JP4147139B2 - 純水装置の再生方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イオン交換樹脂層によって原水中のイオン状塩類などの不純物を除去し、純水を採水する純水装置の再生方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂を均一に混合して形成された混合イオン交換樹脂層により原水中のイオン状塩類などの不純物を除去し、純水を採水する純水装置では、この混合イオン交換樹脂層の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とが原水中のイオン状塩類により飽和したときには、混合イオン交換樹脂層を分離して強酸性陽イオン交換樹脂は塩酸、強塩基性陰イオン交換樹脂は苛性ソーダによりそれぞれ再生する方法が採られている。
【0003】
そして、従来の純水装置におけるイオン交換樹脂層の再生には、図3に示す再生方法が採られていた。この再生方法は、苛性ソーダの貯槽1及び塩酸の貯槽2からポンプ3,4にてそれぞれ苛性ソーダ及び塩酸を苛性ソーダ計量槽5及び塩酸計量槽6にそれぞれ移送し、この苛性ソーダ計量槽5及び塩酸計量槽6にイオン交換樹脂層の一回の再生に必要な苛性ソーダ及び塩酸をそれぞれ計量充填する。そして、再生工程では、エゼクタ駆動水路13を流れるエゼクタ駆動水がエゼクタ7にて苛性ソーダ計量槽5から苛性ソーダを吸引し、エゼクタ駆動水により苛性ソーダを希釈しながら純水装置8内に上部から注入させる。
【0004】
そして、純水装置8に注入した苛性ソーダにてイオン交換能力を失ったイオン交換樹脂層9の強塩基性陰イオン交換樹脂は活性化されて再生し、この苛性ソーダは純水装置8の中間部から排水し、引き続き、エゼクタ駆動水路13を流れるエゼクタ駆動水がエゼクタ10にて塩酸計量槽6から塩酸を引き出し、エゼクタ駆動水により塩酸を希釈しながら純水装置8内に下部から注入し、塩酸にてイオン交換能力を失った強酸性陽イオン交換樹脂を活性化させて再生し、この塩酸を純水装置8の中間部から排水するようにしている。
【0005】
この図3に示す再生方法では、苛性ソーダ計量槽5及び塩酸計量槽6を設けるため、計量槽5,6の設置スペースを必要とし、また、塩酸計量槽6から発生する塩化水素ガスを処理する装置を必要とし、さらに、この塩酸計量槽6には常時塩酸が貯留されているため、塩化水素ガスが常時発生しており、この塩酸計量槽6の設置場所の周辺に配置されている機器を腐食するおそれがある。
【0006】
また、従来、苛性ソーダ計量槽及び塩酸計量槽を用いないで、図4に示すように、流量計、例えば苛性ソーダ用流量計11及び塩酸用流量計12を用い、純水装置8の再生時にこの流量計11,12でそれぞれ計量された苛性ソーダ及び塩酸を純水装置8に順次に注入させる再生方法も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
この図4に示す方法は、イオン交換樹脂層の再生工程で、エゼクタ駆動水路13を流れるエゼクタ駆動水にて貯槽1,2から苛性ソーダ及び塩酸を引き出し流量計11,12でそれぞれ計量しながら純水装置8に注入するもので、この苛性ソーダ用流量計11及び塩酸用流量計12にて一回の再生に必要な苛性ソーダ及び塩酸をそれぞれ計量する。
【0008】
この苛性ソーダ用流量計11で計量された苛性ソーダはエゼクタ駆動水路13を流れるエゼクタ駆動水でエゼクタ7にて引き出され、エゼクタ駆動水により苛性ソーダを希釈しながら純水装置8内に上部から注入され、この苛性ソーダにてイオン交換能力を失った強塩基性陰イオン交換樹脂を再生し、この苛性ソーダを純水装置8の中間部から排水する。
【0009】
次いで、貯槽2から引き出された塩酸は、塩酸用流量計12で計量されながら、エゼクタ駆動水により希釈されながら純水装置8内に下部から注入され、この塩酸にてイオン交換能力を失った強酸性陽イオン交換樹脂は再生し、この塩酸とエゼクタ駆動水とを純水装置8の中間部から排水するようにしている。
【0010】
なお、この図4に示す方法では、苛性ソーダの貯槽1及び塩酸の貯槽2からエゼクタ7,10にて苛性ソーダ、塩酸をそれぞれ引き出すようにしているが、エゼクタ7,10の吸い込み能力が不足するときには、図4に示すポンプ3,4を設け、このポンプ3,4とエゼクタ7,10と併用してそれぞれ苛性ソーダ及び塩酸を貯槽1,2から引き出して流量計11,12を経て純水装置8に注入するようにしている。
【0011】
この純水装置8に供給する苛性ソーダ及び塩酸を流量計11,12でそれぞれ計量する装置では、耐塩酸用の流量計としては、電磁式などの流量計が用いられてきたが非常に高価であり、また、比較的安価な薬液用の流量計もあるが、塩酸の計量に使用すると、比較的短期間で破損してしまうという問題があった。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−84552号公報(第2−4頁、図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記図3に示す従来の再生装置では、計量槽及び設置スペースが必要であり、塩酸計量槽から発生する塩化水素ガスにより、付帯機器が腐蝕し易いという問題があった。また、上記図4に示す従来の再生装置では、高価な耐再生剤性を有する流量計を用いなくてはならないという問題があった。
【0014】
本発明者は鋭意研究の結果、安価な流量計を塩酸の計量に使用することにより、流量計が短期間で破損してしまう原因を突き止めた。すなわち、イオン交換樹脂層の再生終了後も塩酸用の流量計の内部には塩酸が残留し、この残留している塩酸の一部が気化し、塩化水素ガスとなり、塩化水素ガスが流量計の接液部を通過して電気回路を腐食させて故障、破損させていたことを確認できた。
【0015】
本発明は上記従来の問題点に鑑みなされたもので、イオン交換能力を失ったイオン交換樹脂層、例えば強酸性陽イオン交換樹脂を再生処理する純水装置の再生工程において、イオン交換樹脂を活性化させる再生剤、例えば、塩酸を純水装置に注入した後、純水装置に残留した例えば塩酸をイオン交換樹脂と充分に反応させるための押し出し水の少なくとも一部を塩酸用流量計に通過させることにより、塩酸用流量計を洗浄し、塩酸用流量計が塩化水素ガスで腐食されることがなく、高価な流量計などを用いる必要がなく、計量槽及びその設置スペース、また、塩酸計量槽の塩酸から発生する塩化水素ガスにより付帯機器の腐食の問題を解決した純水装置の再生方法及びその装置を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の純水装置の再生方法は、純水装置内の原水中の不純物を除去するイオン交換樹脂層に再生剤を注入し、イオン交換能力を失ったイオン交換樹脂層のイオン交換樹脂を活性化する純水装置の再生方法であって、前記純水装置に再生剤を注入するためのエゼクタを設けたエゼクタ駆動水路を備え、前記エゼクタの被吸引側に接続した再生剤移送路に設けられている流量計にて再生剤を計量しながら、前記エゼクタ駆動水路を流れるエゼクタ駆動水にて吸引し、この再生剤をエゼクタ駆動水にて希釈しながら前記純水装置に注入し、この再生剤を前記純水装置に注入後、この純水装置のイオン交換樹脂層内に残留した再生剤を押し出す水を純水装置に注入するとともにこの水の少なくとも一部は前記流量計を経て純水装置に注入するものである。
【0017】
そして、純水装置のイオン交換能力を失ったイオン交換樹脂層のイオン交換樹脂、例えば強酸性陽イオン交換樹脂を再生処理するときは、イオン交換樹脂層のイオン交換樹脂を活性化する再生剤、例えば塩酸を流量計に移送し、この再生剤を流量計で計量しながら純水装置に注入して、強酸性陽イオン交換樹脂を活性化させる。
【0018】
このように純水装置に再生剤を注入した後に、再生剤の注入を停止し、引き続き、押し出し水のみを純水装置内に注入することにより、純水装置に残留した再生剤、例えば塩酸がイオン交換樹脂と充分に反応し、純水装置に再生剤が残留することがない。この工程を押出工程という。
【0019】
この押出工程において、純水装置に注入する押し出し水の少なくとも一部を流量計に通過させることにより、安価な流量計の破損や付帯機器の腐食が激減することが確認された。これは、押し出し水が流量計を通過することにより流量計の内部が洗浄され、塩酸が残留することがなく、したがって、塩化水素ガスの発生がなくなったためと推測される。
【0020】
請求項2記載の純水装置の再生方法は、請求項1記載の純水装置の再生方法において、イオン交換樹脂は強酸性陽イオン交換樹脂であり、再生剤は塩酸である。
【0021】
請求項3記載の純水装置の再生装置は、原水中の不純物を除去するイオン交換樹脂層を形成した純水装置と、前記イオン交換樹脂層のイオン交換樹脂を活性化する再生剤を貯留する貯槽と、この貯槽から移送された再生剤を計量する流量計と、前記純水装置にエゼクタ駆動水を供給するエゼクタ駆動水路と、このエゼクタ駆動水路に設けられ前記流量計の二次側を被吸引部に接続したエゼクタと、前記エゼクタの一次側と前記貯槽とを流量計の一次側に切換え接続する三方弁とを備えたものである。
【0022】
そして、イオン交換能力を失ったイオン交換樹脂層のイオン交換樹脂、例えば強酸性陽イオン交換樹脂を再生処理するときは、三方弁を再生剤の貯槽と流量計の一次側とが連通するように切換え、この状態で、エゼクタ駆動水路にエゼクタ駆動水を通水すると、貯槽からイオン交換樹脂層のイオン交換樹脂を活性化する再生剤が流量計で計量されながら、エゼクタの被吸引部に引き出され、エゼクタに移送された再生剤はエゼクタ駆動水路に流入される。
【0023】
このエゼクタでエゼクタ駆動水路に流入された再生剤はエゼクタ駆動水にて希釈されながら純水装置に注入されて純水装置内を流動し、この再生剤、例えば塩酸が純水装置内に流動すると、塩酸がイオン交換樹脂層、例えば強酸性陽イオン交換樹脂を活性化して純水装置内から排出される。
【0024】
設定量の再生剤が純水装置内に注入された後に、三方弁を再生剤の注入時に連通されていた再生剤の貯槽と流量計の一次側とを遮断し、流量計の一次側とエゼクタの一次側とが連通するように切換え、エゼクタ駆動水路から純水装置に注水すると、純水装置に残留した例えば塩酸の再生剤がイオン交換樹脂と充分に反応され、純水装置に再生剤が残留することがない。
【0025】
また、純水装置に残留した再生剤、例えば塩酸がイオン交換樹脂と充分に反応させるために純水装置内にエゼクタ駆動水を流動させるとき、純水装置内に流動させる駆動水の少なくとも一部が流量計を通過することにより、流量計の内部を洗浄し、流量計内に再生剤の残留がなくなり、再生剤例えば塩酸用流量計が塩化水素ガスで腐食されることがない。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施例の構成を図1に基いて説明する。
【0027】
再生剤、例えば苛性ソーダの貯槽21に苛性ソーダ液移送路22が接続され、この苛性ソーダ液移送路22に苛性ソーダ用流量計23の一次側が接続されている。そして、この苛性ソーダ用流量計23の二次側は開閉弁24を介して苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25に設けたエゼクタ26の被吸引側に接続されている。
【0028】
また、再生剤、例えば塩酸の貯槽27に再生剤移送路28が接続され、この再生剤移送路28に電動三方ボール弁などの三方弁29を介して再生剤流量計、例えば塩酸用流量計30の一次側が接続されている。そして、この塩酸用流量計30の二次側は塩酸用エゼクタ駆動水路31に設けたエゼクタ32の被吸引側に開閉弁33を介して接続されている。
【0029】
この苛性ソーダ用流量計23と塩酸用流量計30とは、タービン式流量計又は流量センサによる電磁式流量計など適宜の流量計を適用でき、また、再生剤から発生する塩化水素ガスに対し耐腐食性材質または機構を用いた高価な流量計に限らず、比較的安価な薬液用流量計を使用できる。
【0030】
前記苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25及び塩酸用エゼクタ駆動水路31は純水装置34に接続した原水路35からそれぞれ分岐接続され、この苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25に接続した前記エゼクタ26は開閉弁36を介して前記原水路35に設けた開閉弁37の二次側に接続され、この原水路35に接続した開閉弁37の二次側は前記純水装置34の上部に接続されている。また、前記塩酸用エゼクタ駆動水路31に接続した前記エゼクタ32は開閉弁38を介して前記純水装置34の下部に接続されている。また、この塩酸用エゼクタ駆動水路31のエゼクタ32の一次側には前記三方弁29が洗浄バイパス路39にて接続されている。
【0031】
この三方弁29は塩酸用流量計30の一次側を、再生剤移送路28の二次側と洗浄バイパス路39とを選択的に切換え連通させるとともに塩酸用流量計30の一次側を再生剤移送路28の二次側及び洗浄バイパス路39と遮断するように切換えられる。
【0032】
さらに、前記原水路35の開閉弁37の一次側から分岐接続した逆洗水路40には開閉弁41を介して、前記純水装置34の下部に接続されている。また、この純水装置34の上部には開閉弁42が接続され、また、この純水装置34の中間部には開閉弁43が接続され、この両開閉弁42,43は再生水排水路44にそれぞれ接続されている。
【0033】
また、前記純水装置34の下部には水洗排水路45と純水出口路46とが接続され、この水洗排水路45と純水出口路46とには開閉弁47,48がそれぞれ設けられている。
【0034】
さらに、前記純水装置34は内部に充填した強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とのイオン交換樹脂層49が形成される。なお、この強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂は一般的には均一に混合した混合層を形成して用いられる。そして、この混合層に原水を通過させると原水中のイオン状塩類が吸着除去されて純水が得られる。
【0035】
さらに、前記純水装置34の下部には空気路50が接続され、この空気路50には開閉弁51が設けられている。
【0036】
次に、本発明の純水装置の再生方法の実施の形態を説明する。
【0037】
純水工程では、原水路35の開閉弁37と純水出口路46の開閉弁48が開口されており、原水は原水路35から純水装置34内の上部に流入され、純水装置34に流入した原水は、この原水中に混入しているイオン状塩類などの不純物が強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂によりイオン交換されて除去され、例えば、規定純度0.1mS/m以下の純水として純水装置34の下部から純水出口路46に流出され、純水が採水される。
【0038】
この純水の採水によりイオン交換樹脂層48の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂がイオン交換能力を失った場合には、再生工程で再生剤により強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン交換能力を回復させる。
【0039】
この再生工程は、図2に示すように、逆洗工程、沈静工程、苛性ソーダ薬注工程、塩酸薬注工程、押出工程、水洗工程、混合工程、第二沈静工程、第二水洗工程の各工程を順次に行う。
【0040】
まず、逆洗工程について説明する。
【0041】
この逆洗工程は、逆洗水路40の開閉弁41を開くとともに純水装置34の上部に接続した開閉弁42を開き、洗浄用原水又は洗浄用清水などの洗浄水を逆洗水路40から純水装置34の下部に上向きに流入させると、洗浄水は強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とのイオン交換樹脂層49を解きほぐしながらこの強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂に付着している懸濁物質、コロイド状物質を洗い出し、懸濁物質、コロイド状物質を含む洗浄した水は再生水排水路44から排出される。
【0042】
そして、この逆洗工程にて混合していた強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂は比重差により、イオン交換樹脂層49は上部に強塩基性陰イオン交換樹脂、下部に強酸性陽イオン交換樹脂が分離される。
【0043】
次の沈静工程は、逆洗水路40の開閉弁41と純水装置34の上部に接続した開閉弁42とを閉じ、前記逆洗工程で浮上分離していた強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂を沈静化し、上部に強塩基性陰イオン交換樹脂、下部に強酸性陽イオン交換樹脂が積層され、再生剤の薬注効果を良好とする。
【0044】
次の再生剤、すなわち苛性ソーダ薬注工程では、純水装置34の中間部に接続した開閉弁43、苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25に接続した開閉弁36、また、苛性ソーダ用流量計23に接続した開閉弁24、さらに、塩酸用エゼクタ駆動水路31の開閉弁38をそれぞれ開放し、原水又は清水の駆動水を苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25及び塩酸用エゼクタ駆動水路31に流動させる。
【0045】
そして、貯槽21の苛性ソーダ、例えば25%NaOHは、エゼクタ26を流れる苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25のエゼクタ駆動水にて吸引され、この苛性ソーダは苛性ソーダ用流量計23を経てエゼクタ駆動水にて希釈されながら純水装置34の上部から内部に流入され、苛性ソーダはイオン交換樹脂層49の強塩基性陰イオン交換樹脂に接触しながら純水装置34の中間部から再生水排水路44に排出され、強塩基性陰イオン交換樹脂は活性化される。また、このとき塩酸用エゼクタ駆動水路31から駆動水が純水装置34の下部から流入され、イオン交換樹脂層49を通過接触しながら抑え水となって純水装置34の中間部から再生水排水路44に排出される。
【0046】
この苛性ソーダ薬注工程が終了すると、苛性ソーダ用流量計23に接続した開閉弁24を閉じ、純水装置34の中間部に接続した開閉弁43、苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25に接続した開閉弁36及び塩酸用エゼクタ駆動水路31の開閉弁38の開放状態を継続し、また、塩酸用流量計30に接続した開閉弁33を開放し、また、三方弁29を再生剤移送路28と塩酸用流量計30の一次側とが連通するように切換える。
【0047】
そして、原水又は清水のエゼクタ駆動水を苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25及び塩酸用エゼクタ駆動水路31に引き続き流動させることにより塩酸薬注工程になる。
【0048】
この塩酸薬注工程では、貯槽27の塩酸、例えば35%HClは塩酸用流量計30を経てエゼクタ32を流れる塩酸用エゼクタ駆動水路31のエゼクタ駆動水にて吸引され、エゼクタ駆動水にて希釈されながら塩酸は純水装置34のイオン交換樹脂層49に下部から流入されてイオン交換樹脂層49の強酸性陽イオン交換樹脂に接触しながら純水装置34の中間部から再生水排水路44に排出され、強酸性陽イオン交換樹脂は活性化される。また、このとき苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25からエゼクタ駆動水が純水装置34の上部に注入され、強塩基性陰イオン交換樹脂に接触しながら抑え水となって純水装置34の中間部から再生水排水路44に排出される。
【0049】
次の押出工程は、純水装置34の再生工程において、純水装置34のイオン交換樹脂層49に残留した苛性ソーダ及び塩酸の再生剤をイオン交換樹脂と充分に反応させて押し出す工程である。
【0050】
この押出工程では、純水装置34の中間部に接続した開閉弁43、苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25に接続した開閉弁36及び塩酸用エゼクタ駆動水路31の開閉弁38の開放状態を継続するとともに三方弁29を再生剤の注入時に連通されていた再生剤移送路28と塩酸用流量計30の一次側とを遮断し、この塩酸用流量計30の一次側とエゼクタ32の一次側とが連通するように切換える。
【0051】
そして、純水装置34内にエゼクタ駆動水を引き続き流動させて、純水装置34内に上下部から流入し、イオン交換樹脂層49の強塩基性陰イオン交換樹脂及び強酸性陽イオン交換樹脂に残留した苛性ソーダ及び塩酸を強塩基性陰イオン交換樹脂及び強酸性陽イオン交換樹脂と充分に反応させ、駆動水は再生水排水路44から排出される。
【0052】
また、純水装置34内にエゼクタ駆動水を流動させるとき、純水装置34内に流動させるエゼクタ駆動水の一部が洗浄バイパス路39を経て塩酸用流量計30を通過し、エゼクタ32の被吸引側から駆動水に吸い込まれ、塩酸用流量計30の内部に残留する塩酸を洗浄し、純水装置34に流入し、塩酸用流量計30がこの塩酸用流量計30内に残留する塩酸から発生する塩化水素ガスにより腐食されることがないようにする。
【0053】
次に、水洗工程は、押出工程後にイオン交換樹脂層49内に残留する微量の再生剤を水洗除去する工程で、純水装置34の中間部に接続した開閉弁43、苛性ソーダ用エゼクタ駆動水路25に接続した開閉弁36及び塩酸用エゼクタ駆動水路31の開閉弁38を閉じる。
【0054】
次いで、逆洗水路40の開閉弁41を開くとともに純水装置34の上部に接続した開閉弁42を開き、洗浄用原水又は洗浄用清水などの洗浄水を逆洗水路40から純水装置34の下部に上向きに流入させ、イオン交換樹脂層49内に残留する再生剤を水洗除去する。この洗浄水は再生水排水路44から系外に排出させる。
【0055】
また、次の混合工程では、純水装置34の上部に接続した開閉弁42を引き続き開くとともに空気路50の開閉弁51を開き、純水装置34の下部から水分油分を含有していない空気を吹き込み、イオン交換樹脂層49の再生処理で分離したイオン交換樹脂層49の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂とを均一に混合する。
【0056】
また、次の第二沈静工程では、純水装置34の上部に接続した開閉弁42を開き、さらに、水洗排水路45の開閉弁47を開くとともに原水路35の開閉弁37を開き、純水装置34の上部から原水を注入して下部から水洗排水路45に排水し、イオン交換樹脂層49の強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性陰イオン交換樹脂を強制的に沈下させ、沈下速度を高める。
【0057】
さらに、第二水洗工程では、純水装置34の上部に接続した開閉弁42を閉じ、原水路35の開閉弁37を開くとともに水洗排水路45の開閉弁47を開き、純水装置34に上部から注水し、純水装置34の下部から水洗排水路45に排出させ、この水洗排水路45から採水して純水が得られるかを純度計54にて確認し、処理水が所定の純度に達していると自動的に純水工程に切換わる。すなわち、水洗排水路45の開閉弁47が閉じるとともに純水出口路46の開閉弁48が開口され、原水は純水装置34のイオン交換樹脂層49にて純水処理されて純水出口路46から採水される。
【0058】
そして、純水工程中に採水された純水の水質が低下したときには前記第二水洗工程に切換わり、水質が改善されない場合には制御装置が警報を出力する。
【0059】
前記各開閉弁24,33,36,37,38,41,42,43,47,48,51は自動開閉弁とし、また三方弁29は自動三方弁として制御装置により再生工程から純水工程に自動的に制御される。
【0060】
なお、前記実施の形態では、苛性ソーダの貯槽21と塩酸の貯槽27からそれぞれエゼクタ26,32の吸引作用で再生剤の苛性ソーダ液と塩酸を流量計23,30を経てエゼクタ駆動水に希釈されて純水装置34に注入する方法について説明したが、必要に応じて、図1に図示するように、苛性ソーダの貯槽21と塩酸の貯槽27にそれぞれ接続した再生剤移送路22,28に再生剤移送ポンプ52,53を設けて、この再生剤移送ポンプ52,53とエゼクタ26,32とを併用して貯槽21,27から苛性ソーダ液と塩酸を再生剤移送路22,28に送出させて流量計23,30に移送するようにすることもできる。
【0061】
【発明の効果】
本発明の純水装置の再生方法によれば、純水装置のイオン交換能力を失ったイオン交換樹脂層のイオン交換樹脂、例えば強酸性陽イオン交換樹脂を再生処理する場合には、純水装置に残留した例えば塩酸の再生剤をイオン交換樹脂と充分に反応させる水を純水装置に流入するとき、純水装置内に流動させる水の少なくとも一部がイオン交換樹脂層のイオン交換樹脂を活性化する再生剤、例えば塩酸を計量する流量計を通過することにより、流量計を洗浄し、流量計に塩酸が残留することがなく、塩化水素ガスの発生がなく、流量計の周辺部が腐食されることがないので、高価な流量計などを用いる必要がなく、設置スペースを必要とする計量槽を用いる必要がないため、塩酸計量槽内の塩酸から発生する塩化水素ガスにより腐食の問題を解決できる。
【0062】
また、本発明の純水装置の再生装置によれば、設定量の再生剤が純水装置内に注入された後に、三方弁を流量計の一次側とエゼクタの一次側とが連通するように切換え、エゼクタ駆動水路から純水装置に水を流入させ、純水装置に残留した例えば塩酸の再生剤がイオン交換樹脂と充分に反応して純水装置に再生剤が残留することがないようにするとき、純水装置内に流動させる駆動水の少なくとも一部が流量計を通過することにより、流量計を洗浄し、例えば塩酸用流量計が塩化水素ガスで腐食されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す純水装置の再生装置の配管図である。
【図2】同上再生装置のフローチャートである。
【図3】従来の純水装置の再生装置の配管図である。
【図4】従来の他の純水装置の再生装置の配管図である。
【符号の説明】
27 貯槽
28 再生剤移送路
29 三方弁
30 流量計
31 エゼクタ駆動水路
32 エゼクタ
34 純水装置
49 イオン交換樹脂層
Claims (3)
- 純水装置内の原水中の不純物を除去するイオン交換樹脂層に再生剤を注入し、イオン交換能力を失ったイオン交換樹脂層のイオン交換樹脂を活性化する純水装置の再生方法であって、
前記純水装置に再生剤を注入するためのエゼクタを設けたエゼクタ駆動水路を備え、
前記エゼクタの被吸引側に接続した再生剤移送路に設けられている流量計にて再生剤を計量しながら、前記エゼクタ駆動水路を流れるエゼクタ駆動水にて吸引し、この再生剤をエゼクタ駆動水にて希釈しながら前記純水装置に注入し、
この再生剤を前記純水装置に注入後、この純水装置のイオン交換樹脂層内に残留した再生剤を押し出す水を純水装置に注入するとともにこの水の少なくとも一部は前記流量計を経て純水装置に注入する
ことを特徴とする純水装置の再生方法。 - イオン交換樹脂は強酸性陽イオン交換樹脂であり、再生剤は塩酸であることを特徴とする請求項1記載の純水装置の再生方法。
- 原水中の不純物を除去するイオン交換樹脂層を形成した純水装置と、
前記イオン交換樹脂層のイオン交換樹脂を活性化する再生剤を貯留する貯槽と、
この貯槽から移送された再生剤を計量する流量計と、
前記純水装置にエゼクタ駆動水を供給するエゼクタ駆動水路と、
このエゼクタ駆動水路に設けられ前記流量計の二次側を被吸引部に接続したエゼクタと、
このエゼクタの一次側と前記貯槽とを流量計の一次側に切換え接続する三方弁と
を備えたことを特徴とする純水装置の再生装置。
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