JP4146682B2 - 起床式ベッド装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は利用者の脚部を上昇させた状態で保持することができる起床式ベッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
病人用のベッド装置においては、体力が低下した患者が食事をする場合などに上半身を起こすのを支援するために、いわゆる起床式ベッド装置が用いられる。起床式ベッド装置は、ベッドフレームの上面に設けられる床板体を、上記ベッドフレームの長手方向に対して複数の床部に分割し、そのうちの利用者の上半身に対応する部分の床部である、背上げ床部を駆動機構によって起伏駆動できる構成になっている。
【0003】
利用者が背上げ床部によって上半身を起こす際、臀部が前方にずれ易いということがある。そこで、背上げ時には、背上げ床部だけでなく、利用者の脚部に対応位置する脚上げ床部も上記駆動機構によって同時に起上させるということが行なわれている。それによって、背上げ時に利用者の臀部が前方にずれ動くのを防止することができるようになっている。
【0004】
上記床板体は、上記ベッドフレームに固定される固定床部を有する。上記脚上げ床部は、上記固定床部に一端が枢着される第1の脚上げ床部と、この第1の脚上げ床部に一端が枢着された第2の脚上げ床部とを有し、上記駆動機構は第1の脚上げ床部を他端が上昇する方向に駆動する。上記第2の脚上げ床部は上記第1の脚上げ床部に連動して一端が上昇する。この第2の脚上げ床部の他端には、線材をコ字状曲成した保持部材の中途部が回動可能に連結されている。この保持部材の両端は上記ベッドフレームに枢支されている。
【0005】
したがって、第2の脚上げ床部の一端が第1の脚上げ床部に連動して上昇すると、この第2の脚上げ床部の他端が上記保持部材によって所定の高さで保持されるようになっている。
【0006】
起床式ベッド装置には、上記脚上げ床部を上記背上げ床部の動きに対して選択的に連動させることができるようにしたものがある。つまり、脚上げ床部を必要に応じて背上げ床部の動きに連動させたり、或いは背上げ床部の動きに係りなく、単独で起伏させることができるようにした構成がある。
【0007】
最近、脚上げ床部を選択的に起伏させる構成の起床式ベッド装置を、特定の患者に利用するということが考えられている。たとえば、脚部を骨折した患者などのように、仰臥状態において、脚部を頭部よりも高く保持した方がよい場合に利用するということなどが検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
脚上げ床部を上述したように第1の脚上げ床部と、第2の脚上げ床部とから構成した場合、利用者の脚部の膝から下の部分は上記第2の脚部によって支持されることになる。
【0009】
従来の起床式ベッド装置は、第2の脚上げ床部が保持部材によって一定の角度で保持されるようになっており、通常はほぼ水平に保持されるようになっていて、その保持角度を変えることができる構成とはなっていなかった。
【0010】
そのため、利用者は脚部の膝から下の部分を上記第2の脚床部によってほぼ水平に保持することはできても、水平な状態よりも高く上げて保持したり、逆に低く下げて保持するなど、利用者の好みや骨折した患者などの場合には病状に応じて保持状態を変えるということができず、非常に不便であった。
【0011】
この発明は、利用者の利用状況に応じて脚部の保持状態、つまり脚部の折り曲げ角度を変えて保持することができるようにした起床式ベッド装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ベッドフレームと、
このベッドフレームに固定された固定床部及びこの固定床部の一端に順次回動可能に連結された第1の脚上げ床部及び第2の脚上げ床部を有する床板体と、
基端部を支点として先端部が上昇する方向に回転駆動される脚上げアームを有し、この脚上げアームを上昇方向に回転駆動したときにその先端部で上記第1の脚上げ床部の下面を押圧して上記固定床部に連結された一端を支点として他端が上昇する方向に駆動する駆動手段と、
上記第1の脚上げ床部の他端が上昇する方向に駆動されたときにこの第1の脚上げ床部に連動する上記第2の脚上げ床部を上昇位置で保持するとともに、この第2の脚上げ床部の保持角度を変えることが可能な保持機構を具備し、
上記保持機構は、複数の保持溝が長手方向の所定の位置に設けられ上記ベッドフレームの上記第2の脚上げ床部と対応する位置にその長手方向を上記ベッドフレームの長手方向に沿わせて設けられた保持部材と、上記第2の脚上げ床部の自由端に一端が枢着され他端に上記保持溝に着脱可能に係合する係合部材が設けられこの係合部材を複数の保持溝の1つに係合させることで上記第2の脚上げ床部を所定の角度で保持する支持杆とを備え、
上記保持部材には、上記支持杆の他端に設けられた係合部材を係合させて上記第1の脚上げ床部を上昇方向に駆動したときに、上記第2の脚上げ床部を水平状態よりも自由端が下方に傾斜した状態で保持する第1の保持溝と、上記第2の脚上げ床部をほぼ水平に保持する第2の保持溝とが設けられ、
上記第1の保持溝には、この第1の保持溝に上記係合部材を係合させた状態で上記第2の脚上げ床部を上記支持杆とともにほぼ水平に倒伏させたときに、上記係合部材を上記第1の保持溝から外れる方向にスライドさせ、上記第2の脚上げ床部をほぼ水平に倒伏した状態から上記第1の脚上げ床部に連動させて上昇させたときに上記第1の保持溝から外れた上記係合部材を上記第1の保持溝に戻す傾斜面が形成されていることを特徴とする起床式ベッド装置。
【0013】
請求項2の発明は、上記第1の脚上げ床部と第2の脚上げ床部とは、上記固定床部の幅方向一端部と他端部とに位置する左右一対に分割されていて、左右一対の第2の脚上げ床部はそれぞれ上記保持機構によって保持される構成であることを特徴とする請求項1記載の起床式ベッド装置にある。
【0016】
この発明によれば、保持機構による第2の脚上げ床部の保持角度を変えることができるため、脚部を利用者の利用状況に応じた曲げ角度で保持することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態を説明する。
【0018】
図1はこの発明の一実施の形態に係る起床式ベッド装置の斜視図であって、この起床式ベッド装置は四隅部に設けられたキャスタ2によって移動可能に構成されたベースフレーム1を備えている。このベースフレーム1の四隅部には連結部材3が設けられ、各連結部材3の上端部にはそれぞれ上下駆動アーム4の一端が枢着されている。
【0019】
図3に示すように、ベースフレーム1の長手方向一端部に位置する一対の上下駆動アーム4の中途部は第1の連結軸5aによって連結され、他端部に位置する一対の上下駆動アーム4の他端部は第2の連結軸5bによって連結されている。各一対の上下駆動アーム4の他端はそれぞれベッドフレーム6の長手方向の一端部と他端部との幅方向両側内面に垂設された連結片7(図2(a),(b)に示す)に枢着されている。
【0020】
第2の連結軸5bには上下駆動装置11が枢着されている。この上下駆動装置11は駆動源12及びこの駆動源12によって軸方向に進退駆動される駆動軸13を有する。
【0021】
上記第1の連結軸5aと第2の連結軸5bとの軸方向中途部には、それぞれ連動杆14の一端部と他端部とがブラケット15を介して枢着されている。上記駆動軸13の先端は上記連動杆14の中途部に枢着されている。
【0022】
したがって、上記上下駆動装置11の駆動源12が作動して駆動軸13が軸方向に駆動されると、この動きに上記連動杆14が連動する。それによって、第1、第2の連結軸5a,5bを介して上下駆動アーム4が連結部材3に枢着された一端を支点として他端が上昇する方向に回動するから、上下駆動アーム4の他端に枢着されたベッドフレーム6が上昇方向に駆動されることになる。
【0023】
上記ベッドフレーム6には床板体21が設けられる。この床板体21は図4(a),(b)に示すように複数の床部に分割されている。すなわち、床板体21は上記ベッドフレーム6の長手方向中央部に、このベッドフレーム6に固定して設けられる固定床部22を有する。この固定床部22の一端には、腰上げ床部23と背上げ床部24とが順次回動可能に連結されている。
【0024】
上記固定床部22の他端には、この固定床部22の幅方向一端部に第1の左側脚上げ床部25と第2の左側脚上げ床部26とが順次回動可能に連結されている。上記固定床部22の幅方向他端部には第1の右側脚上げ床部27と第2の右側脚上げ床部28とが順次回動可能に連結されている。
【0025】
上記床板体21の固定床部22を除く他の床部は床部駆動機構31によって起伏駆動されるようになっている。この床部駆動機構31は図3に示すように本体部32を有する。この本体部32はベッドフレーム6の長手方向に沿って細長い箱形状をなしていて、この本体部32の一側面には第1の駆動源33が設けられ、他側面には第2の駆動源34が設けられている。
【0026】
上記本体部32には、長手方向一端部に第1の駆動軸35が設けられ、他端部に第2の駆動軸36が設けられている。第1の駆動軸35と第2の駆動軸36との両端部は、それぞれ上記ベッドフレーム6の幅方向両側内面に設けられた支持部37に軸受37a(図6に示す)を介して回転可能に支持されている。上記第1の駆動源33が作動すると、上記第1の駆動軸35が回転駆動され、上記第2の駆動源34が作動すると、上記第2の駆動軸が回転駆動されるようになっている。
【0027】
上記第1の駆動軸35の両端部にはそれぞれ一対の背上げアーム38が基端部を固着して設けられている。一対の背上げアーム38の自由端部の対向する一側面にはそれぞれ一対の背上げローラ39が所定間隔で回転可能に設けられている。各一対の背上げローラ39は、上記床板体21の背上げ床部24の下面にベッドフレーム6の長手方向に沿って設けられた断面コ字状の係合部材(図示せず)に転動可能に係合している。
【0028】
それによって、上記背上げアーム38が起上方向に駆動されれば、その起上に応じて背上げ床部24が起上し、この背上げ床部24に腰上げ床部23が連動するようになっている。
【0029】
上記第2の駆動軸36の軸方向両端部には、図3及び図7(a)〜(c)に示すように筒状体42がそれぞれ回転可能に装着されている。各筒状体42の外周面には、この筒状体42を第2の駆動軸36の軸方向に沿ってスライドさせるための操作レバー41が径方向に沿って設けられているとともに、操作レバー41に対して周方向に所定角度ずれた位置に脚上げアーム43の基端部が固着されている。この脚上げアーム43の自由端部には脚上げローラ44が回転可能に設けられている。
【0030】
一方の脚上げアーム43に設けられた脚上げローラ44は第1の左側脚上げ床部25の下面に設けられたガイドレール45に当接しており、他方の脚上げアーム43に設けられた脚上げローラ44は第1の右側脚上げ床部27の下面に設けられたガイドレール45(図8(a)〜(c)に示す)に当接している。なお、一対の脚上げアーム43は、図7(a)に示すほぼ水平な状態でベッドフレーム6に設けられた図示しない保持部材に係合し、それよりも下方へ回動しないよう保持されている。
【0031】
上記第2の駆動軸36には、各筒状体42の近傍に連動部材46の基端部が固着して設けられている。連動部材46は、図7(a)に示すように、ほぼ水平に保持された脚上げアーム43よりも所定角度下方に位置する角度で取付けられており、自由端部には係合部としての係合軸47が脚上げアーム43の方向に向かって突設されている。
【0032】
上記脚上げアーム43の基端部には、脚上げアーム43を連動部材46に接近する方向にスライドさせたときに、上記係合軸47に係合する係合凹部48が形成されている。
【0033】
図7(a)に示すように脚上げアーム43が連動部材46から離れた状態で第2の駆動軸36を回転駆動しても、連動部材46が上昇方向に回動するだけで、脚上げアーム43は回動せず、水平状態に保持されたままである。
【0034】
図7(b)に示すように、脚上げアーム43をスライドさせてその係合凹部48を係合軸47に係合させた状態で第2の駆動軸36を回転駆動すると、図7(c)に示すように連動部材46の上昇方向への回動に上記脚上げアーム43が連動する。それによって、第1の左側及び右側脚上げ床部25,27を上昇方向に駆動することができるようになっている。
【0035】
図6に示すように、上記第2の駆動軸36の両端部には樹脂製のスリーブ49(一方のみ図示)が装着され、このスリーブ49に上記脚上げアーム43の基端部が固着された筒状体42がスライド可能に外嵌されている。上記スリーブ49には外周面に突出するとともに径方向内方へ弾性的に変位可能な受け部49aが設けられている。上記スリーブ42には上記受け部49aに弾性的に係脱する第1、第2の凸部42a,42bが設けられている。
【0036】
上記筒状体42をスリーブ49に沿ってスライドさせると、上記受け部49aに対して上記第1、第2の凸部42a,42bが弾性的に係脱する。それによって、図6に示す上記脚上げアーム43の係合凹部48が上記連動部材46の係合軸47に係合した位置と、図示しないが上記係合凹部48と係合軸47との係合が外れた位置とで上記筒状体42が上記スリーブ49に対して自由にスライドしない状態に弾性的に保持されるようになっている。
【0037】
上記スリーブ49の軸方向一端部の外周面には着色シール50が設けられている。この着色シール50は、図6に示すように、脚上げアーム43に設けられた係合凹部48が連動部材46の係合軸47に係合しているときには露出し、上記係合凹部48が係合軸47から外れているときには筒状体42によって覆い隠されるようになっている。したがって、着色シール50が露出しているか否かによって脚上げアーム43のスライド位置を判別できるようになっている。
【0038】
上記第1の左側及び右側脚上げ床部25,27が上昇方向に回動すると、これらの回動に第2の左側及び右側脚上げ床部26,28が連動する。第2の左側及び右側脚上げ床部26,28は、それぞれ保持機構51によって上記第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に対して所定の角度で保持できるようになっている。
【0039】
上記保持機構51は、図5に示すようにベッドフレーム6の幅方向両端部に、長手方向に沿って配設された一対の保持部材52を有する。この保持部材52は板材をほぼU字状に曲成してなり、その両側壁の長手方向一端部には第1の保持溝53と第2の保持溝54が形成され、他端部には第3の保持溝55が形成されている。
【0040】
図8(a)〜(c)に示すように、一端を上記第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に枢着した第2の左側及び右側脚保持床部26,28の他端部下面には支持杆56の一端が枢着されている。この支持杆56の他端には上記各保持溝53〜55に着脱可能に係合する係合部材としての支持軸57が設けられている。
【0041】
図9(a),(b)に示すように、上記第1の保持溝53はコ字状の鉤部53a及びこの鉤部53aに一端を連続させて第2の保持溝54に向かって高く傾斜した傾斜面53bとによって形成され、この傾斜面53bの他端が保持部材52の上端面に連続している。
【0042】
第2の保持溝54は、第1の保持溝53と同様、鉤部54aと傾斜面54bとによって形成され、第3の保持溝55は鉤部55aによって形成されている。
【0043】
図8(a)に示すように、上記支持軸57を保持部材52の第1の保持溝53に係合させた状態で第1の左側及び右側脚上げ床部25,27を起上方向に駆動すると、これら第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に連動する第2の左側及び右側脚上げ床部26,28は第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に連結された一端に対して他端が下方に位置する角度で上昇する。
【0044】
図8(b)に示すように、上記支持軸57を第2の保持溝54に係合させた状態で第1の左側及び右側脚上げ床部25,27を起上方向に駆動すると、各第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に連動する第2の左側及び右側脚上げ床部26,28は第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に連結された一端に対して他端がほぼ同じ高さになる角度で上昇する。つまり、第1の左側及び右側脚保持床部26,28はほぼ水平に保持される。
【0045】
図8(c)に示すように、第2の左側及び右側脚上げ床部26,28を第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に連結された一端よりも他端が高くなる角度で上昇させるには、支持杆56の支持軸57を第1或いは第2の保持溝53,54のいずれかに係合させた状態で第1の左側及び右側脚上げ床部25,27を起上方向に駆動し、第2の左側及び右側脚上げ床部26,28を図8(a)或いは(b)に示す状態まで上昇させる。ついで、支持軸57を第1或いは第2の保持溝53,54から外し、第3の保持溝55に係合させれば、第2の左側及び右側脚上げ床部26,28を第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に連結された一端よりも他端が高くなる角度で上昇させることができる。
【0046】
第2の左側及び右側脚上げ床部26,28を水平の倒伏させるには、支持軸57を第3の保持溝55から外し、第1或いは第2の保持溝53,54に係合させてから、第1の左側及び右側脚上げ床部25,27を倒伏方向に駆動すればよい。
【0047】
このように、支持軸57を第1乃至第3の保持溝53〜55のいずれかに係合させることで、第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に対して第2の左側及び右側脚上げ床部26,28がなす角度を変えることができるようになっている。
【0048】
なお、図8(a)の状態で第1、第2の左側及び右側脚上げ床部25〜28を図9(a)に示すようにほぼ水平に倒伏させると、支持軸57が第1の保持溝53の鉤部53aから外れて傾斜面53bに沿ってその上端まで上昇する。
【0049】
支持軸57が傾斜面53bの上端まで上昇した状態で、第2の左側及び右側脚上げ床部28を上昇方向に駆動すると、上記支持軸57が傾斜面53bに沿って下降し、第1の保持溝53の鉤部53aに係合する。したがって、第2の左側及び右側脚上げ床部26,28を図8(a)に示す角度で保持することができる。
【0050】
つまり、図9(a)に示すように、第1、第2の左側及び右側脚上げ床部25〜28がほぼ水平に倒伏した状態では、支持杆56の枢着端から支持軸57までの距離はLは、枢着端から鉤部53aまでの距離Lよりも短い。
【0051】
そのため、支持軸57は、第1、第2の左側及び右側脚上げ床部25〜28の起伏をほぼ水平に倒伏させると、支持軸57は傾斜面53bを乗り上げるが、上昇方向に駆動すれば、上記傾斜面53bに沿って下降して鉤部53aに係合するから、L<Lであっても、第2の左側及び右側脚上げ床部26,28を自動的に所定の角度で保持することができる。
【0052】
図8(b)のように支持軸57を第2の係合溝54に係合させた状態においては、図9(b)に示すように、支持杆56の枢着端から支持軸57までの距離L と、枢着端から第2の係合溝54の鉤部54aまでの距離がほぼ等しくなる。そのため、支持軸57が第2の係合溝54の鉤部54aに係合した状態で、第2の左側及び右側脚上げ床部26,28が駆動されることになる。
【0053】
上記床板体21の上面には図10に示すマットレス61が載置される。このマットレス61は、たとえばウレタンフォーム(図示せず)などの弾性材料を袋状の外装地62で被覆して構成されており、長手方向一端部の第1の左側及び右側脚上げ床部25,27及び第2の左側及び右側脚上げ床部26,28に対応する部分は、切断線63により左右一対の第1の部分64aと、第2の部分64bとに分割されている。
【0054】
図11はマットレス61の変形例であって、このマットレス61は外装地62が伸縮性を有する布地によって形成されている。したがって、マットレスの一端部に形成される左右一対の第1、第2の部分64a,64bは外装地62内に収容されたウレタンフォームだけが分断され、外装地62は分断されていない。
【0055】
そして、左側或いは右側の第1及び第2の脚上げ床部25〜28によって一対の第1、第2の部分64a,64bのどちらか一方が上昇方向に持ち上がられたときには、外装地62が伸張するようになっている。
【0056】
つぎに、上記構成の起床式ベッド装置を利用する場合について説明する。
【0057】
床部駆動機構31の第1の駆動源33を作動させて第1の駆動軸35を回転駆動させると、図2(a)に鎖線で示すように背上げアーム38が起上方向に駆動される。それによって、床板体21の背上げ床部24が起上方向に駆動され、この背上げ床部24とともに腰上げ床部23も連動して起上することになる。したがって、床板体21のマットレス61上に仰臥した利用者は上半身が起こされることになる。
【0058】
一方、床板体21の第1の左側及び右側脚上げ床部25,27は、床部駆動機構31の第2の駆動源34を作動させて第2の駆動軸36を回転駆動させることで、どちらか一方を選択的に、或いは両方を起上させることができる。
【0059】
第1の左側脚上げ床部25或いは右側脚上げ床部27のどちらか一方を起上させる場合には、起上させる第1の左側或いは右側脚上げ床部側に位置する一方の脚上げアーム43を図7(a)に示す状態から同図(b)に示すように連動部材46に接近する方向にスライドさせ、その係合凹部48を連動部材46に設けられた係合軸47に係合させる。
【0060】
その状態で第2の駆動源34を作動させて第2の駆動軸36を回転させれば、その回転に連動する連動部材46の係合軸47に係合凹部48を係合させた一方の脚上げアーム43が起上方向に回動する。それによって、一方の脚上げ床部、たとえば第1の左側脚上げ床部25が脚上げローラ44によって起上方向に駆動されるから、この第1の左側脚上げ床部25に連結された第2の左側脚上げ床部26が連動し、保持機構51により第1の左側脚上げ床部25に対して所定の角度で保持される。
【0061】
第1の左側脚上げ床部25に代わり、第1の右側脚上げ床部27だけを第2の駆動軸36の回転によって起上方向に駆動することもできる。つまり、その場合には、第1の右側脚上げ床部27を起上させるための第2の脚上げアーム43を第2の駆動軸36に沿ってスライドさせ、その係合凹部48を連動部材46の係合軸47に係合させる。
【0062】
上記第1の左側脚上げ床部25を起上させるための第2の脚上げアーム43は、その係合凹部48が連動部材46の係合軸47から外れる位置にスライドさせる。その状態で第2の駆動軸36を第2の駆動源34によって回転駆動すれば、第1の右側脚上げ床部27だけが脚上げアーム43によって起上方向に駆動されることになる。
【0063】
このように、第1の左側脚上げ床部25と第1の右側脚上げ床部27のどちらか一方だけを選択的に起上方向に駆動させることができるばかりか、これら第1の左側及び右側脚上げ床部25,27の両方を同時に起上方向に駆動することもできる。その場合、第1の左側脚上げ床部25と第1の右側脚上げ床部27とを起上方向に駆動する一対の脚上げアーム43を、これらの係合凹部48がそれぞれ連動部材46の係合軸47に係合するようスライドさせる。それによって、第2の駆動軸36の回転に一対の脚上げアーム43が連動するから、第1の左側及び右側脚上げ床部25,27を一緒に起伏駆動させることができる。
【0064】
この実施の形態では、上記床部駆動機構31、上記脚上げアーム43及び上記連動部材46によって左側の脚上げ床部25,26或いは右側の脚上げ床部27,28を選択的或いは同時に起伏駆動するための駆動手段を構成している。
【0065】
上記第1の左側及び右側脚上げ床部25,27を起上方向に駆動すると、これら脚上げ床部25,27の起上方向の動きに第2の左側及び右側脚上げ床部26,28が連動する。第2の左側及び右側脚上げ床部26,28は保持機構51によって所定の角度で保持することができる。
【0066】
つまり、第2の左側及び右側脚上げ床部26,28の自由端に一端が枢着された支持杆56の他端に設けられた支持軸57を、保持部材52に形成された第1乃至第3の保持溝53〜55のいずれに係合させるかによって上記第2の左側及び右側脚上げ床部26,28の上記第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に対する保持角度を変えることができる。
【0067】
すなわち、図8(a)に示すように支持軸57を第1の保持溝53に係合させれば、第2の左側及び右側脚上げ床部26,28を第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に連結された一端よりも自由端である他端が低くなる状態で保持することができ、支持軸57を第2の保持溝54に係合させれば、図8(b)に示すように第2の左側及び右側脚上げ床部26,28をほぼ水平に保持することができる。
【0068】
さらに、支持軸57を第3の保持溝55に係合させれば、図8(c)に示すように第2の左側及び右側脚上げ床部26,28を他端が一端よりも高くなる状態で保持することができる。
【0069】
すなわち、上記構成の起床式ベッド装置によれば、利用者の脚部を持ち上げるための脚床部を、利用者の左右の脚部に対応して第1、第2の左側脚上げ床部25,26と、第1、第2の右側脚上げ床部27,28とに分割し、左右のどちらか一方の脚上げ床部を選択的に起上させたり、両方を同時に起上させることができるようにした。
【0070】
そのため、利用者は、片方の脚部だけを持ち上げた状態で仰臥したり、両方の脚部を持ち上げた状態で仰臥することができる。
【0071】
しかも、利用者の脚部の膝から下の部分を保持する第2の左側及び右側脚上げ床部26,28は、上記第1の左側及び右側脚上げ床部25,27に対する角度を保持機構51によって段階的に変えて保持することができる。
【0072】
そのため、利用者は片方の脚部或いは両方の脚部を選択的に持ち上げて保持することができるだけでなく、そのときの脚部の曲げ角度を変えることもできるから、利用者の脚部を最適な状態、たとえば利用者に与える負担が最も少ない状態や病状に最も適した状態などで保持することが可能となる。
【0073】
床板体21の上面に載置されるマットレス61は、第1、第2の左側脚上げ床部25,26及び右側脚上げ床部27,28に対応して幅方向中央部から切断線63によって第1の部分64aと第2の部分64bとに分割した。
【0074】
そのため、第1、第2の左側脚上げ床部25,26或いは第1、第2の右側脚上げ床部27,28のどちらか一方だけを起上方向に駆動した場合であっても、上記マットレス61は図10(b)や図11に示すように起上された左右の脚上げ床部に対応する幅方向の一方の部分だけを円滑に変形させることができるから、そのことによっても、利用者の左右一方の脚部だけを確実かつ円滑に上昇させた状態で保持することが可能となる。
【0075】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、種々変形可能である。たとえば、床部駆動機構の第2の駆動源によって回転駆動される1本の第2の駆動軸にそれぞれ一対の脚上げアームと連動部材とを設け、左側或いは右側の脚上げ床部を起伏駆動するようにしたが、一対の脚上げアームと連動部材とをそれぞれ別々の駆動軸に取付け、各駆動軸を別々の駆動源によって回転駆動することで、左側或いは右側の脚上げ床部を起伏駆動するようにしても差し支えない。
【0076】
また、左右の脚上げ床部を固定床部に枢着された第1の脚上げ床部及びこの第1の脚上げ床部に枢着された第2の脚上げ床部とによって構成したが、第1の脚上げ床部だけであっても差し支えない。
【0077】
また、腰上げ床部や背上げ床部がなく、固定床部と脚上げ床部だけの床板体であっても、この発明は適用可能である。
【0078】
また、第1、第2の脚上げ床部を左右一対に分割したが、これら第1、第2の脚上げ床部は左右に分割せずに1枚ものであっても差し支えない。
【0079】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、保持機構による第2の脚上げ床部の保持角度を変えることができるようにした。
【0080】
そのため、脚部を利用者の利用状況に応じた最適な曲げ角度で保持することが可能となるから、たとえば利用者に与える負担を少なくしたり、病状に最も適した状態で保持することが可能となる等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る起床式ベッド装置の斜視図。
【図2】(a)は床板体を除いた起床式ベッド装置の側面図、(b)は床板体を含む起床式ベッド装置の側面図。
【図3】床板体を除いた起床式ベッド装置の平面図。
【図4】(a)は床板体の平面図、(b)は起床式ベッド装置の平面図。
【図5】ベッドフレームの保持機構が設けられた一端部の斜視図。
【図6】第2の駆動軸の一端部分の断面図。
【図7】脚上げアームと連動部材とを示す斜視図。
【図8】第2の脚上げ床部を異なる角度で保持した状態を示す説明図。
【図9】(a)は支持軸を第1の保持溝に係合させて第2の脚上げ床部を倒伏させた状態の説明図、(b)は支持軸を第2の保持溝に係合させて第2の脚上げ床部を倒伏させた状態の説明図。
【図10】(a)マットレスの平面図、(b)マットレスの分断された一方の部分が脚上げ床部の起上に応じて変形した状態を示す斜視図。
【図11】マットレスの変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
6…ベッドフレーム
21…床板体
22…固定床部
25…第1の左側脚上げ床部
26…第2の左側脚上げ床部
27…第1の右側脚上げ床部
28…第2の右側脚上げ床部
31…床部駆動機構
34…第2の駆動源
36…第2の駆動軸
38…背上げアーム
43…脚上げアーム
44…脚上げローラ
46…連動部材
47…係合軸
48…係合凹部
51…保持機構
52…保持部材
61…マットレス

Claims (2)

  1. ベッドフレームと、
    このベッドフレームに固定された固定床部及びこの固定床部の一端に順次回動可能に連結された第1の脚上げ床部及び第2の脚上げ床部を有する床板体と、
    基端部を支点として先端部が上昇する方向に回転駆動される脚上げアームを有し、この脚上げアームを上昇方向に回転駆動したときにその先端部で上記第1の脚上げ床部の下面を押圧して上記固定床部に連結された一端を支点として他端が上昇する方向に駆動する駆動手段と、
    上記第1の脚上げ床部の他端が上昇する方向に駆動されたときにこの第1の脚上げ床部に連動する上記第2の脚上げ床部を上昇位置で保持するとともに、この第2の脚上げ床部の保持角度を変えることが可能な保持機構を具備し、
    上記保持機構は、複数の保持溝が長手方向の所定の位置に設けられ上記ベッドフレームの上記第2の脚上げ床部と対応する位置にその長手方向を上記ベッドフレームの長手方向に沿わせて設けられた保持部材と、上記第2の脚上げ床部の自由端に一端が枢着され他端に上記保持溝に着脱可能に係合する係合部材が設けられこの係合部材を複数の保持溝の1つに係合させることで上記第2の脚上げ床部を所定の角度で保持する支持杆とを備え、
    上記保持部材には、上記支持杆の他端に設けられた係合部材を係合させて上記第1の脚上げ床部を上昇方向に駆動したときに、上記第2の脚上げ床部を水平状態よりも自由端が下方に傾斜した状態で保持する第1の保持溝と、上記第2の脚上げ床部をほぼ水平に保持する第2の保持溝とが設けられ、
    上記第1の保持溝には、この第1の保持溝に上記係合部材を係合させた状態で上記第2の脚上げ床部を上記支持杆とともにほぼ水平に倒伏させたときに、上記係合部材を上記第1の保持溝から外れる方向にスライドさせ、上記第2の脚上げ床部をほぼ水平に倒伏した状態から上記第1の脚上げ床部に連動させて上昇させたときに上記第1の保持溝から外れた上記係合部材を上記第1の保持溝に戻す傾斜面が形成されていることを特徴とする起床式ベッド装置。
  2. 上記第1の脚上げ床部と第2の脚上げ床部とは、上記固定床部の幅方向一端部と他端部とに位置する左右一対に分割されていて、左右一対の第2の脚上げ床部はそれぞれ上記保持機構によって保持される構成であることを特徴とする請求項1記載の起床式ベッド装置。
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