JP4142772B2 - 半導体製造装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置の制御方法に関し、詳しくは、MOCVD,プラズマCVD,光CVD等の半導体製造装置における各種操作、例えば成膜操作,パージ操作,真空引き操作等の手順を容易に作成できるとともに、その変更も容易に行うことができる半導体製造装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
半導体製造装置の制御システムとしては、一般に、プログラマブルロジックコントローラ−(以下、PLCという)が多く採用されている。このPLCは、FA(ファクトリーオートメーション)用として開発されたものであって、制御性や安定性、信頼性に優れており、現在でも各種制御用として多用されている。
【0003】
しかし、PLCは、簡易言語といわれる専用コマンド(実行コード)を用いてプログラムを作成するため、その作成や変更には、専門知識を有する技術者が必要となる。さらに、専用コマンドは、PLCの機種によって相違するため、機種の異なったPLCを使用する際には、数種類の専用コマンドを駆使しなければならない。
【0004】
一方、近年は、パーソナルコンピューター(以下、PCという)を使用して各種制御を行うことが試みられている。PCは、オペレーションシステム(OS)を統一することにより、様々な機種で同様の操作が可能であり、汎用性に優れているという利点を有している。
【0005】
ところが、PCは、制御点が少なければ非常に有効な制御システムを構築できるが、半導体製造装置のように、多数の制御点を有する装置の制御システムとして用いる場合は、そのスピードや安定性に不安が残り、実用化には至っていない。
【0006】
そこで本発明は、PLC及びPCのそれぞれ長所を生かして確実な制御を行えるとともに、その操作手順の作成や変更を容易に行うことができる半導体製造装置の制御方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の半導体製造装置の制御方法は、半導体薄膜を形成する基板を収納したリアクタ−内に所定の原料ガスを供給して半導体薄膜を形成する半導体製造装置の運転を制御するための方法であって、該半導体製造装置で使用する弁の開閉及び排気用真空ポンプの運転の制御をプログラマブルロジックコントローラ−により行うとともに、該プログラマブルロジックコントローラ−に記述されたコマンドと、該コマンドによる制御の対象となる弁及び排気用真空ポンプ並びにそれらの操作手順とを対応させた変換手段にて前記コマンドを変換してパーソナルコンピューターに記憶させ、該パーソナルコンピューターでは、前記弁及び排気用真空ポンプ並びにそれらの操作手順を用いて前記プログラマブルロジックコントローラ−のプログラムに対応したフローチャート形式のステップシーケンスを作成し、該ステップシーケンスにおける各命令を前記変換手段にて前記コマンドに置換えて前記プログラマブルロジックコントローラ−に出力し、かつ、前記操作による制御結果を前記プログラマブルロジックコントローラ−から前記変換手段を介して受取ることにより、前記ステップシーケンスに基づいて、次に行うべき動作を判断し、各命令をインタープリタ形式で前記変換手段を介して前記プログラマブルロジックコントローラ−に伝達して所定の操作手順を実行することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の制御対象となる半導体製造装置の一つのMOCVD装置の要部を示す概略系統図である。MOCVD装置は、基板を所定温度に保持したリアクタ1内に所定の原料ガスを供給して有機金属系半導体薄膜を形成するものであって、リアクタ1には、原料ガスやパージガスを導入するための複数の配管と、これらを排気するための配管が設けられるとともに、基板を交換するためのグローブボックス2やバスボックス3がハッチ1a,2aを介して連設されている。
【0009】
ガス供給系統としては、アルシンやホスフィン、トリメチルガリウムやトリメチルアルミニウム等の原料成分を供給する成膜原料供給源100,120,300,320と、キャリアガスや希釈ガスさらにはパージガスとしても用いられる水素等を供給するキャリアガス供給源600と、窒素ガス等のパージガスを供給するパージガス供給源700と、系内の排気を行うためのターボ分子ポンプTMP,ロータリーポンプRP1,RP2,除害装置800等が設けられている。
【0010】
これらの供給源と前記リアクタ1等とを接続する各ガス配管には、手動弁(MV)やレギュレーター(RV)、ニードルバルブ(NV)のように、通常は操作を行わない弁と、空気圧により開閉する自動弁(AV)とが所定の位置に設けられている。また、配管内の流量を調節するマスフローコントローラー(MFC),圧力を検出する圧力計(PI,PIA,PICA),差圧計(DPI)のような計測器も所定の位置に設けられており、キャリアガス供給源600及びパージガス供給源700からの配管には、ガス精製器601,701がそれぞれ設けられている。
【0011】
例えば、成膜原料供給源100から供給される原料ガスは、自動弁AV106が開,自動弁AV100が開,自動弁AV102が開,自動弁AV103が閉の状態で、レギュレーター(圧力調整器)RV100で所定圧力に設定され、マスフローコントローラー(流量調節器)MFC100で所定流量に設定されてリアクタ1に供給される。
【0012】
また、上記原料ガスを所定濃度に希釈する希釈ガスは、キャリアガス供給源600から、手動弁MV600が開,自動弁AV600が開,自動弁AV601が開,自動弁AV610が開の状態で供給され、自動弁AV102で前記原料ガスに合流する。この希釈ガスは、精製器601で精製され、レギュレーターRV601で所定圧力に設定され、マスフローコントローラーMFC610で所定流量に設定されて供給される。
【0013】
成膜原料供給源100からの原料ガスの供給を一時停止する場合は、自動弁AV102を閉じて自動弁AV103を開くことにより行われる。このとき、原料ガスは、パージガス供給源700から手動弁MV700,自動弁AV700,精製器701,レギュレーターRV701,手動弁MV701,自動弁AV710,マスフローコントローラーMFC710を経て供給されるパージガスに同伴され、手動弁MV711,自動弁AV711を通り、除害装置800を経て排出される。
【0014】
成膜原料供給源120から原料ガスを供給する場合は、120番台の符号の各自動弁を上記100番台の符号の各自動弁と同様に開閉することにより行うことができる。
【0015】
一方、キャリアガスによって搬送する成膜原料供給源300,320の原料ガスも、300番台あるいは320番台の各自動弁を開閉することにより、所定圧力,所定流量で供給することができる。
【0016】
上述のような成膜運転時における各自動弁の開閉操作は、前述のプログラマブルロジックコントローラ−(PLC)に記述されたコマンドにより行われ、例えば、自動弁AV100の開操作は「SET 010015」、閉操作は「RESET 010015」というようなコマンドをPLCから出力することにより行われる。また、例えば圧力指示調節器PICA800の圧力を760Torrに設定する場合は、「MOV 0281 #760」というようなコマンドが用いられ、圧力指示調節器PICA800からの測定値をPLCに返す場合も、測定圧力が460Torrの場合、「MOV #460 0281」というような書式のコマンドが用いられる。
【0017】
したがって、PLCのプログラムには、上述のような複数桁の数値あるいはアルファベットからなるコマンドが記述されることになり、意味のない数字や符号が並ぶだけとなる。すなわち、PLCのプログラムを作成する場合も、プログラムの内容を読み取る場合も、各自動弁等に付与した機器名称及びその作動等と、PLCのコマンドとを対応させた表を確認しながら行わなければならず、多大な労力及び時間を必要とする。
【0018】
さらに、図1に示す例では、ガス系の原料と、固体あるいは液体系の原料とを各々2系統ずつ設けているが、実際の装置の場合、5系統以上を設ける場合があり、コマンドの数も膨大なものとなる。しかも、これらの系統を増減する場合は、その系統の自動弁等だけに対するコマンドだけでなく、他の系統との競合を防止したり、同時に操作する系統との関連も考慮に入れなければならず、一つの系統の増減だけでも多大な手間となる。
【0019】
図2は、本発明の制御方法を実施するための装置構成の一例を示すブロック図であって、上述のようなMOCVD装置10を制御するためのプログラマブルロジックコントローラ−(PLC)11と、該PLCのコマンドと機器名称や開閉操作手順等とを対応させた変換手段12と、機器名称や開閉操作手順等を用いてフローチャート形式のステップシーケンスを作成するためのパーソナルコンピューター(PC)13及びその入出力手段14とを備えている。
【0020】
前記PC13は、通常のOSを使用した一般的なものであって、CPU,ハードディスク等の記憶手段,各種コネクタ等を備えている。前記入出力手段14は、ディスプレイ,マウス,キーボード等の通常のものであって、PC13からの各種情報の表示や各種入力を行う。なお、変換手段12は、通常、PC13内に組み込まれている。
【0021】
変換手段12は、テーブルやデータベースを使用してPC13とPLC11との間のデータ変換を行うものであって、例えば、PC13から「自動弁AV100を開く」という命令が出力されたときには、これに対応する「010015」に「1」をセット(閉じる場合は「0」をセット)したデータをPLC11に出力する。逆に、PLC11からは、圧力指示調節器PICA800の測定圧力が460Torrのとき、「0281」が460というデータ、すなわち、「MOV #0460 281」というデータが変換手段12に出力され、変換手段12では、これを「PICA800=460」というデータに変換してPC13に出力する。
【0022】
図3は、前記入出力手段14のディスプレイ14aに表示したシーケンス実行スイッチの一例を示すものであって、ここでは、水素(H2)パージスイッチ21、真空引きスイッチ22、成膜スイッチ23a,23b,23c、窒素(N2)パージスイッチ24、終了スイッチ25が設定されている。
【0023】
各スイッチには、所定のステップシーケンスが割り当てられており、例えば、H2パージスイッチ21をマウスでクリックすると、図4乃至図6に示すようなフローチャート形式のH2パージのためのステップシーケンスが作動する。なお、シーケンスの進行中、記載された自動弁以外の自動弁は全て基準状態となっている。
【0024】
まず、ステップS31でH2パージスイッチ21が押されると、ステップS32で警報インターロックA〜Dが動作して警報が発報中でないことを確認し、ステップS33でリアクタ1とグローブボックス2との間のハッチ1aが閉じていることを確認し、ステップS34でターボ分子ポンプTMPが停止中であることを確認し、ステップS35でブザー3が発音中でないことを確認し、さらに、ステップS36で他の機能シーケンスが実行中でないことを確認してから、ステップS37(図5)以下のH2パージの実行に進む。
【0025】
なお、ブザー3が発音中ということは、後述のように、いずれかのシーケンスの終了処理を行っている状態であるから、この場合もH2パージを行えないようにする。
【0026】
上述の各確認ステップが終了してステップS37に進むと、最初に、自動弁AV600,601,…,712,722を開く命令が出される。このとき、PC上のソフトでは、この記述が四角の枠内に記述されていることで処理命令と判断し、各自動弁毎に、例えば、「AV600=ON」、「AV601=ON」という処理を行う。この処理命令は、インタープリタ形式で順次解読されて変換手段12に出力され、各処理命令が所定のPLC用専用コマンドに置き換えられてPLC11に出力され、最終的にMOCVD装置10の所定の自動弁を開く処理が行われる。
【0027】
このステップS37で上記各自動弁が開かれることにより、キャリアガス供給源600から、パージガスとして水素ガスが、運転中は減圧状態であった系内に各経路を通って充填されることになる。
【0028】
1秒のタイムアウト後、系内各部の圧力が常圧に達したことを確認するためのステップS40,S41,S42に進む。ステップS40は、成膜原料供給源100,120側の排気経路の圧力を、接点ONが0kg/cm2Gに設定されている圧力計PIA710の接点の状態で確認し、経路内が常圧になり、接点がONになったときに次のステップS43に進む。ステップS41では、成膜原料供給源300,320側の排気経路の圧力を圧力計PIA720で測定し、経路内が常圧になり、接点がONになっってからステップS44に進む。同様に、ステップS42では、リアクタ1の排気経路の圧力を、接点OFFが740Torrに設定されている圧力指示調節計PICA800で測定し、接点がOFFになってからステップS45に進む。各ステップS43,S44,S45では、接点ONあるいは接点OFFの状態が2秒以上保持されたことを確認する。
【0029】
上記各ステップS40〜S45では、各記述が菱形の枠内に記述されていることで、これらが条件待ちの命令であると判断し、PC上のソフトでは、例えば、「IF PIA710=ON THEN S43」というような条件待ちの処理が行われ、変換手段12を介してPLC11に伝達され、PLC11では該当する圧力計等の接点の状況、すなわち接点ONあるいはOFFを判定し、専用コマンドで変換手段12に返答する。変換手段12では、この専用コマンドをPC上のソフトに対応した言語に変換してPC13に戻し、次のステップに進む条件が得られたかを判定する。
【0030】
前記ステップS43での条件が満たされると、ステップS46で自動弁AV712を閉じ、ステップS47で自動弁AV711を開く処理が行われる。同様に、前記ステップS44での条件が満たされると、ステップS48で自動弁AV722を閉じ、ステップS49で自動弁AV721を開く処理が行われる。さらに、ステップS45での条件が満たされると、ステップS50で自動弁AV802を開く処理が行われる。
【0031】
ステップS47,S49,S50での各処理が全て終了すると、1秒のタイムアウト後、ステップS51で自動弁AV820を開く処理が行われ、続いて1秒のタイムアウト後、ステップS52で自動弁AV303及び自動弁AV323を開く処理が行われる。
【0032】
さらに、1秒のタイムアウト後、ステップS53で自動弁AV101,AV121,AV311,AV321を開く処理が行われ、2秒のタイムアウト後、ステップS54で自動弁AV103,AV123,AV306,AV326を開く処理が行われてH2パージの一連の操作が終了する。
【0033】
H2パージ工程の終了は、ステップS55でのブザー3の発音により告知され、ステップS56でブザー停止スイッチが押されるか、ブザー3の発音が20秒間行われるかした後、ステップS57でブザー3の発音が停止してH2パージシーケンス全体が終了する。
【0034】
図7及び図8は、真空引きスイッチ22に割り当てられたリアクタ1の真空引き用のステップシーケンスの一例を示すものである。なお、各自動弁の開閉状態は、上記H2パージ工程が終了した状態となっている。
【0035】
ステップS61で真空引きスイッチ22が押されると、ステップS62で警報インターロックA〜Dが動作して警報が発報中でないことを確認した後、ステップ63でリアクタ1とグローブボックス2との間のハッチ1aが閉じていることを確認し、警報インターロックA〜Dが動作中であったり、ハッチ1aが閉じていない場合は、処理が中止される。さらに、ステップS64でH2パージ状態であることを確認した後、ステップS65でブザー3が発音中でないことを確認し、さらに、ステップS66で他の機能シーケンスが実行中でないことを確認する。
【0036】
そして、ステップS67でロータリーポンプRP2の運転を開始し、真空引きを開始する。1秒のタイムアウト後、ステップS68で、自動弁AV711,AV721,802を閉じて除害装置800側の経路を遮断するとともに、自動弁AV712,AV722,824を開いてリアクタ1及びキャリアガス経路等をロータリーポンプRP2の吸入側に連通させる。これにより、手動弁MV824の開度に応じた適当な排気量での真空引きが行われる。
【0037】
3分経過後に、ステップS69で自動弁AV822が開かれ、上記自動弁AV824の経路との二経路での真空引きが始まる。このときの排気量は、手動弁MV824,MV822の開度により調節できる。さらに、1分経過後に、ステップS70で自動弁AV821が開かれ、3経路での真空引きが始まり、リアクタ1内等が所定の真空度に真空引きされる。
【0038】
最後に、ステップS71でブザー3が発音し、ステップS72でブザー停止スイッチが押されるか、ブザー3の発音が20秒間行われるかした後、ステップS73でブザー3の発音が停止して真空引き工程の一連の操作が終了する。
【0039】
なお、上述のH2パージを行うステップシーケンスと、真空引きを行うステップシーケンスとを別に作成しておき、前記シーケンス実行スイッチとして、H2パージとクリーニングとを連続して行うためのスイッチを登録しておくこともできる。
【0040】
このように、PC13にあらかじめ入力して記憶させておいた各種ステップシーケンスを変換手段12によってPLC11用の専用コマンドに変換して装置の運転を制御することにより、ステップシーケンスの作成や変更を極めて容易に行うことが可能となる。
【0041】
例えば、図9は、前記H2パージシーケンスにおけるステップS40〜S50と同様のステップを作成する際の操作の一例を示すものである。まず、710系統のステップであるステップS40,S46,S47と、800系統のステップであるステップS42,S50を作成する。
【0042】
ステップS40,S42の作成は、あらかじめPC内に記憶させておいた、「判定」を指示する菱形の枠及び「YES」のライン,「NO」のラインを含むステップ部分を入出力手段14であるディスプレイに呼び出し、菱形の枠内に判定対象の名称とその動作、この場合は「PIA710=ON」と「PICA800=OFF」とをキーボードから入力すればよい。同様に、ステップS46,S47,S50は、「処理」を指示する四角い枠を呼び出して枠内に自動弁の名称とON(開),OFF(閉)とを入力すればよく、その上下のラインを接続することにより、所定のステップを作成することができる。
【0043】
720系統のステップS41〜S49に至るステップを作成する際には、まず、図9(A)に示すように、710系統のステップS40〜S47に至るステップを、PC上の操作でコピーと貼り付けとを使用して想像線の枠内に示すステップS40′〜S47′をコピーする。
【0044】
次に、図9(B)に示すように、各ステップにおける710系統の記述を720系統の記述に訂正してステップS41〜S49の各ステップを作成する。最後に、図9(C)に示すように、上下の分岐ラインL1,L2により各系統を接続し、分岐点P1や集合点P2の位置を整えることにより、720系統のステップが加えられたことになる。
【0045】
すなわち、フローチャートを記述する際の、「判定」,「処理」,「表示」,「タイマー」等の各種記号をあらかじめ設定しておき、これらの記号を呼び出して、その中に所定の機器名称及び操作手順を記述することにより、一連のフローチャート形式のステップシーケンスを作成することができる。また、図9に示したようなコピーと貼り付けとを使用することにより、同様の操作手順を簡単に加えることができる。
【0046】
さらに、MOCVD装置10では、作成する薄膜の種類や特性等に応じて多種類の原料ガスを用いるため、成膜原料供給源の設置数が各装置で変動することが多い。このような場合でも、各成膜原料供給源における各経路の構成は、原料の性状によって前記成膜原料供給源100,120の系統ようなガス状の場合と、成膜原料供給源300,320の系統ような液状又は固体状の場合とのいずれかとなるので、想定される最大の設置数に対応したデータ変換テーブルを前記変換手段12に記憶させておくことにより、成膜原料供給源の増減にも容易に対応できる。
【0047】
すなわち、成膜原料供給源100,120と同様の成膜原料供給源140を追加する場合は、100系統の経路に設けられた自動弁等の記述に140系統の自動弁等の記述を加えるだけでよい。例えば、前記H2パージシーケンスでは、ステップS53に、AV101に相当するAV141を加えるとともに、ステップS54に、AV103に相当するAV143を加えることにより、140系統における所定のH2パージを行うことができる。
【0048】
したがって、ディスプレイに既存のステップシーケンスあるいは標準的なステップシーケンスを表示させて図1に示したような系統図を参照するだけで、成膜原料供給源の増減に応じた新たなステップシーケンスを作成することができる。さらに、各系統における自動弁の名称等を、その設置位置に応じて同じような名称、例えば各系統における自動弁等の名称の下一桁を同じ数値(記号)にしておくことにより、追加や削除を簡単かつ確実に行うことができる。同様に、成膜運転における各自動弁等の操作も、一つの系統についてのステップを利用することにより、他の系統のステップを容易に作成することができる。
【0049】
また、MOCVD装置10の基本仕様決定の際に、全てのコマンドを変換手段12に登録しておくことにより、様々な装置仕様に対応することができ、PLC11の専用コマンドを使用してプログラムを変更する必要がないので、装置使用者の要望に沿った仕様の装置を容易に製作することができ、納入までの期間を短縮することができる。さらに、納入後のプログラムの変更も容易に行うことができるので、使用者自身によるプログラムの変更等も可能となる。
【0050】
加えて、実行中のプログラムのフローチャートをディスプレイ14aに表示するとともに、終了したステップや処理中のステップの色表示により、プログラムの進行状況を容易に把握することができる。
【0051】
なお、本発明は、上述のMOCVD装置の他、プラズマCVD,光CVD等の各種半導体製造装置にも適用が可能であり、上述の自動弁等の操作の他、温度や電流,電圧等、制御対象に応じた各種制御を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体製造装置の制御方法によれば、装置の運転操作をPLCにより安定して確実に行えるとともに、プログラムの作成や変更は、PCによって容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 半導体製造装置の要部を示す概略系統図である。
【図2】 制御装置の一構成例を示すブロック図である。
【図3】 ディスプレイに表示したシーケンス実行スイッチの一例を示す図である。
【図4】 H2パージのフローチャートの一例を示す図である。
【図5】 H2パージのフローチャートの一例を示す図である。
【図6】 H2パージのフローチャートの一例を示す図である。
【図7】 真空引きのフローチャートの一例を示す図である。
【図8】 真空引きのフローチャートの一例を示す図である。
【図9】 ステップを作成する際の操作の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…リアクタ、2…グローブボックス、1a,2a…ハッチ、10…MOCVD装置、11…プログラマブルロジックコントローラ−(PLC)、12…変換手段、13…パーソナルコンピューター(PC)、14…入出力手段、100,120,300,320…成膜原料供給源、600…キャリアガス供給源、700…パージガス供給源、800…除害装置
Claims (1)
- 半導体薄膜を形成する基板を収納したリアクタ−内に所定の原料ガスを供給して半導体薄膜を形成する半導体製造装置の運転を制御するための方法であって、
該半導体製造装置で使用する弁の開閉及び排気用真空ポンプの運転の制御をプログラマブルロジックコントローラ−により行うとともに、
該プログラマブルロジックコントローラ−に記述されたコマンドと、該コマンドによる制御の対象となる弁及び排気用真空ポンプ並びにそれらの操作手順とを対応させた変換手段にて前記コマンドを変換してパーソナルコンピューターに記憶させ、
該パーソナルコンピューターでは、前記弁及び排気用真空ポンプ並びにそれらの操作手順を用いて前記プログラマブルロジックコントローラ−のプログラムに対応したフローチャート形式のステップシーケンスを作成し、該ステップシーケンスにおける各命令を前記変換手段にて前記コマンドに置換えて前記プログラマブルロジックコントローラ−に出力し、かつ、前記操作による制御結果を前記プログラマブルロジックコントローラ−から前記変換手段を介して受取ることにより、前記ステップシーケンスに基づいて、次に行うべき動作を判断し、各命令をインタープリタ形式で前記変換手段を介して前記プログラマブルロジックコントローラ−に伝達して所定の操作手順を実行することを特徴とする半導体製造装置の制御方法。
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