JP4148669B2 - 体液吸収性物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体液を吸収処理する、使い捨ての紙おむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の体液吸収性物品は、基本的に、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間に設けられた体液吸収性部を有する。
【0003】
この場合における、体液吸収性部の構成は、種々のものが知られているが、吸収性素材として、高吸収性ポリマー、綿状パルプ(フラッフパルプ)、クレープ紙などの吸収紙を主としている。近年の高吸収性ポリマー技術の進展に伴い、より薄型化した体液吸収性部の形成が可能となり、したがって製品の吸収部分の身体へのフィット性が向上し、モレが少なくなってきている。
【0004】
この製品の吸収特性の改善は、需要者にとって、薄型でありながら、吸収容量が大きく、さらに長時間の着用にも耐えるさらに新たな製品開発の要求となってあらわれ、昨今の製品開発競争はさらに激化している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吸収性物品の分野において未解決の重要な課題がここに一つある。
すなわち、股間部に吸収性物品を装着し、装着者と吸収性物品との間の微小空間の相対湿度を計測したとき、その値は、装着直後においては吸収材を含む吸収性物品の吸湿能力により80%を大きく下回るが、ひとたび体液が吸収されるとその吸収された体液が体液排出部位(すなわち股間)付近に留まるために、80%よりも高い値に急上昇し、それに伴い装着者の不快感が高まり、装着者に対して精神的及び皮膚生理学的な様々な弊害を生じさせる。
【0006】
他方、この問題に対しては従来に試みがないわけではない。ここで従来の技術を展望すると次のようになる。
(1) 吸収体の漏れ広がりを良好にして体液が局部的に留まる量を少なくする。
(2) 表面材を改良して、一旦、表面材を透過して内部に吸収された体液が逆流し、肌を濡らすのを可能な限り低減する。
(3) 高吸収性ポリマーを用いて逆流を低減する。
(4) 吸収体にあって身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏シートに透湿機能を付与し、吸収された体液が防漏シートを通して蒸発するのを促す。
(5) 防漏シートの面のうち漏れる虞のない部分に透孔を設け、通気性を付与する。
【0007】
しかし、上記(1)〜(3)の技術では、相対湿度を100%未満にすることが困難であり、上記(4)の技術では相対湿度を90%未満にすることが困難である。また上記(5)の技術では、開孔付近の相対湿度は80%以下となるが体液を吸収した股間部付近の湿度は90%未満にはならない。相対湿度が100%未満になると、皮膚生理学的弊害であるカブレなどは少なくなるが、相対湿度が80%未満にならないと高湿度下における皮膚の抵抗性、すなわちアンモニア等の化学物質の弊害や繊維等との摩擦障害の受け易さは解決されない。また体液排出部位といえども湿度90%であることは装着者に不快感を強く感じさせ、不必要な体の動きや焦燥感、機嫌の悪化などを引き起こさせる。よって、いずれの方法も抜本的な解決策とはいえない。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、体液が排出されたとき体液排出部位における不快感が著しく少なく、精神的及び皮膚生理学的な様々な弊害が発生しにくい吸収性物品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間の体液吸収性部に設けられた体液吸収体を有する吸収性物品であって;
前記体液吸収体は、体液が透過可能な使用面側シートと透液性または不透液性の裏面側シートとを有し、これら使用面側シートと裏面側シートとを固定する固定部が体液吸収性物品の幅方向に間隔を置いた位置に長手方向に沿って設けられ、隣接する固定部の間が長手方向に沿うチャンネル空間とされており、各チャンネル空間内に、体液との接触により収縮する収縮性材と、この収縮性材に対して一体化された、高吸収性ポリマーを有する体液吸収性材とから構成された吸収材が設けられており、
前記吸収材は、体液排出部位に位置する部分と、一部を前記裏面側シートに固定してなる固定部とを有し、
前記体液排出部位に温度37℃の人工尿200mlを注入した後10分後において、吸収材の面積更新率が50%以上であるとともに肌面側相対湿度が85%以下である
ことを特徴とする体液吸収性物品。
【0010】
(作用効果)
本発明においては、体液排出部位に排出された体液が表面層を通して収縮性材と接触すると、収縮性材が収縮するとともに、これに伴って一体化された体液吸収性材も収縮する。その結果、体液排出部位に対して、体液吸収性材における先に吸収した部分(体液吸収済部分)が逃げるようになり、これに代わって体液吸収性材の新たな部位(体液未吸収部分)が位置するようになる。つまり体液排出部位に対して、体液吸収性材の吸収部が体液の排出に伴って自動的に置換・更新され、位置変化するようになる。
【0011】
したがって、湿度調節のために吸収材全体を適切に利用でき、効率の良い湿度調節が可能となる。
【0012】
特に本発明では、体液排出部位に温度37℃の人工尿200mlを注入した後10分後における吸収材の面積更新率(体液吸収済部分の全面積に対して体液未吸収部分により置き換えられる部分の面積)が50%以上である。つまり、体液吸収済部分の少なくとも50%の面積部分が体液未吸収部分により置き換えられる。
【0013】
このように、体液排出部位において体液吸収済部分の半分以上が体液未吸収部分により置き換えられると、体液を未だ吸収していない吸収材部分によって吸湿がなされるので、効率の良い湿度調節が可能となる。そしてその結果、体液排出部位における不快感が著しく少なくなり、精神的及び皮膚生理学的な様々な弊害が発生しにくくなる。
【0014】
<請求項2記載の発明>
前記吸収材が、前記高吸収性ポリマーを30重量%以上含む、請求項1記載の体液吸収性物品。
【0015】
(作用効果)
このように吸収材として30重量%以上の高吸収性ポリマーを含むものを採用することによって、確実な湿度調節が可能となる。
【0016】
<請求項3記載の発明>
前記高吸収性ポリマーは、温度30℃且つ相対湿度80%以上の雰囲気下における静置状態での1gあたりの吸湿量が、10g/30分以上である、請求項1または2記載の体液吸収性物品。
【0017】
(作用効果)
特にかかる高吸収性ポリマーを用いることによって、更に効率良く且つ更に確実な湿度調節が可能となる。
【0018】
<請求項4記載の発明>
前記体液排出部位に対して前記固定部側の位置における前記吸収材と前記表面層との間に、不透液性の肌面側防漏シートが設けられた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
【0019】
(作用効果)
このように構成することによって、吸収材が体液を吸収したとき、体液吸収済部分その移動先において肌面側防漏シートによって表面層側が覆い隠されるため、肌面側防漏シートによって体液吸収済部分と肌面との間の液体の流通が遮断され、体液吸収済部分に対して肌が触れても濡れた感じを受けることがなく、また体液吸収済部分に対して体圧が加わっても保持体液が逆流して肌が濡れるといった事態も発生しにくくなる。さらに、移動した体液吸収済部分と対応する位置における肌面側湿度を低く抑えることができる。
【0020】
<請求項5記載の発明>
前記肌面側防漏シートが、透湿性フィルム、または撥水性繊維の集合体からなる透湿性シートである、請求項4記載の体液吸収性物品。
【0021】
(作用効果)
不透液性であるものの透湿性を有する透湿性フィルムを用いた場合、体液吸収済部分に保持された体液が徐々に蒸発するが、体液吸収済部分と対応する位置における肌面上の蒸気圧、吸収済部空間の蒸気圧、透湿性吸収性物品の外部蒸気圧は、この順序に低下し、体液が肌を濡らすことがないので、蒸気の流れは確実に外方へ向かい、通気性が確保できる。一方、不透液性かつ不透湿性のフィルムを用いた場合、保持体液の逆流を確実に抑制できるが、肌面の蒸気移動が少なく、透湿性フィルムの場合より効果は低い。吸収性物品最外層に通気孔を設置することにより、効果を高めることができる。
また、撥水性繊維の集合体からなる透湿性シートを用いても、透湿性フィルムを用いた場合と同様の作用効果が奏せられる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながらさらに詳説する。
前述のように、本発明は使い捨ての紙おむつ、生理用ナプキンなどの体液吸収性物品一般に適用されるが、おむつ使用時(装着時)に背側の左右両側部を腹側の左右両側部に持ち込み、これらをテープファスナー(粘着剤テープファスナー及び面ファスナーを含む)により接合するタイプのいわゆるテープ式紙おむつに対する適用例を説明すれば、パンツ型使い捨ておむつやパッド型使い捨て吸収性物品での実施の形態や、生理用ナプキンでの実施の形態も直ちに推測できると思われるので、後二者の例についてはその説明を省略する。
【0026】
(吸収性物品の基本的形態例)
本実施形態例に係る使い捨ておむつは、図1及び図2に示すように、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の不織布、あるいは孔開きフィルムなどからなり、着用者の肌に直接触れる長方形の表面シート2、身体の肌から遠ざかる側に設けられたポリエチレンプラスチックフィルムなどからなる長方形の不透液性バックシートなどからなる防漏層3、および両者の間に設けられた体液吸収体20のみからなる体液吸収性部1を有する。
【0027】
さらに、防漏層3より裏面側たる体液吸収性物品の裏面側には、可撓性の外形シート4を有し、この外形シート4は1枚の不織布または複数枚の通気・撥水性の不織布を積層固定したものからなる。
【0028】
体液吸収性物品の両側部には、使用面側に突出する脚周り起立カフスC,Cがそれぞれ形成され、この起立カフスCは、実質的に幅方向に連続した起立シート8と、たとえば糸ゴムからなる一本のまたは複数本の伸縮部材9とにより構成されている。さらに詳細には、起立カフスCは、起立シート8を二重にして形成され、伸縮部材9を包んでホットメルト接着剤などにより固着した状態で形成されたものである。各起立カフスC,Cを形成する起立シート8は、透液性でなく不透液性もしくは疎水性であるのが望ましい。さらに、通気もしくは蒸気透過性を有しているのが望ましい。起立シート8の間に不透液性フィルムシートを挟み込み、さらに防漏性を高めることができる。
【0029】
二重の起立シート8の内面は、表面シート2及び外形シート4にホットメルト接着剤などにより固着されている。その結果、二重の起立シート8のこの固着始端は、起立カフスCの起立端を形成している。この起立端より先端側は、体液吸収性物品本体に固定されていない自由部分である。
【0030】
他方、二重の起立シート8の長手方向前後端部は、ホットメルト接着剤などにより、自由部分がその先端を物品の中央側に向かう状態で物品に、具体的には表面シート2外面に固定されている。左右の起立カフスC,Cで囲まれる空間は、尿または軟便の閉じ込め空間を形成する。この空間内に排尿されると、その尿は透液性表面シート2を通って体液吸収性部1内に吸収されるとともに、軟便の固形分については、起立カフスCがバリヤーとなり、その乗り越えが防止される。
【0031】
他方、前身頃及び後身頃の長手方向端部において、ウエスト部における外形シート4の不織布間に、ウエスト周りのフィット性を高めるために、ウエスト開口部の端縁に平行に間隔を置いて細い糸ゴムからなるウエスト伸縮部材10,10…を配置し、これらが伸縮するように伸長下にホットメルト接着剤などにより固定されている。ウエスト伸縮部材10,10…の間隔および本数は適宜定めることができるが、例えば間隔としては4〜8mm程度、本数としては3〜10本程度が好ましい。11は背側の左右両側部を腹側の左右両側部に持ち込み、接合するためのテープファスナーである。
【0032】
(体液吸収性部)
さて、前述のとおり本発明は、体液排出部位における肌面側相対湿度を85%以下に調節する手段を備えたものであり、かかる湿度調節手段の具体例が以下に述べる体液吸収性部である。ここに、体液吸収性部とは、身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層と、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層との間にあって、表面層を通った体液を受け入れて吸収する部分である。この体液吸収性部の構成は、本発明の範囲内で、以下に述べるような種々の形態及び形状を備えることができる。
【0033】
<体液吸収性部の第1の実施の形態>
図3及び図4に示すように、第1の実施の形態に係る体液吸収性部1は体液吸収体20のみからなり、この体液吸収体20は、体液が透過可能な使用面側シート21及び透液性または不透液性の裏面側シート22を有し、使用面側シート21と裏面側シート22とが体液吸収性物品の幅方向に間隔を置いた位置に長手方向に沿う固定部23を有し、隣接する固定部23,23の間が長手方向に沿うチャンネル空間24とされ、各チャンネル空間24,24…内に本発明の吸収材25が設けられているものである。
【0034】
特に図示形態では、体液吸収性物品の幅方向に間隔をおいて体液吸収性物品の長手方向に延在するクッション部材29,29が複数列配置されるとともに、これらクッション部材29,29間に本発明の吸収材25が設けられている。さらに詳細には、本例の体液吸収体20では、固定部23と対応する位置における使用面側シート21の上側(外側)に、クッション部材29がそれぞれ配置されている。クッション部材29は、体液吸収性部1内にホットメルト接着やヒートシール接着等を用いて固定したり、または固定せず単に載せ置くようにしたりすることができる。
【0035】
クッション部材29は、クッション性を有するものであれば良く、単なる繊維集合体やスポンジ体であっても良いが、図5にも示すように体液透過性シートからなる密閉袋体29b内に体液吸収性クッション材料29cを封入して形成するのが好ましい。体液透過性シートとしては不織布を用いることができ、体液吸収性クッション材料29cとしては、吸収性物品においても公知のもの、例えば高吸収性ポリマー(SAP)、コットンスポンジ、海綿又はこれらの混合物を用いることができる。
【0036】
またクッション部材29の袋体29bを、体液吸収性物品の長手方向に複数の隔室29r,29rを有するように区画して、これら隔室29r,29rに体液吸性クッション材料29cをそれぞれ封入するように構成すると、クッション材料29cが袋体29の長手方向に拘束され偏りにくくなるので、クッション性が長手方向に均一となる。区画部分29dはホットメルト接着やヒートシール接着等を用いて袋体29における所定位置の内面相互を接着することにより形成することができる。
【0037】
このように区画29dを形成する場合、区画29dが体液との接触により解除されるように構成することができる。このため本発明では、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイドなどを主成分とする水分散型ホットメルト接着剤や、デンプン糊、カルボキシメチルセルロース等の水溶性接着剤を好適に用いることができる。ただし、袋体29bの周縁接合部(袋体長手方向両末端接合部を含む)29eが解離すると内部のクッション材料29cが放出されクッション性が損なわれるので、当該周縁接合部分29eについては体液との接触により接着力が低下しないような接着剤や接着手段を用いて、解離しないように構成する。
【0038】
他方、体液吸収により移動置換がなされる本発明の吸収材25としては、図6に示すように、高吸収性ポリマー26A、及びこの高吸収性ポリマー26Aの担体26Bからなる体液吸収性材26と、収縮性材27とを有し、この収縮性材27に対して体液吸収性材26とが一体化されたものを好適に用いることができる。図示例では高吸収性ポリマー26Aが担体26Bに対して収縮方向に間欠的に配置され、高吸収性ポリマー26Aを有する部分Xと有しない部分Yとが担体26Bの収縮方向に交互に繰り返される配置となっている。もちろん、本発明では高吸収性ポリマーを収縮方向に連続的に配置することもできる(後述の第4の実施形態および図9参照)。
【0039】
担体26Bは、リボン状の不織布などからなるものであり、これに高吸収性ポリマー26Aが付着もしくは接着されている。高吸収性ポリマー26Aの担体26Bへの付着もしくは接着は、わずかな水分の添加により付着させるほか、接着剤を用いて接着させるなど公知の高吸収性ポリマーの固定方法により行うことができる。高吸収性ポリマー26Aの担体26Bへの配設量は、当該吸収性物品の吸収量の設定により決定されるもので、ライトユースとヘビーユースとでは、担体26Bの形状を変更するのが望ましい。図3〜図5の例は、ライトユースに適したものであるが、ヘビーユースの場合には、後述するように袋状リボンを担体とし、その中に高吸収性ポリマー26Aを閉じ込めるなどの形態を採ることができる。
【0040】
収縮性材27と体液吸収性材26とは、長手方向に間欠的に接着剤28などにより固定するか、後述例で示すようにミシン縫いなどのように機械的に絡ませるなどの形態で実質的に一体化されている。特に、収縮性材27と体液吸収性材26とが、体液との接触により解離する範囲で接着により一体化されるのが好ましい。このために接着剤28として、ポリビニルアルコール、ポリアルキレンオキサイドなどを主成分とする水分散型ホットメルト接着剤や、デンプン糊、カルボキシメチルセルロース等の水溶性接着剤を好適に用いることができる。収縮性材27と体液吸収性材26との接着強度が体液接触時に対して体液非接触時が2倍以上となるように、接着剤の選択、接着面積・パターン(スパイラル状、直線状、曲線状等の各種線状のほか、面状、点状等)の選択等を行うのが望ましい。
【0041】
接着強度に関して具体的に分析すると次のようになる。すなわち、着用に際し、被着体により吸収材に及ぼされる体圧は通常50〜100g/cm2である。よって、幅3cmのリボン状吸収材を用いる場合を想定すると、これを移動させる場合300〜1500g/吸収材1本(以下、単に「本」と表記)の抵抗を受けることになる。したがってこの場合、収縮性材27と体液吸収性材26との接着強度は、体液未吸収時で300g/本以上、特に1500g/本以上、体液吸収時で300g/本未満、特に150g/本未満であるのが望ましい。なおこれに関連して、収縮性材の収縮力は300g/本以上、特に1500g/本以上、収縮性材の湿潤時強度は300g/本以上、特に1500g/本以上であるのが望ましい。ただし、前述のクッション部材29,29を設ける場合、吸収材25が収縮し易くなるため、上記の接着強度や収縮力、湿潤強度はクッション部材29,29を設けない場合と比べて低くすることができる。また、全く体圧を受けない吸収材25の部位や吸収性物品の使用形態もあるので、そのような部位における接着強度や収縮力を体圧を受ける部位に対して異ならしめることもできる。
【0042】
他方、本発明の高吸収性ポリマーとしては、この種の使い捨て吸収性物品において用いられる、自重のたとえば20倍以上の体液を吸収して保持するものを使用できる。この例として、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などを挙げることができる。高吸収性ポリマー26Aの吸収特性としては、特に本発明のレベルの湿度調節機能を発揮させるためには、温度30℃且つ相対湿度80%以上の雰囲気下での静置状態での1gあたりの吸湿量が、10g/30分以上であるのが望ましい。また高吸収性ポリマーの使用量としては、吸収材25全体に対して30重量%以上、特に40重量%以上であるのが望ましい。一方、高吸収性ポリマー26Aと担体26Bとを接着させる場合、ポリマー表面が部分的に接着剤になじみやすいよう改質されたものが望ましい。接着剤の性能は粘着性があれば加工上有利であるがとくに限定されない。高吸収性ポリマー26Aと担体26Bとの接着は吸水膨潤した後、最低でも数分間維持されていれば良いが、それ以上持続していてもよい。
【0043】
体液吸収性材26を得るに際しては、担体26Bの素材シートに高吸収性ポリマー26Aを接着剤を用いて接着固定した後、これを所定の幅及び長さに切断してたとえばリボン状に形成したものとすることができる。
【0044】
収縮性材27は、体液との接触により収縮するものであり、たとえば特公平6−102068号、特許第2656245号に開示されている技術によって製造できる。また、市販のものとしては、株式会社ニチビの商品名「ソルブロン」を用いることができ、太さは500〜1600dtexのものが好適である。ソルブロンのような収縮性繊維の場合、これを束ねて糸状にして用いたり、束ねたものに撚りをかけて用いたり、編物状または織物状にして用いたりすることができる。他方、ウレタンゴムや天然ゴムの長繊維をコアにして親水性繊維を巻きつけ、コアを伸張した状態で親水性繊維を水溶性固定剤(水溶性のり・水溶性接着剤等)により固定したものも用いることができる。この場合、水溶性固定剤が体液との接触により溶解して固定力を失うと、コアは親水性繊維による拘束を受けなくなり収縮する。
【0045】
収縮性材27の形状としては、リボン状のほか、横断面円形や四角形の糸状のものや、又はシート状、フィルム状若しくは網状のものなど、あらゆる形状のものを用いることができる。
【0046】
一つの体液吸収性材26に対して、複数の収縮性材27をたとえば幅方向に間隔を置いて並べて設けることもできる。また、複数の収縮性材27相互を長手方向に間隔を置いた位置において相互に接着させたものを、体液吸収性材26に対して固定することもできる。また、複数本を収縮率の調節のために撚りをかけて用いることもできる。
【0047】
担体26Bに高吸収性ポリマー26Aを接着させた体液吸収性材26を得た後、収縮性材27と接合するほか、担体26Bと収縮性材27とを接合した後、高吸収性ポリマー26Aを担体26Bに接着させることもできる。また、高吸収性ポリマー26Aは担体26Bに接着させるほか、担体26Bを用いることなく、収縮性材27のみに接着させ、これを吸収材とすることができる。したがって、この後者の場合には、高吸収性ポリマー26A自体が体液吸収性材26として機能する。さらに、高吸収性ポリマー26Aは、担体26Bと収縮性材27との両者に接着させることもできる。
【0048】
そして本発明では、後述するように、吸収材25は、体液排出部位に位置する部分と、一部を裏面側シート22に固定してなる固定部30とを有する。
【0049】
かくして構成されていると、たとえば尿が表面シート2を通り、使用面側シート21を通して担体26Bに接触し、担体26Bに沿って拡散し、その尿が収縮性材27に接触するとこれ自体が収縮し、これに伴って一体化された体液吸収性材26も収縮する。その結果、体液排出部位に対して、体液吸収性材26が先に吸収した部位が逃げるようになり、これに代わって体液吸収性材26の新たな部位が位置するようになる。つまり体液排出部位に対して、体液吸収性材26の吸収部が体液の排出に伴って自動的に置換・更新されるように位置変化する。そして、このように吸収材25における体液吸収済部分の一部または全部が体液未吸収部分により置き換えられると、体液排出部位において体液を未だ吸収していない吸収材部分によって吸湿がなされ、体液排出部位において効率の良い湿度調節がなされる。
【0050】
特にこのような吸収材25の置換・更新による湿度調節機能を良好に発揮させるために、本発明では、体液排出部位に温度37℃の人工尿200mlを注入した後10分後における吸収材の面積更新率(体液吸収済部分の全体面積に対して体液未吸収部分により置き換えられる部分の面積)が50%以上となるように、これに関連する構成(例えば、収縮性材27の選択や、クッション材29の有無、収縮性材27と体液吸収性材26との解離の有無など)を定める。クッション材29が高吸収性ポリマーを含む場合等のように吸湿性を有するものであると、付随的な吸湿作用が奏せられる。
【0051】
かくして、体液排出部位における肌面側相対湿度を85%以下に調節することができ、体液排出部位における不快感が著しく少なく、精神的及び皮膚生理学的な様々な弊害が発生しにくい吸収性物品となる。
【0052】
この他にも、本形態では次のような作用効果が奏せられる。
(イ) すなわち、上述の置換更新によって吸収材25全体を有効的に利用でき、全体としてみれば、体液吸収体20が薄型でありながら、吸収容量が大きく、さらに長時間の着用にも耐え得る体液吸収性物品を得ることができる。また、体液との接触による収縮性材27の収縮に伴って体液吸収性材26が収縮するとき、体液排出部位に対して、体液吸収性材26の高吸収性ポリマー26Aによる吸収部が更新されるので、高吸収性ポリマー26Aの膨潤による拡張濡れが阻害されるいわゆるゲルブロッキング現象がなく、高吸収性ポリマー26Aの機能が十全に発揮されるものとなる。
【0053】
(ロ) また、クッション部材29,29間に吸収材25が配置されていると、これらクッション部材29,29により使用面側からの圧力が支えられ、それらの間に吸収材25の収縮スペース及び体液の流通チャンネルが確保され、着用に際し、被着体により吸収材25側に及ぼされる体圧が高くても、吸収材25の収縮スペースが確実に確保され、吸収材25の確実且つ効率良い更新、ならびに体液の効率的な吸収が可能となる。
【0054】
(ハ) また、図示例のように、チャンネル空間24内に吸収材25を設けると、収縮性材27の収縮に伴なう吸収材25の収縮が円滑かつ確実に行われる。さらに、チャンネル空間24内を体液がその長手方向に沿って移動及び拡散可能である。また、体液吸収性物品の装着時、チャンネル空間24が緩衝部またはクッション部となり、肌に対する接触性が良好となる。
【0055】
(ニ) さらに、クッション部材29が、体液を吸収するクッション材料29cを体液透過性シートからなる密閉袋体29b内に封入して形成されていると、クッション材料29cによって付随的な体液吸収がなされ、いわゆる横漏れが防止される。
【0056】
(ホ) さらにクッション部材29の袋体29bに、体液との接触により解除される区画29dを設けるものの、この区画が解除されないものである場合、図35に示すようにクッション部材29の体液吸収部分だけが全体的に膨らみ、断面が略楕円形の不安定形状になる結果、クッション部材29が横に倒れて吸収材25を挟んで圧迫するといった事態が発生する。これに対して区画29dが体液との接触により解除されるものである場合、図36に示すようにクッション部材29内の体液吸収性クッション材料29cが体液を吸収して膨張したとき、同時に体液との接触により区画29dが解除され、内部の高吸収性ポリマー26Aが自由に移動し、隔室29rの形状が外圧に応じた断面略矩形の安定形状に自然に変化できるため、クッション部材29が横倒しになったり局所的に膨出したりして吸収材25の収縮スペースが無くなるといったことが発生しにくく、クッション部材29本来の機能が体液吸収によって阻害されることなく、常に確実に発揮されるようになる。
【0057】
(ヘ) さらに、図示例のように高吸収性ポリマー26Aが、担体26Bに対して収縮方向に間欠的に配置されていると、高吸収性ポリマー26Aが体液を吸収し膨潤すると当該部位Xにおける体液吸収性材26の収縮は阻害されるものの、高吸収性ポリマー26Aが配置されていない部位Yはこのような阻害なく容易に収縮することができる。
【0058】
(ト) また、収縮性材27と体液吸収性材26とが接着により一体化されるとともに、これらの間の接着部分28が体液と接触したとき、当該体液接触部位において収縮性材27と体液吸収性材26とが解離するように構成されていると、収縮性材27の体液接触部位は体液吸収性材26による拘束を受けずに自由に収縮できる。またこの際、収縮性材27の体液非接触部位は体液吸収性材26と解離しないので、収縮性材27の収縮に伴う体液吸収性材26の収縮もなされる。よって、体液吸収性材26の効率的な収縮が可能となる。
【0059】
(チ) 他方、本例では、吸収材25の収縮性材27と接触するように保液部材LKが設けられており、この保液部材LKによって体液が保持され、収縮性材27に対して収縮に十分な体液が供給されるようになる。保液部材LKは収縮性材27と接触してその機能を発揮する限り、担体26Bや収縮性材27に固定しても良いし、裏面側シート22に固定しても良いし、あるいは全く固定しなくても良い。
【0060】
保液部材LKとしては、水分を保持できる弱親水性シートであれば良く、薄葉紙や不織布が保液性及びコストの面から好適である。より具体的には、親水化された坪量10〜20g/m2程度の不織布(スパンボンド不織布、カードウエブを接着した不織布、メルトブローン不織布、これらの混成不織布等の公知の不織布)や、坪量10〜20g/m2程度の薄葉紙(ティッシュペーパー)を始めとする体液吸収性を有する紙を好適に用いることができる。これらを収縮性材27と接触するように配置することで前述のように収縮性材27の効率の良い収縮が可能となる。
【0061】
特に図示例のように、吸収材25と不透液性の裏面側シート22(防漏層)との間に保液部材LKを配置すると、湿潤時において保液部材が吸収材と防漏層との摩擦を低減するようになり、収縮し易くなる利点がもたらされる。
【0062】
保液部材LKは、収縮性材27と接触する限り、形状・サイズ・収縮性材に対する配置は適宜定めることができるが、図示のように保液部材LKと担体26Bとの間に収縮性材27が挟まれる配置とすると、体液が保液部材LK自体および保液部材LKと担体26Bとの間に十分に保持され、収縮性材27に対する体液供給が十分となるため好ましい。しかし、収縮性材27と担体26Bとの間に保液部材を配置したり、収縮性材27を保液部材で包んだり、収縮性材27を一対の保液部材で挟んだりすることもできる(図示せず)。
【0063】
また、保液部材LKが、担体26Bの側端からハミ出ず且つ少なくとも収縮性材27の幅方向全体を実質的に覆い隠す程度の幅を有するように構成すると、保液部材が収縮性材を収縮させるのに必要十分なサイズとなり、部材コストを抑えることができる。
【0064】
<体液吸収性部の第2の実施の形態>
チャンネル空間24の横断面形状、その数などは適宜選択できる。一つのチャンネル空間24内に吸収材25を複数並べて設けることもできる(図示せず)。
【0065】
収縮性材27の物性で大切なのは収縮力と吸水収縮率である。チャンネル空間24内を吸収材25が移動するとき、吸収材25の吸収部分とチャンネル内壁との摩察により収縮力が低下することにかんがみ、チャンネル空間24の断面積と高吸収性ポリマー26Aの膨潤度を勘案して決定するのが望ましい。収縮性材27の収縮率は原糸で30%以上、望ましくは70%以上あれば吸収後の高吸収性ポリマー26Aの移動が十分可能である。
【0066】
チャンネル空間24の断面積Sは吸収材25の形態によって異なり、次式で計算される面積が好ましい。a=吸収材の1cmあたりの高吸収性ポリマー量グラム数、b=吸収材の収縮率(収縮後の長さ/収縮前の長さ)、S=断面積(cm2)として:
S=(30〜200)×a/b……(1)
図7に示すように、体液吸収体20は、必要ならば2層以上に積層することもできる。この場合、上下層の位置を半ピッチずらすのが望ましい。
【0067】
チャンネル空間24を形成するための使用面側シート21は液透過性である限り、その材質に限定はなく、たとえば不織布のほか孔開きフィルムなどによってもよい。この場合、高吸収性ポリマー26Aを透過させない程度の空隙を有するのが望ましい。使用面側シート21と接合する裏面側シート22としては、不織布、防漏シート、耐湿紙、吸収紙などから選ぶことができる。
【0068】
<体液吸収性部の第3及び第4の実施の形態>
体液吸収性部としては、図8に示すように、高吸収性ポリマー26Aが接着された糸状の担体26B1と収縮性材27とを接着剤により接合することもできる(第3の実施形態)。
【0069】
また図9に示すように、また他の形態においても同様に、高吸収性ポリマー26Aを収縮方向に連続的に配置することもできる(第4の実施形態)。また、図示するように、高吸収性ポリマー26Aが接着された糸状の担体26Bと収縮性材27とを接着剤28により接合することもできる。また、図示しないが担体26Bが糸状高吸収性ポリマーであってもよい。
【0070】
<体液吸収性部の第5及び第6の実施の形態>
他方、高吸収性ポリマーを間欠配置する場合、上記例のようにリボン状の不織布担体26Bの外面に高吸収性ポリマー26Aを配置する形態では、ポリマー26Aの保持性を考慮すると、全体としての高吸収性ポリマー26Aの配設量が少なくならざるを得ず、吸収能力が低下するのでヘビーユースには不向きである。
【0071】
そこで、特に高吸収性ポリマーを間欠配置する場合に好適な形態が次述の第5および第6の実施形態である。
【0072】
すなわち、第5の実施形態は、図10〜図13に示すように前述のチャンネル空間24を備える形態において、高吸収性ポリマーの担体26Bが収縮方向に延在する袋状をなし、且つその内部に高吸収性ポリマー26Aを封入した形態である。
【0073】
袋状担体26Bの幅は、1〜3cm程度が好ましい。また袋状担体26Bに対する高吸収性ポリマー26Aの配置量としては、望まれる吸収能力に応じて適宜設定でき、袋内一杯に充填することもできるが、その場合、当該充填部内において早期に膨潤したポリマーによって残りの未膨潤のポリマーへの体液供給が阻害される局所的なゲルブロッキングが発生するため、袋状担体の5cm2〜20cm2あたり0.01〜0.1gとして、袋内に空隙を形成し、高吸収性ポリマー26Aが膨潤に応じて膨らむことができるようにするのが好ましい。
【0074】
特に好ましい形態では、図示のように、袋状担体26Bを、内部に収縮方向に多数の隔室r1,r2…を有するように形成し、これら隔室r1,r2…に対して一つおきに高吸収性ポリマー26Aを封入し(複数おきに複数室にポリマーを封入しても良い)、高吸収性ポリマー26Aが封入された封入隔室r1と、高吸収性ポリマー26Aが封入されていない非封入隔室r2とを収縮方向に交互に形成する。これら隔室r1,r2…の長さは2〜10cm程度が望ましい。かかる袋体26Bの隔室形成手法としては、例えば一対の透液性シートst,stを重ねて、袋体周縁部や隔室周囲部等の所定部位を、ホットメルト接着剤による接着、超音波溶着またはヒートシールにより接合したり、一枚のシートの幅方向中央を折り、対応する端部相互を接合したりする方法が考えられるが、後者の方が接合部位が少なく実用的であるため好ましい。
【0075】
この袋状担体26Bに用いる透液性シートとしては、特に縁部をヒートシール接合することを考慮すると、熱可塑性合成繊維を含む坪量15〜20g/m2程度の液透過性親水性不織布(公知の、スパンボンド不織布、カードウエブを接着した不織布、メルトブローン不織布、それらの混成不織布等)や、合成パルプ(三井石油化学社製のSWPなど)を含む坪量15〜20g/m2程度のティッシュペーパーなどが好ましく使用できる。特に、併設される収縮性材27を効率良く濡らすことができる程度に保水性があるものが好ましい。また、このシートは収縮性材27と一体化されており、収縮性材27の収縮時には、収縮性材27との接合部位に2〜5N程度の力がかかるので、それに耐えることができる程度の湿潤強度を有するのが望ましい。
【0076】
高吸収性ポリマー26Aは、袋状担体26B内において移動自在なように封入するのがゲルブロッキングを防止するためには好ましいが、封入量が少ないと担体26B内で偏在してしまうおそれもあるので、袋状担体26B内面に対して付着もしくは接着させることもできる。この付着もしくは接着は、わずかな水分の添加により付着させるほか、接着剤を用いて接着させるなど公知の高吸収性ポリマーの固定方法により行うことができる。
【0077】
このように高吸収性ポリマー担体26Bを袋状となして内部に高吸収性ポリマー26Aを配置することによって、収縮時等においてポリマー26Aが担体26Bから脱落することがなく、また一箇所により多くのポリマー26Aを保持させることができるようになる。さらに図示のように、ポリマー封入隔室r1と非封入隔室r2とを収縮方向に交互に形成すると、高吸収性ポリマー26Aの間欠配置をより確実に維持でき、吸収能力を十分に確保でき、しかも、図13に示すように、収縮時には高吸収性ポリマー26Aが配置されていない部分Yが収縮性材27にともなって容易に収縮することができる。
【0078】
【0079】
<体液吸収性部の第6の実施の形態>
図6等に示すように高吸収性ポリマーを間欠配置する形態では、高吸収性ポリマー26Aが配置されてない部分Yの収縮方向長さがポリマー配置部分Xに対して長すぎると収縮効率は向上するが、ポリマー配置面積は減少するので吸収能力が低下する。反対に、高吸収性ポリマー26Aが配置されてない部分Yの収縮方向長さがポリマー配置部分Xに対して短くなると吸収能力は向上するが、収縮効率は低下する。よって、望ましくは担体26Bにおける高吸収性ポリマー26Aが配置されていない部分Yの収縮方向長さが、高吸収性ポリマー26Aが配置された部分Xの収縮方向長さの30〜400%、特に80〜300%となるように構成する。これによって、収縮効率および吸収能力の双方が良好となる。
【0080】
<体液吸収性部の第7の実施の形態>
前述のとおり、収縮性材27と体液吸収性材26とは、長手方向に間欠的に接着剤28などにより固定するか、ミシン縫いなどのように機械的に絡ませるなどの形態で実質的に一体化するが、収縮性材27における体液吸収性材26の担体26Bと固定された部分28は収縮し難い。また前述のように、高吸収性ポリマー26Aを間欠配置する形態では担体26Bにおける高吸収性ポリマー26Aが配置された部分Xも収縮し難い。
【0081】
よってこの場合(収縮性材27が体液吸収性材26から解離する形態を除く)、図6の他、図12及び図13に示すように、これらの固定部分28,高吸収性ポリマー配置部分Xを収縮方向において対応させるとともに、その他の部分は収縮性材27と担体26Bとを固定しないようにするのが望ましい。これによって、収縮性材27および体液吸収性材26の双方が効果的に収縮することができるようになる。これに対して、収縮性材27の固定部分28が高吸収性ポリマー非配置部分Yと対応していたり、収縮性材27の収縮方向全体が担体26Bに固定されていると、一方の部材の収縮が他方の部材との固定によって拘束され、収縮し難くなり、収縮効率が低下してしまう。
【0082】
<体液吸収性部の第8及び第9の実施の形態>
他方、前述のとおり、袋状担体26Bを用いると、一箇所により多くのポリマー26Aを配置できるようになる。しかし、当該配置部内において早期に膨潤したポリマー26Aによって残りの未膨潤のポリマー26Aへの吸収が阻害される、局所的なゲルブロッキングが発生し易くなる。これを防止するべく、高吸収性ポリマー26Aの膨潤体積を考慮して、袋状担体26Bのサイズを大きく形成しても良いが、高吸収性ポリマー26Aは体液吸収により約50倍も体積が増加するため、これを考慮すると袋状担体26Bの幅が過大となり、体液吸収性部1内に収め難くなってしまう。
【0083】
そこで本発明では、袋状担体26Bを内部の高吸収性ポリマー26Aの膨張によって拡張可能なように形成することを推奨する。これによって、当初必要な袋状担体26Bの配置スペースが小さくて済むだけでなく、高吸収性ポリマー26Aの膨潤に伴って袋状担体26Bが拡張するため、局所的なゲルブロッキングが発生し難くなる。以下に述べる第8及び第9の実施形態は、この折畳構成を採用したものである。
【0084】
第8の実施形態は、図14に示すように、高吸収性ポリマー26Aを内包する袋状担体26Bを、収縮方向と直交する幅方向に折り畳んだ状態で体液吸収性部1内に配置し、内部の高吸収性ポリマー26Aの膨張によって折り返し部分26cが開かれ復元して拡張するように構成したものである。折畳数は特に限定されないが、二つ折り、多くて三つ折りとするのが好ましく、また折畳状態における幅は非折畳状態における幅に対して半分以下とするのが好ましい。これによって、当初必要な袋状担体26Bの配置スペースが小さくて済む利点だけでなく、高吸収性ポリマー26Aの膨潤に伴って袋状担体26Bが変形可能となるため、局所的なゲルブロッキングが発生し難くなる利点がもたらされる。
【0085】
具体的に、この場合、図14に示すように、高吸収性ポリマー26Aを内包する袋状担体26Bを、両側端部26c,26cを幅方向中央側にそれぞれ折り返した状態で体液吸収性部1内に(この場合裏面側シート22上に)配置する形態が望ましい。ここで図16に示すように、前述の隔室r1,r2…を形成するためのシールを行わない場合には両脇に開かれる形態となるが、前述の隔室r1,r2…を形成するためのシールを行う場合には、図17に示すように折り畳みに先立ってシールsl,sl…を行うことによって両脇に開く形態とすることができる(これに限定される訳ではない)。かくして図15に示すように、ポリマー26Aが膨張すると、袋状担体26Bは、折り返し部分26c,26cが開かれるようにして復元し、新しい吸収面が形成される。換言すると、体液を吸収した折り返し部分は両脇に開き、その下側に位置していた未吸収部分が露出されるため、早期に膨潤したポリマーによって残りの未膨潤のポリマーへの体液供給が阻害されるようなことがなくなる。
【0086】
もちろん、図18に示すように幅方向中央に対して、一方側を他方側に折り返すようにしても良い。
【0087】
第9の実施形態は図19および図20に示すように、袋状担体26Bにタックtk,tkを設けたものである。図示例では、袋状担体26Bの両側部に、伸縮方向に沿う折り込み線をもってタックtk,tkを形成している。このようにタックtk,tkを形成すると、袋状担体26Bが厚さ方向に拡張し易くなる利点がある。しかし、本発明では一方側部にのみ又は全体にタックtkを設けても良いし、幅方向に沿って又は斜め方向に沿ってタックtkを形成しても良い。また図示例では、ワンタックを採用しているが、ツータック、スリータック等、更にタック数を増やしても良い。
【0088】
かくして、図21に示すように、内部の高吸収性ポリマー26Aの膨張によってタックtk,tkが広げられて拡張することができる。
【0089】
<体液吸収体の第10の実施の形態>
図示しないが、袋状担体26Bに予め皺寄せしたりする等の形状加工を施すことにより、あるいは袋状担体26Bを伸縮性素材で形成することにより、高吸収性ポリマー26Aの膨張に応じて膨張できるように構成することでも、前述の局所的ゲルブロッキング防止効果が発揮される。
【0090】
<体液吸収体の第11の実施の形態>
前述の第8の実施形態のように、ポリマー26Aの膨張に応じて袋状担体26Bの折り返し部分26c,26cが開かれるようにして復元する場合、袋状担体26Bが体液吸収性部1内において占める面積は体液吸収後において拡幅する。第5の実施形態でも拡幅は避けられない。よって、袋状担体26Bを複数並設する場合には相互間隔をある程度離間させるのが望ましいが、その場合、体液吸収性部1内における袋状担体26Bの配設数が少なくなり、吸収能力が低下せざるを得ない。
【0091】
そこで、袋状担体自体が又は他の部材によって、幅方向の拡張が抑制されるように構成されているのが好ましい。このための具体的な手段としては、例えば前述の第8の実施形態の場合、図22に示すように、ヒートシールやホットメルト接着等の接合手段によって、折り畳んだ後の袋状担体26Bに対して、厚さ方向の対向面相互を幅方向一端から他端まで連続線状に接合してなるシール部sl,sl…を吸収材25の収縮方向に間隔をおいて複数設けることを推奨する。このシール部sl,sl…は、前述の隔室r1,r2…を形成するためのシールと共通に構成することができる。
【0092】
かくして、図23に示すように、シール部slが幅方向に伸張しないため、袋状担体26Bは主に厚さ方向に拡張し、幅方向には殆ど拡張しなくなる。よって、袋状担体26Bの拡張によって膨張したポリマー相互が密着しにくく、未膨潤のポリマーへの体液供給が阻害されにくくなり、前述の局所的ゲルブロッキング防止効果が発揮されるとともに、袋状担体26Bを間隔を詰めて多数並設することができ、吸収容量を多くすることができる。
【0093】
<体液吸収体の第12の実施の形態>
また前述の第9の実施形態の場合においても、図24に示すように、タックtk,tk形成後の袋状担体26Bに対して、厚さ方向の対向面相互を幅方向一端から他端まで連続線状に接合してなるシール部sl,sl…を、吸収材25の収縮方向に間隔をおいて複数設けることができ、この場合にも図25に示すように、第12の実施形態と同様に幅方向の拡張が抑制される。特に、図示例のように、袋状担体26Bの両側部に、伸縮方向に沿う折り込み線をもってタックtk,tkを形成し、袋状担体26Bが厚さ方向に拡張し易くするのが好ましい。
【0094】
<体液吸収体の第13の実施の形態>
第1〜第13の実施形態における収縮性材27は、図示するように、袋状担体26Bにおける折畳状態での幅方向中央部に配置すると、収縮性材27の収縮作用が袋状担体26Bに対して幅方向に均一に作用し、もって吸収材25が直線的に収縮するようになるので好ましい。これが第13の実施形態である。
【0095】
<体液吸収性部の第14の実施の形態>
体液吸収体20は、図26に示すように、チャンネル空間24が体液吸収性物品の長手方向(前後方向)に沿うように配設するのが望ましい。また、本発明では、吸収材25は、一部をたとえば接着剤や熱溶着(溶融)などにより固定した固定部30を有する。吸収材25の固定は、裏面側シート22に接着剤により接合することにより行う。図示の形態においては、吸収材25,25…群の共通の端部を固定部30とするものである。
【0096】
この形態において、図27に示すように、ゾーンZに排尿され、その尿が表面シート2を通して収縮性材27に接触するとこれ自体が収縮し、これに伴って一体化された体液吸収性材26も収縮する。その結果、図示するように、体液排出部位に対して、体液吸収性材26が先に吸収した部位が逃げるようになり、これに代わって体液吸収性材26の新たな部位が位置するようになり、つまり体液排出部位に対して、体液吸収性材26の吸収部が体液の排出に伴って更新されるように位置変化する。したがって、吸収材25全体を有効的に利用できるものである。
【0097】
<体液吸収性部の第15の実施の形態>
他方、図28に示すように、並設される吸収材25,25…に対して、固定部30を千鳥にする形態も有効なものである。
【0098】
<体液吸収性部の第16の実施の形態>
固定部30は吸収材25の末端のほか、端部近傍であってもよい。固定部30の反対側の端部は、収縮性材27の収縮力が働いたとき、その収縮力で外れる程度の仮止めされていてもよい。この仮止めは、製品の製造過程や運送過程で吸収材25の位置ずれを生じさせないために望まれるものである。
【0099】
<体液吸収性部の第17の実施の形態>
固定部30を千鳥配置にする場合、図29(吸収材25を体液吸収性物品の長手方向に沿って配設した例)に示すように、一方側に固定部30を有する複数の吸収材25と他方側に固定部30を有する複数の吸収材25とが排泄領域arにおいてのみラップするように構成できる。この場合、各吸収材25を排泄領域arに集中的に配置できるとともに、各吸収材25の長さを短くすることができ、材料コストを低減することができる。
【0100】
<体液吸収性部の第18の実施の形態>
第15の実施形態の配置構成とするために、図7に示すように、複数の吸収材25を備えた体液吸収体20,20を複数積層することができる。また図示しないが、一つ又は複数の吸収材25を備えた体液吸収体20,20を複数並設したり積層したりしても良い。
【0101】
<体液吸収性部の第19の実施の形態>
特に、図7に示すように、シート状の体液吸収体20,20を複数枚積層する場合において、図30に示すように、排泄領域arにおいて重なるように千鳥に積層し、重ならない側の端部にそれぞれ固定部30を設けるのが望ましい。この場合、排泄領域arに露出する体液吸収体20のゾーンZに排泄があるたびに、その体液吸収体20が固定部30側へ移動し、図31及び図32に示すように下側の新しい体液吸収体20,20の表面を順次出現させることができる。なお、説明のため、図30〜図32では体液吸収体相互をずらして図示してある。
【0102】
<体液吸収性部の第20の実施の形態>
上記実施形態の吸収性物品は、体液排出部位において吸収材25の体液吸収済部分および体液未吸収部分が移動し、前者が後者により置換されることによって体液排出部位における湿度が調節され、当該位置の不快感が著しく少なくなるものであるが、体液吸収済部分に対して肌が触れると濡れた感じを受け、さらに体液吸収済部分に体圧が加わると体液が逆流し、肌を濡らすおそれもある。また、移動した体液吸収済部分と対応する位置の肌面側相対湿度は85%を超えはしないけれども上昇してしまう。そして、これらによって、体液排出部位に対して体液吸収済部分の移動方向側部分における不快感が増加するおそれがある。
【0103】
そこでこの問題点を解決するものとして、図33および図34に示すように、体液吸収済部分の移動先X2に相当する位置の吸収材25と表面シート2との間に不透液性の肌面側防漏シート40を設ける形態を提案する。この場合、体液吸収済部分の移動先X2に相当する位置とは、体液排出部位Z(X1)の固定部30側部分である。したがって、図28に示すように吸収材25を千鳥状に配置する場合には、体液排出部位Z(X1)の両固定部30,30側またはいずれかの固定部30側に肌面側防漏シート40を設けることができる。
【0104】
不透液性の肌面側防漏シート40としては、不透液性であるものの透湿性を有する透湿性フィルムや、ポリエチレンのような不透液性かつ不透湿性のフィルムを用いることができる。前者の場合、体液吸収済部分X2に保持された体液が徐々に蒸発するが、体液吸収済部分X2と対応する位置における肌面上の蒸気圧、吸収済部空間の蒸気圧、透湿性吸収性物品の外部蒸気圧は、この順序に低下し、体液が肌を濡らすことがないので、蒸気の流れは確実に外方へ向かい、通気性が確保できる。撥水性繊維の集合体からなるシートも不透液性であるものの透湿性を有するので好適に使用できる。
【0105】
かくして、体液排出部位Zにおいて吸収材20が体液を吸収すると、体液排出部位Z(X1)に対して体液吸収済部分X2が固定部30側に逃げるとともに、これに代わって体液未吸収部分が位置する。そしてこのとき、体液吸収済部分X2はその移動先において肌面側防漏シート40によって表面層側が覆い隠される。よって、肌面側防漏シート40により体液吸収済部分X2と肌面との間の液体の流通が遮断され、体液吸収済部分X2に対して肌が触れても濡れた感じを受けることがなくなり、また体液吸収済部分X2に対して体圧が加わっても保持体液が逆流して肌が濡れるといった事態も発生しにくくなる。さらに移動した体液吸収済部分X2と対応する位置における肌面側湿度を低く抑えることができるようになる。
【0106】
(その他の形態)
上記の実施の形態では、体液吸収体20は、表面シート2の下に配置してある。しかし、使用面側シート21と裏面側シート22との間に吸収材25を配置した、図3〜図7等の形態などにおいては、使用面側シート21そのものが体液を透過するから、使用面側シート21そのものを本発明で言う「表面層」とすることができ、すなわち表面シート2を省略することができる。
【0107】
【0108】
現在市販の紙おむつでは、綿状パルプ(フラッフパルプ)を主体とし、ある程度の剛性を有する(半剛性の)長方形の吸収コアをクレープ紙で包むなどして形成した非収縮吸収材が、体液吸収性部内に備え付けられている。本発明では、この非収縮吸収材とともに前述の収縮吸収材25を設けることができ、この場合収縮する吸収材25は、非収縮吸収材の内外の適宜の位置、具体的には、表面シートとクレープ紙との間、クレープ紙と吸収コアとの間、吸収コアの内部、クレープ紙と防漏層との間などの部位に配置することができる(図示せず)。
【0109】
収縮性材27としては、フィラメント状や紡績糸であることができる。担体26Bについても、フィラメント状や紡績糸であることができる。さらに、先に触れたように、担体26Bは短繊維もしくは長繊維のシートをリボンもしくはテープ状にスリットしたものであることができる。担体26Bは、複数層の袋状構造や、マトリックス構造にすることができる。したがって、高吸収性ポリマー26Aも複数層の担体26B間や表面に、あるいはマトリックス構造内及び表面に固定することができる。
【0110】
【実施例】
(実験1)
高吸収ポリマー(SAP)の湿度調節機能への影響を調べるために、吸湿能力(温度30℃且つ相対湿度80%の雰囲気下における静置状態での1gあたりの吸湿量)が異なる各種の紙おむつを立位の人体模型に装着するとともに、湿度センサーのセンサー部をポリプロピレン撥水性メルトブローン不織布からなる袋体で包み濡れないようにした上で紙おむつの股間部内に挿入し、しかる後に37℃の人工尿200mlを紙おむつの股間部に注入し、注入直後、10分後および30分後の湿度を計測した。
【0111】
実験に使用した紙おむつを湿度計測結果とともに表1に示す。実施例1〜3は、前述の第1の実施形態の項で説明したものからクッション部材29を省略したものであり、吸収材25は6筋設けられ、これら全体における高吸収性ポリマーの含有量を30gとしたものである。また、収縮性材27は前述のソルブロン(太さ1000dtex)であり、これが体液吸収性材26に対して長手方向に間隔をおいて且つ体液との接触により解離可能なように接着されたものである。他方、比較例1は、実施例2と同じ吸湿能力を有するSAPを用いているが、吸収材が置換・更新されない従来型の紙おむつである。
【0112】
【表1】
Figure 0004148669
【0113】
この結果から、吸湿能力が少なくとも10g以上、特に20g以上の高吸収性ポリマーを用いることによって、体液吸収後の肌面側相対湿度が迅速に85%以下に調節されることが判明した。
【0114】
(実験2)
面積更新率の湿度調節機能への影響を調べるために、実施例2の紙おむつの面積更新率を変更した紙おむつ(実施例4〜6および比較例2)を各種製造し、実験1と同様にして湿度を計測した。実験に使用した紙おむつを湿度計測結果とともに表2に示す。なお、本実験における面積更新率は、体液を吸収した時点から10分経過したときの面積更新率を表している。
【0115】
【表2】
Figure 0004148669
【0116】
この結果から、面積更新率を50%以上、特に70%以上とすることによって、体液吸収後の肌面側相対湿度が迅速に85%以下に調節されることが判明した。
【0117】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば体液が排出されたとき体液排出部位における不快感が著しく少なく、精神的及び皮膚生理学的な様々な弊害が発生しにくい吸収性物品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 使い捨て紙おむつの展開状態平面図である。
【図2】 その要部縦断面図である。
【図3】 体液吸収性部の詳細縦断面図である。
【図4】 体液吸収体の斜視図である。
【図5】 本発明のクッション部材の要部断面斜視図である。
【図6】 吸収材の斜視図である。
【図7】 体液吸収性部の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図8】 他の吸収材例の正面図である。
【図9】 別の吸収材例の正面図である。
【図10】 体液吸収性部の他の実施形態を示す、使い捨て紙おむつの縦断面図である。
【図11】 その詳細縦断面図である。
【図12】 その要部斜視図である。
【図13】 その収縮状態を示す縦断面図である。
【図14】 体液吸収性部の別の実施形態を示す要部拡大縦断面図である。
【図15】 その体液吸収時の状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図16】 要部拡大斜視図である。
【図17】 要部拡大斜視図である。
【図18】 体液吸収性部の他の実施形態を示す要部拡大縦断面図である。
【図19】 体液吸収性部の別の実施形態を示す要部拡大縦断面図である。
【図20】 要部拡大斜視図である。
【図21】 体液吸収時の状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図22】 体液吸収性部の他の実施形態を示す要部拡大斜視図である。
【図23】 体液吸収時の状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図24】 体液吸収性部の別の実施形態を示す要部拡大斜視図である。
【図25】 体液吸収時の状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図26】 体液吸収体の体液吸収性物品に対する配置形態平面図である。
【図27】 排尿時の体液吸収体の吸収材の移動を説明する体液吸収性物品に対する配置形態平面図である。
【図28】 体液吸収体の体液吸収性物品に対する他の配置形態平面図である。
【図29】 体液吸収体の体液吸収性物品に対する他の配置形態平面図である。
【図30】 体液吸収体の体液吸収性物品に対する別の配置形態平面図である。
【図31】 第1の体液吸収状態を示す平面図である。
【図32】 第2の体液吸収状態を示す平面図である。
【図33】 肌面側防漏シートを設けた使い捨て紙おむつの展開状態平面図である。
【図34】 その要部縦断面図である。
【図35】 クッション部材の区画が解除されない形態における要部縦断面図である。
【図36】 クッション部材の区画が体液接触により解除される形態における要部縦断面図である。
【符号の説明】
1…体液吸収性部、2…表面シート(表面層)、3…防漏層、4…外形シート、20…体液吸収体、21…使用面側シート、22…裏面側シート、23…固定部、24…チャンネル空間、25…吸収材、26…体液吸収性材、26A…高吸収性ポリマー、26B,26B1…担体、27…収縮性材、28…接着剤(固定部分)、29…クッション部材、30…固定部、40…肌面側防漏シート、LK…保液部材、r1,r2…隔室、X…ポリマー配置部分、Y…ポリマー非配置部分、Z…排尿部。

Claims (5)

  1. 身体の肌に面する側に設けられた液透過性の表面層、身体の肌から遠ざかる側に設けられた防漏層、および両者の間の体液吸収性部に設けられた体液吸収体を有する吸収性物品であって;
    前記体液吸収体は、体液が透過可能な使用面側シートと透液性または不透液性の裏面側シートとを有し、これら使用面側シートと裏面側シートとを固定する固定部が体液吸収性物品の幅方向に間隔を置いた位置に長手方向に沿って設けられ、隣接する固定部の間が長手方向に沿うチャンネル空間とされており、各チャンネル空間内に、体液との接触により収縮する収縮性材と、この収縮性材に対して一体化された、高吸収性ポリマーを有する体液吸収性材とから構成された吸収材が設けられており、
    前記吸収材は、体液排出部位に位置する部分と、一部を前記裏面側シートに固定してなる固定部とを有し、
    前記体液排出部位に温度37℃の人工尿200mlを注入した後10分後において、吸収材の面積更新率が50%以上であるとともに肌面側相対湿度が85%以下である
    ことを特徴とする体液吸収性物品。
  2. 前記吸収材が、前記高吸収性ポリマーを30重量%以上含む、請求項1記載の体液吸収性物品。
  3. 前記高吸収性ポリマーは、温度30℃且つ相対湿度80%以上の雰囲気下における静置状態での1gあたりの吸湿量が、10g/30分以上である、請求項1または2記載の体液吸収性物品。
  4. 前記体液排出部位に対して前記固定部側の位置における前記吸収材と前記表面層との間に、不透液性の肌面側防漏シートが設けられた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液吸収性物品。
  5. 前記肌面側防漏シートが、透湿性フィルム、または撥水性繊維の集合体からなる透湿性シートである、請求項4記載の体液吸収性物品。
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