JP4148491B2 - 紫外線レーザ装置のキセノンガス供給方法 - Google Patents

紫外線レーザ装置のキセノンガス供給方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線レーザ用ガスをチャンバ内に封入し、このチャンバ内でパルス発振を行うことにより前記紫外線レーザ用ガスを励起してパルスレーザを発振する紫外線レーザ装置及び紫外線レーザ用ガスに関し、特に、キセノンガスを添加してレーザ出力のバースト現象並びにスパイク現象を改善する紫外線レーザ装置及び紫外線レーザ用ガスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エキシマレーザ装置を光源とする半導体露光装置では、露光とステージ移動を交互に繰り返して半導体ウエハ上のICチップの露光を行うため、紫外線レーザ装置は、レーザ光を所定回数連続してパルス発振させる連続パルス発振運転と、所定時間パルス発振を休止する発振休止とを繰り返すバースト運転を行っている。
【0003】
図6(a)は、従来のエキシマレーザ装置によりバースト運転を行う場合のエネルギーとバースト番号との関係を示す図であり、同図に示すように、エキシマレーザ装置のバースト運転には、当初エネルギーが高く、その後次第にエネルギーが低下するという特性(以下「バースト特性」と言う。)がある。
【0004】
また図6(b)は、各バーストにおけるパルスとエネルギーとの関係を示す図であり、同図に示すように、連続パルス発振運転の当初は、比較的高いエネルギーが得られ、その後徐々にパルスエネルギーが低下するという特性(以下「スパイク特性」と言う。)がある。
【0005】
このように、従来のエキシマレーザ装置を用いたバースト運転を行うと、通常はこのバースト特性及びスパイク特性が生ずることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エキシマレーザ装置が出力するレーザ出力にバースト特性が生じたのでは、各バーストごとのエネルギーの変動による露光量のばらつきを招くという問題が生ずる。
【0007】
また、かかるレーザ出力にスパイク特性が生じたのでは、露光量の精度がさらに低下するため、複雑な放電電圧制御を行わねばならないという問題があった。
【0008】
すなわち、従来は、バーストモードにおける連続パルス発振の最初のパルスの放電電圧(充電電圧)を小さくし、以後のパルスの放電電圧を徐々に大きくしていくという具合に、放電電圧を各パルスごとに変化させて、スパイク現象による初期のエネルギー上昇を防止する措置等を講じていたため、複雑な放電電圧制御を要していた。
【0009】
これらのことから、紫外線レーザ装置をバースト運転する場合に、レーザ出力のバースト特性並びにスパイク特性をいかに効率良く解消するかが、極めて重要な課題となっていた。
【0010】
なお、「IEEE JOURNAL OF ERECTRONICS,VOL31,NO.12,DECEMBER 1995 p2195-p2207」に開示される"Transmission Properties of Spark Preionization Radiation in Rare-Gas Halide Laser Gas Mixes"には、ネオンガス単体の中にキセノンガスを添加する技術が開示されているが、この従来技術は、あくまでもスパーク予備電離強度を大きくするための技術であり、紫外線レーザ出力のバースト特性並びにスパイク特性を解消するためのものではない。
【0011】
そこで、本発明では、上記問題点を解決して、バースト運転を行う場合に、紫外線レーザ出力のバースト特性並びにスパイク特性を効率良く改善し、レーザ出力の向上化、及び安定化を図ることができることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するため、本発明は、KrFレーザ又はArFレーザ又はF2レーザ又はKr 2 レーザ又はAr 2 レーザの何れかのチャンバ内に所定濃度のキセノンガスが添加された紫外線レーザ用ガスを封入し、このチャンバ内でパルス放電を行うことにより前記紫外線用ガスを励起してパルスレーザを発振する紫外線レーザ装置のキセノン供給方法において、前記チャンバ内の紫外線レーザ用ガスに所定の濃度のキセノンガスを所定量供給して、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することを特徴とする。
【0013】
このように、本発明では、チャンバ内の紫外線レーザ用ガスに所定の濃度のキセノンガスを所定量供給して、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を解消するため、複雑な制御を伴うことなく簡単に紫外線レーザ出力を向上させ、また出力を安定化することができる。
【0014】
また、本発明は、前記チャンバ内に供給するキセノンガスを封入したキセノンガスボンベと、前記チャンバ内の紫外線レーザ用ガスに添加されたキセノンガスの濃度を検出する検出手段と、前記検出手段が検出したキセノンガスの濃度に基づいて、前記キセノンガスボンベに封入したキセノンガスの前記チャンバへの供給量を制御する制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0015】
このように、本発明では、チャンバ内の紫外線レーザ用ガスに添加されたキセノンガスの濃度を検出し、検出したキセノンガスの濃度に基づいて、キセノンガスボンベに封入したキセノンガスのチャンバへの供給量を制御するようにしたため、従来の紫外線レーザ装置に、キセノンガスボンベ、検出手段及び制御手段を設けるだけで、簡易に紫外線レーザ出力を向上させ、また出力を安定化することができる。
【0016】
また、本発明は、チャンバ内に封入された紫外線レーザ用ガスを励起してパルスレーザを発振する紫外線レーザ装置で用いる紫外線レーザ用ガスであって、該紫外線レーザ用ガスは、少なくとも所定の濃度のキセノンガスを含有することを特徴とする。
【0017】
このように、本発明では、紫外線レーザ用ガスが、ハロゲンガス以外に少なくとも所定の濃度のキセノンガスを含有するよう構成したので、この紫外線レーザ用ガスをチャンバ内に供給するだけで、簡易に紫外線レーザ出力を向上させ、また出力を安定化することができる。
【0018】
また、本発明は、前記紫外線用レーザガスは、200ppm以下のキセノンガスを含有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、所定濃度のキセノンガスが添加された紫外線レーザ用ガスをチャンバ内に封入し、このチャンバ内でパルス放電を行うことにより前記紫外線用ガスを励起してパルスレーザを発振する紫外線レーザ装置のキセノン供給方法において、内壁面にキセノンガスが吸着していない前記チャンバにキセノンガスを吸着させるキセノンガス吸着工程と、前記チャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度となる分量のキセノンガスが供給された場合に当該チャンバ内のキセノンガスの濃度が当該所定の濃度になることを確認する確認工程と、を具備していることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、内壁面にキセノンガスが吸着していないチャンバ、例えば新たに製造し組み立てた又はレーザとして使用後に分解、清掃等のメンテナンス処理後に組み立て直したチャンバ、を用いる場合に、予めチャンバの内壁面に十分なキセノンガスを吸着させる。つづいて、チャンバ内へ所定の濃度になる分量のキセノンガスを供給すると、このキセノンガスはチャンバ内壁面に吸着することなくレーザ用ガスに添加される。このため、チャンバ内のキセノンガスの濃度は所定の濃度となる。この結果、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバを使用しても、使用の初期の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度になり、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができる。
【0021】
また、本発明は、前記チャンバ内のキセノンガスの所定の濃度は0ppmを超え、200ppm以下であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、前記キセノンガス吸着工程は、キセノンガスを前記チャンバ内へ供給するキセノンガス供給工程を備え、前記確認工程は、前記チャンバ内のキセノンガスの濃度を計測する濃度計測工程を備え、前記キセノンガス供給工程を行いつつ前記濃度計測工程を行い、チャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度となった場合にキセノンガスの供給を停止させることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、内壁面にキセノンガスが吸着していないチャンバ内へ予めキセノンガスが供給される。チャンバ内のキセノンガスの濃度が計測され、キセノンガスの濃度が所定の濃度に達した場合に、チャンバ内へのキセノンガスの供給が停止される。つづいて、チャンバ内へ所定の濃度となるような分量のキセノンガスを供給すると、このキセノンガスはチャンバ内壁面に吸着することなくレーザ用ガスに添加される。このため、チャンバ内のキセノンガスの濃度は所定の濃度となる。この結果、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバを使用しても、使用の初期の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度になり、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができる。
【0024】
また、請本発明は、前記キセノンガス吸着工程は、キセノンガスを前記チャンバ内へ供給するキセノンガス供給工程を備え、前記確認工程は、レーザパルス発振時のレーザエネルギー値を計測するエネルギー計測工程を備え、前記キセノンガス供給工程を行いつつ前記エネルギー計測工程を行い、所定数のパルス発振前後でのレーザエネルギー値が減少しなくなった場合にキセノンガスの供給を停止させることを特徴とする。
【0025】
本発明では、内壁面にキセノンガスが吸着していないチャンバ内へ予めキセノンガスが供給される。レーザパルス発振を行い、計測装置によって所定のパルス数におけるレーザのエネルギー値が減少しなくなったことが検出されたときに、チャンバ内へのキセノンガスの供給が停止される。つづいて、チャンバ内へ所定の濃度となるような分量のキセノンガスを供給すると、このキセノンガスはチャンバ内壁面に吸着することなくレーザ用ガスに添加される。このため、チャンバ内のキセノンガスの濃度は所定の濃度となる。この結果、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバを使用しても、使用の初期の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度になり、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができる。なお、本発明によれば、キセノンガスの濃度検出装置を設けることなく正確に濃度を計測することができる。
【0026】
また、本発明は、前記キセノンガス吸着工程は、キセノンガスを前記チャンバ内へ供給するキセノンガス供給工程を備え、前記確認工程は、レーザパルス発振時に放電電圧値を計測する電圧計測工程を備え、前記キセノンガス供給工程を行いつつ前記電圧計測工程を行い、所定数のパルス発振後の放電電圧値が増加しなくなった場合にキセノンガスの供給を停止させることを特徴とする。
【0027】
本発明では、内壁面にキセノンガスが吸着していないチャンバ内へ予めキセノンガスが供給される。レーザ出力光エネルギーを一定とするようにレーザパルス発振を行い、計測装置によって所定のパルス数における放電電圧値が増加しなくなったことが検出されたときに、チャンバ内へのキセノンガスの供給が停止される。つづいて、チャンバ内へ所定の濃度となるような分量のキセノンガスを供給すると、このキセノンガスはチャンバ内壁面に吸着することなくレーザ用ガスに添加される。このため、チャンバ内のキセノンガスの濃度は所定の濃度となる。この結果、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバを使用しても、使用の初期の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度になり、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができる。なお、本発明によれば、キセノンガスの濃度検出装置を設けることなく正確に濃度を計測することができる。
【0028】
また、本発明は、前記キセノンガス吸着工程は、前記チャンバ内にキセノンガスを供給し、ついで前記チャンバ内のキセノンガスを排気するフラッシング工程を備え、前記確認工程は、前記チャンバ内に所定量のキセノンガスを供給する供給工程と該チャンバ内のキセノンガスの濃度を計測する計測工程を備え、前記供給工程で所定量のキセノンガスが供給された場合に前記計測工程で計測されたチャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度となるまで、前記フラッシング工程によるフラッシングを繰り返し行うことを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、内壁面にキセノンガスが吸着していないチャンバ内がキセノンガスによってフラッシングされる。その後、所定の濃度となるような分量のキセノンガスがチャンバ内に供給される。チャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度に達しなければ、キセノンガスのフラッシングが繰り返される。チャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度に達するとフラッシングが終了する。このため、チャンバ内のキセノンガスの濃度は所定の濃度となる。この結果、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバを使用しても、使用の初期の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度になり、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができる。なお、フラッシング時に濃度が高いキセノンガスを流入すれば、チャンバ内壁面へキセノンガスを吸着させるために要する時間を短縮することが可能となる。
【0030】
また、本発明は、前記チャンバ内壁面に対する紫外線レーザ用ガスのパッシベーション処理工程中又は前後の何れかに、前記フラッシング工程を行うことを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す第1の実施の形態では、本発明をエキシマレーザ装置に適用した場合を示し、第2の実施の形態では、本発明をF2レーザなどに適用した場合を示すこととする。
【0032】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態で用いるエキシマレーザ装置の構成を示すブロック図である。
【0033】
同図に示すエキシマレーザ装置は、チャンバ10内にNe等のバッファガス、Ar若しくはKr等の希ガス、F2 などのハロゲンガス及びキセノン(Xe)ガスからなるエキシマレーザ用ガスを封入し、このエキシマレーザガスを放電電極間の放電によって励起させてレーザパルス発振を行う装置である。
【0034】
ここで、このエキシマレーザ装置は、従来のようにバッファガス、希ガス及びハロゲンガスのみでエキシマレーザ用ガスを形成するのではなく、このエキシマレーザ用ガスにキセノンガスを添加した点にその特徴がある。かかるキセノンガスをエキシマレーザ用ガスに添加した理由は、エキシマレーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を解消するためである。
【0035】
同図に示すエキシマレーザ装置は、チャンバ10と、狭帯域化ユニット11と、部分透過ミラー12と、Ar/Neガスボンベ13と、Ar/Ne/F2 ガスボンベ14と、Xeガスボンベ15と、Xeガスセンサー16と、ガス排気モジュール17と、ガスコントローラ18とを有する。
【0036】
チャンバ10は、Neガス、Arガス、F2 ガス及びXeガスを混合したエキシマレーザ用ガスを封入する封入媒体であり、狭帯域化ユニット11は、発光したパルス光を狭帯域化するユニットであり、図示しないプリズムビームエキスパンダやグレーティングにより形成される。また、部分透過ミラー12は、発振レーザ光の一部分のみを透過出力するミラーである。
【0037】
Ar/Neガスボンベ13は、アルゴンとネオンの混合ガスを蓄えるガスボンベであり、Ar/Ne/F2 ガスボンベ14は、アルゴン、ネオン及びフッ素の混合ガスを蓄えるガスボンベであり、Xeガスボンベ15は、キセノンガスを蓄える小型のガスボンベである。
【0038】
Xeガスセンサー16は、チャンバ10内に封入されたエキシマレーザ用ガスに含まれるキセノンガス等の割合を検知するガスセンサーであり、ガス排気モジュール17は、チャンバ10内のエキシマレーザ用ガスを外部に排気するモジュールである。
【0039】
ガスコントローラ18は、Xeガスセンサー16の検出出力に基づいて、Ar/Neガスボンベ13からチャンバ10へのAr/Neガスの供給、Ar/Ne/F2 ガスボンベ14からチャンバ10へのAr/Ne/F2 ガスの供給、Xeガスボンベ15からチャンバ10へのキセノンガスの供給、ガス排気モジュール17によるエキシマレーザ用ガスの排気を制御するコントローラである。
【0040】
このように、このエキシマレーザ装置では、従来のエキシマレーザ装置に小型のXeガスボンベ15を付加し、Xeガスセンサー16でキセノンガスの割合を検知して、ガスコントローラ18でXeガスボンベ15からチャンバ10に供給するキセノンガスの供給を制御するよう構成している。
【0041】
次に、かかるキセノンガスを添加したエキシマレーザ用ガスを用いた場合のバースト特性及びスパイク特性について説明する。
【0042】
図2は、キセノンガスを添加したエキシマレーザ用ガスを用いた場合のバースト特性及びスパイク特性の一例を示す図である。なお、ここでは10ppmのキセノンガスをエキシマレーザ用ガスに添加した場合を示している。
【0043】
同図(a)に示すように、キセノンガスを添加しない場合には、当初のバーストのエネルギー値を1とすると、バースト回数が増えるほどエネルギー置が小さくなり、やがて初期の4割(0.4)程度に収束するというバースト特性を有する。
【0044】
これに対して、キセノンガスを10ppm添加した場合には、エネルギー値が収束するバースト回数が少なく、またバースト回数の増加に伴って低下するエネルギーも少ない。さらに、キセノンガスを10ppm添加した場合の各バーストのエネルギー値は、該キセノンガスを添加しない場合よりもはるかに大きい。
【0045】
このように、キセノンガスを10ppm添加すると、該キセノンガスを添加しなお場合よりもバースト特性が大幅に改善される。
【0046】
また、同図(b)に示すように、キセノンガスを添加しない場合には、当初のパルスのエネルギー値を1とすると、パルス回数が増えるほどエネルギー値が小さくなり、やがて初期の4割(0.4)程度に収束するというスパイク特性を有する。このため、実用上は、パルス発振が進行してエネルギーが収束するまでのスパイク部分のパルスは使用できない。
【0047】
これに対して、キセノンガスを10ppm添加した場合には、スパイク部分がほとんど解消され、エネルギー値が極めて迅速に収束するとともに、エネルギー値のばらつき(3σ)も大幅に改善されている。また、キセノンガスを10ppm添加した場合の各パルスエネルギー値は、該キセノンガスを添加しない場合よりもはるかに大きい。
【0048】
このように、キセノンガスを10ppm添加すると、該キセノンガスを添加しない場合よりもスパイク特性が大幅に改善される。
【0049】
次に、図1に示すチャンバ10に封入するエキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量と、レーザ出力のエネルギー値及びそのばらつきとの相関関係について説明する。
【0050】
図3は、図1に示すチャンバ10に封入するエキシマレーザ用ガスへのキセノンガスの添加量と、レーザ出力のエネルギー値及びそのばらつき(3σ)との相関関係を示す図である。
【0051】
同図に示すように、キセノンガスを添加しない場合には添加時の最大出力の25パーセント程度のエネルギー値しか得られないが、このキセノンガスの添加量を徐々に増やす(0〜10ppm)と、そのエネルギー値が急速に増加する。
【0052】
具体的には、キセノンガスの添加量を0〜2ppm加えると出力エネルギーが急速に増加し、2〜10ppmの範囲では出力エネルギーが概ねフラットとなり、添加量が10ppmのときにエネルギー値が最大となる。その後、キセノンガスの添加量を増やし続けると、エネルギー値が徐々に低下する。
【0053】
また、キセノンガスの添加量を徐々に増やす(0〜10ppm)と、エネルギー値のばらつき(3σ)が減少し、キセノンガスの添加量が約10ppmとなった時に、エネルギー値のばらつきが最小(約25パーセント)となる。その後、キセノンガスの添加量を増やし続けると、かかるばらつき(3σ)が増加する。
【0054】
このことから、エネルギー効率面及びエネルギーの安定面から見た場合には、約10ppm程度のキセノンガスを添加する場合が最も効率が良い。ただし、200ppm程度のキセノンガスを添加した場合であっても、該キセノンガスを添加しない場合よりもエネルギー値及びそのばらつきが改善される。
【0055】
次に、図1に示すチャンバ10に封入するエキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量を変動させた場合のバースト特性及びスパイク特性について図4及び図5を用いて説明する。
【0056】
図4は、エキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量と、バースト特性との相関関係を示す図である。
【0057】
同図に示すように、キセノンガスを添加しない(0ppm)場合には、バースト回数を重ねると、出力光エネルギー値が徐々に低下し、ある値へ収束するバースト特性を生ずるが、10ppm、20ppm、50ppm又は100ppmのキセノンガスを添加した場合には、いずれの場合も出力光エネルギーが収束するまでのバースト数が少なくなる。
【0058】
また、キセノンガスを10ppm添加した場合には、そのエネルギー値が最も大きく、キセノンガスの添加量を増やす都度各バーストのエネルギー値が低下する。ただし、キセノンガスを100ppm添加した場合であっても、キセノンガスを添加しない場合よりも各バーストのエネルギー値は大きい。
【0059】
これらのことから、基本的にはキセノンガスの添加によってバースト特性が改善され、約10ppmの添加量が最も効率が良いことが分かる。
【0060】
図5は、エキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量と、スパイク特性との相関関係を示す図である。
【0061】
同図に示すように、キセノンガスを添加しない(0ppm)場合には、所定数のパルスを超えるまでエネルギー値が徐々に低下するスパイク特性を生じるが、10ppm、20ppm、50ppm又は100ppmのキセノンガスを添加した場合には、いずれの場合もかかるスパイク特性が大幅に改善されている。
【0062】
また、キセノンガスを10ppm添加した場合には、そのエネルギー値が最も大きく、キセノンガスの添加量を増やす都度パルスエネルギー値が低下する。ただし、キセノンガスを100ppm添加した場合であっても、キセノンガスを添加しない場合よりもパルスエネルギー値は大きい。
【0063】
これらのことから、基本的にはキセノンガスの添加によってスパイク特性が改善され、約10ppmの添加量が最も効率が良いことが分かる。
【0064】
上述してきたように、第1の実施の形態では、従来のエキシマレーザ装置に小型のXeガスボンベ15を付加し、Xeガスセンサー16でキセノンガスの割合を検知して、ガスコントローラ18でXeガスボンベ15からチャンバ10に供給するキセノンガスの供給を制御するよう構成したので下記に示す効果が得られる。
【0065】
(1)エキシマレーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができる。
【0066】
(2)複雑な制御を伴うことなく簡単にエキシマレーザ出力を安定化することができる。
【0067】
(3)従来のエキシマレーザ装置を基本構成としてエキシマレーザ出力の安定化を図ることができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、従来のエキシマレーザ装置にXeガスボンベ15等を付加することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、キセノンガスを添加したエキシマレーザ用ガスをガスボンベに封入しておき、このガスボンベからチャンバ10にエキシマレーザ用ガスを直接供給することもできる。
【0069】
また、本実施の形態では、エキシマレーザガスを放電電極間の放電によって励起させてレーザパルス発振を行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子ビームやマイクロ波などを用いてエキシマレーザ用ガスを励起する場合に適用することもできる。
【0070】
以上、第1の実施の形態について説明した。
【0071】
(第2の実施の形態)
ところで、上記第1の実施の形態では、ハロゲンガスを含むエキシマレーザ用ガスを用いる場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フッ素レーザやハロゲンガスを含まないエキシマレーザ用ガスなどの各種紫外線レーザ装置に幅広く適用することができる。
【0072】
例えば、半導体露光用の紫外線レーザの代表的なものとして、KrF(248nm)、ArF(193nm)、F2(157nm)、Kr2(146nm)及びAr2(126nm)などが知られているが、これらの紫外線レーザの場合にも、キセノンガスを添加することにより、バースト現象並びにスパイク現象を低減することができる。
【0073】
図7は、第2の実施の形態で用いるF2レーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、図1に示すエキシマレーザ装置の構成部位と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付することとしてその詳細な説明を省略する。
【0074】
同図に示すF2レーザ装置は、チャンバ10内にF2レーザ用ガスを封入し、このF2レーザガスを放電電極間の放電によって励起させてレーザパルス発振を行う装置である。
【0075】
ここで、このF2レーザ装置は、従来のようにF2ガスのみで紫外線レーザ用ガスを形成するのではなく、このF2ガスにキセノンガスを添加した点にその特徴がある。かかるキセノンガスを紫外線レーザ用ガスに添加した理由は、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を解消するためである。
【0076】
同図に示すF2レーザ装置は、チャンバ10と、狭帯域化ユニット11と、部分透過ミラー12と、F2ガスボンベ71と、Xeガスボンベ15と、Xeガスセンサー16と、ガス排気モジュール17と、ガスコントローラ72とを有する。
【0077】
ここで、F2ガスボンベ71は、紫外線レーザ用ガスの主体を形成するフッ素ガスを蓄える小型のガスボンベであり、ガスコントローラ72は、Xeガスセンサー16の検出出力に基づいて、F2ガスボンベ71からチャンバ10へ供給するF2ガスの供給量や、Xeガスボンベ15からチャンバ10へのキセノンガスの供給量などを制御するコントローラである。
【0078】
このように、このF2レーザ装置では、従来のF2レーザ装置に小型のXeガスボンベ15を付加し、Xeガスセンサー16でキセノンガスの割合を検知して、ガスコントローラ72でXeガスボンベ15からチャンバ10に供給するキセノンガスの供給を制御するよう構成している。
【0079】
その結果、第1の実施の形態の図2〜図6で説明したのと同様の結果が得られ、具体的には、(1)F2レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができる、(2)複雑な制御を伴うことなく簡単にF2レーザ出力を安定化することができる、(3)従来のF2レーザ装置を基本構成としてF2レーザ出力の安定化を図ることができる、という効果を奏する。
【0080】
なお、ここではF2レーザ装置について本発明を適用した場合を示したが、ハロゲンガスを含まないエキシマレーザ装置に本発明を適用した場合にも、同様の結果が得られる。
【0081】
さて、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバを使用してバースト運転する場合を考える。この新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバの内壁面にはキセノンガスのような吸着性の高いガスは未だ吸着されていない。したがって、新たにこのチャンバ内にキセノンガスを所定の濃度となるような分量だけ供給しても、供給したキセノンガスの大部分はチャンバの内壁面に吸着されてしまう。このためチャンバ内に供給したガスの濃度を計測しても、キセノンガスはレーザ用ガスに殆ど添加されないため、所定の濃度を得ることができないという問題が生じている。この結果、レーザ出力が安定しない状態となり、この状態はチャンバ内に十分なガスが供給されてチャンバ内壁面にガスが吸着できなくなるまで続く。
【0082】
したがって、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバを使用すると、使用の初期の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度にならないため、バースト運転する場合に紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができなかった。次に述べる実施形態は、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバに予めキセノンガスを吸着させておくことで上記問題点を解決するものである。
【0083】
つまり、予めチャンバ内壁面に十分なキセノンガスを吸着させておけば、後に供給する所定の濃度に相当する分量のキセノンガスはチャンバの内壁面に吸着することがなくなり、チャンバ内のキセノンガスは所定の濃度となる。以下紫外線レーザ装置、特にキセノンガス添加の効果が顕著に表れるArFエキシマレーザを想定して説明をする。
【0084】
図8は図1に示す構成を前提とする処理手順を示すフローチャートである。ただし、チャンバ10は新たに組み立てた又は組み立て直したものであるとする。同図8に示すようにチャンバ10の内壁面に予めキセノンガスが吸着され、チャンバ10内のキセノンガスの濃度が所定の濃度にされる。
【0085】
すなわち、同図8に示すように、Xeガスボンベ15からキセノンガスが吸着していないチャンバ10内へキセノンガスが供給される(ステップS81)。次に、Xeガスセンサー16によってチャンバ10内のキセノンガスの濃度が計測される。計測値が所定の濃度以上となれば、ガスコントローラ18によってXeガスボンベ15からのキセノンガスの供給が停止される。上記所定の濃度は10ppmとする。以下においても同様である(ステップS82)。以上のようにしてキセノンガスの吸着処理が終了する。
【0086】
キセノンガスの供給(ステップS81)について更に具体的に説明する。キセノンの供給の第一の方法は、100%のキセノンガス(ガスボンベ中のキセノンガスが希釈されていない)をチャンバ10内へ供給し、ついでそのキセノンガスを排気した後、10ppmのキセノンガスを含むレーザガス(F2、Ar、Ne混合ガス)又は10ppmのキセノンガスを含むバッファガス(Ne又はHe)、その他10ppmのキセノンガスを含むガスをチャンバ10内へ供給する。チャンバ10内のキセノンガスの濃度が10ppmに達していればキセノンガス吸着処理を終了とする。しかし、チャンバ10内のキセノンガスの濃度が10ppmに達していない場合は、チャンバ10内ガスを排気して再び100%のキセノンガスをチャンバ10内へ供給し、ついでそのキセノンガスを排気した後、10ppmのキセノンを含むガスをチャンバ10内へ供給してキセノンが10ppmに達したか否かをみる操作を繰り返す。
【0087】
キセノンの供給の第二の方法は、上記した10ppmのキセノンガスを含むレーザガス(F2、Ar、Ne混合ガス)又は10ppmのキセノンガスを含むバッファガス(Ne又はHe)、その他10ppmのキセノンガスを含むガスをチャンバ10内へ供給して排気する操作を行いながらチャンバ10内のキセノンガスの濃度が10ppmになるまで当該操作を継続することである。この場合、10ppmのキセノンを含むガスをチャンバ10内へ供給した後、キセノンガスの濃度を計測して10ppmに達していない場合はチャンバ10内を排気して再び10ppmのキセノンを含むガスをチャンバ10内へ供給する操作をチャンバ10内のキセノンガスの濃度が10ppmに達するまで繰り返すことも可能である。
【0088】
以上の処理を行うことにより、チャンバ10内には十分なキセノンガスが吸着され、後から供給する所定の濃度に相当する分量のキセノンガスはチャンバ内壁面に吸着することなくレーザ用ガスに添加される。このため、チャンバ内のキセノンガスの濃度は所定の濃度(10ppm)になる。この結果、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバを使用しても、使用の初期の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度になり、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができる。
【0089】
次に、Xeガスセンサー16を用いることなくキセノンガスの濃度を正確に計測することができる実施形態について説明する。
【0090】
図9はArFエキシマレーザのスパイク特性を示す図である。同図9(a)において縦軸はエネルギー値を示し、横軸はパルス数を示す。同図9(b)において縦軸は放電電圧値を示し、横軸はパルス数を示す。また、最初のパルスからaパルスまでの領域をA領域とし、aパルス以降の領域をB領域とする。
【0091】
同図9(a)に示すように、レーザ励起強度が一定の場合、ArFエキシマレーザのエネルギー値は、A領域では急激に減少した後、一定の値となり安定する。B領域では、チャンバ内のキセノンガスの濃度が10ppmの場合にはエネルギー値は変化しない。これに対してキセノンガスの濃度が0ppmの場合にはaパルスに達した時点でエネルギー値がさらに減少した後、一定の値となり安定する。
【0092】
一方、同図9(b)に示すように、ArFエキシマレーザのレーザから出力される各パルス光エネルギーを一定に維持するための放電電圧値は、A領域では急激に増加した後、一定の値となり安定する。B領域では、チャンバ内のキセノンガスの濃度が10ppmの場合には放電電圧値は変化しない。これに対してキセノンガスの濃度が0ppmの場合にはaパルスに達した時点でエネルギー値がさらに増加した後、一定の値となり安定する。
【0093】
したがってaパルス時点で、レーザエネルギー値の減少がなくなるか、又は放電電圧値の増加がなくなると、キセノンガスの濃度が10ppmになったものと判断することができる。
【0094】
図10は図9(a)、(b)に示す特性を利用して、チャンバ10の内壁面に予めキセノンガスを吸着させる実施形態の構成を示す。図10はArFエキシマレーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、図1に示すエキシマレーザ装置の構成部位と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付することとしてその詳細な説明を省略する。
【0095】
図10に示すようにArFエキシマレーザ装置には、図1のXeガスセンサー16の代わりにエネルギー値又は放電電圧値を計測する計測装置101が設けられている。すなわち、計測装置101によってチャンバ10内の放電電極の放電電圧値又はチャンバ10から発振されるレーザ光のエネルギー値がパルス毎に計測される。計測装置101で計測されたエネルギー値または放電電圧値はガスコントローラに入力される。
【0096】
図11はガスコントローラ18で行われる処理の手順を示すフローチャートである。ただし、チャンバ10は新たに組み立てた又は組み立て直したものであるとする。
【0097】
同図11に示すように、キセノンガス吸着処理が行われる。このキセノンガス吸着処理の内容をS111〜S113で示す。すなわち、チャンバ10内へ実際のレーザ発振を行う混合比率のF2、Ar、Ne混合ガスを供給してレーザパルス発振がバーストモードで行われ(ステップS111)、Xeガスボンベ15からキセノンガスが吸着されていないチャンバ10内へキセノンガスが供給される(ステップS112)。次に、計測装置101でレーザエネルギー値又は放電電圧値が計測される。そして、aパルス時点で、レーザエネルギー値の減少がなくなるか、又は放電電圧値の増加がなくなることを確認するまで以上の処理(ステップS111〜ステップS113)が繰り返される。aパルス時点で、レーザエネルギー値の減少がなくなるか、又は放電電圧値の増加がなくなることが確認されると、チャンバ10内のキセノンガスの濃度は10ppmに達したものと判断され、ガスコントローラ18によってXeガスボンベ15からのキセノンガスの供給が停止される(ステップS113)。以上のようにしてキセノンガス吸着処理が終了する。
【0098】
キセノンガス吸着処理の他の方法としては、まず最初にチャンバ10内へ実際のレーザ発振を行う混合比率のF2、Ar、Ne混合ガスへ10ppmのキセノンガスを追加したガス(以下、「LG]という。)を供給してレーザをパルス発振させる。aパルス目でレーザ出力エネルギー値の減少又は放電電圧値の増加を確認したらチャンバ10内のガスを排気し、再びガスLGを供給してレーザパルス発振させ、aパルス目でレーザ出力エネルギー値の減少又は放電電圧値の増加が確認されなくなるまで前記処理を繰り返すことも可能である。
【0099】
なお、放電電圧を一定とする制御が行われているときには、レーザ出力光の一部をフォトセンサへ入力して計測装置101によってエネルギー値の変化が計測される。また、エネルギーを一定とする制御が行われているときには、計測装置101によって放電電圧値の変化が計測される。
【0100】
また、露光中に図9に示す現象を観測した場合、前記したキセノンガス吸着処理をおこなってもよい。
【0101】
この結果、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバ10を使用しても、使用の初期の段階においてキセノンガスの濃度が所定の濃度になり、バースト運転する場合に、紫外線レーザ出力に生ずるバースト現象並びにスパイク現象を低減することができる。また本実施形態によれば、Xeガスセンサー16を設ける必要がないので装置構成を簡素化することができるとともに、濃度の正確な計測が行われる。
【0102】
さて、新たに組み立てた又は組み立て直したチャンバ10を使用する場合は、チャンバ10の内壁面に水や酸素等の不純物が付着している。このため、これら不純物をいわゆるパッシベーションによって除去する必要がある。すなわちArFエキシマレーザでは通常はArFガスまたはKrFガスがチャンバ10内に供給され、不純物とガスとによる化学反応を生じさせて不純物が除去されるとともに、チャンバ10の内壁面にフッ化物の膜が形成される。これは不働態化処理と呼ばれている。不働態化処理により、チャンバ10の内壁面はフッ素に対して安定な状態となる。
【0103】
図12はArFエキシマレーザのチャンバ10の内壁面を、KrFガスを用いて不働態化処理する工程を示す図である。
【0104】
同図12に示すように、まずKrFガスを用いてチャンバ10の内壁面に対して不働態化処理が行われる。次に、KrFエキシマレーザの性能を確認する処理が行われる。次に、チャンバ10内へArFエキシマレーザ用ガスが導入され、ArFエキシマレーザの性能を確認する処理が行われる。
【0105】
ここでチャンバ10内にキセノンガスを供給する処理は、矢印S131に示すようにKrFガスによる不動態化処理の前で行うことができる。また上記キセノンガスを供給する処理は、矢印S132に示すようにKrFガスによる不動態化処理と同時に行うことができる。また上記キセノンガスを供給する処理は、矢印S133に示すようにKrFガスによる不動態化処理とKrFエキシマレーザの性能の確認処理の間に行うことができる。また上記キセノンガスを供給する処理は、矢印S134に示すようにKrFエキシマレーザの性能の確認処理と同時に行うことができる。また上記キセノンガスを供給する処理は、矢印S135に示すようにKrFエキシマレーザの性能の確認処理とArFレーザの性能の確認処理の間に行うことができる。また上記キセノンガスを供給する処理は、矢印S136に示すようにArFレーザの性能の確認処理と同時に行うことができる。また上記キセノンガスを供給する処理は、矢印S137に示すようにArFレーザの性能の確認処理の後に行うことができる。
【0106】
なお、図12ではKrFガスを用いたチャンバ10の内壁面の不働態化処理及びKrFエキシマレーザの性能確認処理を行っているが、KrFガスを用いたこれら処理を省略してもよい。すなわちArFガスを用いてチャンバ10の内壁面の不働態化処理が行われた後にArFエキシマレーザの性能確認処理が行われる。ただし、この場合、放電電極やその他チャンバ10内の部品が摩耗し、レーザチャンバの寿命が短くなる虞がある。また、レーザパルス発振が安定しなくなる虞がある。したがって、KrFガスを用いてチャンバ10の内壁面の不働態化処理を行うことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態で用いるエキシマレーザ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】キセノンガスを添加したエキシマレーザ用ガスを用いた場合のバースト特性及びスパイク特性の一例を示す図である。
【図3】図1に示すチャンバに封入するエキシマレーザ用ガスへのキセノンガスの添加量と、レーザ出力のエネルギー値及びそのばらつき(3σ)との相関関係を示す図である。
【図4】エキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量と、バースト特性との相関関係を示す図である。
【図5】エキシマレーザ用ガスへのキセノンの添加量と、スパイク特性との相関関係を示す図である。
【図6】従来のエキシマレーザ装置によりバースト運転を行う場合のエネルギーとバースト番号等との関係を示す図である。
【図7】第2の実施の形態で用いるF2レーザ装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図1に示す構成を前提とする処理手順を示すフローチャートである。
【図9】ArFエキシマレーザのスパイク特性を示す図である。
【図10】図9(a)、(b)に示す特性を利用して、チャンバ10の内壁面に予めキセノンガスを吸着させる実施形態の構成を示す。
【図11】ガスコントローラ18で行われる処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】ArFエキシマレーザのチャンバ10の内壁面を、KrFガスを用いて不働態化処理する工程を示す図
【符号の説明】
10…チャンバ
11…狭帯域化ユニット
12…部分透過ミラー、
13…Ar/Neガスボンベ
14…Ar/Ne/F2 ガスボンベ
15…Xeガスボンベ
16…Xeガスセンサー
17…ガス排気モジュール
18…ガスコントローラ
71…F2ガスボンベ
72…ガスコントローラ

Claims (7)

  1. KrFレーザ又はArFレーザ又はF2レーザ又はKr 2 レーザ又はAr 2 レーザの何れかのチャンバ内に所定濃度のキセノンガスが添加された紫外線レーザ用ガスを封入し、このチャンバ内でパルス放電を行うことにより前記紫外線用ガスを励起してパルスレーザを発振する紫外線レーザ装置のキセノン供給方法において、
    内壁面にキセノンガスが吸着していない前記チャンバにキセノンガスを吸着させるキセノンガス吸着工程と、
    前記チャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度となる分量のキセノンガスが供給された場合に当該チャンバ内のキセノンガスの濃度が当該所定の濃度になることを確認する確認工程と、を具備していること
    を特徴とする紫外線レーザ装置のキセノン供給方法。
  2. 前記チャンバ内のキセノンガスの所定の濃度は0ppmを超え、200ppm以下であること
    を特徴とする請求項1記載の紫外線レーザ装置のキセノン供給方法。
  3. 前記キセノンガス吸着工程は、キセノンガスを前記チャンバ内へ供給するキセノンガス供給工程を備え、
    前記確認工程は、前記チャンバ内のキセノンガスの濃度を計測する濃度計測工程を備え、
    前記キセノンガス供給工程を行いつつ前記濃度計測工程を行い、チャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度となった場合に、キセノンガスの供給を停止させること
    を特徴とする請求項1記載の紫外線レーザ装置のキセノン供給方法。
  4. 前記キセノンガス吸着工程は、キセノンガスを前記チャンバ内へ供給するキセノンガス供給工程を備え、
    前記確認工程は、レーザパルス発振時のレーザエネルギー値を計測するエネルギー計測工程を備え、
    前記キセノンガス供給工程を行いつつ前記エネルギー計測工程を行い、所定数のパルス発振前後でのレーザエネルギー値が減少しなくなった場合に、キセノンガスの供給を停止させること
    を特徴とする請求項1記載の紫外線レーザ装置のキセノン供給方法。
  5. 前記キセノンガス吸着工程は、キセノンガスを前記チャンバ内へ供給するキセノンガス供給工程を備え、
    前記確認工程は、レーザパルス発振時に放電電圧値を計測する電圧計測工程を備え、
    前記キセノンガス供給工程を行いつつ前記電圧計測工程を行い、所定数のパルス発振後の放電電圧値が増加しなくなった場合に、キセノンガスの供給を停止させること
    を特徴とする請求項1記載の紫外線レーザ装置のキセノン供給方法。
  6. 前記キセノンガス吸着工程は、前記チャンバ内にキセノンガスを供給し、ついで前記チャンバ内のキセノンガスを排気するフラッシング工程を備え、
    前記確認工程は、前記チャンバ内に所定量のキセノンガスを供給する供給工程と該チャンバ内のキセノンガスの濃度を計測する計測工程を備え、
    前記供給工程で所定量のキセノンガスが供給された場合に前記計測工程で計測されたチャンバ内のキセノンガスの濃度が所定の濃度となるまで、前記フラッシング工程によるフラッシングを繰り返し行うこと
    を特徴とする請求項1記載の紫外線レーザ装置のキセノン供給方法。
  7. 前記チャンバ内壁面に対する紫外線レーザ用ガスのパッシベーション処理工程中又は前後の何れかに、前記フラッシング工程を行うこと
    を特徴とする請求項6記載の紫外線レーザ装置のキセノン供給方法。
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