JP4144033B2 - 燃料フィルタ - Google Patents
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Description
また、本発明の他の目的は、調整が簡単でろ過性能の確保と寿命の延長とを両立しつつ、他の部品を設置するために部品点数の増大を招くことがない燃料フィルタを提供することにある。
請求項4記載の発明では、内周層部を形成するろ紙は樹脂繊維とパルプと無機繊維とを含む。ろ紙は、樹脂繊維を重量%で18%から80%含有している。樹脂繊維が80%を超えると、パルプ繊維の相互間で生じる水素結合の結合力が小さくなり、ろ紙強度を確保するために多くのバインダが必要となるとともに、異物を捕集する網目が小さくなりすぎる。そのため、ろ紙に要求されるろ過性能を確保することが困難となる。そこで、樹脂繊維の含有率の上限は80%に設定している。一方、樹脂繊維が18%よりも小さくなると、袋状に形成した燃料フィルタの周囲における強度の確保が困難になる。例えば、燃料フィルタの周囲を溶着する場合、一定の割合で樹脂繊維が含まれることが望ましい。樹脂繊維の含有率が低下すると、溶着時に溶融する樹脂が減少し、溶着部分における強度の低下を招く。そこで、樹脂繊維の含有率の下限は18%に設定している。
請求項5記載の発明では、燃料吸入側に請求項1から7のいずれか一項記載の燃料フィルタを備えている。そのため、燃料に含まれる異物は、燃料吸入側において比較的大きなものから比較的小さなものまで除去される。したがって、燃料に含まれる異物を確実に除去することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料フィルタを適用したポンプモジュールを図1に示す。
図1に示すように、ポンプモジュール10は、燃料供給装置としての燃料ポンプ20、サブタンク11および燃料フィルタ30を備えている。ポンプモジュール10は、図示しない燃料タンクの内部に収容される。燃料ポンプ20は、中心軸がサブタンク11の底部12と概ね平行に設置されている。燃料ポンプ20は、燃料吸入部21、ポンプ本体22および燃料吐出部23を有している。燃料吸入部21は、燃料フィルタ30と接続されている。ポンプ本体22は、図示しないモータおよびインペラを内部に収容するハウジング24を有しており、燃料吸入部21から吸入した燃料を加圧する。燃料吐出部23は、ポンプ本体22で加圧された燃料を吐出する。燃料吐出部23には、吐出パイプ25が接続されている。吐出パイプ25は、図示しない燃料タンクの外部の例えばエンジンと接続されている。燃料ポンプ20を構成する燃料吸入部21、ポンプ本体22のハウジング24ならびに燃料吐出部23は、樹脂により一体に形成されている。サブタンク11は、金属または樹脂により有底の箱形状に成形されている。サブタンク11は、内部に燃料ポンプ20および燃料フィルタ30を収容している。
フィルタ本体31は、図2に示すように外周層部41および内周層部42を有している。外周層部41と内周層部42とは、接着されることなく積層されている。また、本実施形態の場合、外周層部41は内周層部42よりも厚く形成されている。これにより、燃料に含まれる異物は大部分が不織布からなる外周層部41で除去され、ろ紙からなる内周層部42の目詰まりが低減される。
本実施形態の場合、燃料フィルタ30を外周層部41および内周層部42を有するフィルタ本体31により構成している。これに対し、従来は、燃料ポンプの燃料吸入側に比較的大きな異物を除去するサクションフィルタ、ならびに燃料ポンプの燃料吐出側に比較的小さな異物を除去する高圧フィルタの両者を必要とする。
図8には異物の捕捉量と各フィルタにおける圧力損失との関係を示している。また、図9には異物の粒径とろ過効率との関係を示している。なお、図8および図9に示す例では、フィルタのろ過面積を単板の530cm2に設定している。
本発明の第2実施形態による燃料フィルタを適用したポンプモジュールを図10に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、図10に示すようにポンプモジュール10を構成する燃料ポンプ20は、中心軸が燃料フィルタ30に対し概ね垂直に設置されている。ポンプモジュール10は、燃料ポンプ20および燃料フィルタ30に加え、フランジ16および接続部材60を備えている。フランジ16は、概ね円盤状に形成されており、燃料タンク1の頂端部に形成されている開口2を封止している。なお、図10に示すポンプモジュール10の場合、サブタンクを示していない。しかし、ポンプモジュール10に燃料ポンプ20および燃料フィルタ30を収容可能なサブタンクを追加してもよい。
本発明の参考例によるポンプモジュールを図11に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
参考例では、図11に示すようにポンプモジュール110を構成する燃料ポンプ120は、中心軸が燃料フィルタ130に対し概ね垂直に設置されている。ポンプモジュール110は、燃料ポンプ120、燃料フィルタ130、フランジ116および接続部材160などを備えている。フランジ116は、概ね円盤状に形成されており、燃料タンク1の頂端部に形成されている開口2を封止している。なお、図11に示すポンプモジュールの場合、サブタンクは図示していない。しかし、ポンプモジュール110に燃料ポンプ120および燃料フィルタ130を収容可能なサブタンクを追加してもよい。
内周層部42を形成するろ紙は、樹脂繊維、パルプおよび無機繊維を含む。樹脂繊維は、上述のようにフィルタ本体131の周囲を封止する際、加熱により溶融し冷却により固化する。樹脂繊維としては、ろ紙が燃料に含まれる異物をろ過するという性質上、燃料に対する耐久性が要求される。また、樹脂繊維は、繊維状に加工可能であることも重要である。そこで、本実施形態では、樹脂繊維としてポリエステル樹脂からなる繊維を用いている。なお、ポリエステル樹脂からなる繊維に限らず、例えばポリアミド系の繊維など、耐油性の高い樹脂であればよい。一方、パルプは、ろ紙としての機能を発現するためには必須の構成成分である。ろ紙を形成するパルプの繊維同士が水素結合することにより、ろ紙強度を確保するとともに、異物の捕集に必要な微細な網目を形成する。
なお、参考例によるフィルタ本体131は上述の第1実施形態または第2実施形態に適用してもよい。
Claims (5)
- 袋状に形成され燃料に含まれる異物を除去するフィルタ本体を備え、前記フィルタ本体の外側から内側へ燃料が通過する燃料フィルタであって、
前記フィルタ本体は、
不織布から形成され、外側に面している外周層部と、
ろ紙から形成され、前記外周層部と積層されて内側に面している内周層部とを有し、
前記フィルタ本体の外縁部に、樹脂により形成されるモールド部を備え、
前記モールド部は、他の部品を取り付け可能な取付部を有し、
前記取付部には、前記フィルタ本体を収容するサブタンクを取り付け可能であることを特徴とする燃料フィルタ。 - 前記取付部には、前記フィルタ本体を収容する燃料タンクの開口を塞ぐフランジを取り付け可能であることを特徴とする請求項1記載の燃料フィルタ。
- 袋状に形成され燃料に含まれる異物を除去するフィルタ本体を備え、前記フィルタ本体の外側から内側へ燃料が通過する燃料フィルタであって、
前記フィルタ本体は、
不織布から形成され、外側に面している外周層部と、
ろ紙から形成され、前記外周層部と積層されて内側に面している内周層部とを有し、
前記フィルタ本体の外縁部に、樹脂により形成されるモールド部を備え、
前記モールド部は、他の部品を取り付け可能な取付部を有し、
前記取付部には、前記フィルタ本体を収容する燃料タンクの開口を塞ぐフランジを取り付け可能であることを特徴とする燃料フィルタ。 - 前記内周層部を形成するろ紙は、樹脂繊維、パルプおよび無機繊維を含み、前記樹脂繊維を重量%で18%から80%含有することを特徴とする請求項1、2または3のいずれか一項記載の燃料フィルタ。
- 燃料吸入側に請求項1から4のいずれか一項記載の燃料フィルタを備えることを特徴とする燃料供給装置。
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