JP4145611B2 - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、心臓血管系内等にカテーテルを導入する際に、そのカテーテルの挿入を安全確実にするために用いる医療用ガイドワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療用ガイドワイヤ(以下、単にガイドワイヤという)は、極細の可撓性線条体にして曲りくねった複雑な血管や分岐血管に先頭部から挿入して、体外に位置する手元部を回転させながら押し引き操作して血管内を進行させ、その挿入進行状態の放射線投射映像の視認確認と手元部に伝わる官能フィーリングの併合判断によって適正な血管内進行と血管内セットを図る挿入手法が採られるので、高度の柔軟性・可撓性と血管内での高摺動性等を備えた高品質が要求される。
【0003】
そこで、以上の要求品質に応えるガイドワイヤ1Aとして特許第2516444号(図4参照)に示される「先端部分3の表面部分のみが潤滑時に潤滑性を示す表面に構成した」公知例がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上の先端部のみの潤滑性形態のガイドワイヤ1Aは、大腿動脈21の挿入ポイント20から血管内挿入した先頭部5を心臓冠動脈の狭窄病変部Pに導いて治療するにおいて、以下の難点がある。
【0005】
即ち、細長可撓性線材のガイドワイヤ1Aは、曲りくねった血管内へ先頭部5から押し・引き操作して押し込み挿入するので(図4(E)参照)その押し込みまたは引き操作の操作効率E(ガイドワイヤ1Aの血管内の押し込み・引き抵抗力を分子、それに対する必要押し込み力・引き力を分母とする百分率比)は、挿入進行する血管の総曲げ角度Σθに比例する相関数にして、その総曲げ角度Σθの増加に比例して傾き角θで傾斜する相関線を示し、その傾き角θが小なる程操作力の増加が少い定性があり、その傾き角θで摩擦係数が特定される。
【0006】
一方、ガイドワイヤ1Aを挿入する血管路の湾曲形態は各ポジション・ゾーンによって大なる相違があり、図示の「大腿部の挿入ポイント20から下行大動脈胸部下22までのAゾーン」におけるガイドワイヤ1Aの総曲げ角度は概ね180°、そのAゾーンに続く「大動脈弓23を通過して上行大動脈左冠動脈入口部24までのBゾーンは概ね320°」そのBゾーンに続く「左冠状動脈主幹部25から左回旋枝26を通過して後下行枝27までのCゾーンは概ね400°」とそれぞれ推定される。
【0007】
以上の各ゾーン毎の総曲げ角度形態であることから、大腿動脈21から挿入して先頭部5を冠状動脈の病変部Pの近傍にセットしたガイドワイヤ1Aの寸動押し引き操作の操作効率Eは図4(E)のように(図中の・A・B・CはAゾーン、Bゾーン、Cゾーンにして、図中の3本の相関線は全体が高潤滑性のものイ・全体が中潤滑性のものロ、全体が低潤滑性のものハ、を示す)、A〜Cゾーン毎に総曲げ角度Σθの増大と共に、操作効率Eが悪くなり、また潤滑性能の差によっては傾き角θは大きく異なり、傾き角θの多様な複合形態となる。
【0008】
従って(図4(D)参照)先頭部5の病変部Pへの接触感によって先頭部5を血管の真腔に正常に導入するときのガイドワイヤ1Aの寸動押し引き力が「前記の多様な操作効率Eの複合存在によって部分的に異常過大の操作抵抗が生じて先頭部5の微妙な接触フィーリングを消去して手元部7の操作フィーリングを阻害する。従って、先頭部5が正常な真腔導入形態の5Aか、内膜30・中膜31に突き刺さる不良位置の先頭部5Bかの手元部7の判断に狂いを生じ、病変部Pの治療性を阻害する。
【0009】
さらに、前記の多様な操作効率Eの複合存在によってガイドワイヤ1Aの押し引き操作のときの感触フィーリング性が低下するので、先頭部5が血管分岐部に至ったとき、手元部7の寸動押し引き操作による先頭部5の血管壁への接触抵抗の微小な差によって先頭部5を意図する血管路へ正常に選択導入する「分岐血管の選択導入性」が良好とは言い難く、当該治療性を阻害する。
【0010】
本発明は、以上の従来技術の難点を解消し、先頭部5の血管内導入案内性のさらなる向上を図るガイドワイヤを提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、先端部から手元部に至る細長可撓性線状体からなり、該線状体の外周の潤滑度を長さ方向に変化させることによって、体腔内挿入状態の、血管内押し込み・引き抵抗力を分子として、それに対する必要押し込み・引き抵抗力を分母とする百分率比である操作効率を概ね一定にする医療用ガイドワイヤにおいて、
各ゾーンにおける角度を累積した総曲げ角度(Σθ)に応じて潤滑度を変化させることにより、前記医療用ガイドワイヤの先端部の進行方向に対して変化する各ゾーンの総曲げ角度(Σθ)の影響を受けずに、各ゾーンの操作力の有意差を無くした一定の操作力を得るようにして異常ピーク値の探知能力を向上させたことを特徴とする。
【0012】
即ち、本発明の医療用ガイドワイヤは図4(E)に示す「血管挿入セット状態のガイドワイヤを寸動押し引き操作する場合の操作効率E」を「ガイドワイヤの前記A・B・Cゾーンにおいて概ね一定にして、かつ、操作効率Eと総曲げ角度Σθの相関線の傾き角θを限り無くゼロに近づける」構造体に構成する思想から成り、この新規思想によって「血管へ挿入セット状態の寸動押し引き操作における先頭部と血管壁の接触フィーリングの手元部への官能伝達性」の特段の向上を図るものである。
【0013】
即ち、補足すれば全体外周が一様な摩擦係数を有する従来構造のものは、図4(E)のように、総曲げ角度Σθが増大することにより操作力が重くなる一定の傾き角θを有する比例関係となり外周の潤滑性を向上させても傾き角θが小さくなるのみでゼロとはならない。
【0014】
しかし、各ゾーン毎に潤滑性・摩擦係数を別異に構成する前記構成の本発明のものは、総曲げ角度Σθの影響を可及的に少にして、傾き角θを限りなくゼロに近づけることによって、前記A〜Cゾーンの総曲げ角度Σθの影響を受けずに各ゾーンの操作力の有意差を無くして「一定操作力による異常ピーク値の探知能力」を高める思想と構造を特徴とするものである。
【0015】
そして、前記の高・中・低の3様の各潤滑性ゾーンは、ガイドワイヤ本体を構成する線状体の外周に「ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー」を施し、その親水性ポリマーの被膜厚さの変化によって「高潤滑性ゾーン」または「中潤滑性ゾーン」に区画形成したり、或は、潤滑特性が異なるふっ素樹脂・ポリプロプレン等を択一した樹脂コーティングを施すことによって前記の中潤滑性ゾーンと低潤滑性ゾーンが形成される。
【0016】
そして、それ等の潤滑度が異なる潤滑性ゾーン群は、手元部の方向へ高潤滑性ゾーン・中潤滑性ゾーン・低潤滑性ゾーンの配列構成にしたり、その潤滑度差を「親水性ポリマーの存在・不存在」によって構成したり、さらに高潤滑性ゾーンと低潤滑性ゾーンの操作効率Eの差を10%以下に設定する等の態様を採択する。
【0017】
なお、本発明のガイドワイヤは公知の総ての形態のものを対象とするものにして、以下例示の態様変化がある。即ち、「細長可撓性線状体の先端部分が、コイル体外周に樹脂チューブを装着した構造にして、該コイル体にコイル間クリアランスを設けて該コイル間クリアランスによる該樹脂チューブの凹陥ヘリカル溝を設け、該凹陥ヘリカル溝に親水性ポリマーを施して高潤滑性ゾーンに構成する構造」や「少くとも低潤滑性ゾーンが外周露出の撚り線形態・コイルばね形態から成る態様」にする。
【0018】
【作用】
以上の構成の本発明の医療用ガイドワイヤは、長さ方向のゾーン毎に総曲げ角度Σθが大なる変数として変化する血管内挿入状態において、そのゾーン毎の操作効率Eが概ね一定にして、かつ操作効率Eと総曲げ角度Σθの相関線の傾き角θが限りなくゼロに近づく特性を有するので血管内挿入セット状態において寸動押し引き操作したとき、ガイドワイヤの全長ポイントにおいて、押し引き異常値の発生がなく操作性が概ね一様な態様を呈して先頭部の血管内壁への接触フィーリングが手元部において鋭敏に感知可能となる。
【0019】
従って、病変部における先頭部の正常な真腔挿入と血管分岐部分における先頭部の選択血管路への導入案内が極めて正確にして操作し易くなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、図1を参照して本発明1実施形態の医療用ガイドワイヤ1(以下、単にガイドワイヤ1という)を説明する。即ち、金属細線の芯材2の全長を樹脂被覆6で包み込んで先頭部5から手元部7までを一様外径の可撓性線状体に成すガイドワイヤ1において、先頭部5を含む先端部分3の外周を高潤滑性ゾーンHに設定すると共に、手元部7を含む後端の若干長の外周を低潤滑性ゾーンLに設定し、その高潤滑性ゾーンHと低潤滑性ゾーンLの中間部分の外周が中潤滑性ゾーンMに設定された「潤滑度が異なる3ゾーン外周形態」に形成されている。
【0021】
詳しくは、高潤滑性ゾーンHは「親水性ポリマー(ポリビニルピロリドン)の18〜20ミクロン膜厚」中潤滑性ゾーンMは「希釈親水性ポリマー(ポリビニルピロリドン)の5〜10ミクロン膜厚」の潤滑性被膜8から成り、低潤滑性ゾーンLはふっ素樹脂(PTFE)の潤滑性被膜8によって形成されている。
【0022】
そして、図4()()に示す大腿動脈21の挿入ポイント20から挿入して先頭部5を「左冠状動脈主幹部25・左回旋枝26を経由して後下行枝27に導入セット」した状態において、高潤滑性ゾーンHが図4()に示すCゾーンに位置し、中潤滑性ゾーンMが同じくBゾーンに位置し、低潤滑性ゾーンLが同じくAゾーンに位置する相対寸法にして、その導入セット状態において、高・中・低の潤滑性ゾーンH・M・Lが血管内での曲げ総角度Σθの増加に関係なく概ね一様な操作効率Eを示す構造に構成されている。
【0023】
なお、この実施形態ものは全長9が1,750粍、高潤滑性ゾーンHの長さ=約150粍、中潤滑性ゾーンMの長さ=約300〜400粍のサイズ諸元である。そして、潤滑性被膜8は「ポリマー液等の潤滑性物質の液中をガイドワイヤ本体を通過させる通過速度の調整、またはその通過回数(単数・複数)の調整によって必要厚さに設定付与する」公知手段、或は、親水性ポリマーの希釈度を調整することによって被膜厚さを調整する公知手段によって設定付与される。
【0024】
以上の実施形態のガイドワイヤ1は血管内での概ね一様な操作効率Eを維持するので、血管内挿入セット状態で体外に位置する手元部7を手動操作で押し引き操作したとき、図1(B)のようにガイドワイヤ1の操作力Wは概ね一定になるので、先頭部5が病変部Pの血管壁に接触して生ずる異常抵抗15が極めて鋭敏に感知できる。
【0025】
即ち、図1(C)に示す従来物のガイドワイヤの操作力Wは操作ストロークSに比例して漸増する形態であることから、先頭部5に生じた異常抵抗15は、その比例漸増分を除去した図示ハッチング部分のみが官能感知可能抵抗として現れるに過ぎないものの、図1実施形態のガイドワイヤ1は異常抵抗15の全量が官能感知抵抗を構成するので、手元部7による感知性能が本質的に向上する。
【0026】
そして、この実施形態のものは前記構成の高潤滑性ゾーンHと低潤滑性ゾーンLとの操作効率Eの差が10%以内となるので、ガイドワイヤ1全体としての操作効率Eの一定性が極めて良く前記の作用が特段に良好になる。
【0027】
以上の特有作用が存在するので、先頭部5の病変部Pにおける真腔案内導入と、血管分岐部分において先頭部5を必要な血管路に導入案内する分岐血管の任意選択進行が特段にし易くなり、当該治療性の向上を図ることができる。
【0028】
なお、以上の実施形態のガイドワイヤ1の高・中・低の潤滑性ゾーンH・M・Lの潤滑性被膜8は前記例示の構成以外に下記の態様にすることがある。即ち、「高潤滑性ゾーンHが親水性希釈ポリマー(ポリビニルピロリドン)の5〜10ミクロン厚さ、中潤滑性ゾーンMがふっ素樹脂(PTFE)、低潤滑性ゾーンLがポリエチレンまたはポリアミド(12M)および、そのエラストマー」或は「高潤滑性ゾーンHがふっ素樹脂(PTFE)、中潤滑性ゾーンMがポリエチレンまたはポリアミド(12M)およびそのエラストマー、低潤滑性ゾーンLがポリプロピレンまたはウレタンおよびそのエラストマー」の構成にすることがある。
【0029】
続いて、図2・図3を参照して本発明の他の実施形態のガイドワイヤ1を説明する。即ち、図2・図3は、図1実施形態と同様な高潤滑性ゾーンHと中潤滑性ゾーンMと低潤滑性ゾーンLを備えたガイドワイヤ1の他の態様が示してあり、図2(A)のものは、撚線構成の芯材2を樹脂被覆6で包み込んだものにおいて、図1実施形態と同様な潤滑度が異なる3種の潤滑性ゾーンH・M・Lを構成する潤滑性被膜8が設定付与されている。
【0030】
そして、図2(B)に示すものは金属製芯材2の先端部分のみに密着コイルばね12を嵌装した公知形態のものにおいて、その密着コイルばね12の外周を高潤滑性ゾーンHに構成すると共に、手元部7を含む後半部分は「潤滑性被膜8存在の低潤滑性ゾーンL」に設定され、その高潤滑性ゾーンHと低潤滑性ゾーンLの中間部分が、潤滑性被膜8存在の中潤滑性ゾーンMに設定されている。
【0031】
そして、図2(C)に示すものは細線の芯材2の全長に単巻きコイルばね12を嵌装し、かつ先端部分のみをU字状に曲成した公知形態のものにおいて、そのコイルばね12の外周に潤滑性被膜8を設定付与して、先頭部5から手元部7の方向へ高潤滑性ゾーンH・中潤滑性ゾーンMに区画配設され、この中潤滑性ゾーンMに続く低潤滑性ゾーンLは潤滑性被膜8が不存在に成っている。
【0032】
以上の図2に示すガイドワイヤ1は、それぞれの形態に応じて機能するに際し、高・中・低の潤滑性ゾーンH・M・Lの存在による前記の特有作用を享受することができる。
【0033】
一方、図3(A)(B)に示すものは先端部分に「コイル間クリアランス13を有するコイルばね12を嵌装し、そのコイルばね12の外周に樹脂チューブ14(ウレタン)を外嵌着した公知形態」のものにおいて、この樹脂チューブ14をコイル間クリアランス13に沿わせて凹ませて凹陥ヘリカル溝16を形成し、この樹脂チューブ14の外周に親水性ポリマーの潤滑性被膜8を付与設定して図1実施形態と同様な高潤滑性ゾーンHに形成されている。
【0034】
この図3(A)(B)の態様のものは、凹陥ヘリカル溝16が潤滑剤(ガイドワイヤにカテーテルを嵌装するときの潤滑剤)のプール部・送路として機能にするので、高潤滑性ゾーンHの機能を一段と良好にして安定持続することができる。
【0035】
そして、図3(C)に示すものは手元部7側の後端部分が密着巻きのコイルばね12を嵌装した公知形態のものにおいて、このコイルばね12の外周を潤滑性被膜8不存在の低潤滑性ゾーンLに設定され、この後端部分を除く他の部分が高潤滑性ゾーンH・中潤滑性ゾーンMに設定されている。
【0036】
この図3(C)実施形態のものは先頭部5から血管内挿入して体外に位置する手元部7を操作するとき、その手元部7がコイルばね12の露出形態であるので手動操作の手と手元部7の滑りが生じ難く、操作がし易くかつ的確にできる。そして、その手元部7に操作用のツール(トルカー)を係着するとき、そのツールと手元部7の係着力が安定してガイドワイヤ1の良好な操作性が確保できる。なお、コイルばね12は単条巻き・多条巻きのいずれであっても良く、図2(C)・図3(C)に示す潤滑性被膜8不存在の低潤滑性ゾーンLは、芯材2・コイルばね12の素肌外周ではなく、芯材2・コイルばね12の素肌外周に従来のガイドワイヤとして慣用されている「血管内滑り性を確保するための慣用公知の樹脂コーティングを施した形態」を意味する。
【0037】
一方、図3(D)に示すものは素線18群を密着状に撚合して中心部分に中空部19を設けた撚合線形態の手元部7から成る公知形態のものにおいて、この手元部7の外周が潤滑性被膜8不存在の低潤滑性ゾーンLに設定されている。この図3(D)のものは凹陥ヘリカル溝16が手元部7の外周に現れるので操作性が安定すると共に、素線18が密着スパイラル形態のため素線18間の隙間発生がなく手元部7の回転押し込み操作がし易くなる。
【0038】
なお、本発明のガイドワイヤは、以上の実施形態に限定されず、操作効率Eがガイドワイヤの全長において概ね一定にして前記傾き角θが0に近づくレベルであれば良く、さらに、図示しないが先端部分に「放射線投射による認知マーカー」を内設することがある。
【0039】
さらに、本発明のガイドワイヤの潤滑度が異なる3種の潤滑性ゾーンは、必ずしも先頭部5から手元部7の方向へ「高・中・低」の順列にする必要はなく、体腔内への挿入セット状態において「全長の各ゾーンが概ね均一な操作効率Eにして、かつ、該体腔内での進退操作の操作力を概ね一定に維持する」技術思想を帯有すれば良く、その体腔形態によって例えば先頭部5から手元部7の方向へ「中・高・低」の配列であっても良い。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明の医療用ガイドワイヤは、血管内挿入した先頭部の血管壁・病変部への接触感知情報が特段に精緻にして当該治療性の特段の安定向上を図る有用な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1実施形態の医療用ガイドワイヤを示し、(A)はその全体正面図、(B)は(A)の医療用ガイドワイヤの作用状態の説明図、(C)は従来品の作用状態の説明図
【図2】本発明の他の実施形態の医療用ガイドワイヤを示し、(A)(B)(C)ともその正面図
【図3】本発明の他の実施形態の医療用ガイドワイヤを示し、(A)はその部分正面図、(B)は(A)の拡大部分図、(C)はその全体正面図、(D)はその部分斜視図
【図4】従来の医療用ガイドワイヤを示し、(A)は全体正面図、(B)は(A)の血管への挿入セット状態の説明図、(C)は(B)の部分拡大図、(D)(E)はその作用状態の説明図
【符号の説明】
1 本発明の医療用ガイドワイヤ
1A 従来の医療用ガイドワイヤ
2 芯材
3 先端部分
5 先頭部
6 樹脂被覆
7 手元部
8 潤滑性被膜
12 コイルばね
13 コイル間クリアランス
15 異常抵抗
16 凹陥ヘリカル溝
20 挿入ポイント
21 大腿動脈
L 低潤滑性ゾーン
M 中潤滑性ゾーン
H 高潤滑性ゾーン
P 病変部
E 操作効率
W 操作力
S 操作ストローク
Σθ 総曲げ角度
θ 傾き角

Claims (4)

  1. 先端部から手元部に至る細長可撓性線状体からなり、該線状体の外周の潤滑度を長さ方向に変化させることによって、体腔内挿入状態の、血管内押し込み・引き抵抗力を分子として、それに対する必要押し込み・引き抵抗力を分母とする百分率比である操作効率を概ね一定にする医療用ガイドワイヤにおいて、
    各ゾーンにおける角度を累積した総曲げ角度(Σθ)に応じて潤滑度を変化させることにより、前記医療用ガイドワイヤの先端部の進行方向に対して変化する各ゾーンの総曲げ角度(Σθ)の影響を受けずに、各ゾーンの操作力の有意差を無くした一定の操作力を得るようにして異常ピーク値の探知能力を向上させたことを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
  2. 前記線状体の外周の潤滑度の長さ方向の変化が、先端側は高潤滑ゾーンで、手元側が低潤滑ゾーンからなり、高潤滑ゾーンと低潤滑ゾーンの前記操作効率と前記総曲げ角度の相関線における前記操作効率の差が、0%より大きく10%以内に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
  3. 前記線状体の外周の潤滑度の長さ方向の変化が、先端側は高潤滑ゾーンで、手元側が低潤滑ゾーンからなり、高潤滑ゾーンは親水性ポリマーの潤滑性被膜で、低潤滑ゾーンはフッ素樹脂の潤滑性被膜からなることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用ガイドワイヤ。
  4. 前記線状体の外周の潤滑度の長さ方向の変化が、先端側から手元側へ高潤滑ゾーンと中潤滑ゾーンと低潤滑ゾーンからなり、高潤滑ゾーンは親水性ポリマーの18〜20ミクロン膜厚で、中潤滑ゾーンは希釈親水性ポリマーの5〜10ミクロン膜厚で、低潤滑ゾーンはフッ素樹脂の潤滑性被膜からなることを特徴とする請求項1または2に記載の医療用ガイドワイヤ。
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