JP4148341B2 - ガラスの溶解方法、その溶解装置およびガラス成形品の製造方法 - Google Patents

ガラスの溶解方法、その溶解装置およびガラス成形品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスの溶解方法、その溶解装置、ガラス成形製品の製造方法および光学素子の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、少数の設備で多品種のガラス製品を生産性よく製造するためのガラスの溶解方法、これに用いるガラス溶解装置および前記ガラスの溶解方法を適用したガラス成形品の製造方法と光学素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学ガラスを作るためのガラス溶解装置として、ガラス原料を溶解する溶解槽、溶融ガラス中の泡を除き、清澄を行う清澄槽、清澄された溶融ガラスを攪拌して、より均質化した後に流出パイプなどへと送り出す作業槽など、複数の容器を備えたものが知られている。例えば、特開昭58―41729号公報で示されている装置においては、連続溶融方式で一定の屈折率の光学ガラスを効率よく生産するため、溶解槽の容積を他の槽よりも大きくし、溶解槽への原料投入時には溶解槽と清澄槽との間の連結パイプを閉じ、原料投入を中止した後、溶解槽と清澄槽との間の連結パイプを開けるような操作を行うようになっている。
【0003】
ところで、近年、カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラなどのレンズ、光通信用部品など多様な要求に対応するため、光学ガラスの多品種化、光学素子の形状の多様化が進み、また、商品開発のサイクルも短縮化しており、短納期化の要求も高まっている。
前記公報における設備は、安定した屈折率の光学ガラスを生産する設備としては優れているものの、多硝種小ロットのガラス製品を生産する上で次のような問題があった。すなわち、硝種替えの際に異硝種の混合を防止するには、各槽内の溶融ガラスを全て排出し、洗浄した上で、次の硝種の溶解を始めなければならなず、そのため、溶融ガラスを流出している間は、次の硝種の溶解ができず、短納期を達成できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、少数の設備で多品種のガラス製品を生産性よく製造するためのガラスの溶解方法、これに用いるガラス溶解装置および前記ガラスの溶解方法を適用したガラス成形品の製造方法と光学素子の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のガラスの溶解方法および特定のガラス溶解装置により、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)溶解槽でガラス原料から溶融ガラスを作製し、次いでその全量を蓄積槽へ移し替えたのち、前記溶解槽と蓄積槽とを遮断状態とし、蓄積槽中の溶融ガラスを成形工程へ流出させると共に、溶解槽で次の溶融ガラスを作製する操作を行うことを特徴とするガラスの溶解方法、
【0007】
(2)溶解槽でガラス原料を溶解、清澄、均質化して溶融ガラスを作製する溶解工程と、前記溶解槽中の溶融ガラス全量を蓄積槽へ移し替えたのち、溶解槽から蓄積槽への溶融ガラスの流入を遮断する移し替え工程と、蓄積槽中の溶融ガラスを成形工程へ流出させる流出工程を含み、かつ前記移し替え工程後、流出工程と並行して次の溶解工程を行う上記(1)項に記載のガラスの溶解方法、
(3)移し替え工程前後の溶解工程で作製される溶融ガラスが異種のガラスである上記(2)項に記載のガラスの溶解方法、
【0008】
(4)ガラス原料を溶解し、ガラス成形品を製造するための溶融ガラスを作製するガラス溶解装置において、ガラス原料を溶解、清澄、均質化する溶解槽と、前記溶解槽で得られた溶融ガラスを蓄積する蓄積槽と、前記溶解槽から蓄積槽への溶融ガラスの導入、遮断が可能な連結機構と、前記蓄積槽に蓄積された溶融ガラスを成形工程へ流出させる流出機構とを有することを特徴とするガラス溶解装置、
(5)蓄積槽が溶解槽の容量以上の容量を有し、かつ高さ(m)/容量(m3)比が1〜5である上記(4)項に記載のガラス溶解装置、
(6)上記(1)、(2)または(3)項に記載のガラスの溶解方法により流出する溶融ガラスを成形することを特徴とするガラス成形品の製造方法、
【0009】
(7)成形型を用いてガラス成形品を製造するに際し、溶解工程に要する時間よりも流出工程に要する時間を短くし、流出工程終了後に、前記成形型の交換を行って異形状のガラス成形品を作製する上記(6)項に記載のガラス成形品の製造方法、および
(8)上記(6)項または(7)項に記載の方法によりプレス成形して光学素子ブランクを得たのち、研削、研磨処理を行うことを特徴とする光学素子の製造方法、
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のガラスの溶解方法においては、溶解槽でガラス原料から溶融ガラスを作製し、次いでその全量を蓄積槽へ移し替えたのち、前記溶解槽と蓄積槽とを遮断状態とし、蓄積槽中の溶融ガラスを成形工程へ流出させると共に、溶解槽で次の溶融ガラスを作製する操作が行われる。
【0011】
具体的には、溶解槽でガラス原料を溶解、清澄、均質化して溶融ガラスを作製する溶解工程、前記溶解槽中の溶融ガラス全量を蓄積槽へ移し替えたのち、溶解槽から蓄積槽への溶融ガラスの流入を遮断する移し替え工程、および蓄積槽中の溶融ガラスを成形工程へ流出させる流出工程を施すと共に、前記移し替え工程後、流出工程と並行して次の溶解工程を施す。
【0012】
また、このガラスの溶解方法に用いられる本発明のガラス溶解装置は、ガラス原料を溶解、清澄、均質化する溶解槽と、前記溶解槽で得られた溶融ガラスを蓄積する蓄積槽と、前記溶解槽から蓄積槽への溶融ガラスの導入、遮断が可能な連結機構と、前記蓄積槽に蓄積された溶融ガラスを成形工程へ流出させる流出機構とを有する装置である。
【0013】
次に、本発明のガラスの溶解方法および本発明のガラス溶解装置について、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明のガラス溶解装置の1例の概要図であって、この装置は、主要構成要素として溶解槽1、蓄積槽2、溶解槽の底部に接続され、溶解槽内の溶融ガラスを蓄積槽へ導く連結パイプ3(連結機構)、蓄積槽から流入する溶融ガラスを更に均質化する攪拌機を備えた作業槽4、作業槽下部に取付けられ、溶融ガラスを流出する流出パイプ5を有している。溶解槽1、蓄積槽2、連結パイプ3、作業槽4、流出パイプ5を含む溶融ガラスの流路、蓄積部分には白金または白金合金を使用することが望ましい。
【0014】
溶解槽1は、ガラス原料の溶解とともに、清澄も行う容器であり、1400℃程度と比較的高温に容器内容物を加熱する機能を備えている。材質としては、耐熱性を考慮して、強化白金を用いることが好ましい。強化白金としては、ジルコニアを含む白金合金などを例示できるが、このような合金に限られるものではない。溶解槽1内の溶融ガラスは攪拌機6により攪拌される。溶解槽1で溶解されるガラス原料は、粉体状の原料を調合したものでもよいし、予め溶解槽1外で溶解されたガラス状の原料を用いてもよい。
【0015】
連結パイプ3は工業用白金製のパイプであり、一端が溶解槽底部に取付けられ、他端は蓄積槽2の一端につながる溶融ガラス受け槽7にガラスを排出するように配置されている。連結パイプ3におけるガラス流動の制御は適宜、公知の方法を用いることもできるが、次のような方法を用いることが望ましい。通電機構を備えた連結パイプ3に通電すると連結パイプ3が発熱し、パイプ内のガラスを直接加熱する。連結パイプ3で溶融ガラスの流動をストップさせるときは、連結パイプ3の通電をオフ(OFF)にする。そうすると速やかに連結パイプ3の温度が低下し、パイプ内のガラスの粘度が上昇し、流動がストップする。ガラスの流動を再開する場合には、連結パイプへの通電を再開すればよい。このような直接通電加熱は、連結パイプの周りに発熱体を設けて加熱する間接加熱に比べ、エネルギー効率が高く、またガラス流動を高いレスポンスで制御できる。直接通電加熱と合わせ、前記間接加熱を適宜、併用することもできる。
【0016】
溶解槽内の溶融ガラスが少なくとも溶解工程中、蓄積槽へ流入しないよう、上記機構によって溶融ガラスの流れを遮断する。本装置は、可動式のドレインシュート8を備えている。このドレインシュートは、溶解槽内の溶融ガラスを蓄積槽に移し替えた後、洗浄によって出た溶解槽や連結部内の溶融ガラスからなる残留物を排出するためのものである。例えば、ドレインシュート8として樋状の金属板を用いることができる。このドレインシュート8を溶融ガラスの移し替え後、連結パイプ3と溶融ガラス受け槽7の間(移し替え経路)に挿入することによって、連結パイプからの流出物は溶融ガラス受け槽7に流入させず、装置外部へと導き出すことができる。該ドレインシュート8は、溶融ガラスの移し替え工程開始前に、上記移し替え経路から外される。
【0017】
溶融ガラス受け槽7で受けられた溶融ガラスは蓄積槽3へと導かれる。溶融ガラス受け槽7および蓄積槽3も連結部同様、工業用白金材で作ることができる。蓄積槽内に移し替えられた溶融ガラスは、粘度が上昇して作業槽における攪拌、流出パイプからの流出、成形に支障がないよう、調温され、溶融状態に保たれている。蓄積槽3の容量は、溶解槽1で得られた溶融ガラスの全量を蓄積できるようにする必要がある。そのため、その容量を溶解槽の容量以上とすることが好ましい。なお溶解槽の容量は10〜100リットルとすることが好ましい。移し替え工程で溶解槽内の溶融ガラスは全量、蓄積槽へと移し替えられる。
【0018】
移し替え工程において、連結パイプ3から流出する溶融ガラスは溶融ガラス受け槽7に流入するが、この際、溶融ガラス流が泡を巻き込まないよう、溶融ガラス受け槽7に樋状の白金又は白金合金製の案内板9を置き、この案内板で連結パイプ3から流出する溶融ガラス流を泡立たせずに溶融ガラス受け槽7へと導くのがよい。この際、連結パイプ3の流出口と案内板9の距離を極力近づけることが、泡立ちを防止する上から望ましい。
【0019】
溶融ガラスの流出によって、蓄積槽内の溶融ガラスの液面は下がっていく。溶融ガラスの流出速度は、流出部の温度が一定に保たれていれば、蓄積槽内の溶融ガラス液面の高さに比例して減少する。流出する溶融ガラスの成形では、流出速度が一定に保たれることが望まれるから、溶融ガラスの液面変化を低減することが望まれる。このような要求を満たすため、蓄積槽は高さを低く抑えた平たい形状にすることが好ましい。例えば、蓄積槽は、高さ(m)/容量(m3)比が1〜5の範囲にあるような形状とするのが有利である。作業槽の底部には溶融ガラスを成形装置へと供給する流出パイプ5が取付けられている。
【0020】
前述したように、溶融ガラスの清澄は溶解槽内で行われるため、蓄積槽には清澄機能がなくてもよい。清澄では溶融ガラスを1350〜1400℃程度に加熱しなければならないが、蓄積槽は溶融ガラスを1050〜1150℃に保温する加熱装置を備えれば十分である。したがって、連結パイプ3、溶融ガラス受け槽7、蓄積槽2、蓄積槽と作業槽4を繋ぐパイプ、作業槽4、流出パイプ5は工業用白金製とすれば十分であり、高価な強化白金を使用する必要がない。
【0021】
なお、受け槽7を設置せずに、蓄積槽2に直接溶融ガラスを受けることができるが、溶融ガラスの出し入れ部は腐食が起こりやすく、腐食した場合の取り替え作業性や取り替え費用などの点から、容量の小さな受け槽7を設置するのが好ましい。
【0022】
本発明においては、このようにして、流出する溶融ガラスを成形して、所望のガラス成形品を製造するが、この際、成形方法としては特に制限はなく、様々な方法を適用することができる。ここでは、代表的な成形方法であるダイレクトプレス成形、プレス成形用プリフォームの成形、板状ガラスの成形について説明する。
【0023】
〈ダイレクト成形〉
ダイレクトプレス成形は、適量の溶融ガラスをそのガラスが軟化状態にある間にプレス成形型でプレス成形し、ガラス成形品を作る方法である。例えば、一定の速度でインデックス回転するターンテーブル上に、テーブルの回転軸を中心にして複数の金型(プレス成形型の下型)を等間隔に配置する。ターンテーブルの停留中に金型が流出パイプの鉛直下方に位置するよう、ターンテーブルを設置する。金型への溶融ガラス供給(キャストという)は、流出パイプから流出する溶融ガラス流をシアと呼ばれる切断刃によって切断し、所望の量の溶融ガラスが金型上に落下するようにして行われる。キャスト後、金型はインデックス回転によってプレス位置へと移送され、そこで停留中に下型と下型に対向する上型によりプレス成形される。成形品は取出し位置へと移送され、金型から取出される。成形品が取出された金型は、再び、キャスト位置へと戻され、上記一連の工程が繰返される。
【0024】
同じ形状の下型、上型(場合によっては、胴型等の型も使用)を用い、キャストされる溶融ガラスの重量を一定にすれば、同一形状のガラス成形品を連続して生産することができる。取出された成形品はアニール炉へと搬送され、そこで徐冷されながら歪みが取除かれる。
【0025】
1ロット(同一硝種かつ同一形状の複数個の成形品)の成形は、1回の溶解で作られる溶融ガラスの量の整数倍が消費されるよう、特に1回の溶解で作られる溶融ガラスが消費されるように生産スケジュールを組むことが好ましい。
次の1ロットが、同一硝種または異硝種であり、形状が異なる成形品である場合、プレス機の金型は、1ロット成形終了後、次の溶解を行っている間に交換、調整する(方式1)。あるいは、プレス機をもう1台用意し、そのプレス機に形状の異なる金型をセットしたり、ターンテーブル上に配置する金型の個数を変えたりして、次のロットの成形に備え、前のロットの成形終了後、プレス機ごと交換して異形状の成形品を成形するようにしてもよい(方式2)。
しかし、プレス機を1台でまかなえるという点で、溶解、成形のスケジュールを調整し、方式1によって成形品を生産する方がより好ましい。溶解、成形のスケジュールについては、実施例で説明する。
【0026】
レンズを作製する場合には、上記のようにして取り代を見込んだ目的とするレンズ形状に近似するレンズブランクを成形し、アニールされたブランクを研削、研磨処理してレンズを作製する。このようにしてメニスカスレンズ、両凹レンズ、両凸レンズなど各種レンズを生産することができる。なお得られた光学素子には反射防止膜などの光学薄膜を必要に応じて形成してもよい。
【0027】
〈プレス成形用プリフォームの成形〉
前記ダイレクトプレス成形では、ターンテーブル上にプレス成形型の下型に相当する金型を配置してプレス成形したが、この方法では、下型の代りに、底部にガス噴出口が設けられた受け型を配置し、流出する溶融ガラス適量を該受け型で受け、ガス噴出口から窒素ガス又は空気を噴出させ、溶融ガラスを回転させながらガラス球を成形する。
【0028】
このガラス球は、非球面レンズなどの光学素子を研削、研磨せずに精密プレス成形(いわゆるモールドオプティクス成形)する場合のプレス成形用プリフォームとして使用される。そのため、1個1個の重量は精密に設定されていなければならず、溶融ガラスが流出する流出パイプ(流出ノズル)も精密加工され、ノズルの温度も精密に調整されている。
【0029】
このようなプリフォームの成形でもダイレクトプレス成形と同様、1ロットの成形が済んだ後、次のロットの成形に備えた作業を行うことが好ましい。
このようにして得られたプリフォームは、再加熱されて、窒素ガス雰囲気中で精密プレス成形され、非球面レンズなどの成形品に加工される。
【0030】
〈板状ガラスの成形〉
流出パイプから一定速度で連続流出する溶融ガラスを鋳型に鋳込み、鋳型の開放端から冷却したガラスを一定スピードでゆっくりと引出し、一定の厚み、幅をもつ板状ガラスを成形する。板状ガラスはそのまま、アニール炉中を通過して歪みが取除かれる。その後、板状ガラスは賽の目状に切断、分割され、カットピースと呼ばれるガラス片に加工される。カットピースにはバレル研磨が施され、一定重量の粗面化されたガラス塊が作製される。このガラス塊は再加熱、プレス成形され、レンズブランクなどの光学素子ブランクとなる。ブランクには研削、研磨加工が施され、各種レンズに仕上げられる。
【0031】
本発明のガラス成形品の製造方法においては、前述の本発明のガラスの溶解方法によって流出する溶融ガラスを、前記の各種成形方法により成形してガラス成形品を製造するが、成形型を用いてガラス成形品を製造するに際し、特に溶解工程に要する時間よりも流出工程に要する時間を短くし、流出工程終了後に、前記成形型の交換を行って異形状のガラス成形品を製造するのが有利である。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、この例によってなんら限定されるものではない。
実施例
図1に示すガラス溶解装置によってガラスを溶解した。溶解工程、移し替え工程、流出工程の順番を示す操業形態を図2に示す。図2でMZと書かれた上段の線図は溶解工程を、MZ+PZ+WZと書かれた中段の線図は移し替え工程を、PZ+WZと書かれた下段の線図は流出工程を示している。溶解工程は18時間、移し替え工程は5.5時間、流出工程は15時間とし、溶解工程〜流出工程までに要する時間を38.5時間としている。ただし、本実施例の特徴は、移し替え工程が終わると、次の溶解工程を開始することにあり、20.5時間を1サイクルとして1ロットの成形に必要な溶融ガラスを供給することができる。移し替え工程終了をもって、溶解工程、流出工程、成形工程を同時(各工程の長さに比べて同時と見なせる)に開始し、15時間経過して流出工程および成形工程が終了した時点で、金型交換などの成形機の設定、調整を行う。成形機の設定、調整時も溶解工程は行われ、ガラスの溶解から成形までの一連の流れに待ち時間を入れる必要がない。なお、移し替え工程の2.5時間の間に溶解槽、連結部の洗浄を行い、成形機設定、調整時間に溶融ガラス受け槽、蓄積槽、作業槽、流出パイプ、前記各部を繋ぐパイプの洗浄をする。なお、本実施例では、溶解槽の容量を40リットル、蓄積槽の容量を50リットルとした。
【0033】
このようにして、異硝種の溶解、成形というサイクルを20.5時間で待ち時間を作らずに順次行うことができた。各ロットとも光学的特性にバラツキがなく、目的とする範囲に正確に納まっていた。
【0034】
溶融ガラスから成形されたガラス成形品は歪みを除くためアニールされる。このアニールは、アニール前のガラス成形品を温度勾配が設けられた炉の高温側入口から入れて、炉内を低温側へ向けて移送しながら徐冷し、低温側出口より出す複数の成形品を連続してアニールできる連続アニール方式が好ましい。本実施例ではロットAの成形終了から次ロットBの成形開始までに5.5時間あるので、ロットAの中で最後に成形された成形品は、ロットBの最初に成形される成形品よりも5.5時間分、アニール炉内を進んでいる。5.5時間よりもアニール時間が短かく、ロットAのアニール終了後にロットBのアニール温度に炉の温度設定をすれば、ロットAとBのアニール温度が異なっていても、ロットBのアニールを停留させて炉の温度を調整する必要がなくなる。また、アニール時間が5.5時間よりも長ければ、アニール炉内を幾つかの温度ゾーンに分割してゾーン毎に温度設定を行うことにより、ロットAが通過したゾーンではロットBのための温度設定を開始することができる。勿論、アニール時間が5.5時間以下の場合でも、上記ゾーン毎に温度調整可能なアニール炉を使用してもよい。このようにして、移し替え工程の時間を利用してアニール温度設定を行うことができるので、効率アップを図ることができる。
【0035】
流出する溶融ガラスを上述したダイレクトプレス成形法で成形し、メニスカスレンズブランクを1ロット作製した。次に、移し替え工程中、硝種替えの準備を行い、移し替え工程終了とともに、異硝種の溶解を開始した。この硝種では両凹レンズブランクの1ロットを作製した。各ロットとも、アニール後、研削、研磨加工を施し、メニスカスレンズ、両凹レンズを生産した。
【0036】
このように、従来に比べ、1つの設備を用いて複数のロットを短時間で生産することができた。
本実施例では、ダイレクトプレス成形を例に説明したが、本発明はプリフォーム成形、板状ガラス成形をはじめ、その他の成形法にも適用できる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、少数の設備で多品種のガラス製品を生産性よく製造するためのガラスの溶解方法、およびこれに用いるガラス溶解装置を提供することができる。
また、前記のガラスの溶解方法およびガラス溶解装置を適用することにより、多品種の光学素子などのガラス成形品を生産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス溶解装置の1例の概要図である。
【図2】本発明のガラスの溶解方法における溶解工程、移し替え工程および流出工程の順番を示す操作形態図である。
【符号の説明】
1 溶解槽
2 蓄積槽
3 連結パイプ
4 作業槽
5 流出パイプ
6 攪拌機
7 溶融ガラス受け槽
8 ドレインシュート
9 案内板

Claims (9)

  1. 溶解槽でガラス原料から溶融ガラスを作製し、次いでその全量を蓄積槽へ移し替えたのち、前記溶解槽と蓄積槽とを遮断状態とし、蓄積槽中の溶融ガラスを成形工程へ流出させると共に、前記溶解槽で次の溶融ガラスを作製する操作を行うこと、および前記蓄積槽が前記溶解槽の容量以上の容量を有することを特徴とするガラスの溶解方法。
  2. 溶解槽でガラス原料を溶解、清澄、均質化して溶融ガラスを作製する溶解工程と、前記溶解槽中の溶融ガラス全量を蓄積槽へ移し替えたのち、溶解槽から蓄積槽への溶融ガラスの流入を遮断する移し替え工程と、蓄積槽中の溶融ガラスを成形工程へ流出させる流出工程を含み、かつ前記移し替え工程後、流出工程と並行して次の溶解工程を行う請求項1に記載のガラスの溶解方法。
  3. 移し替え工程前後の溶解工程で作製される溶融ガラスが異種のガラスである請求項2に記載のガラスの溶解方法。
  4. 溶解槽から蓄積槽への溶融ガラスの移し替えが、溶解槽内の溶融ガラスを蓄積槽へ導く連結パイプに通電し、パイプ内のガラスを直接加熱することにより行われ、溶解槽と蓄積槽との遮断が、前記連結パイプの通電をオフにすることにより行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載のガラスの溶解方法。
  5. ガラス原料を溶解し、ガラス成形品を製造するための溶融ガラスを作製するガラス溶解装置において、ガラス原料を溶解、清澄、均質化する溶解槽と、前記溶解槽で得られた溶融ガラスを蓄積する蓄積槽と、前記溶解槽から蓄積槽への溶融ガラスの導入、遮断が可能な連結機構と、前記蓄積槽に蓄積された溶融ガラスを成形工程へ流出させる流出機構とを有すること、および前記蓄積槽が前記溶解槽の容量以上の容量を有することを特徴とするガラス溶解装置。
  6. 前記連結機構が、通電機構を備えた連結パイプである請求項5に記載のガラス溶解装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラスの溶解方法により流出する溶融ガラスを成形することを特徴とするガラス成形品の製造方法。
  8. 成形型を用いてガラス成形品を製造するに際し、溶解工程に要する時間よりも流出工程に要する時間を短くし、流出工程終了後に、前記成形型の交換を行って異形状のガラス成形品を作製する請求項に記載のガラス成形品の製造方法。
  9. 請求項7またはに記載の方法によりプレス成形して光学素子ブランクを得たのち、研削、研磨処理を行うことを特徴とする光学素子の製造方法。
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