JP4146830B2 - 可動翼ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、翼角が変更可能な可動翼を有する可動翼ポンプに関し、特に可動翼に接続の回転軸の中空部に可動翼の翼角操作用として往復動可能に設けられている操作ロッドを当該操作ロッドに設けた油圧作動のピストン部で往復動させるようにされている可動翼ポンプに関する。
可動翼ポンプは、翼角が変更可能とされた可動翼を有し、翼角操作により流量を広範囲に調整することができる。このことから、可動翼ポンプには、負荷変動に対応する運転に適する、流量制御のための吐出弁が不要となる、ポンプ起動時の出力(起動電流)を小さくできる、キャビテーションに対する考慮が不要となる等の多くの利点がある。
このような可動翼ポンプは、可動翼が接続された回転軸に形成の中空部に往復動可能に操作ロッドが設けられ、この操作ロッドの往復動をリンク機構にて可動翼に伝達することで可動翼の翼角を操作するようになっているのが一般的である。そして、その操作ロッドに往復動を行わせる駆動機構についてはいくつかのタイプが知られている。例えば、特許文献1に開示の例では、小型油圧ジャッキで操作ロッドに往復動を行わせるようにしている。より具体的には、給気または給電で駆動される汎用油圧ポンプにより作動油を供給して小型油圧ジャッキを作動させることで操作ロッドの往復動を行わせるようにしている。
また特許文献2や特許文献3に開示の例では、操作ロッドに設けた油圧作動のピストン部(特許文献2では油圧式操作装置、特許文献3ではサーボシリンダ)により操作ロッドに往復動を行わせるようにしている。この方式では、外部の油圧源から作動油を供給したり、作動油を油圧源に戻したりするための油圧伝達系を必要とする。その油圧伝達系には、回転軸に形成の導油通路を介して作動油の液送を行う方式(特許文献2)と回転軸とは別体で設けた導油管を介して作動油の液送を行う方式(特許文献3)がある。
特開平10−115297号公報 特開2002−138938号公報 特開平7−332252号公報
上記した小型油圧ジャッキを用いる方式は、外部から作動油を供給するための油圧伝達系を不要にできる点で構造を簡素化することができる。しかしその一方で、小型油圧ジャッキや汎用油圧ポンプの設置スペースにより操作ロッドの駆動系が大型化し、これが設けられる回転軸の小型・軽量化が困難であるという問題を残している。
これに対して、上記した操作ロッドに油圧作動のピストン部を設ける方式は、操作ロッドの駆動系を小型化でき、回転軸の小型・軽量化に有利である。しかしその一方で、油圧伝達系に関する問題を抱えている。すなわち、回転軸とは別体で設けた導油管を介する方式では、導油管の破損の可能性という構造的な不安定要素を抱えている。また回転軸に形成の導油通路を介する方式では、ピストン部の作動制御の安定性に問題を残している。すなわち、回転軸に形成の導油通路を介する方式にあって、従来では、導油通路の一端が開口する回転軸の周囲にシールリング(例えば特許文献2の図4における「隔壁体」)で液体を密封する空間(油室)を形成し、この油室を介して油圧源からの作動油を導油通路に供給するようになっている。このようなシールリングを用いる構造では、シールリングが回転軸に直接接触するのを避けるために、シールリングと回転軸の間にある程度の隙間を必要とする。そしてその隙間には、回転軸の振れ回り振動により回転軸の周方向での偏りを生じる。こうした隙間の偏りは、油室からの作動油の漏れ量に変動をもたらし、これによりピストン部の作動制御が不安定になる。このことは回転軸の高速回転化において大きな障害となる。
本発明は、以上のような事情を背景になされたものであり、操作ロッドにピストン部を設けることで回転軸の小型・軽量化を可能とし、また回転軸に導油通路を形成することで構造的な安定性を高めることのできるタイプの可動翼ポンプについて、ピストン部の作動制御の不安定問題を解消することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明では、回転軸、前記回転軸の一端部に接続された翼角変更可能な可動翼、一端部側を前記可動翼に接続されるとともに他端部側に油圧作動のピストン部が設けられて前記回転軸の中空部に往復動可能に設けられた、前記可動翼の翼角操作用の操作ロッド、および前記ピストン部に作動油を供給する油圧伝達系を備えた可動翼ポンプにおいて、前記油圧伝達系、前記回転軸の回転に対して摺動するように設けられた摺動部材、前記回転軸と前記摺動部材との間に一端を開口するようにして前記摺動部材を貫通する状態で設けられた摺動部材部導油通路前記摺動部材部導油通路に一端連通さ、他端前記ピストン部に連通さるようにして前記回転軸に設けられた回転軸部導油通路前記摺動部材部導油通路と前記回転軸部導油通路を連通するよう前記回転軸と前記摺動部材との間に設けられた油室と、前記回転軸の回転方向に楔形状に先窄まりとなる円弧形の断面を有するように前記油室に設けられたポケット部とから構成すると共に、油圧源からの作動油が前記摺動部材部導油通路と前記回転軸部導油通路を順に経て前記ピストン部に供給されるように形成されていることを特徴としている。
また本発明では、上記のような可動翼ポンプについて、固定ハウジング設け、この固定ハウジングに前記摺動部材を保持させるようにしている。
また本発明では、上記のような可動翼ポンプについて、前記固定ハウジングによる前記摺動部材の保持に弾性部材を介在させるようにしている。
また本発明では、上記のような可動翼ポンプについて、前記摺動部材は、少なくともその摺動面を熱可塑性樹脂で形成するようにしている。
また本発明では、上記のような可動翼ポンプについて、前記摺動部材の摺動面に貯油溝を形成するようにしている。
また本発明では、上記のような可動翼ポンプについて、前記回転軸に対する前記摺動部材の摺動を介在するスリーブを前記回転軸に装着するようにしている。
また本発明では、上記のような可動翼ポンプについて、前記油圧伝達系に、弁体とパイロットピストンを有して構成されて前記ピストン部の外周部位に設けられるパイロットチェックバルブをさらに設けるようにしている。
本発明では、回転軸と摺動部材との間に設けられた油室に、回転軸の回転方向に楔形状に先窄まりとなる円弧形の断面を有するポケット部を設けたことにより、作動油は回転軸の回転に伴って先窄まり部分に引き込まれて昇圧し、この昇圧が軸受効果を助長するように働くため、軸受効果により摺動部材の摺動面と回転軸の周面の間の隙間を、周方向での偏りを生じることなく、常に一定の状態に保つことができる。
これによって摺動部材と回転軸の摺動面における作動油の漏れ量を安定した状態に保つことができるようになるため、ピストン部の作動制御の安定性をより高いものにすることができ、回転軸の高速回転化や可動翼ポンプの長期間の使用に対して十分に高い信頼性をもたらすことができる。
以下、本発明を実施する上で好ましい形態について説明する。図8に一実施形態による可動翼ポンプの全体構成を示す。本実施形態における可動翼ポンプは、内部に水の流路が形成されたポンプケーシング1、ポンプケーシング1の内部に設けられた可動翼2、可動翼2に下端部を接続させる回転軸3、可動翼2の翼角操作用として回転軸3に形成の中空部に往復動可能に設けられた操作ロッド4、操作ロッド4に往復動を行わせるために操作ロッド4の一端部(上端部)に設けられた油圧作動のピストン部5、ピストン部5に対する作動油の供給と戻しを行うための油圧伝達系6、油圧伝達系6の周囲を覆うようにして設けられたカバーボックス7、回転軸3を駆動するモータ8、および回転軸3をモータ8に連結するカップリング9などを主な要素として備えている。なお操作ロッド4の他端部(下端部)はリンク機構を介して可動翼2に接続されているがそのリンク機構の図示は省略してある。
本発明による可動翼ポンプは、その油圧伝達系6に大きな特徴がある。以下では油圧伝達系6について説明する。図1に油圧伝達系6の構成を示す。油圧伝達系6により作動油の供給と戻しが行われるピストン部5は、操作ロッド4の一端に形成されたピストン11と回転軸3に形成されたシリンダ部12からなり、シリンダ部12の内部はピストン11に取り付けられたピストンリング13より往動(下降動)用の油圧作動室14aと復動(上昇動)用の油圧作動室14bに仕切られている。また操作ロッド4がシリンダ部12に挿入する部分はパッキン15で液体が封止されている。油圧伝達系6は、このようなピストン部5の油圧作動室14a、14bのそれぞれに対して作動油の供給と戻しを行う。
そのための油圧伝達系6は、摺動部材21(21a、21b)、摺動部材部導油通路22(22a、22b)、油室23(23a、23b)、および回転軸部導油通路24(24a、24b)を主な要素としている。摺動部材21は、回転軸3の回転に対してすべり軸受的に摺動できるように、内周に適度な幅の摺動面を有するリング状に形成されている。本実施形態では、この摺動部材21を上下2段にした摺動部材21aと摺動部材21bとして設け、それぞれを固定ハウジング25に保持させている。固定ハウジング25は、支持突条25sが3段で設けられ、この3段の支持突条25sにより2段で形成される保持部のそれぞれで摺動部材21aと摺動部材21bを保持するようにされている。この固定ハウジング25は、図8のカバーボックス7に横ずれ可能にして支持されたベース26に固定して設けられている。ここで、摺動部材21のリング状構造は、一体で形成する他に、複数の分割片を組み合わせて形成することも可能である。
摺動部材21は、後述のように、回転軸3に対する摺動面をピストン部用の作動油の液送に機能させる。この機能に関して、摺動部材21の摺動面と回転軸3の周面の間には滑らかな摺動を行わせるために必要となる微小な隙間があり、そこから作動油が漏れる。そのため漏れた作動油を回収するデフレクタ27が回転軸3に取り付けて設けられ、このデフレクタ27の外側を囲むようにしてカバー28が固定ハウジング25に固定して設けられている。また摺動部材21と固定ハウジング25の間に液密性を与えるために摺動部材21と固定ハウジング25の間にシール材29が介在させられている。
摺動部材部導油通路22は、摺動部材21の摺動面側に一端を開口するようにして摺動部材21を径方向に貫通する状態で設けられている。本実施形態では、このような摺動部材部導油通路22を摺動部材21a、21bのそれぞれに摺動部材部導油通路22a、22bとして設けている。
油室23は、摺動部材部導油通路22と連通するようにして回転軸3と摺動部材21の間、より具体的には摺動部材21の摺動面側に設けられており、摺動部材部導油通路22と回転軸部導油通路24の間での作動油の液送に機能する。本実施形態では、油室23を摺動部材部導油通路22a、22bに対応させて油室23a、23bとして設けている。本実施形態における油室23には、ポケット部23pが設けられている。ポケット部23pは、図2に示すように、回転軸3の回転方向に楔形状に先窄まりとなる円弧形の断面を有する溝構造で形成されている。このポケット部23pは、4箇所で設けられる摺動部材部導油通路22のそれぞれに対応させて設けられている。このようなポケット部23pが設けられた油室23は摺動部材21の「軸受効果」をより一層高めるのに機能することになるが、それについては後述する。また油室23やポケット部23pは、作動油を回転軸3と摺動部材21の間の摺動における潤滑油としても働かせるについての潤滑油貯まりとしても機能する。すなわち、油室23やポケット部23pで潤滑油を貯めることができるようにすることにより、作動油の供給が停止しても、相当に長い時間にわたって回転軸3と摺動部材21に焼き付きを生じるようなことなく運転を続けることができるようになる。このような機能も含めて、ポケット部23pの深さ、つまり断面が円弧形であるポケット部23pの最も深い部分の深さHは、回転軸3の回転速度に応じて設定することになる。
回転軸部導油通路24には、ピストン部5の油圧作動室14aに連通する第1の回転軸部導油通路24aとピストン部5の油圧作動室14bに連通する第2の回転軸部導油通路24bがある。回転軸部導油通路24aは、油室23aを介して摺動部材部導油通路22aに一端を連通させ、他端をピストン部5の油圧作動室14aに連通させるようにして回転軸3の中実部分に削設することで設けられている。また回転軸部導油通路14bは、油室23bを介して摺動部材部導油通路22bに一端を連通させ、他端をピストン部5の油圧作動室14bに連通させるようにして回転軸3の中実部分に削設することで設けられている。
次に、油圧伝達系6とピストン部5の動作について説明する。図外の油圧源から供給される高圧の作動油は、固定ハウジング25に設置の供給/戻し配管31(31a、31b)を介して摺動部材部導油通路22に流入し、それから油室23、回転軸部導油通路24と順に経てピストン部5に供給される。具体的には、操作ロッド4に下降動(往動)を行わせる場合であれば、第1の供給/戻し配管31aから供給される作動油が摺動部材部導油通路22aに流入し、それから油室23a、回転軸部導油通路24aと順に経てピストン部5の油圧作動室14aに供給されてピストン11を押し下げ操作ロッド4が下降する。この際にピストン11を押し下げられた分だけ油圧作動室14bから作動油が排出されて戻されることになるが、その戻し作動油は、回転軸部導油通路24b、油室23b、摺動部材部導油通路22bを順に経て第2の供給/戻し配管31bに流入し、油圧源に戻される。
一方、操作ロッド4に上昇動(復動)を行わせる場合であれば、第2の供給/戻し配管31bから供給される作動油が摺動部材部導油通路22bに流入し、それから油室23b、回転軸部導油通路24bと順に経てピストン部5の油圧作動室14bに供給されてピストン11を押し上げ操作ロッド4が上昇する。この際にピストン11を押し上げられた分だけ油圧作動室14aから作動油が排出されて戻されることになるが、その戻し作動油は、回転軸部導油通路24a、油室23a、摺動部材部導油通路22aを順に経て第1の供給/戻し配管31aに流入し、油圧源に戻される。
以上のようにして操作ロッド4を必要な量だけ下降または上昇させたら、図示を省略してあるスプールバルブなどの配圧弁を中立位置にして油圧伝達系6の油圧回路を閉じ、指定翼角を保持する。これら一連の動作に対する制御は、図示を省略してある制御系により行われる。
ここで、上述のように摺動部材21と回転軸3の摺動面の間には微小な隙間があり、そこから作動油が漏れることになるが、その漏れ作動油は、固定ハウジング25に設置の戻し配管32により回収されて油圧源に戻される。
本発明では、回転軸3に形成の回転軸部導油通路24を介してピストン部5に作動油を供給するについて、摺動部材21を設け、この摺動部材21に形成の摺動部材部導油通路22を介して回転軸部導油通路24に作動油を供給するようにしている。このような構造によると、ピストン部5の作動制御の安定性をより高いものにすることができる。摺動部材21は、軸受と同様に作用する。軸受では、回転中の回転軸に生じる振れ回りに追従して軸受の中心に回転軸を位置させようとする作用、つまり「軸受効果」がある。そして軸受と同様に作用する摺動部材21でもこの軸受効果が得られ、回転中の回転軸3に生じる振れ回りに追従して回転軸3を常に摺動部材21の中心に位置させることができる。このような軸受効果は、油室23にポケット部23pを設けることによりさらに高められる。すなわち、ポケット部23pにおける作動油は回転軸3の回転に伴って先窄まり部分に引き込まれて昇圧する。そしてこの昇圧が軸受効果を助長するように働く。こうした軸受効果により、摺動部材21の摺動面と回転軸3の周面の間の隙間を、周方向での偏りを生じることなく、常に一定の状態に保つことができる。つまり、摺動部材21と回転軸3の摺動面における作動油の漏れ量を安定した状態に保つことができるようになる。この結果、ピストン部5の作動制御の安定性をより高いものにすることができ、回転軸の高速回転化や可動翼ポンプの長期間の使用に対して十分に高い信頼性をもたらすことができる。
また摺動部材21と回転軸3の摺動面の間の隙間が変動すると作動油の漏れ量が徒に増大することになるが、摺動部材21と回転軸3の摺動面の間の隙間を常に一定の状態に保つことができる本発明の構造においては、作動油の漏れ量の徒な増大も防ぐことができる。このことは、油圧源の容量をより小さなもので済ませることを可能とする。すなわち油圧源の小型化や低コスト化を図ることを可能とする。
図3に第2の実施形態による油圧伝達系の構成を示す。本実施形態における油圧伝達系6Aは、第1の実施形態における油圧伝達系6と基本的には同じである。主に相違しているのは、摺動部材21と固定ハウジング25の間に介在させるシール材29の装着形態である。第1の実施形態における油圧伝達系6ではシール材29を固定ハウジング25の内周面と摺動部材21の外周面の間に装着してあった。これに対して本実施形態では、固定ハウジング25に形成の支持突条25sの摺動部材保持面と摺動部材21の側面の間にシール材29を装着するようにしている。このようなシール材29の装着形態は、シール材29のつぶし代の調整が容易になるという利点が得られる。その他の構成や作用効果については第1の実施形態におけるそれと同様であるので、共通する部分に同一の符号を付し、それらについての説明は省略する。
図4に第3の実施形態による油圧伝達系の構成を示す。本実施形態における油圧伝達系6Bも基本的には第1の実施形態における油圧伝達系6と同じである。本実施形態で特徴的な構成の一つは、固定ハウジング25による摺動部材21の保持に弾性体41を介在させ、非接触的に摺動部材21を固定ハウジング25に保持させるようにしていることである。本実施形態では、摺動部材21の側面と支持突条25sの摺動部材保持面の間に弾性体41を装着している。弾性体41は、例えばゴム材や金属製ばねで形成される。このように、弾性体41の介在で摺動部材21を固定ハウジング25に非接触的に保持させることにより、回転軸3の振れ回りに摺動部材21が追従しようとする際の、固定ハウジング25による保持に起因する抵抗を小さくできる。すなわち軸受効果をより効果的に得られるようになる。また回転軸3の振れ回りへの追従動に伴う摺動部材21の磨耗を防止でき、摺動部材21の長寿命化を図れる。
本実施形態で特徴的な構成の他の一つは、摺動部材21の摺動を受ける部分で回転軸3にスリーブ42を装着していることである。スリーブ42は、例えばSUS403などの金属材で形成される。このようにスリーブ42を設けることにより、摺動部材21との摺動により損傷を受けるようなことがあった場合に、スリーブ42を交換するだけで済み、回転軸3そのものに損傷を受ける場合に比べて、対応が容易となる。
本実施形態で特徴的な構成のさらに他の一つは、摺動部材21の摺動面に周方向へ延びる貯油溝43を設けていることである。本実施形態では貯油溝43を2条で設けている。このように貯油溝43を設けることにより、摺動面の潤滑性を高めて摺動部材21の摩耗を防止でき、摺動部材21の機能をより長期間にわたって安定的に発揮させることが可能となる。また、貯油溝43は、上述した油室23における潤滑油の貯油機能と同様な機能を発揮する。このため作動油の供給が停止しても、相当に長い時間にわたって回転軸3と摺動部材21に焼き付きを生じるようなことなく運転を続けることができるようになる。なお、このような貯油溝43を設ける場合には、第1の実施形態におけるような容量の大きい油室23に代えて、より容量の小さい油室44とするようにしてもよい。その他の構成や作用効果については第1の実施形態におけるそれと同様であるので、共通する部分に同一の符号を付し、それらについての説明は省略する。
図5に第4の実施形態による油圧伝達系の構成を示す。本実施形態における油圧伝達系6Cも基本的には第1の実施形態における油圧伝達系6と同じである。本実施形態で特徴的な構成は、その摺動部材51にある。摺動部材51は、金属材でL字状の断面形状を有するように形成した枠部52に熱可塑性樹脂製の摺動部53を固着して形成され、その摺動部53が回転軸3の回転に対してすべり軸受的に摺動する摺動面を与えるようにされている。その全体形状がリング状であることは第1の実施形態における摺動部材21と同様である。摺動部53の熱可塑性樹脂には耐熱性に優れたものを用いる。このように摺動部材51の摺動面を耐熱性に優れた熱可塑性樹脂で形成することにより、潤滑油としても機能を作動油の供給が停止した状態での運転可能時間を、摺動面が金属材製の場合より長くすることができる。また熱可塑性樹脂は静摩擦係数が小さいことから、ドライ状態での摺動に対する耐久性が高い。このため摺動部材51が仮に接触摺動するようなことがあってもその際に摩耗損傷が生じるのを有効に回避することができる。本実施形態では金属製の枠部52に熱可塑性樹脂製の摺動部53を組み合わせた複合構造の摺動部材51としているが、これに代えて、熱可塑性樹脂材単体で摺動部材を形成するようにすることも可能である。その他の構成や作用効果については第1の実施形態におけるそれと同様であるので、共通する部分に同一の符号を付し、それらについての説明は省略する。
図6に第5の実施形態による油圧伝達系の構成を示す。本実施形態における油圧伝達系6Dも基本的には第1の実施形態における油圧伝達系6と同じである。本実施形態で特徴的な構成は、回転軸部導油通路24(24a、24b)の途中に油圧密閉機能用としてパイロットチェックバルブ61(61a、61b)を設けていることである。すなわち回転軸部導油通路24は、パイロットチェックバルブ61により、バルブ上流側部とバルブ下流側部に区切られている。パイロットチェックバルブ61の構成を図7に拡大して示す。パイロットチェックバルブ61は、弁体62、弁座63、およびパイロットピストン64を備えている。弁体62は、弁座63との間の導油間隙65を閉じる方向にコイルばね66にて付勢されている。パイロットピストン64は、導油間隙65を開く方向に弁体62を押すことができるようにされている。
図7中の矢印は可動翼の翼角を起こす場合、つまり操作ロッド4に下降動(往動)を行わせる場合の作動油の流れを示している。回転軸部導油通路24aで供給される作動油は、図示を省略してある導油通路を経てパイロットチェックバルブ61aのパイロットピストン64に油圧を作用させ、これによりパイロットピストン64が動作して導油間隙65を開く方向に弁体62を押す。導油間隙65が開くと、作動油は導油間隙65と回転軸部導油通路24aのバルブ下流側部を順に経て油圧作動室14aに供給され、これにより操作ロッド4が下降する。この間に、油圧作動室14bでは操作ロッド4が下降した分だけ作動油が排出されて戻されることになる。その作動油の戻しは、回転軸部導油通路24aで供給される作動油の一部が図示を省略してある導油通路を経てパイロットチェックバルブ61bに作用することでパイロットチェックバルブ61bにおける導油間隙65が開くことで回転軸部導油通路24bのバルブ上流側部とバルブ下流側部が連通することでなされる。操作ロッド4に必要な下降を行わせ終えると、回転軸部導油通路24aへの作動油の供給が停止される。すると、パイロットピストン64に作用する油圧がなくなるので、弁体62がコイルばね66の付勢力で動作して導油間隙65を閉じ、これにより操作ロッド4を下降させている油圧が密閉され、可動翼の翼角を所定の状態に保つことができる。
図示は省略してあるが可動翼の翼角を倒す場合、つまり操作ロッド4に上昇降動(復動)を行わせる場合は、パイロットチェックバルブ61bとパイロットチェックバルブ61aが逆の関係で上記と同様の動作が行われる。以上のような油圧密閉構造は、ピストン部の作動制御の安定性をより一層高めるのに有効である。その他の構成や作用効果については第1の実施形態におけるそれと同様であるので、共通する部分に同一の符号を付し、それらについての説明は省略する。
本発明は、可動翼ポンプの分野に有用性の高いものとして利用することができ、可動翼ポンプの翼角操作用の操作ロッドのピストン部における制御の安定性をより一層高めることを可能とする。
第1の実施形態による可動翼ポンプにおける油圧伝達系の構成を示す図である。 図1中のA−A線に沿う断面図である。 第2の実施形態による可動翼ポンプにおける油圧伝達系の構成を示す図である。 第3の実施形態による可動翼ポンプにおける油圧伝達系の構成を示す図である。 第4の実施形態による可動翼ポンプにおける油圧伝達系の構成を示す図である。 第5の実施形態による可動翼ポンプにおける油圧伝達系の構成を示す図である。 パイロットチェックバルブの構成を拡大して示す図である。 第1の実施形態による可動翼ポンプの全体構成を示す図である。
符号の説明
2 可動翼
3 回転軸
4 操作ロッド
5 ピストン部
6,6A,6B,6C,6D 油圧伝達系
21,51 摺動部材
22 摺動部材部導油通路
23 油室
23p ポケット部
24 回転軸部導油通路
25 固定ハウジング
41 弾性部材
42 スリーブ
43 貯油溝
61 パイロットチェックバルブ
62 弁体
64 パイロットピストン

Claims (7)

  1. 回転軸、前記回転軸の一端部に接続された翼角変更可能な可動翼、一端部側を前記可動翼に接続されるとともに他端部側に油圧作動のピストン部が設けられて前記回転軸の中空部に往復動可能に設けられた、前記可動翼の翼角操作用の操作ロッド、および前記ピストン部に作動油を供給する油圧伝達系を備えた可動翼ポンプにおいて、
    前記油圧伝達系、前記回転軸の回転に対して摺動するように設けられた摺動部材、前記回転軸と前記摺動部材との間に一端を開口するようにして前記摺動部材を貫通する状態で設けられた摺動部材部導油通路前記摺動部材部導油通路に一端連通さ、他端前記ピストン部に連通さるようにして前記回転軸に設けられた回転軸部導油通路前記摺動部材部導油通路と前記回転軸部導油通路を連通するよう前記回転軸と前記摺動部材との間に設けられた油室と、前記回転軸の回転方向に楔形状に先窄まりとなる円弧形の断面を有するように前記油室に設けられたポケット部とから構成すると共に、油圧源からの作動油が前記摺動部材部導油通路と前記回転軸部導油通路を順に経て前記ピストン部に供給されるように形成されていることを特徴とする可動翼ポンプ。
  2. 固定ハウジング設け、この固定ハウジングに前記摺動部材を保持させるようにした請求項1に記載の可動翼ポンプ。
  3. 前記固定ハウジングによる前記摺動部材の保持に弾性部材が介在させられている請求項2に記載の可動翼ポンプ。
  4. 前記摺動部材は、少なくとも摺動面が熱可塑性樹脂で形成されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の可動翼ポンプ。
  5. 前記摺動部材の摺動面に貯油溝が形成されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の可動翼ポンプ。
  6. 前記回転軸に対する前記摺動部材の摺動を介在するスリーブが前記回転軸に装着されている請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の可動翼ポンプ。
  7. 前記油圧伝達系は、弁体とパイロットピストンを有して構成されて前記ピストン部の外周部位に設けられるパイロットチェックバルブをさらに含んでいる請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の可動翼ポンプ。
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