JP4145884B2 - 光触媒を用いるプリント基板の無電解鍍金方法 - Google Patents
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Description
したがって、微細回路の具現のために多様な方法が提案されており、多層化、高速化に対応するための多くの研究が進んでいる。特に、微細回路を形成した後、信頼性に対する検証を行うことにより、最終の安定状態で製品量産が可能であるため、その重要性がさらに高くなっている。
しかし、前記のような方法は、樹脂表面に紫外線を照射した後に行われるアルカリ溶液又は脱脂液による表面処理、Pd−Snコロイド液又は着化液などの活性化液による表面処理、及びSnを除去する酸活性処理などの表面処理工程において、樹脂表面が空気に接する場合、無電解鍍金が析出されない傾向があるため、安定的に無電解鍍金が行えない欠点がある。
したがって、微細回路の具現の際、信頼性及び絶縁材との接合性などを考慮したより改善した処理工程が切実に要求されている。
したがって、本発明の目的は、微細回路の具現の際、高信頼性を有し、絶縁材との接着効果に優れており、高速対応用低プロファイル資材として活用可能な光触媒を用いるプリント基板の無電解鍍金方法を提供することにある。
前記TiO2ゾル溶液は、Cr、Fe、Ni、Nb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の遷移金属化合物を含み、その含量は0.05〜0.5重量%であるのが好ましい。
前記紫外線の照射量は5〜80mw/cm2であり、前記紫外線の照射時間は5〜30分であるのが好ましい。
前記金属は、銅、ニッケル、コバルト、金、銀、パラジウム、白金、ロジウム、鉄、アルミニウム、タンタル、窒化チタニウム、チタニウム、タングステン、窒化タンタル、窒化タングステン又はこれらの組合せからなる群から選択されるのが好ましい。尚、前記活性化層の厚さは0.05〜0.8μmであるのが好ましい。
また、TiO2光触媒特有の超親水性効果により無電解金属鍍金の接合性を向上させることができ、微細回路の具現の際、イオン移動、デラミネーションのような不良による信頼性低下の問題を解決して、高密度、高速信号に対応することができ、低プロファイル絶縁材の使用が可能な利点がある。
また、従来工程の使用による廃水発生の問題点も改善することが可能である。
本発明は、プリント基板(PCB)の無電解金属鍍金時に行われる高価の金属触媒を用いる基板表面の活性化処理過程を、TiO2ゾルを用いる光触媒技術で代替することにより、微細回路の具現の際にも高信頼性を有するプリント基板の無電解鍍金方法を提供する。
本発明による鍍金方法との対比のため、図1及び図2に従来技術によるプリント基板の銅鍍金及び金鍍金工程の概略工程流れ図を示し、図3には従来技術によりプリント基板上に金鍍金層が形成された状態を示す。
図1ないし図3に基づき、従来技術によるプリント基板の鍍金方法を説明すると次の通りである。
無電解化学銅鍍金の究極の目的は、ドリル加工されたホール樹脂壁に導電膜を形成してホール内での電気銅鍍金が行えるようにすることにある。一般に、無電解化学銅鍍金はおよそ0.2〜1.2μmの厚さを有するが、電解銅鍍金により、製品の信頼性を確保し得る厚さを得る。
(2)ソフトエッチング過程においては、基板の表面をおよそ1μmエッチングして異物を除去することにより銅箔面と鍍金銅間の密着力を向上させるが、一般に硫酸と過酸化水素又は硫酸と過硫酸を使用して行う。
(3)プレディップ過程においては、Cu表面の薄い酸化膜を除去して、Cuイオンが触媒に流入することを防止することにより、触媒剤を保護し、触媒薬品によって目的及び薬品が異なる。例えば、コロイド(Sn−Pdタイプ)触媒を使用する場合は、pH1以下で安定であるので、水の流入によっても不安定になる。したがって、触媒処理前にpHの調整された薬品で処理して、基板に付いて入る水溶液の液性を調節することにより、すなわち液性を強酸に調節することにより、触媒剤の急激なpH変化を防止する。一方、Pd錯化合物を使用する場合は、酸化銅が存在すれば吸着ができないので、硫酸でpHを4未満に維持させ、界面活性剤を少量使用して触媒の付着性を向上させる。
(4)触媒を用いる活性化処理過程においては、樹脂上の化学銅析出反応を活性化させるために必要な触媒として、絶縁層に触媒剤を吸着させる。触媒剤としては、Pd−Snコロイド(酸性)又はPdイオン錯化合物(アルカリ:9.5≦pH≦10.5)を使用する。この過程でPdイオンを付着させるが、これを後続工程の還元過程で金属に還元させる。
(5)還元過程においては、実際に触媒として作用するPd金属を得るための工程であって、Pd−Snコロイドを使用する場合は、過量のSnを熔解、除去することにより、Sn2+が酸化するとともにPd2+が還元されて金属Pdが露出し、Pd錯化合物を使用する場合は、Pd2+が還元されて金属が析出される。
(6)無電解化学銅鍍金過程においては、下記反応式1の化学反応により銅イオンが析出される。
Cu2+ + HCHO + OH− → Cu金属 + HCOO− + H2
化学銅析出反応はPd触媒により促進されて開始される。この際、反応により生成された水素気体により反応がさらに活性化されるので、自己触媒反応とも呼ばれる。
(7)酸処理過程においては、化学銅鍍金過程を経た基板を酸で中和させて、電気銅鍍金液と同一の液性を有するようにする。
(8)電気銅鍍金過程においては、一般にその基本液組成を、Cu2+;鍍金液の伝導度を向上させるためのH2SO4;鍍金促進剤の役割をし、溶解性アノードの場合、ブラックフィルムの形成に役立つCl−;鍍金成長を促進させるための光沢剤;鍍金成長を抑制するための平滑剤などで構成して電解銅鍍金を行う。
(9)防錆過程は必要に応じて行える工程で、鍍金された銅表面の酸化を防止するための工程である。最終に、乾燥過程は、通常150±20℃の温度で30分〜1時間行う。
一方、従来技術によるプリント基板の金鍍金過程は、図2に示すように、(1)クリーニング(50〜60℃)→(2)温水洗(35〜45℃)→(3)酸洗→(4)ソフトエッチング→(5)プレディップ→(6)活性化処理→(7)Ni鍍金→(8)Au−ストライク→(9)Au鍍金→(10)湯洗(65〜75℃)→(11)2段温水洗(35〜45℃)→(12)乾燥(90〜100℃)→(13)厚さ/密着力検査(Au/Ni厚さ−XRF測定器)→(14)外見検査(拡大鏡)などの工程で行われる。
この過程の主要工程として、(1)クリーニング過程においては、プリント基板の加工時の汚染物を除去し(SR残渣、Cu表面のCuO熔解)、プリント基板表面の親水性を向上させる。
(3)酸洗過程においては、前処理過程で残留する界面活性剤成分を中和し、後続工程のソフトエッチング過程が迅速に処理できるようにプリント基板の表面を調整し、15〜45ml/Lの濃度を有するH2SO4溶液で実施する。
(4)ソフトエッチング過程においては、プリント基板の加工時に汚染したCu表面を熔解、除去し、Cu表面の酸化皮膜を除去し、プリント基板のCu表面を均一に熔解して、後続の活性化処理過程でPdが均一に付着するようにし、無電解Ni鍍金の密着性を向上させるが、通常20〜30℃の温度で15〜35ml/Lの硫酸、10g/L以下のCuで実施する。
(5)プレディップ過程においては、後続工程の活性化処理過程での活性化浴の安定性を維持し、前工程の不純物(Cu、硫酸など)、水分の混入を防止するが、通常pH4.5〜5.5で行われる。
(6)活性化処理過程はプリント基板のCu表面に選択的にPd触媒を付与するための工程であるが、PSR部分に付着すると、EL−Niブリッジ広がりにより不良が発生する欠点がある。通常、25〜35℃の温度、Pd濃度70〜90mg/L、Cu濃度50ppm以下、pH3.2〜3.5の条件下で行う。
(7)Ni鍍金過程は、通常、77〜83℃、ニッケルイオン濃度4.3〜5.0g/L、pH4.5〜4.7の条件下で行う。
(8)Au−ストライク過程は、通常、82〜88℃、Auイオン濃度0.8〜1.4g/L、pH4.8〜6.0の条件下で行う。
(9)Au鍍金過程は、通常、82〜88℃、Auイオン濃度3.6〜4.4g/L、pH4.5〜4.7の条件下で行う。
一方、無電解鍍金は、電着性が均一であり、多量で同時に鍍金が可能であり、不導体素材にも良好な密着性を有する。また、耐熱性及び半田性(solderability)に優れ、金属及び非金属の両方に鍍金が可能であり、精度が高く、廃水処理問題を解決することができる利点がある。
前記Ni/Au鍍金の原理を表すと、下記の反応式2及び反応式3の通りである。
Cu0+Pd2+ → Cu2++Pd0
[反応式3]
Ni−(P)+Au+ → Ni2++Au0:置換反応
ここで、Ni鍍金は、図3に示すように、銅鍍金層と金鍍金層間の相互拡散防止のために行われる。
光触媒(photocatalyst)は光(photo=light)+触媒(catalyst)を促進させて、細菌及び汚染物質を分解させる半導体物質である。
特に、光触媒としては、図4に示すようなアナターゼ又はルチル結晶型のTiO2、特にアナターゼ結晶型のTiO2が用いられる。これは、光励起反応を引き起こすのに必要なエネルギーが387.5nm(理論値)程度であって、太陽光から十分なエネルギーを受けることができ、化学的に安定し、光活性に優れ、人体に無害な点など、その物性に優れているからである。前記TiO2は、3.0〜3.2eVのエネルギーに対応する400nm以下の短波長に相当するエネルギーが照射されると、価電子帯の電子が伝導帯に励起される半導体特性を有する物質である。特に、光の照射により発生した電子と正孔がTiO2の表面に移動して再結合するか、あるいは吸着された物質と酸化−還元反応を起こす。
特に、TiO2は化学的に安定であり、光活性に優れ、価格が低い特性がある。通常に使用するTiO2の性状は、下記の表1に示すように、二つに大別可能である。そのうち、TiO2ゾルは、既存に多く使用されている光触媒粉末に比べ、脱臭、抗菌性に優れており、大気汚染防止システム及びプリント基板の絶縁材の表面にコートしても透明度がそのまま維持されるだけでなく、維持補修が容易な利点がある。
本発明において、前記TiO2ゾルを使用することにより得られる利点としては、大きな比表面積により十分な光反応が可能であり、従来では、粉末を使用する場合は溶液に作る2次工程が必要であるが、本発明ではゾル状態で2次工程なしでそのまま適用することができ、使用条件を適宜調節して粒子の沈殿現象なしで溶液内に均等に分散させることにより、プリント基板の絶縁材への適用の際、均等に分散、分布させることができるなどの利点がある。
前述したようなTiO2ゾルの特性を用いて、本発明はつぎのような工程に従って特定の条件下でプリント基板の無電解金属鍍金を行う。
前記TiO2コーティングの製造方法としては、ゾル−ゲル法を用いるコーティング法、スピンコーティング法、真空装置を用いるCVD法、スパッタリング法など、当該分野に知られている方法であれば、特に限定されなく使用可能であるが、好ましくはゾル−ゲル法を使用する。
前記TiO2ゾル溶液のpHはおよそ2〜7、好ましくはおよそ3〜6である。前記TiO2のpHが2未満の場合は、相対的に凝集現象が強く発生して沈殿を生成させる欠点があり、7を超える場合は、分散性に優れているが、相対的に光特性が低下する欠点がある。
前記紫外線の照射時間は5〜30分が好ましいが、前記範囲を外れる場合、膜のコーティング性が良くなくて光学特性が低下する欠点がある。
一方、前記TiO2ゾル溶液には、相対的に小さい粒径を維持して光効率を増大させ、特に可視光線領域でTiO2の光効率を向上させるため、Cr、Fe、Ni、Nb及びVからなる群から選択された少なくとも1種が遷移金属化合物のイオン形態で添加可能である。
ここで、前記遷移金属化合物の含量は0.05〜0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%がよい。前記含量が0.05重量%未満の場合は、遷移金属の添加による物性的特性が十分に発現されなく、光特性の向上効果も得られない。一方、0.5重量%を超える場合は、前記遷移金属が複合物形態をなして、一部はイオン形態として存在するが、一部は複合物として残って沈殿が生じ、光特性が低下する欠点がある。
前述したように形成された活性化層の厚さは0.05〜0.8μmがよい。前記活性化層の厚さが0.05μm未満の場合は、透明性には優れているが、コーティング性に劣り、部分的に光特性を表し得ない欠点がある。反面、0.8μmを超える場合は、透明性が高くなり、相対的に光特性に劣る欠点がある。
本発明のプリント基板の金属鍍金に適用される金属としては、無電解鍍金が可能な金属であればどんなものであっても使用可能である。無電解鍍金の可能な金属としては、銅、ニッケル、コバルト、金、銀、パラジウム、白金、ロジウム、鉄、アルミニウム、タンタル、窒化チタニウム、チタニウム、タングステン、窒化タンタル、窒化タングステン又はこれらの組合せが挙げられる。最適の例としては、銅又はニッケル/金が無電解鍍金される。
前述したような本発明の鍍金方法が適用される好ましい具体例として、無電解銅鍍金及び無電解Ni/Au鍍金に適用した場合の概略的な工程流れを図5及び図6にそれぞれ示す。
本発明の一具体例による金鍍金方法によりプリント基板に金鍍金層が形成された状態を、従来技術の場合(図3)に対比して図7に示す。
Claims (11)
- プリント基板の鍍金方法において、
(a)pH2〜7のナノTiO2ゾル溶液を用意する工程と、
(b)前記TiO2ゾル溶液を樹脂基板の表面にコートした後、紫外線を照射して活性化層を形成させる工程と、
(c)少なくとも1種の金属塩、少なくとも1種の還元剤、及び少なくとも1種の有機酸を含む無電解金属溶液を用意する工程と、
(d)前記基板の活性化層上に前記金属鍍金溶液を接触させて無電解金属鍍金層を形成させる工程とを含んでなることを特徴とする光触媒を用いるプリント基板の無電解鍍金方法。 - 前記TiO2ゾル溶液は、Cr、Fe、Ni、Nb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の遷移金属化合物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の無電解鍍金方法。
- 前記TiO2ゾル溶液中の遷移金属化合物の含量は0.05〜0.5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無電解鍍金方法。
- 前記TiO2ゾル溶液のTiO2の平均粒径が5〜60nmであることを特徴とする請求項1に記載の無電解鍍金方法。
- 前記TiO2ゾル溶液のTiO2の平均粒径が10〜50nmであることを特徴とする請求項4に記載の無電解鍍金方法。
- 前記TiO2ゾル溶液のTiO2の濃度が0.05〜0.5モル%であることを特徴とする請求項1に記載の無電解鍍金方法。
- 前記TiO2ゾル溶液のpHが3〜6であることを特徴とする請求項1に記載の無電解鍍金方法。
- 前記紫外線の照射量が5〜80mw/cm2であることを特徴とする請求項1に記載の無電解鍍金方法。
- 前記紫外線の照射時間が5〜30分であることを特徴とする請求項1に記載の無電解鍍金方法。
- 前記金属が、銅、ニッケル、コバルト、金、銀、パラジウム、白金、ロジウム、鉄、アルミニウム、タンタル、窒化チタニウム、チタニウム、タングステン、窒化タンタル、窒化タングステン又はこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の無電解鍍金方法。
- 前記活性化層の厚さが0.05〜0.8μmであることを特徴とする請求項1に記載の無電解鍍金方法。
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