JP4147965B2 - Mosトランジスタによりpwm電圧制御する単相負荷の過電流検出回路 - Google Patents

Mosトランジスタによりpwm電圧制御する単相負荷の過電流検出回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MOSトランジスタを用いて単相負荷をPWM電圧制御する負荷駆動回路に使用する過電流検出回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流電源の出力端子間に、単相負荷とMOSトランジスタとを直列接続し、MOSトランジスタをPWM信号によりON/OFFスイッチング動作させて負荷電流あるいは負荷電力を制御する負荷駆動回路が、単相DCモータ駆動や単相ヒータの温度制御等に多用されている。これはMOSトランジスタをON/OFF動作させて制御するために電力損失が少なくて済むこと、およびMOSトランジスタが電圧駆動型素子であるためゲート駆動回路の設計が比較的容易であること、大電流スイッチングが可能なこと等によるものである。反面、MOSトランジスタは半導体素子であるために過電流に弱い。従って、負荷駆動素子として使用する場合には、過電流検出による保護が必須とされている。
【0003】
この過電流検出に際しては、PWM駆動されるために出力電流波形がパルス状であること、及び大電流であるがため電流測定が難しい点が問題になる。普通には、電流通路にシャント抵抗を挿入して電流に比例する電圧を検出し、その値から過電流を検出方法が考えられる。しかし、シャント抵抗を挿入することは、流れる電流が大電流のため取り付けスペース、シャント抵抗費用等が問題となってあまり良い方法とはいえない。
【0004】
これに代わる方法として、導通時におけるMOSトランジスタのドレイン−ソース間電圧の値から過電流を検出する方法がある。この方法による従来の過電流検出回路とその動作と問題点について、図13〜図15を参照して説明する。後で説明する本発明の回路は、基本的にはこの図13の回路に新たな回路を追加するものであるので、本従来回路の動作について少し詳しく説明しておく。
【0005】
図13はその電気的構成図で、一例として単相DCモータ1を過電流検出機能付きの負荷駆動回路2によって駆動する場合の構成図である。PMOSトランジスタQ1は、PWM信号発生回路21が生成したPWM信号によりON/OFFスイッチング動作をする。それにより直流の電源電圧VddをPWM電圧制御した電圧がモータ1に印加され、モータ1は回転駆動される。
【0006】
トランジスタQ1をONさせるためにゲートに印加されるソース−ゲート間電圧Vsgの値が十分に大きい場合、そのドレイン電流Idとドレイン−ソース間電圧Vdsとの関係は、図15のId−Vds曲線のようになる。直流電源電圧をVddとし、負荷を抵抗と仮定した場合の負荷曲線を描くと、負荷抵抗値が大きい場合は図中の負荷曲線a、小さい場合は負荷曲線bとなり、動作点はそれぞれa点、b点となる。これら動作点における電流、電圧の値は、それぞれIa、VaとIb、Vbのようになる。即ち、負荷抵抗値が小さくて動作電流値が大きい程、ドレイン−ソース間電圧の絶対値|Vds|の値も大きくなる。従って、この導通時におけるドレイン−ソース間電圧の絶対値|Vds|の値を検出し、その値を所定のしきい値電圧と比較することで、ドレイン電流Idが過電流領域にあるか否かを判定することができる。
【0007】
図13の従来回路では、トランジスタQ1のソース及びドレインの電圧が、それぞれ減算回路22のプラス側入力端子T1、マイナス側入力端子T2に印加され、出力にその電圧差であるソース−ドレイン間電圧Vsdが出力される。ここで、減算回路22内のOP1は演算増幅器、R1〜4は等しい値の抵抗である。
【0008】
出力されたアナログのソース−ドレイン間電圧Vsdは、A/D変換器23に入力されてサンプリングされた後、ディジタル値に変換されディジタル式のコンパレータ24に入力される。そして、制御部25よりディジタル値で指定された所定の過電流判定しきい値電圧Vthと比較され、過電流状態か否か判定される。過電流判定しきい値電圧Vthの値は、予め制御部25内に記憶されている。
【0009】
コンパレータ24により過電流状態と判定された場合には、その判定信号が制御部25に送られる。制御部25はその判定結果を受けて、PWM信号発生回路21に対してトランジスタQ1のONデューティ比をゼロにするよう指令を出す。PWM信号発生回路21は、その指令を受けて直ちにトランジスタQ1のゲートに信号を送り、トランジスタQ1をOFFさせる。これによりトランジスタQ1は、過電流による破壊を免れ保護される。
【0010】
過電流状態との判定結果が出力されていない期間においては、制御部25は、入力ノードNDRを介して入力されるONデューティ比DRの値をPWM信号発生回路21に伝達する。ONデューティ比DRの指令値は、通常は図示しないマイコン等からPWM変調されたシリアル信号の形で制御部25に与えられる。PWM信号発生回路21は、伝達されたONデューティ比DRに一致するような所定周波数のPWMパルスを生成してトランジスタQ1のゲートを駆動し、ON/OFFのスイッチング動作をさせる。
【0011】
以上説明した過電流判定の過程で問題になるのは、A/D変換器23が減算回路22の出力をサンプリングしてA/D変換するタイミングである。負荷電流はPWM制御された電流であるため、A/D変換のタイミングは、PWM信号発生回路21が出力するPWMパルスの立ち上がりタイミングに何らかの形で同期している必要がある。このため、図13中に図示はないが、A/D変換器23におけるサンプリングとA/D変換は、次に説明するように、PWM信号発生回路21の立ち上がりから微小な一定時間遅れたタイミングで実行されるようになっている。また、A/D変換器23は、A/D変換した結果のディジタル数値を、次のA/D変換が完了するまで保持して出力を続ける。
【0012】
図14は、負荷のモータ1を高速回転(1)、中速回転(2)、低速回転(3)させた場合におけるトランジスタQ1のドレイン−接地間電圧(モータ1の印加電圧)波形(a)と、減算回路22の出力電圧(トランジスタQ1のソース−ドレイン間電圧Vsd)波形(b)を、それぞれ1パルス周期分だけ示したものである。図14の(a)に示すように、ドレイン−接地間電圧Vsdが“ High"レベルとなるパルス幅は、低速になるほど狭くなる。一方、減算回路22の出力であるトランジスタQ1のソース−ドレイン間電圧Vsdの波形は、図14の(b)に示すように、トランジスタQ1がON動作を開始した瞬間から低下を始め、最終的に数百mVの低電圧値まで低下する。反対にトランジスタQ1がOFFした場合には、上昇してほぼ電源電圧Vddに等しい値まで戻る。
【0013】
過電流判定を正確に行うためには、減算回路22の出力が数百mVの低い値にある期間の電圧、即ち、トランジスタQ1が完全にON状態にある期間におけるソース−ドレイン間電圧VsdをサンプリングしA/D変換する必要がある。ここで、減算回路22の出力が、トランジスタQ1のON時の最終的なソース−ドレイン間電圧Vsdに低下するまでには、図14の(b)の波形の立ち下がり部分に相当する時間遅れが存在する。この時間遅れは、トランジスタQ1が完全にONするまでの時間、即ち、トランジスタQ1のソース−ドレイン間電圧Vsdが、ほぼ電源電圧Vddに等しい値から、数百mVに低下するのに要する(換言すれば、ドレイン電圧Vdが、約−0.7Vからほぼ電源電圧Vddまで上昇するまでの時間)と、その電圧の変化が減算回路22内で演算され出力に現れるまでに要する遅れ時間に起因する。
【0014】
減算回路22におけるこの応答遅れは、演算増幅器OP1のスルーレート(演算増幅器に方形波又は階段信号を入力した時に出力電圧が変化する割合の最大値。通常(V/μS)で表わされる。)によるものである。このような負荷駆動回路2に使用される演算増幅器OP1には、コスト低減のためそれほど高性能なものは採用されず、そのスルーレートはかなり小さい値である。従って、減算回路22の入力の差電圧が、トランジスタQ1のON動作により電源電圧Vdd付近から0V付近まで大きく減少する場合、減算回路22の出力電圧が電源電圧Vdd付近から数百mVの低電圧に低下するまでには相当の時間遅れが生ずる。
【0015】
A/D変換器23によるサンプリングとA/D変換のタイミングは、この応答遅れが経過して出力が安定した後でなけれはならない。従って、図14の(b)の△印で示すように、トランジスタQ1のドレイン電圧の立ち上がり開始の瞬間から相当遅れたタイミングとせざるを得ない。
【0016】
このA/D変換のタイミングを相当に遅らせたとしても、モータ1を高速回転(1)、中速回転(2)動作させている場合には、問題は生じない。A/D変換のタイミング時には、減算回路22の出力電圧は既に、モータ電流(ドレイン電流)に対応したトランジスタQ1のON時のソース−ドレイン間電圧Vsdonに安定しているからである。
【0017】
しかし、モータ1を低速回転させる場合には問題が生ずる。低速回転時(図14の(3))には、トランジスタQ1のドレイン−接地間電圧が“ High"レベルを維持するパルス幅が減少する。このパルス幅が狭くなりすぎると、図中のAの部分に示すように、減算回路22の出力電圧は、トランジスタQ1のON時のソース−ドレイン間電圧Vsdonにまで下がりきらないうちに、途中から上昇に転じてしま。このような状況が生ずると、A/D変換された結果は、本来のソース−ドレイン間電圧Vsdonではなく、それよりも高い数値となってしまう。このことは、実際に流れている負荷電流(ドレイン電流)よりも高い値の電流が流れていると判断されることを意味する。従って、その値を基にコンパレータ24にて過電流検出しきい値電圧Vthと大小関係が判定されると、本来は正常に動作し、過電流が流れていないにも関わらず、過電流状態と誤って判定されてしまうという問題が生ずる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術このような問題点を解決するためになされたもので、その目的は、単相DCモータ、単相ヒータ等の単相負荷を、MOSトランジスタを用いてPWM電圧制御する場合において、MOSトランジスタのON時間が短いときでも、負荷電流(MOSトランジスタのドレイン電流)の過電流状態を正確に判定し、検出できる過電流検出回路を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、PMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路であって、ソースを直流電源のプラス電圧出力側に接続し該プラス電圧出力側と該直流電源の接地されたマイナス電圧出力側との間に負荷と直列に接続した負荷駆動用PMOSトランジスタと、ドレイン電圧切換回路と、前記PMOSトランジスタのソース電圧から前記ドレイン電圧切換回路の出力電圧を減算する減算回路と、該減算回路の出力電圧をサンプリングしてA/D変換するA/D変換器と、該A/D変換器の出力をディジタルな過電流検出しきい値電圧と比較するディジタル式のコンパレータとを備える。
【0020】
前記ドレイン電圧切換回路は、前記PMOSトランジスタのドレイン電圧が前記直流電源の出力電圧を分圧して作った基準電圧を越えた時に出力電圧が立ち上がるコンパレータ回路と、該コンパレータ回路の出力電圧の立ち上がりによりトリガされ一定幅の出力パルスを生成する単安定回路と、該単安定回路の出力電圧により駆動され前記出力パルスが生成されている期間中だけ導通する第1、第2のアナログスイッチ回路と、該出力パルスが生成されていない期間中だけ導通する第3のアナログスイッチ回路と、一端が接地されたコンデンサと、該コンデンサの充電電圧をバッファする非反転バッファ回路とを備える。
【0021】
そして、前記コンデンサは、前記第2のアナログスイッチ回路の導通時には前記ドレイン電圧により充電を受け、該第2のアナログスイッチ回路の非導通時には充電された電圧を維持する。また前記ドレイン電圧切換回路の出力には、前記第1のアナログスイッチ回路の導通時には前記ドレイン電圧が出力され、前記第3のアナログスイッチ回路の導通時には前記非反転バッファ回路の出力電圧が出力されるように構成されている。
【0022】
前記単安定回路の出力パルス幅は、前記PMOSトランジスタのドレイン電圧が前記基準電圧を超えてから前記PMOSトランジスタのゲートを駆動する最小パルス幅のPWM信号が終了する時点までの時間幅以下に設定され、また前記A/D変換器によるサンプリングとA/D変換は、前記単安定回路の出力パルスが終了する直前に行なわれるように設定されている。このような構成の下で、前記A/D変換器の出力電圧が前記過電流検出しきい値電圧を越えた時に過電流と判定することを特徴とする過電流検出回路である。
【0023】
このような回路構成によれば、負荷を駆動するPMOSトランジスタの導通時のソース−ドレイン間電圧を算出して出力する減算回路の出力電圧が、ほぼ常に導通時のPMOSトランジスタのソース−ドレイン間飽和電圧に維持されて大きく振れることがない。このため、減算回路の出力電圧の導通時のソース−ドレイン間電圧への追随が、減算回路を構成する演算増幅器のスルーレートが小さい場合でも短時間でできる。従って、負荷をパルス幅の狭いPWM制御電圧で駆動する場合においても、過電流を正確に検出することができる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のPMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記ドレイン電圧切換回路の構成を、前記PMOSトランジスタのドレイン電圧が前記直流電源の電圧を分圧して作った基準電圧を越えた時に出力電圧が立ち上がるコンパレータ回路と、該コンパレータ回路の出力電圧の立ち上がりによりトリガされ一定幅の出力パルスを生成する単安定回路と、該単安定回路の出力電圧により駆動され前記出力パルスが生成されている期間中だけ導通する第1のアナログスイッチ回路と、該出力パルスが生成されていない期間中だけ導通する第3のアナログスイッチ回路とを備えた構成に置き替え、更に、前記ドレイン電圧切換回路の出力には、前記第1のアナログスイッチ回路が導通した時には前記ドレイン電圧が出力され、前記第3のアナログスイッチ回路が導通した時には前記直流電源のプラス側電圧が出力されるように変更したことを特徴とする過電流検出回路である。
【0025】
このような回路構成によれば、負荷を駆動するPMOSトランジスタの導通時のソース−ドレイン間電圧を算出して出力する減算回路の出力電圧が、導通時のPMOSトランジスタのソース−ドレイン間飽和電圧又は0Vに維持されて大きく振れることがない。このため、減算回路の出力電圧の導通時のソース−ドレイン間電圧への追随が、減算回路を構成する演算増幅器のスルーレートが小さい場合でも短時間でできる。従って、負荷をパルス幅の狭いPWM制御電圧で駆動する場合においても、過電流を正確に検出することができる。
【0026】
また、請求項3に記載の発明は、NMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路であって、ソースを直流電源の接地されたマイナス電圧出力側に接続し該マイナス電圧出力側と該直流電源のプラス電圧出力側との間に負荷と直列に接続した負荷駆動用NMOSトランジスタと、ドレイン電圧切換回路と、該ドレイン電圧切換回路の出力電圧をサンプリングしてA/D変換するA/D変換器と、該A/D変換器の出力をディジタルな過電流検出しきい値電圧と比較するディジタル式のコンパレータとを備える。
前記ドレイン電圧切換回路は、前記NMOSトランジスタのドレイン電圧が前記直流電源の出力電圧を分圧して作った基準電圧を下回った時に出力電圧が立ち上がるコンパレータ回路と、該コンパレータ回路の出力電圧の立ち上がりによりトリガされ一定幅の出力パルスを生成する単安定回路と、該単安定回路の出力電圧により駆動され前記出力パルスが生成されている期間中だけ導通する第1、第2のアナログスイッチ回路と、該出力パルスが生成されていない期間中だけ導通する第3のアナログスイッチ回路と、一端が接地されたコンデンサと、該コンデンサの充電電圧をバッファする非反転バッファ回路とを備える。
【0027】
そして、前記コンデンサは、前記第2のアナログスイッチ回路の導通時には前記ドレイン電圧により充電を受け、該第2のアナログスイッチ回路の非導通時には充電された電圧を維持する。また前記ドレイン電圧切換回路の出力には、前記第1のアナログスイッチ回路の導通時には前記ドレイン電圧が出力され、前記第3のアナログスイッチ回路の導通時には前記非反転バッファ回路の出力電圧が出力されるように構成されている。
【0028】
前記単安定回路の出力パルス幅は、前記NMOSトランジスタのドレイン電圧が前記基準電圧を下回ってから前記NMOSトランジスタのゲートを駆動する最小パルス幅のPWM信号が終了する時点までの時間幅以下に設定され、また前記A/D変換器によるサンプリングとA/D変換は、前記単安定回路の出力パルスが終了する直前に行なわれるように設定されている。このような構成の下で、前記A/D変換器の出力電圧が前記過電流検出しきい値電圧を越えた時に過電流と判定することを特徴とする過電流検出回路である。
【0029】
本発明の構成は、負荷を直流電源側に、それを駆動するトランジスタを接地側に変えたのみで、基本的に請求項1に記載の発明と同じ構成となっている。また、請求項1に記載の構成で存在した減算回路を不要としている。従って、減算回路のスルーレートの影響がなくなり、負荷をパルス幅の狭いPWM制御電圧で駆動する場合においても、過電流を正確に検出することができる。
【0030】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のNMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記ドレイン電圧切換回路の構成を、前記NMOSトランジスタのドレイン電圧が前記直流電源の出力電圧を分圧して作った基準電圧を下回った時に出力電圧が立ち上がるコンパレータ回路と、該コンパレータ回路の出力電圧の立ち上がりによりトリガされて一定幅の出力パルスを生成する単安定回路と、該単安定回路の出力電圧により駆動され前記出力パルスが生成されている期間中だけ導通する第1のアナログスイッチ回路と、該出力パルスが生成されていない期間中だけ導通する第3のアナログスイッチ回路とを備えた構成に置き替え、更に、前記ドレイン電圧切換回路の出力には、前記第1のアナログスイッチ回路が導通した時には前記ドレイン電圧が出力され、前記第3のアナログスイッチ回路が導通した時には接地電位が出力されるように変更したことを特徴とする過電流検出回路である。
【0031】
本発明の構成は、負荷を直流電源側に、それを駆動するトランジスタを接地側に変えたのみで、基本的に請求項2に記載の発明と同じ構成となっている。また、請求項2に記載の構成で存在した減算回路を不要としている。従って、減算回路のスルーレートの影響がなくなり、負荷をパルス幅の狭いPWM制御電圧で駆動する場合においても、過電流を正確に検出することができる。
【0032】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のPMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記A/D変換器とディジタル式のコンパレータに代えて、前記減算回路の出力電圧をアナログの過電流検出しきい値電圧と比較するアナログ式のコンパレータを設け、前記減算回路の出力電圧が前記過電流検出しきい値電圧を越えた時に過電流と判定することを特徴とする過電流検出回路である。
【0033】
本発明の構成が、請求項1に記載の発明の構成と異なる点は、基本的には過電流検出しきい値電圧と検出したトランジスタのソース−ドレイン間電圧との比較をディジタル式からアナログ式に変更した点のみである。従って、請求項1に記載の発明の効果と同様に、負荷をパルス幅の狭いPWM制御電圧で駆動する場合においても、過電流を正確に検出することができる。
【0034】
また、請求項6に記載の発明は、請求項3に記載のNMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記A/D変換器とディジタル式のコンパレータに代えて、前記ドレイン電圧切換回路の出力電圧をアナログの過電流検出しきい値電圧と比較するアナログ式のコンパレータを設け、前記ドレイン電圧切換回路の出力電圧が前記過電流検出しきい値電圧を越えたときに過電流と判定することを特徴とする過電流検出回路である。
【0035】
本発明の構成が、請求項3に記載の発明の構成と異なる点は、基本的には過電流検出しきい値電圧と検出したトランジスタのソース−ドレイン間電圧との比較をディジタル式からアナログ式に変更した点のみである。従って、請求項3に記載の発明の効果と同様に、負荷をパルス幅の狭いPWM制御電圧で駆動する場合においても、過電流を正確に検出することができる。
【0036】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のPMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記A/D変換器によるサンプリングとA/D変換とを、前記単安定回路の出力パルスが終了する直前に行なうことに代えて、前記出力パルスが生成されていない期間中に行なうように変更したことを特徴とする過電流検出回路である。
【0037】
単安定回路の出力パルスが生成されていない期間中、前記A/D変換器の入力には、一旦前記コンデンサに充電保持された前記PMOSトランジスタのソース−ドレイン間飽和電圧が入力されている。従って、単安定回路の出力パルスが生成されていない期間中にA/D変換を実施しても、過電流検出を行なうことができる。
【0038】
また、請求項8に記載の発明は、請求項3に記載のNMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記A/D変換器によるサンプリングとA/D変換とを、前記単安定回路の出力パルスが終了する直前に行なうことに代えて、前記出力パルスが生成されていない期間中に行なうように変更したことを特徴とする過電流検出回路である。
【0039】
単安定回路の出力パルスが生成されていない期間中、前記A/D変換器の入力には、一旦前記コンデンサに充電保持された前記NMOSトランジスタのソース−ドレイン間飽和電圧が入力されている。従って、単安定回路の出力パルスが生成されていない期間中にA/D変換を実施しても、過電流検出を行なうことができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態) 図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。図1に示す本実施形態の負荷駆動回路2aは、前述した従来の電気的構成(図13)の負荷駆動回路2の中に、新たにドレイン電圧切換回路26を追加したものである。この追加したドレイン電圧切換回路26以外の回路部分は同じであり、それらの動作も同じである。従って、同一部分には同一符号を付してその説明を繰り返さない。
【0041】
以下、新たに追加したドレイン電圧切換回路26について、その回路構成と動作を図2を参照して説明する。ドレイン電圧切換回路26は、4個の相互接続ノードNVdd、NVee、NVd、NVoを備える。ノードNVddは、直流電源電圧Vddの供給を受ける。ノードNVeeは接地される。ノードNVdは、トランジスタQ1のドレインに接続され、そのドレイン電圧Vdが入力される。ノードNVoはドレイン電圧切換回路26の出力端子であり、次段の減算回路22のマイナス側入力端子T2に接続される。
【0042】
また、ドレイン電圧切換回路26は、分圧抵抗R5、R6、コンパレータ回路27、単安定回路28、3個のアナログスイッチ回路SW1、SW2、SW3、高インピーダンスの非反転バッファ回路29、コンデンサC1を備えて構成されている。分圧抵抗R5とR6は、ノードNVddとNVeeの間に直列に接続され、電源電圧Vddを分圧して基準電圧Vdthを作り出し、コンパレータ回路27内の演算増幅器OP2の反転入力端子に供給する。
【0043】
コンパレータ回路27は、演算増幅器OP2、入力抵抗R7、帰還抵抗R8とにより構成される。入力抵抗R7は、演算増幅器OP2の非反転入力端子とノードNVdとの間に接続され、帰還抵抗R8は演算増幅器OP2の出力端子と非反転入力端子との間に接続される。出力電圧が帰還抵抗R8を介して非反転入力端子に帰還されていることにより、このコンパレータ回路27はヒステリシスを有する。コンパレータ回路27の出力が“ Low "レベルから“ High"レベルに反転する時のノードNVdにおけるしきい値電圧をV+、“ Low "レベルに反転する時のしきい値電圧をV−とする。
【0044】
コンパレータ回路27の出力は、単安定回路28のトリガ入力端子に接続されている。ノードNVdのドレイン電圧Vdが、しきい値電圧V+を越えた瞬間に、コンパレータ回路27の出力電圧は、“ Low "レベルから“ High"レベルに反転して、単安定回路28をトリガする。トリガされた単安定回路28は、その回路定数で決まる一定幅のパルスを1個出力する。
【0045】
単安定回路28の出力パルス信号は、アナログスイッチSW1、SW2、SW3の各ON/OFF制御入力端子T1c、T2c、T3cに供給される。アナログスイッチ回路SW1、SW2は、それぞれ並列接続されたPMOSトランジスタとNMOSトランジスタと1個のインバータとによって構成されている。各ON/OFF制御入力端子T1c、T2cに“ High"レベル信号が印加されると、並列接続されたMOSトランジスタのドレイン−ソース間(入出力端子T1i−T1o間、T2i−T2o間)が導通状態となる。反対に“ Low "レベル信号が印加された場合には非導通状態となる。即ち、ドレイン−ソース間がアナログスイッチとして機能する。アナログスイッチSW3は、ON/OFF制御入力端子T3cの後に、インバータが更に1個追加されている。これにより、ON/OFF制御入力端子T3cに“ Low "レベル信号が印加された場合に導通、“ High"レベル信号が印加された場合に非導通となるアナログスイッチとして機能する。
【0046】
アナログスイッチ回路SW1、SW2の入力端子T1i、T2iは、共にノードNVdに接続され、ドレイン電圧Vdが供給されている。アナログスイッチ回路SW2の出力端子T2oは、コンデンサC1と非反転バッファ29内の演算増幅器OP3の非反転入力端子に接続されている。コンデンサC1の他端は、接地ノードNVeeに接続されている。非反転バッファ29の出力は、アナログスイッチ回路SW3の入力端子T3iに接続される。演算増幅器OP3の入力インピーダンスは高くしてあるため、アナログスイッチ回路SW3の入力端子T3iには、コンデンサC1の充電電圧に等しい電圧が印加されている。アナログスイッチ回路SW1、SW3の出力端子T1o、T3oは、共にドレイン電圧切換回路26の出力端子であるノードNVoに接続されている。
【0047】
このように構成されていることにより、結局、単安定回路28の出力電圧が“ High"レベルにある時には、アナログスイッチ回路SW1とSW2は導通、SW3は非導通となる。この時、ドレイン電圧切換回路26の出力ノードNVoには、トランジスタQ1のドレイン電圧Vdが出力される。また、この間、コンデンサC1は、ドレイン電圧Vdによる充電を受ける。コンデンサC1の容量は小さくしてあるので、その充電電圧はドレイン電圧Vdに瞬時に追随する。
【0048】
反対に、単安定回路28の出力電圧が“ Low "レベルにある時には、アナログスイッチ回路SW1、SW2は非導通、SW3は導通状態となる。この状態ではコンデンサC1は、充電も放電もせず、アナログスイッチ回路SW2が非導通になる直前の充電電圧を維持する。アナログスイッチ回路SW3が導通するため、ドレイン電圧切換回路26の出力ノードNVoの電圧は、コンデンサC1の充電電圧と等しくなる。
【0049】
次に、このような図1、図2に示した回路構成の下で、一例として単相DCモータ1をPWM制御された電圧で駆動した場合における過電流検出の動作を、図3に示すモータ1の高速回転時(1)、中速回転時(2)、低速回転時(3)の各部電圧波形を参照しながら説明する。なお、図3はそれぞれの回転速度における1サイクル分の波形のみを示したものである。
【0050】
トランジスタQ1がOFF状態からON状態に移る場合を説明する。トランジスタQ1がON動作を始めると、そのドレイン電圧Vdは、−0.7V付近から電源電圧Vddに向けて急速に上昇する(トランジスタQ1がOFF時にも、モータ1は慣性で回転しているので、フライホイールダイオードD1によりトランジスタQ1のドレイン電圧は約−0.7Vになっている。)。ドレイン電圧Vdがコンパレータ回路27のしきい値電圧V+を越えた瞬間、コンパレータ回路27の出力が“ High"レベルに立ち上がり、それにより単安定回路28がトリガされてその出力に“ High"レベルのパルスを発生させる(図3の(c))。
【0051】
単安定回路28の出力に“ High"レベルパルスが発生している間は、先に説明したように、ドレイン電圧切換回路26の出力ノードNVoには、トランジスタQ1のドレイン電圧Vdがそのまま出力される。その出力電圧波形は、図3の(e)の波形中の単安定回路28の出力電圧が“ High"レベルにある期間中の波形、即ち、下向きのスパイク状の電圧波形となる。その電圧波形は、次段の減算回路22のマイナス側入力端子T2に入力される。減算回路22のプラス側入力端子T1には、電源電圧Vdd、即ち、トランジスタQ1のソース電圧が印加されているので、減算回路22の出力には、トランジスタQ1のソース−ドレイン間電圧Vsdが出力される。
【0052】
ところで、後で説明するように、単安定回路28がトリガされる直前のコンデンサC1の充電電圧は、トランジスタQ1のON時のソース−ドレイン間電圧Vdsonに等しくなっている。そして、その電圧がドレイン電圧切換回路26の出力ノードNVoを介して減算回路22のマイナス側入力端子T2に印加されている。従って、単安定回路28がトリガされる直前には、減算回路22の出力電圧Vsdは、トランジスタQ1のON時のソース−ドレイン間電圧Vdsonに等しくなっている。
【0053】
これらのことから、トランジスタQ1のドレイン電圧Vdが、コンパレータ回路27のしきい値電圧V+を越えた瞬間に、減算回路22の出力電圧Vsdは、図3の(f)に示す波形中の単安定回路28の出力電圧が“ High"レベルである期間中の波形のように、電源電圧Vddからコンパレータ回路27のしきい値電圧V+を引いた値まで瞬時に上昇する(減算回路22中の演算増幅器OP1のスルーレートは、ここでは無限大と仮定する)。
【0054】
そして、トランジスタQ1のドレイン電圧Vdが更に上昇するに従って、減算回路22の出力電圧Vsdは、逆に図3の(f)に示すように下降する。トランジスタQ1のドレイン電圧Vdは、最終的には電源電圧Vddから、トランジスタQ1のON時ドレイン電流に対応したソース−ドレイン間飽和電圧Vsdonを引いた値まで上昇して飽和する。この時の減算回路22の出力電圧Vsdは、トランジスタQ1のソース−ドレイン間電圧Vsdonに等しくなる。このような動作により、減算回路22の出力電圧Vsdの波形は、図3の(f)に示すような上向きのスパイク状波形となる。
【0055】
トランジスタQ1の過電流検出は、減算回路22の出力電圧Vsdが、ドレイン電流に対応したソース−ドレイン間電圧Vsdonに飽和した以降に、A/D変換器23にてサンプリングしてA/D変換し、その値をディジタル式のコンパレータ24にて、過電流検出しきい値電圧Vthと比較することで行なう。過電流検出しきい値電圧Vthの値は、使用するトランジスタQ1の定格から決まる値を予め制御部25に記憶させておき、コンパレータ24に供給する。
【0056】
判定結果は、コンパレータ24から制御部25に伝達される。過電流と判定された場合には、制御部25はPWM信号発生回路21にトランジスタQ1のONデューティ比をゼロにするように指令を出す。その信号を受けたPWM信号発生回路21は、トランジスタQ1のゲートを操作してOFFさせ、過電流による破壊から保護する。
【0057】
以上の動作の中で問題になるのは、A/D変換器23による減算回路22の出力電圧VsdのサンプリングとA/D変換のタイミングである。先にも述べたのように、このサンプリングとA/D変換は、減算回路22の出力電圧Vsdが、トランジスタQ1のソース−ドレイン間電圧Vsdonに飽和している時期に行なうのが適当である。そのように行なうためには、このタイミングはあまり遅らせることができない。モータ1を低速回転で駆動している場合には、図3の低速回転時(3)の波形に示すように、トランジスタQ1のドレイン電圧Vdは、短時間で下降を始めるからである。
【0058】
このことから単安定回路28の出力パルス幅は、モータ1が最低速で駆動されている状態において、トランジスタQ1のドレイン電圧Vdがコンパレータ回路27のしきい値電圧V+を越えてから、トランジスタQ1をONさせるためにそのゲートに加えられるPWMパルスの終了するまでの時間幅以内に設定しておく必要がある。そして、A/D変換器23によるサンプリングとA/D変換のタイミングは、図3の(f)の中の△印で示したように、単安定回路28の出力パルスが終了する直前に設定する。このA/D変換器23のサンプリングのタイミングは、単安定回路28の出力パルスの立ち上がりを基準として作りだすことができる。
【0059】
このように単安定回路28のパルス幅と、A/D変換器23のサンプリング及びA/D変換のタイミングを設定しておくことで、モータ1が最低速で駆動されている場合においても、トランジスタQ1のドレイン電流が過電流か否かを正確に検出することができる。
【0060】
ここで、再度、減算回路22の出力電圧Vsdの波形の説明に戻る。図3の(f)に示した波形は、減算回路22内の演算増幅器OP1のスルーレートが無限大と仮定した場合の波形であった。しかし実際には、演算増幅器OP1のスルーレートは、トランジスタQ1のON立ち上がり時間、即ち、図3の(a)に示すドレイン電圧Vdの立ち上がり速度との比較で考えると、比較的小さい値(遅い立ち上がりとなる値)である。従って、図3の(f)に示すような鋭いスパイク波形は実際には現れず、低い山形波形となる。このため、出力電圧Vsdは大きく振れる(変化する)ことはなく、速やかに最終値であるトランジスタQ1のソース−ドレイン間電圧Vsdonに収束する。スルーレートの値が小さい程、波形のピークは低くなるので、従来回路の図13の場合とは反対にスルーレートの値が小さい程タイミングがとり易く、モータ1の低速回転時における過電流検出に好都合といえる。
【0061】
次にコンデンサC1の充電波形について説明する。単安定回路28がパルスを出力している間は、アナログスイッチ回路SW2が導通し、コンデンサC1はトランジスタQ1のドレイン電圧Vdにより充電される。コンデンサC1の容量は小さい値にしてあり、一方、トランジスタQ1の電流駆動能力は大であるので、コンデンサC1は瞬時に充電され、その充電電圧はトランジスタQ1のドレイン電圧Vdに追随する。従って、その充電電圧波形は、単安定回路28が出力パルスを発生した瞬間には、図3の(d)に示すように、小さな下向きのスパイクを生ずるが、ドレイン電圧Vdが飽和すると同時にその充電電圧も同じ電圧に飽和する波形となる。
【0062】
単安定回路28がパルスを発生していない期間においては、アナログスイッチ回路SW2は非導通となり、コンデンサC1はトランジスタQ1の導通時のドレイン電圧を保持する。その波形は図3の(d)に示すような波形となり、その充電電圧は非反転バッファ回路29でバッファされる。その電圧は、単安定回路28がパルスを発生していない期間には、アナログスイッチ回路SW3が導通するため、出力ノードNVoを通って減算回路22のマイナス側入力端子T2に入力される。従って、先に述べたように、単安定回路28がパルスを発生する直前には、減算回路22の出力は、トランジスタQ1のソース−ドレイン間飽和電圧Vsdonに維持されていることになる。
【0063】
以上、説明したように、本実施形態の回路構成によれば、トランジスタQ1の導通時のソース−ドレイン間電圧Vsdonを演算する減算回路22の出力電圧Vsdが、ほぼ常にVsdonのままで大きく振れることがない。このため、減算回路22の出力電圧の導通時のソース−ドレイン間電圧Vsdonへの追随が、減算回路22内の演算増幅器OP1のスルーレートが小さい場合でも短時間でできる。これらのことから、モータ1を低速回転させた時においても、過電流を正確に検出することができる。
【0064】
(第2の実施形態) 図1、図4、図5を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の電気的構成は、図1と図4に示した回路により構成される。即ち、図1中のドレイン電圧切換回路26として、図4に示したドレイン電圧切換回路26aを使用しており、この点のみが第1の実施形態と異なる。
【0065】
図4に示したドレイン電圧切換回路26aが、第1の実施形態で採用した図2のドレイン電圧切換回路26と異なる点は、図2のドレイン電圧切換回路26に存在したアナログスイッチ回路SW2、コンデンサC1、非反転バッファ回路29を無くした点と、第3のアナログスイッチ回路の入力端子T3iをノードNVddに接続して直流電源電圧Vddを入力した点にある。それ以外の回路部分は同じであるので、同一部分には同一符号が付してある。
【0066】
動作的には、図2のドレイン電圧切換回路26では、単安定回路28がパルスを出力していない間には、コンデンサC1の充電電圧が出力ノードNVoに出力されていたのに対し、図4のドレイン電圧切換回路26aでは、代わりに直流電源電圧Vddが出力される点のみが異なる。
【0067】
次に、このような図1、図4に示した回路構成の下で、負荷モータ1をPWM制御された電圧で駆動する場合における過電流検出の動作を、図5に示した本実施形態における各部電圧波形を、第1の実施形態の場合の電圧波形である図3と比較しながら説明する。まず、トランジスタQ1のドレイン電圧波形(a)、コンパレータ回路27の出力電圧波形(b)、単安定回路28の出力電圧波形(c)については、図5の波形は図3の波形と同じである。
【0068】
次に、ドレイン電圧切換回路26aの出力電圧波形(図5の(e))については、単安定回路28の出力が“ Low "レベルであるときの電圧値が異なる。本実施形態の場合には、単安定回路28の出力が“ Low "レベルにある時には、電源電圧Vddが出力される。単安定回路28がパルスを出力している間については、本実施形態のドレイン電圧切換回路26aの動作は、第1の実施形態の場合と同じなので、その間におけるドレイン電圧切換回路26aの出力電圧波形(図5の(e))は第1の実施形態の場合(図3の(e))と同じとなる。
【0069】
このような電圧波形がドレイン電圧切換回路26aから出力され、次段の減算回路22のマイナス側入力端子T2に入力されるので、減算回路22の出力電圧Vsdは、単安定回路28の出力が“ Low "レベルにある間は0Vとなり、第1の実施形態と異なる(図5の(f))(第1の実施形態の場合は、トランジスタQ1のドレイン電流に対応したソース−ドレイン間電圧Vsdonである。)。単安定回路28から出力パルスが出ている間の波形は同じである。従って、本実施形態の場合の減算回路22の出力電圧波形は、図5の(f)に示すようになる。
【0070】
A/D変換器23によるサンプリングとA/D変換のタイミングは、第1の実施形態の場合と同様に、図5の(f)の中の△印で示したように、単安定回路28の出力パルスが終了する直前に設定する。このサンプリングタイミングにおいては、減算回路22の出力電圧は、トランジスタQ1にドレイン電流が流れている時のソース−ドレイン間電圧Vsdonに維持されているので、その値をA/D変換した値Vsddを過電流検出しきい値電圧Vthとコンパレータ24にて比較することによって、過電流の判定を行なうことができる。
【0071】
本実施形態の場合も、第1の実施形態の場合と同様に、モータ1を駆動するトランジスタQ1の導通時のソース−ドレイン間電圧Vsdonを演算する減算回路22の出力電圧Vsdが、0V又はVsdonといった低い値に維持され、従来回路の場合(図14の(b))のように大きく振れることがない。従って、減算回路22の出力電圧のソース−ドレイン間電圧Vsdonへの収束が、減算回路22内の演算増幅器OP1のスルーレートが小さい場合でも短時間でできる。これらのことから、モータ1を低速回転させた場合においても過電流を正確に検出することができる。
【0072】
(第3の実施形態) 図6〜図8を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の電気的構成は、図6と図7に示した回路により構成される。本実施形態は、負荷であるモータ1を直流電源のプラス出力側に接続し、駆動トランジスタQ2をモータ1と接地Veeとの間に接続する回路構成に対応したものである。
【0073】
図6に示す過電流検出機能付きの負荷駆動回路2bは、第1、第2の実施形態で使用した図1の負荷駆動回路2aと比べると、減算回路22がなくなっており、A/D変換器23はドレイン電圧切換回路26cの出力ノードNVoの電圧Vdsを直接にサンプリングしてA/D変換する。このサンプリング時には、ドレイン電圧切換回路26cの出力ノードNVoには、後で説明するようにトランジスタQ2のドレイン−ソース間電圧Vdsが出力されている。また、負荷を駆動するトランジスタは、図1ではPMOSトランジスタQ1であったのに対し、本実施形態の図6ではNMOSトランジスタQ2を使用している。ドレイン電圧切換回路26cの入力ノードNVdには、そのNMOSトランジスタQ2のドレイン電圧Vdが入力される。
【0074】
図7に、そのドレイン電圧切換回路26cの回路構成を示す。この回路26cが、第1の実施形態の図2のドレイン電圧切換回路26と異なる点は、コンパレータ回路27をコンパレータ回路27aに置き替えた点のみである。コンパレータ回路27aの演算増幅器OP2の反転入力端子は、入力ノードNVdに接続され、トランジスタQ2のドレイン電圧Vdが入力される。また、非反転入力端子には、直流電源電圧Vddを分圧抵抗R5とR6で分圧した基準電圧Vdthが入力されている。演算増幅器OP2の出力端子と非反転入力端子との間に帰還抵抗R8が接続されていることにより、このコンパレータ回路27aもヒステリシスを有する。
【0075】
このドレイン電圧切換回路26cの動作時の各部の波形を図8に示す。ドレイン電圧Vdが演算増幅器OP2の反転入力端子に入力されていることにより、トランジスタQ2のドレイン電圧Vdが、コンパレータ回路27aのしきい値電圧V−より低くなった瞬間に、コンパレータ回路27aの出力が立ち上がる。これにより単安定回路28はトリガされ、出力にパルスを発生させる。
【0076】
単安定回路28がパルスを発生している期間中においては、アナログスイッチ回路SW1が導通して、出力ノードNVoにはトランジスタQ2のドレイン−ソース間電圧Vdsが出力される(図8の(e))。また、この期間にはアナログスイッチ回路SW2も導通して、コンデンサC1はトランジスタQ2のドレイン−ソース間飽和電圧Vdsonに充電される(図8の(d))。
【0077】
単安定回路28の出力が“ Low "レベルに戻ると、アナログスイッチ回路SW1、SW2は非導通となり、アナログスイッチ回路SW3が反対に導通してコンデンサC1に充電されていたトランジスタQ2のドレイン−ソース間飽和電圧Vdsonが出力ノードNVoに出力される(図8の(e))。このような動作により、ドレイン電圧切換回路26cの出力電圧波形(図8の(e))は、第1の実施形態の減算回路22の出力電圧波形(図3の(f))と同じ波形となる。
【0078】
従って、第1の実施形態の場合と同様の考えで、単安定回路28の出力パルス幅を、モータ1が最低速で駆動されている状態において、トランジスタQ2のドレイン電圧Vdがコンパレータ回路27aのしきい値電圧V−以下になってから、トランジスタQ2をONさせるためにそのゲートに加えられるPWMパルスの終了するまでの時間幅以内に設定する。そして、A/D変換器23によるサンプリングとA/D変換のタイミングは、第1の実施形態と同様、図8の(e)の中の△印で示したように、単安定回路28の出力パルスが終了する直前になるように、単安定回路28の出力パルスの立ち上がりを基準にタイミングを作りだす。このように単安定回路28のパルス幅と、A/D変換器23のサンプリングとA/D変換のタイミングを設定しておくことで、モータ1が最低速で駆動されている場合においても、トランジスタQ2のドレイン電流が過電流か否かを検出することができる。
【0079】
図8の(e)のドレイン電圧切換回路26cの波形中の上向きのスパイク状波形は、トランジスタQ2がコンパレータ回路27aのしきい値電圧V−以下になってから、トランジスタQ2の導通時のドレイン−ソース間電圧Vdsonに飽和する間の波形に起因するものである。このスパイク状パルスの幅は極めて狭く、通常はコンパレータ回路27aの応答遅れ、単安定回路28の起動遅れ、アナログスイッチ回路SW1の応答遅れ等のために殆ど消滅して現れない。また、第1の実施形態の図1の中で、スルーレートが問題となった減算回路22も本実施形態では存在しない。これらのことから、本実施形態の回路構成によっても、モータ2を極めて低速回転させた場合まで過電流検出が可能となる。
【0080】
(第4の実施形態) 図6、図9、図10を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態の電気的構成は、図6と図9に示した回路により構成される。本実施形態も第3の実施形態と同じく、負荷であるモータ1を直流電源のプラス側に接続し、駆動トランジスタQ2をモータ1と接地Veeとの間に接続する回路構成に対応したものである。
【0081】
本実施形態の回路構成が第3の実施形態と異なる点は、ドレイン電圧切換回路26cを、図9に示すドレイン電圧切換回路26dに置き替えた点にある。また、図9のドレイン電圧切換回路26dが、第2の実施形態の場合のドレイン電圧切換回路26a(図4)と異なる点は、コンパレータ回路27をコンパレータ回路27aに置き替えた点、及び第3のアナログスイッチ回路SW3の入力端子T3iを接地ノードNVeeに接続した点の2点である。この相違点の内、コンパレータ回路27aの構成と動作は、第3の実施形態で説明した通りである。
【0082】
このドレイン電圧切換回路26dの動作時の各部の波形を図10に示す。トランジスタQ2のドレイン電圧波形(a)、コンパレータ回路27aの出力電圧波形(b)、単安定回路28の出力電圧波形(c)は、第3の実施形態の図8の対応する波形(a)、(b)、(c)と同じである。
【0083】
ドレイン電圧切換回路26dの出力電圧Vdsは、単安定回路28が“ Low "レベルにある場合は0V、“ High"レベルにある場合は、トランジスタQ2のドレイン−ソース間電圧となるので、図10の(e)に示すような波形になる。この波形は、第2の実施形態の場合の減算回路22の出力電圧波形(図5の(f))と同じである(減算回路22の演算増幅器OP1のスルーレートが無限大と仮定した場合)。
【0084】
従って、第3の実施形態の場合と同様に、単安定回路28の出力パルス幅を、モータ1が最低速で駆動されている状態において、トランジスタQ2のドレイン電圧Vdがコンパレータ回路27aのしきい値電圧V−以下になってから、トランジスタQ2をONさせるためにそのゲートに加えられるPWMパルスの終了するまでの時間幅以内に設定する。そして、A/D変換器23によるサンプリングとA/D変換のタイミングも、図10の(e)の中の△印で示したように、単安定回路28の出力パルスが終了する直前になるように、単安定回路28の出力パルスの立ち上がりを基準に設定する。
【0085】
このように単安定回路28のパルス幅と、A/D変換器23のサンプリングとA/D変換のタイミングを設定しておくことで、モータ1が最低速で駆動されている場合においても、トランジスタQ2のドレイン電流が過電流か否かを正確に検出することができる。
【0086】
図10の(e)のドレイン電圧切換回路26cの波形中の上向きのスパイク状波形は、トランジスタQ2がコンパレータ回路27aのしきい値電圧V−以下になってから、トランジスタQ2の導通時のドレイン−ソース間電圧Vdsonに飽和するまで波形である。このスパイク状パルスの幅は極めて狭く、第3の実施形態の中で述べたと同じ理由により、実際には殆ど消滅して現れない。また、第1、第2の実施形態の図1の中で、スルーレートが問題となった減算回路22も存在しない。これらのことから、本実施形態の回路構成によっても、モータ2を極めて低速回転させた場合まで過電流検出が可能となる。
【0087】
(第5の実施形態) 図11を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態の負荷駆動回路2cは、図1に示した第1の実施形態の負荷駆動回路2a中の最終的な過電流判定部を、ディジタル式からアナログ式に変更した回路である。図1中のA/D変換器23、ディジタル式のコンパレータ24による過電流判定部を、D/A変換器30とアナログ式のコンパレータ24aとからなる回路に置き替えてある。
【0088】
過電流検出しきい値電圧Vthの値は、予めディジタル数値で制御部25に記憶させておく。その過電流検出しきい値電圧VthがD/A変換器30にてアナログのしきい値電圧Vthに変換されて、コンパレータ24aのマイナス側入力端子に入力される。コンパレータ24aのプラス側入力端子には、減算回路22の出力電圧Vsdが入力され、出力電圧Vsdの値がしきい値電圧Vthを上回った時にコンパレータ24aにより過電流と判定され、その信号が制御部25に伝達される。
【0089】
ドレイン電圧切換回路26には、第1の実施形態の場合と同じ図2に示した回路26を使用している。従って、減算回路22の出力電圧Vsdの波形は、図3の(f)に示した波形と同じである。第1の実施形態の説明の中で述べたように、図3の(f)の波形中の鋭いスパイク状波形は、減算回路22内の演算増幅器OP1のスルーレートの値が小さい場合には、殆ど消滅して現れない。仮に、スパイク状波形が残った場合には、減算回路22の出力とコンパレータ24aのプラス入力端子との間に、簡単なローパスフィルタを挿入することで容易に消滅させることができる。従って、減算回路22の出力電圧Vsdには、トランジスタQ1にドレイン電流が流れた時のソース−ドレイン間飽和電圧Vsdonが常時出力されている。このため、その出力電圧Vsdをサンプリングすることなく、直接に過電流検出しきい値電圧Vthと比較することによっても過電流を検出することができる。
【0090】
図2のドレイン電圧切換回路26の設定条件として、第1の実施形態の場合と同じく、単安定回路28の出力パルス幅を、モータ1が最低速で駆動されている状態において、トランジスタQ1のドレイン電圧Vdがコンパレータ回路27のしきい値電圧V+を越えてから、トランジスタQ1をONさせるためにそのゲートに加えられるPWMパルスの終了するまでの時間幅以内に設定する。且つ、その間にコンデンサC1が、トランジスタQ1にドレイン電流が流れた時のソース−ドレイン間飽和電圧Vsdonに充電されるのに十分な時間幅以上であるように設定する。
【0091】
このように単安定回路28のパルス幅を設定しておけば、モータ1を最低速で駆動した場合においても、トランジスタQ1のドレイン電流が過電流か否かを正確に検出することができる。
【0092】
(第6の実施形態) 図12を参照して、本発明の第6の実施形態について説明する。本実施形態の負荷駆動回路2dは、図6に示した第3の実施形態の負荷駆動回路2b中の最終的な過電流判定部を、ディジタル式からアナログ式に変更した回路である。図6中のA/D変換器23、ディジタル式のコンパレータ24による過電流判定部は、D/A変換器30とアナログ式のコンパレータ24aとからなる回路に置き替えてある。
【0093】
第5の実施形態の場合と同様に、過電流検出しきい値電圧Vthは、予めディジタル数値で制御部25に記憶させておく。その過電流検出しきい値電圧VthはD/A変換器30にてアナログのしきい値電圧Vthに変換され、コンパレータ24aのマイナス側入力端子に入力される。コンパレータ24aのプラス側入力端子には、ドレイン電圧切換回路26cの出力電圧Vsdが入力され、出力電圧Vsdがしきい値電圧Vthを上回った時にコンパレータ24aにより過電流と判定され、その信号が制御部25に伝達される。
【0094】
ドレイン電圧切換回路26cには、第3の実施形態の場合と同じ図7に示した回路26cを使用している。従って、ドレイン電圧切換回路26cの出力電圧波形は、図8の(e)に示した波形と同じである。波形中の鋭いスパイク状波形は、トランジスタQ2のドレイン−ソース間電圧が、コンパレータ回路27aのしきい値電圧V−以下になってから、トランジスタQ2のドレイン−ソース間電圧がON時電圧Vdsonに飽和するまでの波形によるものである。このパルス幅はトランジスタQ2のスイッチング速度が速いために非常に狭い。従って、通常は、単安定回路28がトリガされてから出力パルスが現れるまでの遅延時間、及びその後段のアナログスイッチ回路SW1の動作遅延時間等のために消滅してしまい、図8の(e)の波形のような形で現れることは殆どない。図は、上記各遅延時間等をゼロと仮定した理想的場合を示した図である。仮に、このスパイク状波形が残るようなことがあった場合には、ドレイン電圧切換回路26cの出力ノードNVoとコンパレータ24aの非反転入力端子間に簡単なローパスフィルタを挿入することで簡単に消滅させることができる。
【0095】
従って、ドレイン電圧切換回路26cの出力ノードNVoには、トランジスタQ1にドレイン電流が流れた時のそのソース−ドレイン間飽和電圧Vdsonが常時出力されている。このことから、その出力電圧をサンプリングすることなく過電流しきい値電圧Vthと直接に比較することによっても過電流を検出することができる。
【0096】
図12のドレイン電圧切換回路26cには、図7のドレイン電圧切換回路26cを使用しているので、第3の実施形態の場合と同様に、単安定回路28の出力パルス幅は、モータ1が最低速で駆動されている状態において、トランジスタQ2のドレイン電圧Vdがコンパレータ回路27aのしきい値電圧V−以下になってから、トランジスタQ2をONさせるためにそのゲートに加えられるPWMパルスの終了するまでの時間幅以内に設定する。且つ、その間にコンデンサC1が、トランジスタQ2にドレイン電流が流れた時のそのドレイン−ソース間飽和電圧Vdsonに充電されるのに十分な時間幅以上であるように設定する。
【0097】
このように単安定回路28のパルス幅を設定しておくことで、モータ1が最低速で駆動されている場合においても、トランジスタQ2のドレイン電流が過電流か否かを正確検出することができる。
【0098】
(その他の実施形態) 請求項1ないし6に記載した発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、これらの発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、第1、第3の実施形態では、A/D変換器23によるサンプリングとA/D変換が、単安定回路28が出力パルスを出力している間に行なわれるようにタイミングを設定した。しかし、これらの実施形態においては、単安定回路28が出力パルスを出力していない間には、コンデンサC1に充電されたトランジスタQ1あるいはQ2の導通時のソース−ドレイン間飽和電圧Vsdonあるいはドレイン-ソース間飽和電圧VdsonがA/D変換器23に入力されている。従って、単安定回路28の出力が“ Low "レベルの時間帯にA/D変換器23がサンプリングとA/D変換を実施し、その値を基に過電流判定を行なっても問題は生じない。但し、単安定回路28の出力パルスが立ち上がった直後は、トランジスタQ1、Q2がOFFからONへの過渡状態にあるため、その時間帯は避けた方が良い。
【0099】
また、第5、第6の実施形態では、過電流検出しきい値電圧Vthの値を制御部25に予め記憶せておき、その数値をD/A変換器30にてアナログ値に変換して用いた。これに代わる方法として、負荷駆動回路2c、2dに外部から直接にアナログの過電流しきい値電圧Vthを供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1、第2の実施形態に係る負荷駆動回路の電気的構成図である。
【図2】 本発明の第1、第5の実施形態に係るドレイン電圧切換回路の回路図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係る各部の電圧波形図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係るドレイン電圧切換回路の回路図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態に係る各部の電圧波形図である。
【図6】 本発明の第3、第4の実施形態に係る負荷駆動回路の電気的構成図である。
【図7】 本発明の第3、第6の実施形態に係るドレイン電圧切換回路の回路図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態に係る各部の電圧波形図である。
【図9】 本発明の第4の実施形態に係るドレイン電圧切換回路の回路図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る各部の電圧波形図である。
【図11】 本発明の第5の実施形態に係る負荷駆動回路の電気的構成図である。
【図12】 本発明の第6の実施形態に係る負荷駆動回路の電気的構成図である。
【図13】 従来技術を示す図1相当図である。
【図14】 従来技術を示す図1の回路の電圧波形図である。
【図15】 ドレイン−ソース間電圧の測定により過電流を測定できることを説明する図である。
【符号の説明】
図面中、1は単相DCモータ、2a、2b、2c、2dは単相負荷駆動回路、21はPWM信号発生回路、22は減算回路、23はA/D変換回路、24はディジタル式のコンパレータ、24aはアナログ式のコンパレータ、25は制御部、26、26a、26b、26cはドレイン電圧切換回路、27、27aはコンパレータ回路、28は単安定回路、29は非反転バッファ回路、C1はコンデンサ、D1はダイオード、OP1、OP2、OP3は演算増幅器、Q1は負荷駆動用PMOSトランジスタ、Q2は負荷駆動用NMOSトランジスタ、SW1、SW2、SW3はアナログスイッチ回路、Vddは直流電源電圧、Vdthは基準電圧、Veeは接地電位、Vthは過電流検出しきい値電圧を示す。

Claims (8)

  1. PMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路であって、ソースを直流電源のプラス電圧出力側に接続し該プラス電圧出力側と該直流電源の接地されたマイナス電圧出力側との間に負荷と直列に接続した負荷駆動用PMOSトランジスタと、ドレイン電圧切換回路と、前記PMOSトランジスタのソース電圧から前記ドレイン電圧切換回路の出力電圧を減算する減算回路と、該減算回路の出力電圧をサンプリングしてA/D変換するA/D変換器と、該A/D変換器の出力をディジタルな過電流検出しきい値電圧と比較するディジタル式のコンパレータとを備え、
    前記ドレイン電圧切換回路は、前記PMOSトランジスタのドレイン電圧が前記直流電源の出力電圧を分圧して作った基準電圧を越えた時に出力電圧が立ち上がるコンパレータ回路と、該コンパレータ回路の出力電圧の立ち上がりによりトリガされ一定幅の出力パルスを生成する単安定回路と、該単安定回路の出力電圧により駆動され前記出力パルスが生成されている期間中だけ導通する第1、第2のアナログスイッチ回路と、該出力パルスが生成されていない期間中だけ導通する第3のアナログスイッチ回路と、一端が接地されたコンデンサと、該コンデンサの充電電圧をバッファする非反転バッファ回路とを備えて構成されたものであって、
    前記コンデンサは、前記第2のアナログスイッチ回路の導通時には前記ドレイン電圧により充電を受け、該第2のアナログスイッチ回路の非導通時には充電された電圧を維持するものであり、また前記ドレイン電圧切換回路の出力には、前記第1のアナログスイッチ回路の導通時には前記ドレイン電圧が出力され、前記第3のアナログスイッチ回路の導通時には前記非反転バッファ回路の出力電圧が出力されるように構成されたものであり、
    前記単安定回路の出力パルス幅は、前記PMOSトランジスタのドレイン電圧が前記基準電圧を超えてから前記PMOSトランジスタのゲートを駆動する最小パルス幅のPWM信号が終了する時点までの時間幅以下に設定され、また前記A/D変換器によるサンプリングとA/D変換は前記単安定回路の出力パルスが終了する直前に行なわれるように設定されており、 前記A/D変換器の出力電圧が前記過電流検出しきい値電圧を越えた時に過電流と判定することを特徴とする過電流検出回路。
  2. 請求項1に記載のPMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記ドレイン電圧切換回路の構成を、前記PMOSトランジスタのドレイン電圧が前記直流電源の電圧を分圧して作った基準電圧を越えた時に出力電圧が立ち上がるコンパレータ回路と、該コンパレータ回路の出力電圧の立ち上がりによりトリガされ一定幅の出力パルスを生成する単安定回路と、該単安定回路の出力電圧により駆動され前記出力パルスが生成されている期間中だけ導通する第1のアナログスイッチ回路と、該出力パルスが生成されていない期間中だけ導通する第3のアナログスイッチ回路とを備えた構成に置き替え、
    前記ドレイン電圧切換回路の出力には、前記第1のアナログスイッチ回路が導通した時には前記ドレイン電圧が出力され、前記第3のアナログスイッチ回路が導通した時には前記直流電源のプラス側電圧が出力されるように変更したことを特徴とする過電流検出回路。
  3. NMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路であって、ソースを直流電源の接地されたマイナス電圧出力側に接続し該マイナス電圧出力側と該直流電源のプラス電圧出力側との間に負荷と直列に接続した負荷駆動用NMOSトランジスタと、ドレイン電圧切換回路と、該ドレイン電圧切換回路の出力電圧をサンプリングしてA/D変換するA/D変換器と、該A/D変換器の出力をディジタルな過電流検出しきい値電圧と比較するディジタル式のコンパレータとを備え、
    前記ドレイン電圧切換回路は、前記NMOSトランジスタのドレイン電圧が前記直流電源の出力電圧を分圧して作った基準電圧を下回った時に出力電圧が立ち上がるコンパレータ回路と、該コンパレータ回路の出力電圧の立ち上がりによりトリガされ一定幅の出力パルスを生成する単安定回路と、該単安定回路の出力電圧により駆動され前記出力パルスが生成されている期間中だけ導通する第1、第2のアナログスイッチ回路と、該出力パルスが生成されていない期間中だけ導通する第3のアナログスイッチ回路と、一端が接地されたコンデンサと、該コンデンサの充電電圧をバッファする非反転バッファ回路とを備えて構成されたものであって、
    前記コンデンサは、前記第2のアナログスイッチ回路の導通時には前記ドレイン電圧により充電を受け、該第2のアナログスイッチ回路の非導通時には充電された電圧を維持するものであり、また前記ドレイン電圧切換回路の出力には、前記第1のアナログスイッチ回路の導通時には前記ドレイン電圧が出力され、前記第3のアナログスイッチ回路の導通時には前記非反転バッファ回路の出力電圧が出力されるように構成されたものであり、
    前記単安定回路の出力パルス幅は、前記NMOSトランジスタのドレイン電圧が前記基準電圧を下回ってから前記NMOSトランジスタのゲートを駆動する最小パルス幅のPWM信号が終了する時点までの時間幅以下に設定され、また前記A/D変換器によるサンプリングとA/D変換は前記単安定回路の出力パルスが終了する直前に行なわれるように設定されており、 前記A/D変換器の出力電圧が前記過電流検出しきい値電圧を越えた時に過電流と判定することを特徴とする過電流検出回路。
  4. 請求項3に記載のNMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記ドレイン電圧切換回路の構成を、前記NMOSトランジスタのドレイン電圧が前記直流電源の出力電圧を分圧して作った基準電圧を下回った時に出力電圧が立ち上がるコンパレータ回路と、該コンパレータ回路の出力電圧の立ち上がりによりトリガされて一定幅の出力パルスを生成する単安定回路と、該単安定回路の出力電圧により駆動され前記出力パルスが生成されている期間中だけ導通する第1のアナログスイッチ回路と、該出力パルスが生成されていない期間中だけ導通する第3のアナログスイッチ回路とを備えた構成に置き替え、
    前記ドレイン電圧切換回路の出力には、前記第1のアナログスイッチ回路が導通した時には前記ドレイン電圧が出力され、前記第3のアナログスイッチ回路が導通した時には接地電位が出力されるように変更したことを特徴とする過電流検出回路。
  5. 請求項1に記載のPMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記A/D変換器とディジタル式のコンパレータに代えて、前記減算回路の出力電圧をアナログの過電流検出しきい値電圧と比較するアナログ式のコンパレータを設け、前記減算回路の出力電圧が前記過電流検出しきい値電圧を越えた時に過電流と判定することを特徴とする過電流検出回路。
  6. 請求項3に記載のNMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記A/D変換器とディジタル式のコンパレータに代えて、前記ドレイン電圧切換回路の出力電圧をアナログの過電流検出しきい値電圧と比較するアナログ式のコンパレータを設け、前記ドレイン電圧切換回路の出力電圧が前記過電流検出しきい値電圧を越えたときに過電流と判定することを特徴とする過電流検出回路。
  7. 請求項1に記載のPMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記A/D変換器によるサンプリングとA/D変換とを、前記単安定回路の出力パルスが終了する直前に行なうことに代えて、前記出力パルスが生成されていない期間中に行なうようにしたことを特徴とする過電流検出回路。
  8. 請求項3に記載のNMOSトランジスタを出力段に用いたPWM電圧制御による単相負荷駆動回路の過電流検出回路において、前記A/D変換器によるサンプリングとA/D変換とを、前記単安定回路の出力パルスが終了する直前に行なうことに代えて、前記出力パルスが生成されていない期間中に行なうようにしたことを特徴とする過電流検出回路。
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