JP4147736B2 - Optical anisotropic body and liquid crystal display device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は樹脂フィルム上に液晶化合物を塗設することにより形成した光学異方層を備えた、従来にない視野角特性の改善できる光学異方体、およびそれらを備えた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピューターのマルチメディア化が進み、ラップトップ型パーソナルコンピューターに於いても、カラー表示が一般的になってきた。ラップトップ型コンピューターでは、STN液晶ディスプレイやTFT液晶ディスプレイが主に使用されている。近年、液晶ディスプレイは大型化が進み、視野角特性の高度な改善が求められている。それゆえ、従来より高度な補償性能を有する光学異方体が要望されている。
【0003】
STN液晶ディスプレイは、複屈折モードを利用した表示素子であるため、液晶で生じる位相差により着色し、白黒表示やカラー表示が不可能であるという大きな問題があった。このような問題を解決するために、D−STN方式(補償用液晶セルを用いる方式)が試みられたが、この方式では、液晶ディスプレイの特徴である「薄くて、軽い」という点で、時代の要求と逆行しており、補償用液晶セルの製造にも、高い精度が要求され、歩留りが悪いという問題があった。
【0004】
これらの問題を解決する方法として、各種の提案がなされ、例えば、特開昭63−149624号公報には、延伸樹脂フィルムを用いるF−STN方式が提案され、又、特開平3−87720号公報、特開平4−333019号公報には、D−STN方式の補償性能を維持して、その質量と肉厚を軽減する目的で、液晶性高分子をねじれ配向させたフィルムを使って色補償を行う方法が提案されている。この液晶ディスプレイの位相差補償板は、透光性基板とこの基板の上に形成された配向膜、及び、この配向膜の上にねじれ配向状態に固定した液晶高分子層とから構成されている。
【0005】
さらに、最近では、TFT−TN液晶ディスプレイの視野角補償として、特開平7−191217号公報に開示されているように、ディスコチック液晶のフィルムを液晶セルの上面と下面に配置して、液晶セルの視野角特性を改善する試みがなされている。該TN型液晶ディスプレイ用補償フィルムは、上述の特開平3−87720号公報、特開平4−333019号公報に記載されている液晶ディスプレイの位相差補償板と同様に、光学的にほぼ等方性の樹脂フィルム上に液晶化合物が配向した光学異方層で構成されている。
【0006】
しかしながら、未だ視野角特性の改善は十分ではなく、新しい光学異方体の開発が求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上述のような問題点を解決するものであって、新規な樹脂フィルムを延伸することにより作製した光学フィルムからなる透明支持体上に、液晶化合物を塗設することにより形成した光学異方層を備えた光学フィルムにより、該光学フィルム及び該光学異方層の光学特性が調和した光学異方体を用いることで、従来にない視野角特性の改善ができる光学異方体の提供、およびそれらを備えた液晶表示装置の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下(1)〜(11)の手段により達成される。なお、1〜26は参考手段である。
(1) 透明支持体の上に光配向層、および光配向層に隣接しかつ液晶化合物の配向が固定化された光学異方層を有する光学異方体において、該支持体の光学特性が41nm≦Ro≦95nm、0.8≦(Rt/Ro)≦1.4、かつnx>ny>nzを満たすことを特徴とする光学異方体。
ここで、RoおよびRtは透明支持体のリターデーション値を示す。
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(nxは透明支持体の面内での最大屈折率方向であるx方向の屈折率、nyはx方向に垂直な該支持体面内の方向であるy方向の屈折率、nzは厚み方向での該支持体の屈折率であり、dは該支持体の厚み(nm)である。)
(2) 透明支持体がセルロースエステル樹脂であることを特徴とする(1)記載の光学異方体。
(3) 前記光学異方層が、前記透明支持体面に対する光学異方層の平均傾斜角度が15°以上50°以下であることを特徴とする(1)又は(2)記載の光学異方体。
(4) 光学異方層を構成する液晶化合物の傾斜角度が厚さ方向に対して変化し、該傾斜角度が配向層側から増加または減少することを特徴とする(3)記載の光学異方体。
(5) 前記光学異方層の最大屈折率方向を透明支持体面に投影した方向が、前記透明支持体のny方向と実質的に等しいことを特徴とする(1)〜(4)の何れか1項記載の光学異方体。
(6) 透明支持体と前記配向層との間に溶出ブロック層を少なくとも1層有することを特徴とする(1)〜(5)の何れか1項記載の光学異方体。
(7) 前記溶出ブロック層が活性線硬化樹脂で構成され、該硬化樹脂を該活性線の照射により硬化させた溶出ブロック層であることを特徴とする(6)記載の光学異方体。
(8) 前記光配向層に偏光紫外線を照射することを特徴とする(1)〜(7)の何れか1項記載の光学異方体。
(9) 前記光配向層を構成する材料が偏光紫外線照射により光二量化反応することを特徴とする(8)記載の光学異方体。
(10) (1)〜(9)の何れか1項記載の光学異方体を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
(11) (10)記載の液晶表示装置が電極を備えた一対の透明基板とネマティック液晶で構成される駆動用液晶セルで構成され、該基板の上下に配置された上側偏光子と下側偏光子を備えたツイステッドネマティック型液晶表示装置であって、該基板と上側もしくは下側偏光子のどちらか一方の間、または該基板と上側および下側偏光子のそれぞれの間に(1)〜(9)の何れか1項記載の光学異方体を少なくとも1枚備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【0009】
1.透明支持体の上に光配向層、および光配向層に隣接しかつ液晶化合物の配向が固定化された光学異方層を有する光学異方体において、該支持体の光学特性が41nm≦Ro≦95nm、0.8≦(Rt/Ro)≦1.4、かつnx>ny>nzを満たすことを特徴とする光学異方体。
ここで、RoおよびRtは透明支持体のリターデーション値を示す。
【0010】
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
nxは透明支持体の面内での最大屈折率方向であるx方向の屈折率、nyはx方向に垂直な該支持体面内の方向であるy方向の屈折率、nzは厚み方向での該支持体の屈折率であり、dは該支持体の厚み(nm)である。
【0011】
2.透明支持体が溶媒を含む樹脂溶液をベルトまたはドラム上で流延製膜し、溶媒が残存した状態でベルトまたはドラムから剥離され、その後乾燥しながらフィルムを延伸する製造方法によって作製され、かつ該透明支持体の流延方向の屈折率がnxに実質的に等しい屈折率であり、流延方向に垂直な該支持体面内の方向の屈折率が実質的にnyに等しい屈折率であることを特徴とする前記1記載の光学異方体。
【0012】
3.透明支持体がセルロースエステル樹脂である前記1又は2記載の光学異方体。
【0013】
4.前記セルロースエステル樹脂のアセチル基の置換度が2.50以上2.86以下であることを特徴とする前記3記載の光学異方体。
【0014】
5.前記セルロースエステル樹脂のアセチル基の置換度が2.40以上3.00以下のセルロースエステルを少なくとも2種以上混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.50以上2.86以下であることを特徴とする前記3記載の光学異方体。
【0015】
6.前記セルロースエステル樹脂のアセチル基の置換度が2.60以上3.00以下のセルロースエステルを少なくとも1種とアセチル基の置換度が2.40以上2.60未満のセルロースエステルを少なくとも1種とを混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.50以上2.86以下であることを特徴とする前記3記載の光学異方体。
【0016】
7.前記セルロースエステル樹脂のアセチル基置換度をA、プロピオニル基置換度をBとしたとき下記の条件式を満たすことを特徴とする前記3記載の光学異方体。
【0017】
(I) 2.0≦(A+B)≦3.0
(II) A<2.4
8.前記セルロースエステル樹脂のアセチル基置換度をA、プロピオニル基置換度をBとしたとき下記の条件式を満たすことを特徴とする前記3記載の光学異方体。
【0018】
(III) 2.4≦(A+B)≦2.8
(IV) 1.4≦A≦2.0
9.前記透明支持体を構成する樹脂に対して可塑剤が2以上15質量%以下および紫外線吸収剤が0.01以上3質量%以下であることを特徴とする前記1〜8の何れか1項記載の光学異方体。
【0019】
10.前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール誘導体またはベンゾフェノン誘導体であることを特徴とする前記9記載の光学異方体。
【0020】
11.前記液晶化合物が正の複屈折性を示す高分子液晶化合物であり、かつ該液晶化合物のガラス転移温度以上の温度で処理し配向させた後、ガラス転移温度以下に降温して液晶化合物由来の配向を固定化したことを特徴とする前記1〜10の何れか1項記載の光学異方体。
【0021】
12.前記液晶化合物が正の複屈折性を示す重合性低分子液晶化合物であり、かつ液晶転移温度以上の温度で処理することにより配向処理を行った後、活性線の照射による硬化反応により液晶化合物由来の配向を固定化したことを特徴とする前記1〜10の何れか1項記載の光学異方体。
【0022】
13.前記活性線が紫外線であり、かつ紫外線開始剤を併用して硬化反応を行うことを特徴とする前記12記載の光学異方体。
【0023】
14.前記液晶化合物を有機溶媒に溶解した溶液を調製し、これを塗布乾燥することで層を設置することを特徴とする前記1〜13のいずれか1項記載の光学異方体。
【0024】
15.前記光学異方層が、前記透明支持体面に対する光学異方層の平均傾斜角度が15°以上50°以下であることを特徴とする前記1〜14の何れか1項記載の光学異方体。
【0025】
16.光学異方層を構成する液晶化合物の傾斜角度が厚さ方向に対して変化し、該傾斜角度が配向層側から増加または減少することを特徴とする前記15記載の光学異方体。
【0026】
17.前記光学異方層の最大屈折率方向を透明支持体面に投影した方向が、前記透明支持体のny方向と実質的に等しいことを特徴とする前記1〜16の何れか1項記載の光学異方体。
【0027】
18.透明支持体と前記配向層との間に溶出ブロック層を少なくとも1層有することを特徴とする前記1〜17の何れか1項記載の光学異方体。
【0028】
19.透明支持体の溶出ブロック層塗設面がプラズマ処理されるかあるいは有機酸基含有ポリマーが塗設され、その上に30質量%以上の水と少なくとも1種の有機溶媒で構成される混合溶媒に溶解するノニオン性ポリマーで構成される前記溶出ブロック層が塗設されたことを特徴とする前記18記載の光学異方体。
【0029】
20.前記溶出ブロック層が活性線硬化樹脂で構成され、該硬化樹脂を該活性線の照射により硬化させた溶出ブロック層であることを特徴とする前記18記載の光学異方体。
【0030】
21.前記光配向層に偏光紫外線を照射することを特徴とする前記1〜20の何れか1項記載の光学異方体。
【0031】
22.前記光配向層を構成する材料が偏光紫外線照射により光二量化反応することを特徴とする前記21記載の光学異方体。
【0032】
23.長尺状であって、該光学異方体の透明支持体が溶液流延され乾燥しながら延伸される工程において巻き取られながら製造されること、該透明支持体に塗設される層が搬送されながら塗布液を塗布、乾燥し製造されることおよび光配向層が塗布乾燥後に搬送されながら紫外線照射して製造されることを特徴とする前記1〜22の何れか1項記載の光学異方体。
【0033】
24.前記1〜23の何れか1項記載の光学異方体を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【0034】
25.前記24記載の液晶表示装置が電極を備えた一対の透明基板とネマティック液晶で構成される駆動用液晶セルで構成され、該基板の上下に配置された上側偏光子と下側偏光子を備えたツイステッドネマティック型液晶表示装置であって、該基板と上側もしくは下側偏光子のどちらか一方の間、または該基板と上側および下側偏光子のそれぞれの間に前記1〜23の何れか1項記載の光学異方体を少なくとも1枚備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【0035】
26.前記液晶セルに最も近い基板に前記光学異方体の透明支持体面が接触する方向に液晶セルの上側および下側に各々1枚ずつ光学異方体を配置し、かつ光学異方体の透明支持体の最大屈折率方向が前記液晶セルに最も近い基板のラビング方向と実質的に直交した方向に配置することを特徴とする前記25記載の液晶表示装置。
【0036】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう光学異方層とは、液晶化合物を含む層であり、該液晶化合物が光配向層に隣接することで配向された状態で温度差または化学反応で固定化されたものである。
【0037】
前記光学異方層と透明支持体を含み、あるいは前記光学異方層と透明支持体の間に光配向層および少なくとも1つの溶出ブロック層を含むことによって形成されたものを本発明の光学異方体とする。
【0038】
液晶化合物を塗設して光学異方性を得る場合、光配向膜を透明支持体上に設置して偏光紫外線照射により配向方向を決定しておき、その上に液晶化合物を塗布して配向させることができる。
【0039】
本発明の光配向層の作製に用いられる光配向材料としては、一般に公知の光配向材料を用いることができる。例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等が挙げられ、長谷川、液晶 Vol.3(1),3−16(1999)の総説を参考にすることができる。本発明では特に偏光紫外線照射によって配向性が付与される光二量化型配向材料を用いることが生産性の観点から好ましい。
【0040】
上記記載の光二量化型配向材料としては、例えば、特開平8−304828号、同7−138308号、同6−095066号、同5−232473号、同8−015681号、同9−222605号、同6−287453号、同6−289374号、特表平10−506420号、特開平10−324690号、同10−310613号等に記載されている。
【0041】
これらの手法で光配向層に偏光紫外線を照射することにより、液晶に配向性を付与することができる。光照射装置としての光源は超高圧水銀灯、キセノン灯、蛍光灯、レーザなどを用いることができる。これに偏光子を組み合わせて直線偏光を照射することができる。照射装置としては、例えば、特開平10−90684号に開示されている装置を用いることができる。
【0042】
また、本発明に係る光配向層は、光配向性材料を含有する塗布溶液を用いて透明支持体上に塗布、乾燥し塗膜を形成しても良く、特に生産性の観点から、光配向層を搬送しながら塗設する長尺状フィルム、および搬送しながら配向方向を決めるために前記偏光紫外線を照射した長尺状フィルムであることが好ましい。一般に行われているラビング処理した配向膜は、ラビングによって生産時に粉塵発生の除去やラビング布の劣化によるラビング状態の安定管理が必要となり安定生産に十分な注意を払うことになる。しかしながら光配向技術ではこのような問題は発生しない。また、長尺の光学異方体を生産する場合、本発明の光学異方体を構成する透明支持体の面内における最大屈折率(nx)方向が長尺状フィルムの搬送方向と一致する場合、本発明の光学異方体では光学異方層の液晶化合物の配向方向を、該透明支持体の最大屈折率(nx)方向とフィルム面内で実質的に直交させる(すなわちnyの方向と一致させる)ことが有効である。実質的に直交させるとは90°±2°の範囲であり好ましくは90°である(nyの方向と一致させるとは±2°の範囲でnyの方向と光学異方層の液晶化合物の配向方向のズレがおさまることであり、やはり好ましくは一致することである。)。このとき一般的な配向層を設置して、長尺状フィルムの搬送方向に対して直交した方向でラビング処理することは実質的に困難である。しかしながら、光配向技術は、該搬送方向に直交した方向に液晶化合物を配向させる場合においても、照射する偏光方向を調節するのみでよく生産上適した方法である。
【0043】
光配向技術の中で光二量化型は、光分解型と比較して紫外線エネルギーが比較的低くても液晶に配向性を付与することができる。特に紫外線の直線偏光を照射して光二量化反応を実施した場合、偏光方向に選択して光二量化反応が進行し、これが液晶の配向に寄与する。
【0044】
光二量化型のポリビニルシンナメート誘導体は、該光配向層上に設置する液晶化合物が偏光紫外線の偏光方向と直角に配向するため、液晶化合物にプレチルトを与える場合、1回目の照射した偏光方向と異なった偏光方向および異なった角度の露光が2回以上必要である。一方、高分子中にクマリン分子単位或いはカルコン単位を有する化合物に代表されるように、光配向層に照射する偏光紫外線の偏光方向と平行に該光配向層上に設置した液晶化合物が配向する系は、液晶化合物にプレチルトを与える場合、偏光紫外線は1回の決められた方向の露光のみでよく、生産効率の観点から好ましい。
【0045】
特開平10−90684号に開示されているような偏光分離機能として、石英板のブリュースター角を利用した装置を使用した場合、消光比を著しく高くした場合、例えば消光比50:1以上とした場合には、石英板の枚数が多くなりすぎ装置が大きくなってしまうことがあり必要以上の消光比は特に必要とされない。偏光紫外線の消光比は2:1以上あれば、液晶化合物の配向方向が決定できるが、好ましくは消光比は5:1以上、より好ましくは9:1以上かつ21:1以下である。ここで消光比とは、(必要な偏光):(不要な方向の光)のエネルギー比である。
【0046】
次に本発明に用いる液晶化合物について説明する。
本発明における液晶化合物は、配向層上で液晶化合物が配向できるものであれば特に限定されるものではなく、該配向によって可視光領域で光散乱することなく光学的に異方性を付与することが求められる。
【0047】
本発明における液晶化合物が高分子液晶である場合、例えば日本特許登録2592694号、同2687035号、同2711585号、同2660601、特開平10−186356号、同10−206637号、同10−333134号記載の構造の化合物を用いることができ、特に光学的に正の複屈折性を有するものが好ましい。
【0048】
本発明における高分子液晶以外の液晶化合物としては、一般に棒状の液晶化合物が挙げられ、光学的に正の複屈折性を示す液晶化合物が好ましい。より好ましくは不飽和エチレン性基を有する正の複屈折性の液晶化合物が配向の固定化の観点から好ましく、例えば特開平9−281480号、同9−281481号記載の構造の化合物を用いることができるが特に限定されるものではない。
【0049】
本発明における液晶化合物の構造は特に限定されるものではないが、光学異方性を発現させるために液晶分子を配向させた状態で化学反応させるまたは温度差によって配向を固定化する等、液晶化合物の配向が固定化された状態で用いることが求められる。前述のような配向膜を透明樹脂基板上に設置しその上に液晶化合物を塗設して配向させることができる。液晶化合物の配向処理は、液晶転移温度以上に加熱することが求められ、該温度は透明樹脂基板を変質させない温度以下で処理することが好ましい。
【0050】
また、液晶化合物を溶媒で希釈して塗設する場合には、液晶転移温度以上に加熱しなくても該温度以下で液晶化合物の配向処理をすることもできる。
【0051】
本発明に用いる液晶化合物が液晶性高分子である場合、その化合構造としては主鎖型の液晶性高分子、例えばポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等が挙げられる。又、側鎖型の液晶性高分子、例えばポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート等を用いてもよい。
【0052】
液晶化合物、配向材料、有機酸基含有ポリマー、溶出ブロック層を構成する材料を塗布する方法としては、有機溶媒により液晶化合物または配向膜材料等を溶解した溶液を、カーテンコーティング、押し出しコーティング、ロールコーティング、ディップコーティング、スピンコーティング、印刷コーティング、スプレーコーティング、ワイヤーバーコーティング及びスライドコーティングなどで実施することができるがこれらに限定される訳ではない。
【0053】
液晶化合物を含む溶液を塗布した場合、塗布後、溶媒を乾燥して除去し、膜厚が均一な液晶層を得ることができる。液晶層は、熱または光エネルギーの作用、または熱と光エネルギーの併用で化学反応によって、液晶の配向を固定化することができる。特に高分子液晶化合物ではないモノメリックな液晶化合物は一般に粘度が低く、熱的な外因によって液晶の配向が変化しやすいため、光重合性開始剤を用いて、重合性液晶化合物を光ラジカル反応等で硬化反応を実施して固定化することができる。
【0054】
本発明において、液晶化合物の配向を固定化するため、重合性基としてエチレン性不飽和基を用いた場合、光重合開始剤を使用することにより反応の活性を上げることができ製造時の硬化時間を短縮できることで優れている。ラジカルの発生のためには、電子線、紫外線、可視光線、赤外線(熱線)を必要に応じて用いることができるが、一般的には、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ)及びショートアーク放電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ)を挙げることができる。例えば、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの近紫外線を発生するものが好ましく、光重合開始剤としても近紫外線を強く吸収できるものが好ましく、360nm〜450nmの光に対するモル吸光係数の最大値が100以上、更には500以上のものが好ましい。
【0055】
一方、エチレン性不飽和基の重合反応のためのラジカル重合開始剤は、例えばアゾビス化合物、パーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触媒など、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、tert−ブチルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、イソプロピルパーカーボネート、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーキサイド、ジクミルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド或いはベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、チオキサントン類等を挙げることができる。これらの詳細については「紫外線硬化システム」総合技術センター、63頁〜147頁、1989年等に記載されている。
【0056】
又、エポキシ基を有する化合物の重合には、紫外線活性化カチオン触媒として、アリルジアゾニウム塩(ヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボラート)、ジアリルヨードニウム塩、VIa族アリロニウム塩(PF6、AsF6、SbF6のようなアニオンをもつアリルスルホニウム塩)が一般的に用いられる。
【0057】
また、ラジカル反応を用いて硬化反応を行う場合、空気中の酸素の存在による重合反応の遅れをさけるために窒素雰囲気下で上記活性線を照射することが、反応時間の短縮化と少ない光量で硬化できる点で好ましい。
【0058】
これらの反応を利用して、液晶化合物を硬化させるためには、液晶化合物においても反応性基を導入した高分子液晶化合物ではないモノメリックな液晶化合物を選択するすることが重要である。この硬化反応により液晶の配向が固定化できるものである。
【0059】
一方、液晶化合物が高分子液晶である場合、上記化学反応による硬化反応を実施して液晶の配向を固定しなくてもよい。これは、透明樹脂基板が熱によって変質しない温度範囲、例えば90℃以上に、高分子液晶化合物のガラス転移温度があって、かつ液晶転移温度がある場合、配向膜上に高分子液晶を塗布して設置した後、液晶転移温度範囲内に加熱し配向させた後、ガラス転移温度よりも低い、例えば室温で放冷することによって液晶の配向が維持される。
【0060】
また、高分子液晶のガラス転移温度が支持体の耐熱温度よりも高い場合は、耐熱性支持体上に前記配向膜を設置し高分子液晶を塗設後、高分子液晶のガラス転移温度以上に加熱し配向させることができる。これを室温に放冷し高分子液晶の配向を固定化したのち本発明の支持体に接着剤を用いて転写して光学異方体を作製することができる。
【0061】
本発明の光学異方体の光学異方層は、液晶ディスプレイの視角特性を改良するため、光学異方層の厚さはそれを構成する液晶化合物の複屈折の大きさ、および液晶化合物の配向状態によって異なるが膜厚は0.2μm以上5μm以下、好ましくは0.4μm以上3μm以下である。これよりも光学異方層の厚さが薄いと目的とする光学異方性が得られにくくなり、一方前述の範囲よりも光学異方層が厚いと必要以上の光学異方性がかえって視野角特性を劣化させやすくしたり、別の課題としては光学異方体がカールしやすくなることが多い。
【0062】
本発明における光学異方層は、透明支持体に対して少なくとも1層設けることができる。液晶ディスプレイのモードが多種、製品化されておりこれを光学的に補償できる光学異方体として、ディスプレイに適した光学特性を設計することができる。1つの透明支持体に対して光学異方層を複数層設置することもでき、光学異方層の含まれる液晶化合物が配向した状態もしくは液晶化合物の配向が固定化された状態で構成されるとき配向方向は適宜ディスプレイに適合した光学特性に設計できる。光学異方層が2層以上透明支持体上に設置される場合、透明支持体より遠い方向の順に配向層、光学異方層を複数層繰り返して設置できる。これは前記配向方向が配向膜によって決定されるために、配向膜と液晶層は隣接していることが必要となるためである。これらが複数層設置されるとき、配向膜上に塗設された液晶層の上に配向膜を直接塗設または他の公知の樹脂層で構成される中間層を設置してその上に配向膜を塗設し、複数層目の配向層上に液晶層を設置することができる。
【0063】
本発明においては透明支持体に光学異方性があるため、該支持体上に塗設する液晶層は1層であることができ低コスト化、生産性の観点から好ましい。
【0064】
液晶表示装置に本発明の光学異方体を設置する場合、駆動用液晶セルの両側に位置する一対の基板の上下には、通常上側偏光子と下側偏光子が配置された構成とされるが、このとき該基板と上側もしくは下側偏光子のどちらか一方の間、または該基板と上側および下側偏光子のそれぞれの間に本発明の光学異方体が少なくとも1枚設置されるが、低コスト化の観点と本発明の目的を効果的に発現させるためには、該上側、該下側のそれぞれの間に本発明の光学異方体を1枚ずつ設置することが好ましい。
【0065】
液晶表示装置が特にツイステッドネマティック型(TN型)液晶表示装置である場合、TN型液晶セルに最も近い基板に前記光学異方体の透明支持体面が接触する方向に光学異方体を配置し、かつ光学異方体の透明支持体面内の最大屈折率方向が前記液晶セルに最も近い基板のネマティック液晶の配向方向と実質的に直交した方向に配置することが本発明の目的を効果的に発現できる。実質的に直交とは、90°±5°の範囲であるが、90°にすることが好ましい。
【0066】
本発明における光学異方層は、平均傾斜角度は、光学異方層の断面方向から観察した場合、斜めであることがよく、傾斜角度は光学異方層の厚さ方向に対して一定であってもよく、厚さ方向に対して配向角度が変化してもよい。平均傾斜角度はディスプレイの視野角を補償するため、ディスプレイの設計により異なるが15°以上50°以下であることが特にTN型液晶表示装置において好ましい。
【0067】
光学異方層を構成する液晶化合物の傾斜角度は、より好ましくは厚さ方向に対して変化し、該傾斜角度が配向膜側から増加または減少して変化することが本発明においてはより効果的である。
【0068】
本発明に係る溶出ブロック層について説明する。
本発明の透明支持体と光学異方層の配向のための配向層との接着性を向上させるために、溶出ブロック層が設けられることが好ましい。
【0069】
溶出ブロック層とは、配向材料や液晶化合物を塗設し、配向層および光学異方層を形成する際、有機溶媒溶液として塗布すると、有機溶媒の存在により透明支持体から配向層あるいは液晶化合物が存在する光学異方層へ、透明支持体を構成する化合物の何れかが溶出するのを抑制することを意味する。薄膜として配向層や液晶化合物の層を設置する場合、これらの化合物の有機溶媒溶液を調製して塗布することは好ましい手法である。しかしながら、特にセルロースエステルフィルム支持体等の透明支持体は、樹脂で構成され、可塑剤を含むことが多く、配向層としての樹脂や液晶化合物を溶解した塗布液を支持体に塗設する際に該塗布液中の有機溶媒によって樹脂あるいは可塑剤が拡散し、成分の層間の混溶がおこることが容易に推察できる。
【0070】
この間に前述の有機溶媒に不溶もしくは溶けにくい溶媒に溶解する樹脂を設置することにより、前述の塗設時の層間拡散、層間混溶を抑制することが可能となる。また、樹脂あるいは可塑剤を溶解する有機溶媒に溶解する化合物であっても、活性線硬化性の樹脂をモノマーの状態で透明基板上に塗設し硬化反応を行うことは、単に樹脂を塗設することと異なり架橋構造が多い層が設置でき、配向層としての樹脂や液晶化合物を溶解するとき、塗設によって層間の拡散、コンタミネーションを抑制することができる。これにより光学異方層を構成する液晶化合物の配向がより安定に作製できる。
【0071】
この溶出ブロック層は、透明支持体からの可塑剤、紫外線吸収剤などの添加剤の溶出を防止する目的の他に、当該支持体と光学異方層または配向層との密着性を向上させて剥離するのを防止する機能も求められる。当該目的のためには、透明樹脂基板において、水溶性ポリマー、例えば有機酸基含有ポリマーを含有する層を設けることは、透明支持体と溶出ブロック層との接着性向上の観点から、製造上メリットが大きく効果的である。
【0072】
有機酸基含有ポリマーは、ポリマー側鎖に有機酸基を有する構造が挙げられるが特に限定されない。有機酸基としては、例えば−COOH基が挙げられる。このような化合物例としては特に限定されることはないが、例えば特開平7−333436号記載の一般式[1]または一般式[2]で示される構造が挙げられる。−COOH基の水素は、アンモニウムカチオン、アルカリ金属カチオン(ナトリウムカチオン、リチウムカチオン等)で置換されていてもよい。有機酸基をもつポリマーを構成するモノマー単位としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。また、無水マレイン酸を共重合モノマーとして高分子量化したのち、酸無水物を形成している環を開環させて有機酸基を得てもよい。有機酸基含有ポリマーは透明支持体とその上に設置する層の接着性を付与することに有効である。
【0073】
本発明における溶出ブロック層の一形態として活性線硬化樹脂層の設置がある。
【0074】
活性線硬化性樹脂は、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基等の重合性基を二つ以上有するもので、活性エネルギー線に照射により架橋構造または網目構造を形成するものが好ましい。これら活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が重合速度、反応性の面から好ましく多官能モノマーまたはオリゴマーが好ましい。例として紫外線硬化型のアクリウルレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂が好ましく用いられる。
【0075】
活性線は紫外線が光源や材料の入手のしやすさから好ましく、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
【0076】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59−151110号)。
【0077】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号)。
【0078】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることが出来る(例えば、特開平1−105738号)。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することが出来る。
【0079】
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレート系樹脂の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応開始剤または光増感剤は該組成物の0.5〜5質量%であることが特に好ましい。
【0080】
紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布方法としては、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコーター、押出コーター、エアードクターコーター等公知の方法を用いることが出来る。紫外線を含む活性線硬化樹脂層の硬化後の膜厚は0.05μm以上30μm以下が適当で、好ましくは、0.1〜15μmである。この乾燥膜厚が薄すぎると溶出ブロック性が低下し、また乾燥膜厚が厚すぎると光学異方体がフィルム上であるときカールしてしまうことがある。
【0081】
溶出ブロック層の塗布溶媒について説明する。透明支持体を構成する樹脂あるいは可塑剤を溶解する有機溶媒よりも、むしろ、それらが溶解しにくいか、または、不溶な溶媒を溶出ブロック層の塗布溶媒として選択することが本発明の目的にとって好ましい。
【0082】
この場合の塗布溶媒は水を30質量%以上含む少なくとも1種以上の有機溶媒との混合溶媒であることがよく、好ましくは水を33質量%以上含む少なくとも1種以上の有機溶媒との混合溶媒であることがより効果的に本発明の目的が実現できる。本発明の溶出ブロック層を塗設するための溶媒は上記水とともに用いる有機溶媒としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒を混合して使用することができる。
【0083】
好ましくは水に溶解できる有機溶媒を選択することが好ましいが、少量であれば水に溶けない有機溶媒を用いて、もう1種以上の水に溶解する有機溶媒と併用して混合溶媒が3成分以上で溶解した混合溶媒を用いてもよい。ここでアルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられ、エステル類としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸メチル等が挙げられ、グリコールエーテル(C1〜C4)類としては、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、又はプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、その他の溶媒としてメチレンクロライド、N−メチルピロリドンなどがあげられる。特にこれらに限定されるものではない。
【0084】
溶出ブロック層の樹脂としては、ノニオン性のポリマーが上記混合溶媒の溶解性と本発明の目的に対して好ましい。
【0085】
このような混合溶媒に対して溶ける樹脂を溶出ブロック層の樹脂として選択することができる。溶出ブロック層の樹脂の構造は特に限定されないが、例えば、天然ポリマーあるいは半合成的な水溶性ポリマーなどを用いることができる。
【0086】
また、合成ポリマーを用いることは天然物とは異なり分子設計上ノニオン性とすることが容易に可能である。このような化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるいは、共重合体の如き多種の合成高分子を用いることができる。
【0087】
また、溶出ブロック層として用いる合成ポリマーとしては下記のモノマー単位を単独もしくは共重合体として上記混合溶媒に溶解する特性を有するものを用いてもよい。ポリマーを構成するモノマーの具体例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、クロトン酸エステル、ビニルエステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸エステル、オレフィン類、スチレン類等が挙げられる。これらのモノマーについて更に具体的に示すと、アクリル酸エステル誘導体、これらのエステル置換化合物の置換基として以下のものが挙げられる。メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、アミル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、tert−オクチル基、ドデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、4−クロロブチル基、シアノエチル基、2−アセトキシエチル基、ジメチルアミノエチル基、ベンジル基、メトキシベンジル基、2−クロロシクロヘキシル基、シクロヘキシル基、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基、フェニル基、5−ヒドロキシペンチル基、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基、グリシジル基、アセトアセトキシエチル基、3−メトキシブチル基、2−エトキシエチル基、2−iso−プロポキシ基、2−ブトキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル基、ω−メトキシオリゴオキシエチレン基(オキシエチレン繰り返し単位数:n=7、9、11等)、ω−ヒドロキシオリゴオキシエチレン基(オキシエチレン繰り返し単位数:n=7、9、11等)、1−ブロモ−2−メトキシエチル基、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチル基などがあり、これらの置換基によって構成されるアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0088】
また、アクリルアミド誘導体やメタクリルアミド誘導体としては、無置換のアクリルアミドおよびメタクリルアミドがあり、これらの置換アミドの置換基としては以下のものが挙げられる。メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、メトキシエチル基、ジメチルアミノプロピル基、フェニル基、アセトアセトキシプロピル基、シアノエチル基等のN−モノ置換誘導体が挙げられる。N,N−ジ置換誘導体としては、N,N−ジメチル基あるいはN,N−ジエチル基を有するアクリルアミド誘導体あるいはメタクリルアミド誘導体が挙げられる。
【0089】
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプレート、ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルなどが挙げられる。
【0090】
またオレフィン類の例としては、ジシクロペンタジエン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が挙げられる。
【0091】
スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル安息香酸メチルエステルなどが挙げられる。
【0092】
クロトン酸エステルとしては、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
【0093】
また、イタコン酸エステル類としては、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸モノブチルエステル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
【0094】
マレイン酸エステルとしては、例えばフマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
【0095】
その他のモノマーの例としては、次のものが挙げられる。
ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトンなどが挙げられる。
【0096】
ヘテロ環含有ビニルモノマーとしては、N−ビニルピリジンおよび2−および4−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルトリアゾール、N−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
【0097】
不飽和ニトリル類としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0098】
上述のポリマーにおいて接着性の改良のために高分子側鎖に不飽和エチレン性基やエポキシ基等の化学反応性基を含んでもよい。
【0099】
上述のポリマーは水を30質量%以上、好ましくは45質量%以上を含む少なくとも1種以上の有機溶媒との混合溶媒に溶解できることが本発明において求められる。このような溶解性を示すポリマーで構成される溶出ブロック層の樹脂としては、高分子側鎖にヘテロ原子を含む環構造を含むコポリマーが好ましく、より好ましくはN−ビニル−2−ピロリドンを60質量%以上含むコポリマー、特に好ましくはN−ビニル−2−ピロリドンのホモポリマーである。また、ポリビニルアルコールも好ましく用いられる。
【0100】
溶出ブロック層の樹脂の分子量は高い方が配向層や液晶層への拡散がし難い観点から好ましく、数平均分子量が80万以上であることが好ましい。これらの樹脂の平均分子量測定はGPC法等公知の方法により測定できる。
【0101】
また、上記ポリマーを溶出ブロック層として用いた場合、溶出ブロック層は透明樹脂基板上に乾燥膜厚で0.1μm以上15μm以下であることが好ましい。この乾燥膜厚が薄すぎると溶出ブロック性が低下することがあり、また乾燥膜厚が厚すぎると光学異方体がフィルム状であるときにカールしてしまうことがある。
【0102】
透明樹脂基板上に有機酸基含有ポリマー層、溶出ブロック層(活性線硬化モノマーの硬化した層、水を含む上記混合溶媒に溶解する樹脂層)、配向層、光学異方層(液晶層)等を塗設するために塗布する方法は、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ロールコート、グラビアコート、ワイヤバーコート、リバースコート、カーテンコート、押し出しコートあるいは米国特許第2,681,294号に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート方法等により0.1〜10μmの乾燥膜厚となるように塗布することができる。目的に応じて乾燥膜厚を調整することができる。
【0103】
この溶出ブロック層は、透明支持体からの可塑剤、紫外線吸収剤などの添加剤の溶出を防止する目的の他に、当該支持体と光学異方層または配向層との密着性を向上させて剥離するのを防止する機能も求められる。当該目的のためには、透明樹脂基板において、前記の有機酸基含有ポリマー層を塗設するほか、プラズマ処理を行うことが効果的である。透明樹脂基板を搬送しながらプラズマ処理を行うことは、連続的に処理が可能であり好ましい。特に真空にすることなく大気圧下で、反応性のガス雰囲気下で該処理を行うことは更に好ましい。
【0104】
反応性のガスとしては特に限定されるものではないが、酸素、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、過酸化水素、オゾン等が挙げられる。本発明においてプラズマ処理とは、プラズマ放電を利用することであり、放電によりプラズマ状態を発生させることである。好ましくは、少なくとも2つの対向する電極に電圧を印加することによって行なう。
【0105】
本発明において処理系とは、前記反応性ガス存在下プラズマ放電を行なう処理空間のことであり、具体的には壁等で仕切りを設けて隔離した処理室のことである。前記処理室の気圧を真空に近い0.007hPa〜27hPaで行なう真空プラズマ放電処理の場合には、反応性ガスの導入を調整する必要がある。処理速度を増加させるためには、電極に印加する電圧を高くする必要があるが、電界強度を上げすぎると被処理体にダメージを与える場合があり、注意が必要である。
【0106】
また、別の様態として、前記処理室の気圧を大気圧もしくは大気圧近傍で行なう大気圧プラズマ処理の場合には、処理室に導入する気体として、前記反応性ガス以外に不活性ガスを導入することが、安定な放電を発生させる上で好ましい。大気圧もしくは大気圧近傍とは、133〜1064hPaの圧力下のことであり、好ましくは931〜1037hPaの範囲である。
【0107】
不活性ガスはプラズマ放電により反応を起こさせない気体のことであり、アルゴンガス、ヘリウムガス、キセノンガス、クリプトンガスがある。この中で好ましいガスはアルゴンガスとヘリウムガスである。大気圧プラズマ処理時に処理室に導入する不活性ガスは60圧力%以上と反応性ガスよりも割合を多くする放電を安定に発生させることができて好ましい。印加する電圧を高くすると処理速度を上げることができるが、電界強度を上げすぎると被処理体にダメージを与えることになるので注意が必要である。
【0108】
しかし、前記大気圧プラズマ処理であっても、パルス化された電界でプラズマを発生させる場合には、不活性ガスは必ずしも必要でなく、処理系における反応性ガスの濃度を上げることが可能となり、生産効率を上げることができる。
【0109】
この時のパルス波形は特に限定されず、特開平10−130851号公報の図1(a)〜(d)のパルス波形であってもよい。
【0110】
パルス電界の周波数は、1kHz〜100kHzの範囲が好ましい。1つのパルス電界が印加される時間は1μs〜1000μsであることが好ましい。
【0111】
電極に印加する電圧の大きさは、電界強度が1〜100kV/cmとなる範囲が好ましく、大きい処理速度は増加するが上げ過ぎると被処理体にダメージを与えるのは同様である。
【0112】
また、大気圧プラズマ処理に用いる少なくとも2つの対向する電極は、固体誘電体をその対向面側に設けることが好ましい。固体誘電体としては、焼結セラミックスを用いることが好ましく、その体積固有抵抗値は108Ω・cm以上が好ましい。
【0113】
本発明で用いる光学異方体の透明支持体とは、可視域の透過率が80%以上の特性を有するものであり、セルロースエステル誘導体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォンなどが挙げられる。上記記載の中でも、目的の光学特性を得るための生産性の観点から好ましくは、セルロースエステル誘導体である。
【0114】
本発明における透明支持体の光学特性は、該支持体の光学特性が41nm≦Ro≦95nm、0.8≦(Rt/Ro)≦1.4、かつnx>ny>nzを満たすことが求められる。ここで、RoおよびRtは透明支持体のリターデーション値を示す。
【0115】
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
ここで、nx、nyは透明支持体の面内での最大屈折率方向であるx方向、およびこれと直交する方向であるy方向の屈折率である。nzは厚み方向でのフィルムの屈折率、dはフィルムの厚み(nm)である。
【0116】
ny=nzの場合、従来の一軸延伸位相差板となりこれに光学異方層を設置しても十分な視野角拡大効果は得られない。本発明の光学異方体の透明支持体は、nzがnx,nyよりも低い値であるので、この透明支持体と光学異方層を組み合わせることで、液晶表示装置の駆動用液晶セル特有の複屈折性を光学的に補償することができる。
【0117】
透明支持体の生産性の観点から好ましい製造方法は、透明支持体の溶媒を含む樹脂溶液をベルトまたはドラム上で流延製膜し、溶媒が残存した状態でベルトまたはドラムから剥離され、その後乾燥しながらフィルムを延伸する製造方法である。それゆえ、透明支持体の流延方向の屈折率がnxに実質的に等しい屈折率であり、流延方向に垂直な方向(幅方向)の屈折率がnyに実質的に等しい屈折率である場合、より効率的に透明支持体が生産できる。ここで実質的に等しいとは、±4°の範囲に、好ましくは±2°の範囲に支持体の流延方向とnxすなわち最大屈折率を示す方向との角度がおさまることであり、それぞれの方向が一致することが最も好ましい。
【0118】
支持体の全体の屈折率の測定は、通常の屈折率計を用いることができる。全体の屈折率を測定した後、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行い、屈折率nx、ny、nzを算出し、かつフィルムの厚さを測定してリターデーションRo、Rtを求めることができる。
【0119】
このような特性を満たす樹脂として、セルロースエステル誘導体が好ましく用いられる。特に0.5≦(Rt/Ro)≦2.0を効果的に満たすためには、セルロースエステルのアセチル基置換度が2.5以上2.86以下が好ましい。
【0120】
本発明の別の形態としては、セルロースエステルのアセチル基置換度が、2.40以上3.00以下のセルロースエステルを少なくとも2種以上用いる。この場合のアセチル基の置換度としては、混合後の平均アセチル基置換度が2.50以上2.86以下のセルロースエステルであることが本発明の目的に好ましい。
【0121】
本発明のさらに別の形態としては、光学異方体に用いるセルロースエステルのアセチル基置換度が、2.60以上、3.00以下のセルロースエステルを少なくとも1種とアセチル基置換度が2.40以上2.60未満のセルロースエステルを少なくとも1種を混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.5以上2.86以下のセルロースエステルを用いることが本発明の目的に好ましい。
【0122】
アセチル基置換度または平均アセチル基置換度が2.5以上2.86以下のセルロースエステルをフィルムとした支持体は、フィルム面の屈折率の平均に対する厚さ方向の屈折率との差が高い光学特性を与える。置換度をやや低く抑えたセルロースエステルフィルムを用いることで、これらのセルロースエステルフィルムを用いた時に、高いアセチル基置換度のセルローストリアセテートフィルムを用いたときよりも、同じ光学特性を得る場合に、薄膜化することができる。視野角特性に優れた光学異方体は、ディスプレイの種類により求められる光学補償能は異なるが適宜液晶層と支持体の光学特性を調整して設計することができる。本発明の支持体のアセチル基置換度または平均アセチル基置換度の好ましい範囲は、2.55〜2.70である。アセチル基の置換度が小さすぎると耐湿熱性に劣る場合がある。これらのセルロースエステルは、例えば、特開平10−45804号公報に記載の方法で合成することが出来る。アセチル基の置換度の測定方法もASTM−D817−96により測定することが出来る。
【0123】
前記アセチル基の置換度が2.50以上2.86以下のセルロースエステル、アセチル基の置換度が2.60以上3.00以下のセルロースエステル、アセチル基の置換度が2.40以上2.60未満のセルロースエステルとは、アセチル基でセルロースの水酸基を常法により所定の置換度に置換したものである。本発明のこれらのセルロースエステルの数平均分子量は、好ましい機械的強度を得るためには、70000〜300000が好ましく、更に80000〜200000が好ましい。
【0124】
セルロースエステル樹脂としては、上記アセチル基置換度を制御したセルロースエステル樹脂を用いることが好ましいが、一方アセチル基およびプロピオニル基を有するセルロースエステル樹脂を用いることが極めて効果的である。
【0125】
本発明に係るセルロースエステルフィルム作製に用いられるセルロースエステルの一例として、アセチル基とプロピオニル基を置換基として有しており、下記式(I)及び(II)を同時に満足するものが好ましい。
【0126】
(I) 2.0≦A+B≦3.0
(II) A<2.4
ここで、Aはアセチル基の置換度、Bはプロピオニル基の置換度を表す。
【0127】
更に、本発明においては、下記式(III)及び(IV)を同時に満たすセルロースエステルフィルムがより好ましく用いられる。
【0128】
(III) 2.4≦A+B≦2.8
(IV) 1.4≦A≦2.0
これらのアシル基は、グルコース単位の2位、3位、6位に平均的に置換していても良いし、例えば6位に高い比率で置換するなどの分布をもった置換がなされていても良い。
【0129】
ここで、置換度とはセルロース分子中の全ての水酸基の数(3nヶ)が幾つ置換されたか、それをグルコピラノーズ単位で表すものであり、理論的には0〜3.0の値となる。ASTM−D817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従い算出される数値である。アシル基の置換度の測定法はASTM−D817−96に従って測定できる。
【0130】
特に、Aのアセチル基の平均置換度が2.0未満であると延伸時の位相差のばらつきが少ないため特に好ましい。
【0131】
また、機械的強度に優れた透明支持体を得る観点から、本発明に用いられるアセチル基とプロピオニル基の両者を含むセルロースエステル樹脂の数平均分子量は70000〜300000、好ましくは80000〜200000である。
【0132】
本発明に用いられる、セルロースの混合脂肪酸エステルは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を用いて合成できる。アシル化剤が酸無水物である場合は、反応溶媒として有機酸(例、酢酸)や塩化メチレンが使用される。触媒としては、硫酸のような酸性触媒が用いられる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、触媒として塩基性化合物が用いられる。工業的に最も一般的な合成方法では、セルロースをアセチル基およびプロピオニル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸)およびそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロースエステルを合成する。アセチル化剤とプロピオニル化剤の使用量は、合成するエステルが前述した置換度の範囲となるように調整する。反応溶媒の使用量は、セルロース100質量部に対して、100〜1000質量部であることが好ましく、200〜600質量部であることがさらに好ましい。酸性触媒の試料量は、セルロース100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、更に好ましくは、0.4〜10質量部である。
【0133】
反応温度は、10〜120℃であることが好ましく、20〜80℃であることがさらに好ましい。また、アシル化反応が終了してから、必要に応じて加水分解(ケン化)して、置換度を調整してもよい。反応終了後、反応混合物を沈澱のような慣用の手段を用いて分離し、洗浄、乾燥することによりセルロースの混合脂肪酸エステル(セルロースアセテートプロピオネート)が得られる。
【0134】
本発明に用いられるセルロースエステルは綿花リンターから合成されたセルローストリアセテートと木材パルプから合成されたセルローストリアセテートのどちらかを単独あるいは混合して用いることができる。ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花リンターから合成されたセルロースエステルを多く使用した方が生産効率が高く好ましい。綿花リンターから合成されたセルロースエステルの比率が60質量%以上で、剥離性の効果が顕著になるため60質量%以上が好ましく、より好ましくは85質量%以上、更には単独で使用することが最も好ましい。
【0135】
本発明においてセルロースエステルは綿花リンターから合成されたセルロースエステルと木材パルプから合成されたセルロースエステルのどちらかを単独あるいは混合して用いることができる。ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花リンターから合成されたセルロースエステルを多く使用した方が生産性効率が高く好ましい。綿花リンターから合成されたセルロースエステルの比率が60質量%以上で、剥離性の効果が顕著になるため60質量%以上が好ましく、より好ましくは85質量%以上、更には、単独で使用することが最も好ましい。
【0136】
本発明の光学異方体に用いる透明支持体の厚さは、液晶ディスプレイの視角特性を改良するための光学特性を保有すれば良く、延伸倍率と透明の支持体の厚さにより制御することができる。該透明支持体の厚さは、好ましくは35μm以上250μm以下であるが、より好ましくは60μm以上140μm以下である。この範囲よりも該透明支持体が薄いと目的の光学特性が得難くくなり、一方該範囲よりも厚いと必要以上の光学特性となり、かえって液晶ディスプレイ視角特性を劣化する場合が多くなる。
【0137】
本発明において、前記光学異方体を偏光板用保護フィルムとして用いる場合、または光学異方体を保護フィルム付偏光子に張り付けて用いる場合、光学異方体は液晶セルと偏光子との間に設置することができる。
【0138】
偏光子は、従来から公知のものを用いることが出来る。例えば、ポリビニルアルコールの如きの親水性ポリマーからなるフィルムを、沃素の如き二色性染料で処理して延伸したもの等を用いることが出来る。
【0139】
次に本発明の透明支持体がセルロースエステルの場合、そのフィルムの製造方法について述べる。
【0140】
先ず、セルロースエステルを有機溶媒に溶解してドープを形成する。ドープ中のセルロースエステルの濃度は10〜35質量%程度である。
【0141】
有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等の非塩素系の有機溶媒が使用できる。また、塩化メチレンも使用できる。メタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコールを併用するとセルロースエステルの有機溶媒への溶解性が向上したりドープ粘度を低減できるので好ましい。特に沸点が低く、毒性の少ないエタノールが好ましい。
【0142】
ドープ中には、前記可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤などの添加剤を加えてもよい。そして、得られたドープを回転するベルトやドラムの支持体上に流廷し、剥離可能になるまで乾燥し、そしてフィルムを剥離する。剥離したフィルムは生乾きの状態で延伸され、更に乾燥しフィルム中の有機溶媒をほぼ完全に蒸発させることができるが、乾燥後延伸してもよい。フィルム中の有機溶媒の含有量としては、良好なフィルムの寸法安定性を得るために2質量%以下、更に0.4質量%以下が好ましい。
【0143】
また、本発明の支持体の製造、特に塗設においてすべり性を改善するために、これら透明樹脂フィルムを製造する際のドープ中に、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましい。微粒子は、2次粒子の平均粒径が0.01〜1.0μm、含有量が、セルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。
【0144】
二酸化ケイ素のような微粒子は有機物によって表面処理されていることが、フィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどがあげられる。微粒子の平均粒径は、後述のアンチカール処理に用いる微粒子と同じものが用いられる。
【0145】
本発明の光学異方体は、支持体に光学異方層等の塗設物を有することからカールしてしまうことが多い。従ってカールを防止することにより、カールによる不都合を解消し、光学異方体としての機能を損なわないようにするため、光学異方層を塗設した反対側の面にアンチカール層を設けることが出来る。すなわち、アンチカール層を設けた面を内側にして丸まろうとする性質をもたせることにより、カールの度合いをバランスさせるものである。なお、アンチカール層は好ましくはブロッキング層を兼ねて塗設され、その場合、塗布組成物にはブロッキング防止機能を持たせるための無機微粒子及び/又は有機微粒子を含有させることができる。例えば、無機微粒子としては酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等を挙げることができ、また有機微粒子としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を挙げることができ、アンチカール層塗布組成物に加えることが出来る。二酸化ケイ素のような微粒子は有機物によって表面処理されていることが、フィルムのヘイズを低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどがあげられる。
【0146】
二酸化ケイ素の微粒子としては日本アエロジル(株)製のAEROSIL200、200V、300、R972、R974、R202、R812、OX50、TT600などが挙げられ、好ましくはAEROSIL R972、R972V、R974、R974V、R202、R812などが挙げられる。
【0147】
これらの粒子は、体積平均粒径0.005〜0.1μmの粒子を樹脂組成物100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく添加される。これの微粒子の配合はフィルムのヘイズが0.6%以下、光学異方体の表裏面の間の動摩擦係数が0.5以下となるように配合することが好ましい。
【0148】
前記微粒子はとジアセチルセルロースのような樹脂を含む層を設置することができる。このような層はイソシアネート誘導体のような架橋剤を用いて強度を向上させることもできる。
【0149】
アンチカール機能の付与は、樹脂フィルム基材を溶解させる溶媒又は膨潤させる溶媒を含む組成物を塗布することによって行われる。用いる溶媒としては、溶解させる溶媒又は膨潤させる溶媒の混合物の他、さらに溶解させない溶媒を含む場合もあり、これらを樹脂フィルムのカール度合や樹脂の種類によって適宜の割合で混合した組成物及び塗布量を用いて行う。カール防止機能を強めたい場合は、用いる溶媒組成を溶解させる溶媒又は膨潤させる溶媒の混合比率を大きくし、溶解させない溶媒の比率を小さくするのが効果的である。この混合比率は好ましくは(溶解させる溶媒又は膨潤させる溶媒):(溶解させない溶媒)=10:0〜1:9で用いられる。このような混合組成物に含まれる、樹脂フィルム基材を溶解又は膨潤させる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルムなどがある。溶解させない溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブタノールなどがある。
【0150】
これらの塗布組成物をグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、押し出しコーター等を用いて樹脂フィルムの表面にウェット膜厚1〜100μm塗布するのが好ましいが、特に5〜30μmであると良い。ここで用いられる樹脂としては、例えば塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体あるいは共重合体、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート樹脂等のセルロースエステル系樹脂、マレイン酸および/またはアクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合体、メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アミノ樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ブタジエン/アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。特に好ましくはジアセチルセルロースのようなセルロース系樹脂層である。
【0151】
アンチカール層を塗設する順番は樹脂フィルム基材の反対側に光学異方層を塗設する前でも後でも構わないが、アンチカール層がブロッキング防止層を兼ねる場合は先に塗設することが望ましい。
【0152】
本発明の光学異方体の支持体において物性を改良する目的として可塑剤を用いることができる。具体的な可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが好ましく用いられる。リン酸エステルとしては、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)、ビフェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチル−エチルホスフェートが含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的なものである。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)、エチルフタリルエチルグリコレート等が用いられる。クエン酸エステルとしては、クエン酸アセチルトリエチル(OACTE)およびクエン酸アセチルトリブチル(OACTB)が用いられる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。リン酸エステル系可塑剤(TPP、TCP、ビフェニル−ジフェニルホスフェート、ジメチルエチルホスフェート)、フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DEHP)が好ましく用いられる。
【0153】
又、この中でもトリフェニルフォスフェート(TPP)およびエチルフタリルエチルグリコールが特に好ましく用いられる。
【0154】
可塑剤は透明樹脂への耐水性付与、あるいはその透湿性改善のため、重要な素材であるが、添加量が多すぎると塗布層への悪影響が拡大する問題がある。
【0155】
可塑剤の添加量は透明樹脂中に通常2〜15質量%で添加することが好ましい。
【0156】
透明樹脂に紫外線吸収剤を含有させることによって、耐光性に優れた光学異方体を得ることが出来る。本発明に有用な紫外線吸収剤としては、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、安息香酸誘導体又は有機金属錯塩等がある。具体例として特に限定されることはないが、例えば、サリチル酸誘導体としてはサリチル酸フェニル、4−t−ブチルフェニルサリチル酸等を、ベンゾフェノン誘導体としては、2−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等を、ベンゾトリアゾール誘導体としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等を、安息香酸誘導体としては、レゾルシノール−モノベンゾエート、2′,4′−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等を、有機錯塩誘導体としては、ニッケルビス−オクチルフェニルサルファミド、エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸のニッケル塩等を挙げることができる。本発明においてはこれら紫外線吸収剤の1種以上を用いていることが好ましく、異なる2種以上の紫外線吸収剤を含有してもよい。また高分子紫外線吸収剤、例えば特開平6−148430号に記載されたようなものを用いてもよい。本発明において好ましい紫外線吸収剤は、紫外線の吸収形状や保存性の観点から、液晶の劣化防止の点より波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長400nm以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。特に、波長370nmでの透過率が、10%以下である必要があり、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下である。このような観点からベンゾトリアゾール誘導体またはベンゾフェノン誘導体が好ましく用いられる。
【0157】
紫外線吸収剤の添加方法はアルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
【0158】
本発明の光学異方体の液晶層の上には、傷などの光学的変質をさけるために保護層を設けてもよい。液晶層が複数層の場合は中間層を設けてもよい。保護層または中間層の材料としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/無水マレイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリカーボネート、またはアクリレート、メタクリレート等のポリマー及びこれらの誘導体を挙げる事ができる。これらの材料を上記塗布方法より、溶液を調製して塗布、乾燥によって設置することができる。
【0159】
光学異方体の透明支持体上に層を設置する場合、構成する材料を溶媒を用いて溶解した溶液を調製し塗布することができる。このことは塗設した層の均一性の観点から好ましい製造方法である。用いる溶媒は単独で使用してもよく、また塗設する際の乾燥性を制御するために2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。塗設するための前記溶液の溶媒は有機溶媒が好ましい。例えばアルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられ、エステル類としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸メチル等が挙げられ、グリコールエーテル(C1〜C4)類としては、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、又はプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、その他の溶媒としてメチレンクロライド、N−メチルピロリドンなどがあげられる。特にこれらに限定されるものではない。
【0160】
本発明に用いられるセルロースエステルフィルム支持体の製造方法についてさらに詳しく説明する。
【0161】
セルロースエステルフィルム支持体の製造方法としては、ドープ液を支持体上に流延、製膜し、得られたフィルムを支持体から剥ぎ取り、その後、張力をかけて乾燥ゾーン中を搬送させながら乾燥する、溶液流延製膜法が好ましい。下記に溶液流延製膜法について述べる。
【0162】
(1)溶解工程:セルロースエステルのフレークに対する良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中で該フレークを攪拌しながら溶解し、セルロースエステル溶液(ドープ)を形成する工程である。溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、J.M.G.Cowie等によるMakromol.chem.143巻、105頁(1971)に記載されたような、又特開平9−95544号及び同9−95557号公報に記載された様な低温で溶解する冷却溶解法、高圧で行う方法等種々の溶解方法がある。溶解後ドープを濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。
【0163】
(2)流延工程:ドープを加圧型定量ギヤポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、無限に移送する無端の金属ベルトあるいは回転する金属ドラムの流延用支持体(以降、単に支持体ということもある)上に加圧ダイからドープを流延する工程である。流延用支持体の表面は鏡面となっている。その他の流延方法としては流延されたドープ膜をブレードによって膜厚を調節するドクターブレード法、あるいは逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、口金部分のスリット形状を調製出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられる。製膜速度を上げるために加圧ダイを流延用支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。
【0164】
(3)溶媒蒸発工程:ウェブ(流延用支持体上にドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)を流延用支持体上で加熱し溶媒を蒸発させる工程である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率がよく好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。
【0165】
(4)剥離工程:支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に支持体上で充分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
【0166】
製膜速度を上げる方法(残留溶媒量ができるだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることができる)として、残留溶媒が多くとも剥離出来るゲル流延法(ゲルキャスティング)がある(残留溶媒量が出来るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが出来る)。それは、ドープ中にセルロースエステルに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。また、ドープ中に金属塩を加える方法もある。支持体上でゲル化させ膜を強くすることによって、剥離を早め製膜速度を上げることが出来る。残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易く、経済速度と品質との兼ね合いで剥離残留溶媒量を決められる。
【0167】
(5)乾燥工程:ウェブを千鳥状に配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置及び/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いてウェブを乾燥する工程である。乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。全体を通して、通常乾燥温度は40〜250℃で、70〜180℃が好ましい。使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べばよい。
【0168】
流延用支持体面から剥離した後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってウェブは巾方向に収縮しようとする。高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥することが、出来上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この観点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部の工程を巾方向にクリップでウェブの巾両端を巾保持しつつ乾燥させる方法(テンター方式)が好ましい。
【0169】
(6)巻き取り工程:ウェブを残留溶媒量が質量で2%以下となってからフィルムとして巻き取る工程である。残留溶媒量を0.4%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることが出来る。巻き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等があり、それらを使いわければよい。
【0170】
脂肪酸セルロースエステルフィルムの膜厚の調節には所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度をコントロールするのがよい。又、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。
【0171】
溶液流延製膜法を通しての流延直後からの乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気とするのもよいが、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶媒の爆発限界の危険性は常に考慮されなければならないことは勿論のことである。
【0172】
本発明に係るセルロースエステルフィルム支持体は延伸操作を行う方法ことが好ましい。以下、その延伸方法について説明する。
【0173】
本発明のセルロースエステルフィルム支持体の製造において、セルロースエステル溶解ドープ液を流延用支持体に流延後、次いで、流延用支持体から剥離したウェブ(フィルム)を、ウェブ中の残留溶媒量が10〜100質量%の範囲にある間に、少なくとも1方向に0.5〜4.0倍延伸することが好ましい。
【0174】
なお、残留溶媒量は下記の式で表せる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
【0175】
ウェブ中の残留溶媒量が多すぎると延伸の効果が得られず、また、少なすぎると延伸が著しく困難となり、ウェブの破断が発生してしまう場合がある。ウェブ中の残留溶媒量の更に好ましい範囲は10質量%〜50質量%、特に20質量%〜40質量%が最も好ましい。また、延伸倍率が小さすぎると十分な位相差が得られず、大きすぎると延伸が困難となり破断が発生してしまう場合がある。延伸倍率の更に好ましい範囲は1.0倍〜2.5倍の範囲である。
【0176】
本発明に係るセルロースエステルを用いて溶液流延製膜したものは、特定の範囲の残留溶媒量であれば高温に加熱しなくても延伸可能であるが、乾燥と延伸を兼ねると、工程が短くてすむので好ましい。しかし、ウェブの温度が高すぎると、可塑剤が揮散するので、15℃〜160℃以下の範囲が好ましい。
【0177】
また、互いに直交する2軸方向に延伸することは、フィルムの屈折率nx、ny、nzを本発明の範囲に入れるために有効な方法である。例えば流延方向に延伸した場合、巾方向の収縮が大きすぎると、nzの値が大きくなりすぎてしまう。この場合、フィルムの巾収縮を抑制あるいは、巾方向にも延伸することで改善できる。巾方向に延伸する場合、巾手で屈折率に分布が生じる場合がある。これは、テンター法を用いた場合にみられることがあるが、巾方向に延伸したことで、フィルム中央部に収縮力が発生し、端部は固定されていることにより生じる現象で、いわゆるボーイング現象と呼ばれるものと考えられる。この場合でも、流延方向に延伸することで、ボーイング現象を抑制でき、巾手の位相差の分布を少なく改善できるのである。
【0178】
更に、互いに直行する2軸方向に延伸することにより、得られるフィルムの膜厚変動が減少できる。セルロースエステルフィルム支持体の膜厚変動が大き過ぎると位相差のムラとなり、液晶ディスプレイに用いたとき着色等の問題が生じることがある。セルロースエステルフィルム支持体の膜厚変動は、±3%、更に±1%の範囲とすることが好ましい。以上の様な目的において、互いに直交する2軸方向に延伸する方法は有効であり、互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ流延方向に0.8〜4.0倍、巾方向に0.4〜1.2倍の範囲とすることが好ましい。
【0179】
ウェブを延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いてもよい。また、いわゆるテンター法の場合、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆動すると滑らかな延伸を行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましい。
【0180】
以上のようにして得られたフィルムは、最終仕上がりフィルムの残留溶媒量で2質量%以下、さらに0.4質量%以下であることが、寸度安定性が良好なフィルムを得る上で好ましい。
【0181】
本発明の光学異方体の透明支持体として求められる光学特性を得るためには、フィルムを乾燥した後、フィルム樹脂のガラス転移温度以上に加熱し延伸し該温度以下に放冷する方法、また該ガラス転移以上の温度に加熱しなくてもフィルムを膨潤させるような溶媒、例えば水/アセトン=1/1(質量比)を用いてフィルムを溶媒で膨潤させた状態で延伸することもできる。しかしながらこれらの延伸方法はガラス転移温度以上にするとフィルム中に存在する可塑剤がフィルム表面に溶出すること、一方膨潤させた状態で延伸する方法は、膨潤させる溶液の種類によって可塑剤がフィルムから溶出することが懸念されるため注意が必要である。それゆえ、溶液流延法でフィルム製膜時に溶媒が残存する状態で乾燥させながら延伸することが最も好ましい。
【0182】
また延伸を与える場合フィルム製膜時の搬送方向にフィルム面内の最大屈折率、すなわちnxの方向が実質的に一致することが製造上好ましく、光学特性を考慮するとフィルムの搬送方向とnxの方向が1°の範囲以内とすることがより好ましい。
【0183】
本発明の光学異方体の好ましい配置形態について、図1を用いて説明する。
本発明の光学補償フィルムの配置形態としては、駆動用液晶セルのガラス基板又はプラスチック基板と偏光子の間であればTN型TFT液晶装置に様々な形態で配置して使用することが可能である。
【0184】
本発明の光学異方体は当該液晶パネルの両面の各々の偏光子とセルのガラスまたはプラステック基板の間に配置され、透過型パネルの場合における入射光側または出射光側のいずれの側にも配置することができる。または片面に同様に光学異方体を1枚または2枚以上に配置しても差し支えはない。
【0185】
また、本発明の目的をより効果的に発現させる光学異方体の配置方法は、前記駆動用液晶セルに最も近い基板のラビング方向に前記光学異方体の透明支持体面が接触する方向に光学異方体を配置し、かつ光学異方体の透明支持体の最大屈折率方向が前記液晶セルに最も近い基板に接しているラビング方向に実質的に直交した方向が好ましい。実質的に直交とは、当該各々の基準方向とのなす角が80°から100°の範囲であり、好ましくは87°以上93°以下、さらに好ましくは89°以上91°以下であるが、本質的に90°であることが好ましい。
【0186】
図1は本発明の光学異方体の配置された液晶表示装置の一例を示す概念図である。
【0187】
図1において、液晶セル7の上下に光学異方体9、9′が配置され、偏光子1、1′が搭載される。8、8′は液晶セルのラビング方向およびチルト方向を示す。4、4′は、光学異方層の液晶化合物の配向方向を示す。4a、4bは光学異方層の液晶化合物のチルト方向の概念図である。特に光学異方体の透明支持体側のチルト角が光学異方層作製時の空気界面のチルト角よりも高く、4a、4bの液晶化合物の概念図に示すような厚さ方向に対してチルト角が連続的に変化することがより効果的である。光学異方体の配置は、透明支持体側を液晶セル基板側とすることがさらに効果的であり図1の如くである。
【0188】
4、4′の光学異方層の液晶化合物の配向方向は、液晶化合物を支持体面に投影した方向であり、これらの方向と、近接する透明支持体の面内における最大屈折率方向6、6′も各々実質的に直交することが求められる。実質的に直交とは前述同様である。光学異方体には溶出ブロック層、光配向層、透明支持体のプラズマ処理、有機酸基含有ポリマー層等が適宜設置されるが図1では省略してある。光学異方体の層構成は実施例に詳細に示す。本発明の目的は、図1の構成が最も効果的に発現できる形態である。
【0189】
本発明の光学異方体は、図1のごとく偏光子と駆動用セルの間に設置される。偏光子にかえて、偏光子に偏光板保護フィルムとしてTACフィルムが両面に添付された偏光板を用い上述の位置に設置されてもよく、または偏光板保護フィルムの駆動用セル側に、偏光板保護フィルムに代えて本発明の光学異方体を用いてもよい。
【0190】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
【0191】
実施例1
以下の製造方法1,2および3により、又セルロース樹脂を下記に示すセルロース樹脂1〜6(詳細な内容は下記に記載)にかえ表1に示すような透明樹脂フィルム支持体1〜11を作製した。
【0192】
製造方法1
セルロース樹脂(詳細な内容は下記に記載)を100質量部、エチルフタリルエチルグリコレート5質量部、トリフェニルフォスフェイト3質量部、塩化メチレン290質量部、エタノール60質量部を密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しながら60分かけて45℃まで徐々に昇温し溶解した。容器内は1.2気圧となった。このドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した後、24時間静置しドープ中の泡を除いた。また、これとは別に、上記セルロース樹脂5質量部、チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)6質量部、チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)4質量部、チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)及びAEROSIL R972V(日本アエロジル(株)製)をそれぞれ1質量部を塩化メチレン94質量部とエタノール8質量部を混合し撹拌溶解し、紫外線吸収剤溶液1を調製した。上記ドープ100質量部に対して前記紫外線吸収剤溶液1を2質量部の割合で加え、スタチックミキサーにより十分混合した後、ダイからステンレスベルト上にドープ温度30℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から25℃の温度の温水を接触させて温度制御されたステンレスベルト上で1分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、15℃の冷水を接触させて15秒間保持した後、ステンレスベルトから剥離した。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は100質量%であった。次いで同時二軸延伸テンターを用いて剥離したウェブの両端をクリップで掴み、クリップ間隔を巾方向と流延方向(長さ方向)に同時に変化させることで、120℃で巾方向に1.05倍、流延方向(長さ方向)に1.15倍延伸した。延伸終了後、一旦、フィルム温度を80℃まで冷却した後、周速の異なるローラーを用いて130℃で長さ方向に1.05倍延伸した。更にローラー搬送しながら130℃で10分間乾燥させて、膜厚100μmのセルロースエステルフィルムを得た。
【0193】
このセルロースエステルフィルムは、コア径200mmのガラス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、長さ1000mのフィルムロール状にテーパーテンション法で巻き取った。この際、フィルム端部に温度250℃のエンボスリングを押し当て、厚みだし加工を施して、フィルム同士の密着を防止した。
【0194】
製造方法2
セルロース樹脂(詳細な内容は下記に記載)を100質量部、エチルフタリルエチルグリコレート5質量部、トリフェニルフォスフェイト3質量部、塩化メチレン290質量部、エタノール60質量部を密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しながら60分かけて45℃まで徐々に昇温し溶解した。容器内は1.2気圧となった。
【0195】
このドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した後、24時間静置しドープ中の泡を除いた。また、これとは別に、上記セルロース樹脂3質量部、チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3質量部、チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)4質量部、チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)5質量部を塩化メチレン90質量部とエタノール10質量部を混合し撹拌溶解し、紫外線吸収剤溶液2を調製した。
【0196】
上記ドープ100質量部に対して上記紫外線吸収剤溶液2を2質量部の割合で加え、スタチックミキサーにより十分混合した後、ダイからステンレスベルト上にドープ温度35℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から35℃の温度の温水を接触させて温度制御されたステンレスベルト上で1分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、15℃の冷水を接触させて15秒間保持した後、ステンレスベルトから剥離した。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は70質量%であった。
【0197】
次いで、120℃のオーブン内でロール搬送しながら、オーブン入り口直後のロール周速に対してオーブン出口直前のロール周速を1.15倍になるようにして、流延方向(フィルムの長尺方向)に1.15倍延伸した。延伸後、直ちに60℃まで冷却した。更にテンターを用いてウェブの両端をクリップで掴み、クリップ間隔を固定のまま、140℃で5分乾燥させ、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムを得た。
【0198】
このセルロースエステルフィルムは、コア径200mmのガラス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、長さ1000mのフィルムロール状にテーパーテンション法で巻き取った。この際、フィルム端部に温度270℃のエンボスリングを押し当て、10μmの厚みだし加工を施して、フィルム同士の密着を防止した。
【0199】
製造方法3
製造方法1と同様に行った。但し、延伸条件は以下のように変更した。同時二軸延伸テンターを用いて剥離したウェブの両端をクリップで掴み、クリップ間隔を巾方向と流延方向(長さ方向)に同時に変化させることで、120℃で巾方向に1.05倍、流延方向(長さ方向)に1.4倍延伸した。延伸終了後、一旦、フィルム温度を80℃まで冷却した後、周速の異なるローラーを用いて130℃で長さ方向に1.1倍延伸した。
【0200】
《セルロース樹脂》
セルロース樹脂1:アセチル基置換度2.65のセルロースアセテート(数平均分子量170000)
セルロース樹脂2:アセチル基置換度2.92のセルロースアセテート(数平均分子量200000)とアセチル基置換度2.45のセルロースアセテート(数平均分子量100000)を混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.65となるように調整した。
【0201】
セルロース樹脂3:アセチル基置換度2.51のセルロースアセテート(数平均分子量150000)とアセチル基置換度2.86のセルロースアセテート(数平均分子量180000)を混合し、混合後の平均アセチル基置換度が2.65となるように調整した。
【0202】
セルロース樹脂4:アセチル基置換度2.10、プロピオニル基置換度0.80(数平均分子量120000)
セルロース樹脂5:アセチル基置換度1.80、プロピオニル基置換度0.90(数平均分子量120000)
セルロース樹脂6:アセチル基置換度2.92のセルロースアセテート(数平均分子量200000)
セルロースエステルの数平均分子量は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定した。測定条件は以下の通りである。
【0203】
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した。)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/lmin
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard
ポリスチレン(東ソー(株)製)の数種の分子量を用意し校正曲線を作成してセルロースエステルの数平均分子量に換算した。
【0204】
《支持体のリターデーション(Ro(nm)、Rt(nm)、Rt/Ro)測定》
自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下での、波長が590nmにおけるリターデーションの角度特性測定より値を得た。
【0205】
【表1】
【0206】
表2に示す構成とし光学異方体を作製するため、表1の透明樹脂フィルム支持体試料に必要に応じ以下の様にプラズマ処理を行った。又別の試料には必要に応じ、プラズマ処理に代わり下記に示す様に有機酸含有ポリマー層を塗設した。
【0207】
〈プラズマ処理〉
装置:連続大気圧プラズマ放電処理装置(図2に示すもの)
電源:ハイデン研究社製PHF−4K
電源周波数:10kHz
電源出力:400W/m2
処理ガス:アルゴン:酸素:水素=10:1:0.38(圧力比)の割合となるようにマスフローコントローラで流量を制御し、ミキサーで混合したものを処理室へ導入した。処理時間は60秒とした。
【0208】
〈有機酸基含有ポリマー層の塗設〉
酢酸ビニル:無水マレイン酸:マレイン酸=2:1:1(モル比)の共重合体50gを無水アセトン500gと酢酸エチル500g中に溶解し、透明支持体に乾燥膜厚が100nmとなるようにワイヤーバーで搬送しながら塗布し、100℃2分間乾燥ゾーンで処理して乾燥した。そして搬送されたフィルムを巻き取った。
【0209】
さらに以下に示す溶出ブロック層1或いは2を表2に従い塗設した。
〈溶出ブロック層1の作製〉
長尺ロール上の透明支持体上に下記活性線硬化層用塗布組成物を搬送しながら、ワイヤーバー塗布を行い、乾燥し、窒素雰囲気下200mJ/cm2(365nmの光量)の紫外線を照射して硬化して、搬送されたフィルムを巻き取った。硬化後の溶出ブロック層の膜厚は3μmであった。
【0210】
〈溶出ブロック層2の作製〉
透明支持体上に下記ポリマー塗布液を調製し、乾燥膜厚が0.2μmとなるようにワイヤーバー塗布して乾燥した。
【0211】
さらに溶出ブロック層の上に下記の配向層を塗設した。
【0212】
〈配向層の塗設および偏光紫外線の照射〉
2質量%のPA−1のメチルエチルケトン溶液を調製し、透明支持体上に塗設された溶出ブロック層上に乾燥膜厚が50nmとなるように搬送しながら押し出しコーティング機で塗布し、乾燥後110℃で90秒間搬送しながら熱処理した。これに250mWの高圧水銀灯で石英凸レンズを用いて出射光を平行として、ポラロイド社製紫外線用偏光フィルム(HNP’B)を透過して偏光とした。透明支持体上に対する300nm〜330nmの波長域の偏光照射光量として光学異方層にLC−1を用いるときは25mJ/cm2、光学異方層にLC−2を用いるときは12mJ/cm2となるように行い、露光後搬送されてフィルムを巻き取った。このとき、透明支持体の面内の最大屈折率方向が搬送方向と一致しており、光配向層に照射する紫外線の偏光方向は搬送方向と直交し、かつ照射面法線から該直交方向を含む方向に20°傾斜した角度で照射した。
【0213】
【化1】
【0214】
次いで以下の様に液晶化合物を塗布し配向させ光学異方層(液晶層1或いは2)を形成した。
【0215】
〈光学異方層(液晶層1)の塗設〉
透明支持体上に塗設された偏光照射処理済みの長尺フィルムの配向膜上に、LC−1(5g)を45gのクロロホルムに溶解させ10質量%の溶液を印刷法により塗布した。110℃の乾燥ゾーン内に搬送しながら乾燥し、配向のために110℃で累積時間が3分間となるように処理した後、20℃のゾーンで累積時間が90秒間となるようにフィルムを放冷して、LC−1を配向固定化した。これを室温下で搬送してフィルムを巻き取った。LC−1のガラス転移温度は90℃である。液晶層の膜厚は1.5μmであった。
【0216】
【化2】
【0217】
〈光学異方層(液晶層2)の塗設〉
透明支持体上に塗設された偏光照射処理済みの長尺フィルムの配向膜上に、LC−2を1.6g、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(M101;東亜合成(株)製)0.4g、及び光重合開始剤(イルガキュア907;チバ・ガイギー社製)0.01gを、3.65gのメチルエチルケトンに溶解して得られた塗布液を押し出しコーティング機で塗布した。
【0218】
乾燥と配向のために120℃の乾燥ゾーンに累積時間が3分間となるように加熱し、液晶化合物を配向させた。次に20℃かつ窒素雰囲気のゾーンに搬送し、高圧水銀灯を用いて照度500mJ/cm2の紫外線を照射し、架橋反応により配向を固定化した。搬送されたフィルムを室温下で巻き取った。液晶層の膜厚は1.2μmであった。
【0219】
【化3】
【0220】
以上のように、表2に示す光学異方体A〜Oを得た。
【0221】
【表2】
【0222】
得られた光学異方体試料A〜Oを用いて、以下の測定を行った。
《光学異方層の平均チルト角測定》
自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、光学異方体および光学異方体に用いた透明支持体のみのリターデーションの角度依存性(−40°〜+40°の範囲、測定は10°毎)を測定した。光学異方体は、光学異方層の最大屈折率を含む方向の測定を実施した。光学異方体全体のリターデーションの角度依存性に対して、対応する透明支持体の各角度成分のリターデーションの差を求めた。測定角度に依存するリターデーションの最大値を与える観測角度を光学異方層を構成する液晶化合物の平均チルト角とし表3に示した。
【0223】
本実施例では、試料の面に対する法線方向(0°)から最大値を与える観測角度がずれており、光学異方層の液晶分子が傾いていることを確認した。また、リターデーション値の最小値は、0でないため、液晶分子は厚さ方向に関して角度が変化していることを確認した。
【0224】
《光学異方層の配向膜側のチルト角測定》
実施例の透明支持体の代わりに1.5cm×2.5cmの透明ガラス基板を用いて、PA−1のメチルエチルケトン溶液を用いて乾燥膜厚が50nmとなるように塗布し前記と同様に偏光紫外線照射してそれぞれLC−1用、LC−2用に配向膜を塗設したガラス基板をそれぞれ2枚ずつ用意し、1枚の上にLC−1またはLC−2の液晶化合物と5μmの球形スペーサーを液晶化合物の等方性温度雰囲気下で配向膜上に塗設した。互いに配向方向が逆向きかつ平行となるようにもう一枚の配向済みガラス基板を液晶と接するように圧着し厚さが均一となるように調節して、周囲をシリコン樹脂で封止し硬化させた。これにより液晶化合物を含むガラスセルを作製した。前記光学異方体の作製と同様に作製したガラスセルを熱処理した。LC−1を含むガラスセルはそのまま室温に放冷した。一方、LC−2を含むガラスセルは紫外線硬化後、室温に放冷した。
【0225】
前記同様にリターデーションの角度依存性を測定したところ、平均チルト角は光学異方体より求めた表3に示す平均チルト角よりも対応する試料は全て高い値であり、50°以上であることを確認した。これより、光学異方体を構成する液晶化合物の厚さ方向のチルト角変化は、配向膜側に接するチルト角は高く、配向膜とは逆(空気界面)側ではチルト角が小さいかもしくは0°であることを確認した。この結果を基に図1に示すように4a、4bの液晶化合物のチルト角方向の概念を推察した。
【0226】
《視野角の評価》
NEC製LA−1529HM型のTFT−TN液晶パネルの偏光板を剥がしたのち、図1の構成に準じ(偏光子そのものの代わりに偏光板を用いた構成となる)、作製した光学異方体をそれぞれ駆動用液晶セルに角度を合わせて配置し、剥がした偏光板を同じ角度で再配置した。各々の試料についてパソコンでモニターを駆動し、白色/黒色表示時のコントラスト比をELDIM社のEz−Contrastを用いて測定し、上下左右について、コントラストが10以上を示す液晶パネルの法線方向からの角度をそれぞれ測定し視野角とした。
【0227】
【表3】
【0228】
本発明の光学異方体は、本発明内の透明支持体と光学異方層を含むことにより、液晶ディスプレイの視野角特性を従来にない程著しく改良できることは明白である。
【0229】
実施例2
実施例1の光学異方体Aにおいてプラズマ処理を行わないで、それ以外は同様にA′を作製した。光学特性は全く同じであった。
【0230】
実施例1のKにおいて有機酸基含有ポリマー層を設置しないで、それ以外は同様にK′を作製した。光学特性は全く同じであった。
【0231】
これらの試料A、A′K、K′について、以下の密着性試験を行った。
JIS K 5400に準拠した碁盤目試験を行い密着性について試験を行った。具体的には塗布面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤目を100個つくった。この上にセロハンテープを貼り付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った碁盤目の数をmとした。
【0232】
○ 0≦m≦30 密着性が高く優れている。
△ 31≦m≦50 若干剥離するが実用上問題がないレベル。
【0233】
× 51≦m≦100 剥離が目立ち実用上問題がある。
試料No. A A′ K K′
密着性 ○ △ ○ △
以上の結果より、透明支持体上にプラズマ処理を施すこと、あるいは有機酸基含有ポリマー層を設置することにより本発明の光学異方体の密着性が向上することは明らかである。
【0234】
実施例1の他の試料においてもプラズマ処理あるいは有機酸基含有ポリマー層の設置の効果を同様に比較を行ったところ、密着性の向上が認められた。
【0235】
実施例3
支持体4の製造において、エチルフタリルエチルグリコレート5質量部およびトリフェニルフォスフェイト3質量部を添加せずにそれ以外は支持体4と同様に製造方法1に従い支持体4′を作製した。これに、表2のHと同様な層構成を有する光学異方体H′を作製した。光学異方体HとH′を1m×50cmのサイズに裁断し80℃90%RH雰囲気下で50時間劣化試験を行った。光学異方体における透明支持体の面内の最大屈折率を与える方向の寸法変化を上記劣化処理前後で比較を行った。
【0236】
以上の結果より、透明支持体への可塑剤添加は寸法変化が軽減できる点でより好ましい。特に光学特性が重要な液晶表示装置に光学異方体を用いる場合は、寸法変化による光学特性の変化が小さいことが望ましいことは明らかである。
【0237】
実施例1の他の試料でも同様に試料を作製し評価したところ全ての試料において寸法変化が軽減できた。
【0238】
実施例4
以下の方法により偏光板保護フィルムを作製した。
【0239】
上記組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温し撹伴しながら完全に溶解してドープ組成物を得た。次にこのドープ組成物を濾過し、冷却して35℃に保ちステンレスバンド上に均一に流延し、剥離が可能になるまで溶媒を蒸発させたところで、ステンレスバンド上から剥離した。剥離後の残留溶媒量50質量%〜5質量%の間の乾燥ゾーン内でテンターによって幅保持しながら乾燥を進行させ、さらに、多数のロールで搬送させながら残留溶媒量1質量%以下となるまで乾燥させ、膜厚80μmのフィルムを得た。
【0240】
《偏光板の作製》
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で4倍に延伸して偏光子を作製した。この偏光子の両面に60℃で2モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に2分間浸漬し水洗した後100℃で10分間乾燥した80μmの上記偏光板保護フィルムを完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液の粘着剤を用いて貼り合わせ偏光板を作製した。
【0241】
実施例1で作製した各々の光学異方体と上記偏光板を、偏光板の透過軸に対して光学異方体の透明支持体の面内最大屈折率を与える方向が平行になり、かつ光学異方層が偏光板保護フィルム側になるようにアクリル系接着剤を用いて貼合した。
【0242】
一方、実施例1で作製した透明支持体の紫外線吸収剤であるチヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)にかえて2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンを2質量部添加して同様に光学異方体を作製し上記偏光板と同様に貼合した。
【0243】
また、紫外線吸収剤を添加しない以外同様にして光学異方体を作製し上記偏光板と同様に貼合した。
【0244】
これらの光学異方体を貼合した偏光板を、光学異方体を配置した側からフィルム面の法線方向よりキセノンロングライフウェザーメーターで照度7万ルクス、40℃で500時間強制劣化を行った。これらの光学異方体を貼合した偏光板を実施例1と同様の構成になる様に液晶ディスプレイに設置した。劣化試験前は全ての試料で液晶ディスプレイの白表示、および黒表示であった。
【0245】
光学異方体の透明支持体にチヌビン326、チヌビン109、チヌビン171を含む試料、および2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノンを含む試料は、劣化試験後でも白黒表示に変化は認められなかった。また実施例1と同様な視野角特性を示した。しかしながら、光学異方体の透明支持体に紫外線吸収剤を含まない試料は、劣化試験により白黒表示がやや劣化し、特に黒表示時に光が若干漏れるためにコントラストの低下が認められた。
【0246】
このことより、光学異方体の透明支持体に紫外線吸収剤を含むことは耐久性を向上する点でより好ましいことが判明した。
【0247】
実施例5
実施例4で作製した偏光子に偏光板保護フィルムを貼合した偏光板について、液晶セル側となる偏光板保護フィルムを本発明実施例1で作製した光学異方体D、L、Mにかえて偏光板を作製した。すなわち光学異方体D、L、Mをそれぞれ2モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液に60℃で2分間浸漬し水洗を行った後、100℃で10分間乾燥し、次いで、光学異方体の異方層を有する側が偏光子側になるようにアクリル系接着剤を用いて、偏光子の透過軸が光学異方体の支持体の最大屈折率を与える方向と一致するようにして、貼合し、それぞれ偏光板とした。
【0248】
これらの光学異方体D、L、Mを用い作製した偏光板を用い実施例1と同様にして、NEC製LA−1529HMのTFT−TN液晶パネルの偏光板を剥がした後、これに代えて上記光学異方体D、L、Mを用い作製した偏光板を光学異方体と液晶セルのラビング方向をあわせて組み込んだ。実施例1および実施例4と同様に液晶ディスプレイの白色/黒色表示時のコントラスト比、上下左右の視野角について評価したところ本発明の効果が確認された。
【0249】
【発明の効果】
液晶ディスプレイに用いられる視野角特性の高度な補償性能を備えた光学異方体およびそれらを備えた液晶表示装置が提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学異方体を配置した液晶表示装置の一例を示す概念図。
【図2】連続大気圧プラズマ放電処理装置。
【符号の説明】
1、1′ 偏光子
2、2′ 偏光子の透過軸
3、3′ 光学異方層
4、4′ 液晶化合物の配向方向
4a、4b 液晶化合物のチルト方向の概念図
5、5′ 透明支持体
6、6′ 透明支持体の面内における最大屈折率方向
7 液晶セル
8 液晶セルの上部基板のラビング(チルト)方向
8′ 液晶セルの下部基板のラビング(チルト)方向
9、9′ 光学異方体
10 透明樹脂基板
11 前室
12 反応室
13、14 電極
15 電源
16 アース
17 ニップロール
18 処理ガスの導入口
19 処理ガスの排出口
20、21、22 搬送ロール
L 電極間隔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optically anisotropic body that has an optically anisotropic layer formed by coating a liquid crystal compound on a resin film and that can improve the viewing angle characteristics, and a liquid crystal display device that includes them.
[0002]
[Prior art]
As personal computers have become multimedia, color display has become common in laptop personal computers. In laptop computers, STN liquid crystal displays and TFT liquid crystal displays are mainly used. In recent years, liquid crystal displays have been increased in size, and advanced improvement in viewing angle characteristics has been demanded. Therefore, there is a demand for an optical anisotropic body having higher compensation performance than before.
[0003]
Since the STN liquid crystal display is a display element using a birefringence mode, it has a big problem that it is colored by a phase difference generated in the liquid crystal and cannot be displayed in black and white or in color. In order to solve such a problem, a D-STN method (a method using a liquid crystal cell for compensation) has been tried. However, in this method, in terms of “thin and light” which is a characteristic of a liquid crystal display, The manufacturing process of the compensation liquid crystal cell requires a high accuracy and has a problem in that the yield is poor.
[0004]
As a method for solving these problems, various proposals have been made. For example, JP-A 63-149624 proposes an F-STN method using a stretched resin film, and JP-A 3-87720. In Japanese Patent Laid-Open No. 4-333019, in order to maintain the compensation performance of the D-STN method and reduce its mass and thickness, color compensation is performed using a film in which a liquid crystalline polymer is twisted and oriented. A way to do it has been proposed. The retardation compensation plate of this liquid crystal display is composed of a translucent substrate, an alignment film formed on the substrate, and a liquid crystal polymer layer fixed in a twisted alignment state on the alignment film. .
[0005]
Furthermore, recently, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-191217, as a viewing angle compensation of a TFT-TN liquid crystal display, a discotic liquid crystal film is disposed on the upper and lower surfaces of the liquid crystal cell. Attempts have been made to improve the viewing angle characteristics. The compensation film for a TN type liquid crystal display is optically almost isotropic like the phase difference compensation plate of the liquid crystal display described in JP-A-3-87720 and JP-A-4-333919. An optically anisotropic layer in which a liquid crystal compound is aligned on the resin film.
[0006]
However, the improvement in viewing angle characteristics is not sufficient, and the development of new optical anisotropic bodies is required.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, the present invention solves the above-mentioned problems, and is formed by coating a liquid crystal compound on a transparent support made of an optical film produced by stretching a novel resin film. By using an optical anisotropic body in which the optical characteristics of the optical film and the optical anisotropic layer are harmonized by an optical film provided with an optical anisotropic layer, an optical anisotropic body that can improve the viewing angle characteristics that has not been conventionally obtained. And providing a liquid crystal display device including the same.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is as follows.(1) to (11)This is achieved by the following
(1) In an optical anisotropic body having a photo-alignment layer on a transparent support and an optical anisotropic layer adjacent to the photo-alignment layer and in which the orientation of the liquid crystal compound is fixed, the optical characteristics of the support are 41 nm. ≦ Ro ≦ 95 nm, 0.8 ≦ (Rt / Ro) ≦ 1.4, and satisfy nx>ny> nz.
Here, Ro and Rt indicate retardation values of the transparent support.
Ro = (nx−ny) × d
Rt = ((nx + ny) / 2−nz) × d
(Nx is the refractive index in the x direction which is the maximum refractive index direction in the plane of the transparent support, ny is the refractive index in the y direction which is the direction in the plane of the support perpendicular to the x direction, and nz is in the thickness direction. (This is the refractive index of the support, and d is the thickness (nm) of the support.)
(2) The optically anisotropic body according to (1), wherein the transparent support is a cellulose ester resin.
(3) The optically anisotropic layer according to (1) or (2), wherein the optically anisotropic layer has an average inclination angle of 15 ° or more and 50 ° or less with respect to the surface of the transparent support. .
(4) The optical anisotropy according to (3), wherein the tilt angle of the liquid crystal compound constituting the optical anisotropic layer changes with respect to the thickness direction, and the tilt angle increases or decreases from the alignment layer side. body.
(5) Any one of (1) to (4), wherein a direction in which the maximum refractive index direction of the optically anisotropic layer is projected onto the transparent support surface is substantially equal to the ny direction of the transparent support. 1. An optical anisotropic body according to
(6) The optical anisotropic body according to any one of (1) to (5), wherein at least one elution block layer is provided between the transparent support and the alignment layer.
(7) The optical anisotropic body according to (6), wherein the elution block layer is composed of an actinic radiation curable resin, and is an elution block layer obtained by curing the curable resin by irradiation with the actinic radiation.
(8) Any one of (1) to (7), wherein the photo-alignment layer is irradiated with polarized ultraviolet rays.The optical anisotropic body described.
(9) The optical anisotropic body according to (8), wherein the material constituting the photo-alignment layer undergoes a photodimerization reaction by irradiation with polarized ultraviolet rays.
(10) A liquid crystal display device comprising the optical anisotropic body according to any one of (1) to (9).
(11) The liquid crystal display device according to (10) includes a driving liquid crystal cell including a pair of transparent substrates provided with electrodes and a nematic liquid crystal, and an upper polarizer and a lower polarization arranged above and below the substrate. A twisted nematic liquid crystal display device including a polarizer, wherein the substrate is between the substrate and the upper or lower polarizer, or between the substrate and the upper and lower polarizers (1) to ( 9) A liquid crystal display device comprising at least one optical anisotropic body described in any one of 9).
[0009]
1. In an optical anisotropic body having a photo-alignment layer on the transparent support and an optical anisotropic layer adjacent to the photo-alignment layer and in which the alignment of the liquid crystal compound is fixed, the optical characteristics of the support are 41 nm ≦ Ro ≦ An optical anisotropic body characterized by satisfying 95 nm, 0.8 ≦ (Rt / Ro) ≦ 1.4, and satisfying nx> ny> nz.
Here, Ro and Rt indicate retardation values of the transparent support.
[0010]
Ro = (nx−ny) × d
Rt = ((nx + ny) / 2−nz) × d
nx is the refractive index in the x direction which is the maximum refractive index direction in the plane of the transparent support, ny is the refractive index in the y direction which is the direction in the support plane perpendicular to the x direction, and nz is the thickness direction in the thickness direction. The refractive index of the support, and d is the thickness (nm) of the support.
[0011]
2. The transparent support is produced by a production method in which a resin solution containing a solvent is cast on a belt or drum, peeled off from the belt or drum with the solvent remaining, and then stretched while drying. The refractive index in the casting direction of the transparent support is substantially equal to nx, and the refractive index in the direction in the plane of the support perpendicular to the casting direction is substantially equal to ny. 2. The optical anisotropic body according to 1 above, wherein
[0012]
3. 3. The optical anisotropic body according to 1 or 2, wherein the transparent support is a cellulose ester resin.
[0013]
4). 4. The optical anisotropic body according to 3 above, wherein the cellulose ester resin has an acetyl group substitution degree of 2.50 or more and 2.86 or less.
[0014]
5. The cellulose ester resin has a substitution degree of acetyl group of 2.40 or more and 3.00 or less, and at least two kinds of cellulose esters are mixed, and an average substitution degree of acetyl group after mixing is 2.50 or more and 2.86 or less. 4. The optical anisotropic body as described in 3 above.
[0015]
6). The cellulose ester resin has at least one cellulose ester having an acetyl group substitution degree of 2.60 or more and 3.00 or less and at least one cellulose ester having an acetyl group substitution degree of 2.40 or more and less than 2.60. 4. The optically anisotropic body according to 3 above, wherein the average acetyl group substitution degree after mixing is 2.50 or more and 2.86 or less.
[0016]
7. 4. The optically anisotropic body according to 3 above, wherein the cellulose ester resin satisfies the following conditional expression when the substitution degree of acetyl group of the cellulose ester resin is A and the substitution degree of propionyl group is B.
[0017]
(I) 2.0 ≦ (A + B) ≦ 3.0
(II) A <2.4
8). 4. The optically anisotropic body according to 3 above, wherein the cellulose ester resin satisfies the following conditional expression when the substitution degree of acetyl group of the cellulose ester resin is A and the substitution degree of propionyl group is B.
[0018]
(III) 2.4 ≦ (A + B) ≦ 2.8
(IV) 1.4 ≦ A ≦ 2.0
9. The plasticizer is 2 or more and 15% by mass or less and the ultraviolet absorber is 0.01 or more and 3% by mass or less with respect to the resin constituting the transparent support, 9. Optical anisotropic body.
[0019]
10. 10. The optical anisotropic body according to 9, wherein the ultraviolet absorber is a benzotriazole derivative or a benzophenone derivative.
[0020]
11. The liquid crystal compound is a polymer liquid crystal compound exhibiting positive birefringence, and after being processed and aligned at a temperature equal to or higher than the glass transition temperature of the liquid crystal compound, the temperature is lowered to the glass transition temperature or lower to align the liquid crystal compound. 11. The optical anisotropic body as set forth in any one of 1 to 10, wherein is fixed.
[0021]
12 The liquid crystal compound is a polymerizable low-molecular liquid crystal compound exhibiting positive birefringence, and after being subjected to alignment treatment by treatment at a temperature equal to or higher than the liquid crystal transition temperature, it is derived from the liquid crystal compound by a curing reaction by irradiation with active rays. 11. The optical anisotropic body as set forth in any one of 1 to 10, wherein the orientation is fixed.
[0022]
13. 13. The optical anisotropic body as described in 12 above, wherein the actinic ray is ultraviolet light and a curing reaction is carried out in combination with an ultraviolet light initiator.
[0023]
14 14. The optical anisotropic body according to any one of 1 to 13, wherein a layer is provided by preparing a solution in which the liquid crystal compound is dissolved in an organic solvent, and applying and drying the solution.
[0024]
15. 15. The optical anisotropic body according to any one of 1 to 14, wherein the optical anisotropic layer has an average inclination angle of 15 ° to 50 ° with respect to the transparent support surface.
[0025]
16. 16. The optical anisotropic body as described in 15 above, wherein the tilt angle of the liquid crystal compound constituting the optical anisotropic layer changes with respect to the thickness direction, and the tilt angle increases or decreases from the alignment layer side.
[0026]
17. The optical anisotropy according to any one of 1 to 16, wherein a direction in which the maximum refractive index direction of the optically anisotropic layer is projected onto the transparent support surface is substantially equal to the ny direction of the transparent support. Cuboid.
[0027]
18. 18. The optical anisotropic body according to any one of 1 to 17, wherein at least one elution block layer is provided between the transparent support and the alignment layer.
[0028]
19. The elution block layer-coated surface of the transparent support is plasma-treated or coated with an organic acid group-containing polymer, and a mixed solvent composed of 30% by mass of water and at least one organic solvent is formed thereon. 19. The optical anisotropic body as described in 18 above, wherein the elution block layer composed of a nonionic polymer that dissolves is coated.
[0029]
20. 19. The optical anisotropic body as set forth in 18 above, wherein the elution block layer is composed of an actinic radiation curable resin, and is an elution block layer obtained by curing the cured resin by irradiation with the actinic radiation.
[0030]
21. 21. The optical anisotropic body according to any one of 1 to 20, wherein the photo-alignment layer is irradiated with polarized ultraviolet rays.
[0031]
22. 22. The optical anisotropic body as described in 21 above, wherein the material constituting the photo-alignment layer undergoes a photodimerization reaction by irradiation with polarized ultraviolet rays.
[0032]
23. It is long, and the optically anisotropic transparent support is manufactured while being wound up in a step in which the solution is cast and dried while being dried, and the layer coated on the transparent support is conveyed. 23. The optical anisotropy according to any one of 1 to 22, wherein the optical anisotropic layer is manufactured by applying and drying the coating liquid while being irradiated and irradiated with ultraviolet rays while being transported after the coating and drying. body.
[0033]
24. 24. A liquid crystal display device comprising the optical anisotropic body according to any one of 1 to 23 above.
[0034]
25. 25. The liquid crystal display device according to 24, which includes a pair of transparent substrates provided with electrodes and a driving liquid crystal cell including a nematic liquid crystal, and includes an upper polarizer and a lower polarizer disposed above and below the substrate. 24. A twisted nematic liquid crystal display device according to any one of 1 to 23 above, between the substrate and one of the upper and lower polarizers, or between the substrate and each of the upper and lower polarizers. A liquid crystal display device comprising at least one optical anisotropic body as described above.
[0035]
26. One optical anisotropic body is disposed on each of the upper and lower sides of the liquid crystal cell in the direction in which the transparent support surface of the optical anisotropic body contacts the substrate closest to the liquid crystal cell, and the optical anisotropic body is transparently supported. 26. The liquid crystal display device as described in 25 above, wherein the maximum refractive index direction of the body is arranged in a direction substantially perpendicular to the rubbing direction of the substrate closest to the liquid crystal cell.
[0036]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The optically anisotropic layer referred to in the present invention is a layer containing a liquid crystal compound, and is fixed by a temperature difference or a chemical reaction in a state where the liquid crystal compound is aligned by being adjacent to the photo-alignment layer.
[0037]
The optically anisotropic layer of the present invention is formed by including the optically anisotropic layer and the transparent support, or by forming a photoalignment layer and at least one elution block layer between the optically anisotropic layer and the transparent support. Let it be the body.
[0038]
When applying a liquid crystal compound to obtain optical anisotropy, a photo-alignment film is placed on a transparent support, the alignment direction is determined by irradiation with polarized ultraviolet light, and the liquid crystal compound is applied and aligned. be able to.
[0039]
As the photo-alignment material used for producing the photo-alignment layer of the present invention, generally known photo-alignment materials can be used. For example, photodecomposition type, photodimerization type, photoisomerization type and the like can be mentioned. Hasegawa, Liquid Crystal Vol. 3 (1), 3-16 (1999) can be referred to. In the present invention, it is particularly preferable from the viewpoint of productivity to use a photodimerization type alignment material to which orientation is imparted by irradiation with polarized ultraviolet rays.
[0040]
Examples of the above-mentioned photodimerization type alignment material include, for example, JP-A-8-304828, JP-A-7-138308, JP-A-6-095066, JP-A-5-232473, JP-A-8-015681, JP-A-9-222605, JP-A-6-287453, JP-A-6-289374, JP-A-10-506420, JP-A-10-324690, JP-A-10-310613, and the like.
[0041]
By irradiating polarized ultraviolet rays to the photo-alignment layer by these methods, it is possible to impart orientation to the liquid crystal. As the light source as the light irradiation device, an ultrahigh pressure mercury lamp, a xenon lamp, a fluorescent lamp, a laser, or the like can be used. This can be combined with a polarizer to irradiate linearly polarized light. As the irradiation apparatus, for example, an apparatus disclosed in JP-A-10-90684 can be used.
[0042]
Further, the photo-alignment layer according to the present invention may be coated on a transparent support using a coating solution containing a photo-alignment material and dried to form a coating film. A long film that is coated while transporting the layer and a long film that is irradiated with the polarized ultraviolet rays to determine the orientation direction while transporting are preferred. In general, a rubbing-treated alignment film that is generally rubbed requires careful management for stable production because the rubbing requires removal of dust during production and stable management of the rubbing state due to deterioration of the rubbing cloth. However, such a problem does not occur in the photo-alignment technique. Moreover, when producing a long optical anisotropic body, the maximum refractive index (nx) direction in the surface of the transparent support body which comprises the optical anisotropic body of this invention corresponds with the conveyance direction of a long film. In the optical anisotropic body of the present invention, the alignment direction of the liquid crystal compound in the optical anisotropic layer is substantially orthogonal to the maximum refractive index (nx) direction of the transparent support in the film plane (that is, coincides with the ny direction). Is effective. The term “substantially orthogonal” means a range of 90 ° ± 2 °, and preferably 90 ° (the same as the direction of ny means the direction of ny and the orientation of the liquid crystal compound in the optically anisotropic layer within the range of ± 2 °. It is that the deviation of the direction is subsided, and preferably still coincides.) At this time, it is substantially difficult to install a general alignment layer and perform a rubbing treatment in a direction orthogonal to the conveying direction of the long film. However, the photo-alignment technique is a method suitable for production, in which even when the liquid crystal compound is aligned in a direction orthogonal to the transport direction, it is only necessary to adjust the polarization direction of irradiation.
[0043]
Among the photo-alignment techniques, the photodimerization type can impart alignment to the liquid crystal even when the ultraviolet energy is relatively low compared to the photodecomposition type. In particular, when the photodimerization reaction is carried out by irradiating with linearly polarized light of ultraviolet rays, the photodimerization reaction proceeds by selecting the polarization direction, which contributes to the alignment of the liquid crystal.
[0044]
The photodimerized polyvinyl cinnamate derivative is different from the first irradiated polarization direction when the liquid crystal compound placed on the photo-alignment layer is oriented at right angles to the polarization direction of polarized ultraviolet rays, Two or more exposures with different polarization directions and different angles are required. On the other hand, as represented by a compound having a coumarin molecular unit or a chalcone unit in a polymer, a system in which a liquid crystal compound placed on the photo-alignment layer is aligned in parallel with the polarization direction of polarized ultraviolet rays irradiated to the photo-alignment layer In the case where a pretilt is given to the liquid crystal compound, polarized ultraviolet rays need only be exposed in one predetermined direction, which is preferable from the viewpoint of production efficiency.
[0045]
As a polarization separation function as disclosed in JP-A-10-90684, when an apparatus using a Brewster angle of a quartz plate is used, when the extinction ratio is remarkably increased, for example, the extinction ratio is 50: 1 or more. In some cases, the number of quartz plates increases too much and the apparatus becomes large, and an unnecessarily extinction ratio is not particularly required. If the extinction ratio of polarized ultraviolet rays is 2: 1 or more, the orientation direction of the liquid crystal compound can be determined, but the extinction ratio is preferably 5: 1 or more, more preferably 9: 1 or more and 21: 1 or less. Here, the extinction ratio is an energy ratio of (necessary polarization) :( light in an unnecessary direction).
[0046]
Next, the liquid crystal compound used in the present invention will be described.
The liquid crystal compound in the present invention is not particularly limited as long as the liquid crystal compound can be aligned on the alignment layer, and the alignment provides optical anisotropy without light scattering in the visible light region. Is required.
[0047]
When the liquid crystal compound in the present invention is a polymer liquid crystal, for example, Japanese Patent Registration Nos. 2592694, 2668735, 2711585, 2660601, JP-A Nos. 10-186356, 10-2020637, and 10-333134. A compound having a structure of the following can be used, and those having optically positive birefringence are particularly preferable.
[0048]
Examples of the liquid crystal compound other than the polymer liquid crystal in the present invention generally include a rod-like liquid crystal compound, and a liquid crystal compound exhibiting optically positive birefringence is preferable. More preferably, a positive birefringent liquid crystal compound having an unsaturated ethylenic group is preferable from the viewpoint of fixing the alignment. For example, compounds having structures described in JP-A Nos. 9-281480 and 9-281814 may be used. Although it is possible, it is not particularly limited.
[0049]
The structure of the liquid crystal compound in the present invention is not particularly limited, but the liquid crystal compound may be chemically reacted in a state where liquid crystal molecules are aligned in order to develop optical anisotropy or the alignment is fixed by a temperature difference. It is required to be used in a state where the orientation of is fixed. An alignment film as described above can be placed on a transparent resin substrate, and a liquid crystal compound can be applied thereon for orientation. The alignment treatment of the liquid crystal compound is required to be heated to a temperature higher than the liquid crystal transition temperature, and the temperature is preferably treated at a temperature not changing the quality of the transparent resin substrate.
[0050]
Further, when the liquid crystal compound is diluted with a solvent and applied, the alignment treatment of the liquid crystal compound can be performed at a temperature lower than the liquid crystal transition temperature without heating.
[0051]
When the liquid crystal compound used in the present invention is a liquid crystalline polymer, the compound structure includes a main chain type liquid crystalline polymer such as polyester, polyimide, polyamide, polyester, polycarbonate, and polyesterimide. Further, a side chain type liquid crystalline polymer such as polyacrylate, polymethacrylate, polysiloxane, polymalonate or the like may be used.
[0052]
Liquid crystal compounds, alignment materials, organic acid group-containing polymers, and materials that make up the elution block layer can be applied by using a solution in which a liquid crystal compound or alignment film material is dissolved in an organic solvent, curtain coating, extrusion coating, roll coating. , Dip coating, spin coating, printing coating, spray coating, wire bar coating, slide coating, and the like, but are not limited thereto.
[0053]
When a solution containing a liquid crystal compound is applied, the solvent can be dried and removed after application to obtain a liquid crystal layer having a uniform film thickness. The liquid crystal layer can fix the orientation of the liquid crystal by the action of heat or light energy, or by a chemical reaction using a combination of heat and light energy. In particular, monomeric liquid crystal compounds that are not polymer liquid crystal compounds generally have low viscosity, and the orientation of the liquid crystal is likely to change due to external thermal factors. Therefore, the photopolymerization initiator is used to convert the polymerizable liquid crystal compound into a photoradical reaction, etc. And can be fixed by carrying out a curing reaction.
[0054]
In the present invention, in order to fix the alignment of the liquid crystal compound, when an ethylenically unsaturated group is used as the polymerizable group, the reaction activity can be increased by using a photopolymerization initiator, and the curing time during production can be increased. It can be shortened. In order to generate radicals, electron beams, ultraviolet rays, visible rays, and infrared rays (heat rays) can be used as necessary, but in general, ultraviolet rays are preferred. Low-pressure mercury lamps (sterilization lamps, fluorescent chemical lamps, black lights), high-pressure discharge lamps (high-pressure mercury lamps, metal halide lamps), and short arc discharge lamps (ultra-high-pressure mercury lamps, xenon lamps, mercury xenon lamps) Can be mentioned. For example, those that generate near-ultraviolet rays such as high-pressure mercury lamps and metal halide lamps are preferable, and those that can strongly absorb near-ultraviolet rays are preferable as photopolymerization initiators, and the maximum value of the molar extinction coefficient for light of 360 nm to 450 nm is 100 or more. Furthermore, 500 or more are preferable.
[0055]
On the other hand, radical polymerization initiators for the polymerization reaction of ethylenically unsaturated groups include, for example, azobis compounds, peroxides, hydroperoxides, redox catalysts, such as potassium persulfate, ammonium persulfate, tert-butyl peroctoate, benzoyl Peroxide, isopropyl percarbonate, 2,4-dichlorobenzoyl peroxide, methyl ethyl ketone peroxide, cumene hydroperoxide, dicumyl peroxide, azobisisobutyronitrile, 2,2'-azobis (2-amidinopropane) Hydrochloride or benzophenones, acetophenones, benzoins, thioxanthones and the like can be mentioned. Details thereof are described in “Ultraviolet Curing System” General Technical Center, pages 63 to 147, 1989, and the like.
[0056]
For the polymerization of compounds having an epoxy group, allyl diazonium salts (hexafluorophosphate, tetrafluoroborate), diallyl iodonium salts, group VIa allylonium salts (PF) are used as UV-activated cationic catalysts.6, AsF6, SbF6An allylsulfonium salt having an anion such as
[0057]
In addition, when performing a curing reaction using a radical reaction, irradiation with the active ray in a nitrogen atmosphere in order to avoid a delay in the polymerization reaction due to the presence of oxygen in the air reduces the reaction time and reduces the amount of light. This is preferable in that it can be cured.
[0058]
In order to cure the liquid crystal compound by utilizing these reactions, it is important to select a monomeric liquid crystal compound that is not a polymer liquid crystal compound having a reactive group introduced in the liquid crystal compound. This curing reaction can fix the alignment of the liquid crystal.
[0059]
On the other hand, when the liquid crystal compound is a polymer liquid crystal, the curing reaction by the above chemical reaction may not be performed to fix the alignment of the liquid crystal. This is because when the transparent resin substrate has a glass transition temperature of the polymer liquid crystal compound in a temperature range in which the transparent resin substrate is not altered by heat, for example, 90 ° C. or more, and the liquid crystal transition temperature is present, the polymer liquid crystal is applied onto the alignment film. After being installed, after heating and aligning within the liquid crystal transition temperature range, the alignment of the liquid crystal is maintained by allowing to cool at a temperature lower than the glass transition temperature, for example, room temperature.
[0060]
In addition, when the glass transition temperature of the polymer liquid crystal is higher than the heat resistance temperature of the support, the alignment film is placed on the heat resistant support and the polymer liquid crystal is applied. It can be heated and oriented. This is allowed to cool to room temperature to fix the orientation of the polymer liquid crystal, and then transferred to the support of the present invention using an adhesive to produce an optical anisotropic body.
[0061]
The optical anisotropic layer of the optical anisotropic body of the present invention improves the viewing angle characteristics of the liquid crystal display. Therefore, the thickness of the optical anisotropic layer depends on the birefringence of the liquid crystal compound constituting the optical anisotropic layer and the orientation of the liquid crystal compound. Although depending on the state, the film thickness is 0.2 μm or more and 5 μm or less, preferably 0.4 μm or more and 3 μm or less. If the optical anisotropic layer is thinner than this, it is difficult to obtain the desired optical anisotropy. On the other hand, if the optical anisotropic layer is thicker than the aforementioned range, the optical anisotropy is more than necessary and the viewing angle is changed. In many cases, the properties are easily deteriorated, and as another problem, the optical anisotropic body is easily curled.
[0062]
In the present invention, at least one optically anisotropic layer can be provided on the transparent support. Various types of liquid crystal display modes have been commercialized, and optical characteristics suitable for the display can be designed as an optical anisotropic body that can optically compensate for this. When a plurality of optical anisotropic layers can be installed on a single transparent support, the liquid crystal compound contained in the optical anisotropic layer is oriented or the orientation of the liquid crystal compound is fixed. The orientation direction can be appropriately designed with optical characteristics suitable for the display. When two or more optically anisotropic layers are provided on the transparent support, a plurality of orientation layers and optically anisotropic layers can be provided repeatedly in the order of distance from the transparent support. This is because since the alignment direction is determined by the alignment film, the alignment film and the liquid crystal layer need to be adjacent to each other. When these layers are installed in multiple layers, an alignment layer is directly coated on the liquid crystal layer coated on the alignment layer, or an intermediate layer composed of other known resin layers is disposed on the alignment layer. And a liquid crystal layer can be provided on the plurality of alignment layers.
[0063]
In the present invention, since the transparent support has optical anisotropy, the liquid crystal layer coated on the support can be a single layer, which is preferable from the viewpoint of cost reduction and productivity.
[0064]
When the optical anisotropic body of the present invention is installed in a liquid crystal display device, an upper polarizer and a lower polarizer are usually arranged above and below a pair of substrates located on both sides of a driving liquid crystal cell. However, at this time, at least one optical anisotropic body of the present invention is installed between the substrate and one of the upper and lower polarizers or between the substrate and the upper and lower polarizers. In order to effectively realize the cost reduction viewpoint and the object of the present invention, it is preferable to install one optical anisotropic body of the present invention between each of the upper side and the lower side.
[0065]
When the liquid crystal display device is a twisted nematic type (TN type) liquid crystal display device in particular, the optical anisotropic body is arranged in the direction in which the transparent support surface of the optical anisotropic body contacts the substrate closest to the TN type liquid crystal cell, In addition, the object of the present invention is effectively exhibited when the maximum refractive index direction in the transparent support surface of the optical anisotropic body is arranged in a direction substantially orthogonal to the alignment direction of the nematic liquid crystal of the substrate closest to the liquid crystal cell. it can. “Substantially orthogonal” means a range of 90 ° ± 5 °, but is preferably 90 °.
[0066]
In the optically anisotropic layer of the present invention, the average inclination angle is preferably oblique when observed from the cross-sectional direction of the optically anisotropic layer, and the inclination angle is constant with respect to the thickness direction of the optically anisotropic layer. The orientation angle may change with respect to the thickness direction. In order to compensate for the viewing angle of the display, the average tilt angle varies depending on the design of the display, but is preferably 15 ° or more and 50 ° or less, particularly in a TN liquid crystal display device.
[0067]
More preferably, the tilt angle of the liquid crystal compound constituting the optically anisotropic layer changes with respect to the thickness direction, and the tilt angle changes by increasing or decreasing from the alignment film side. It is.
[0068]
The elution block layer according to the present invention will be described.
In order to improve the adhesion between the transparent support of the present invention and the alignment layer for aligning the optically anisotropic layer, it is preferable to provide an elution block layer.
[0069]
The elution block layer is a coating of an alignment material or a liquid crystal compound, and when forming an alignment layer and an optically anisotropic layer, when applied as an organic solvent solution, the alignment layer or liquid crystal compound is removed from the transparent support due to the presence of the organic solvent. It means that any of the compounds constituting the transparent support is prevented from eluting into the existing optical anisotropic layer. When an alignment layer or a liquid crystal compound layer is provided as a thin film, it is a preferable technique to prepare and apply an organic solvent solution of these compounds. However, in particular, transparent supports such as cellulose ester film supports are composed of a resin and often include a plasticizer. When a coating solution in which a resin or liquid crystal compound as an alignment layer is dissolved is applied to the support, It can be easily inferred that the resin or plasticizer is diffused by the organic solvent in the coating solution, and mixed dissolution between the layers of the components occurs.
[0070]
By installing a resin that dissolves in a solvent that is insoluble or difficult to dissolve in the organic solvent during this period, it is possible to suppress interlayer diffusion and interlayer mixing during the coating. Also, even if the compound is soluble in an organic solvent that dissolves the resin or plasticizer, applying an actinic radiation curable resin on a transparent substrate in the state of a monomer and carrying out a curing reaction simply applies the resin. Unlike the above, a layer having a large number of cross-linked structures can be installed, and when a resin or liquid crystal compound as an alignment layer is dissolved, diffusion between layers and contamination can be suppressed by coating. Thereby, the orientation of the liquid crystal compound constituting the optically anisotropic layer can be more stably produced.
[0071]
In addition to the purpose of preventing the elution of additives such as plasticizers and ultraviolet absorbers from the transparent support, this elution block layer improves the adhesion between the support and the optically anisotropic layer or alignment layer. A function to prevent peeling is also required. For this purpose, in the transparent resin substrate, providing a layer containing a water-soluble polymer, for example, an organic acid group-containing polymer, is advantageous from the viewpoint of improving the adhesion between the transparent support and the elution block layer. Is large and effective.
[0072]
The organic acid group-containing polymer includes, but is not particularly limited to, a structure having an organic acid group in the polymer side chain. Examples of the organic acid group include a —COOH group. Examples of such compounds are not particularly limited, but examples include structures represented by general formula [1] or general formula [2] described in JP-A-7-333436. The hydrogen of the —COOH group may be substituted with an ammonium cation or an alkali metal cation (sodium cation, lithium cation, etc.). Examples of the monomer unit constituting the polymer having an organic acid group include acrylic acid, methacrylic acid, itaconic acid, maleic acid, and fumaric acid. Further, after the maleic anhydride is made a high molecular weight as a copolymerization monomer, an organic acid group may be obtained by opening a ring forming the acid anhydride. The organic acid group-containing polymer is effective for imparting adhesion between the transparent support and the layer placed thereon.
[0073]
One form of the elution block layer in the present invention is installation of an actinic radiation curable resin layer.
[0074]
An actinic radiation curable resin has two or more polymerizable groups such as a polymerizable vinyl group, allyl group, acryloyl group, methacryloyl group, isopropenyl group, and epoxy group. Those that form a network structure are preferred. Of these active groups, an acryloyl group, a methacryloyl group or an epoxy group is preferred from the viewpoint of polymerization rate and reactivity, and a polyfunctional monomer or oligomer is preferred. For example, ultraviolet curable acrylic resin, polyester acrylate resin, epoxy acrylate resin, and polyol acrylate resin are preferably used.
[0075]
The actinic radiation is preferably ultraviolet rays because of the availability of light sources and materials, UV curable acrylic urethane resins, UV curable polyester acrylate resins, UV curable epoxy acrylate resins, UV curable polyol acrylate resins, or An ultraviolet curable epoxy resin etc. can be mentioned.
[0076]
UV curable acrylic urethane resins generally include 2-hydroxyethyl acrylate and 2-hydroxyethyl methacrylate (hereinafter referred to as acrylate) to products obtained by reacting polyester polyols with isocyanate monomers or prepolymers. It can be easily obtained by reacting an acrylate monomer having a hydroxyl group such as 2-hydroxypropyl acrylate (for example, JP-A-59-151110).
[0077]
The UV curable polyester acrylate resin can generally be easily obtained by reacting a polyester polyol with 2-hydroxyethyl acrylate or 2-hydroxy acrylate monomer (for example, JP-A-59-151112).
[0078]
Specific examples of the ultraviolet curable epoxy acrylate resin include those obtained by reacting epoxy acrylate with an oligomer, a reactive diluent and a photoinitiator added thereto (for example, JP-A-1- No. 105738). As the photoreaction initiator, one or more kinds selected from benzoin derivatives, oxime ketone derivatives, benzophenone derivatives, thioxanthone derivatives and the like can be selected and used.
[0079]
Specific examples of ultraviolet curable polyol acrylate resins include trimethylolpropane triacrylate, ditrimethylolpropane tetraacrylate, pentaerythritol triacrylate, pentaerythritol tetraacrylate, dipentaerythritol hexaacrylate, alkyl-modified dipentaerythritol pentaacrylate. Etc. can be mentioned. These resins are usually used together with known photosensitizers. Moreover, the said photoinitiator can also be used as a photosensitizer. Specific examples include acetophenone, benzophenone, hydroxybenzophenone, Michler's ketone, α-amyloxime ester, thioxanthone, and the like. Moreover, when using an epoxy acrylate resin, sensitizers such as n-butylamine, triethylamine, tri-n-butylphosphine can be used. The photoreaction initiator or photosensitizer contained in the ultraviolet curable resin composition excluding the solvent component that volatilizes after coating and drying is particularly preferably 0.5 to 5% by mass of the composition.
[0080]
As a method for applying the ultraviolet curable resin composition coating solution, a known method such as a gravure coater, a spinner coater, a wire bar coater, a roll coater, a reverse coater, an extrusion coater or an air doctor coater can be used. The film thickness after curing of the actinic radiation curable resin layer containing ultraviolet rays is suitably 0.05 μm or more and 30 μm or less, and preferably 0.1 to 15 μm. If this dry film thickness is too thin, the elution blockability is lowered, and if the dry film thickness is too thick, the optical anisotropic body may curl when it is on the film.
[0081]
The coating solvent for the elution block layer will be described. Rather than an organic solvent that dissolves the resin or plasticizer that constitutes the transparent support, it is preferable for the purpose of the present invention to select a solvent that is difficult to dissolve or insoluble as the coating solvent for the elution block layer. .
[0082]
The coating solvent in this case is preferably a mixed solvent with at least one organic solvent containing 30% by mass or more of water, and preferably a mixed solvent with at least one organic solvent containing 33% by mass or more of water. Therefore, the object of the present invention can be realized more effectively. As the solvent for coating the elution block layer of the present invention, alcohols, ketones, esters, glycol ethers, and other solvents can be used as a mixture with the water.
[0083]
It is preferable to select an organic solvent that can be dissolved in water, but if the amount is small, an organic solvent that is insoluble in water is used, and a mixed solvent is composed of three components in combination with one or more other organic solvents that are soluble in water. A mixed solvent dissolved as described above may be used. Examples of alcohols include methanol, ethanol, n-propyl alcohol, iso-propyl alcohol, n-butanol, 2-butanol, tert-butanol, pentanol, 2-methyl-2-butanol, and cyclohexanol. Examples of ketones include acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, cyclopentanone, cyclohexanone, and examples of esters include methyl formate, ethyl formate, methyl acetate, ethyl acetate, isopropyl acetate, amyl acetate, ethyl lactate, Examples of glycol ethers (C1 to C4) include methyl cellosolve, ethyl cellosolve, propylene glycol monomethyl ether (PGME), propylene glycol monoethyl ether, and propylene. As glycol mono-n-propyl ether, propylene glycol monoisopropyl ether, propylene glycol monobutyl ether, or propylene glycol mono (C1-C4) alkyl ether esters, propylene glycol monomethyl ether acetate, propylene glycol monoethyl ether acetate, other Examples of the solvent include methylene chloride and N-methylpyrrolidone. In particular, it is not limited to these.
[0084]
As the resin for the elution block layer, a nonionic polymer is preferable for the solubility of the mixed solvent and the object of the present invention.
[0085]
A resin that is soluble in such a mixed solvent can be selected as a resin for the elution block layer. The resin structure of the elution block layer is not particularly limited. For example, a natural polymer or a semisynthetic water-soluble polymer can be used.
[0086]
In addition, using a synthetic polymer can easily be made nonionic in terms of molecular design, unlike a natural product. As such a compound, various synthetic polymers such as single or copolymer such as polyvinyl alcohol, polyvinyl alcohol partial acetal, poly-N-vinyl pyrrolidone, polyvinyl imidazole, and polyvinyl pyrazole can be used.
[0087]
Moreover, as a synthetic polymer used as an elution block layer, you may use what has the characteristic to melt | dissolve the following monomer unit in the said mixed solvent as a single or a copolymer. Specific examples of monomers constituting the polymer include acrylic acid esters, methacrylic acid esters, acrylamides, methacrylamides, crotonic acid esters, vinyl esters, maleic acid esters, fumaric acid esters, itaconic acid esters, olefins, and styrenes. Etc. More specifically, these monomers include the followings as substituents of acrylic ester derivatives and ester-substituted compounds. Methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group, sec-butyl group, amyl group, hexyl group, 2-ethylhexyl group, octyl group, tert-octyl group, dodecyl group, 2-chloroethyl group 2-bromoethyl group, 4-chlorobutyl group, cyanoethyl group, 2-acetoxyethyl group, dimethylaminoethyl group, benzyl group, methoxybenzyl group, 2-chlorocyclohexyl group, cyclohexyl group, furfuryl group, tetrahydrofurfuryl group, phenyl Group, 5-hydroxypentyl group, 2,2-dimethyl-3-hydroxypropyl group, 2-methoxyethyl group, glycidyl group, acetoacetoxyethyl group, 3-methoxybutyl group, 2-ethoxyethyl group, 2-iso- Propoxy group, 2-butoxyethyl group, 2- (2-metho Ciethoxy) ethyl group, 2- (2-butoxyethoxy) ethyl group, ω-methoxyoligooxyethylene group (number of oxyethylene repeating units: n = 7, 9, 11, etc.), ω-hydroxyoligooxyethylene group (oxyethylene) Acrylic ester having a number of repeating units: n = 7, 9, 11, etc.), 1-bromo-2-methoxyethyl group, 1,1-dichloro-2-ethoxyethyl group, etc. And methacrylic acid esters.
[0088]
Examples of acrylamide derivatives and methacrylamide derivatives include unsubstituted acrylamide and methacrylamide, and examples of substituents of these substituted amides include the following. Methyl group, ethyl group, n-propyl group, n-butyl group, tert-butyl group, n-octyl group, dodecyl group, cyclohexyl group, benzyl group, hydroxymethyl group, methoxyethyl group, dimethylaminopropyl group, phenyl group N-monosubstituted derivatives such as acetoacetoxypropyl group and cyanoethyl group. Examples of N, N-disubstituted derivatives include acrylamide derivatives and methacrylamide derivatives having an N, N-dimethyl group or an N, N-diethyl group.
[0089]
Examples of vinyl esters include vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl butyrate, vinyl isobutyrate, vinyl caprate, vinyl chloroacetate, vinyl methoxyacetate, vinyl phenyl acetate, vinyl benzoate, vinyl salicylate, etc. It is done.
[0090]
Examples of olefins include dicyclopentadiene, ethylene, propylene, 1-butene, vinyl chloride, vinylidene chloride, isoprene, chloroprene, butadiene, and 2,3-dimethylbutadiene.
[0091]
Examples of styrenes include styrene, methyl styrene, dimethyl styrene, trimethyl styrene, ethyl styrene, isopropyl styrene, chloromethyl styrene, methoxy styrene, acetoxy styrene, chloro styrene, dichloro styrene, bromo styrene, and vinyl benzoic acid methyl ester. Can be mentioned.
[0092]
Examples of the crotonic acid ester include butyl crotonic acid and hexyl crotonic acid.
[0093]
Examples of itaconic acid esters include itaconic acid monomethyl ester, dimethyl itaconate, monobutyl itaconate, diethyl itaconate, and dibutyl itaconate.
[0094]
Examples of maleate esters include diethyl fumarate, dimethyl fumarate, and dibutyl fumarate.
[0095]
Examples of other monomers include the following.
Examples of vinyl ketones include methyl vinyl ketone, phenyl vinyl ketone, and methoxyethyl vinyl ketone.
[0096]
Heterocycle-containing vinyl monomers include N-vinyl pyridine and 2- and 4-vinyl pyridine, vinyl imidazole, vinyl oxazole, vinyl triazole, N-vinyl-2-pyrrolidone and the like.
[0097]
Examples of unsaturated nitriles include acrylonitrile and methacrylonitrile.
[0098]
In the above-mentioned polymer, a chemical reactive group such as an unsaturated ethylenic group or an epoxy group may be included in the polymer side chain in order to improve adhesion.
[0099]
It is required in the present invention that the above-mentioned polymer can be dissolved in a mixed solvent with at least one organic solvent containing 30% by mass or more, preferably 45% by mass or more of water. As the resin of the elution block layer composed of such a polymer showing solubility, a copolymer containing a ring structure containing a hetero atom in the polymer side chain is preferable, and more preferably 60 masses of N-vinyl-2-pyrrolidone. % Of the copolymer, particularly preferably a homopolymer of N-vinyl-2-pyrrolidone. Polyvinyl alcohol is also preferably used.
[0100]
A higher molecular weight of the resin of the elution block layer is preferable from the viewpoint of difficult diffusion to the alignment layer and the liquid crystal layer, and the number average molecular weight is preferably 800,000 or more. The average molecular weight of these resins can be measured by a known method such as GPC method.
[0101]
Moreover, when the said polymer is used as an elution block layer, it is preferable that an elution block layer is 0.1 micrometer or more and 15 micrometers or less with a dry film thickness on a transparent resin substrate. If this dry film thickness is too thin, the elution blockability may be lowered, and if the dry film thickness is too thick, the optical anisotropic body may be curled when it is in the form of a film.
[0102]
Organic acid group-containing polymer layer, elution block layer (hardened layer of active ray curable monomer, resin layer dissolved in the above mixed solvent containing water), alignment layer, optical anisotropic layer (liquid crystal layer), etc. on a transparent resin substrate The coating method for coating is doctor coat, extrusion coat, slide coat, roll coat, gravure coat, wire bar coat, reverse coat, curtain coat, extrusion coat or US Pat. No. 2,681,294. It can apply | coat so that it may become a dry film thickness of 0.1-10 micrometers by the extrusion coating method etc. which use the description hopper. The dry film thickness can be adjusted according to the purpose.
[0103]
In addition to the purpose of preventing the elution of additives such as plasticizers and ultraviolet absorbers from the transparent support, this elution block layer improves the adhesion between the support and the optically anisotropic layer or alignment layer. A function to prevent peeling is also required. For this purpose, it is effective to perform plasma treatment on the transparent resin substrate in addition to coating the organic acid group-containing polymer layer. It is preferable to perform the plasma treatment while transporting the transparent resin substrate because continuous treatment is possible. In particular, it is more preferable to perform the treatment in a reactive gas atmosphere at atmospheric pressure without applying a vacuum.
[0104]
The reactive gas is not particularly limited, and examples thereof include oxygen, hydrogen, carbon monoxide, carbon dioxide, nitrogen monoxide, nitrogen dioxide, hydrogen peroxide, and ozone. In the present invention, the plasma treatment is to use plasma discharge and to generate a plasma state by discharge. Preferably, this is done by applying a voltage to at least two opposing electrodes.
[0105]
In the present invention, the processing system is a processing space in which plasma discharge is performed in the presence of the reactive gas, and specifically, a processing chamber that is isolated by providing a partition with a wall or the like. In the case of a vacuum plasma discharge process in which the pressure in the processing chamber is 0.007 hPa to 27 hPa close to vacuum, it is necessary to adjust the introduction of reactive gas. In order to increase the processing speed, it is necessary to increase the voltage applied to the electrode. However, if the electric field strength is increased too much, the object to be processed may be damaged, so care must be taken.
[0106]
As another aspect, in the case of atmospheric pressure plasma processing in which the pressure in the processing chamber is atmospheric pressure or near atmospheric pressure, an inert gas is introduced in addition to the reactive gas as a gas to be introduced into the processing chamber. It is preferable to generate a stable discharge. “Atmospheric pressure or near atmospheric pressure” means a pressure of 133 to 1064 hPa, preferably 931 to 1037 hPa.
[0107]
An inert gas is a gas that does not cause a reaction by plasma discharge, and includes argon gas, helium gas, xenon gas, and krypton gas. Among these, preferred gases are argon gas and helium gas. The inert gas introduced into the treatment chamber during the atmospheric pressure plasma treatment is preferable because it can stably generate a discharge that is 60% by pressure or more and a proportion higher than that of the reactive gas. If the voltage to be applied is increased, the processing speed can be increased. However, if the electric field strength is increased too much, the object to be processed will be damaged.
[0108]
However, even in the atmospheric pressure plasma treatment, when generating plasma with a pulsed electric field, an inert gas is not necessarily required, and the concentration of the reactive gas in the treatment system can be increased. Production efficiency can be increased.
[0109]
The pulse waveform at this time is not particularly limited, and may be the pulse waveform shown in FIGS. 1A to 1D of JP-A-10-130851.
[0110]
The frequency of the pulse electric field is preferably in the range of 1 kHz to 100 kHz. The time during which one pulse electric field is applied is preferably 1 μs to 1000 μs.
[0111]
The magnitude of the voltage applied to the electrode is preferably in the range where the electric field strength is 1 to 100 kV / cm, and a large processing speed increases, but if it is increased too much, the object to be processed is damaged.
[0112]
Moreover, it is preferable that at least two opposing electrodes used for the atmospheric pressure plasma treatment are provided with a solid dielectric on the opposing surface side. As the solid dielectric, it is preferable to use sintered ceramics, and its volume resistivity value is 108Ω · cm or more is preferable.
[0113]
The optically anisotropic transparent support used in the present invention has a property that the transmittance in the visible region is 80% or more, and examples thereof include cellulose ester derivatives, polyethylene terephthalate, polycarbonate, polyarylate, and polysulfone. . Among the above descriptions, cellulose ester derivatives are preferable from the viewpoint of productivity for obtaining desired optical characteristics.
[0114]
The optical properties of the transparent support in the present invention are required to satisfy the requirements of 41 nm ≦ Ro ≦ 95 nm, 0.8 ≦ (Rt / Ro) ≦ 1.4, and nx> ny> nz. . Here, Ro and Rt indicate retardation values of the transparent support.
[0115]
Ro = (nx−ny) × d
Rt = ((nx + ny) / 2−nz) × d
Here, nx and ny are the refractive index in the x direction, which is the maximum refractive index direction in the plane of the transparent support, and in the y direction, which is a direction perpendicular thereto. nz is the refractive index of the film in the thickness direction, and d is the thickness (nm) of the film.
[0116]
In the case of ny = nz, it becomes a conventional uniaxially stretched phase difference plate, and even if an optical anisotropic layer is provided on this, a sufficient viewing angle expansion effect cannot be obtained. Since the transparent support of the optical anisotropic body of the present invention has a value nz lower than nx and ny, the combination of this transparent support and the optical anisotropic layer is unique to the liquid crystal cell for driving a liquid crystal display device. Birefringence can be optically compensated.
[0117]
From the viewpoint of productivity of the transparent support, a preferable production method is to cast a resin solution containing the solvent of the transparent support on a belt or drum, peel the film from the belt or drum while the solvent remains, and then dry it. It is a manufacturing method which extends | stretches a film, carrying out. Therefore, the refractive index in the casting direction of the transparent support is substantially equal to nx, and the refractive index in the direction perpendicular to the casting direction (width direction) is substantially equal to ny. In this case, a transparent support can be produced more efficiently. Here, “substantially equal” means that the angle between the casting direction of the support and nx, that is, the direction showing the maximum refractive index falls within a range of ± 4 °, preferably within a range of ± 2 °. Most preferably, the directions match.
[0118]
An ordinary refractometer can be used to measure the refractive index of the entire support. After measuring the total refractive index, using an automatic birefringence meter KOBRA-21ADH (manufactured by Oji Scientific Instruments Co., Ltd.), measuring the three-dimensional refractive index in an environment of 23 ° C. and 55% RH at a wavelength of 590 nm The retardations Ro and Rt can be obtained by calculating the refractive indexes nx, ny and nz and measuring the thickness of the film.
[0119]
A cellulose ester derivative is preferably used as the resin that satisfies such characteristics. In particular, in order to effectively satisfy 0.5 ≦ (Rt / Ro) ≦ 2.0, the degree of acetyl group substitution of the cellulose ester is preferably 2.5 or more and 2.86 or less.
[0120]
In another embodiment of the present invention, at least two cellulose esters having a cellulose ester having an acetyl group substitution degree of 2.40 or more and 3.00 or less are used. In this case, the substitution degree of the acetyl group is preferably a cellulose ester having an average substitution degree of acetyl group after mixing of 2.50 or more and 2.86 or less.
[0121]
As still another embodiment of the present invention, the cellulose ester used in the optical anisotropic body has an acetyl group substitution degree of 2.60 or more and 3.00 or less and at least one cellulose ester and an acetyl group substitution degree of 2.40. It is preferable for the purpose of the present invention to mix at least one cellulose ester of less than 2.60 and to use a cellulose ester having an average degree of acetyl group substitution of 2.5 to 2.86 after mixing.
[0122]
A support in which a cellulose ester having a degree of acetyl group substitution or an average degree of acetyl group substitution of 2.5 to 2.86 is used as a film has a high difference between the refractive index in the thickness direction and the average refractive index of the film surface. Give properties. By using cellulose ester films with a somewhat low degree of substitution, when using these cellulose ester films, when using the cellulose triacetate film with a high degree of acetyl group substitution, the same optical properties can be obtained. Can be An optical anisotropic body excellent in viewing angle characteristics can be designed by appropriately adjusting the optical characteristics of the liquid crystal layer and the support, although the required optical compensation ability differs depending on the type of display. The preferred range of the acetyl group substitution degree or the average acetyl group substitution degree of the support of the present invention is 2.55 to 2.70. If the substitution degree of the acetyl group is too small, the heat and moisture resistance may be poor. These cellulose esters can be synthesized, for example, by the method described in JP-A-10-45804. The measuring method of the substitution degree of an acetyl group can also be measured by ASTM-D817-96.
[0123]
The cellulose ester having a substitution degree of acetyl group of 2.50 or more and 2.86 or less, a cellulose ester having a substitution degree of acetyl group of 2.60 or more and 3.00 or less, and a substitution degree of acetyl group of 2.40 or more and 2.60. Less than the cellulose ester is one obtained by substituting a hydroxyl group of cellulose with an acetyl group to a predetermined substitution degree by a conventional method. The number average molecular weight of these cellulose esters of the present invention is preferably from 70,000 to 300,000, more preferably from 80,000 to 200,000, in order to obtain a preferable mechanical strength.
[0124]
As the cellulose ester resin, it is preferable to use a cellulose ester resin having a controlled degree of acetyl group substitution. On the other hand, it is extremely effective to use a cellulose ester resin having an acetyl group and a propionyl group.
[0125]
As an example of the cellulose ester used for producing the cellulose ester film according to the present invention, one having an acetyl group and a propionyl group as substituents and satisfying the following formulas (I) and (II) is preferable.
[0126]
(I) 2.0 ≦ A + B ≦ 3.0
(II) A <2.4
Here, A represents the degree of substitution of the acetyl group, and B represents the degree of substitution of the propionyl group.
[0127]
Furthermore, in this invention, the cellulose-ester film which satisfy | fills following formula (III) and (IV) simultaneously is used more preferable.
[0128]
(III) 2.4 ≦ A + B ≦ 2.8
(IV) 1.4 ≦ A ≦ 2.0
These acyl groups may be substituted on the 2nd, 3rd, and 6th positions of the glucose unit on average, and may be substituted with a distribution such as substitution at a high ratio at the 6th position, for example. good.
[0129]
Here, the degree of substitution refers to the number of all hydroxyl groups (3n) in the cellulose molecule, how many are substituted, and it is expressed in glucopyranose units. Become. It is a numerical value calculated according to the measurement and calculation of the degree of acetylation in ASTM-D817-91 (test method for cellulose acetate and the like). The measuring method of the substitution degree of an acyl group can be measured according to ASTM-D817-96.
[0130]
In particular, it is particularly preferable that the average degree of substitution of the acetyl group of A is less than 2.0 because there is little variation in retardation during stretching.
[0131]
In addition, from the viewpoint of obtaining a transparent support excellent in mechanical strength, the number average molecular weight of the cellulose ester resin containing both an acetyl group and a propionyl group used in the present invention is 70000-300000, preferably 80000-200000.
[0132]
The mixed fatty acid ester of cellulose used in the present invention can be synthesized using an acid anhydride or acid chloride as an acylating agent. When the acylating agent is an acid anhydride, an organic acid (eg, acetic acid) or methylene chloride is used as a reaction solvent. As the catalyst, an acidic catalyst such as sulfuric acid is used. When the acylating agent is an acid chloride, a basic compound is used as a catalyst. In the industrially most common synthesis method, cellulose is mixed with organic acid components including organic acids (acetic acid, propionic acid) corresponding to acetyl group and propionyl group and their acid anhydrides (acetic anhydride, propionic anhydride). The cellulose ester is synthesized by esterification. The amount of the acetylating agent and propionylating agent used is adjusted so that the ester to be synthesized falls within the range of the substitution degree described above. The amount of the reaction solvent used is preferably 100 to 1000 parts by mass, and more preferably 200 to 600 parts by mass with respect to 100 parts by mass of cellulose. It is preferable that the sample amount of an acidic catalyst is 0.1-20 mass parts with respect to 100 mass parts of cellulose, More preferably, it is 0.4-10 mass parts.
[0133]
The reaction temperature is preferably 10 to 120 ° C, more preferably 20 to 80 ° C. Further, after completion of the acylation reaction, the degree of substitution may be adjusted by hydrolysis (saponification) as necessary. After completion of the reaction, the reaction mixture is separated using conventional means such as precipitation, washed and dried to obtain a mixed fatty acid ester of cellulose (cellulose acetate propionate).
[0134]
As the cellulose ester used in the present invention, either cellulose triacetate synthesized from cotton linter or cellulose triacetate synthesized from wood pulp can be used alone or in combination. It is preferable to use a large amount of cellulose ester synthesized from a cotton linter that has good releasability from a belt or drum because of high production efficiency. When the ratio of cellulose ester synthesized from cotton linter is 60% by mass or more and the effect of peelability becomes remarkable, 60% by mass or more is preferable, more preferably 85% by mass or more, and most preferably used alone. preferable.
[0135]
In the present invention, as the cellulose ester, either a cellulose ester synthesized from cotton linter or a cellulose ester synthesized from wood pulp can be used alone or in combination. It is preferable to use a large amount of cellulose ester synthesized from a cotton linter that has good releasability from a belt or a drum because of high productivity efficiency. The ratio of cellulose ester synthesized from cotton linter is 60% by mass or more, and since the effect of peelability becomes remarkable, 60% by mass or more is preferable, more preferably 85% by mass or more, and further, it can be used alone. Most preferred.
[0136]
The thickness of the transparent support used in the optical anisotropic body of the present invention may be controlled by the stretching ratio and the thickness of the transparent support, as long as it has optical characteristics for improving the viewing angle characteristics of the liquid crystal display. it can. The thickness of the transparent support is preferably from 35 μm to 250 μm, more preferably from 60 μm to 140 μm. If the transparent support is thinner than this range, it becomes difficult to obtain the desired optical characteristics. On the other hand, if the transparent support is thicker than this range, the optical characteristics become more than necessary, and the viewing angle characteristics of the liquid crystal display are often deteriorated.
[0137]
In the present invention, when the optical anisotropic body is used as a protective film for a polarizing plate, or when the optical anisotropic body is attached to a polarizer with a protective film, the optical anisotropic body is interposed between the liquid crystal cell and the polarizer. Can be installed.
[0138]
A conventionally well-known thing can be used for a polarizer. For example, a film made of a hydrophilic polymer such as polyvinyl alcohol, which has been stretched by treatment with a dichroic dye such as iodine can be used.
[0139]
Next, when the transparent support of the present invention is a cellulose ester, a method for producing the film will be described.
[0140]
First, a cellulose ester is dissolved in an organic solvent to form a dope. The concentration of the cellulose ester in the dope is about 10 to 35% by mass.
[0141]
As organic solvents, methyl acetate, ethyl acetate, amyl acetate, acetone, tetrahydrofuran, 1,3-dioxolane, 1,4-dioxane, cyclohexanone, ethyl formate, 2,2,2-trifluoroethanol, 2,2,3 , 3-hexafluoro-1-propanol, 1,3-difluoro-2-propanol, 1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2-methyl-2-propanol, 1,1,1,3 , 3,3-hexafluoro-2-propanol, 2,2,3,3,3-pentafluoro-1-propanol, nitroethane, and other non-chlorine organic solvents can be used. Also, methylene chloride can be used. Use of a lower alcohol such as methanol, ethanol, or butanol is preferred because the solubility of the cellulose ester in an organic solvent can be improved and the dope viscosity can be reduced. In particular, ethanol having a low boiling point and low toxicity is preferred.
[0142]
You may add additives, such as the said plasticizer, a ultraviolet absorber, and a mat agent, in dope. The resulting dope is cast on a rotating belt or drum support, dried until peelable, and the film is peeled off. The peeled film can be stretched in a freshly dried state and further dried to evaporate the organic solvent in the film almost completely, but may be stretched after drying. The content of the organic solvent in the film is preferably 2% by mass or less, and more preferably 0.4% by mass or less in order to obtain good dimensional stability of the film.
[0143]
Further, in order to improve the sliding property in the production of the support of the present invention, particularly in the coating, during the production of these transparent resin films, for example, silicon dioxide, titanium dioxide, aluminum oxide, zirconium oxide, calcium carbonate It is preferable to contain a matting agent such as inorganic fine particles such as kaolin, talc, calcined calcium silicate, hydrated calcium silicate, aluminum silicate, magnesium silicate and calcium phosphate, and a crosslinked polymer. Of these, silicon dioxide is preferable because it can reduce the haze of the film. The fine particles preferably have an average secondary particle size of 0.01 to 1.0 μm and a content of 0.005 to 0.3% by mass with respect to the cellulose ester.
[0144]
It is preferable that fine particles such as silicon dioxide are surface-treated with an organic substance because the haze of the film can be reduced. Preferred organic materials for the surface treatment include halosilanes, alkoxysilanes, silazanes, siloxanes, and the like. The average particle diameter of the fine particles is the same as the fine particles used for the anti-curl treatment described later.
[0145]
The optical anisotropic body of the present invention often curls because it has a coating such as an optical anisotropic layer on the support. Therefore, in order to eliminate the inconvenience caused by curling and prevent the function as an optical anisotropic body from being impaired by preventing the curling, an anti-curl layer may be provided on the opposite surface coated with the optical anisotropic layer. I can do it. That is, the degree of curling is balanced by imparting the property of curling with the surface provided with the anti-curl layer inside. The anti-curl layer is preferably applied also as a blocking layer. In this case, the coating composition can contain inorganic fine particles and / or organic fine particles for imparting an anti-blocking function. Examples of the inorganic fine particles include silicon oxide, titanium oxide, aluminum oxide, tin oxide, zinc oxide, calcium carbonate, barium sulfate, talc, kaolin, calcium sulfate, and the like, and examples of the organic fine particles include polymethacrylic acid. Methyl acrylate resin powder, acrylic styrene resin powder, polymethyl methacrylate resin powder, silicon resin powder, polystyrene resin powder, polycarbonate resin powder, benzoguanamine resin powder, melamine resin powder, polyolefin resin powder, polyester resin powder Polyamide-based resin powder, polyimide-based resin powder, or polyfluorinated ethylene-based resin powder, and the like, which can be added to the anti-curl layer coating composition. It is preferable that fine particles such as silicon dioxide are surface-treated with an organic substance because the haze of the film can be reduced. Preferred organic materials for the surface treatment include halosilanes, alkoxysilanes, silazanes, siloxanes, and the like.
[0146]
Examples of the silicon dioxide fine particles include AEROSIL200, 200V, 300, R972, R974, R202, R812, OX50, TT600, etc. manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd., preferably AEROSIL R972, R972V, R974, R974V, R202, R812, etc. Is mentioned.
[0147]
These particles are preferably added in an amount of 0.1 to 5 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the resin composition. The fine particles are preferably blended so that the haze of the film is 0.6% or less and the dynamic friction coefficient between the front and back surfaces of the optical anisotropic body is 0.5 or less.
[0148]
The fine particles may be provided with a layer containing a resin such as diacetylcellulose. Such a layer can also be improved in strength using a crosslinking agent such as an isocyanate derivative.
[0149]
The imparting of the anti-curl function is performed by applying a composition containing a solvent that dissolves or swells the resin film substrate. As a solvent to be used, in addition to a solvent to be dissolved or a mixture of solvents to be swollen, there may be a solvent that is not further dissolved, a composition in which these are mixed in an appropriate ratio depending on the degree of curl of the resin film and the type of resin, and the coating amount To do. In order to enhance the curl prevention function, it is effective to increase the mixing ratio of the solvent for dissolving the solvent composition to be used or the solvent for swelling, and to decrease the ratio of the solvent not to be dissolved. This mixing ratio is preferably (solvent to be dissolved or solvent to be swelled) :( solvent not to be dissolved) = 10: 0 to 1: 9. Examples of the solvent for dissolving or swelling the resin film substrate contained in such a mixed composition include benzene, toluene, xylene, dioxane, acetone, methyl ethyl ketone, N, N-dimethylformamide, methyl acetate, ethyl acetate, Examples include trichloroethylene, methylene chloride, ethylene chloride, tetrachloroethane, trichloroethane, and chloroform. Examples of the solvent that does not dissolve include methanol, ethanol, n-propyl alcohol, i-propyl alcohol, and n-butanol.
[0150]
These coating compositions are preferably applied to the surface of the resin film using a gravure coater, dip coater, reverse coater, extrusion coater or the like, with a wet film thickness of 1 to 100 μm, particularly preferably 5 to 30 μm. Examples of the resin used here include vinyl chloride / vinyl acetate copolymer, vinyl chloride resin, vinyl acetate resin, copolymer of vinyl acetate and vinyl alcohol, partially hydrolyzed vinyl chloride / vinyl acetate copolymer, and chloride. Vinyl-based vinyl chlorides such as vinyl / vinylidene chloride copolymer, vinyl chloride / acrylonitrile copolymer, ethylene / vinyl alcohol copolymer, chlorinated polyvinyl chloride, ethylene / vinyl chloride copolymer, ethylene / vinyl acetate copolymer Polymers or copolymers, cellulose ester resins such as nitrocellulose, cellulose acetate propionate, diacetyl cellulose, cellulose acetate butyrate resin, copolymers of maleic acid and / or acrylic acid, acrylic acid ester copolymers, acrylonitrile / Styrene copolymer, salt Polyethylene, acrylonitrile / chlorinated polyethylene / styrene copolymer, methyl methacrylate / butadiene / styrene copolymer, acrylic resin, polyvinyl acetal resin, polyvinyl butyral resin, polyester polyurethane resin, polyether polyurethane resin, polycarbonate polyurethane resin, polyester resin , Polyether resins, polyamide resins, amino resins, styrene / butadiene resins, rubber resins such as butadiene / acrylonitrile resins, silicone resins, fluorine resins, and the like, but are not limited thereto. Particularly preferred is a cellulose resin layer such as diacetylcellulose.
[0151]
The order of coating the anti-curl layer may be before or after coating the optically anisotropic layer on the opposite side of the resin film substrate, but if the anti-curl layer also serves as an anti-blocking layer, coat it first. Is desirable.
[0152]
A plasticizer can be used for the purpose of improving the physical properties of the optically anisotropic support of the present invention. As a specific plasticizer, phosphoric acid ester or carboxylic acid ester is preferably used. Phosphoric esters include triphenyl phosphate (TPP) and tricresyl phosphate (TCP), biphenyl-diphenyl phosphate, dimethyl-ethyl phosphate. Representative carboxylic acid esters include phthalic acid esters and citric acid esters. Examples of phthalic acid esters include dimethyl phthalate (DMP), diethyl phthalate (DEP), dibutyl phthalate (DBP), dioctyl phthalate (DOP), diethyl hexyl phthalate (DEHP), ethyl phthalyl ethyl glycolate and the like. As the citrate ester, acetyl triethyl citrate (OACTE) and acetyl tributyl citrate (OACTB) are used. Examples of other carboxylic acid esters include butyl oleate, methylacetyl ricinoleate, dibutyl sebacate, and various trimellitic acid esters. Phosphate ester plasticizers (TPP, TCP, biphenyl-diphenyl phosphate, dimethylethyl phosphate) and phthalate ester plasticizers (DMP, DEP, DBP, DOP, DEHP) are preferably used.
[0153]
Of these, triphenyl phosphate (TPP) and ethyl phthalyl ethyl glycol are particularly preferably used.
[0154]
The plasticizer is an important material for imparting water resistance to the transparent resin or improving its moisture permeability. However, if the amount added is too large, there is a problem that the adverse effect on the coating layer is enlarged.
[0155]
The addition amount of the plasticizer is preferably 2 to 15% by mass in the transparent resin.
[0156]
By containing an ultraviolet absorber in the transparent resin, an optical anisotropic body excellent in light resistance can be obtained. Examples of the ultraviolet absorber useful in the present invention include salicylic acid derivatives, benzophenone derivatives, benzotriazole derivatives, benzoic acid derivatives, and organometallic complex salts. Although not specifically limited as specific examples, for example, salicylic acid derivatives such as phenyl salicylate, 4-t-butylphenyl salicylic acid, etc., and benzophenone derivatives such as 2-dihydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone, etc. Benzotriazole derivatives include 2- (2'-hydroxy-5'-methylphenyl) -benzotriazole, 2- (2'-hydroxy-3'-5'-di-butylphenyl) -5-chlorobenzo Triazole and the like, resorcinol-monobenzoate as benzoic acid derivatives, 2 ′, 4′-di-t-butylphenyl-3,5-t-butyl-4-hydroxybenzoate, etc., nickel as organic complex derivatives Bis-octylphenylsulfamide, ethyl-3,5-di Nickel salts of t- butyl-4-hydroxybenzyl phosphoric acid. In this invention, it is preferable to use 1 or more types of these ultraviolet absorbers, and you may contain 2 or more types of different ultraviolet absorbers. Further, a polymer ultraviolet absorber, for example, those described in JP-A-6-148430 may be used. In the present invention, a preferable ultraviolet absorber is excellent in the ability to absorb ultraviolet light having a wavelength of 370 nm or less from the viewpoint of preventing deterioration of the liquid crystal from the viewpoint of ultraviolet absorption shape and storage stability, and has a wavelength of 400 nm or more from the viewpoint of good liquid crystal display properties. Those that absorb as little visible light as possible are preferably used. In particular, the transmittance at a wavelength of 370 nm needs to be 10% or less, preferably 5% or less, more preferably 2% or less. From such a viewpoint, a benzotriazole derivative or a benzophenone derivative is preferably used.
[0157]
The ultraviolet absorber may be added to the dope after dissolving the ultraviolet absorber in an organic solvent such as alcohol, methylene chloride, dioxolane, or directly into the dope composition. For an inorganic powder that does not dissolve in an organic solvent, a dissolver or a sand mill is used in the organic solvent and cellulose ester to disperse and then added to the dope.
[0158]
A protective layer may be provided on the liquid crystal layer of the optical anisotropic body of the present invention in order to avoid optical alteration such as scratches. In the case where the liquid crystal layer has a plurality of layers, an intermediate layer may be provided. Materials for the protective layer or intermediate layer include polymethyl methacrylate, acrylic acid / methacrylic acid copolymer, styrene / maleic anhydride copolymer, polyvinyl alcohol, poly (N-methylolacrylamide), styrene / vinyltoluene copolymer, Nitrocellulose, polyvinyl chloride, chlorinated polyolefin, polyester, polyimide, vinyl acetate / vinyl chloride copolymer, ethylene / vinyl acetate copolymer, polyethylene, polypropylene, and polycarbonate, or polymers such as acrylate and methacrylate, and their derivatives Can be mentioned. These materials can be installed by preparing a solution, applying and drying by the above application method.
[0159]
When a layer is provided on an optically anisotropic transparent support, a solution in which the constituent materials are dissolved using a solvent can be prepared and applied. This is a preferable production method from the viewpoint of the uniformity of the coated layer. The solvent to be used may be used alone, or two or more solvents may be mixed and used in order to control the drying property at the time of coating. The solvent of the solution for coating is preferably an organic solvent. Examples of alcohols include methanol, ethanol, n-propyl alcohol, iso-propyl alcohol, n-butanol, 2-butanol, tert-butanol, pentanol, 2-methyl-2-butanol, cyclohexanol, and the like. Examples of ketones include acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, cyclopentanone, and cyclohexanone. Examples of esters include methyl formate, ethyl formate, methyl acetate, ethyl acetate, isopropyl acetate, amyl acetate, ethyl lactate, and lactic acid. Examples of glycol ethers (C1 to C4) include methyl cellosolve, ethyl cellosolve, propylene glycol monomethyl ether (PGME), propylene glycol monoethyl ether, propylene. As glycol mono-n-propyl ether, propylene glycol monoisopropyl ether, propylene glycol monobutyl ether, or propylene glycol mono (C1-C4) alkyl ether esters, propylene glycol monomethyl ether acetate, propylene glycol monoethyl ether acetate, other Examples of the solvent include methylene chloride and N-methylpyrrolidone. In particular, it is not limited to these.
[0160]
The manufacturing method of the cellulose ester film support used in the present invention will be described in more detail.
[0161]
As a method for producing a cellulose ester film support, a dope solution is cast on the support, a film is formed, the resulting film is peeled off from the support, and then dried while transporting through the drying zone under tension. The solution casting film forming method is preferable. The solution casting film forming method will be described below.
[0162]
(1) Dissolution step: In this step, the flakes are dissolved in an organic solvent mainly composed of a good solvent for cellulose ester flakes in a dissolution vessel while stirring to form a cellulose ester solution (dope). For dissolution, a method carried out at normal pressure, a method carried out below the boiling point of the main solvent, a method carried out under pressure above the boiling point of the main solvent, M.M. G. Makromol. chem. 143, page 105 (1971), as described in JP-A-9-95544 and JP-A-9-95557, various methods such as a cooling dissolution method that dissolves at a low temperature, a method performed at a high pressure, etc. There is a dissolution method. After dissolution, the dope is filtered with a filter medium, defoamed, and sent to the next process with a pump.
[0163]
(2) Casting step: The dope is fed to a pressurizing die through a pressurized metering gear pump, and an endless metal belt for infinite transfer or a support for casting a rotating metal drum at the casting position (hereinafter simply referred to as “casting”). This is a step of casting a dope from a pressure die onto a support. The surface of the casting support is a mirror surface. Other casting methods include a doctor blade method in which the film thickness of the cast dope film is adjusted with a blade, or a reverse roll coater method in which the film is adjusted with a reverse rotating roll, but the slit shape of the die part is prepared. A pressure die that is easy to make uniform in film thickness is preferable. The pressure die includes a coat hanger die and a T die, and any of them is preferably used. In order to increase the film forming speed, two or more pressure dies may be provided on the casting support, and the dope amount may be divided and overlaid.
[0164]
(3) Solvent evaporation step: This is a step of evaporating the solvent by heating the web (the dope film is referred to as the web after the dope is cast on the casting support) on the casting support. . In order to evaporate the solvent, there are a method of blowing air from the web side and / or a method of transferring heat from the back side of the support by a liquid, a method of transferring heat from the front and back by radiant heat, and the like. The drying efficiency is good and preferable. A method of combining them is also preferable.
[0165]
(4) Peeling step: This is a step of peeling the web in which the solvent has evaporated on the support at the peeling position. The peeled web is sent to the next process. If the residual solvent amount (the following formula) of the web at the time of peeling is too large, peeling is difficult, or conversely, if it is peeled off after sufficiently drying on the support, part of the web is peeled off.
[0166]
As a method for increasing the film forming speed (the film forming speed can be increased because the film is peeled off while the amount of residual solvent is as large as possible), there is a gel casting method (gel casting) that can peel even if there is a large amount of residual solvent (residual solvent amount). However, it can be peeled off as much as possible to increase the film-forming speed). For example, a poor solvent for the cellulose ester is added to the dope, and after the dope is cast, the gel is formed, and the temperature of the support is lowered to form a gel. There is also a method of adding a metal salt in the dope. By gelling on the support and strengthening the film, it is possible to speed up the peeling and increase the film forming speed. When peeling at a time when the amount of residual solvent is larger, if the web is too soft, the flatness at the time of peeling will be damaged, or slippage and vertical stripes due to peeling tension will tend to occur, and the amount of residual solvent will be reduced in consideration of economic speed and quality. It is decided.
[0167]
(5) Drying step: a step of drying the web using a drying device that alternately conveys the web through rolls arranged in a staggered manner and / or a tenter device that clips and conveys both ends of the web with a clip. As a drying means, hot air is generally blown on both sides of the web, but there is also a means for heating by applying a microwave instead of the wind. Too much drying tends to impair the flatness of the finished film. Drying at a high temperature is preferably performed from about 8% by mass or less of the residual solvent. Throughout, the drying temperature is usually 40 to 250 ° C, preferably 70 to 180 ° C. The drying temperature, the amount of drying air, and the drying time differ depending on the solvent used, and the drying conditions may be appropriately selected according to the type and combination of the solvents used.
[0168]
In the drying step after peeling from the casting support surface, the web tends to shrink in the width direction due to evaporation of the solvent. Shrinkage increases as the temperature rapidly dries. Drying while suppressing this shrinkage as much as possible is preferable for improving the flatness of the finished film. From this point of view, for example, a method of drying the entire drying process or a part of the process as shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-46625 while holding the width at both ends of the web with a clip in the width direction (tenter method) ) Is preferred.
[0169]
(6) Winding step: The step of winding the web as a film after the residual solvent amount is 2% or less by mass. By setting the residual solvent amount to 0.4% or less, a film having good dimensional stability can be obtained. As a winding method, a generally used method may be used. There are a constant torque method, a constant tension method, a taper tension method, a program tension control method with a constant internal stress, and the like.
[0170]
To adjust the film thickness of the fatty acid cellulose ester film, control the dope concentration, pump feed volume, slit gap in the die cap, die extrusion pressure, and casting support speed. It is good to do. Further, it is preferable that the film thickness detecting means is used as a means for making the film thickness uniform, and the programmed feedback information is fed back to each of the above devices for adjustment.
[0171]
In the process from immediately after casting through the solution casting film forming method to drying, the atmosphere in the drying apparatus may be air, or may be performed in an inert gas atmosphere such as nitrogen gas or carbon dioxide gas. . Of course, the danger of the explosion limit of the evaporating solvent in the dry atmosphere must always be taken into account.
[0172]
The cellulose ester film support according to the present invention is preferably a method of performing a stretching operation. Hereinafter, the stretching method will be described.
[0173]
In the production of the cellulose ester film support of the present invention, after casting the cellulose ester-dissolved dope solution onto the casting support, the web (film) peeled from the casting support is then subjected to the residual solvent amount in the web. Is preferably stretched by 0.5 to 4.0 times in at least one direction.
[0174]
The residual solvent amount can be expressed by the following formula.
Residual solvent amount (% by mass) = {(MN) / N} × 100
Here, M is the mass of the web at any point, and N is the mass when M is dried at 110 ° C. for 3 hours.
[0175]
If the amount of residual solvent in the web is too large, the effect of stretching cannot be obtained, and if it is too small, stretching becomes extremely difficult and the web may break. The more preferable range of the residual solvent amount in the web is most preferably 10% by mass to 50% by mass, particularly 20% by mass to 40% by mass. Further, if the stretching ratio is too small, a sufficient phase difference cannot be obtained, and if it is too large, stretching may become difficult and breakage may occur. A more preferable range of the draw ratio is 1.0 to 2.5 times.
[0176]
A solution cast film formed using the cellulose ester according to the present invention can be stretched without heating to a high temperature if the amount of residual solvent is in a specific range. This is preferable because it is short. However, when the temperature of the web is too high, the plasticizer volatilizes, so a range of 15 ° C. to 160 ° C. or less is preferable.
[0177]
In addition, stretching in the biaxial directions perpendicular to each other is an effective method for bringing the refractive indexes nx, ny, and nz of the film within the scope of the present invention. For example, in the case of stretching in the casting direction, if the shrinkage in the width direction is too large, the value of nz becomes too large. In this case, it can be improved by suppressing the width shrinkage of the film or stretching in the width direction. When stretching in the width direction, the refractive index may be distributed with a width. This is sometimes seen when the tenter method is used, but it is a phenomenon that occurs when the film is stretched in the width direction and contraction force is generated in the center of the film and the end is fixed. It is thought to be called a phenomenon. Even in this case, by stretching in the casting direction, the bowing phenomenon can be suppressed, and the distribution of the phase difference in the width can be improved.
[0178]
Furthermore, the film thickness fluctuation | variation of the film obtained can be reduced by extending | stretching in the biaxial direction orthogonal to each other. When the film thickness variation of the cellulose ester film support is too large, the retardation becomes uneven, and problems such as coloring may occur when used in a liquid crystal display. The film thickness variation of the cellulose ester film support is preferably in the range of ± 3%, more preferably ± 1%. For the purposes as described above, a method of stretching in the biaxial directions perpendicular to each other is effective, and the stretching ratios in the biaxial directions perpendicular to each other are 0.8 to 4.0 times in the casting direction and in the width direction, respectively. A range of 0.4 to 1.2 times is preferable.
[0179]
There is no particular limitation on the method of stretching the web. For example, a method in which a difference in peripheral speed is applied to a plurality of rolls, and the roll peripheral speed difference is used to stretch in the longitudinal direction, the both ends of the web are fixed with clips and pins, and the interval between the clips and pins is increased in the traveling direction. And a method of stretching in the vertical direction, a method of stretching in the horizontal direction and stretching in the horizontal direction, a method of stretching in the vertical and horizontal directions and stretching in both the vertical and horizontal directions, and the like. Of course, these methods may be used in combination. In the case of the so-called tenter method, driving the clip portion by a linear drive method is preferable because smooth stretching can be performed and the risk of breakage and the like can be reduced.
[0180]
The film obtained as described above is preferably 2% by mass or less, more preferably 0.4% by mass or less in terms of the residual solvent amount of the final finished film, in order to obtain a film having good dimensional stability.
[0181]
In order to obtain the optical characteristics required as a transparent support of the optical anisotropic body of the present invention, after drying the film, the film is heated to a temperature higher than the glass transition temperature of the film resin and then stretched and allowed to cool to the temperature or lower. The film can be stretched in a state where the film is swollen with a solvent using a solvent that swells the film without heating to a temperature higher than the glass transition, for example, water / acetone = 1/1 (mass ratio). However, in these stretching methods, when the glass transition temperature is exceeded, the plasticizer present in the film elutes on the film surface. On the other hand, in the method of stretching in the swollen state, the plasticizer elutes from the film depending on the type of solution to be swollen. Care must be taken because there are concerns. Therefore, it is most preferable that the film is stretched while being dried in a state in which the solvent remains at the time of film formation by the solution casting method.
[0182]
When stretching is applied, it is preferable in production that the maximum refractive index in the film plane, that is, the direction of nx substantially coincides with the conveyance direction during film formation. In consideration of optical characteristics, the film conveyance direction and the nx direction Is more preferably within a range of 1 °.
[0183]
A preferred arrangement of the optical anisotropic body of the present invention will be described with reference to FIG.
As an arrangement form of the optical compensation film of the present invention, it can be arranged and used in various forms in a TN type TFT liquid crystal device as long as it is between a glass substrate or plastic substrate of a driving liquid crystal cell and a polarizer. .
[0184]
The optical anisotropic body of the present invention is disposed between the polarizers on both sides of the liquid crystal panel and the glass or plastic substrate of the cell, and on either the incident light side or the outgoing light side in the case of a transmissive panel. Can also be arranged. Alternatively, there may be no problem even if one or more optically anisotropic bodies are arranged on one side.
[0185]
In addition, the method of arranging the optical anisotropic body for more effectively expressing the object of the present invention is an optical method in which the transparent support surface of the optical anisotropic body contacts the rubbing direction of the substrate closest to the driving liquid crystal cell. A direction in which the anisotropic body is disposed and the maximum refractive index direction of the optically anisotropic transparent support is substantially perpendicular to the rubbing direction in contact with the substrate closest to the liquid crystal cell is preferable. The term “substantially orthogonal” means that the angle formed by each of the reference directions is in the range of 80 ° to 100 °, preferably 87 ° to 93 °, more preferably 89 ° to 91 °. 90 degrees is preferable.
[0186]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing an example of a liquid crystal display device in which an optical anisotropic body of the present invention is arranged.
[0187]
In FIG. 1, optical
[0188]
The alignment direction of the liquid crystal compound of the optically
[0189]
The optical anisotropic body of the present invention is installed between a polarizer and a driving cell as shown in FIG. In place of the polarizer, a polarizing plate with a TAC film attached to both sides as a polarizing plate protective film may be installed at the above position, or the polarizing plate may be placed on the driving cell side of the polarizing plate protective film. The optical anisotropic body of the present invention may be used in place of the protective film.
[0190]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention in detail, this invention is not limited by this.
[0191]
Example 1
Transparent resin film supports 1 to 11 as shown in Table 1 are prepared by the following
[0192]
Put 100 parts by weight of cellulose resin (details are given below), 5 parts by weight of ethylphthalylethyl glycolate, 3 parts by weight of triphenyl phosphate, 290 parts by weight of methylene chloride, 60 parts by weight of ethanol in a sealed container, The mixture was gradually heated to 45 ° C. over 60 minutes with slow stirring and dissolved. The inside of the container was 1.2 atm. This dope was added to Azumi Filter Paper No. After filtering using 244, it left still for 24 hours and the bubble in dope was removed. Separately, 5 parts by mass of the above cellulose resin, 6 parts by mass of Tinuvin 326 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals), 4 parts by mass of Tinuvin 109 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals), 171 (Ciba Specialty Chemicals Co., Ltd.) and AEROSIL R972V (Nippon Aerosil Co., Ltd.) 1 part by mass were mixed with 94 parts by mass of methylene chloride and 8 parts by mass of ethanol, dissolved under stirring, and
[0193]
This cellulose ester film was wound around a glass fiber reinforced resin core having a core diameter of 200 mm into a film roll having a width of 1 m and a length of 1000 m by a taper tension method. At this time, an embossing ring having a temperature of 250 ° C. was pressed against the end of the film, and the thickness was processed to prevent adhesion between the films.
[0194]
Put 100 parts by weight of cellulose resin (details are given below), 5 parts by weight of ethylphthalylethyl glycolate, 3 parts by weight of triphenyl phosphate, 290 parts by weight of methylene chloride, 60 parts by weight of ethanol in a sealed container, The mixture was gradually heated to 45 ° C. over 60 minutes with slow stirring and dissolved. The inside of the container was 1.2 atm.
[0195]
This dope was added to Azumi Filter Paper No. After filtering using 244, it left still for 24 hours and the bubble in dope was removed. Separately, 3 parts by mass of the cellulose resin, 3 parts by mass of Tinuvin 326 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals Co., Ltd.), 4 parts by mass of Tinuvin 109 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals Co., Ltd.), and Tinuvin 171 5 parts by mass (manufactured by Ciba Specialty Chemicals Co., Ltd.) was mixed with 90 parts by mass of methylene chloride and 10 parts by mass of ethanol and dissolved by stirring to prepare
[0196]
The ultraviolet
[0197]
Next, while carrying the roll in an oven at 120 ° C., the roll peripheral speed immediately before the oven outlet is 1.15 times the roll peripheral speed immediately after the oven entrance, and the casting direction (the long direction of the film) ) Was stretched 1.15 times. Immediately after stretching, it was cooled to 60 ° C. Further, both ends of the web were gripped with clips using a tenter and dried at 140 ° C. for 5 minutes with the clip interval fixed, to obtain a cellulose ester film having a film thickness of 80 μm.
[0198]
This cellulose ester film was wound around a glass fiber reinforced resin core having a core diameter of 200 mm into a film roll having a width of 1 m and a length of 1000 m by a taper tension method. At this time, an embossing ring having a temperature of 270 ° C. was pressed against the end of the film, and a 10 μm thickening process was performed to prevent adhesion between the films.
[0199]
It carried out similarly to the
[0200]
<Cellulose resin>
Cellulose resin 1: cellulose acetate having a degree of acetyl group substitution of 2.65 (number average molecular weight 170000)
Cellulose resin 2: Cellulose acetate (number average molecular weight 200000) having an acetyl group substitution degree of 2.92 and cellulose acetate (number average molecular weight 100,000) having an acetyl group substitution degree of 2.45 are mixed, and the average degree of acetyl group substitution after mixing is Adjustment was made to be 2.65.
[0201]
Cellulose resin 3: Cellulose acetate with a degree of acetyl group substitution of 2.51 (number average molecular weight 150,000) and cellulose acetate with a degree of acetyl group substitution of 2.86 (number average molecular weight of 180,000) are mixed, and the average degree of acetyl group substitution after mixing is Adjustment was made to be 2.65.
[0202]
Cellulose resin 4: acetyl group substitution degree 2.10, propionyl group substitution degree 0.80 (number average molecular weight 120,000)
Cellulose resin 5: acetyl group substitution degree 1.80, propionyl group substitution degree 0.90 (number average molecular weight 120,000)
Cellulose resin 6: Cellulose acetate having a substitution degree of acetyl group of 2.92 (number average molecular weight 200000)
The number average molecular weight of the cellulose ester was measured using high performance liquid chromatography. The measurement conditions are as follows.
[0203]
Solvent: Methylene chloride
Column: Shodex K806, K805, K803G (3 Showa Denko Co., Ltd. connected and used)
Column temperature: 25 ° C
Sample concentration: 0.1% by mass
Detector: RI Model 504 (manufactured by GL Sciences)
Pump: L6000 (manufactured by Hitachi, Ltd.)
Flow rate: 1.0ml / lmin
Calibration curve: Standard polystyrene STK standard
Several molecular weights of polystyrene (manufactured by Tosoh Corporation) were prepared, a calibration curve was prepared and converted to the number average molecular weight of the cellulose ester.
[0204]
<< Retardation of support (Ro (nm), Rt (nm), Rt / Ro) measurement >>
Using an automatic birefringence meter KOBRA-21ADH (manufactured by Oji Scientific Instruments Co., Ltd.), a value was obtained by measuring the angular characteristics of retardation at a wavelength of 590 nm in an environment of 23 ° C. and 55% RH.
[0205]
[Table 1]
[0206]
In order to produce an optically anisotropic body having the structure shown in Table 2, the transparent resin film support sample in Table 1 was subjected to plasma treatment as necessary as follows. As necessary, another sample was coated with an organic acid-containing polymer layer instead of plasma treatment as shown below.
[0207]
<Plasma treatment>
Equipment: Continuous atmospheric pressure plasma discharge treatment equipment (shown in FIG. 2)
Power supply: PHF-4K made by HEIDEN
Power supply frequency: 10 kHz
Power output: 400W / m2
The flow rate was controlled with a mass flow controller so that the ratio of processing gas: argon: oxygen: hydrogen = 10: 1: 0.38 (pressure ratio) was obtained, and the mixture mixed with the mixer was introduced into the processing chamber. The processing time was 60 seconds.
[0208]
<Coating of organic acid group-containing polymer layer>
50 g of vinyl acetate: maleic anhydride: maleic acid = 2: 1: 1 (molar ratio) copolymer is dissolved in 500 g of anhydrous acetone and 500 g of ethyl acetate so that the dry film thickness is 100 nm on the transparent support. It applied | coated, conveying with a wire bar, and processed and dried at 100 degreeC for 2 minute (s). And the conveyed film was wound up.
[0209]
Furthermore, the
<Preparation of
While transporting the following active ray cured layer coating composition on a transparent support on a long roll, a wire bar was applied, dried, and 200 mJ / cm in a nitrogen atmosphere.2The film was wound up by being irradiated with ultraviolet rays (light amount of 365 nm) and wound up. The film thickness of the elution block layer after curing was 3 μm.
[0210]
<Preparation of
The following polymer coating solution was prepared on a transparent support, coated with a wire bar so that the dry film thickness was 0.2 μm, and dried.
[0211]
Further, the following alignment layer was coated on the elution block layer.
[0212]
<Coating of alignment layer and irradiation of polarized ultraviolet rays>
A methyl ethyl ketone solution of 2% by mass of PA-1 was prepared, applied on an elution block layer coated on a transparent support with an extrusion coating machine while transporting so that the dry film thickness was 50 nm, and after drying, 110% It heat-processed, conveying at 90 degreeC for 90 second. A 250 mW high-pressure mercury lamp was used to collimate the emitted light using a quartz convex lens and transmitted through a Polaroid UV polarizing film (HNP'B) for polarization. 25 mJ / cm when LC-1 is used for the optical anisotropic layer as the amount of polarized light irradiation on the transparent support in the wavelength range of 300 nm to 330 nm2When LC-2 is used for the optical anisotropic layer, 12 mJ / cm2The film was wound after being conveyed after exposure. At this time, the maximum refractive index direction in the plane of the transparent support coincides with the transport direction, the polarization direction of the ultraviolet light irradiated to the photo-alignment layer is orthogonal to the transport direction, and the orthogonal direction is changed from the irradiation surface normal line. Irradiation was performed at an angle of 20 ° in the direction of inclusion.
[0213]
[Chemical 1]
[0214]
Next, a liquid crystal compound was applied and oriented as follows to form an optically anisotropic layer (
[0215]
<Coating of optically anisotropic layer (liquid crystal layer 1)>
LC-1 (5 g) was dissolved in 45 g of chloroform, and a 10% by mass solution was applied by a printing method on an alignment film of a long film that had been subjected to a polarized irradiation treatment and was coated on a transparent support. The film is dried while being conveyed in a 110 ° C. drying zone, processed for 110 minutes at 110 ° C. for 3 minutes for orientation, and then released in a 20 ° C. zone for 90 seconds. After cooling, LC-1 was oriented and fixed. This was conveyed at room temperature and the film was wound up. The glass transition temperature of LC-1 is 90 ° C. The film thickness of the liquid crystal layer was 1.5 μm.
[0216]
[Chemical 2]
[0217]
<Coating of optically anisotropic layer (liquid crystal layer 2)>
1.6 g of LC-2, 0.4 g of phenoxydiethylene glycol acrylate (M101; manufactured by Toa Gosei Co., Ltd.), and light on an alignment film of a long film that has been subjected to polarized irradiation treatment and is coated on a transparent support. A coating solution obtained by dissolving 0.01 g of a polymerization initiator (Irgacure 907; manufactured by Ciba-Geigy) in 3.65 g of methyl ethyl ketone was applied by an extrusion coating machine.
[0218]
For drying and alignment, the liquid crystal compound was aligned by heating in a 120 ° C. drying zone so that the accumulated time was 3 minutes. Next, it is transported to a zone of 20 ° C. and nitrogen atmosphere, and an illuminance of 500 mJ / cm using a high-pressure mercury lamp.2The ultraviolet rays were irradiated and the orientation was fixed by a crosslinking reaction. The conveyed film was wound up at room temperature. The film thickness of the liquid crystal layer was 1.2 μm.
[0219]
[Chemical 3]
[0220]
As described above, optical anisotropic bodies A to O shown in Table 2 were obtained.
[0221]
[Table 2]
[0222]
The following measurements were performed using the obtained optically anisotropic samples A to O.
<Measurement of average tilt angle of optically anisotropic layer>
Using an automatic birefringence meter KOBRA-21ADH (manufactured by Oji Scientific Instruments Co., Ltd.), the angle dependence (−40 ° to +40) of retardation of only the optical anisotropic body and the transparent support used for the optical anisotropic body The range of °, the measurement was every 10 °). The optical anisotropic body was measured in the direction including the maximum refractive index of the optical anisotropic layer. With respect to the angle dependency of the retardation of the entire optical anisotropic body, the difference in retardation of each angle component of the corresponding transparent support was determined. The observation angle that gives the maximum retardation value depending on the measurement angle is shown in Table 3 as the average tilt angle of the liquid crystal compound constituting the optically anisotropic layer.
[0223]
In this example, it was confirmed that the observation angle giving the maximum value was shifted from the normal direction (0 °) with respect to the surface of the sample, and the liquid crystal molecules in the optically anisotropic layer were tilted. Moreover, since the minimum value of the retardation value is not 0, it was confirmed that the angle of the liquid crystal molecules was changed in the thickness direction.
[0224]
<Measurement of tilt angle of optically anisotropic layer on alignment layer>
Using a transparent glass substrate of 1.5 cm × 2.5 cm instead of the transparent support of the Examples, using a methyl ethyl ketone solution of PA-1 and applying so as to have a dry film thickness of 50 nm, the polarized ultraviolet rays are the same as described above. Prepare two glass substrates each irradiated with LC-1 and LC-2 with alignment films, LC-1 or LC-2 liquid crystal compound and 5 μm spherical spacer on one Was coated on the alignment film in an isotropic temperature atmosphere of the liquid crystal compound. The other aligned glass substrate is pressure-bonded so that it is in contact with the liquid crystal so that the alignment directions are opposite and parallel to each other, and the thickness is adjusted to be uniform, and the periphery is sealed with silicon resin and cured. It was. This produced the glass cell containing a liquid crystal compound. A glass cell produced in the same manner as in the production of the optical anisotropic body was heat-treated. The glass cell containing LC-1 was allowed to cool to room temperature. On the other hand, the glass cell containing LC-2 was allowed to cool to room temperature after UV curing.
[0225]
When the angle dependency of retardation was measured in the same manner as described above, the average tilt angle was higher for all the samples corresponding to the average tilt angle shown in Table 3 obtained from the optical anisotropic body, and was 50 ° or more. It was confirmed. As a result, the tilt angle change in the thickness direction of the liquid crystal compound constituting the optical anisotropic body has a high tilt angle in contact with the alignment film side, and the tilt angle is small or 0 on the side opposite to the alignment film (air interface). Confirmed that it was °. Based on this result, the concept of the tilt angle direction of the
[0226]
<< Evaluation of viewing angle >>
After removing the polarizing plate of the LA-1529HM type TFT-TN liquid crystal panel made by NEC, the optical anisotropic body produced was made in accordance with the configuration of FIG. 1 (the configuration using a polarizing plate instead of the polarizer itself). Each of the driving liquid crystal cells was arranged at an angle, and the peeled polarizing plate was rearranged at the same angle. A monitor is driven with a personal computer for each sample, and the contrast ratio at the time of white / black display is measured by using Ez-Contrast of ELDIM, and the contrast is 10 or more from the normal direction of the liquid crystal panel in the vertical and horizontal directions. Each angle was measured and used as a viewing angle.
[0227]
[Table 3]
[0228]
It is clear that the optical anisotropic body of the present invention can remarkably improve the viewing angle characteristics of the liquid crystal display by including the transparent support and the optical anisotropic layer in the present invention.
[0229]
Example 2
In the optical anisotropic body A of Example 1, A ′ was produced in the same manner except that the plasma treatment was not performed. The optical properties were exactly the same.
[0230]
K ′ was prepared in the same manner as in Example 1 except that no organic acid group-containing polymer layer was provided. The optical properties were exactly the same.
[0231]
These samples A, A′K, and K ′ were subjected to the following adhesion test.
A cross-cut test based on JIS K 5400 was performed to test the adhesion. Specifically, 11 cuts were made vertically and horizontally at intervals of 1 mm on the coated surface to make 100 1 mm square grids. A cellophane tape was affixed on this and peeled off quickly at an angle of 90 degrees, and the number of grids remaining without peeling was defined as m.
[0232]
○ 0 ≦ m ≦ 30 Excellent adhesion.
Δ 31 ≦ m ≦ 50 A level at which there is no problem in practical use although it peels slightly.
[0233]
× 51 ≦ m ≦ 100 Peeling is noticeable and has a practical problem.
Sample No. A A 'K K'
Adhesion ○ △ ○ △
From the above results, it is clear that the adhesion of the optical anisotropic body of the present invention is improved by performing plasma treatment on the transparent support or installing an organic acid group-containing polymer layer.
[0234]
When the effects of the plasma treatment or the installation of the organic acid group-containing polymer layer were also compared in the other samples of Example 1, an improvement in adhesion was observed.
[0235]
Example 3
In the production of the
[0236]
From the above results, the addition of a plasticizer to the transparent support is more preferable in that the dimensional change can be reduced. In particular, when an optical anisotropic body is used in a liquid crystal display device in which optical characteristics are important, it is clear that it is desirable that the change in optical characteristics due to dimensional changes be small.
[0237]
When other samples of Example 1 were similarly prepared and evaluated, the dimensional change could be reduced in all the samples.
[0238]
Example 4
A polarizing plate protective film was produced by the following method.
[0239]
The above composition was put into a closed container, kept at 80 ° C. under pressure, and completely dissolved while stirring to obtain a dope composition. Next, this dope composition was filtered, cooled and kept at 35 ° C., and evenly cast on a stainless steel band. After the solvent was evaporated until peeling was possible, the dope composition was peeled off from the stainless steel band. In the drying zone between 50% by mass and 5% by mass of the residual solvent after peeling, the drying is advanced while maintaining the width by the tenter, and further, the residual solvent amount is 1% by mass or less while being conveyed by many rolls. The film was dried to obtain a film having a thickness of 80 μm.
[0240]
<Production of polarizing plate>
A 120 μm thick polyvinyl alcohol film was immersed in 100 parts by mass of an aqueous solution containing 1 part by mass of iodine and 4 parts by mass of boric acid, and stretched 4 times at 50 ° C. to prepare a polarizer. The polarizing plate protective film having a thickness of 80 μm was immersed in a 2 mol / L sodium hydroxide aqueous solution at 60 ° C. for 2 minutes, washed with water and then dried at 100 ° C. for 10 minutes on both sides of the polarizer. A laminated polarizing plate was prepared using the above adhesive.
[0241]
The direction in which the in-plane maximum refractive index of the transparent support of the optically anisotropic body is parallel to the transmission axis of each of the optically anisotropic bodies manufactured in Example 1 and the polarizing plate is parallel to the optical axis. It bonded using the acrylic adhesive so that an anisotropic layer might become the polarizing plate protective film side.
[0242]
On the other hand, Tinuvin 326 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals), Tinuvin 109 (manufactured by Ciba Specialty Chemicals), and Tinuvin 171 (Ciba In place of Specialty Chemicals Co., Ltd., 2 parts by mass of 2-hydroxy-4-benzyloxybenzophenone was added to prepare an optically anisotropic body, which was bonded in the same manner as the polarizing plate.
[0243]
Further, an optical anisotropic body was prepared in the same manner except that no ultraviolet absorber was added, and was bonded in the same manner as the polarizing plate.
[0244]
The polarizing plate bonded with these optical anisotropic bodies is forcibly deteriorated at an illumination intensity of 70,000 lux at 40 ° C for 500 hours from the normal direction of the film surface from the side where the optical anisotropic bodies are arranged. It was. The polarizing plate on which these optical anisotropic bodies were bonded was installed in a liquid crystal display so as to have the same configuration as in Example 1. Prior to the degradation test, all samples were white and black on the liquid crystal display.
[0245]
The sample containing Tinuvin 326, Tinuvin 109, Tinuvin 171 and the sample containing 2-hydroxy-4-benzyloxybenzophenone on the optically anisotropic transparent support showed no change in black and white display even after the deterioration test. Further, the viewing angle characteristics similar to those of Example 1 were shown. However, in the sample containing no UV absorber on the optically anisotropic transparent support, the black and white display was slightly deteriorated by the deterioration test, and a decrease in contrast was observed because light leaked slightly during black display.
[0246]
From this, it was found that it is more preferable to include an ultraviolet absorber in the optically anisotropic transparent support in terms of improving durability.
[0247]
Example 5
About the polarizing plate which bonded the polarizing plate protective film to the polarizer produced in Example 4, the polarizing plate protective film used as the liquid crystal cell side was changed into the optical anisotropic bodies D, L, and M produced in this invention Example 1. A polarizing plate was produced. That is, optically anisotropic bodies D, L, and M were each immersed in a 2 mol / L sodium hydroxide aqueous solution at 60 ° C. for 2 minutes, washed with water, then dried at 100 ° C. for 10 minutes, Acrylic adhesive is used so that the side with the anisotropic layer is on the polarizer side, and the transmission axis of the polarizer is aligned with the direction that gives the maximum refractive index of the optical anisotropic support. Each of them was used as a polarizing plate.
[0248]
In the same manner as in Example 1 using polarizing plates produced using these optical anisotropic bodies D, L, and M, the polarizing plate of the TFT-TN liquid crystal panel of NEC LA-1529HM was peeled off, and then replaced with this. A polarizing plate produced using the optical anisotropic bodies D, L, and M was incorporated in accordance with the rubbing directions of the optical anisotropic body and the liquid crystal cell. As in Example 1 and Example 4, when the white / black display contrast ratio and the vertical and horizontal viewing angles of the liquid crystal display were evaluated, the effect of the present invention was confirmed.
[0249]
【The invention's effect】
An optical anisotropic body having a high compensation performance of viewing angle characteristics used in a liquid crystal display and a liquid crystal display device including them have been provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram showing an example of a liquid crystal display device in which an optical anisotropic body of the present invention is arranged.
FIG. 2 is a continuous atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus.
[Explanation of symbols]
1, 1 'polarizer
2, 2 'Polarizer transmission axis
3, 3 'optical anisotropic layer
Alignment direction of 4, 4 'liquid crystal compound
4a, 4b Conceptual diagram of tilt direction of liquid crystal compound
5, 5 'transparent support
6, 6 'Maximum refractive index direction in the plane of the transparent support
7 Liquid crystal cell
8 The rubbing (tilt) direction of the upper substrate of the liquid crystal cell
The rubbing (tilt) direction of the lower substrate of the 8 'liquid crystal cell
9, 9 'Optical anisotropic body
10 Transparent resin substrate
11 Front room
12 reaction chamber
13, 14 electrodes
15 Power supply
16 Earth
17 Nip roll
18 Process gas inlet
19 Process gas outlet
20, 21, 22 Transport roll
L Electrode spacing
Claims (11)
ここで、RoおよびRtは透明支持体のリターデーション値を示す。
Ro=(nx−ny)×d
Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(nxは透明支持体の面内での最大屈折率方向であるx方向の屈折率、nyはx方向に垂直な該支持体面内の方向であるy方向の屈折率、nzは厚み方向での該支持体の屈折率であり、dは該支持体の厚み(nm)である。)In an optical anisotropic body having a photo-alignment layer on the transparent support and an optical anisotropic layer adjacent to the photo-alignment layer and in which the alignment of the liquid crystal compound is fixed, the optical characteristics of the support are 41 nm ≦ Ro ≦ An optical anisotropic body characterized by satisfying 95 nm, 0.8 ≦ (Rt / Ro) ≦ 1.4, and satisfying nx>ny> nz.
Here, Ro and Rt indicate retardation values of the transparent support.
Ro = (nx−ny) × d
Rt = ((nx + ny) / 2−nz) × d
(Nx is the refractive index in the x direction which is the maximum refractive index direction in the plane of the transparent support, ny is the refractive index in the y direction which is the direction in the plane of the support perpendicular to the x direction, and nz is the thickness direction. (This is the refractive index of the support, and d is the thickness (nm) of the support.)
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