞれ作成した。これらの繊維はライン上において融着しなかったので、上記ペバックス(Pebax)(登録商標)4033を融着して最終的なモノフィラメント型テープを形成するために、実施例1と同様の後処理が必要であった。これらの最終的なモノフィラメント型テープをそれぞれの機械的特性について分析した。これらの結果が以下の表8および表9においてそれぞれ示されている。
Figure 0004149262
Figure 0004149262
上記の結果はペバックス(Pebax)(登録商標)4033の含有量が高いほど各繊維の靭性が低下すること、およびそれぞれのペバックス(Pebax)(登録商標)4033/ナイロン6の繊維が上記の各PCL/ナイロン6の繊維よりも強度が高いことを示している。また、上記の結果は各繊維の靭性が延伸比率および延伸温度の関数として改善されることも示している。さらに、35%のペバックス(Pebax)(登録商標)4033はナイロン6の繊維に対して極めて良好に結合して、デンタル・フロスの各用途において優れた柔軟性および靭性を示している。
実施例5−ポリエステル−ポリ(エーテル−エステル)(コア−シース)
一連のポリエステル−ポリ(エーテル−エステル)のコア−シース二成分系繊維を上述のように調製した。この組の各実験においては、PBTおよびPETをコア材料とし、デュポン社(DuPont)から市場において入手可能なハイトレル(Hytrel)(登録商標)4056ポリ(エーテル−エステル)をシース材料とした。これらの繊維を以下のシーケンスに従って延伸した。
無延伸状態の繊維→第1の組の加熱したローラー(30メートル/分乃至40メートル/分、50℃)→熱水槽(70℃)→第2の組の加熱したローラー(100メートル/分乃至135メートル/分、50℃)→スチーム・オーブン→第3の組の周囲温度のローラー(100メートル/分乃至120メートル/分)→巻取装置
上記の無延伸状態の各繊維を第1および第2の組の加熱したローラーの間において延伸して、第3の組のローラーを用いて緩和した。この操作における一般的な延伸比率は2乃至4であり、延伸した各繊維のデニール値は800乃至900であった。次に、これらの繊維を融着してモノフィラメント型テープをそれぞれ形成した。これらのモノフィラメント型テープをそれぞれの機械的特性について分析した。これらの結果が以下の表10Aおよび表10Bにおいてそれぞれ示されている。
Figure 0004149262
Figure 0004149262
上記の結果はこれまでの別の各システムにおいて示されているようにハイトレル(Hytrel)(登録商標)4056の含有量を変更することによりその靭性の値が大幅に影響を受けることを示している。
実施例6−(a)PET−PE(コア−シース)
ンタル・フロスを以下の特性を有する無被覆状態のモノフィラメント型テープにマルチワックス(Multiwax)W−445(ウイトコ社(Witco))微晶質ワックスの被膜を塗布することにより作成した。
65/35PET−PEのコア−シース比率、600デニール、152本の繊維、3.94デニール/繊維、0.05mmの厚さ、7.4ポンドの破断負荷、5.6g/dの靭性、10%の破断伸び率
上記のフロスを以下のように作成した。先ず、モノフィラメント型テープを供給スプールから巻き戻し、引張装置により張力をかけてアイレットの中を通過させた。190°F(87.8℃)に加熱した上記ワックス被膜を必要量の被膜材料を注入したダイにより上記モノフィラメント型テープに供給した。その後、このモノフィラメント・レープを急冷した空気トンネルの中に通過させて37°F(2.8℃)に冷却し、得られたフロスを従来的な巻き付け設備により巻取ロール上に巻き付けた。このフロスはその無被覆状態のモノフィラメント型テープの重量に基づいて18%乃至20%だけ増量されたワックス被膜を含んでいた。
(b)ナイロン6−ペバックス(Pebax)(登録商標)4033
上記モノフィラメント型テープの重量に基づいて18%乃至20%の増量分の微晶質ワックスを用いて上記の方法によりデンタル・フロスを調製した。この無被覆状態のモノフィラメント型テープは以下の特徴、すなわち、65/35のナイロン6/ペバックス(Pebax)(登録商標)4033のコア/シース比率、650デニール、350本のフィラメント、1.85デニール/フィラメント、0.05mmの厚さ、6.7ポンド(3.04kg)の破断負荷、4.7g/dの靭性、および60%の破断伸び率を有していた。
(c)ポリプロピレン(MFR36)/PCL767(コア−シース)
さらに、上記の無被覆状態のモノフィラメント型テープの重量に基づいて18%乃至20%の増量分の微晶質ワックスを用いて上記の方法[実施例6−(a)]によりデンタル・フロスを調製した。この無被覆状態のモノフィラメント型テープは以下の特徴、すなわち、65/35のポリプロピレン/PCLのコア/シース比率、640デニール、350本のフィラメント、1.82デニール/フィラメント、0.05mmの厚さ、6.5ポンド(2.95kg)の破断負荷、4.6g/dの靭性、および27%の破断伸び率を有していた。
実施例7
さらに、上記のモノフィラメント型テープを以下の組成物、すなわち、微晶質ワックス−75%乃至85%、噴霧乾燥処理した香味料−15%乃至25%、およびサッカリン・ナトリウム−1%により上記と同様に被覆した。これらの組成物の合計の添加量は無被覆状態のモノフィラメント型テープの重量に基づいて35%乃至45%であった。ペバックス(Pebax)(登録商標)4033/ナイロン6のモノフィラメント型テープは上記の添加量を44%の高さにしても蝋質性を感じなかった。このような高いレベルの被膜組成物の添加量(すなわち、35%乃至45%)により、増量された各種の香味料(従って、「高い香りの作用(high flavor impact)」)、研磨剤、活性成分およびその他の当業界において知られている添加物を含むデンタル・フロスが容易に提供できるようになる。
さらに、上記の各デンタル・フロスをこのフロスが歯間を摺動する仕方、破断に対する耐性、強度、使用の容易さ、浄化の有効性、各種ゴムに対する穏やかさ、口内の清浄感を含む種々の特性について試験した。これらの結果は0乃至10の等級で報告されており、0は不良であり、10は優れている。さらに、これらの結果は以下の表11において示されている。
Figure 0004149262
上記の結果は20%のワックスにより被覆したモノフィラメント型テープの各フロスが試験された全ての特性において良好に動作することを示している。
また、各モノフィラメント型テープの表面および断面を走査電子顕微鏡により観察した。この結果、全てのモノフィラメント型テープにおいて、その個別のコア/シース・フィラメントにおける各シースは上記のカレンダー処理中において融着していた。さらに、これらのモノフィラメント型テープの断面もまた各シースが各モノフィラメント型テープの長さに添って融着していることを示していた。
ASTMテスト・メソッドD−792(ASTM Test Method D-792)において記載されている方法により決定した場合の、本明細書において述べられている種々のポリマーの周囲温度(約22℃)におけるそれぞれの比重が以下に示されている。
ポリマー 比重
ポリエチレン・テレフタレート(PET) 1.38
線形低密度ポリエチレン(LLDPE) 0.92
ナイロン6 1.14
ナイロン6,6 1.14
ポリプロピレン(PP) 0.9
ペバックス(Pebax)(登録商標)4033 1.01
ポリカプロラクトン(PCL) 1.14
ハイトレル(Hytrel)(登録商標)4056 1.17
ポリブチレン・テレフタレート(PBT) 1.42

Claims (32)

  1. 二成分系モノフィラメント型テープを備えている物品において、当該二成分系モノフィラメント型テープが第1のポリマーを含有する少なくとも約60本の個別のコア繊維を含み、当該個別のコア繊維のそれぞれが第2のポリマーを含有するシースにより個々に囲まれており、当該二成分系モノフィラメント型テープが、2個の加熱したローラーにおけるニップの間でカレンダー処理を行うことにより、当該個別のシースの相互融着により実質的に完全に囲まれた形状になっている当該物品。
  2. 前記二成分系モノフィラメント型テープが約60本乃至約600本の個別のコア繊維を含む請求項1に記載の物品。
  3. 前記二成分系モノフィラメント型テープが約150本乃至約500本の個別のコア繊維を含む請求項1に記載の物品。
  4. 前記個別のコア繊維のデニール値が約0.6乃至約4.5の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の物品。
  5. 前記個別のコア繊維のデニール値が約0.7乃至約3.8の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の物品。
  6. 前記個別のコアを構成しているポリマーがポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、および弗素化ポリマーから選択される請求項1〜5のいずれかに記載の物品。
  7. 前記ポリアミドがナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、およびナイロン66から成る群から選択され、前記ポリエステルがポリ(エチレン・テレフタレート)およびポリ(ブチレン・テレフタレート)から成る群から選択され、前記ポリオレフィンがポリプロピレンおよびポリエチレンから成る群から選択され、前記弗素化ポリマーがポリ(弗化ビニリデン)である請求項6に記載の物品。
  8. 前記個別のコアを構成しているポリマーがポリプロピレンおよびナイロン6から成る群から選択される請求項7に記載の物品。
  9. 前記シースを構成しているポリマーがポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテル−アミド)、ポリ(エーテル−エステル)、エラストマー、およびポリ(弗化ビニリデン)コポリマーから選択される請求項1〜8のいずれかに記載の物品。
  10. 前記ポリオレフィンがポリエチレンおよびポリプロピレンから成る群から選択され、前記ポリエステルがポリカプロラクトンであり、前記エラストマーが、ポリオレフィン、ポリ(エーテル−ウレタン)、ポリ(エステル−ウレタン)またはポリ(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)から造られたものである、請求項9に記載の物品。
  11. 前記シースを構成しているポリマーがポリカプロラクトン、ポリエチレンおよびポリ(エーテル−アミド)から成る群から選択される請求項9に記載の物品。
  12. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるシースに対するコアの比率が約10%のコアおよび約90%のシース乃至約90%のコアおよび約10%のシースの範囲である請求項1〜11に記載に記載の物品。
  13. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるシースに対するコアの比率が約20%のコアおよび約80%のシース乃至約80%のコアおよび約20%のシースの範囲である請求項12に記載の物品。
  14. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるシースに対するコアの比率が約30%のコアおよび約70%のシース乃至約70%のコアおよび約30%のシースの範囲である請求項13に記載の物品。
  15. 前記モノフィラメント型テープの厚さが約0.01mm乃至約0.15mmの範囲である請求項1〜14に記載に記載の物品。
  16. 前記モノフィラメント型テープの厚さが約0.03mm乃至約0.07mmの範囲である請求項15に記載の物品。
  17. 前記モノフィラメント型テープにデンタル・フロスを形成するためのワックス材、香味料および少なくとも1種類の別の添加物を含有している被膜組成物が塗布されている請求項1〜16に記載に記載の物品。
  18. 前記被膜組成物が前記モノフィラメント型テープの重量に基づいて15重量%乃至約60重量%で存在しており、前記香味料がミントおよびシナモンから成る群から選択され、前記少なくとも1種類の別の添加物が甘味料、研磨剤、クリーナー、化学療法剤、および白色化剤から成る群から選択される請求項17に記載の物品。
  19. モノフィラメント型テープを製造する方法であって、当該方法が、
    少なくとも約60本の二成分系コア・シース型の繊維を供給すること、2個の加熱したローラーにおけるニップの間でカレンダー処理を行うことにより、各シースを融着すること、およびこれら融着したシースを各コア繊維に結合して、当該個別のシースの相互融着により実質的に完全に囲まれた形状のモノフィラメント型テープを形成することを含む方法。
  20. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるコアがポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、および弗素化ポリマーから選択される請求項19に記載の方法。
  21. 前記ポリアミドがナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、およびナイロン66から成る群から選択され、前記ポリエステルがポリ(エチレン・テレフタレート)およびポリ(ブチレン・テレフタレート)から成る群から選択され、前記ポリオレフィンがポリプロピレンおよびポリエチレンから成る群から選択され、前記弗素化ポリマーがポリ(弗化ビニリデン)である請求項20に記載の方法。
  22. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるコアがポリプロピレンおよびナイロン6から成る群から選択される請求項21に記載の方法。
  23. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるシースがポリオレフィン、ポリエステル、ポリ(エーテル−アミド)、ポリ(エーテル−エステル)、エラストマー、およびポリ(弗化ビニリデン)コポリマーから選択される請求項19〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 前記ポリオレフィンがポリエチレンおよびポリプロピレンから成る群から選択され、前記ポリエステルがポリカプロラクトンであり、前記エラストマーが、ポリオレフィン、ポリ(エーテル−ウレタン)、ポリ(エステル−ウレタン)またはポリ(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)から造られたものである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるシースがポリカプロラクトン、ポリエチレンおよびポリ(エーテル−アミド)から成る群から選択される請求項23に記載の方法。
  26. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるシースに対するコアの比率が約10パーセントのコアおよび約90パーセントのシース乃至約90パーセントのコアおよび約10パーセントのシースの範囲である請求項19〜25のいずれかに記載の方法。
  27. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるシースに対するコアの比率が約20パーセントのコアおよび約80パーセントのシース乃至約80パーセントのコアおよび約20パーセントのシースの範囲である請求項26に記載の方法。
  28. 前記二成分系コア・シース型繊維におけるシースに対するコアの比率が約30パーセントのコアおよび約70パーセントのシース乃至約70パーセントのコアおよび約30パーセントのシースの範囲である請求項27に記載の方法。
  29. 前記モノフィラメント型テープの厚さが約0.01mm乃至約0.15mmの範囲である請求項19〜28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記モノフィラメント型テープの厚さが約0.03mm乃至約0.07mmの範囲である請求項29に記載の方法。
  31. 前記モノフィラメント型テープがデンタル・フロスを形成するためのワックス材、香味料および少なくとも1種類の別の添加物を含有している被膜組成物により被覆されている請求項19〜30のいずれかに記載の方法。
  32. 前記被膜組成物が前記モノフィラメント型テープの重量に基づいて15重量%乃至60重量%で添加されており、前記香味料がミントおよびシナモンから成る群から選択され、前記別の添加物が甘味料、研磨剤、クリーナー、化学療法剤、および白色化剤から成る群から選択される請求項31に記載の方法。
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