JP4143795B2 - ボール検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の素子の存在する電子部品に搭載されたボールの検査方法及びボール搭載装置の吸着ヘッドに複数の素子に対応させて吸着したボールの検査方法に関するものであって、主としてウエハへのボール搭載後の検査の方法及び、ウエハレベルボールマウント装置の吸着ヘッドへのボール吸着検査を主眼に開発されたものである。
【0002】
【従来の技術】
ウエハへのボール搭載装置の吸着ヘッドに吸着されたボールの検査やウエハへ搭載されたボールの検査は、処理する量が一度に数万個から数十万個と非常に多く、且つ、検査範囲も広大なため、ラインセンサカメラを用い、ボール吸着面やボール搭載面を複数回スキャンして、画像取り込みを行い、取り込んだボール画像とあらかじめ登録してある基準画像を比較して検査を行うことになると考えられている。
【0003】
しかし、従来のボール検査方法では、座標系を固定にしているため広範囲の検査では、ワーク姿勢や吸着ヘッドの取付による誤差、例えばワークや吸着ヘッドが傾いているときに生じる誤差や、ワーク移動軸や吸着ヘッド軸とラインセンサカメラの移動軸の直交度の狂いから、ボール画像が傾いて取り込まれたり、平行四辺形状につぶされた状態で取り込まれたりして、検査結果に悪影響を及ぼしていた。そして、このようなズレの補正操作やソフト処理はきわめて難しいものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多量広範囲のボールを基準画像からのズレ量の平均により補正してボール検査を行い、機械的誤差を補正することが可能なボール検査方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、ボール検査方法に次の手段を採用した。
第1に、複数の素子が存在する電子部品上に搭載されたボールの画像又は電子部品に存在する複数の素子に対応したボールを吸着したヘッドにおける当該ボールの画像を取り込む手段を設ける。
第2に、取り込んだボールの取込画像と基準画像との各々のボールのX軸、Y軸方向における座標のズレ量を算出する手段を設ける。
第3に、各々のボールの前記ズレ量の平均を算出する手段を設ける。
第4に、算出されたズレ量の平均により前記取込画像と前記基準画像のズレ量の補正を行い、両者を比較してボール検査を行う。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従って、実施例と共に本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施例に係るボール検査方法に使用する検査装置を示す説明図であり、ウエハレベルボールマウント装置の吸着ヘッド1への半田ボール2の吸着検査で用いられる検査装置である。吸着ヘッド1でのボール搭載対象物は、複数素子が存在するウエハ、フレーム、基板等が考えられるが、本実施例では複数素子が存在するウエハである。
【0007】
検査装置には、吸着ヘッド1下方位置で、ボールねじ11とナット12によりY軸方向(図1中前後方向)に移動可能とされたラインセンサカメラ3が用いられている。すなわち、本発明における吸着ヘッド1の複数の素子に対応した吸着半田ボール2の画像を取り込む手段としてラインセンサカメラ3を用いるのである。図1中13は、レンズであり、14は、照明ライトである。尚、画像を取り込む手段は、ラインセンサカメラ3に限定されるものではなく、2次元CCDカメラを用いることもできる。
【0008】
図2は、吸着ヘッド1のボール吸着面の概略平面図であり、吸着ヘッド1は、ラインセンサカメラ3の移動方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に移動可能とされている。図2のボール吸着面に多数存在する方形図形は素子31を示している。尚、四隅に存在するマーク4はアライメントマークである。
【0009】
吸着ヘッド1に吸着された半田ボール2の画像取り込みは以下の工程で行われる。尚、実施例での吸着ヘッド1は8インチウエハへの半田ボール搭載用である。まず、第1工程では、ラインセンサカメラ3は、吸着ヘッド1のボール吸着面の下方で第1基準マーク21と第5基準マーク25の中間位置の第1基準マーク21側に停止しており、ラインセンサカメラ3の中心から左右1インチ、合計2インチ幅分のエリア1の各素子31を観察領域としている。
【0010】
この状態で吸着ヘッド1が、X軸方向に移動すると、ラインセンサカメラ3は、その間に吸着ヘッド1のボール吸着面の4分の1列目の素子31(エリア1内の素子31)のボール画像を取り込んでいく。画像取込時には照明ライト14が、上昇し、吸着ヘッド1下面のボール吸着面を照らしている。
【0011】
第2工程では、吸着ヘッド1が元の位置(画像取り込み開始位置)に戻る。その間にラインセンサカメラ3は、ボール吸着面の4分の1分横移動(2インチY軸方向へ移動)をする。吸着ヘッド1の移動完了時にはラインセンサカメラ3は、第2基準マーク22と第6基準マーク26との中間位置に移動を完了して停止している。
【0012】
第3工程では、吸着ヘッド1がX軸方向に移動している間にラインセンサカメラ3は、吸着ヘッド1のボール吸着面の4分の2列目の素子31(エリア2内の素子)のボール画像を取り込む。第1工程での画像取込と同様の動作をする。
【0013】
第4工程では、吸着ヘッド1が元の位置に戻る。その間にラインセンサカメラ3が吸着ヘッド1のボール吸着面の4分の1分横移動(2インチY軸方向へ移動)をする。吸着ヘッド1の移動完了時にはラインセンサカメラ3は、第3基準マーク23と第7基準マーク27の中間位置に移動を完了している。
【0014】
第5工程では、吸着ヘッド1が移動している間に吸着ヘッド1のボール吸着面の4分の3列目の素子31(エリア3内の素子)のボール画像を取り込む。
【0015】
第6工程では、吸着ヘッド1が元の位置に戻る。その間にラインセンサカメラ3が吸着ヘッド1のボール吸着面の4分の1分横移動(2インチY軸方向へ移動)する。吸着ヘッド1の移動完了時にはラインセンサカメラ3は、第4基準マーク24と第8基準マーク28の中間位置に移動を完了している。
【0016】
第7工程では、吸着ヘッド1が移動している間に吸着ヘッド1のボール吸着面の4分の4列目の素子31(エリア4内の素子)の画像を取り込み、ボール吸着面の画像取込動作を終了する。
【0017】
本実施例では、次にズレ量の算出とズレ量の平均化が行われる。その工程を図4に示すフロー図に従って説明する。ここでのボール検査は、あらかじめ作成し登録してある基準画像(ボールパターン及びウエハマッピングの各基準位置データ)と実際にとらえた取込画像とのボールの状態を比較することにより行われる。尚、ボール検査は単一の素子31(シングルデバイス)の単位で行われる。
【0018】
第1工程は、1つの素子31に対してあらかじめ登録してある基準画像に対する取込画像の個々のボールのズレ量を算出する。本発明における取り込んだボールの取込画像と基準画像との各々のボールのズレ量を算出する手段である。図4の取込画像とは異なる取込画像であるが、図3のズレ量算出の説明図に従い説明すると、白丸で示されているのがあらかじめ登録してある基準画像のボール位置で、斜線で示されているのが取込画像のボール位置である。
【0019】
例えば第1列目の取込画像で、左より1個目のボール画像はX軸方向にa1のズレ量を有し、Y軸方向にA1のズレ量を有するので、その値(a1,A1)を算出する。同様に、2個目のボール画像からX軸方向及びY軸方向のズレ量の値を算出する。このようにして全ボールのズレ量を算出する。
【0020】
第2工程は、取込画像中ズレ量の多いボールを除外する。図4に戻って取込画像のボール配列図Bの内、2段4列目のボールと5段3列目のボールは、ズレ量が異常に大きいので、これを取り除きボール配列図Cを確定する。検出時の異常なボール位置(他のボール位置の規則性と異なっているもの)を排除し、より正確な基準位置作りを確保するためである。
【0021】
ズレ量の平均化の一つは、第3工程と第4工程で行われる。第3工程は、ボール配列図Dに示すようにボール配列の一つの横軸ごとにX軸方向のズレ量の平均を計算する。第4工程は、ボール配列図Eに示すようにボール配列の一つの縦軸ごとにY軸方向のズレ量の平均を計算する。
【0022】
ズレ量の平均化のもう一つは第5工程と第6工程で行われる。第5工程は、ある1つの横軸のズレ量の平均と全横軸のズレ量の平均の差を、その横軸のズレ量とし、その横軸の基準とする。これを全横軸に対して行う。
【0023】
第6工程は、ある1つの縦軸のズレ量の平均と全縦軸のズレ量の平均の差を、その縦軸のズレ量とし、その縦軸の基準とする。これを全縦軸に対して行う。以上で1つの素子31に対するズレ量の算出及び平均化を終了する。
【0024】
基準とした縦軸と横軸に合わせて取込画像又はあらかじめ登録してある基準画像を補正し、両者を比較して、ボールの有無の検出(ミッシングボールの検出)、余分な吸着ボールの検出(エクセスボールの検出)、ボールサイズ、ボールがくっついたものの検出(ダブルボールの検出)、ボールポジション等のボール検査を行う。尚、検査対象ボールは、取込画像中の全ボールに関して行われるのであって、平均化の第2工程で除外された取込画像中ズレ量の多いボールも検査されることは当然である。
【0025】
実施例では、実際のデバイスの取込画像から縦方向の統計処理と横方向の統計処理を行い、傾き、ズレを補正し、実際のボール配列と基準位置座標系のボール配列を比較し、新規の基準画像(基準位置座標系のボール配列)を作成して登録し、これを基にボール検査を行なっている。
【0026】
以上の説明は、吸着ヘッドの複数の素子に対応した吸着ボールの画像を取り込む手段を有する実施例に関するものであるが、複数の素子が存在する電子部品上に搭載されたボールの画像を取り込む手段を有する実施例も当然考えられ、その場合であっても、取込対象が異なるのみであって、同様の方法でボール検査が行いうるものである。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、算出されたズレ量の平均によりズレ補正を行いボールの検査を行う方法であるので、検査ボール量が非常に多く、且つ、検査範囲も広大な場合であっても、検査に際して適正な補正ができ有効なボール検査が可能となった。
【0028】
その結果、ボールマウント装置の吸着ヘッド等の機械組み立て時の取付誤差の補正を厳重に管理しなくても済み、機械組み立て作業が容易なものとなった。
【0029】
請求項3の発明の効果ではあるが、検出時の異常なボール位置(他のボール位置の規則性と異なっているもの)を排除し、より正確な補正データを取得することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボール検査方法に使用する検査装置を示す説明図
【図2】吸着ヘッドのボール吸着面の概略平面図
【図3】ズレ量算出の説明図
【図4】ズレ量算出及び平均化のフロー図
【符号の説明】
1....吸着ヘッド
2....半田ボール
3....ラインセンサカメラ
4....アライメントマーク
11...ボールねじ
12...ナット
13...レンズ
14...照明ライト
21,22,23、24,25,26,27,28....基準マーク
31...素子
Claims (3)
- 複数の素子の存在する電子部品に搭載されたボールの画像又は電子部品に存在する複数の素子に対応したボールを吸着したヘッドにおける当該ボールの画像を取り込む手段と、取り込んだボールの取込画像と基準画像との各々のボールのX軸、Y軸方向における座標のズレ量を算出する手段と、各々のボールの前記ズレ量の平均を算出する手段とを有し、算出されたズレ量の平均により前記取込画像と前記基準画像のズレ量の補正を行い、両者を比較してボールの検査を行うボールの検査方法。
- 前記ズレ量の平均を算出する手段が、前記取込画像のボール配列の横の列ごとと縦の列ごとに行うことを特徴とする請求項1記載のボール検査方法。
- 前記ズレ量の平均を算出する手段が、前記取込画像のボール中でズレ量が所定値以内のボールを基に行うことを特徴とする請求項1記載のボール検査方法。
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