JP4145917B2 - 構造体ユニットおよびこの構造体ユニットを備えた建屋 - Google Patents
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このような構造体ユニットによれば、当該構造体ユニットは一対の三角錐構造体をいわゆる鼓形状に組み合わせたものとなっているので、使用される棒部材および引張り部材の数量を必要最小限に抑えることができ、このため建屋の容積を有効に利用することができる。また、一対の三角錐構造体の各頂点から底部三点にそれぞれ延びる棒部材には軸方向に圧縮力のみがかかるとともに各三角錐構造体の底部三点間を連結する引張り部材ならびに上方三角錐構造体の底部各点と下方三角錐構造体の底部各点とを接続する引張り部材はそれぞれ軸方向に引張り力を受けるような構成となっているので、構造体ユニット自体の強度を大きくすることができ、地震等に対する耐性を強くすることができる。
このような構造体ユニットによれば、当該構造体ユニットの構築を行う際に、作業員は例えば床面等に立った状態で下方から雄ネジ部材の雌ネジ部材への締め付けを行うことができ、この作業員の負担を軽減することができる。
あるいは、各三角錐構造体における三本の棒部材の頂点側端部は互いに離間するとともにこの頂点側端部の近傍において互いに接続されており、上方三角錐構造体の各棒部材の頂点側端部は下方三角錐構造体の隣り合う二本の棒部材の頂点側端部の間に位置するよう当該上方三角錐構造体の各棒部材の頂点側端部近傍部分および下方三角錐構造体の各棒部材の頂点側端部近傍部分が接続されていることが好ましい。
あるいは、上方三角錐構造体の各棒部材および下方三角錐構造体の対応する各棒部材は直線状に延びるよう互いに連結されて三本の棒部材組合せ体を構成しており、各棒部材組合せ体は、その中央部分において互いに結束されていることが好ましい。
あるいは、前記上方三角錐構造体の頂点は下方三角錐構造体の頂点よりも上方に設けられ、前記上方三角錐構造体の頂点および下方三角錐構造体の頂点は連結部により互いに連結され、この連結部は、上方三角錐構造体の各棒部材および下方三角錐構造体の各棒部材が嵌め込み可能な6つの孔部を有することが好ましい。
このような建屋によれば、上述の構造体ユニットを柱や梁等の骨組みとして用いているので、この構造体ユニットに使用される圧縮棒部材および引張り部材の数量を必要最小限に抑えることができることにより建屋の容積を有効に利用することができ、また、この建屋の強度を大きくすることができ、このため地震等に対する耐性を強くすることができる。
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。本実施の形態は、例えば仮設住宅や仮設テント等の建屋の骨組みとして用いられる建築用構造体ユニットに係るものである。図1は、本実施の形態の構造体ユニットの構成を示す斜視図である。
以下、このような構造体ユニット10の各構成要素の詳細について説明する。
同様に、下方三角錐構造体30は、頂点35および底部三点36a、36b、36cを有している。具体的には、下方三角錐構造体30は、三角錐の頂点35から底部三点36a、36b、36cに向かって延びる三本の棒部材30a、30b、30cを有している。また、下方三角錐構造体30の底部各点36a、36b、36c間は互いに例えば引張り部材31a、31b、31cによりそれぞれ連結されている。
図1に示すように、下方三角錐構造体30の頂点35は上方三角錐構造体20の頂点25よりも上方に設けられている。
一方、上方三角錐構造体20の各引張り部材21a、21b、21cおよび下方三角錐構造体30の各引張り部材31a、31b、31cは引張り力を受ける引張り材として用いられ、例えばワイヤ等から構成されている。
各引張り部材40a、40b、40c、40d、40e、40fは引張り力を受ける引張り材として用いられ、例えばワイヤ等から構成されている。
この連結部50は、上方三角錐構造体20の各棒部材20a、20b、20cをそれぞれ連結する第1の板状部材50aと、下方三角錐構造体30の各棒部材30a、30b、30cをそれぞれ連結する第2の板状部材50bを有しており、第2の板状部材50bには雌ネジ部材50dが取り付けられている。一方、第1の板状部材50aの中心部には貫通孔が設けられており、細長形状の雄ネジ部材50cをこの貫通孔に下方から挿入することができるようになっている。第1の板状部材50aの貫通孔を貫通する雄ネジ部材50cは、図1に示すように下方から雌ネジ部材50dに対して締め付け可能となっている。
具体的には、構造体ユニット10の構築方法について説明する。
下方三角錐構造体30も同様の方法で構築する。この際に、第2の板状部材50bに雌ネジ部材50dを予め固定しておく。このようにして上方三角錐構造体20および下方三角錐構造体30が準備される。
ここで、下方三角錐構造体30において床面に対する頂点35の高さは作業員の身長よりも十分に大きい場合があるが、上述の連結部50を用いることにより作業員は床面に立った状態で、あるいは踏み台に乗った状態で下方から雄ネジ部材50cの雌ネジ部材50dへの締め付けを行うことができ、この作業員の負担を軽減することができる。
このようにして、最終的に各引張り部材40a、40b、40c、40d、40e、40fに引張り力が加えられた構造体ユニット10を構築することができる。
例えば、圧縮材として用いられる棒部材20a、20b、20cおよび棒部材30a、30b、30cとしては、1本の細長い円筒形の金属パイプ等を用いる代わりに、各々の棒部材について同径の7本の細長い円筒形の金属パイプを準備し、中心となる1本の金属パイプの外周面を6本の金属パイプで覆い、これらの7本の金属パイプをワイヤ等で括ったパイプ組合せ体を用いてもよい。
このような7本の金属パイプをワイヤ等で括ったパイプ組合せ体を圧縮材として用いた場合には、当該圧縮材を安価かつ頑丈なものとすることができる。
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は、本実施の形態の構造体ユニットの構成を示す斜視図である。
図2に示す本実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図2に示すように、上方三角錐構造体20の頂点25は下方三角錐構造体30の頂点35よりも上方に配置されている。
そして、この構造体ユニット11には、上方三角錐構造体20の頂点25および下方三角錐構造体30の頂点35を連結する連結部51が配設されている。
具体的には、構造体ユニット11の構築方法について説明する。
以下、図面を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。図3は、本実施の形態の構造体ユニットの構成を示す斜視図である。
図3に示す本実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図3に示すように、下方三角錐構造体30における三本の棒部材30a、30b、30cの頂点側端部30p、30q、30rは互いにわずかに離間するとともにこの頂点側端部30p、30q、30rの近傍において結束により互いに接続されている。
また、上方三角錐構造体20も下方三角錐構造体30と同様の構成となっている。すなわち、上方三角錐構造体20における三本の棒部材20a、20b、20cの頂点側端部20p、20q、20rは互いにわずかに離間するとともにこの頂点側端部20p、20q、20rの近傍において結束等により互いに接続されている。
この際に、上方三角錐構造体20の棒部材20aの頂点側端部20pはひとりでに下方三角錐構造体30の隣り合う二本の棒部材30b、30cの頂点側端部30q、30rの間に位置している。同様に、上方三角錐構造体20の棒部材20bの頂点側端部20qはひとりでに下方三角錐構造体30の隣り合う二本の棒部材30a、30cの頂点側端部30p、30rの間に位置しており、また、上方三角錐構造体20の棒部材20cの頂点側端部20rはひとりでに下方三角錐構造体30の隣り合う二本の棒部材30a、30bの頂点側端部30p、30qの間に位置している。
具体的には、構造体ユニット12の構築方法について説明する。
次に、引張り部材40a、40b、40c、40d、40e、40fを各棒部材間に掛ける前に、上方三角錐構造体20の頂点25および下方三角錐構造体30の頂点35の連結を行う。この際に、上方三角錐構造体20の頂点25が下方三角錐構造体30の頂点35よりも上方に位置するようにする。
具体的には、上方三角錐構造体20の各棒部材20a、20b、20cの頂点側端部20p、20q、20rの近傍部分、および、下方三角錐構造体30の各棒部材30a、30b、30cの頂点側端部30p、30q、30rの近傍部分をそれぞれ結束させ、上方三角錐構造体20の頂点25および下方三角錐構造体30の頂点35を連結させる。
以下、図面を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。図4は、本実施の形態の構造体ユニットの構成を示す斜視図である。
図4に示す本実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図4に示すように、構造体ユニット13において、上方三角錐構造体20の棒部材20aおよび下方三角錐構造体30の棒部材30aは直線状に延びるよう互いに連結されて棒状の棒部材組合せ体22aを構成している。同様に、上方三角錐構造体20の棒部材20bおよび下方三角錐構造体30の棒部材30bは直線状に延びるよう互いに連結されて棒状の棒部材組合せ体22bを構成しており、また、上方三角錐構造体20の棒部材20cおよび下方三角錐構造体30の棒部材30cは直線状に延びるよう互いに連結されて棒状の棒部材組合せ体22cを構成している。
具体的には、構造体ユニット13の構築方法について説明する。
次に、各棒部材組合せ体22a、22b、22cの一端26a、26b、26cを引張り部材21a、21b、21cにより連結し、また各棒部材組合せ体22a、22b、22cの他端36a、36b、36cを引張り部材31a、31b、31cにより連結する。この際に、各引張り部材21a、21b、21c、31a、31b、31cは緩んだ状態となっている。
以下、図面を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。図5は、本実施の形態の構造体ユニットの構成を示す斜視図である。
図5に示す本実施の形態において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に示すように、上方三角錐構造体20の頂点25は下方三角錐構造体30の頂点35よりも上方に配置されている。
そして、この構造体ユニット14には、上方三角錐構造体20の頂点25および下方三角錐構造体30の頂点35を連結する連結部53が配設されている。
具体的には、構造体ユニット14の構築方法について説明する。
具体的には、連結部53の各孔部53a、53b、53c、53d、53e、53fにそれぞれ棒部材20a、20b、20c、30a、30b、30cを挿入することにより、各棒部材20a、20b、20c、30a、30b、30cを連結させることができる。
以下、図面を参照して本発明の第6の実施の形態について説明する。図6は、本実施の形態に係る建屋の内部の構成を示す説明用斜視図であり、図7は、図6の建屋の上面図であり、図8は、図6の建屋の正面図である。また、図9は、図6の建屋に側壁、屋根等を設けたものの構成を示す斜視図である。
このような建屋15の各構成要素について以下に詳述する。
図6に示すように、1階フロア63および2階フロア62は略同一の六角形形状となっており、この六角形形状の対向する一対の辺は互いに平行になっている。
構造体ユニット10の上部三角錐構造体20の底部各点、具体的には例えば棒部材20cの上方端部26cには2本のワイヤ61a、61aが接続されており、これらの2本のワイヤ61a、61aには棒部材61bが接続されている。すなわち、図6および図8に示すように、棒部材20cの上方端部26cを頂点とし、ワイヤ61a、61aおよび棒部材61bを各辺とする二等辺三角形が形成される。このワイヤ61a、61aおよび棒部材61bを各辺とする二等辺三角形部材は、各辺の部材の自重により棒部材20cの上方端部26cから鉛直方向下方に吊り下げられている。同様に、棒部材20a、20bの上方端部26a、26bからそれぞれワイヤ61a、61aおよび棒部材61bを各辺とする二等辺三角形部材が吊り下げられている。
具体的には、図7に示すように、各二等辺三角形部材に係る3本の棒部材61bおよびこれらの棒部材61bの間を連結する3本の棒部材61cにより、上方から見て六角形形状の骨組みが構成される。この六角形形状の対向する一対の辺は互いに平行になっている。
15 建屋
20 上方三角錐構造体
20a、20b、20c 棒部材
20p、20q、20r 頂点側端部
21a、21b、21c 引張り部材
22a、22b、22c 棒部材組合せ体
25 頂点
26a、26b、26c 底部各点
30 下方三角錐構造体
30a、30b、30c 棒部材
30p、30q、30r 頂点側端部
31a、31b、31c 引張り部材
35 頂点
36a、36b、36c 底部各点
40a、40b、40c、40d、40e、40f 引張り部材
41a、41b、41c、41d、41e、41f フック付テンション調整器
50 連結部
50a 第1の板状部材
50b 第2の板状部材
50c 雄ネジ部材
50d 雌ネジ部材
51 連結部
51a 第1の板状部材
51b 第2の板状部材
51c 接続部材
52 接続部材
53 連結部
53a、53b、53c、53d、53e、53f 孔部
60 床面
61 天井
61a ワイヤ
61b 棒部材
61c 棒部材
62 2階フロア
63 1階フロア
65 壁部材
70 第1の階段
71 第2の階段
Claims (7)
- 頂点、底部三点ならびに頂点と底部各点とを結ぶ三本の棒部材を各々が有する一対の三角錐構造体を備え、
各三角錐構造体は、頂点を上方に向けた下方三角錐構造体と、頂点を下方に向けた上方三角錐構造体からなり、
前記上方三角錐構造体と下方三角錐構造体との頂点同士が互いに連結され、
上方から真下方向にみて前記上方三角錐構造体の各底部三点は前記下方三角錐構造体の隣り合う底部各点間に位置し、
前記上方三角錐構造体の各々の底部各点は、前記下方三角錐構造体における近傍の底部二点に引張り部材により連結され、
前記各三角錐構造体の底部各点は互いに引張り部材により連結されていることを特徴とする構造体ユニット。 - 前記下方三角錐構造体の頂点は上方三角錐構造体の頂点よりも上方に設けられ、
前記上方三角錐構造体の頂点および下方三角錐構造体の頂点は連結部により互いに連結され、
この連結部は、下方三角錐構造体の頂点に固定された雌ネジ部材と、上方三角錐構造体の頂点に接続されるとともに下方から前記雌ネジ部材に締め付けることができる雄ネジ部材とを有することを特徴とする請求項1記載の構造体ユニット。 - 前記上方三角錐構造体の頂点は下方三角錐構造体の頂点よりも上方に設けられ、
前記上方三角錐構造体の頂点および下方三角錐構造体の頂点は連結部により互いに連結され、
この連結部は、上方三角錐構造体の頂点に固定された第1の固定部材と、下方三角錐構造体の頂点に固定された第2の固定部材と、第1の固定部材および第2の固定部材を接続する接続部材とを有することを特徴とする請求項1記載の構造体ユニット。 - 各三角錐構造体における三本の棒部材の頂点側端部は互いに離間するとともにこの頂点側端部の近傍において互いに接続されており、
上方三角錐構造体の各棒部材の頂点側端部は下方三角錐構造体の隣り合う二本の棒部材の頂点側端部の間に位置するよう当該上方三角錐構造体の各棒部材の頂点側端部近傍部分および下方三角錐構造体の各棒部材の頂点側端部近傍部分が接続されていることを特徴とする請求項1記載の構造体ユニット。 - 上方三角錐構造体の各棒部材および下方三角錐構造体の対応する各棒部材は直線状に延びるよう互いに連結されて三本の棒部材組合せ体を構成しており、
各棒部材組合せ体は、その中央部分において互いに結束されていることを特徴とする請求項1記載の構造体ユニット。 - 前記上方三角錐構造体の頂点は下方三角錐構造体の頂点よりも上方に設けられ、
前記上方三角錐構造体の頂点および下方三角錐構造体の頂点は連結部により互いに連結され、
この連結部は、上方三角錐構造体の各棒部材および下方三角錐構造体の各棒部材が嵌め込み可能な6つの孔部を有することを特徴とする請求項1記載の構造体ユニット。 - 請求項1乃至6記載の構造体ユニットを骨組みとして備えたことを特徴とする建屋。
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