JP4142087B2 - 投写型表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は反射型液晶素子のような反射型変調素子により形成された表示画像を投写面に投写表示する、投写型表示装置に関するものである。
今日、大画面の画像を表示する方法として、反射型液晶素子を変調素子として用いた投写型表示装置が知られている。このような投写型表示装置の代表的な構成例を図13に示す。光源部10は光源ランプ11と放物面リフレクター12とから構成されており、光源ランプ11から出射された光は放物面リフレクター12により反射されて偏光ビームスプリッタ20へ入射する。そして、特定の偏光光のみが偏光ビームスプリッタ20の偏光分離面21で反射されて、ダイクロイックプリズム50へ入射する。さらに、ダイクロイックプリズム50によって赤色光、緑色光、青色光に分離されて、それぞれの色光に対応した反射型液晶素子30R、30G、30Bに照射され、反射型液晶素子30R、30G、30Bによって変調される。反射型液晶素子30R、30G、30Bによって変調された各色光は、ダイクロイックプリズム50によって合成され、偏光ビームスプリッタ20側へ出射される。そして、偏光ビームスプリッタ20の偏光分離面21を透過してきた光が投写光学系60を介して投写面70上に投写される。
特開平3−63690号公報
しかしながら、従来の投写型表示装置では、光源ランプ11と放物面リフレクター12とから構成される光源部10からの出射光束が、光束の断面内で不均一な光強度分布を有しており、光源光軸近傍の照明光の光強度は大きく、光軸から離れるにしたがって照明光の光強度は小さくなるという特性を持つ。したがって、図10に示した従来の投写型表示装置においては、被照明領域である液晶素子30R、30G、30Bにおける照明光の光強度分布が不均一となり、投写面70上に投写される画像に明るさムラや色ムラが生じてしまうという問題点がある。
そこで、本発明は、明るさが均一で、投写画像にムラの少ない投写型表示装置を提供することを目的とする。
本発明の投写型表示装置は、光源と、
前記光源から出射された光を変調する反射型変調素子と、
前記反射型変調素子によって変調された光を投写する投写光学系と、
前記光源と前記反射型変調素子との間の光路中に配置され、前記光源から出射された光を反射または透過させて前記反射型変調素子に到達させるとともに、前記反射型変調素子により変調された光を透過または反射させて前記投写光学系へ到達させる偏光光束選択素子と、を有する投写型表示装置であって、
前記光源と前記偏光光束選択素子との間には、前記光源から出射された光束を複数の中間光束に分割する第1の光学要素と、前記第1の光学要素の光出射面側に配置された第2の光学要素と、前記偏光光束選択素子と前記反射型変調素子との間に配置され、前記第2の光学要素から出射された光束を集光する集光レンズと、が設けられ、
前記第2の光学要素は、前記中間光束のそれぞれをP偏光光束とS偏光光束とに分離し、前記P偏光光束、S偏光光束のうちいずれか一方の偏光方向をλ/2位相差層によって他方の偏光光束の偏光方向と揃えて出射する偏光変換素子と、前記偏光変換素子の光出射面側に配置され、前記中間光束のそれぞれを前記集光レンズを介して前記反射型変調素子に重畳させる重畳素子と、を有することを特徴とする。
本発明の投写型表示装置の上記構成によれば、光源からの光束を複数の中間光束に分割し、それらの中間光束を被照明領域上で重畳することにより、単一光束の場合よりも照度のムラを低減することができる。よって、光源からの出射光束が光束の断面内で不均一な光強度分布を有していた場合でも、明るさが均一な照明光を得ることができる。特に、光源ランプと放物面等のリフレクターとからなる光源から出射される光束に見られるように、光束の光強度分布が全く無秩序ではなく、光強度分布に一定の傾向を有している場合には、上記の光学要素を用いることにより、被照明領域における照明光の光強度分布やその角度分布をきわめて均一なものとすることができる。このように、明るさが均一な照明光によって反射型変調素子を照明することにより、明るさが均一で、投写画像にムラの少ない投写型表示装置を提供することが可能となる。
ここで、光源からの光束を複数の中間光束に分離した場合、偏光光束選択素子に入射する光は発散光となってしまう。従って、誘電体多層膜によって構成される偏光ビームスプリッタのように、入射光の角度によって偏光光束の選択特性が変化しやすい偏光光束選択素子を用いた場合には、偏光光束選択素子の選択特性の変化による照度ムラが発生してしまうこととなる。しかしながら、本実施形態では、偏光光束選択素子と反射型変調素子との間に、光学要素から出射された光束を集光する集光レンズが設けられているため、反射型変調素子から出射される光の発散を低減することができる。従って、光源からの光束を複数の中間光束に分離する光学素子を用いているにもかかわらず、偏光光束選択素子の選択特性の変化による照度ムラを低減することができるので、極めて明るさが均一で、投写画像にムラの少ない投写型表示装置を提供することが可能となる。
また、第2の光学要素によって、中間光束をP偏光光束、S偏光光束に分離した後、どちらか一方の偏光方向を他方の偏光方向と揃え、最終的に一箇所の被照明領域上に重畳させることができる。従来の投写型表示装置においては、P偏光光束、S偏光光束のいずれか一方しか用いることができず、光損失が大きなものもあったが、本発明の第2の光学要素を用いれば、どちらの偏光光束も無駄なく用いることが可能となるため、明るい画像を得ることが可能となる。また、分割された複数の中間光束を、最終的に一箇所の被照明領域上で重畳させるため、光源からの出射光束が光束の断面内で不均一な光強度分布を有していた場合でも、明るさが均一な偏光光束を照明光として得ることができる。特に、均等な光強度や分光特性で中間光束をP偏光光束とS偏光光束に分離できない場合や、両偏光光束の偏光方向を揃える過程で一方の偏光光束の光強度やその分光特性が変化した場合においても、明るさが均一で色ムラの少ない偏光光束を照明光として得ることができる。
さらに、偏光光束選択素子と反射型変調素子との間に、第1の光学要素から出射された光束を集光する集光レンズを設けることによって、投写レンズへ入射する光の広がりが抑えられるため、投写光学系への光の入射効率をも高めることができる。よって、大口径の投写光学系を用いなくともきわめて明るい投写画像を得ることが可能となる
また、集光レンズの焦点距離を、第1の光学要素の焦点位置から集光レンズの主点までの光路長の約2倍とすれば、反射型変調素子によって変調され、当該集光レンズを介して偏光光束選択素子に出射される光を平行光とすることが可能となり、偏光光束選択素子の選択特性の変化による照度ムラを低減する上で、効果的である。
さらに、集光レンズの焦点距離を、第1の光学要素の焦点位置から集光レンズの主点までの光路長とほぼ等しくすれば、投写光学系への光の入射効率を高める上で、効果的である。
なお、本発明の投写型表示装置において、集光レンズを偏光光束選択素子の光入射面あるいは反射型変調素子の光入出射面に取り付けるようにすれば、集光レンズと偏光光束選択素子、あるいは集光レンズと反射型変調素子との界面において発生する光損失を防ぐことができ、さらに光の利用効率を高めることが可能となる。
また、光学素子と前記偏光光束選択素子との間の光路中や、前記偏光光束選択素子と前記投写光学系との間の光路中に偏光素子を配置することが好ましい。前者の位置に偏光素子を配置すれば、偏光光束選択素子に入射する偏光光束、結果的には反射型変調素子を照明する照明光の偏光度を高めることができる。後者の位置に偏光素子を配置すれば、偏光光束選択素子から出射する偏光光束、結果的には投写光学系を介して表示面、あるいは投写面上に投写される画像の偏光度を高めることができる。したがって、このように偏光素子を配置することにより、投写画像のコントラストを高めることができ、きわめて質の高い投写画像を得ることが可能となる。
以上述べたように、本発明の投写型表示装置によれば、明るさが均一で、画質の良い投写型表示装置を得ることができる。また、大口径の投写光学系を用いなくとも明るい投写画像を得ることが可能である。
以下に、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(の実施形態)を説明する。以下の各の実施形態においては、互いに直交する3つの方向を、便宜的にX方向、Y方向、Z方向とし、Z方向を光の進行方向とした。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる投写型表示装置の要部を平面的に見た概略構成図である。なお、図1は、後に詳しく述べる第1の光学要素120の中心を通るXZ平面における断面図である。
本実施形態の投写型表示装置は、システム光軸Lに沿って配置した光源部110、第1の光学要素120、第2の光学要素130から概略構成される偏光照明装置100、偏光照明装置100からの光を反射させて反射型液晶素子300に到達させるとともに、反射型液晶素子300により変調された光を透過させて投写光学系600へ到達させるS偏光光束反射膜201を備えた偏光ビームスプリッタ200、偏光ビームスプリッタ200から出射された光を変調する反射型液晶素子300、反射型液晶素子300にて変調された光を投写面700に投写する投写光学系600から大略構成されている。
光源部110は、光源ランプ111と、放物面リフレクター112とから大略構成されている。光源ランプ111から放射された光は、放物面リフレクター112によって一方向に反射され、略平行な光束となって第1の光学要素120に入射する。ここで、光源ランプ111としては、メタルハライドランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ等が、また、リフレクターとしては本実施形態に挙げた放物面リフレクター112の他に、楕円リフレクター、球面リフレクター等が使用できる。
第1の光学要素120は、その外観を図2に示す様に、マトリックス状に配列された複数の矩形の光束分割レンズ121を備えたレンズアレイである。光源部110と第1の光学要素120との位置関係は、光源光軸Rが第1の光学要素120の中心に来るように設定されている。第1の光学要素120に入射した光は、光束分割レンズ121により複数の中間光束122に分割され、同時に光束分割レンズの集光作用により、システム光軸Lと垂直な平面内(図1ではXY平面)の中間光束が集束する位置に光束分割レンズの数と同数の集光像123を形成する。尚、光束分割レンズ121のXY平面上における断面形状は反射型液晶素子300の表示領域(被照明領域)の形状とほぼ相似形をなすように設計すると良い。本実施形態では、XY平面上でX方向に長い長方形の被照明領域を想定しているため、光束分割レンズ121のXY平面上における断面形状もX方向に長い長方形としてある。
次に、第2の光学要素130の機能について説明する。
第2の光学要素130は、集光レンズアレイ131、偏光分離ユニットアレイ141と選択位相差板147とからなる板状の偏光変換素子140、偏光変換素子140から出射された中間光束を後述する集光レンズ400を介して反射型液晶素子300に重畳させる出射側レンズ150から大略構成される複合体である。第2の光学要素130は、第1の光学要素の光出射面側に、システム光軸Lに対してほぼ垂直となるように配置される。この第2の光学要素130は、中間光束122のそれぞれをP偏光光束とS偏光光束とに分離した後、一方の偏光光束の偏光方向と他方の偏光光束の偏光方向とを揃え、偏光方向がほぼ揃ったそれぞれの光束を一箇所の被照明領域に導くという機能を有している。
集光レンズアレイ131は、図2に示した第1の光学要素120と同様に、第1の光学要素120を構成する光束分割レンズ121と同数の集光レンズ132が、マトリックス状に複数配列されたものである。集光レンズアレイ131は、中間光束122のそれぞれを偏光分離ユニットアレイ141の特定の場所に集光しながら導くとともに、中間光束122の光軸をシステム光軸Lと平行にするという機能を有している。したがって、各集光レンズのレンズ特性は、第1の光学要素120により分割された中間光束122の特性に合わせて、また、偏光分離ユニットアレイ141に入射する光の主光線の傾きがシステム光軸Lと平行となるように、各々最適化されることが望ましい。但し、光学系の低コスト化および設計の容易さを考慮して、第1の光学要素120と全く同じレンズアレイを用いるか、あるいは、XY平面における断面形状が、第1の光学要素120を構成する光束分割レンズ121とほぼ相似形をなす集光レンズで構成したレンズアレイを用いても良い。本実施形態の場合には、第1の光学要素120と同じレンズアレイを集光レンズアレイ131として用いている。尚、第1の光学要素120に入射する光束の平行性がきわめて高い場合には、第2の光学要素から集光レンズアレイ131を省略しても良い。
偏光分離ユニットアレイ141は、図3(A)に示されたように、X方向に配列された複数の偏光分離ユニット142から構成されている。偏光分離ユニット142は、光学ガラス等からなるプリズム内に一対の偏光分離面143と反射面144とを備えた四角柱状の構造体であり、入射する中間光束122のそれぞれをP偏光光束とS偏光光束とに分離する機能を有している。尚、偏光分離ユニットアレイ141は、交互に繰り返し配列した偏光分離面143と反射面144とをその内部に有する構造体であれば良く、必ずしも、複数の偏光分離ユニット142によって構成される必要はない。偏光分離ユニットアレイの機能の理解を容易にするために、偏光分離ユニット142という概念を導入したに過ぎない。
偏光分離面143と反射面144とはX方向に交互に並ぶように配置されていおり、それぞれシステム光軸Lに対して約45度の傾きをなしている。また、偏光分離面143と反射面144とは互いに重なり合わないように配置されている。また、偏光分離面143をXY平面上に投影した面積と反射面144をXY平面上に投影した面積とはそれぞれ等しい。偏光分離面143は誘電体多層膜等で、また、反射面144は誘電体多層膜、アルミニウム膜等で形成することができる。
偏光分離ユニット142に入射した光は、偏光分離面143を透過するP偏光光束と、偏光分離面143で反射されて反射面144の方向に進行方向を変えるS偏光光束とに分離される。P偏光光束は偏光分離ユニット142のP偏光光束出射面145から出射される。一方、S偏光光束は反射面144で反射され、P偏光光束とほぼ平行な状態となって、偏光分離ユニット142のS偏光光束出射面146から出射される。すなわち、偏光分離ユニット142に入射したランダムな偏光方向を有する中間光束122は、偏光分離ユニット142によりP偏光光束とS偏光光束とに分離され、それぞれ偏光分離ユニット142のP偏光光束出射面145、S偏光光束出射面146からほぼ同じ方向に向けて出射される。
なお、本実施形態の偏光照明装置100では、偏光分離ユニット142の偏光分離面143上にそれぞれの中間光束122を導く必要がある。したがって、本実施形態では、図1に示すように、偏光分離面143の中央部に中間光束123が集光されるように、集光レンズアレイ131が偏光分離ユニット142の横幅の1/4に相当する距離だけ、偏光分離ユニットアレイ141に対してX方向にずらした状態で配置されている。また、その結果、光源部110も、その光源光軸Rがシステム光軸Lに対して偏光分離ユニット142の横幅の1/4に相当する距離だけX方向に平行シフトした状態となるように配置されている。
偏光分離ユニットアレイ141の光出射面側には、λ/2位相差層148が規則的に形成された選択位相差板147が設置されている。図3(B)に選択位相差板147の例を示す。
選択位相差板147は、偏光分離ユニット142のP偏光光束出射面145の部分にのみλ/2位相差層148が形成され、S偏光光束出射面146の部分にはλ/2位相差層148が形成されていない光学素子である。したがって、偏光分離ユニット142から出射されたP偏光光束は、選択位相差板147を通過する際にλ/2位相差層148によって偏光方向の回転作用を受け、S偏光光束へと変換される。一方、S偏光光束出射面146の部分にはλ/2位相差層148が形成されていないので、偏光分離ユニット142のS偏光光束出射面146から出射されたS偏光光束はS偏光のまま選択位相差板147を通過する。
すなわち、第1の光学要素から出射されたランダムな偏光方向を有する中間光束は、偏光分離ユニットアレイ141によりP偏光光束とS偏光光束とに分離され、選択位相差板147により、偏光方向が揃った一種類の偏光光束(本実施形態の場合はS偏光光束)に変換されたことになる。
再び、図1に戻って説明する。偏光変換素子140の光出射面側に配置された出射側レンズ150は、偏光変換素子140によりS偏光光束に揃えられたそれぞれの中間光束を、後述する集光レンズ400を介して、反射型液晶素子300に重畳させる重畳素子としての機能を有している。すなわち、第1の光学要素120により分割された中間光束122(つまり、光束分割レンズ121により切り出されたイメージ面)のそれぞれが、偏光変換素子140によって偏光方向の揃った一種類の偏光光に変換され、出射側レンズ150によって、集光レンズ400を介して一箇所の被照明領域、すなわち反射型液晶素子300に重畳される。この場合、第1の光学素子120に入射する光束の光強度分布がその入射断面内で均一でなくとも、複数の分割された中間光束が重畳される過程で光強度は平均化されるため、被照明領域上における照明光の光強度分布は殆ど均一である。
よって、被照明領域である反射型液晶素子300を、一種類の偏光光束でほぼ均一に照明することができる。なお、出射側レンズ150は1つのレンズ体である必要はなく、第1の光学要素120のように、複数のレンズから構成されたレンズアレイとしても良い。
以上をまとめると、偏光照明装置100によって、明るさが均一で偏光方向がほぼ揃った照明光を得ることができる。
偏光照明装置100では、第1の光学要素120により微小な複数の集光像123を形成し、それらの形成過程で生じた光の存在しない空間を上手く利用し、その空間に偏光分離ユニット142の反射面144を配置している。したがって、光源からの出射光束を2種類の偏光光束に分離する際に生じる光束の拡幅を抑えることができ、少ないスペースで偏光変換を行うことができるという特徴がある。
なお、X方向に長い長方形である反射型液晶素子300の形状に合わせて、第1の光学要素120を構成する光束分割レンズ121の断面形状をX方向に長い長方形にするとともに、偏光分離ユニットアレイ141から出射された二種類の偏光光束がX方向に交互に並ぶようにしている。このため、長方形の被照明領域であるを照明する場合でも、光量を無駄にすることなく、光の利用効率を高めることができる。
また、第2の光学要素130を構成する集光レンズアレイ131、偏光分離ユニットアレイ141、選択位相差板147、および出射側レンズ150を光学的に一体化することにより、それらの界面において発生する光損失を低減し、光の利用効率を一層高めるようにしている。しかしながら、これらの光学素子は必ずしも光学的に一体化する必要はない。
偏光ビームスプリッタ200は、2つのプリズム部品202、203の接合面に沿って、S偏光光束反射膜201が形成されたものである。S偏光光束反射膜201は例えば誘電体多層膜で構成され、S偏光光束を反射し、かつP偏光光束を透過させる偏光光束選択素子として機能する。先に説明したように、偏光照明装置100から出射される光束は、そのほとんどが一種類の偏光光束に変換されている。したがって、偏光照明装置100から出射された光束のほとんどすべてがS偏光光束反射膜201によって反射あるいは透過されることとなる。本実施形態では、第2の光学要素130から出射される光束はS偏光光束である。よって、偏光ビームスプリッタ200に入射した光束は、その殆どがS偏光光束反射膜201によって反射されて反射型液晶素子300に到達することになる。
なお、第2の光学要素130から出射される光束がP偏光光束である場合には、偏光ビームスプリッタ200に入射した光束はS偏光光束反射膜201を透過する。したがって、この場合には、偏光ビームスプリッタ200を挟んで第2の光学要素と対向するように反射型液晶素子300を配置すれば良い。
反射型液晶素子300に入射した光束は、反射型液晶素子300により所定の画像情報に基づいた変調を受ける。
ここで、反射型液晶素子300の一例を図4に示す。反射型液晶素子300は、マトリックス状に配置された反射画素電極319に、薄膜トランジスタからなるスイッチング素子が接続されたアクティブマトリックス型液晶素子であり、一対の基板310、330間に液晶層320が挟持された構造となっている。基板310は珪素からなり、その一部にソース311、ドレイン316が形成されている。また、基板310上には、アルミニウムからなるソース電極312およびドレイン電極317、二酸化珪素からなるチャネル313、珪素層314およびタンタル層315とからなるゲート電極、層間絶縁膜318、アルミニウムからなる反射画素電極319が形成され、ドレイン電極317と反射画素電極319とはコンタクトホールHを介して電気的に接続されている。反射画素電極319は不透明であるため、ゲート電極、ソース電極312、ドレイン電極317の上に層間絶縁膜318を介して積層することができる。したがって、隣り合う反射画素電極319間の距離Xをかなり小さくすることができ、開口率を大きく取ることができる。
なお、本実施形態においては、ドレイン316、二酸化珪素層340、珪素層341、タンタル層342から構成される保持容量部を設けている。
一方、対向する基板330には、液晶層320側の面にITOからなる対向電極331が形成されており、他方の面には反射防止層332が形成されている。
この対向電極331とそれぞれの画素電極319との間に電圧を印加することによって、液晶層320の駆動が行われる。
液晶層320は、電圧無印加(OFF)時には液晶分子321が垂直に配向しており、電圧印加(ON)時には液晶分子321が90度ねじれるスーパーホメオトロピックタイプのものである。よって、図4に示したように、電圧無印加(OFF)時に偏光ビームスプリッタ200から反射型液晶素子300に入射したS偏光光束は、その偏光方向を変えること無く反射型液晶素子300から偏光ビームスプリッタ200へ戻される。よって、S偏光光束反射膜201によって反射されて投写光学系600の方へ到達することはない。一方、電圧印加(ON)時に偏光ビームスプリッタ200から反射型液晶素子300に入射したS偏光光束は、液晶分子321のねじれによりその偏光方向が変えられてP偏光光束となり、S偏光光束反射膜201を透過した後、投写光学系600を介して投写面700に投写されることとなる。
さて、本実施形態の投写型表示装置は、偏光照明装置100と偏光ビームスプリッタ200との間に、集光レンズ400が設けられている点に特徴がある。この点について、図5と図6とを参照して説明する。なお、図5、図6では、説明の便宜上、第2の光学要素130(図1参照)の構成を簡略化して示している。
本実施形態の投写型表示装置では、光源からの光束を第1の光学要素120によって複数の中間光束122に分離しており、各中間光束122が集光される位置付近に複数の集光像123が形成される。そして、これら複数の集光像123が仮想光源となり、したがって、複数の仮想光源からの照明光によって反射型表示装置300が照明されることになる。ここで、当該複数の仮想光源による照明光は発散光である。一方、偏光選択膜として用いられる誘電体多層膜等は、一般的に、その偏光選択特性が光の入射角によって変化しやすい。従って、もし、図5に示したように、第1の光学要素120から出射された光をそのまま偏光ビームスプリッタ200へ入射させてしまうと、S偏光光束反射面201の偏光選択特性の変化による照度ムラが発生してしまうおそれがある。
一方、本実施形態の投写型表示装置では、図6に示すように、偏光照明装置100と偏光ビームスプリッタ200との間に集光レンズ400が配置されており、第1の光学要素120によって分割された複数の中間光束122のそれぞれを、集光レンズ400を介して反射型液晶素子300に重畳させるようにしているため、偏光ビームスプリッタ200のS偏光光束反射面201に入射する光の発散を低減することができる。従って、S偏光光束反射面201の偏光選択特性の変化による照度ムラを抑えることができ、極めて明るさが均一で、ムラの少ない投写画像を得ることができる。特に、集光レンズ400の焦点距離を、第1の光学要素120の焦点位置、すなわち集光像123が形成される位置から集光レンズ400の主点までの光路長とほぼ等しく設定すれば、図6に示したように、反射型液晶素子300から出射される光を平行光とすることが可能となる。したがって、この場合、反射型液晶素子300から投写光学系600へ至る光路においてもS偏光光束反射面201の選択特性の変化によるムラを低減することができ、さらに投写画像のムラを抑えることが可能となる。
さらに、図5に示したように、第1の光学要素120から出射された光をそのまま偏光ビームスプリッタ200へ入射させてしまうと、反射型液晶素子300によって変調された後の光も大きな広がりをもって投写光学系600へ向かうことになるため、大口径の投写光学系600を用いなければ投写光をじゅうぶんにのみこむことができず、投写画像が暗くなってしまうおそれがある。
一方、本実施形態の投写型表示装置では、図6に示すように、偏光照明装置100と偏光ビームスプリッタ200との間に集光レンズ400が配置されており、第1の光学要素120によって分割された複数の中間光束122のそれぞれを、集光レンズ400を介して反射型液晶素子300に重畳させるようにしている。従って、反射型液晶素子300によって変調された後の光束の広がりをも抑えることができ、大口径の投写光学系600を用いなくともきわめて明るい投写画像を得ることが可能となる。さらに、本実施形態の投写型表示装置では、集光レンズ400が偏光ビームスプリッタ200の光入射面に取り付けられており、これらの界面において発生する光損失も低減されている。従って、さらに明るい投写画像を得ることが可能となっている。
このように、本実施形態の投写型表示装置では、明るさが均一で、ムラが少なく、かつきわめて明るい投写画像を得ることができる。
なお、反射型液晶素子300の構造、その各構成要素の材料、並びに液晶層320の動作モードについては上述の例に限られるものではない。
また、上述した反射型液晶素子300はモノクロ画像表示用であるが、反射型液晶素子300と偏光ビームスプリッタ200との間に、或いは反射型液晶素子300の内部にカラーフィルタを設ければ、カラー画像を表示することも可能である。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかる投写型表示装置2の要部を平面的に見た概略構成図である。なお、図7は、第1の光学要素120の中心を通るXZ平面における断面図である。本実施形態の投写型表示装置2において、前に説明した第1の実施形態にかかる投写型表示装置の構成要素と同様の構成要素については、図1〜図6で用いたものと同じ参照番号を付し、その詳細な説明については省略する。
本実施形態の投写型表示装置は、システム光軸Lに沿って配置した光源部110、第1の光学要素120、反射ミラー160、第2の光学要素130から概略構成される偏光照明装置101を備えている。また、偏光照明装置101からの光を三色の色光に分離する色光分離光学系500と、この色光分離光学系500によって分離された三色の色光のそれぞれを変調する複数の反射型液晶素子300R、300G、300Bと、3つの反射型液晶素子300R、300G、300Bによって変調された光を合成するクロスダイクロイックプリズム550と、クロスダイクロイックプリズム550によって合成された色光を投写面700に投写する投写光学系600とを備えている。さらに、色光分離光学系500によって分離されたそれぞれの色光を反射させて反射型液晶素子300R、300G、300Bに到達させるとともに、反射型液晶素子300R、300G、300Gによって変調された光を透過させてクロスダイクロイックプリズム550へ到達させる3つの偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bを備えている。
本実施形態の投写型表示装置1では、第1の実施形態とほぼ同じ構成の偏光照明装置101が用いられている。第1の実施形態における偏光照明装置100との相違点は、第1の光学要素120と第2の光学要素130との間に反射ミラー160が配置されていることであるが、これは、光軸Rを折り曲げるためのものであって、偏光照明装置の機能自体に何ら影響を及ぼすものではない。第1の実施形態で説明したように、偏光照明装置101において、光源部110から出射されたランダムな偏光光束は、第1の光学要素120により複数の中間光束に分割された後、第2の光学要素130により偏光方向がほぼ揃った一種類の偏光光束(本実施形態ではS偏光光束)に変換される。
色分離光学系500は、偏光照明装置101から出射された光を赤色光R、緑色光G、青色光Bの三色の色光に分離する光学系である。色分離光学系500は、青色光・緑色光反射ダイクロイックミラー501、赤色光反射ダイクロイックミラー502、緑色光反射ダイクロイックミラー505、及び、2つの反射ミラー503、504から構成される。
偏光照明装置101から出射された光は、色分離光学系500に入射する。偏光照明装置101から出射された光のうち、赤色光Rの成分は、赤色光反射ダイクロイックミラー502によって反射ミラー503側へ反射される。このようにして分離された赤色光Rは、集光レンズ400Rを介して偏光ビームスプリッタ200Rへ入射する。
一方、偏光照明装置101から出射された光のうち、緑色光G、および青色光Bの成分は、緑色光・青色光反射ダイクロイックミラー501によって反射ミラー504側へ反射される。さらに、反射ミラー504によって反射された緑色光G、青色光Bは、緑色光反射ダイクロイックミラー505に入射し、ここで緑色光Gの成分のみが反射される。緑色光反射ダイクロイックミラー505によって反射された緑色光Gは、集光レンズ400Gを介して偏光ビームスプリッタ200Gへ入射する。緑色光反射ダイクロイックミラー505を透過した青色光Bは、集光レンズ400Bを介して偏光ビームスプリッタ200Bへ入射する。
偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bは、前述した第1の実施形態における偏光ビームスプリッタ200と同様の構成、及び、機能を有している。従って、偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bに入射したS偏光光束である各色光は、各偏光ビームスプリッタ200R、200G、200BのS偏光光束反射膜によってそのほとんどが反射されて、反射型液晶素子300R、300G、300Bに到達することになる。
反射型液晶素子300R、300G、300Bは、前述した第1の実施形態における反射型液晶素子300と同様の構成、及び、機能を有している。従って、反射型液晶素子300R、300G、300Bに入射した各色光は、所定の画像情報に基づいた変調を受け、偏光ビームスプリッタ200R、200G、200B側へ出射され、各々のS偏光光束反射膜を透過した光のみがクロスダイクロイックプリズム550側へ出射される。
クロスダイクロイックプリズム550は、XZ平面における断面形状が二等辺三角形の4つの三角柱状プリズムで構成されている。4つの三角柱状プリズムは、その側面同士が互いに接着されており、その接着面に沿って、2種類のダイクロイック膜551、552が形成されている。ダイクロイック膜551の波長選択特性は、赤色光Rを反射し、緑色光Gと青色光Bとを透過させるように設定されている。また、ダイクロイック膜552の波長選択特性は、青色光Bを反射し、赤色光Rと緑色光Gとを透過させるように設定されている。従って、クロスダイクロイックプリズム550に入射した光は、2種類のダイクロイック膜551、552の波長選択特性に基づいて合成され、投写光学系600を介して投写面700上に投写される。
さて、本実施形態の投写型表示装置も、第1の実施形態にかかる投写型表示装置と同様、偏光照明装置101と偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bとの間に集光レンズ400R、400G、400Bが設けられている。従って、第1の実施形態にかかる投写型表示装置と同様に、偏光ビームスプリッタ200R、200G、200BのS偏光光束反射面に入射する光の発散を低減することができる。従って、S偏光光束反射面の波長選択特性の変化による照度ムラを抑えることができ、極めて明るさが均一で、ムラの少ない投写画像を得ることができる。そして、本実施形態の場合においても、特に、集光レンズ400R、400G、400Bの焦点距離を、第1の光学要素120の焦点位置から集光レンズ400R、400G、400Bの主点までの光路長とほぼ等しく設定することにより、反射型液晶素子300R、300G、300Bから出射される光を平行光とすることが可能となる。従って、この場合、反射型液晶素子300R、300G、300Bから投写光学系600へ至る光路においてもS偏光光束反射面の選択特性の変化によるムラを低減することができ、さらに投写画像のムラを抑えることが可能となる。
さらに、本実施形態の投写型表示装置においても、第1の実施形態にかかる投写型表示装置と同様に、偏光照明装置101と偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bとの間に集光レンズ400R、400G、400Bが配置されており、第1の光学要素120によって分割された複数の中間光束のそれぞれを、集光レンズ400R、400G、400Bを介して反射型液晶素子300R、300G、300Bに重畳させるようにしている。従って、反射型液晶素子300R、300G、300Bによって変調された後の光束の広がりをも抑えることができ、大口径の投写光学系600を用いなくとも極めて明るい投写画像を得ることが可能である。さらにまた、本実施形態の投写型表示装置では、集光レンズ400R、400G、400Bが各偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bの光入射面に取り付けられており、これらの界面において発生する光損失も低減されている。従って、さらに明るい投写画像を得ることが可能となっている。
このように、本実施形態の投写型表示装置でも、第1の実施形態と同様に、明るさが均一で、ムラが少なく、かつきわめて明るい投写画像を得ることができる。
(第3の実施形態)
前述した第1の実施形態にかかる投写型表示装置においては、偏光照明装置100と偏光ビームスプリッタ200との間に、第1の光学要素から出射された光束を集光する集光レンズ400を設けている。この集光レンズを、偏光ビームスプリッタ200と反射型液晶素子300との間に配置することも可能である。このような投写型表示装置の例を図8に示す。
図8は、第3の実施形態にかかる投写型表示装置の要部を平面的に見た概略構成図である。なお、図8は、第1の光学要素120の中心を通るXZ平面における断面図である。本実施形態の投写型表示装置において、前に説明した第1の実施形態にかかる投写型表示装置の構成要素と同様の構成要素については、図1〜図6で用いたものと同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の投写型表示装置は、図8に示したように、偏光ビームスプリッタ200と反射型液晶素子300との間に集光レンズ410が設けられている点に特徴がある。この点について、図5、図9、図10を参照して説明する。なお、図9、図10では、説明の便宜上、第2の光学要素130(図8参照)の構成を簡略化して示している。
本実施形態の投写型表示装置では、光源からの光束を第1の光学要素によって複数の中間光束122に分離しており、各中間光束が集光される位置付近に複数の集光像が形成される。したがって、複数の仮想光源からの照明光によって反射型表示装置300が照明されることになる。ここで、当該複数の仮想光源による照明光は発散光である。一方、偏光選択膜として用いられる誘電体多層膜等は、一般的に、その偏光選択特性が光の入射角によって変化しやすい。従って、もし、図5に示したように、第1の光学要素120から出射された光をそのまま偏光ビームスプリッタ200へ入射させてしまうと、S偏光光束反射面201の偏光選択特性の変化による照度ムラが発生してしまう恐れがある。
一方、本実施形態の投写型表示装置では、図8、図9に示すように、偏光ビームスプリッタ200と反射型液晶素子300との間に集光レンズ410が配置されており、第1の光学要素120によって分割された複数の中間光束122のそれぞれを、集光レンズ410を介して反射型液晶素子300に重畳させるようにしている。従って、反射型表示装置300によって変調された後の光束の広がりを抑えることができ、反射型表示装置300から投写光学系600へ至る光路におけるS偏光光光束反射面201の選択特性の変化によるムラを低減することができる。よって、投写画像のムラを抑えることが可能となる。特に、集光レンズ410の焦点距離を、第1の光学要素120の焦点位置、すなわち集光像123が形成される位置から集光レンズ410の主点までの光路長の2倍に設定すれば、図9に示したように、反射型液晶素子300から出射される光を平行光とすることが可能となり、効果的である。
さらに、図5に示したように第1の光学要素120から出射された光をそのまま反射型液晶素子へ入射させてしまうと、反射型液晶素子300によって変調された後の光も大きな広がりをもって投写光学系へ向かうこととなるため、大口径の投写光学系600を用いなければ、投写光を十分にのみこむことができず、投写画像が暗くなってしまう恐れがある。
一方、本実施形態の投写型表示装置では、図9、図10に示すように、偏光ビームスプリッタ200と反射型液晶素子300との間に集光レンズ410が配置されており、第1の光学要素120によって分割された複数の中間光束122のそれぞれを、集光レンズ410を介して反射型液晶素子300に重畳させるようにしている。従って、反射型表示装置300によって変調された後の光束の広がりを抑えることができ、大口径の投写光学系600を用いなくとも、きわめて明るい投写画像を得ることが可能となる。さらに、本実施形態の投写型表示装置では、集光レンズ410が反射型液晶素子300の光入出射面に取り付けられており、これらの界面において発生する光損失も低減されている。従って、さらに明るい投写画像を得ることが可能となっている。
特に、集光レンズ410の焦点距離を、第1の光学要素120の焦点位置、すなわち集光像123が形成される位置から集光レンズ410の主点までの光路長とほぼ等しく設定すれば、図10に示したように、反射型液晶素子300から出射される光を投写光学系600へ最も集光した状態で入射させることが可能となり、投写光学系600への光の入射効率を高める上で、効果的である。
なお、本実施形態の投写型表示装置では、集光レンズ410を反射型液晶素子300の光入出射面に取り付けることにより、これらの界面において発生する光損失を低減するようにしているが、集光レンズ410は必ずしも反射型液晶素子300の光入出射面に取り付ける必要はない。また、図11に示すように、集光レンズ410を偏光ビームスプリッタ200の光入出射面に取り付けることも可能であり、この場合には、偏光ビープスプリッタ200と集光レンズ410との界面において発生する光損失を低減することが可能である。
また、上述した反射型液晶素子300はモノクロ画像表示用であるが、反射型液晶素子300と偏光ビームスプリッタ200との間に、或いは反射型液晶素子300の内部にカラーフィルタを設ければ、カラー画像を表示することも可能である。
(第4の実施形態)
前述した第2の実施形態にかかる投写型表示装置においても、第3の実施形態と同様、集光レンズを偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bと反射型液晶素子300R、300G、300Bとの間に配置することができる。このような投写型表示装置の例を図12に示す。
図12は、第4の実施形態にかかる投写型表示装置の要部を平面的に見た概略構成図である。なお、図12は、第1の光学要素120の中心を通るXZ平面における断面図である。本実施形態の投写型表示装置において、前に説明した第1〜第3の実施形態にかかる投写型表示装置の構成要素と同様の構成要素については、図1〜図11で用いたものと同じ参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の投写型表示装置においても、第3の実施形態にかかる投写型表示装置と同様、偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bと反射型液晶素子300R、300G、300Bとの間に、集光レンズ410R、410G、410Bが設けられており、第1の光学要素120によって分割された複数の中間光束のそれぞれを、集光レンズ410R、410G、410Bを介して反射型液晶素子300R、300G、300Bに重畳させるようにしている。従って、反射型表示装置300R、300G、300Bによって変調された後の光束の広がりを抑えることができ、反射型表示装置300R、300G、300Bから投写光学系600へ至る光路におけるS偏光光光束反射面の選択特性の変化によるムラを低減することができる。よって、投写画像のムラを抑えることが可能となる。特に、集光レンズ410R、410G、410Bの焦点距離を、第1の光学要素120の焦点位置、すなわち集光像123(図9参照)が形成される位置から集光レンズ410R、410G、410Bの主点までの光路長の2倍に設定すれば、反射型液晶素子300R、300G、300Bから出射される光を平行光とすることが可能となり、効果的である。
さらに、偏光ビームスプリッタ200と反射型液晶素子300R、300G、300Bとの間に集光レンズ410R、410G、410Bが配置されており、第1の光学要素120によって分割された複数の中間光束のそれぞれを、集光レンズ410R、410G、410Bを介して反射型液晶素子300R、300G、300Bに重畳させるようにしているので、反射型表示装置300R、300G、300Bによって変調された後の光束の広がりを抑えることができる。従って、大口径の投写光学系600を用いなくとも、きわめて明るい投写画像を得ることが可能となる。さらに、本実施形態の投写型表示装置では、集光レンズ410R、410G、410Bが、それぞれ、偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bの光入出射面に取り付けられており、これらの界面において発生する光損失も低減されている。従って、さらに明るい投写画像を得ることが可能となっている。
特に、集光レンズ410R、410G、410Bの焦点距離を、第1の光学要素120の焦点位置、すなわち集光像123(図10参照)が形成される位置から集光レンズ410R、410G、410Bの主点までの光路長とほぼ等しく設定すれば、反射型液晶素子300R、300G、300Bから出射される光を投写光学系600へ最も集光した状態で入射させることが可能となり、投写光学系600への光の入射効率を高める上で、効果的である。
なお、本実施形態の投写型表示装置では、集光レンズ410R、410G、410Bを、それぞれ、偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bの光入出射面に取り付けることにより、これらの界面において発生する光損失を低減するようにしているが、集光レンズ410R、410G、410Bは必ずしも偏光ビームスプリッタ200R、200G、200Bの光入出射面に取り付ける必要はない。また、集光レンズ410R、410G、410Bを反射型液晶素子300R、300G、300Bの光入出射面に取り付けることも可能であり、この場合には、反射型液晶素子300R、300G、300Bと集光レンズ410R、410G、410Bとの界面において発生する光損失を低減することが可能である。
(その他の実施形態)
なお、この発明は、上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上述した実施形態にかかる投写型表示装置は、いずれも第1の光学要素120から出射された光束の偏光方向を揃える偏光変換素子140を備えていたが、本発明は、このような偏光変換素子140を備えていない投写型表示装置に適用することも可能である。
また、上述した実施形態にかかる投写型表示装置において、偏光照明装置100、101と偏光ビームスプリッタ200、200R、200G、200Bとの間の光路中や、偏光ビームスプリッタ200、200R、200G、200Bと投写光学系600との間の光路中に偏光素子を配置することが好ましい。前者の位置に偏光素子を配置すれば、偏光ビームスプリッタ200、200R、200G、200Bに入射する偏光光束、結果的には反射型液晶素子300、300R、300G、300Bを照射する照明光の偏光度を高めることができる。後者の位置に偏光素子を配置すれば、偏光ビームスプリッタ200、200R、200G、200Bから出射されて投写光学系600へ向かう偏光光束、結果的には投写光学系600を介して投写面700上に投写される画像の偏光度を高めることができる。従って、このように偏光素子を配置することにより、投写画像のコントラストを高めることができ、極めて質の高い投写画像を得ることが可能となる。
さらにまた、上述した実施形態においては、いずれも偏光照明装置100、101でS偏光光束を得る構成としているが、勿論、P偏光光束を得る構成としても良い。この場合は、選択位相差板147のλ/2位相差層148を偏光分離ユニットアレイ141のS偏光光束出射面146に形成するようにすれば良い。
さらに、投写型表示装置としては、投写面700のうち、投写光学系600の側の面から投写画像を観察するフロント型、あるいは投写光学系600の反対側の面から投写画像を観察するリア型のものがあるが、本発明はいずれのタイプにも適用可能である。
第1の実施形態にかかる投写型表示装置の要部を示す概略構成図。 偏光照明装置100における第1の光学要素120の構成を示す斜視図。 図3(A)は、偏光照明装置100における偏光分離ユニットアレイ141の構成を示す斜視図、図3(B)は、偏光照明装置100における選択位相差板147の構成を示す斜視図。 反射型液晶素子300の一例を示す概略断面図。 集光レンズの機能を説明するための比較例を示す図。 第1の実施形態にかかる投写型表示装置における集光レンズ400の機能を説明するための図。 第2の実施形態にかかる投写型表示装置の要部を示す概略構成図。 第3の実施形態にかかる投写型表示装置の要部を示す概略構成図。 第3の実施形態にかかる投写型表示装置における集光レンズ410の機能を説明するための図。 第3の実施形態にかかる投写型表示装置における集光レンズ410の機能を説明するための図。 第3の実施形態にかかる投写型表示装置の変形例を示す概略構成図。 第4の実施形態にかかる投写型表示装置4の要部を示す概略構成図。 従来の投写型表示装置の要部を示す概略構成図である。
符号の説明
10 光源部
11 光源ランプ
12 放物面リフレクター
20 偏光ビームスプリッタ
21 偏光分離面
30R、30G、30B 反射型液晶装置
50 ダイクロイックプリズム
60 投写光学系
70 投写面
100、101 偏光照明装置
110 光源部
111 光源ランプ
112 放物面リフレクター
120 第1の光学要素
121 光束分割レンズ
122 中間光束
123 集光像
130 第2の光学要素
131 集光レンズアレイ
132 集光レンズ
140 偏光変換素子
141 偏光分離ユニットアレイ
142 偏光分離ユニット
143 偏光分離面
144 反射面
145 P偏光光束出射面
146 S偏光光束出射面
147 選択位相差板
148 λ/2位相差層
150 出射側レンズ
160 反射ミラー
200 偏光ビームスプリッタ
201 S偏光光束反射面
202、203 プリズム部品
300、300R、300G、300B 反射型液晶装置
310 基板
311 ソース
312 ソース電極
313 チャネル
314 珪素層
315 タンタル層
316 ドレイン
317 ドレイン電極
318 層間絶縁膜
319 反射画素電極
320 液晶層
321 液晶分子
330 基板
331 対向電極
332 反射防止層
340 二酸化珪素層
341 珪素層
342 タンタル層
400、400R、400G、400B 集光レンズ
410、410R、410G、410B 集光レンズ
500 色光分離光学系
501、502、505 ダイクロイックミラー
503、504 反射ミラー
550 クロスダイクロイックプリズム
551、552 ダイクロイック膜
600 投写光学系
700 投写面

Claims (2)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光を変調する反射型変調素子と、
    前記反射型変調素子によって変調された光を投写する投写光学系と、
    前記光源と前記反射型変調素子との間の光路中に配置され、前記光源から出射された光を反射または透過させて前記反射型変調素子に到達させるとともに、前記反射型変調素子により変調された光を透過または反射させて前記投写光学系へ到達させる偏光光束選択素子と、を有する投写型表示装置であって、
    前記光源と前記偏光光束選択素子との間には、前記光源から出射された光束を複数の中間光束に分割する第1の光学要素と、前記第1の光学要素の光出射面側に配置された第2の光学要素と、前記偏光光束選択素子と前記反射型変調素子との間に配置され、前記第2の光学要素から出射された光束を集光する集光レンズと、が設けられ、
    前記第2の光学要素は、前記中間光束のそれぞれをP偏光光束とS偏光光束とに分離し、前記P偏光光束、S偏光光束のうちいずれか一方の偏光方向をλ/2位相差層によって他方の偏光光束の偏光方向と揃えて出射する偏光変換素子と、前記偏光変換素子の光出射面側に配置され、前記中間光束のそれぞれを前記集光レンズを介して前記反射型変調素子に重畳させる重畳素子と、を有し、
    前記集光レンズは、前記第1の光学要素の焦点位置から前記集光レンズの主点までの光路長の約2倍の焦点距離を有することを特徴とする投写型表示装置。
  2. 光源と、
    前記光源から出射された光を変調する反射型変調素子と、
    前記反射型変調素子によって変調された光を投写する投写光学系と、
    前記光源と前記反射型変調素子との間の光路中に配置され、前記光源から出射された光を反射または透過させて前記反射型変調素子に到達させるとともに、前記反射型変調素子により変調された光を透過または反射させて前記投写光学系へ到達させる偏光光束選択素子と、を有する投写型表示装置であって、
    前記光源と前記偏光光束選択素子との間には、前記光源から出射された光束を複数の中間光束に分割する第1の光学要素と、前記第1の光学要素の光出射面側に配置された第2の光学要素と、前記偏光光束選択素子と前記反射型変調素子との間に配置され、前記第2の光学要素から出射された光束を集光する集光レンズと、が設けられ、
    前記第2の光学要素は、前記中間光束のそれぞれをP偏光光束とS偏光光束とに分離し、前記P偏光光束、S偏光光束のうちいずれか一方の偏光方向をλ/2位相差層によって他方の偏光光束の偏光方向と揃えて出射する偏光変換素子と、前記偏光変換素子の光出射面側に配置され、前記中間光束のそれぞれを前記集光レンズを介して前記反射型変調素子に重畳させる重畳素子と、を有し、
    前記集光レンズは、前記第1の光学要素の焦点位置から前記集光レンズの主点までの光路長とほぼ等しい焦点距離を有することを特徴とする投写型表示装置。
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