JP4147547B2 - Polyurethane yarn and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン糸およびその製造方法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明のポリウレタン糸を用いて布帛や衣服などに加工する際の工程通過性に優れ、得られた布帛や衣服の外観品位を優れたものにすることができるポリウレタン糸およびその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
ポリウレタン糸を得る方法としては、従来から溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法等が行われており、これらの方法では紡出後にコアに糸を巻き取った際、糸同士が膠着し、コアに巻き取られた糸を後加工工程でコアから解舒して引き出す際、膠着の抵抗のため糸の引き出しが困難となって糸切れが発生し、順調な操業ができなくなる場合があった。
【0004】
膠着の程度は、例えば、巻糸体からポリウレタン糸を解舒する際の抵抗力、すなわち、解舒張力の大きさによって表すことができる。膠着はポリウレタン糸の巻糸体としての特性項目中で特に重用である。ポリウレタン糸は、その紡糸中に引張りによる伸長歪みを受け、巻き取られているので、巻糸体は内層部になるほど多大な締め付け圧力が加えられる。特に巻糸体を形成する際、初期に巻き上げられる糸層、すなわち、巻糸体のコア近傍である内層部の糸には最も大きな圧力が加えられる。従って、長期間の保管や比較的高い温度での保管により膠着が進み、解舒張力の増加や変動につながり、目的とする安定した張力下でのポリウレタン糸の解舒ができなくなる場合がある。例えば、数カ月間保管した巻糸体は紡糸直後の新しい巻糸体に比べ内層部のポリウレタン糸を解舒する際の抵抗力は甚大となり、場合によっては巻糸体の内層部の糸を引き出せないため廃棄せねばならなくなる場合もあり得る。このようなポリウレタン糸の膠着を防止することはポリウレタン糸の製造およびポリウレタン糸を含有する布帛の製造における経済性を改良することになる。
【0005】
米国特許4296174号には乾式紡糸したポリウレタン糸へステアリン酸カルシウムのような脂肪酸金属塩の添加する技術が開示されている。しかしながら、このような技術において添加物は乾式紡糸プロセスにおける口金孔での析出物の形成やポリマ溶液配管におけるフィルター目詰まりの原因となって紡糸連続性を低下せしめる。すなわち、口金孔での析出物やフィルター目詰まりはポリウレタン糸のフィラメント形成を不連続にしてしまい、その結果、糸切れを引き起こし、析出物や目詰まりを取り除くための清掃や交換を行うためのプロセス停止の頻度が増大する。より良好な膠着防止性能およびより良好なポリウレタン糸製造プロセスの経済性を両立する膠着防止剤が必要とされていた。
【0006】
特開平1−298259号公報には、(CnH2n+1)mX(但し、nは15から35、mは1から3、Xは5以下の炭素数を有する脂肪酸エステルまたは5以下の炭素数を有する脂肪酸アミドまたは5以下の炭素数を有する脂肪酸エステルカルシウム塩を表す)を0.1から2.0重量部配合した熱可塑性ポリウレタンを原料とする弾性不織布の方法が開示されている。この方法では該熱可塑性樹脂は溶融紡糸され、かつ連続的に高温高速のブラストガスで吐出され極細繊維の不織布とすることができ、巻き上げ不織布反物は容易に開反できる。
【0007】
米国特許3382202号には、発泡ポリウレタンにブロッキング防止と粘着防止を付与する添加物処方が開示されている。その添加剤処方は(1)エチレンビスステリルアミドとエチレンビスステリルアミドを含む脂肪族系の特定アミドとビスアミド0.5から4.0部、(2)シリカ、タルク、長石、マイカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等の良く砕かれた微粉体1から15部配合を必須成分とする。この場合には2成分以上が必要となり、ポリウレタン糸の製造プロセスを煩雑にするためその経済性としては好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリウレタン糸同士の膠着を防止することができるため、ポリウレタン糸を製造する際の紡糸連続性を改良することができ、ポリウレタン糸を布帛や衣服などに加工する際の工程通過性を向上させることができ、さらに得られる布帛や衣服などの外観品位を優れたものとすることができるポリウレタン糸およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリウレタン糸は前記課題を解決するため、以下の解決手段を有する。
【0010】
すなわち、膠着防止剤を含有するポリウレタン糸であって、該膠着防止剤が下記一般式(I)で表される化学構造を有することを特徴とするポリウレタン糸である。
【0011】
R1−Z−R2 ……(I)
(式中、R1、R2:炭素数が14〜22のアルキル基またはアルケニル基であり、Zは下記一般式(II)で表される化学構造を有する)
−O−C(O)−NH−R3−NH−C(O)−O− ……(II)
(R3は炭素数6〜18の芳香族炭化水素または脂環族炭化水素を表す)
また、本発明のポリウレタン糸の製造方法は前記課題を解決するため、以下の解決手段を有する。
【0012】
すなわち、ポリウレタン溶液を調製した後、該ポリウレタン溶液に下記一般式(I)で表される化学構造を有する膠着防止剤を添加し、前記ポリウレタン溶液を紡糸することを特徴とするポリウレタン糸の製造方法である。
【0013】
R1−Z−R2 ……(I)
(式中、R1、R2:炭素数が14〜22のアルキル基またはアルケニル基であり、Zは下記一般式(II)で表される化学構造を有する)
−O−C(O)−NH−R3−NH−C(O)−O− ……(II)
(R3は炭素数6〜18の芳香族炭化水素または脂環族炭化水素を表す)
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明のポリウレタン糸について詳細に述べる。
【0015】
まず本発明に使用するポリウレタンは特に限定されるものではなく、その合成法も特に限定されるものではない。
【0016】
すなわち、ポリオールとジイソシアネートとジアミンからなるポリウレタンウレアであってもよく、また、ポリオールとジイソシアネートとジオールからなるポリウレタンであってもよい。
【0017】
さらに、鎖伸長剤として水酸基とアミノ基を分子内に有する化合物を使用したポリウレタンウレアであってもよい。
【0018】
なお、本発明の効果を妨げない範囲で3官能性以上の多官能性のグライコールやイソシアネート等が併用使用されることも好ましい。
【0019】
ここで、本発明のポリウレタン糸を構成する代表的な構造単位について説明する。
【0020】
本発明に使用するポリオールはポリエーテル系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボネートジオール等が好ましい。そして、特に糸にした際の柔軟性、伸度が要求される際には、ポリエーテル系グリコールを用いることが好ましい。ポリエーテル系グリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと略記する)、THFおよび3−MeTHFの共重合体である変性PTMG(以下、3M−PTMGと略記する)、THFおよび2,3−ジメチルTHFの共重合体である変性PTMG、特許公報第2615131号公報などに開示される側鎖を両側に有するポリオール等が好ましい。これらポリエーテル系グリコールを1種または2種以上混合もしくは共重合して用いることも好ましい。
【0021】
また、ポリウレタン糸として耐磨耗性や耐光性が特に要求される際には、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンジオール、特開昭61−26612号公報などに開示されている側鎖を有するポリエステルポリオールなどをはじめとするポリエステル系グリコールや特公平2−289516号公報などに開示されているポリカーボネートジオールを用いることも好ましい。
【0022】
また、こうしたポリオールは単独で使用してもよいし、2種以上混合もしくは共重合して用いることも好ましい。本発明に用いるポリオールの分子量は糸にした際に優れた伸度、強度、弾性回復力、耐熱性などを得る観点から数平均分子量で1000以上8000以下が好ましい。より好ましくは1800以上6000以下である。
【0023】
次に本発明で使用するジイソシアネートとして、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成する際には、芳香族ジイソシアネートが好ましく使用される。
【0024】
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記する)、トリレンジイソシアナート、1,4−ジイソシアナトベンゼン、キシリレンジイソシアナート、2,6−ナフタレンジイソシアナートなどが好ましく用いられる。
【0025】
また、脂環族ジイソシアネートとして、例えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以下、H12MDIと略記する。)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが好ましく用いられる。
【0026】
さらに、脂肪族ジイソシアネートは特にポリウレタン糸の黄変を抑制するために好ましく用いられる。そして、これらのジイソシアネートは単独で使用してもよいし、2種以上を併用することも好ましい。
【0027】
次に本発明で使用する鎖伸長剤として、低分子量ジアミンまたは低分子ジオールのいずれも好ましく用いられる。
【0028】
なお、エタノールアミンのような水酸基とアミノ基を分子中に有するものであってもよい。本発明で使用する低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、1,4−シクロヘキシルジアミン、1,3−シクロヘキシルジアミン、ヘキサヒドロメタフェニレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ビス(4−アミノフェニル)フォスフィンオキサイドなどが好ましく用いられる。これらの中から1種または2種以上を選んで用いることも好ましい。
【0029】
伸度、弾性回復性および耐熱性に優れた糸を得る観点から、エチレンジアミンを使用するのが好ましい。
【0030】
そして本発明においては鎖伸長剤に架橋構造を形成することのできるトリアミン化合物、例えばジエチレントリアミン等を効果を失わない程度に加えることも好ましい。
【0031】
本発明で使用する低分子ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート、1−メチル−1,2−エタンジオールなどが好ましく用いられる。これらの中から1種または2種以上を選んで用いることも好ましい。
【0032】
本発明においては、ジオール伸長のポリウレタンとしては耐熱性が高く、強度の高い糸を得る観点から、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール等が好ましい。
【0033】
また、耐久性や強度の高い繊維を得る観点から、本発明のポリウレタン糸の数平均分子量は40000以上150000以下であることが好ましい。
【0034】
なお、本発明において分子量はGPCで測定し、ポリスチレンにより換算した値をいう。
【0035】
本発明のポリウレタン糸として、ジオールとジイソシアネートからなり、かつポリウレタン糸の高温側の融点が160℃以上260℃以下のものが好ましい。
【0036】
本発明において高温側の融点とは、DSCで糸を測定した際のセカンドランの値を示し、ポリウレタンのいわゆるハードセグメントの融点が該当する。高温側の融点が160℃以上260℃以下であると、工程通過性も含め、実用上の問題がなく、かつ紡糸連続性に優れるという傾向がある。
【0037】
そして、かかる中でも、ポリオールとして分子量が1800以上6000以下であるPTMG、ジイソシアネートとしてMDI、エチレングライコール、1、3プロパンジオールおよび1、4ブタンジオールからなる群のうちから少なくとも1種選んだジオールを併用して合成され、かつ、高温側の融点が160℃以上260℃以下であるポリウレタン糸は、特に伸度が高くなり、さらに上記のように、工程通過性も含め、実用上の問題がなく、かつ熱セット性に優れるのでより好ましい。
【0038】
なお、ポリウレタン糸の高温側の融点を160℃以上260℃以下とするには、事前にテストをし、ジイソシアネートとポリオール、ジオールの比率を選択するのが好ましい。
【0039】
本発明のポリウレタン糸は膠着防止剤を含有する。
本発明において膠着防止剤は下記一般式(I)で表される化学構造を有するものである。
【0040】
R1−Z−R2 ……(I)
(式中、R1、R2:炭素数が14〜22のアルキル基またはアルケニル基であり、Zは下記一般式(II)で表される化学構造を有する)
−O−C(O)−NH−R3−NH−C(O)−O− ……(II)
(R3は炭素数6〜18の芳香族炭化水素または脂環族炭化水素を表す)
R1およびR2は基本的には直鎖のアルキル基またはアルケニル基であることが好ましく、直鎖のアルキル基として炭素数14のペンタデシル基、すなわちC14H29、炭素数17のステアリル基、すなわちC17H35、直鎖のアルケニル基としては炭素数17のオレイル基、すなわちC17H33などが好ましい。
【0041】
膠着防止剤の含有量は、膠着防止性、紡糸連続性、耐薬品性、得られる糸の形態を良好なものとする観点から、0.1重量%以上10重量%以下が好ましく、0.4重量%以上4重量%以下がより好ましい。
【0042】
なお、これらの特性値は、ポリウレタン糸の用途により変えるのが好ましいので、用途により予めにテストし、膠着防止剤の含有比率を決めることが好ましい。
【0043】
さらに、かかるポリウレタンの合成に際し、末端封鎖剤を1種または2種以上混合して用いても何ら構わない。これらの代表的なものとして、ジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどが好ましい。
【0044】
そして、本発明のポリウレタン糸は各種安定剤や顔料などを含有するのも好ましい。例えば、耐光剤、酸化防止剤などとしていわゆるBHTや住友化学社製の”スミライザー”GA−80などをはじめとするヒンダードフェノール系薬剤、各種のチバガイギー社製”チヌビン”をはじめとするベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系薬剤、住友化学製の”スミライザー”P−16をはじめとするリン系薬剤、各種のヒンダードアミン系薬剤、酸化鉄、酸化チタンをはじめとする各種顔料、また酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、カーボンブラックをはじめとする無機物、フッ素系またはシリコーン系樹脂粉体、ステアリン酸マグネシウムをはじめとする金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリン酸系などをはじめとする各種の帯電防止剤などが含まれたり、またこれらがポリマと反応することも好ましい。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性をさらに高めるには、酸化窒素補足剤、例えば日本ヒドラジン製のHN−150、熱酸化安定剤、例えば住友化学製の”スミライザー”GA−80、光安定剤、例えば住友化学製の”スミソーブ”300♯622などを使用することは好ましい。
【0045】
次に本発明のポリウレタン糸の製造方法について詳細に説明する。
【0046】
本発明においては、最初にポリウレタン溶液を調製するのが好ましい。ポリウレタン溶液の製法、また、溶液の溶質であるポリウレタンの製法はどのような方法であってもよい。例えば、溶融重合法または溶液重合法のいずれの方法であってもよい。ポリウレタンにゲルなどの異物の発生が少なく、紡糸しやすく、低繊度のポリウレタン糸を得る観点から、溶液重合法が好ましい、また、当然のことであるが、溶液重合の場合、溶液にする操作が省ける。
【0047】
本発明においてポリウレタンとしては、ポリオールとして分子量が1800以上6000以下のPTMG、ジイソシアネートとしてMDI、ジオールとしてエチレングライコール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオールからなる群のうち少なくとも1種を選んで合成され、かつ、高温側の融点が160℃以上260℃以下であるものが好ましい。
【0048】
かかるポリウレタンは、例えば、DMAC、DMF、DMSO、NMPなどやこれらを主成分とする溶剤の中で、上記の原料を用い合成することにより得るのが好ましい。例えば、こうした溶剤中に、各原料を投入、溶解せしめ、適度な温度に加熱し、反応せしめポリウレタンとする、いわゆるワンショット法、また、ポリオールとジイソシアネートをまず溶融反応せしめ、しかる後に、該反応物を溶剤に溶解し、前述のジオールと反応せしめ、ポリウレタンとする方法などが、特に好適な方法として採用され得る。
【0049】
鎖伸長剤としてジオールを用いる場合、ポリウレタンの高温側の融点を160℃以上260℃以下に調節する代表的な方法は、ポリオール、MDI、ジオールの種類と比率をコントロールすることが好ましい。ポリオールの分子量が低い場合には、MDIの割合を相対的に多くすることが好ましい。同様に高温側の融点が高いポリウレタンを得るため、ジオールの分子量が低い場合にはポリオールの割合を相対的に少なくすることが好ましい。
【0050】
ポリオールの分子量が1800以上の場合、高温側の融点を160℃以上にするには、(MDIのモル数)/(ポリオールのモル数)=1.3以上の割合で重合を進めることが好ましい。
【0051】
なお、かかるポリウレタンの合成に際し、アミン系触媒や有機金属触媒を1種または2種以上混合して用いても何ら構わない。これらの代表的なものとしては、アミン系触媒としては、例えば、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3-プロパンジアミン、N,N,N',N'-テトラメチルヘキサンジアミン、ビス-2-ジメチルアミノエチルエーテル、N,N,N',N',N'-ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N'-ジメチルピペラジン、N-メチル-N'-ジメチルアミノエチル-ピペラジン、N-(2-ジメチルアミノエチル)モルホリン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、N,N-ジメチルアミノエタノール、N,N,N'-トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N-メチル-N'-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N-ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノールアミン等が好ましい。また、有機金属触媒としてはオクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル等が好ましい。こうして得られるポリウレタン溶液の濃度は特に限定されるものではないが、通常、30重量%以上80重量%以下とすることが好ましい。
【0052】
本発明においては、かかるポリウレタン溶液に膠着防止剤を添加する。膠着防止剤のポリウレタン溶液への添加方法としては、任意の方法が採用できる。その代表的な方法としては、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方法、ホモミキサーによる方法、2軸押し出し機を用いる方法など各種手段を採用するのが好ましい。ここで、添加される膠着防止剤は溶液にして添加することが好ましい。膠着防止剤は溶液であるとポリウレタン溶液への均一な添加が可能となる。
【0053】
なお、膠着防止剤のポリウレタン溶液への添加により、添加後の混合溶液の溶液粘度は添加前のポリウレタンの溶液粘度に比べ予想以上に高くなる現象が発生する場合がある。この現象を防止する観点からジメチルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルメチルアミン、イソブチルメチルアミン、イソペンチルメチルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミンなどのモノアミン、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、アリルアルコール、シクロペンタノールなどのモノオール、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネートなどの末端封鎖剤を1種または2種以上混合して用いることも好ましく行われる。
【0054】
次に本発明のポリウレタン糸の繊度、断面形状などは特に限定されるものではない。例えば、糸の断面は円形であってもよく、また扁平であってもよい。ポリウレタン糸の紡糸は繊度が低いほど紡糸連続性が低くなり、また、その巻糸体の膠着が増大する傾向にあるが、本発明の膠着防止剤を使用した場合、繊度が低い場合でも、その紡糸連続性および巻糸体の膠着に対する改良効果が著しい。
【0055】
また、紡糸方式についても、乾式法、湿式法、溶融法のいずれの方法であってもよい。本発明においては、特に乾式紡糸法が好ましい。
【0056】
次に、本発明のポリウレタン糸の膠着性、すなわち、解舒張力等は、特にゴデローラーと巻取機の速度比の影響を受けやすいので、糸の使用目的に応じて決めるのが好ましい。
【0057】
なお、本発明においてゴデローラーとは、紡糸口金からでた糸条を最初に巻き取るローラーをいい、ゴデローラーと巻取機の間には他のローラーが介在してもよい。
【0058】
本発明においては、ゴデローラーと巻取機の速度比を1.1以上1.65以下として巻き取ることが好ましい。また、1.15以上1.4以下として巻き取ることがより好ましい。
【0059】
また、紡糸速度としては、450m/分以上であることが、強度を高くする観点から好ましい。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。
【0061】
なお添加物の量は糸重量を100重量部(wt%)とした値である。
【0062】
本発明における各物性の測定方法を以下に説明する。
[解舒張力]
解舒張力は米国特許4296174号明細書のカラム4、20行から45行および図6に記載される方法を用いて測定した。糸を45.7m/分で巻糸体の側面から引き剥がし、183mを引き剥がす間の平均張力を計測した。計測時の温度は25℃、60%RHにて実施した。計測する巻糸体の位置は巻糸体表層、中央層、最内部層とした。具体的に巻糸体表層とは巻糸体表面から約5グラムの糸を除去した層であった。この理由は巻糸体表面の巻き上げのパターンを故意に変える場合があるからである。最内部層とは巻糸体に巻糸を約5gを残した層。中央層とは巻糸体表層、最内部層の中間の層とした。解舒張力を測定する巻糸体は6ヶ月以上、約20℃にて保管したものを使用した。
[破断強度、破断伸度]
破断強度、破断伸度は、ポリウレタン糸をインストロン4502型引張試験機を用い、引張テストすることにより得られた。これらは下記により定義される。
【0063】
5cm(L1)の試料を50cm/分の引張速度で300%伸長を5回繰返した。このときの応力を(G1)とした。次に該長さを30秒間保持した。30秒間保持後の応力を(G2)とした。次に該伸長を回復せしめ応力が0になった時の試料の長さを(L2)とした。さらに6回目にポリウレタン糸が切断するまで伸長した。この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L3)とした。
【0064】
以下、上記の特性は下記式により与えられる。
【0065】
強度=(G3)
伸度=100×{(L3)−(L1))/(L1)}
[耐薬品性]
糸を100%伸長固定し、オレイン酸のヘキサン溶液(5重量%)に24時間浸積処理し、次にN,N’−ジエチルトルアミドのエタノール溶液(0.5重量%)に1時間浸積処理した。その後、糸をフリーで24時間、室温で乾燥し、破断強度(G4)を測定した。未処理糸の破断強度(G3)に対する(G4)の保持率を耐薬品性とした。
【0066】
耐薬品性=100×(G4)/(G3)
紡糸連続性は糸切れが発生するまでの走行距離区間、さらに詳しくは、糸切れが発生するまでの時間×ゴデローラー周速度の平均値とした。
[パンスト外観]
パンスト外観は20dtexナイロン糸によるカバーリング糸(SCY)を形成し、ゾッキパンストを編成し、足形に固定し、表面の欠点と編成組織の均一性を目視で判定する官能評価である。4段階で評価を行い、欠点は無く、パンスト表面全体の編成組織の均一が保たれているものを1級、欠点は無いが、パンスト表面全体の編成組織の不均一が判別可能であるものを2級、軽度の欠点があるものを3級、重度の欠点があるものを4級とした。
(実施例1)
分子量2900のPTMG、MDIおよびエチレングリコールからなるポリウレタンのDMAC溶液(35wt%)を重合しポリマ溶液A1とした。次に、膠着防止剤としてMDIとACROS社製オレイルアルコール(純度60%、他40%は炭素数18のアルキルアルコール、炭素数14のアルキルアルコール、炭素数14のアルケニルアルコール)の反応生成物のDMAC分散液を調整した。調整には水平ミルWILLY A.BACHOFEN社製DYNO−MIL KDLを用い、85%ジルコニアビーズを充填、50g/minの流速で均一な微分散液を調整、膠着防止剤分散液B1(35wt%)とした。更に、アメリカ合衆国特許3555115号に記するt−ブチルジエタノールアミンとメチレン−ビス−(4−シクロヘキシルイソシアネ−ト)の反応によって生成せしめたポリウレタンとアメリカ合衆国特許3553290号に記するp−クレゾ−ルとジビニルベンゼンの縮合重合体の2対1重量比の混合物のDMAC溶液(35wt%)を調整し、酸化防止剤溶液C1(35wt%)とした。A1、B1、C1を94wt%、2wt%、4wt%で均一に混合し、紡糸溶液D1とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.40として540m/分のスピードで乾式紡糸することにより、20dtex、モノフィラメントの200g巻糸体を得た。この糸の破断伸度、破断強度、解舒張力、耐薬品性、紡糸連続性を表1に示す。解舒張力はB1未配合の比較例1に比べ巻糸体表層、中央層、最内部層、総じて低く、特に最内部層の比較では1/10に低減している。また、破断伸度、破断強度はB1未配合の比較例1と同等または同等以上であり、耐薬品性はB1未配合の比較例1の1.5倍、紡糸連続性は1.17倍であった。倍本糸を用い20dtexのナイロン糸によるカバーリング糸(SCY)を形成し、ゾッキパンストを編んだところ、外観品位の優れた優れたゾッキパンストを得ることができた。また、本パンストをオレイン酸のヘキサン溶液(5wt%)に20分間浸積、洗濯、乾燥処理後、このパンストの着用試験を実施したところ、その耐久性は比較例1の糸を用いた場合の1.3倍であった。
【0067】
【表1】
【0068】
(実施例2)
膠着防止剤としてMDIとARDRICH社製ラウリルアルコール(炭素数12のアルキルアルコール)の反応生成物のDMAC分散液を調整した。調整には実施例1と同一方法にて実施し、膠着防止剤分散液B2(35wt%)とした。ポリマ溶液A1、B2、C1を93wt%、3wt%、4wt%で均一に混合し、溶液D2とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.40として540m/分のスピードで乾式紡糸することにより、20dtex、モノフィラメントの200g巻糸体を得た。この糸の破断伸度、破断強度、解舒張力、耐薬品性、紡糸連続性を表1に示す。解舒張力はB2未配合の比較例1に比べ巻糸体表層、中央層、最内部層、総じて低く、特に最内部層の比較では1/10に低減している。また、破断伸度、破断強度はB2未配合の比較例1と同等または同等以上であり、耐薬品性はB2未配合の比較例1の1.4倍、紡糸連続性は1.08倍であった。本糸を用い20dtexのナイロン糸によるカバーリング糸(SCY)を形成し、ゾッキパンストを編んだところ、外観品位の優れた優れたゾッキパンストを得ることができた。また、本パンストをオレイン酸のヘキサン溶液(5wt%)に20分間浸積、洗濯、乾燥処理後、このパンストの着用試験を実施したところ、その耐久性は比較例1の糸を用いた場合の1.3倍であった。
(実施例3)
分子量1800のPTMG、MDI、エチレンジアミンおよび末端封鎖剤としてジエチルアミンからなるポリウレタンのDMAC溶液(35wt%)を重合し、溶液A2とした。ポリマ溶液A2、B1、C1を95.4wt%、0.6wt%、4.0wt%で均一に混合し、溶液D3とした。溶液D3をゴデローラーと巻取機の速度比を1.20として600m/分のスピードで乾式紡糸することにより、20dtexのマルチフィラメントの500g巻糸体を得た。この糸の破断伸度、破断強度、解舒張力、耐薬品性、紡糸連続性を表1に示す。解舒張力はB1未配合の比較例2に比べ巻糸体表層、中央層、最内部層、総じて低く、特に最内部層の比較では1/8に低減している。また、破断伸度、破断強度はB1未配合の比較例2と同等または同等以上であり、耐薬品性はB1未配合の比較例2の1.2倍、紡糸連続性は1.45倍であった。本糸を用い20dtexのナイロン糸によるカバーリング糸(SCY)を形成し、ゾッキパンストを編んだところ、外観品位の優れた優れたゾッキパンストを得ることができた。また、本パンストをオレイン酸のヘキサン溶液(5wt%)に20分間浸積、洗濯、乾燥処理後、このパンストの着用試験を実施したところ、その耐久性は比較例1の糸を用いた場合の1.2倍であった
(実施例4)
ポリマ溶液A2、B2、C1を90.0wt%、6.0wt%、4.0wt%で均一に混合し、溶液D4とした。溶液D4をゴデローラーと巻取機の速度比を1.20として600m/分のスピードで乾式紡糸することにより、20dtexのマルチフィラメントの500g巻糸体を得た。この糸の破断伸度、破断強度、解舒張力、耐薬品性、紡糸連続性を表1に示す。解舒張力はB2未配合の比較例2に比べ巻糸体表層、中央層、最内部層、総じて低く、特に最内部層の比較では1/16に低減している。また、破断伸度、破断強度はB2未配合の比較例2と同等または同等以上であり、耐薬品性はB2未配合の比較例2の1.2倍、紡糸連続性は1.09倍であった。本糸を用い20dtexのナイロン糸によるカバーリング糸(SCY)を形成し、ゾッキパンストを編んだところ、外観品位の優れた優れたゾッキパンストを得ることができた。また、本パンストをオレイン酸のヘキサン溶液(5wt%)に20分間浸積、洗濯、乾燥処理後、このパンストの着用試験を実施したところ、その耐久性は比較例1の糸を用いた場合の1.2倍であった。
(比較例1)
実施例1および実施例2で使用した膠着防止剤を含有しない糸を作るためポリマ溶液A1、添加剤溶液C1を混合し、均一溶液E1とした。溶液E1をゴデローラーと巻取機の速度比を1.40として540m/分のスピードで乾式紡糸することにより、20dtex、モノフィラメントの糸を得た。この糸の破断伸度、破断強度、解舒張力、耐薬品性、紡糸連続性を表1に示す。本糸を用い20dtexのナイロン糸によるカバーリング糸(SCY)を形成し、ゾッキパンストを編んだ。
(比較例2)
実施例3および実施例4で使用した膠着防止剤を含有しない糸を作るためポリマ溶液A2、添加剤溶液C1を混合し、均一溶液E2とした。溶液E2をゴデローラーと巻取機の速度比を1.20として600m/分のスピードで乾式紡糸することにより、20dtexのマルチフィラメントの500g巻糸体を得た。この糸の破断伸度、破断強度、解舒張力、耐薬品性、紡糸連続性を表1に示す。本糸を用い20dtexのナイロン糸によるカバーリング糸(SCY)を形成し、ゾッキパンストを編んだ。
(比較例3)
膠着防止剤として米国特許3382202号明細書に開示される方法の脂肪族系のアミドとしてエチレンビスステリルアミドおよび良く砕かれた微粉体として最大粒径0.5μmのステアリン酸マグネシウムを1対2重量比で混合したDMAC分散液を調整した。調整には実施例1と同一方法にて実施し、最大粒径は1ミクロンメートルであった。これを膠着防止剤分散液B3(35wt%)とした。ポリマ溶液A1、B3、C1を94wt%、2wt%、4wt%で均一に混合し、溶液E3とした。これをゴデローラーと巻取機の速度比1.40として540m/分のスピードで乾式紡糸することにより、18デニール、モノフィラメントの200g巻糸体を得た。この糸の破断伸度、破断強度、解舒張力、耐薬品性、紡糸連続性を表1に示す。20dtexのマルチフィラメントの500g巻糸体を得た。本糸を用い20dtexのナイロン糸によるカバーリング糸(SCY)を形成し、ゾッキパンストを編んだ。
【0069】
【発明の効果】
本発明のポリウレタン糸は製造の際の紡糸連続性が高く、そして、その巻糸体から解舒する際の抵抗力、すなわち、解舒張力を巻糸体の外部から内部まで安定して低くすることができ、長期間その巻糸体を保管する場合にも解舒張力の経時増大を抑制できる。そのため、本発明のポリウレタン糸を使用した布帛の製造時には製造プロセスへ安定した解舒張力でポリウレタン糸を供給できるため、従来にない特性を有する。特に衣服などにしたとき、外観品位、耐薬品性などが優れる特性を示すのである。これらの優れた特性を有することから、単独での使用はもとより、各種繊維との組み合わせにより、例えばソックス、ストッキング、丸編、トリコット、水着、スキーズボン、作業服、煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウエットスーツ、ブラジャー、ガードル、手袋や靴下をはじめとする各種繊維製品の締め付け材料、紙おしめなどサニタニー品の漏れ防止用締め付け材料、防水資材の締め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、ワイピングクロス、コピークリーナー、ガスケットなど、種々の用途に展開可能である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyurethane yarn and a method for producing the same.
[0002]
More specifically, a polyurethane yarn that is excellent in process passability when processed into a fabric or garment using the polyurethane yarn of the present invention, and that can improve the appearance quality of the obtained fabric or garment, and its production. Regarding the method.
[0003]
[Prior art]
As a method for obtaining a polyurethane yarn, conventionally, a melt spinning method, a dry spinning method, a wet spinning method, and the like have been performed, and when these yarns are wound around a core after spinning, the yarns are stuck together, When the yarn wound on the core is unwound from the core in the post-processing step and pulled out, it may be difficult to pull out the yarn due to resistance to sticking, resulting in thread breakage, which may prevent smooth operation. .
[0004]
The degree of agglutination can be expressed by, for example, the resistance when unwinding the polyurethane yarn from the wound body, that is, the unwinding tension. Adhesion is particularly important in the characteristic item as a wound body of polyurethane yarn. Since the polyurethane yarn is wound by being subjected to elongation strain due to tension during spinning, a large tightening pressure is applied to the wound yarn body as it becomes an inner layer portion. In particular, when forming the wound body, the greatest pressure is applied to the yarn layer that is wound up in the initial stage, that is, the yarn in the inner layer portion in the vicinity of the core of the wound body. Accordingly, sticking progresses due to long-term storage or storage at a relatively high temperature, leading to an increase or fluctuation in the unwinding tension, which may make it impossible to unwind the polyurethane yarn under the intended stable tension. For example, a wound body that has been stored for several months has a greater resistance to unwinding the polyurethane yarn in the inner layer than a new wound body immediately after spinning, and in some cases, the inner layer of the wound body cannot be pulled out. Therefore, it may be necessary to dispose of it. Preventing the sticking of such polyurethane yarns improves the economics of producing polyurethane yarns and fabrics containing polyurethane yarns.
[0005]
U.S. Pat. No. 4,296,174 discloses a technique for adding a fatty acid metal salt such as calcium stearate to a dry-spun polyurethane yarn. However, in such a technique, the additive causes the formation of precipitates in the nozzle holes in the dry spinning process and the clogging of the filter in the polymer solution piping, thereby reducing the spinning continuity. In other words, deposits and filter clogging in the base holes make the filament formation of the polyurethane yarn discontinuous, resulting in thread breakage, and a process for cleaning and replacement to remove deposits and clogging The frequency of outages increases. There has been a need for an anti-sticking agent that achieves both better anti-sticking performance and better economics of polyurethane yarn manufacturing processes.
[0006]
JP-A-1-298259 discloses (CnH2n + 1) mX (where n is 15 to 35, m is 1 to 3, and X is a fatty acid ester having 5 or less carbon atoms or a fatty acid amide having 5 or less carbon atoms. Or an elastic nonwoven fabric method using thermoplastic polyurethane as a raw material containing 0.1 to 2.0 parts by weight of a fatty acid ester calcium salt having 5 or less carbon atoms). In this method, the thermoplastic resin can be melt-spun and continuously discharged with a high-temperature and high-speed blast gas to form a nonwoven fabric of ultrafine fibers, and the rolled-up nonwoven fabric can be easily opened.
[0007]
U.S. Pat. No. 3,382,202 discloses an additive formulation that imparts anti-blocking and anti-sticking properties to foamed polyurethane. The additive formulation is (1) 0.5 to 4.0 parts of aliphatic amide and bisamide containing ethylene bissterylamide and ethylene bissterylamide, (2) silica, talc, feldspar, mica, carbon A blend of 1 to 15 parts of finely pulverized fine powder such as black, calcium carbonate or sodium carbonate is an essential component. In this case, two or more components are required, and the manufacturing process of the polyurethane yarn is complicated, which is not preferable as the economical efficiency.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to prevent sticking between polyurethane yarns, so that the spinning continuity when producing polyurethane yarns can be improved, and the process passes when the polyurethane yarns are processed into fabrics and clothes. It is an object of the present invention to provide a polyurethane yarn and a method for producing the same, which can improve the properties and further improve the appearance quality of fabrics and clothes obtained.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The polyurethane yarn of the present invention has the following means for solving the above-mentioned problems.
[0010]
That is, a polyurethane yarn containing an anti-sticking agent, wherein the anti-sticking agent has a chemical structure represented by the following general formula (I).
[0011]
R 1 -ZR 2 ...... (I)
(Wherein R 1 , R 2 : An alkyl group or an alkenyl group having 14 to 22 carbon atoms, and Z has a chemical structure represented by the following general formula (II))
-O-C (O) -NH-R Three -NH-C (O) -O- (II)
(R Three Represents an aromatic hydrocarbon or alicyclic hydrocarbon having 6 to 18 carbon atoms)
Moreover, in order to solve the said subject, the manufacturing method of the polyurethane thread | yarn of this invention has the following solution means.
[0012]
That is, after preparing a polyurethane solution, an anti-sticking agent having a chemical structure represented by the following general formula (I) is added to the polyurethane solution, and the polyurethane solution is spun. It is.
[0013]
R 1 -ZR 2 ...... (I)
(Wherein R 1 , R 2 : An alkyl group or an alkenyl group having 14 to 22 carbon atoms, and Z has a chemical structure represented by the following general formula (II))
-O-C (O) -NH-R Three -NH-C (O) -O- (II)
(R Three Represents an aromatic hydrocarbon or alicyclic hydrocarbon having 6 to 18 carbon atoms)
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the polyurethane yarn of the present invention will be described in detail.
[0015]
First, the polyurethane used in the present invention is not particularly limited, and the synthesis method thereof is not particularly limited.
[0016]
That is, it may be a polyurethane urea composed of a polyol, a diisocyanate and a diamine, or may be a polyurethane composed of a polyol, a diisocyanate and a diol.
[0017]
Furthermore, polyurethane urea using a compound having a hydroxyl group and an amino group in the molecule as a chain extender may be used.
[0018]
In addition, it is also preferable to use trifunctional or higher polyfunctional glycol or isocyanate in a range not impeding the effects of the present invention.
[0019]
Here, typical structural units constituting the polyurethane yarn of the present invention will be described.
[0020]
The polyol used in the present invention is preferably polyether glycol, polyester glycol, polycarbonate diol or the like. And when flexibility and elongation are particularly required when the yarn is used, it is preferable to use a polyether glycol. Examples of polyether glycols include polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetramethylene ether glycol (hereinafter abbreviated as PTMG), modified PTMG (hereinafter abbreviated as 3M-PTMG), which is a copolymer of THF and 3-MeTHF. And modified polyols such as modified PTMG, which is a copolymer of THF and 2,3-dimethyl THF, and polyols having side chains on both sides disclosed in Japanese Patent Publication No. 2615131. These polyether glycols are also preferably used by mixing or copolymerizing one type or two or more types.
[0021]
Further, when abrasion resistance and light resistance are particularly required as a polyurethane yarn, butylene adipate, polycaprolactone diol, polyester polyol having a side chain disclosed in JP-A No. 61-26612, etc. It is also preferable to use a polyester diol such as polyester glycol as disclosed in Japanese Patent Publication No. 2-289516.
[0022]
These polyols may be used alone or in combination of two or more. The molecular weight of the polyol used in the present invention is preferably 1000 or more and 8000 or less in terms of number average molecular weight from the viewpoint of obtaining excellent elongation, strength, elastic recovery, heat resistance and the like when formed into a yarn. More preferably, it is 1800 or more and 6000 or less.
[0023]
Next, as the diisocyanate used in the present invention, aromatic diisocyanate is preferably used particularly when a polyurethane having high heat resistance and high strength is synthesized.
[0024]
As the aromatic diisocyanate, for example, diphenylmethane diisocyanate (hereinafter abbreviated as MDI), tolylene diisocyanate, 1,4-diisocyanatobenzene, xylylene diisocyanate, 2,6-naphthalene diisocyanate and the like are preferably used. It is done.
[0025]
Further, as the alicyclic diisocyanate, for example, methylene bis (cyclohexyl isocyanate) (hereinafter referred to as H 12 Abbreviated as MDI. ), Isophorone diisocyanate, methylcyclohexane 2,4-diisocyanate, methylcyclohexane 2,6-diisocyanate, cyclohexane 1,4-diisocyanate, hexahydroxylylene diisocyanate, hexahydrotolylene diisocyanate, octahydro 1,5-naphthalene diisocyanate and the like are preferably used. It is done.
[0026]
Furthermore, aliphatic diisocyanates are preferably used to suppress yellowing of the polyurethane yarn. These diisocyanates may be used alone or in combination of two or more.
[0027]
Next, as the chain extender used in the present invention, either a low molecular weight diamine or a low molecular diol is preferably used.
[0028]
In addition, you may have a hydroxyl group and amino groups in a molecule like ethanolamine. Examples of the low molecular weight diamine used in the present invention include ethylenediamine, 1,2-propanediamine, 1,3-propanediamine, hexamethylenediamine, p-phenylenediamine, p-xylylenediamine, m-xylylenediamine, P, p′-methylenedianiline, 1,4-cyclohexyldiamine, 1,3-cyclohexyldiamine, hexahydrometaphenylenediamine, 2-methylpentamethylenediamine, bis (4-aminophenyl) phosphine oxide, etc. are preferably used. It is done. It is also preferable to use one or more selected from these.
[0029]
From the viewpoint of obtaining a yarn excellent in elongation, elastic recovery and heat resistance, it is preferable to use ethylenediamine.
[0030]
In the present invention, it is also preferable to add a triamine compound capable of forming a crosslinked structure, such as diethylenetriamine, to the chain extender to such an extent that the effect is not lost.
[0031]
Examples of the low molecular diol used in the present invention include ethylene glycol, 1,3 propanediol, 1,4 butanediol, bishydroxyethoxybenzene, bishydroxyethylene terephthalate, 1-methyl-1,2-ethanediol, and the like. Preferably used. It is also preferable to use one or more selected from these.
[0032]
In the present invention, ethylene glycol, 1,3 propanediol, 1,4 butanediol, and the like are preferable as the diol-extended polyurethane from the viewpoint of obtaining a yarn having high heat resistance and high strength.
[0033]
Further, from the viewpoint of obtaining fibers having high durability and strength, the number average molecular weight of the polyurethane yarn of the present invention is preferably 40,000 to 150,000.
[0034]
In the present invention, the molecular weight is a value measured by GPC and converted by polystyrene.
[0035]
The polyurethane yarn of the present invention is preferably composed of a diol and a diisocyanate and has a melting point on the high temperature side of the polyurethane yarn of 160 ° C. or higher and 260 ° C. or lower.
[0036]
In the present invention, the melting point on the high temperature side indicates the value of second run when the yarn is measured by DSC, and corresponds to the melting point of the so-called hard segment of polyurethane. When the melting point on the high temperature side is 160 ° C. or higher and 260 ° C. or lower, there is a tendency that there are no practical problems including process passability and excellent spinning continuity.
[0037]
Among them, PTMG having a molecular weight of 1800 or more and 6000 or less as a polyol, and a diol selected from at least one selected from the group consisting of MDI, ethylene glycol, 1,3 propanediol and 1,4 butanediol as a diisocyanate are used in combination. Polyurethane yarn having a melting point on the high temperature side of 160 ° C. or higher and 260 ° C. or lower particularly has high elongation, and as described above, there is no practical problem including process passability, And since it is excellent in heat setting property, it is more preferable.
[0038]
In order to make the melting point of the high temperature side of the polyurethane yarn 160 ° C. or higher and 260 ° C. or lower, it is preferable to test in advance and select the ratio of diisocyanate, polyol and diol.
[0039]
The polyurethane yarn of the present invention contains an anti-sticking agent.
In the present invention, the anti-sticking agent has a chemical structure represented by the following general formula (I).
[0040]
R 1 -ZR 2 ...... (I)
(Wherein R 1 , R 2 : An alkyl group or an alkenyl group having 14 to 22 carbon atoms, and Z has a chemical structure represented by the following general formula (II))
-O-C (O) -NH-R Three -NH-C (O) -O- (II)
(R Three Represents an aromatic hydrocarbon or alicyclic hydrocarbon having 6 to 18 carbon atoms)
R 1 And R 2 Is preferably a linear alkyl group or an alkenyl group, and a pentadecyl group having 14 carbon atoms as the linear alkyl group, that is, C 14 H 29 , A stearyl group having 17 carbon atoms, that is, C 17 H 35 As the straight-chain alkenyl group, an oleyl group having 17 carbon atoms, that is, C 17 H 33 Etc. are preferable.
[0041]
The content of the anti-sticking agent is preferably 0.1% by weight or more and 10% by weight or less from the viewpoint of improving the anti-sticking property, spinning continuity, chemical resistance, and the shape of the obtained yarn. More preferably, it is at least 4% by weight.
[0042]
In addition, since it is preferable to change these characteristic values according to the use of the polyurethane yarn, it is preferable to test in advance according to the use and determine the content ratio of the anti-sticking agent.
[0043]
Furthermore, when synthesizing such polyurethane, it does not matter at all even if one or more kinds of end-capping agents are mixed and used. Typical of these are dimethylamine, diisopropylamine, ethylmethylamine, diethylamine, methylpropylamine, isopropylmethylamine, diisopropylamine, butylmethylamine, isobutylmethylamine, isopentylmethylamine, dibutylamine, diamylamine, etc. Monoamines such as monoamine, ethanol, propanol, butanol, isopropanol, allyl alcohol and cyclopentanol, and monoisocyanates such as phenyl isocyanate are preferred.
[0044]
The polyurethane yarn of the present invention preferably contains various stabilizers and pigments. For example, hindered phenolic agents such as so-called BHT and “Sumilizer” GA-80 manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd. as a light-fastening agent, antioxidant, etc., and various benzotriazoles such as “Tinuvin” manufactured by Ciba Geigy , Benzophenone drugs, phosphorus-based drugs such as Sumitizer P-16 manufactured by Sumitomo Chemical, various hindered amine drugs, various pigments including iron oxide and titanium oxide, zinc oxide, cerium oxide, magnesium oxide , Inorganic materials such as carbon black, fluorine-based or silicone-based resin powders, metal soaps such as magnesium stearate, and bactericides, deodorizers, and silicones containing silver, zinc and their compounds, Lubricants such as mineral oil, barium sulfate, cerium oxide, betaine and phosphoric acid Or contain various antistatic agents including, etc., It is also preferred that they are reacted with the polymer. In order to further enhance the durability to light and various types of nitric oxide, in particular, a nitric oxide scavenger such as HN-150 manufactured by Nippon Hydrazine, a thermal oxidation stabilizer such as “Sumilyzer” GA-80 manufactured by Sumitomo Chemical. It is preferable to use a light stabilizer such as “Sumisorb” 300 # 622 manufactured by Sumitomo Chemical.
[0045]
Next, the manufacturing method of the polyurethane yarn of this invention is demonstrated in detail.
[0046]
In the present invention, it is preferable to prepare a polyurethane solution first. The production method of the polyurethane solution and the production method of the polyurethane which is the solute of the solution may be any method. For example, either a melt polymerization method or a solution polymerization method may be used. From the standpoint of obtaining polyurethane yarns that are less likely to cause gel or other foreign matter in the polyurethane, are easy to spin, and have a low fineness, the solution polymerization method is preferable. Save.
[0047]
In the present invention, as the polyurethane, at least one selected from the group consisting of PTMG having a molecular weight of 1800 or more and 6000 or less as a polyol, MDI as a diisocyanate, ethylene glycol, 1,3 propanediol and 1,4 butanediol as a diol is selected. Those synthesized and having a high-temperature melting point of 160 ° C. or higher and 260 ° C. or lower are preferred.
[0048]
Such polyurethane is preferably obtained by synthesizing the above raw materials in, for example, DMAC, DMF, DMSO, NMP or the like or a solvent containing them as a main component. For example, each raw material is charged into such a solvent, dissolved, heated to an appropriate temperature, and reacted with polyurethane to form a so-called one-shot method, or a polyol and diisocyanate are first melt-reacted, and then the reaction product A method of dissolving polyurethane in a solvent and reacting with the above-mentioned diol to form polyurethane can be adopted as a particularly suitable method.
[0049]
When a diol is used as the chain extender, the typical method for adjusting the melting point on the high temperature side of the polyurethane to 160 ° C. or higher and 260 ° C. or lower is preferably to control the types and ratios of the polyol, MDI and diol. When the molecular weight of the polyol is low, it is preferable to relatively increase the proportion of MDI. Similarly, in order to obtain a polyurethane having a high melting point on the high temperature side, it is preferable to relatively reduce the proportion of polyol when the molecular weight of the diol is low.
[0050]
When the molecular weight of the polyol is 1800 or more, it is preferable to proceed the polymerization at a ratio of (number of moles of MDI) / (number of moles of polyol) = 1.3 or more in order to make the melting point on the high temperature side 160 ° C. or more.
[0051]
In synthesizing such polyurethane, it does not matter if one or more amine catalysts or organometallic catalysts are used in combination. Typical examples of these include amine catalysts such as N, N-dimethylcyclohexylamine, N, N-dimethylbenzylamine, triethylamine, N-methylmorpholine, N-ethylmorpholine, N, N, N. ', N'-tetramethylethylenediamine, N, N, N', N'-tetramethyl-1,3-propanediamine, N, N, N ', N'-tetramethylhexanediamine, bis-2-dimethylamino Ethyl ether, N, N, N ', N', N'-pentamethyldiethylenetriamine, tetramethylguanidine, triethylenediamine, N, N'-dimethylpiperazine, N-methyl-N'-dimethylaminoethyl-piperazine, N- (2-dimethylaminoethyl) morpholine, 1-methylimidazole, 1,2-dimethylimidazole, N, N-dimethylaminoethanol, N, N, N′-trimethylaminoethylethanolamine, N-methyl-N ′-( 2-hydroxyethyl) pi Rajin, 2,4,6-tris (dimethylaminomethyl) phenol, N, N-dimethylamino hexanol, triethanolamine and the like are preferable. As the organometallic catalyst, tin octoate, dibutyltin dilaurate, lead dibutyl octoate and the like are preferable. The concentration of the polyurethane solution thus obtained is not particularly limited, but it is usually preferably 30% by weight or more and 80% by weight or less.
[0052]
In the present invention, an anti-sticking agent is added to the polyurethane solution. Any method can be adopted as a method of adding the anti-sticking agent to the polyurethane solution. As typical methods, it is preferable to employ various means such as a method using a static mixer, a method using stirring, a method using a homomixer, and a method using a biaxial extruder. Here, the anti-sticking agent to be added is preferably added as a solution. When the anti-sticking agent is a solution, it can be uniformly added to the polyurethane solution.
[0053]
In addition, the addition of the anti-sticking agent to the polyurethane solution may cause a phenomenon in which the solution viscosity of the mixed solution after the addition becomes higher than expected compared to the solution viscosity of the polyurethane before the addition. From the viewpoint of preventing this phenomenon, monoamines such as dimethylamine, diisopropylamine, ethylmethylamine, diethylamine, methylpropylamine, isopropylmethylamine, diisopropylamine, butylmethylamine, isobutylmethylamine, isopentylmethylamine, dibutylamine, and diamylamine It is also preferable to use one or more end-blocking agents such as monools such as ethanol, propanol, butanol, isopropanol, allyl alcohol and cyclopentanol, and monoisocyanates such as phenyl isocyanate.
[0054]
Next, the fineness and cross-sectional shape of the polyurethane yarn of the present invention are not particularly limited. For example, the cross section of the yarn may be circular or flat. The lower the fineness of the spinning of the polyurethane yarn, the lower the spinning continuity and the tendency of the sticking of the wound yarn to increase. When the anti-sticking agent of the present invention is used, even when the fineness is low, The effect of improving the spinning continuity and the sticking of the wound body is remarkable.
[0055]
The spinning method may be any of a dry method, a wet method, and a melting method. In the present invention, the dry spinning method is particularly preferable.
[0056]
Next, the sticking property, that is, the unwinding tension and the like of the polyurethane yarn of the present invention is particularly susceptible to the speed ratio between the godet roller and the winder, so it is preferable to determine it according to the intended use of the yarn.
[0057]
In the present invention, the godet roller refers to a roller that first winds the yarn from the spinneret, and another roller may be interposed between the godet roller and the winder.
[0058]
In this invention, it is preferable to wind up by setting the speed ratio of a godet roller and a winder as 1.1 or more and 1.65 or less. Moreover, it is more preferable to wind up as 1.15 or more and 1.4 or less.
[0059]
The spinning speed is preferably 450 m / min or more from the viewpoint of increasing the strength.
[0060]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
[0061]
The amount of the additive is a value with the yarn weight taken as 100 parts by weight (wt%).
[0062]
A method for measuring each physical property in the present invention will be described below.
[Unwinding tension]
The unraveling tension was measured using the method described in US Pat. No. 4,296,174, column 4, lines 20 to 45 and FIG. The yarn was peeled off from the side surface of the wound body at 45.7 m / min, and the average tension during peeling of 183 m was measured. The measurement temperature was 25 ° C. and 60% RH. The position of the wound thread body to be measured was the wound body surface layer, the center layer, and the innermost layer. Specifically, the wound body surface layer was a layer obtained by removing about 5 grams of yarn from the surface of the wound body. This is because the winding pattern on the surface of the wound body may be intentionally changed. The innermost layer is a layer that leaves about 5 g of wound yarn on the wound body. The center layer was the intermediate layer between the wound body surface layer and the innermost layer. As the wound body for measuring the unwinding tension, one stored at about 20 ° C. for 6 months or more was used.
[Break strength, elongation at break]
The breaking strength and breaking elongation were obtained by subjecting polyurethane yarn to a tensile test using an Instron 4502 type tensile tester. These are defined by:
[0063]
300% elongation of a 5 cm (L1) sample was repeated 5 times at a tensile speed of 50 cm / min. The stress at this time was defined as (G1). The length was then held for 30 seconds. The stress after holding for 30 seconds was defined as (G2). Next, the length of the sample when the elongation was recovered and the stress became zero was defined as (L2). Furthermore, it extended | stretched until the polyurethane yarn cut | disconnected 6th time. The stress at the time of fracture was (G3), and the sample length at the time of fracture was (L3).
[0064]
Hereinafter, the above characteristics are given by the following equation.
[0065]
Strength = (G3)
Elongation = 100 × {(L3) − (L1)) / (L1)}
[chemical resistance]
The yarn was stretched and fixed at 100%, immersed in a hexane solution of oleic acid (5% by weight) for 24 hours, and then immersed in an ethanol solution of N, N′-diethyltoluamide (0.5% by weight) for 1 hour. Product processing. Thereafter, the yarn was dried for 24 hours at room temperature, and the breaking strength (G4) was measured. The retention rate of (G4) relative to the breaking strength (G3) of the untreated yarn was defined as chemical resistance.
[0066]
Chemical resistance = 100 × (G4) / (G3)
The spinning continuity was defined as the travel distance interval until the yarn breakage occurred, and more specifically, the average value of the time until the yarn breakage × the godet roller peripheral speed.
[Pantyhose appearance]
The appearance of pantyhose is a sensory evaluation in which a covering yarn (SCY) made of 20 dtex nylon yarn is formed, knitted pantyhose is knitted, fixed to a foot shape, and surface defects and knitted tissue uniformity are visually determined. Evaluated in 4 stages, 1st grade with no defects and uniform knitting structure on the entire pantyhose surface, 1st grade with no defects, but with identifiable non-uniformity of knitting structure on the entire pantyhose surface Grade 2 was classified as grade 3, with minor defects, and grade 4 with severe defects.
(Example 1)
A polymer DMAC solution (35 wt%) composed of PTMG, MDI and ethylene glycol having a molecular weight of 2900 was polymerized to obtain a polymer solution A1. Next, DMAC as a reaction product of MDI and ACROS oleyl alcohol (purity 60%, the other 40% is an alkyl alcohol having 18 carbon atoms, an alkyl alcohol having 14 carbon atoms, an alkenyl alcohol having 14 carbon atoms) as an anti-sticking agent The dispersion was adjusted. Horizontal mill WILLY A. Using DYNO-MIL KDL manufactured by BACHOFE, filled with 85% zirconia beads, a uniform fine dispersion was prepared at a flow rate of 50 g / min, and anti-sticking agent dispersion B1 (35 wt%) was obtained. Further, a polyurethane formed by the reaction of t-butyldiethanolamine and methylene-bis- (4-cyclohexyl isocyanate) described in US Pat. No. 3,555,115, and p-cresol and divinylbenzene described in US Pat. No. 3,553,290. A DMAC solution (35 wt%) of a 2: 1 weight ratio mixture of the above condensation polymers was prepared as an antioxidant solution C1 (35 wt%). A1, B1, and C1 were uniformly mixed at 94 wt%, 2 wt%, and 4 wt% to obtain a spinning solution D1. This was dry-spun at a speed ratio of 540 m / min with a speed ratio of 1.40 between the godet roller and the winder, to obtain a 20-gtex, monofilament 200 g wound body. Table 1 shows the breaking elongation, breaking strength, unwinding tension, chemical resistance, and spinning continuity of this yarn. The unwinding tension is generally lower in the wound body surface layer, the center layer, and the innermost layer as compared with Comparative Example 1 in which B1 is not blended, and particularly reduced to 1/10 in the comparison of the innermost layer. Further, the elongation at break and the strength at break were the same as or equal to or higher than those of Comparative Example 1 containing no B1, the chemical resistance was 1.5 times that of Comparative Example 1 containing no B1, and the spinning continuity was 1.17 times. there were. When a double yarn was used to form a covering yarn (SCY) of 20 dtex nylon yarn and knitted pantyhose was knitted, an excellent zokky pantyhose with excellent appearance quality could be obtained. Moreover, when this pantyhose was immersed in a hexane solution of oleic acid (5 wt%) for 20 minutes, washed and dried, and then subjected to a wearing test of this pantyhose, the durability was obtained when the yarn of Comparative Example 1 was used. It was 1.3 times.
[0067]
[Table 1]
[0068]
(Example 2)
A DMAC dispersion of a reaction product of MDI and ARDRICH lauryl alcohol (C12 alkyl alcohol) was prepared as an anti-sticking agent. The adjustment was carried out in the same manner as in Example 1 to obtain anti-sticking agent dispersion B2 (35 wt%). Polymer solutions A1, B2, and C1 were uniformly mixed at 93 wt%, 3 wt%, and 4 wt% to obtain a solution D2. This was dry-spun at a speed ratio of 540 m / min with a speed ratio of 1.40 between the godet roller and the winder, to obtain a 20-gtex, monofilament 200 g wound body. Table 1 shows the breaking elongation, breaking strength, unwinding tension, chemical resistance, and spinning continuity of this yarn. The unwinding tension is generally lower in the wound body surface layer, the center layer, and the innermost layer as compared with Comparative Example 1 in which B2 is not blended, and in particular, compared with the innermost layer, it is reduced to 1/10. Further, the elongation at break and the strength at break were the same as or equivalent to those of Comparative Example 1 containing no B2, the chemical resistance was 1.4 times that of Comparative Example 1 containing no B2, and the spinning continuity was 1.08 times. there were. When this yarn was used to form a covering yarn (SCY) made of 20 dtex nylon yarn and knitted pantyhose was knitted, an excellent zokky pantyhose with excellent appearance quality could be obtained. Moreover, when this pantyhose was immersed in a hexane solution of oleic acid (5 wt%) for 20 minutes, washed and dried, and then subjected to a wearing test of this pantyhose, the durability was obtained when the yarn of Comparative Example 1 was used. It was 1.3 times.
(Example 3)
A polyurethane DMAC solution (35 wt%) composed of PTMG having a molecular weight of 1800, MDI, ethylenediamine and diethylamine as a terminal blocking agent was polymerized to obtain a solution A2. Polymer solutions A2, B1, and C1 were uniformly mixed at 95.4 wt%, 0.6 wt%, and 4.0 wt% to obtain a solution D3. The solution D3 was dry-spun at a speed of 600 m / min with a speed ratio of the godet roller and the winder of 1.20 to obtain a 500 g wound body of 20 dtex multifilament. Table 1 shows the breaking elongation, breaking strength, unwinding tension, chemical resistance, and spinning continuity of this yarn. The unwinding tension is generally lower in the surface layer of the wound body, the center layer, and the innermost layer as compared with Comparative Example 2 in which B1 is not blended, and particularly reduced to 1/8 in the comparison of the innermost layer. In addition, the elongation at break and the breaking strength are equal to or equal to or higher than those of Comparative Example 2 containing no B1, and the chemical resistance is 1.2 times that of Comparative Example 2 containing no B1 and the spinning continuity is 1.45 times. there were. When this yarn was used to form a covering yarn (SCY) made of 20 dtex nylon yarn and knitted pantyhose was knitted, an excellent zokky pantyhose with excellent appearance quality could be obtained. Moreover, when this pantyhose was immersed in a hexane solution of oleic acid (5 wt%) for 20 minutes, washed and dried, and then subjected to a wearing test of this pantyhose, the durability was obtained when the yarn of Comparative Example 1 was used. 1.2 times
Example 4
Polymer solutions A2, B2, and C1 were uniformly mixed at 90.0 wt%, 6.0 wt%, and 4.0 wt% to obtain a solution D4. The solution D4 was dry-spun at a speed of 600 m / min with a speed ratio of a godet roller and a winder of 1.20 to obtain a 500 g wound body of 20 dtex multifilament. Table 1 shows the breaking elongation, breaking strength, unwinding tension, chemical resistance, and spinning continuity of this yarn. The unwinding tension is generally lower in the wound body surface layer, the center layer, and the innermost layer compared to Comparative Example 2 in which B2 is not blended, and in particular, in the comparison of the innermost layer, it is reduced to 1/16. In addition, the elongation at break and the strength at break are equal to or equal to or higher than those of Comparative Example 2 containing no B2, the chemical resistance is 1.2 times that of Comparative Example 2 containing no B2, and the spinning continuity is 1.09 times. there were. When this yarn was used to form a covering yarn (SCY) made of 20 dtex nylon yarn and knitted pantyhose was knitted, an excellent zokky pantyhose with excellent appearance quality could be obtained. Moreover, when this pantyhose was immersed in a hexane solution of oleic acid (5 wt%) for 20 minutes, washed and dried, and then subjected to a wearing test of this pantyhose, the durability was obtained when the yarn of Comparative Example 1 was used. It was 1.2 times.
(Comparative Example 1)
Polymer solution A1 and additive solution C1 were mixed to make a yarn containing no anti-sticking agent used in Example 1 and Example 2 to obtain a uniform solution E1. The solution E1 was dry-spun at a speed ratio of 540 m / min with a speed ratio of the godet roller and winder of 1.40 to obtain a 20 dtex monofilament yarn. Table 1 shows the breaking elongation, breaking strength, unwinding tension, chemical resistance, and spinning continuity of this yarn. Using this yarn, a covering yarn (SCY) of 20 dtex nylon yarn was formed and knitted pantyhose was knitted.
(Comparative Example 2)
Polymer solution A2 and additive solution C1 were mixed to make a yarn not containing an anti-sticking agent used in Example 3 and Example 4 to obtain a uniform solution E2. The solution E2 was dry-spun at a speed of 600 m / min with a speed ratio of the godet roller and the winder of 1.20 to obtain a 500 g wound body of 20 dtex multifilament. Table 1 shows the breaking elongation, breaking strength, unwinding tension, chemical resistance, and spinning continuity of this yarn. Using this yarn, a covering yarn (SCY) of 20 dtex nylon yarn was formed and knitted pantyhose was knitted.
(Comparative Example 3)
One to two weights of ethylene bissteryl amide as an aliphatic amide of the method disclosed in US Pat. No. 3,382,202 as an anti-sticking agent and magnesium stearate having a maximum particle size of 0.5 μm as a finely divided fine powder A DMAC dispersion mixed at a ratio was prepared. The adjustment was carried out in the same manner as in Example 1, and the maximum particle size was 1 micrometer. This was designated as anti-sticking agent dispersion B3 (35 wt%). Polymer solutions A1, B3, and C1 were uniformly mixed at 94 wt%, 2 wt%, and 4 wt% to obtain a solution E3. This was dry-spun at a speed ratio of 540 m / min with a speed ratio of 1.40 between the godet roller and the winder to obtain a 200 g wound body of 18 denier monofilament. Table 1 shows the breaking elongation, breaking strength, unwinding tension, chemical resistance, and spinning continuity of this yarn. A 500 g roll of 20 dtex multifilament was obtained. Using this yarn, a covering yarn (SCY) of 20 dtex nylon yarn was formed and knitted pantyhose was knitted.
[0069]
【The invention's effect】
The polyurethane yarn of the present invention has high spinning continuity during production, and the resistance when unwinding from the wound body, that is, the unwinding tension is stably lowered from the outside to the inside of the wound body. Even when the wound body is stored for a long period of time, an increase in the unwinding tension over time can be suppressed. Therefore, since the polyurethane yarn can be supplied to the manufacturing process with a stable unwinding tension during the production of the fabric using the polyurethane yarn of the present invention, it has unprecedented characteristics. In particular, when it is made into clothes, it has excellent properties such as appearance quality and chemical resistance. Because of having these excellent characteristics, not only by itself, but also in combination with various fibers, for example, socks, stockings, circular knitting, tricot, swimsuit, ski pants, work clothes, smoke fire clothes, clothes, golf pants, Tightening materials for various textile products such as wet suits, bras, girdles, gloves and socks, fastening materials for preventing sanitary products such as paper diapers, fastening materials for waterproofing materials, imitation baits, artificial flowers, electrical insulation materials, wiping cloths It can be used for various applications such as copy cleaners and gaskets.
Claims (12)
R1−Z−R2 ……(I)
(式中、R1、R2:炭素数が14〜22のアルキル基またはアルケニル基であり、Zは下記一般式(II)で表される化学構造を有する)
−O−C(O)−NH−R3−NH−C(O)−O− ……(II)
(R3は炭素数6〜18の芳香族炭化水素または脂環族炭化水素を表す)A polyurethane yarn containing an anti-sticking agent, wherein the anti-sticking agent has a chemical structure represented by the following general formula (I):
R 1 -Z-R 2 (I)
(Wherein R 1 and R 2 are alkyl groups or alkenyl groups having 14 to 22 carbon atoms, and Z has a chemical structure represented by the following general formula (II))
—O—C (O) —NH—R 3 —NH—C (O) —O— (II)
(R 3 represents an aromatic hydrocarbon or alicyclic hydrocarbon having 6 to 18 carbon atoms)
R1−Z−R2 ……(I)
(式中、R1、R2:炭素数が14〜22のアルキル基またはアルケニル基であり、Zは下記一般式(II)で表される化学構造を有する)
−O−C(O)−NH−R3−NH−C(O)−O− ……(II)
(R3は炭素数6〜18の芳香族炭化水素または脂環族炭化水素を表す)A method for producing a polyurethane yarn, comprising preparing a polyurethane solution, adding an anti-sticking agent having a chemical structure represented by the following general formula (I) to the polyurethane solution, and spinning the polyurethane solution.
R 1 -Z-R 2 (I)
(Wherein R 1 and R 2 are alkyl groups or alkenyl groups having 14 to 22 carbon atoms, and Z has a chemical structure represented by the following general formula (II))
—O—C (O) —NH—R 3 —NH—C (O) —O— (II)
(R 3 represents an aromatic hydrocarbon or alicyclic hydrocarbon having 6 to 18 carbon atoms)
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