JP2020204554A - 軽度認知障害の診断マーカー - Google Patents
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Abstract
【課題】軽度認知障害に罹患しているか否かを精度よく判定する方法;軽度認知障害に対して候補となり得る治療法の有効・無効の評価基準;臨床症状の変動あるいは程度の客観的指標(特に、同一患者の経過を見るための指標);等を提供すること。【解決手段】被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を測定し、当該HMGB1濃度を指標として、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定する。【選択図】なし
Description
本発明は、被験者が軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment;以下、「MCI」ということがある)に罹患しているか否かを判定する方法や、被験者がMCIに罹患しているか否かを判定するためのキットに関する。
アルツハイマー病(Alzheimer's disease;以下、「AD」ということがある)は、不可逆的な進行性中枢神経疾患の1つであり、記憶障害や思考障害を伴う認知機能障害(認知症)、行動障害、人格変化等の症状を呈することが知られている。アルツハイマー病は、認知症患者の中で最も多い疾患であり、認知症患者全体の約60〜80%を占めている。アルツハイマー病は、一般に65歳以上の高齢者で発症するが、中には64歳以下でも発症し、その場合、若年性アルツハイマー病と呼ばれている。
内閣府の発表によると、2012年の日本における認知症患者数は462万人であり、65歳以上の高齢者の7人に1人であったが、2025年には約700万人まで増加し、5人に1人になると見込まれている。AD等の認知症患者数が増加すると、医療費の増大や介護問題等で国や患者関係者達の経済的又は精神的負担が深刻化することが予想される。
MCI患者は、認知機能の低下は認められるものの、認知症の診断基準は満たさず、基本的な日常生活や社会生活には支障がない。MCI患者の一部は、将来ADを発症すると考えられていることから、MCI罹患の有無を早期診断できれば、認知症を発症する前段階で、認知症予防の適切な処置を行い、認知症を予防することが期待できる。
最近、MCI患者の脳画像を基に、将来ADを発症する可能性があるかどうかを、人工知能を用いて予測する装置が報告されている(特許文献1)。また、非還元末端にマンノースを有する糖鎖を含むトランスフェリンが髄液中に存在し、かかるトランスフェリンを指標としてMCIを診断できることが報告されている(特許文献2)。
本発明の課題は、軽度認知障害に罹患しているか否かを精度よく判定する方法;軽度認知障害に対して候補となり得る治療法の有効・無効の評価基準;臨床症状の変動あるいは程度の客観的指標(特に、同一患者の経過を見るための指標);等を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を進める過程において、MCI患者由来の生体試料中のHMGB1濃度と、MCIに罹患していない者(具体的には、健常者、非認知症神経疾患患者、及びアルツハイマー病患者)由来の生体試料中のHMGB1濃度とを測定し、比較したところ、MCI患者由来の生体試料中のHMGB1濃度は、MCIに罹患していない者由来の生体試料中のHMGB1濃度と比べ、高いことを見いだした。また、HMGB1濃度の適切なカットオフ値を設定すると、被験者がMCIに罹患しているか否かを精度よく判定できることを確認した。本発明は、これらの知見に基づき、完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕以下の工程(a)及び(b)を含むことを特徴とする軽度認知障害の判定方法。
(a)被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を測定する工程;
(b)被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を指標として、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定する工程;
〔2〕生体試料が脳脊髄液試料であることを特徴とする上記〔1〕に記載の判定方法。
〔3〕工程(b)において、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度と、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度とを比較し、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度が、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度よりも高い場合、被験者は軽度認知障害に罹患している可能性が高いと判定することを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の判定方法。
〔4〕軽度認知障害に罹患していない対照者が、健常者又はアルツハイマー病患者であることを特徴とする上記〔3〕に記載の判定方法。
〔5〕ヒトHMGB1に特異的に結合する抗体、又はその標識物を備えることを特徴とする軽度認知障害の判定用キット。
〔1〕以下の工程(a)及び(b)を含むことを特徴とする軽度認知障害の判定方法。
(a)被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を測定する工程;
(b)被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を指標として、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定する工程;
〔2〕生体試料が脳脊髄液試料であることを特徴とする上記〔1〕に記載の判定方法。
〔3〕工程(b)において、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度と、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度とを比較し、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度が、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度よりも高い場合、被験者は軽度認知障害に罹患している可能性が高いと判定することを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の判定方法。
〔4〕軽度認知障害に罹患していない対照者が、健常者又はアルツハイマー病患者であることを特徴とする上記〔3〕に記載の判定方法。
〔5〕ヒトHMGB1に特異的に結合する抗体、又はその標識物を備えることを特徴とする軽度認知障害の判定用キット。
また本発明の実施の他の形態として、
上記工程(a)と、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を指標として、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定するためのデータを作成する工程(B)とを順次含む、軽度認知障害を判定するためのデータを作成する方法;や、
上記工程(a)及び(b)を含む、軽度認知障害の診断方法;や、
生体試料中のHMGB1の濃度が軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度よりも高い軽度認知障害患者に対して、認知症の罹患(発症)を予防する処置を施す(例えば、認知症治療薬を投与する)、又は軽度認知障害を治療する処置(例えば、認知症治療薬を投与する;軽度認知障害改善のための有酸素運動[例えば、ウォーキング、ジョギング]を行う;軽度認知障害改善のための食事療法を行う[例えば、ビタミンC、E、βカロチン、DHA、EPA、ポリフェノールを豊富に含む食べ物を食べる];認知トレーニングを行う;)を施す工程を含む、認知症の罹患(発症)の予防方法、又は軽度認知障害の治療方法;や、
軽度認知障害の判定(診断)における使用のための、ヒトHMGB1に特異的に結合する抗体、又はその標識物;
を挙げることができる。
上記工程(a)と、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を指標として、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定するためのデータを作成する工程(B)とを順次含む、軽度認知障害を判定するためのデータを作成する方法;や、
上記工程(a)及び(b)を含む、軽度認知障害の診断方法;や、
生体試料中のHMGB1の濃度が軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度よりも高い軽度認知障害患者に対して、認知症の罹患(発症)を予防する処置を施す(例えば、認知症治療薬を投与する)、又は軽度認知障害を治療する処置(例えば、認知症治療薬を投与する;軽度認知障害改善のための有酸素運動[例えば、ウォーキング、ジョギング]を行う;軽度認知障害改善のための食事療法を行う[例えば、ビタミンC、E、βカロチン、DHA、EPA、ポリフェノールを豊富に含む食べ物を食べる];認知トレーニングを行う;)を施す工程を含む、認知症の罹患(発症)の予防方法、又は軽度認知障害の治療方法;や、
軽度認知障害の判定(診断)における使用のための、ヒトHMGB1に特異的に結合する抗体、又はその標識物;
を挙げることができる。
本発明によると、軽度認知障害の罹患の有無を精度よく判定することができるため、軽度認知症障害患者に対して、適切な治療を行うことにより、あるいは、認知症予防の適切な処置を行うことにより、軽度認知症障害を早期に治療したり、認知症罹患(発症)を予防することにつながる。
本発明の軽度認知障害の判定方法としては、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を測定(必要に応じてさらに定量)する工程(a);及び被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を指標として、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否か(軽度認知障害を発症しているか否か)を判定する工程(b);を順次含む、軽度認知障害を判定する方法(以下、「本件判定方法」ということがある)であれば特に制限されず、本件判定方法は、医師による軽度認知障害の有無の診断を補助する方法であって、医師による診断行為を含まない。
本発明の軽度認知障害の判定用キットとしては、ヒトHMGB1に特異的に結合する抗体(すなわち、抗ヒトHMGB1抗体)、又は抗ヒトHMGB1抗体の標識物を備える、軽度認知障害の判定に用いるためのキット(以下、「本件判定用キット」ということがある)であれば特に制限されず、本件判定用キットは、軽度認知障害を判定するためのキットや、軽度認知障害の診断を補助するためのキットに関する用途発明であり、これらキットには、一般にこの種のキットに用いられる成分、例えば担体、pH緩衝剤、安定剤の他、取扱説明書、軽度認知障害を判定するための説明書等の添付文書が通常含まれる。
本発明において、「軽度認知障害」とは、認知機能(例えば、記憶機能、遂行機能、注意機能、視空間認知機能、言語理解機能)の低下は認められるものの、認知症の診断基準は満たさず(換言すると、認知症に罹患しておらず)、かつ、基本的な日常生活や社会生活には支障がない状態を意味する。ここで、「認知機能の低下は認められるものの、認知症の診断基準は満たさない」とは、例えば、ミニメンタルステート検査(MMSE;Mini Mental State Examination)の点数が19〜27点の範囲内(例えば、20〜27点、21〜27点、22〜27点、23〜27点、24〜27点、19〜26点、19〜25点、19〜24点、19〜23点、21〜26点、21〜25点、21〜24点、21〜23点)である;及び/又は臨床的認知症尺度(CDR;Clinical Dementia Rating)の点数が0.5点である;ことを意味する。
本明細書において、認知症としては、例えば、アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)、パーキンソン病で発症する認知症、Lewy小体型認知症、前頭側頭型認知症、進行性非流暢性失語で発症する認知症、意味性認知症、大脳皮質基底核変性症で発症する認知症を例示することができる。
上記生体試料としては、被験者(生体)由来の試料であればよく、例えば、血液試料、脳脊髄液(CSF;Cerebrospinal Fluid)試料、尿試料を挙げることができ、後述する本実施例において、その効果が実証されているため、CSF試料を好適に例示することができる。
上記工程(a)において、生体試料中のHMGB1の濃度を測定・定量する方法としては、生体試料中のHMGB1タンパク質又はそれを構成するペプチドを特異的に検出できる方法であればよく、例えば、生体試料又はその処理物(例えば、血液試料の場合、血清試料や血漿試料;脳脊髄液試料の場合、遠心処理により夾雑物を除いた脳脊髄液;尿試料の場合、遠心処理により夾雑物を除いた尿)を用いて、HMGB1タンパク質を構成するペプチドを検出する質量分析法や、HMGB1タンパク質を特異的に認識する抗体を用いた免疫学的測定法を挙げることができる。
上記免疫学的測定法としては、免疫組織化学染色法、ELISA法、EIA法、RIA法、ウェスタンブロッティング法、フローサイトメトリー等を好適に例示することができる。フローサイトメトリーは、蛍光物質(アロフィコシアニン[APC]、フィコエリトリン[PE]、FITC[fluorescein isothiocyanate]、Alexa Fluor488、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 700、PE−TexasRed、PE−Cy5、PE−Cy7等)で標識したHMGB1タンパク質に特異的に結合する抗体を用いた蛍光活性化セルソーター(FACS)により行うことができる。
本発明において、HMGB1濃度の値は、絶対値であっても、相対値であってもよい。HMGB1濃度の絶対値は、例えば、既知の濃度のHMGB1を用いて、HMGB1由来のシグナル量(例えば、蛍光量、色素量、ペプチドピーク量)と、HMGB1濃度との関係を示す検量線を作成し、かかる検量線を基に算出することができる。また、HMGB1濃度の相対値は、例えば、軽度認知障害に罹患していない対照者由来のHMGB1由来のシグナル量(例えば、蛍光量、色素量、ペプチドピーク量)を基準にして算出することができる。
上記工程(b)において、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定する方法や、上記工程(B)において、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定するためのデータを作成する方法としては、例えば、ある閾値(カットオフ値)よりも高いことを基準にして、判定する方法を挙げることができ、かかるカットオフ値としては、例えば、軽度認知障害に罹患していない対照者における生体試料中のHMGB1濃度の平均値;当該平均値+標準偏差(SD);当該平均値+2SD;当該平均値+3SD;軽度認知障害に罹患していない対照者における生体試料中のHMGB1濃度の中央値;当該HMGB1濃度の第三四分位数;当該HMGB1濃度の最大値;等を挙げることができる。また、カットオフ値は、感度(軽度認知障害に罹患している者を、正しく陽性と判定できる割合)及び特異度(軽度認知障害に罹患していない者を、正しく陰性と判定できる割合)が高くなるように、軽度認知障害患者における生体試料中のHMGB1濃度のデータと、軽度認知障害に罹患していない対照者における生体試料中のHMGB1濃度のデータを基に、統計解析ソフトウェアを用いたROC曲線を用いて算出することもできる。
上記工程(b)において、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定する方法としては、具体的には、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度と、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度とを比較し、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度が、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度よりも高い場合、被験者は軽度認知障害に罹患している可能性が高いと判定する方法等を好適に例示することができる。
また、上記工程(B)において、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定するためのデータを作成する方法としては、具体的には、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度と、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度とを比較し、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度が、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度よりも高い場合、被験者は軽度認知障害に罹患している可能性が高いと判定するためのデータを作成する方法等を好適に例示することができる。
本明細書において、「軽度認知障害に罹患していない対照者」としては、軽度認知障害に罹患していない者(被験者のコントロール)、すなわち、1)認知機能の低下は認められない;2)認知症の診断基準を満たす;及び3)基本的な日常生活や社会生活には支障がある;の1)〜3)の基準のうち、少なくとも1つの基準を満たす者であればよく、具体的には、健常者、軽度認知障害以外の疾患(例えば、アルツハイマー病、脊髄円錐症候群、視神経脊髄炎、腫瘍随伴症候群、特発性正常圧水頭症、アルコール依存症、末梢性ニューロパチー、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、肺癌、及び帯状疱疹髄膜炎の疾患から選択される1又は2以上の疾患)に罹患している患者を挙げることができ、健常者やアルツハイマー病患者を好適に例示することができる。
本発明において、軽度認知障害の判定の指標であるHMGB1は、ヒト由来のHMGB1(highmobility group box 1)タンパク質であり、具体的には、以下の[A群タンパク質]から選択される1又は2種以上のタンパク質を挙げることができる。
[A群タンパク質]
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質(HMGB1のアイソフォーム1[NCBI Reference Sequence:NP_001300821])、或いは、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、軽度認知障害患者における発現量が、軽度認知障害に罹患していない対照者と比べ高いタンパク質;
(2)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質(HMGB1のアイソフォーム4[NCBI Reference Sequence:NP_001350590])、或いは、配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、軽度認知障害患者における発現量が、軽度認知障害に罹患していない対照者と比べ高いタンパク質;
[A群タンパク質]
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質(HMGB1のアイソフォーム1[NCBI Reference Sequence:NP_001300821])、或いは、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、軽度認知障害患者における発現量が、軽度認知障害に罹患していない対照者と比べ高いタンパク質;
(2)配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質(HMGB1のアイソフォーム4[NCBI Reference Sequence:NP_001350590])、或いは、配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、軽度認知障害患者における発現量が、軽度認知障害に罹患していない対照者と比べ高いタンパク質;
上記「1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列」とは、通常1〜10個の範囲内、好ましくは1〜7個の範囲内、より好ましくは1〜6個の範囲内、さらに好ましくは1〜5個の範囲内、さらにより好ましくは1〜4個の範囲内、特に好ましくは1〜3個の範囲内、特により好ましくは1〜2個の範囲内、最も好ましくは1個の数のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加されたアミノ酸配列を意味する。
本件判定用キットにおける抗ヒトHMGB1抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体などの抗体であってもよく、また、この中には、F(ab’)2、Fab、diabody、Fv、ScFv、Sc(Fv)2などの抗体の一部からなる抗体断片も含まれる。
本件判定用キットにおいて、抗ヒトHMGB1抗体の標識物における標識物質としては、ペルオキシダーゼ(例えば、horseradish peroxidase)、アルカリフォスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコ−ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等の酵素、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド若しくはテトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質、緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescence Protein;GFP)、シアン蛍光タンパク質(CyanFluorescence Protein;CFP)、青色蛍光タンパク質(Blue FluorescenceProtein;BFP)、黄色蛍光タンパク質(Yellow Fluorescence Protein;YFP)、赤色蛍光タンパク質(Red Fluorescence Protein;RFP)、ルシフェラーゼ(luciferase)等の蛍光タンパク質、3H、14C、125I若しくは131I等の放射性同位体、ビオチン、アビジン、又は化学発光物質を挙げることができる。
本件判定用キットにおいて、抗ヒトHMGB1抗体は、公知の手法を用いて作製することができる。例えば、抗ヒトHMGB1ポリクローナル抗体は、非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ)に、ヒトHMGB1を構成するペプチドを感作抗原として免疫し、抗血清を回収し、精製する、通常の方法により製造することができる。精製は、一般的な生化学的方法、例えば塩析、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを適宜組み合わせることにより行うことができる。
また、抗ヒトHMGB1モノクローナル抗体は、例えば、公知のハイブリドーマ法により作製することができる。まず、抗体産生ハイブリドーマを作製する。ヒトHMGB1を構成するペプチドを感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法に従って哺乳動物に免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナル抗体産生細胞をクローニングする。感作抗原で免疫される哺乳動物としては、特に限定はされないが、細胞融合に使用する親細胞(ミエローマ細胞)との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般的にはげっ歯類の動物、例えば、マウス、ラット、ハムスターなどが使用されることが多い。感作抗原で哺乳動物を免疫する方法としては、公知の方法を用いることができる。上記免疫細胞と融合されるミエローマ細胞としては、公知の種々の細胞株が使用可能である。免疫細胞とミエローマ細胞の細胞融合は公知の方法、例えば、ミルスタインらの方法(Methods Enzymol. 73: 3-46 (1981))などに準じて行うことができる。得られた融合細胞は、通常の選択培地、例えば、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含む培養液)で培養することにより選択することができる。このHAT培地での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するまで、通常数日から数週間継続される。次に、通常の限界希釈法を実施し、ヒトHMGB1に結合する抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングやクローニングが行われる。このようにして得られたハイブリドーマの培養上清を精製することによって、ヒトHMGB1に結合するモノクローナル抗体を取得することができる。精製は、一般的な生化学的方法、例えば塩析、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを適宜組み合わせることにより行うことができる。
抗ヒトHMGB1モノクローナル抗体はまた、遺伝子工学的手法により抗体遺伝子を含む発現ベクターで形質転換した宿主により産生することもできる。ヒトHMGB1を構成するペプチドを感作抗原として免疫した哺乳動物の脾細胞;リンパ球;又は、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマからmRNAを取得し、これを鋳型としてcDNAライブラリーを作製することができる。感作抗原と反応する抗体を産生しているクローンをスクリーニングし、得られたクローンを培養し、培養上清から一般的な生化学的方法、例えば塩析、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを適宜組み合わせることにより目的とするモノクローナル抗体を精製することができる。また、キメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体、又はそれらの抗原結合性断片は、例えば、上記モノクローナル抗体の可変領域や超可変領域を用いて遺伝子工学的手法により作製することができる(例えば、Method in Enzymology 203: 99-121(1991))。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
1.方法
[被験者由来のCSF試料の調製]
表1に示す被験者(MCI及びADのいずれにも罹患していない者[非MCI/AD対照者]、MCI患者、及びAD患者)のうち、30名の非MCI/AD対照者(健常者19名、疾患患者11名)、21名のMCI患者、及び56名のAD患者から腰椎穿刺によりCSFを採取した後、夾雑物を除くために、遠心処理(1000×g、10分間、4℃)し、上清をCSF試料として−80℃で保存した。被験者がMCI及びADに罹患しているか否かは、世界保健機関による国際疾病分類第10版(ICD−10)において定義されているクライテリアを基に診断した。なお、MCIに罹患していると診断された被験者は、認知機能の低下は認められるものの、認知症の診断基準を満たさず、かつ基本的な日常生活に支障がない被験者である。
[被験者由来のCSF試料の調製]
表1に示す被験者(MCI及びADのいずれにも罹患していない者[非MCI/AD対照者]、MCI患者、及びAD患者)のうち、30名の非MCI/AD対照者(健常者19名、疾患患者11名)、21名のMCI患者、及び56名のAD患者から腰椎穿刺によりCSFを採取した後、夾雑物を除くために、遠心処理(1000×g、10分間、4℃)し、上清をCSF試料として−80℃で保存した。被験者がMCI及びADに罹患しているか否かは、世界保健機関による国際疾病分類第10版(ICD−10)において定義されているクライテリアを基に診断した。なお、MCIに罹患していると診断された被験者は、認知機能の低下は認められるものの、認知症の診断基準を満たさず、かつ基本的な日常生活に支障がない被験者である。
[CSF試料中のAβ及びpTauの測定]
CSF試料中の2種類のAβ(Aβ40及びAβ42)濃度は、ヒトAβ40を検出するELISAキット(292-62301、和光純薬工業社製)と、ヒトAβ42を検出するELISAキット(298-62401、和光純薬工業社製)とを用いて測定した。また、CSF試料中のpTau濃度は、INNOTEST PHOSPHO-TAU(181P)(Innogenetics社製)を用いて測定した。
CSF試料中の2種類のAβ(Aβ40及びAβ42)濃度は、ヒトAβ40を検出するELISAキット(292-62301、和光純薬工業社製)と、ヒトAβ42を検出するELISAキット(298-62401、和光純薬工業社製)とを用いて測定した。また、CSF試料中のpTau濃度は、INNOTEST PHOSPHO-TAU(181P)(Innogenetics社製)を用いて測定した。
[CSF試料中のHMGB1の測定]
ポリスチレンマイクロタイタープレート(Nunc社製)における各ウェルを、1mg/Lの抗ヒトHMGB1モノクローナル抗体(2D4、シノテスト社製)を含むPBS100μLでコートし、2〜8℃条件下で一晩インキュベートした。その後、各ウェルを、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄し、1%BSAを含むPBS400μL/ウェルでブロッキング処理し、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄した後、100μLのCSF試料を各ウェルに添加し、37℃で24時間インキュベートした。その後、各ウェルを、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄し、0.5mg/Lのペルオキシダーゼ(peroxidase)でコンジュゲートした抗ヒトHMGB1、2モノクローナル抗体(R04、シノテスト社製)を含むPBS100μLを各ウェルに添加し、室温で2時間インキュベートした。その後、各ウェルを、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄し、発色基質であるTMB(3,3’,5,5’-tetra-methylbenzidine)(同仁化学研究所社製)を各ウェルに添加した。0.35Mの硫酸ナトリウムを各ウェルに添加することによりTMBの反応処理を停止し、最大吸収波長である450nmの吸光度を、モデル680マイクロプレートリーダー(Bio-Rad社製)を用いて測定した。なお、かかる吸光度の標準曲線は、精製したブタ胸腺由来のHMGB1(シノテスト社製)を用いて作成した。
ポリスチレンマイクロタイタープレート(Nunc社製)における各ウェルを、1mg/Lの抗ヒトHMGB1モノクローナル抗体(2D4、シノテスト社製)を含むPBS100μLでコートし、2〜8℃条件下で一晩インキュベートした。その後、各ウェルを、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄し、1%BSAを含むPBS400μL/ウェルでブロッキング処理し、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄した後、100μLのCSF試料を各ウェルに添加し、37℃で24時間インキュベートした。その後、各ウェルを、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄し、0.5mg/Lのペルオキシダーゼ(peroxidase)でコンジュゲートした抗ヒトHMGB1、2モノクローナル抗体(R04、シノテスト社製)を含むPBS100μLを各ウェルに添加し、室温で2時間インキュベートした。その後、各ウェルを、0.05%Tween20を含むPBSで3回洗浄し、発色基質であるTMB(3,3’,5,5’-tetra-methylbenzidine)(同仁化学研究所社製)を各ウェルに添加した。0.35Mの硫酸ナトリウムを各ウェルに添加することによりTMBの反応処理を停止し、最大吸収波長である450nmの吸光度を、モデル680マイクロプレートリーダー(Bio-Rad社製)を用いて測定した。なお、かかる吸光度の標準曲線は、精製したブタ胸腺由来のHMGB1(シノテスト社製)を用いて作成した。
表中の「年齢」、「MMSE値」、及び「CDR値」は、平均値±標準偏差(S.D.)で示す。なお、上記14名の疾患患者は、具体的には、脊髄円錐症候群(Spinal conus syndrome)患者1名、視神経脊髄炎(Neuromyelltis optica)患者1名、腫瘍随伴症候群(Paraneoplastic syndrome)患者1名、特発性正常圧水頭症(Idiopathic normal pressure hydrocephalus)患者4名、脳幹部腫瘍(Brain stem tumor)患者1名、特発性正常圧水頭症及びアルコール依存症を有する患者1名、末梢性ニューロパチー(Peripheralneuropathy)患者1名、多発性硬化症(Multiple sclerosis)患者1名、全身性エリテマトーデス(Systemic lupus erythematosus)患者1名、肺癌及び特発性正常圧水頭症を有する患者1名、並びに帯状疱疹髄膜炎(Herpes zoster meningitis)患者1名である。
2.結果
MCI患者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値は、1548pg/mLであり、非MCI/AD対照者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(229pg/mL)や、AD患者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(327pg/mL)と比べ、高かった(図1参照)。次に、非MCI/AD対照者を、健常者と疾患患者の2つに分け、MCI患者との比較を行った。その結果、MCI患者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(1548pg/mL)は、健常者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(338pg/mL)や、疾患患者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(133pg/mL)と比べ、高かった(図3参照)。
MCI患者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値は、1548pg/mLであり、非MCI/AD対照者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(229pg/mL)や、AD患者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(327pg/mL)と比べ、高かった(図1参照)。次に、非MCI/AD対照者を、健常者と疾患患者の2つに分け、MCI患者との比較を行った。その結果、MCI患者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(1548pg/mL)は、健常者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(338pg/mL)や、疾患患者由来CSF試料中のHMGB1濃度の中央値(133pg/mL)と比べ、高かった(図3参照)。
これらの結果は、MCI患者由来の生体試料中のHMGB1濃度は、MCI患者以外の者(例えば、健常者;AD等の認知症患者)由来の生体試料中のHMGB1濃度と比べ、高いことを示している。なお、図1の「cc」、「MCI」、及び「AD」の箱ひげ図における四分位範囲は、それぞれ20〜680.75pg/mL、205〜2701pg/mL、及び3〜961.75pg/mLである。また、図3の「nc」、「dc」、「MCI」、及び「AD」の箱ひげ図における四分位範囲は、それぞれ56〜796.5pg/mL、20〜298pg/mL、205〜2701pg/mL、及び3〜961.75pg/mLである。
次に、非MCI/AD対照者(具体的には、健常者及び疾患患者)、MCI患者、及びAD患者由来のCSF試料中のHMGB1濃度の測定結果を基に、MCI患者と、非MCI/AD対照者又はAD患者とを判別するためのROC曲線を作成し(図2及び4参照)、カットオフ値を算出した。その結果、MCI患者と非MCI/AD対照者とを判別するためのカットオフ値として754を設定したところ、MCI患者の感度(MCI患者中の検査陽性者の割合)及び特異度(非MCI/AD対照者中の検査陰性者の割合)は、それぞれ86%及び80%であった。また、MCI患者とAD患者とを判別するためのカットオフ値として754を設定したところ、MCI患者の感度(MCI患者中の検査陽性者の割合)及び特異度(AD患者中の検査陰性者の割合)は、それぞれ86%及び70%であった。また、MCI患者と健常者とを判別するためのカットオフ値として992を設定したところ、MCI患者の感度(MCI患者中の検査陽性者の割合)及び特異度(健常者中の検査陰性者の割合)は、それぞれ76%及び84%であった。また、MCI患者と疾患患者とを判別するためのカットオフ値として754を設定したところ、MCI患者の感度(MCI患者中の検査陽性者の割合)及び特異度(疾患患者中の検査陰性者の割合)は、それぞれ86%及び91%であった。
これらの結果は、被験者由来の生体試料中のHMGB1濃度を測定し、適切なカットオフ値を設定すると、HMGB1濃度を指標として、被験者がMCIに罹患しているか否かを精度よく判定できることを示している。なお、MCI患者と非MCI/AD対照者とを判別するためのROC曲線(図2A参照)におけるAUC(Area Under the Curve)は、0.887であり、MCI患者とAD患者とを判別するためのROC曲線(図2B参照)におけるAUCは、0.809であり、MCI患者と健常者とを判別するためのROC曲線(図4A参照)におけるAUCは、0.861であり、MCI患者と疾患患者とを判別するためのROC曲線(図4B参照)におけるAUCは、0.931であることから、MCI患者との判別能は高いことがわかる。
本発明は、軽度認知障害の早期診断、軽度認知障害の治療、及び認知症罹患(発症)の予防に資するものである。
Claims (5)
- 以下の工程(a)及び(b)を含むことを特徴とする軽度認知障害の判定方法。
(a)被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を測定する工程;
(b)被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度を指標として、被験者が軽度認知障害に罹患しているか否かを判定する工程; - 生体試料が脳脊髄液試料であることを特徴とする請求項1に記載の判定方法。
- 工程(b)において、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度と、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度とを比較し、被験者から採取された生体試料中のHMGB1の濃度が、軽度認知障害に罹患していない対照者由来の生体試料中のHMGB1の濃度よりも高い場合、被験者は軽度認知障害に罹患している可能性が高いと判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の判定方法。
- 軽度認知障害に罹患していない対照者が、健常者又はアルツハイマー病患者であることを特徴とする請求項3に記載の判定方法。
- ヒトHMGB1に特異的に結合する抗体、又はその標識物を備えることを特徴とする軽度認知障害の判定用キット。
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