JP4144793B2 - ダイヤフラムポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血圧計等において圧縮流体を供給するために使用されるダイヤフラムポンプに関し、特に、圧縮流体の吐出量を極力少なくしなければならないダイヤフラムポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のダイヤフラムポンプとして、圧縮流体の吐出量を極力少なくしなければならない要求があり、この要求を2気筒以上のダイヤフラム、すなわち上下動するダイヤフラム部を2つ以上のダイヤフラムで行おうとすると以下のような限界があった。例えば、ダイヤフラムの上下のストローク量を小さくして各ポンプ室からの吐出量を低減させようとすると、圧縮比が減少するため必要な圧力が得られなくなるおそれがあり、この方法では自ずと限界があった。また、モータの回転数を下げてダイヤフラムの上下の速度を遅くする方法も提案されたが、モータの回転数を下げるとトルクが不足して必要なトルクが得られなくなるためモータの回転数を下げるのにも限界があった。これを補うために減速ギアを用いると部品点数が増大するだけではなく組付工数の増大やダイヤフラムポンプの大型化を招いてしまう。
【0003】
さらに、ダイヤフラムを小型化することも考えられたが、ダイヤフラムの小型化に対応させてポンプ室に設けられた吸気弁体をダイヤフラム以上に極小化しなければならないため製造上において限界がある。そこで、これらを解決するものとして、ダイヤフラム部の上下動によって収縮・膨張するポンプ室を1つとして1気筒したものがある。これによれば、2気筒のものと比較して、圧縮流体の吐出量を一挙に半分とすることができる。これを図4および図5に基づいて説明する。図4は従来のダイヤフラムポンプの断面図、図5は同じく吐出側弁体を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)におけるV(b)-V(b) 線断面図である。なお、明細書中において方向を説明するために使用した「上、下」は、説明の便宜上図中における方向を説明したものであって、本発明に係るダイヤフラムポンプを実際に使用する際の上、下の方向とは必ずしも一致するものではない。
【0004】
図4において、全体を符号101で示す従来のダイヤフラムポンプは、駆動源であるモータ2を備えており、このモータ2は、上方が開口した有底角筒状に形成されたケース3の底部5に、モータ軸4がケース3の底部5に形成した穴6からケース3内に臨むように取り付けられている。同図に符号7で示すクランク台は略小円柱状に形成され、中央にはモータ軸4が固着されており、このモータ軸4の軸線から偏心した位置には、駆動軸8が傾斜した状態で固着されている。
【0005】
同図に符号9で示す駆動体は、軸孔10が設けられたボス11と、このボス11の上端に一体に形成された本体12とによって形成されており、軸孔10には上記駆動軸8が回転自在に挿入されている。本体12には、平面視において中心から一方向に延設された1つの駆動子13が一体に形成され、この駆動子13は中心から先端に向かって下方に傾斜しており、駆動子13の先端側には、後述するダイヤフラム18のダイヤフラム部19を取り付けるための取付孔14が設けられている。
【0006】
同図に符号15で示すダイヤフラムホルダーは、底面が開口した箱状に形成され、天井部16には、1つのダイヤフラム部保持孔17が設けられており、このダイヤフラムホルダー15は、上記したケース3上に固定されている。
【0007】
同図に符号18で示すダイヤフラムは、ゴム等の柔軟性を有する材料によって、上方が開口した1つのダイヤフラム部19と、このダイヤフラム部19の上端部に連設され略長方形に形成されたフランジ20とによって一体に形成されている。ダイヤフラム部19の下側には、断面が略円錐台状のピストン21が一体に形成されており、このピストン21の下部には、細径の首部22を介して係止用の凸部23が一体に形成されている。
【0008】
このダイヤフラム18は、ダイヤフラム部19の凸部23を弾性変形させながら、駆動体9の駆動子13のダイヤフラム部取付孔14に圧入することにより、首部22がダイヤフラム部取付孔14に取り付けられる。また、ダイヤフラムホルダー15のダイヤフラム部保持孔17にダイヤフラム部19が挿入されることにより、ダイヤフラムホルダー15の天井部16上に固定されている。
【0009】
24は吸入側弁体であって、ゴム等の柔軟性を有する材料によって傘形に形成されている。25は吐出側弁体であって、ゴム等の柔軟性を有する材料によって略平板状に形成されており、図5に示すように表面側の中央部には隆起部26が一体に設けられ、この隆起部26の裏側には後述するバルブホルダー30の係合凸部33に嵌合する係合凹部27が形成されている。また、この吐出側弁体25の表面側には、4つのリブ28が中央部から放射状に延設されるようにして突設されている。
【0010】
図4において、30は扁平な略直方体に形成されたバルブホルダーであって、周端部には枠状に形成された環状壁31が一体に立設され、この環状壁31の内側には、環状壁31と同じ高さに形成され互いに対向する一対の隔壁32,32が、バルブホルダー30の中心から偏心した位置に一体に立設されている。また、このバルブホルダー30の表面側であって、一対の隔壁32,32の間には、上記吐出側弁体25を被冠する係合凸部33が一体に突設されている。
【0011】
さらに、バルブホルダー30の一対の隔壁32,32の間には、係合凸部33に被冠された吐出側弁体25によって閉塞される吐出側弁孔34が設けられている。また、バルブホルダー30の環状壁31と隔壁32の外側との間には、吸入側弁体24を取り付ける弁体取付孔35と、この弁体取付孔35に取り付けられた吸入側弁体24によって閉塞される吸入側弁孔36が設けられている。したがって、吐出側弁体25とバルブホルダー30の上面とが、後述する弁室48からポンプ室49へ流体としての空気が流れるのを規制する逆止め弁を構成し、吸入側弁体24とバルブホルダー30の下面とが、後述するポンプ室49から吸入空間47へ空気が流れるのを規制する逆止め弁を構成している。
【0012】
40は扁平な略直方体に形成された蓋体であって、表面側の中心から偏心した部位には、円筒状の筒体41が一体に立設されており、この筒体41の上端開口は吐出口42を形成している。蓋体40の裏面側には、筒体41を囲むように平面視円環状に形成された押え部43が下方に向かって一体に突設されており、この押え部43を挟むように互いに対向する一対の隔壁44,44が下方に向かって一体に突設されている。また、この蓋体40の裏面側の周端部には、隔壁44と同じ突出量で枠状に形成された環状壁45が下方に向かって一体に突設されている。さらに、蓋体40の隔壁44の外側と環状壁45に囲まれた部位には、吸入口46が設けられている。
【0013】
このような構成において、吸入側弁体24と吐出側弁体25とを取り付けたバルブホルダー30を、ダイヤフラムホルダー15上に載置したダイヤフラム18上に取り付ける。次いで、バルブホルダー30の環状壁31の上端に、蓋体40の環状壁45の下端を対接するように組み付けることにより、バルブホルダー30の隔壁32の上端に蓋体40の隔壁44の下端が対接し、バルブホルダー30の押え部43が吐出側弁体25のリブ28に対接する。
【0014】
環状壁31の上端と環状壁45の下端とを溶着するととともに、隔壁32の上端と隔壁44の下端とを溶着することにより、環状壁31,45と隔壁32,44の外側およびバルブホルダー30と蓋体40とに囲まれた空間に、吸入口46および吸入側弁孔36に連通した吸入空間47が形成される。同時に、環状壁31,45と隔壁32,44の内側およびバルブホルダー30と蓋体40とに囲まれた空間に、吐出口42および吐出側弁孔34に連通した弁室48が形成される。
【0015】
吸入空間47は消音空間として機能する。すなわち、吸入側弁体24が開き、蓋体40の吸入口46を通って吸入空間47内に流入した空気が吸入空間47において膨張することにより、空気の流れによって生じる音を消音するとともに、吸入側弁体24の開閉によって生じる振動音をも消音するように機能する。
【0016】
図示を省略した通しボルトまたは板ばねあるいは線ばねによって、従来から広く知られている方法で蓋体40をケース3に取り付けることにより、ダイヤフラム18のダイヤフラム部19とバルブホルダー30との間にポンプ室49が形成される。
【0017】
次に、図4を用いて、このように構成されたダイヤフラムポンプ101の動作を説明する。
【0018】
モータ2が駆動しモータ軸4が回転すると、クランク台7も一体的に回転し、このクランク台7にモータ軸4の軸線から偏心した位置に傾斜した状態で固着された駆動軸8が、モータ軸4の周りを傾斜方向を変えるようにして偏心回転する。したがって、この駆動軸8に回動自在に支持された駆動体9の駆動子13が上下に揺動し、ダイヤフラム18のダイヤフラム部19も昇降するので、ポンプ室49は収縮・膨張しポンプ作用を行う。
【0019】
すなわち、ダイヤフラム18のダイヤフラム部19が下降すると、ポンプ室49は膨張するので、ポンプ室49が負圧状態になる。このとき、吐出側弁体25は、弁室48から吐出側弁孔34を通ってポンプ室49への空気の流れを規制する逆止め弁として機能するから、この吐出側弁体25によって吐出側弁孔34が閉じられる。一方、吸入側弁体24は吸入側弁孔36とポンプ室49との間を開放するので、空気が吸入側弁孔36からポンプ室49内に流入する。
【0020】
モータ2の出力軸4がさらに回転して、ダイヤフラム部19が上昇するとポンプ室49は収縮するため、ポンプ室49内の空気の圧力が上昇する。このとき、吸入側弁体24は、ポンプ室49から吸入側弁孔36への空気の流れを規制する逆止め弁として機能するから、この吸入側弁体24によってポンプ室49と吸入側弁孔36との間が閉塞される。一方、吐出側弁体25は吐出側弁孔34と弁室48との間を開放するために、ポンプ室49内の空気は吐出側弁孔34を通って弁室48に流入し吐出口42から吐出される。なお、上述した従来技術は、本出願人が出願時点で知る限りにおいて文献公知ではない。また、本出願人は出願時までに本発明に関連する先行技術文献を発見することはできなかった。よって、本明細書において先行技術文献情報を開示していない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のダイヤフラムポンプにおいては、モータの1回転中、ダイヤフラム部19が最も上昇しポンプ室49が収縮してポンプ室49から高圧の空気が押し出されるときに、モータに必要なトルク、すなわちモータの回転に対してかかる負荷が集中するため、比較的高い電圧を供給したとしてもモータの駆動が停止するおそれがあり、少量の空気を安定して供給するのには限界があった。
【0022】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、少量の流体を安定して供給することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、モータを駆動源として両端が交互に上下動する駆動体と、この駆動体の一端に取り付けられ上下動する第1のダイヤフラム部と、この第1のダイヤフラム部によって形成されこの第1のダイヤフラム部の上下動によって収縮・膨張するポンプ室と、このポンプ室が膨張することによりポンプ室内に流体を吸入するための吸入口と、前記ポンプ室が収縮することによりポンプ室内の流体を吐出するための吐出口と、前記吸入口と前記ポンプ室との間に設けた逆止め弁と、前記ポンプ室と前記吐出口との間に設けた逆止め弁と、前記駆動体の他端に取り付けられ前記第1のダイヤフラム部の上下動と反対の上下動をする第2のダイヤフラム部と、この第2のダイヤフラム部によって形成されこの第2のダイヤフラム部の上下動によって収縮・膨張し常に前記吐出口と連通する援助用ポンプ室とを備えたものである。
したがって、第1のダイヤフラム部が上昇しポンプ室が収縮して流体が吐出口から吐出されるときに、吐出口に連通した援助用ポンプ室内に流体が流入し、第2のダイヤフラム部が押し下げられるため、駆動体を介して第1のダイヤフラム部の押し上げを援助する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係るダイヤフラムポンプの断面図、図2は同じくダイヤフラムを示し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)におけるII(b)-II(b) 線断面図、図3は実際に必要なモータのトルクを説明するための図で、同図(a)は第1のダイヤフラム部が押し上げられたときの状態を示し、同図(b)は第1のダイヤフラム部が押し下げられたときの状態を示す。これらの図において、上述した図4および図5に示す従来技術において説明した同一または同等の部材については、同一の符号を付し詳細な説明は適宜省略する。
【0025】
図1に示すように、本発明に係るダイヤフラムポンプ1における駆動体9の本体12には、平面視において円周方向に互いに180°間隔をおくように、中心から互いに反対方向に延設された2つの駆動子13a,13bが一体に形成されている。これら各駆動子13a,13bは中心から先端に向かって共に同じ角度を有して下方に傾斜しており、各駆動子13a,13bの先端側には、後述するダイヤフラム18の第1のダイヤフラム部19aおよび第2のダイヤフラム部19bのそれぞれを取り付けるためのダイヤフラム部取付孔14a,14bが設けられている。
【0026】
ダイヤフラムホルダー15の天井部16には、2つのダイヤフラム部保持孔17a,17bが設けられており、ダイヤフラム部保持孔17bの径が、ダイヤフラム部保持孔17aの径よりも小さく形成されている。
【0027】
ダイヤフラム18は、平面視において円周方向に互いに180°間隔をおいて上方が開口した第1のダイヤフラム部19aおよび第2のダイヤフラム部19bと、これら第1および第2のダイヤフラム部19a,19bの上端部を連設する略長方形に形成されたフランジ20とによって一体に形成されている。このように、2つのダイヤフラム部19a,19bを円周方向に互いに180°間隔をおいて配置することができるため、3つ以上のダイヤフラム部を必要とするダイヤフラムポンプのように各ダイヤフラム部の配置スペースを円周方向に360°の範囲とする必要がないため、幅方向の寸法を小さくすることができる。
【0028】
これら第1および第2のダイヤフラム部19a,19bは、図2に示すように、第2のダイヤフラム部19bの径R2が、第1のダイヤフラム部19aの径R1よりも小さく形成され、かつ第1および第2のダイヤフラム部19a,19bのそれぞれの深さが同一に形成されている。すなわち、第2のダイヤフラム部19bの断面積が、第1のダイヤフラム部19aの断面積よりも小さく形成され、かつ第2のダイヤフラム部19bによって形成される後述する援助用ポンプ室49bの容積が、第1のダイヤフラム部19aによって形成される後述するポンプ室49aの容積よりも小さく形成されている。
【0029】
これら各ダイヤフラム部19a,19bの下側のそれぞれには、断面が略円錐台状のピストン21a,21bが一体に形成されており、これらピストン21a,21bの下部のそれぞれには、細径の首部22a,22bを介して係止用の凸部23a,23bが一体に形成されている。
【0030】
このように形成されたダイヤフラム18は、各ダイヤフラム部19a,19bの凸部23a,23bを弾性変形させながら、駆動体9の各駆動子13a,13bのダイヤフラム部取付孔14a,14bに圧入することにより、首部22a,22bがダイヤフラム部取付孔14a,14bに取り付けられる。また、ダイヤフラムホルダー15の各ダイヤフラム部保持孔17a,17bに各ダイヤフラム部19a,19bが挿入されることにより、ダイヤフラムホルダー15の天井部16上に載置されている。
【0031】
吐出側弁体25は、バルブホルダー30の係合凸部33に被冠した状態で、吐出側弁孔34を閉塞する部位以外が除去されている。
【0032】
バルブホルダー30には、弁室48と後述する援助用ポンプ室49bとを連通する連通孔30aが設けられており、援助用ポンプ室49bはこれら連通孔30aおよび弁室48を介して吐出口42に常に連通している。
【0033】
上述した従来技術と同様に、バルブホルダー30をダイヤフラムホルダー15上に載置したダイヤフラム18上に載置し、バルブホルダー30上に蓋体40を載置する。次いで、図示を省略した通しボルトまたは板ばねあるいは線ばねによって、蓋体40をケース3に取り付けることにより、ダイヤフラム18の第1のダイヤフラム部19aとバルブホルダー30との間にポンプ室49aが形成され、ダイヤフラム18の第2のダイヤフラム部19bとバルブホルダー30との間に援助用ポンプ室49bが形成される。ポンプ室49aには吐出側弁孔34および吸入側弁孔36が連通し、援助用ポンプ室49bには連通孔30aが連通している。
【0034】
次に、図1および図3を用いて、このように構成されたダイヤフラムポンプ1の動作を説明する。
【0035】
モータ2が駆動しモータ軸4が回転すると、クランク台7も一体的に回転し、このクランク台7にモータ軸4の軸線から偏心した位置に傾斜した状態で固着された駆動軸8が、モータ軸4の周りを傾斜方向を変えるようにして偏心回転する。したがって、この駆動軸8に回動自在に支持された駆動体9の一方の駆動子13aが上下に揺動し、ダイヤフラム18のダイヤフラム部19aも昇降するので、ポンプ室49aが収縮・膨張しポンプ作用を行う。
【0036】
すなわち、第1のダイヤフラム部19aが上昇するとポンプ室49aが収縮するため、ポンプ室49内の空気は吐出側弁孔34を通って弁室48に排出され吐出口42から吐出される。この第1のダイヤフラム部19aを押し上げるために必要な力は、図3(a)に曲線(A)で示すように、第1のダイヤフラム部19aのストロークが「0」、すなわち第1のダイヤフラム部19aが下至点に位置しているときは「0」に近づいており、第1のダイヤフラム部19aが上昇するにしたがって、吐出口42に接続された血圧計のカフ等の被加圧部材(図示を省略)の圧力まで圧縮するので、漸次大きくなり上至点において最大になる。
【0037】
このとき、援助用ポンプ室49bが連通孔30aを介して吐出口42に常に連通しているため、常に援助用ポンプ室49b内の空気の圧力と、吐出口42に接続された被加圧部材内の空気の圧力とが同一に保たれている。すなわち、第2のダイヤフラム部19bには、この第2のダイヤフラム部19bを押し下げようとするほぼ一定の圧力がかかっており、第1のダイヤフラム部19aを押し上げるときには、駆動体9の駆動子13bと駆動子13aを介して、第2のダイヤフラム部19bによって第1のダイヤフラム部19aが押し上げられるから、モータ2の回転を援助する力が発生する。このモータ2の回転を援助する力、すなわち第2のダイヤフラム部19bを押し下げる力と反対の力である第2のダイヤフラム部19bを押し上げるのに必要な力は、図3(a)に曲線(B)で示すように、第1のダイヤフラム部19aのストロークに関係なくほぼ一定のマイナスの力になる。
【0038】
したがって、第1のダイヤフラム部19aを押し上げるときに、モータ2が実際に必要な力は、曲線(A)で示す力と曲線(B)で示す力とを合算した曲線(C)によって示される。この曲線(C)によって示されるように、第2のダイヤフラム部19bが備えられていない従来の場合の曲線(A)と比較して、モータ2の回転に対してかかる負荷が略1/2となることがわかる。
【0039】
また、第2のダイヤフラム部19bの断面積を調整することにより、この第2のダイヤフラム部19bによって第1のダイヤフラム部19aの押し上げを援助する力(曲線(B))の大きさを調整することができる。したがって、この調整によって、同図(a)において、曲線(B)を上下させることにより、曲線(C)のマイナス部分とプラス部分とを均一にすることができる。したがって、モータ2にかかる負荷を均一にすることができるため、第1のダイヤフラム部19aが最至点に上昇しポンプ室49aが収縮してポンプ室49aから高圧の空気が押し出されるときに、モータの回転に対してかかる負荷、すなわちモータ2に必要なトルクが集中することがない。このため、モータ2の駆動が停止することがないから、少量の空気を安定して吐出させることができる。
【0040】
モータ2の出力軸4がさらに回転して、駆動体9の一方の駆動子13aが下降することにより、ダイヤフラム18の第1のダイヤフラム部19aが下降すると、空気が吸入側弁孔36からポンプ室49内に流入する。この第1のダイヤフラム部19aを押し下げるとき、第1のダイヤフラム部19aの上至点近傍においては圧縮された空気の圧力がポンプ室49aに残存しているため、第1のダイヤフラム部19aの押し下げを援助する力が作用する。この力は第1のダイヤフラム部19aが上至点において最大であり、下至点に近づくにつれて漸次小さくなる。したがって、第1のダイヤフラム部19aを押し下げるのに必要な力は、同図(b)に曲線(D)で示すように、第1のダイヤフラム部19aが上至点のときに最大のマイナスとなり、下至点で「0」となる。
【0041】
一方、モータ2の駆動によって駆動体9の他方の駆動子13bが上昇することにより、第2のダイヤフラム部19bが上昇すると、援助用ポンプ室49bが収縮するため、援助用ポンプ室49b内の空気が連通孔30aおよび弁室48を通って吐出口42から吐出される。このとき、上述したように、援助用ポンプ室49bが連通孔30aを介して吐出口42に常に連通しているため、常に援助用ポンプ室49b内の空気の圧力と、吐出口42に接続された被加圧部材内の空気の圧力とが同一に保たれている。すなわち、第2のダイヤフラム部19bには、ほぼ一定の圧力がかかっており、この圧力が第2のダイヤフラム部19bを押し上げるとき、モータ2の回転に負荷がかかる力となる。したがって、第2のダイヤフラム部19bを押し上げるのに必要な力は、同図(b)に曲線(E)で示すように、第1のダイヤフラム部19aのストロークに関係なくほぼ一定のプラスの力になる。
【0042】
したがって、第1のダイヤフラム部19aを押し下げるときに、モータ2が実際に必要な力は、曲線(D)で示す力と曲線(E)で示す力とを合算した曲線(F)によって表される。ここで、第2のダイヤフラム部19bの断面積を調整することにより、第2のダイヤフラム部19bの押し上げる力(曲線(E))の大きさを調整することができるから、この調整によって、同図(b)において、曲線(E)を上下させることにより、曲線(F)のマイナス部分とプラス部分とを均一にすることができる。したがって、モータ2にかかる負荷を均一にすることができるため、モータ2に必要なトルクが集中することがないから、モータ2の駆動が停止することがない。
【0043】
また、援助用ポンプ室49bの容量をポンプ室49aの容量よりも小さくしたことにより、第1のダイヤフラム部19aが押し上げられることにより、ポンプ室49aから弁室48に送り出された空気は一部のみが援助用ポンプ室49bに流入し、残りは吐出口42から吐出される。次に、第2のダイヤフラム部19aが押し下げられることにより、援助用ポンプ室49bが収縮するため、援助用ポンプ室49b内の空気が連通孔30aおよび弁室48を通って吐出口43から吐出される。したがって、本発明のダイヤフラムポンプ1においては、ポンプ室49aの他に援助用ポンプ室49bを備えているが、実質的に1気筒のポンプ室49aから吐出された量と同じ量の空気が吐出口42から吐出されることになり、少量の空気が安定した状態で連続して吐出口42から吐出される。
【0044】
なお、本実施の形態においては、流体を空気としたが液体としてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、第1のダイヤフラム部を押し上げるモータのトルクを均一化かつ低減することができるから、モータに集中した大きなトルクがかかるようなことがないため、少量の流体を安定して吐出させることができる。また、2つのダイヤフラム部を円周方向に互いに180°間隔をおいて配置することができるため、3つ以上のダイヤフラム部を必要とするダイヤフラムポンプのように各ダイヤフラム部の配置スペースを円周方向に360°の範囲とする必要がないため、幅方向の寸法を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダイヤフラムポンプの断面図である。
【図2】 本発明に係るダイヤフラムポンプにおけるダイヤフラムを示し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)におけるII(b)-II(b) 線断面図である。
【図3】 本発明に係るダイヤフラムポンプにおいて、実際に必要なモータのトルクを説明するための図で、同図(a)は第1のダイヤフラム部が押し上げられたときの状態を示し、同図(b)は第1のダイヤフラム部が押し下げられたときの状態を示す。
【図4】 従来のダイヤフラムポンプの断面図である。
【図5】 従来のダイヤフラムポンプにおける吐出側弁体を示し、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)におけるV(b)-V(b) 線断面図である。
【符号の説明】
1…ダイヤフラムポンプ、2…モータ、7…クランク台、9…駆動体、13a,13b…駆動子、15…バルブホルダー、17a,17b…ダイヤフラム部保持孔、18…ダイヤフラム、19a…第1のダイヤフラム部、19b…第2のダイヤフラム部、24…吸入側弁体、25…吐出側弁体、30…バルブホルダー、30a…連通孔、34…吐出側弁孔、36…吸入側弁孔、40…蓋体、42…吐出口、46…吸入口、47…吸入空間、48…弁室、49a…ポンプ室、49b…援助用ポンプ室。

Claims (1)

  1. モータを駆動源として両端が交互に上下動する駆動体と、この駆動体の一端に取り付けられ上下動する第1のダイヤフラム部と、この第1のダイヤフラム部によって形成されこの第1のダイヤフラム部の上下動によって収縮・膨張するポンプ室と、このポンプ室が膨張することによりポンプ室内に流体を吸入するための吸入口と、前記ポンプ室が収縮することによりポンプ室内の流体を吐出するための吐出口と、前記吸入口と前記ポンプ室との間に設けた逆止め弁と、前記ポンプ室と前記吐出口との間に設けた逆止め弁と、前記駆動体の他端に取り付けられ前記第1のダイヤフラム部の上下動と反対の上下動をする第2のダイヤフラム部と、この第2のダイヤフラム部によって形成されこの第2のダイヤフラム部の上下動によって収縮・膨張し常に前記吐出口と連通する援助用ポンプ室とを備えたことを特徴とするダイヤフラムポンプ。
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