JP4143172B2 - ヒト補体制御因子の検出方法及びその用途 - Google Patents

ヒト補体制御因子の検出方法及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は尿、血液などの生物学的試料中に含まれるメンブレン・コファクター・プロテイン(Membrane Cofactor Protein、以下MCPと称する)などの補体制御因子の検出方法を提供する。また、本発明は、尿中に排出された補体制御因子量を測定することからなる腎機能評価方法に関する。さらに本発明は、抗補体制御因子モノクローナル抗体を含む腎機能診断用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
腎臓の血液濾過作用や解毒作用が全く機能しない末期腎不全においては、腎移植が唯一の治療手段であるが、我が国においては、移植腎の供給体制が十分に整備されているとは言い難く、また、移植療法自体に対する社会的認知も進んでいないことなどから、腎代用療法としては透析療法に頼らざるを得ないのが現状である。
【0003】
現在我が国の透析患者は推定約17万人を数えるが、一人当たりの治療費は年間約600万円を必要とし、医療保険制度を圧迫する大きな原因の一つとされている。また、毎週2〜3日、1日4〜6時間を透析治療のために拘束されることから、患者本人の社会活動も大きく妨げられることになる。
【0004】
腎不全は、腎疾患患者が最終的に至る病態であるが、その原因、経歴は一様ではなく、薬物中毒、感染症、悪性腫瘍、糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)などの本来腎臓以外の病変により、腎障害が発症し、腎不全に至る場合も数多くみられる。
【0005】
かかる腎障害においては、末期即ち腎不全近くになるまで顕著な自覚症状が現れないことから、その発生が見過ごされ易く、発症した時点では既に腎臓は回復不可能なダメージを受けている場合が多い。従って、自覚症状の発現をみる前に、できる限り初期の段階で腎障害を発見することが、腎不全への移行を防ぐために、また、透析治療による保険財政圧迫を避けるためにも大切である。
【0006】
従来、腎障害を診断する手がかりとして、いわゆる検尿による尿蛋白や尿沈渣の検査が広く行われている。しかし、尿蛋白は健常人でも過激な運動、精神的ストレス、多量の肉食、月経前などで一過性に増加する。また、若年者に多くみられる(健常人の0.5%程度)起立性蛋白尿など、腎疾患に由来しない尿蛋白もある。さらに尿路疾患、膀胱疾患、女性性器疾患などでも尿蛋白が認められる。従って、尿蛋白の検査で腎障害を確定診断することは不可能である。
【0007】
尿沈渣は、尿を遠心分離し、その沈渣を顕微鏡で観察するものであるが、赤血球沈渣は健常人でもみられ、腎障害以外の尿路系関連臓器に由来する場合もあるので、これもまた腎障害の確定診断には不十分である。
また、尿成分の血中停滞を検査する目的で血清クレアチニン(Cr)、血中尿素窒素(BUN)の測定なども行われるが、これらの検査も食事の影響を受けやすい。
このように、尿蛋白や血清Cr、BUNの検査において異常値が顕れても、それが必ずしも腎障害に由来するものとは限らず、健常人や他の疾患でもしばしば異常値が発現する。
【0008】
他に、尿中β2−ミクログロブリン、N−Acetyl−β−D−glucosamidase、IgG、トランスフェリン、インターロイキン−6など様々な物質の測定による腎障害の診断が試みられているが、腎障害の重症度と一致しない場合も多く、いずれも有効でない。そして、これら以外には、腎障害の診断および重症度の判定に充分な感度および特異性を有する検査方法はまだ知られていない。
故に、腎障害の診断、重症度の最終的判定には、腎生検による組織学的診断が不可欠である。
【0009】
しかしながら、腎生検は侵襲的検査であり、出血、感染などの合併症の危険性が常につきまとう。また、検査を実施するためには、専門医と設備の整った施設に入院しなければならず、患者への肉体的、社会的負担は無視できない。
以上のように、検尿による検査は簡便で、且つ、多量の検体を処理できる優れた検査方法ではあるが、腎障害の確定診断という観点からは満足できるものではない。一方、腎生検は、腎障害の診断、重症度の判定は確実であるものの、その利用は極く限られたものとならざるを得ない。
故に、検尿の簡便さと、腎生検の正確さを兼ね備えた腎障害の診断方法が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような課題を解決して腎疾患の診断、重症度の判定を行うことを目的としたものである。
はじめに本発明者らは、腎障害の確定診断および重症度を判定するためには、病態と密接に関連した特異的な蛋白を測定する必要があると考えた。そこで、まず、腎障害の代表的病態であり、腎炎の4割を占めるIgA腎症が、抗体の1種であるIgAと抗原の免疫複合体が腎臓の糸球体に沈着して起こることに着目した。また、糸球体腎炎が、抗原と抗体の結合した免疫複合体が組織に沈着し、活性化された補体系によって腎組織が傷害されるIII型アレルギー反応の1種であることに着目した。
【0011】
補体系とは、感染、炎症反応、免疫反応などに動員され、溶菌、溶血など、種々の生物学的活性を示し、易熱変性で免疫複合体に非特異的に反応する抗体の補助蛋白成分から構成される生体防御系である。
さらに本発明者らは、補体系に存在する補体制御因子に注目した。
すなわち、補体制御因子は補体系の無秩序な活性化を抑制する蛋白質で、補体系が亢進する場合には補体制御因子の発現も増加することが知られている。そして、前述したように、腎炎の完成には免疫複合体および補体系が関与している。そこで、本発明者らは、糸球体および尿細管において補体系が亢進し、それに伴って、補体制御因子の発現が増加すれば、尿中へ補体制御因子が漏出し、しかもその漏出量は病態の進行に伴って増加するのではないかと考え、尿中の補体制御因子の量を測定することにより、補体系が関与した腎局所の炎症の程度を推定し得るものと考えた。
そこで、ELISA法などの通常の免疫測定法を用いた補体制御因子の測定を試みたが、感度が低く必ずしも実用的ではなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
一方、本出願人は、ヒト精子の受精能を評価するための試薬として、固体顆粒の表面に、先体反応後のヒト精子と特異的に反応するモノクローナル抗体を結合してなる、精子受精能試験用顆粒を開発した(特許第2651249号)。この発明によると、先体反応後のヒト精子と特異的に反応するモノクローナル抗体を固体顆粒に結合させて試験用顆粒とし、これに精子を結合させて、結合した精子を計数することにより、ヒト精子の受精能を評価できるようにしたので、放射能、蛍光などの煩雑な測定手段を必要とせず、短時間で容易・確実に受精能の試験ができる。また、固体顆粒は磁性を有するので、磁石により容易に固体顆粒を集束させることができ、微量サンプルの測定も可能となった。
【0013】
本発明者らは、この技術を補体制御因子の検出に適用することにより、簡便・正確な補体制御因子の検出が可能になるのではないかと考え、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)固体顆粒の表面に、抗補体制御因子抗体を結合してなる、生物学的試料中に含まれる補体制御因子検出用顆粒、
(2)生物学的試料中に含まれる補体制御因子の検出方法であって、下記工程、すなわち、
(イ)生物学的試料と、固体顆粒の表面に第1の抗補体制御因子抗体(a)を結合した補体制御因子検出用顆粒を接触させ、
(ロ)前記補体制御因子検出用顆粒を接触させた検体に、標識分子を結合した第2の抗補体制御因子抗体(b)を接触させた後、
(ハ)前記第2の抗補体制御因子抗体(b)を介して補体制御因子と結合している前記標識分子を検出する、工程を含むことを特徴とする、生物学的試料中に含まれる補体制御因子の検出方法、
(3)(イ)上記(1)に記載の補体制御因子検出用顆粒及び(ロ)磁石を含む、補体制御因子検出用キット、
(4)検体尿中の補体制御因子の測定値を正常尿中の補体制御因子値と比較することからなる、腎機能評価方法、および、
(5)抗補体制御因子モノクローナル抗体を含む腎機能診断用試薬
を提供するものである。
【0014】
本発明において測定対象とする補体抑制因子としては、C1不活化因子、C4結合蛋白、I因子、H因子などが挙げられるほか、自己補体反応からの防御機能を有するメンブレン・コファクター・プロテイン(MCP)、崩壊促進因子(DAF)、CD59および1型補体受容体(CR1)などがあり、限定はされないが、特に好ましいのはMCPである。
【0015】
MCPは、赤血球以外の全血液細胞に存在する分子量45000〜70000の酸性糖タンパク質で、細胞性補体制御因子のひとつとして1985年に同定された(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイティッド・ステイツ・オブ・アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA)、第82巻、859−863頁、1985年)。
【0016】
また、本発明において用いられる測定法についても限定はなく、例えば光散乱法、ラジオイムノアッセイ法、蛍光・発光免疫測定法、酵素免疫測定法などが挙げられ、適宜選択して使用することができる。また、これらに用いる放射性物質、蛍光・発光物質、酵素も何ら制限はなく、例えば放射性物質であればI125、I131、C14、H3などがあり、蛍光・発光物質としてはFITC、ウンベリフェロン、ルミノール、アクリジニウム誘導体、ルシフェラーゼなどがあり、酵素としては、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼなどを用いることができる。抗体についてもポリクローナル抗体,モノクローナル抗体いずれも限定せず用いることが可能であるが、特異性の観点から特に好ましいのはモノクローナル抗体である。
【0017】
例えば、MCPに特異的なモノクローナル抗体としては、ハイブリドーマ株M75(微工研寄託FERM BP−2894)から産生されるモノクローナル抗体M75、ハイブリドーマ株M160(微工研寄託FERM BP−2895)から産生されるモノクローナル抗体M160、ハイブリドーマ株M177(微工研寄託FERM BP−2896)から産生されるモノクローナル抗体M177、ハイブリドーマ株MH−61(微工研寄託FERM BP−2257)から産生されるモノクローナル抗体MH−61、およびモノクローナル抗体CD46(コスモバイオ製)などを挙げることができる。さらにこれらのモノクローナル抗体は、常法により標識と結合させることもできる。
【0018】
その他免疫測定方法については、基質、検出方法など全てについて既知の方法に従って実施することができる。
また、対象疾患たる腎障害の種類についても特に限定はなく、例えば、IgA腎症、急性進行性糸球体腎炎、急性糸球体腎炎、急性腎盂腎炎、慢性腎盂腎炎、巣状糸球体硬化症、微少変化型ネフローゼ症候群、膜性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、糖尿病性腎炎、ループス腎炎、腎アミロイドーシス、慢性腎不全などが本発明の方法によって広く測定可能である。
【0019】
前記抗体のうち、ヒトMCPに結合する抗血清(ポリクローナル抗体)は、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー(Eur.J.Immunol.)、第18巻、1289−1294頁、1988年の記載に従って得ることができる。また、抗ヒトMCPモノクローナル抗体および該抗体産生ハイブリドーマ細胞は、特開平4−45796号公報の記載に従って製することができる。
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)抗体の製造
(1)動物の免疫と抗体産生細胞の調製
動物の免疫は、例えば次のように行う。公知の方法、例えば、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン(J.Exp.Med.)、第163巻、837−855頁、1986年の記載に従って精製したヒトMCPをラット、マウスなどの哺乳類動物に免疫する。哺乳類動物は細胞融合する際の相手の永久増殖性細胞と同系統の動物を用いるのが好ましい。動物の週令は、例えばマウスでは6〜8週令が好適である。性は雌雄何れでも構わない。免疫の方法は、精製したヒトMCPを適当なアジュバント(例えばフロイントコンプリートアジュバントまたは水酸化アルミニウムゲル−百日咳菌ワクチンなど)と混合しエマルジョンとした後、動物の皮下、腹腔内、静脈内などに投与する。以後、この免疫操作を1〜2週間間隔で2〜5回行う。最終免疫は、0.5〜2μgのヒトMCPを動物の腹腔内に投与することにより行う。このようにして免疫した動物の体液からは、ポリクローナル抗体が得られる。各免疫操作後3〜7日後に眼底静脈叢より採血し、その血清の抗体価を以下に示すプロテインAロゼットアッセイ法(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー(Eur.J.Immunol.)、第4巻、500−507頁、1974年)により測定し、抗体価が充分上昇したとき、抗体または抗体産生細胞を採取する。
【0021】
プロテインAロゼットアッセイ法:
72穴のテラサキプレート(ファルコン製)にヒト赤芽球性細胞株K562(ジャパニーズ・キャンサー・リサーチ・リソーシズ・バンク(JCRS)製)をコートし、ダルベッコPBS(リン酸二ナトリウム2.90g、リン酸一カリウム0.20g、塩化ナトリウム8g、塩化カリウム0.2g、蒸留水1L)で希釈した試料を加え、CO2インキュベーター内に37℃で30分間放置する。PBSで洗浄後、プロテインA(アマシャム・ファルマシア・バイオテク製)をコートしたヒツジ赤血球を加えてロゼットの形成を顕微鏡で観察する。
上記のようにヒトMCPで免疫した動物から抗体産生細胞を採取する。抗体産生細胞は、脾臓、リンパ節、末梢血などから得ることができるが、特に脾臓が好ましい。例えば、最終免疫の3〜4日後に脾臓を無菌的に摘出し、MEM培地(日水製薬製)中で細断し、ピンセットで解し、1200rpm×5分間の条件で遠心分離させた後、上清を除き、トリス−塩酸緩衝液(pH7.65)で1〜2分間処理して赤血球を除去し、さらにMEM培地で3回洗浄して細胞融合用脾臓細胞を得る。
【0022】
(2)永久増殖性細胞の調製
融合される相手方の永久増殖性細胞には、永久増殖性を有する任意の細胞を用いることができるが、骨髄腫細胞が特に繁用される。永久増殖性細胞は抗体産生細胞と同種の動物由来のものを用いるのがよい。例えばマウスの場合、8−アザグアニン耐性マウス(BALB/c)由来骨腫瘍細胞株P3−X63Ag8−U1(P3−U1)(カレント・トピックス・イン・マイクロバイオロジー・アンド・イムノロジー(Current Topics in Microbiol.and Immunol.)、第81巻、1−7頁、1978年)、P3/NS1/1−Ag4−1(NS−1)(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー(Eur.J.Immunol.)、第6巻、511−519頁、1976年)、SP2/0−Ag14(SP−2)(ネイチャー(Nature)、第276巻、269−270頁、1978年)、P3−X63−Ag8653(653)(ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)、第123巻、1548−1550頁、1979年)、およびP3−X63−Ag8(X63)(ネイチャー(Nature)、第256巻、495−497頁、1975年)などが用いられる。これらの永久増殖性細胞株は、8−アザグアニン培地(RPMI−1640培地にグルタミン(1.5mM)、2−メルカプトエタノール(5×10−5M)、ゲンタマイシン(10μg/mL)およびウシ胎児血清(FCS、CLS製)(10%)を加えた正常培地に、さらに8−アザグアニン(15μg/mL)を加えた培地)で継代培養し、細胞融合の3〜4日前に正常培地に継代し、融合当日2×107個以上の細胞数を確保する。
【0023】
(3)細胞融合
細胞融合は例えば次のように行う。(1)で得られた抗体産生細胞と(2)で得られた永久増殖性細胞をMinimal Essential Medium(MEM)培地またはPBSでよく洗浄し、細胞数が5〜10:1の比になるように混合する。1200rpm×5分間遠心分離した後、上清を除き、沈殿した細胞群をよく解した後、攪拌しながら37℃に保ちつつ、ポリエチレングリコール−1000(PEG−1000)1〜4g、MEM培地1〜4mLおよびジメチルスルホキシド0.5〜1.0mLの混液0.1〜1.0mL/108個細胞を加えて細胞融合を起こさせる。その後、10分毎にMEM培地3mLを数回添加し、MEM培地を全量が50mLになるように加えて希釈し、細胞融合を停止させる。次に、遠心分離(1500rpm×5分間)して上清を除去し、緩やかに細胞を解した後、正常培地(RPMI−1640培地、10%FCS)100mLを加え、メスピペットによる吸い込み、吹き出しで緩やかに細胞を懸濁する。この懸濁液を96ウエルの培養用プレートに100μL/ウエルずつ分注し、5%CO2インキュベーター中、37℃で3〜5日間培養する。培養プレートに100μL/ウエルのHAT培地(正常培地にヒポキサンチン(10−4M)、チミジン(1.5×10−5M)およびアミノプテリン(4×10−7M)を添加した培地)を加え、さらに3日間培養する。以後3日間毎に培養上清の半容量を除去し、新たに同量のHAT培地を加え、5%CO2インキュベーター中、37℃で約2週間培養する。
【0024】
(4)ハイブリドーマのスクリーニングおよびクローニング
融合細胞がコロニー状に生育しているのが認められるウエルについて、上清の半容量を除去し、HT培地(HTA培地からアミノプテリンを除いたもの)を同量加え、4日間培養する。培養上清の一部を採取し、前述のプロテインAロゼットアッセイ法によりMCPに対する抗体価を測定する。MCPに反応するウエルにつき、限界希釈法によりクローニングを4回繰り返し、安定したMCPの抗体価を示すものを抗MCPモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択する。
上記の操作により得られるハイブリドーマの具体例としては、ハイブリドーマ株M75(微工研寄託FERM BP−2894)、ハイブリドーマ株M160(微工研寄託FERM BP−2895)、ハイブリドーマ株M177(微工研寄託FERM BP−2896)およびハイブリドーマ株MH−61(微工研寄託FERM BP−2257)を挙げることができる。
【0025】
(5)モノクローナル抗体の調製
上記のようにして得られたハイブリドーマをインビトロおよびインビボで培養することによりモノクローナル抗体を産生させる。インビボで培養する場合、任意の動物にハイブリドーマを移植するが、細胞融合に用いた脾臓細胞を採取した動物と同種の動物を使用するのが好ましい。例えば、プリスタン処理(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン(プリスタン)0.5mLを腹腔内投与し、2週間飼育する。)をした8〜10週令のBALB/c雌マウスに(4)で得られた抗MCPモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞の2〜4×106個/匹腹腔内投与する。2〜3週間でマウスの腹腔内にモノクローナル抗体を高濃度に含んだ腹水が貯留し腹部が肥大してくる。このマウスから腹水を採取し、遠心分離(3000rpm×5分間)して固形分を除去した後、50%硫酸アンモニウムを用いて塩析し、PBSで1〜2週間透析する。この透析画分をプロテインAセファロースカラムに通し、IgG画分を集め、精製モノクローナル抗体を得る。
【0026】
抗体のイソタイプは、オクタロニィ(二重免疫拡散)法(免疫学実験入門、生物化学実験法15、学会出版センター刊、74頁、1981年)により決定した。タンパク質量は、フォーリン法および280nmにおける吸光度(1.4(OD280)≒イムノグロブリン1mg/mL)により算出する。
得られたモノクローナル抗体のMCP依存ファクターI・コファクター活性に対する抑制活性は、公知の方法(ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディスン(J.Exp.Med.)、第163巻、837−855頁、1986年)に従い、液相系測定法により定量する。すなわち、蛍光ラベルしたC3bとファクターIを、あらかじめ抗体処理した一定量のMCPと混合し、一定時間インキュベートした後、C3bのC3biへの変換をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により解析し、蛍光光度計を用いて測定する。
【0027】
(6)モノクローナル抗体の特性
上記のようにして得られたモノクローナル抗体の特性は、例えば、(1)細胞表面をヨウ素ラベルしたHSB−2、K562などのヒトリンパ球由来の細胞株を用いる免疫沈降反応(ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)、第138巻、2850−3855頁、1987年)、(2)MCPがコファクターとして働くファクターIによるC3b分解反応に対する阻害試験(バイオケミカル・ジャーナル(Biochem.J.)、第264巻、581−588頁、1989年)および(3)酵素免疫測定法(ELISA法)(ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.)、第142巻、2743−2750頁、1989年)により検討した。
【0028】
(7)標識結合モノクローナル抗体の調製
得られた精製モノクローナル抗体は、グルタルアルデヒド法(イムノケミストリー(Immunochem.)、第6巻、43頁、1969年)、過ヨウ素酸法(ジャーナル・オブ・ヒストケミカル・アンド・サイトケミストリー(J.Histochem.Cytochem.)、第22巻、1084頁、1974年)、マレイミド法(ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(J.Biochem.)、第79巻、233頁、1976年)、ピリジル・ジスルフィド法(バイオケミカル・ジャーナル(Biochem.J.)、第173巻、723頁、1978年)などの方法により、酵素標識することができる。
【0029】
例えば、過ヨウ素酸法を用いた場合、ペルオキシダーゼ溶液(4mg/mL)に50μLの過ヨウ素酸(38.5mg/mL)を攪拌しながら加え、室温で20分間反応させた後、1mM酢酸緩衝液(pH4.5)に置換したセファデックス(登録商標)G−25充填カラムPD−10(アマシャム・ファルマシア・バイオテク製)を用いて緩衝液交換を行う。次に0.2Mの水酸化ナトリウム40μLを加える。このものに10mM炭酸緩衝液(pH9.5)で透析したモノクローナル抗体10mgを加え、室温で2時間反応する。反応終了後、氷冷し、100μLの水素化ホウ素ナトリウム溶液(4mg/mL)を加え2時間反応する。反応液をPD−10を用いてPBSに交換した後、3000rpm×30分間遠心分離し、上清をセファクリルS200HR26×30(アマシャム・ファルマシア・バイオテク製)を用いてゲル濾過して、403および280nmの吸光度を測定し標識モノクローナル抗体の画分を分取する。得られた分画にウシ血清アルブミン(10mg/mL)を加え、−20℃で保存し、使用直前にPBS−Tween(登録商標)20で希釈する。
【0030】
(B)試験用顆粒の製造
この発明で使用する試験用顆粒は、適当な顆粒、例えばクロマト用ゲルに、物理的または化学的にこの発明で用いる抗体を結合させることによって製造することができるが、好ましいのは活性化された顆粒に本発明で用いる抗体を結合させる方法であり、特に好ましくは、p−トルエンスルフォニルクロライドによってトシル化活性された顆粒に本発明で用いる抗体を結合させる方法である。
顆粒としては、ガラス、アガロース、セファロース、アガロース充填多孔性珪藻土、親水性共重合アクリルゲル、ポリスチレン等からなるビーズが用いられるが、好ましいのは可磁性物質(例えばFe23)を例えばコア内に含ませることにより超常磁性をもたせたものである。磁性を有するビーズを使用すれば、磁石等を用いてビーズを集束することができるので、微量サンプルの測定が可能となる。また、比重の大きなビーズを用いた場合もビーズの集束が容易となり、磁性を有するビーズを用いたときと同様の効果が得られる。さらにこの場合、ビーズを集束するための遠心分離の条件を緩徐にできるため、結合が外れ易い抗体を使用する際にも便利である。
【0031】
顆粒の形状は球形、不定破砕形等任意であるが、球形が好ましい。粒径は特に制限されず、例えば数〜数十〜数百μmであり得る。
上記のような顆粒に二次抗体、プロテインAまたはプロテインGを化学的に結合させるには、顆粒を活性化させてから結合させるのが好ましい。顆粒の活性化は、この種の顆粒にタンパク質を結合させる際の任意の活性化法を選択することができる。このような活性化法には、トシルクロライド法、ブロムシアン法、ブロムアセチル法、グルタールアルデヒド法等がある。活性化顆粒の中には市販されているものもある。このような活性化、および活性化顆粒と二次抗体、プロテインAまたはプロテインG等のタンパク質との結合は、常法によって行うことができる。
【0032】
また、既に二次抗体、プロテインAまたはプロテインG等を結合した顆粒も市販されている。このような顆粒としては日本ダイナル株式会社輸入、株式会社ベリタス販売のダイナビーズ(登録商標)M−450、M−280のヒツジ抗マウスIgGコートタイプ、ヤギ抗マウスIgGコートタイプ、ヒツジ抗ラットIgGコートタイプ、ヒツジ抗家兎IgGコートタイプや、ポリサイエンス・インコーポレイティッド製のヤギ抗マウスIgG(H&L)カルボキシレートビーズ、ヤギ抗家兎IgG(H&L)カルボキシレートビーズ、プロテインAカルボキシレートビーズ、ヤギ抗家兎IgG(H&L)ミクロマグネットパーティクル、ヤギ抗家兎IgG(H&L)ミクロマグネットパーティクル、プロテインAミクロマグネットパーティクル、ヒツジ抗マウスIgG(H&L)ミクロマグネットパーティクル等がある。
上記のような顆粒に本発明で用いる抗体を結合させるには、適当な媒質中で懸濁した顆粒をタンパク質溶液で処理して非特異的吸着を防止した後、抗体を含む腹水または精製した抗体の溶液を混合する。
【0033】
(C)試験法
本発明の試験法を実施するには、被験者から血液または尿を採取し、遠心分離後の上清を検体とする。前記のようにして製造した試験用顆粒に希釈した検体および(7)で得られた標識結合抗体を加え、室温で2時間インキュベーションする。反応終了後、洗浄し、遠心分離して顆粒を除去し、上清をマイクロプレートに移し、490nmにおける吸光度を測定する。同様に正常人の検体も測定し、値を比較する。
【0034】
(D)キット
上記の実験を実施するには、実施に必要な材料をキットにしておくのが便利である。このようなキットは、前述した試験用顆粒および磁石を含み得る。さらに標識分子を結合した抗体を含み得る。そのほか、キットには、試験管、遠心管、その他類似の容器、ピペットまたは類似の吸引器具、あるいは顕微鏡を含ませることができる。なお、上記試験用顆粒の代わりに、その製造原料となる固体顆粒と抗体の組合せとすることもできる。
【0035】
【実施例】
以下、この発明を参考例および実施例によりさらに詳細に説明する。
参考例(モノクローナル抗体の精製)
プリスタン(シグマ製)処理した8〜10週令のBALB/c雌マウスにハイブリドーマ株M75(微工研寄託FERM BP−2894)、ハイブリドーマ株M160(微工研寄託FERM BP−2895)、ハイブリドーマ株M177(微工研寄託FERM BP−2896)およびハイブリドーマ株MH−61(微工研寄託FERM BP−2257)をそれぞれ1×107個/匹腹腔内に注射した。2〜3週間後に、ハイブリドーマは腹水型癌細胞として増殖した。腹水を採取し、遠心分離(3000rpm×5分間)して固形物を取り除いた。50%硫酸アンモニウムにて塩析し、PBSで透析した後、ペットボリュームが20mLのプロテインAセファロースカラム(ファルマシア製)に通し、IgG画分を集め、ハイブリドーマ株M75、M160、M177およびMH−61より、それぞれ精製モノクローナル抗体M75、M160、M177およびMH−61を得た。
【0036】
実施例1(POD標識結合モノクローナル抗体の調製)
西洋ワサビペルオキシダーゼ溶液(4mg/mL)に50μLの過ヨウ素酸(38.5mg/mL)を攪拌しながら加え、室温で20分間反応させた後、1mM酢酸緩衝液(pH4.5)に置換したセファデックス(登録商標)G−25充填カラムPD−10(アマシャム・ファルマシア・バイオテク製)を用いて緩衝液交換を行う。次に0.2Mの水酸化ナトリウム40μLを加える。このものに10mM炭酸緩衝液(pH9.5)で透析したモノクローナル抗体M160を10mg加え、室温で2時間反応する。反応終了後、氷冷し、100μLの水素化ホウ素ナトリウム溶液(4mg/mL)を加え2時間反応する。反応液をPD−10を用いてPBSに交換した後、3000rpm×30分間遠心分離し、上清をセファクリルS200HR26×30(アマシャム・ファルマシア・バイオテク製)を用いてゲル濾過して、403および280nmの吸光度を測定し標識モノクローナル抗体の画分を分取する。得られた分画にウシ血清アルブミン(10mg/mL)を加え、−20℃で保存し、使用直前にPBS−Tween(登録商標)20で希釈する。
【0037】
実施例2(試験用顆粒の製造)
ダイナビーズ(登録商標)M−450トシルアクティベイティッド(トシル活性化された均一な常磁化ポリスチレンビーズ:日本ダイナル製)の1mM塩酸懸濁液を無菌蒸留水で1回洗浄する。必要であれば簡単に攪拌して、均一な懸濁液とする。次に精製IgG抗体を0.2Mホウ酸緩衝液(pH9.5)に150μg/mLの濃度に溶解する。等容量の活性化ビーズ懸濁液を前記のIgG溶液に加える(抗体/ビーズ=75μg/15mg)。ゆっくり攪拌しながら22℃で24時間インキュベートする。磁石を用いて抗体結合ビーズを集め、磁石にビーズを付けたまま上清を捨て、(1)5mLの0.1M PBSで10分間、(2)0.1%Tween(登録商標)20を含有する5mLの1Mエタノールアミン−塩酸(pH9.5)で2時間、(3)0.1M塩化ナトリウム、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.01%メチルチオレートおよび0.1%Tween20を含有する0.05Mトリス(pH7.5)の5mLで12時間、および(4)Tween20を含まない(3)の緩衝液で5mL、2時間の順に洗浄する。洗浄後、磁石でビーズを集め、上清を捨て、PBS/BSAに約4×108ビーズ/mL(30mg/mL)の濃度に懸濁する。得られたIgG結合ビーズは、4℃で少なくとも6カ月間は安定である。保存緩衝液には0.1M塩化ナトリウムおよび0.1%BSA含有0.05Mトリスを用いる。
ビーズ50μLを採り、同量のモノクローナル抗体M177を加える。37℃で1時間振盪しながらビーズに抗体を結合させた後、1mLのPBSを加えて4℃で1000rpm×5分間遠心分離する。沈殿物をPBSで2回洗浄し、モノクローナル抗体M177結合ビーズを得、試験用顆粒とする。
【0038】
実施例3(血清MCPの測定プロトコール)
血清MCPの測定は、以下の手順により行った。
(1)96穴プレート(ダイナテック製)の各ウェルに一次抗体(モノクローナル抗体M177)のPBS(pH7.4)希釈溶液(5μg/mL)を100μL添加する。
(2)4℃で一晩静置する。
(3)300μLのイオン交換水で5回洗浄する。
(4)各ウェルに25%ブロックエース(登録商標:コスモバイオ製)350μLを添加し、室温で1時間放置し、ブロッキングする。
(4)検体の希釈系列を作製し、その100μLずつを添加する。ただし、スタンダード溶液は毎回作製する(検体およびスタンダード溶液は、あらかじめ等量の10%BSA/PBS溶液で混和しておく)。
(5)室温で2時間静置する。
(6)300μLの0.005%Tween(登録商標)20/生理食塩水にて5回洗浄する。
(7)300μLのイオン交換水で1回洗浄する。
(8)PBS(pH7.4)で0.1μg/mLに希釈された西洋ワサビペルオキシダーゼ標識モノクローナル抗体M160の100μLを添加する(抗体は目的の2倍濃度に調整し、等量の10%BSA/PBS溶液で混和しておく)。
(9)室温で2時間静置する。
(10)300μLの0.005%Tween20/生理食塩水にて5回洗浄する。
(11)300μLのイオン交換水で1回洗浄する。
(12)次の組成からなる基質溶液100μLを添加する。
基質溶液(200mL中)
o−フェニレンジアミン 20mg
クエン酸−リン酸緩衝液 200mL
(0.1Mクエン酸(21.0g/L) 51.4mL)
(0.2Mリン酸水素ナトリウム(71.628g/L) 51.4mL)
(蒸留水 100mL)
30%過酸化水素水 10μL
(13)室温で30分間放置する。
(14)100μLの停止液(1N硫酸)を加える。
(15)490nmにおける吸光度を測定する。
【0039】
実施例4(試験法)
正常者12例および腎疾患患者21例の尿、ならびに正常者10例および腎疾患患者20例の血清についてMCP量を測定した。腎疾患患者の内訳は、尿検体ではIgA腎症(IgAN)14例、急速進行性糸球体腎炎症候群(RPGN)7例である。また、血清検体ではIgA腎症14例、急速進行性糸球体腎炎症候群6例であった。
随時尿および血清を採取し、−80℃に凍結保存し、使用時に解凍し、3000rpm×5分間の条件で遠心分離した後の上清を検体とした。
実施例1で得られたPOD標識モノクローナル抗体M160、および実施例2で得られたモノクローナル抗体M177結合磁性ビーズを使用した。
また、尿は原液を、血清はPBSを用いて2〜10倍に希釈したものを検体とした。
【0040】
モノクローナル抗体M177が結合した磁性ビーズ(ダイナビーズ(登録商標)M−450)50万個、検体500μL、およびPBSを用いて1000倍に希釈したPOD標識モノクローナル抗体M160の500μLをあらかじめブロッキングした1.5mL容量のプラスチック製チューブに加え、室温で2時間回転させながら反応させた。磁石を用いてビーズを集束、固定した後、上清を捨てる。0.02%Tween(登録商標)20および10%ブロックエース加PBSで5回洗浄後、基質液(ο−フェニレンジアミン4mg、過酸化水素水2μL、クエン酸−リン酸緩衝液(pH5)10mL)150μLを加え、回転させながら更に15〜30分反応させた後、2N硫酸を加えて反応を止めた。磁石を用いてビーズを集束、固定した後、上清200μLを採り、マイクロプレートに移し、吸光光度計(モレキュラー・デバイス製)を用い、490nmにおける吸光度を測定した。
血清MCP値は、モノクローナル抗体M160を用い、POD標識モノクローナル抗体M160を検出用抗体としたサンドイッチELISA法により測定した。
【0041】
正常者および腎疾患患者の尿中MCP値(対尿中クレアチニン比)を測定した結果を図1に、血清MCP値の測定結果を図2に示す。その結果、尿中MCP値においては、正常者とIgA腎症患者の間でp<0.05、正常者と急速進行性糸球体腎炎症候群患者の間でp<0.01の有意差を示した。また、IgA腎症患者と急速進行性糸球体腎炎症候群患者の間においてもp<0.05の有意差を示した。また、血清MCP値では、正常者とIgA腎症患者の間でp<0.001、正常者と急速進行性糸球体腎炎症候群患者の間でp<0.001の有意差を示した。また、IgA腎症患者と急速進行性糸球体腎炎症候群患者の間においてはp<0.001の有意差を示した。
【0042】
これらの結果から明らかなように、尿中および血清MCP値は、正常者に比べ腎疾患患者において高値に分布する。また、IgA腎症患者と急速進行性糸球体腎炎症候群患者では、より重篤な急速進行性糸球体腎炎症候群患者において高値となった。従って、本発明の方法によれば、腎障害の判定のみならず、腎疾患の病態の確定が可能となることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 正常者および腎疾患者の尿中MCP値(対尿中クレアチニン比)の測定結果を示す。
【図2】 正常者および腎疾患者の血清MCP値(対尿中クレアチニン比)の測定結果を示す。

Claims (3)

  1. 検体血液中のMCPの量を測定し、正常血液中のMCP量の測定値と比較することからなる、腎機能評価方法。
  2. 検体尿中のMCPの量を測定し、正常尿中のMCP量の測定値と比較することからなる、腎機能評価方法。
  3. 抗MCPモノクローナル抗体を含む腎機能診断用試薬。
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