JP4141196B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナ装置とプリンタ装置からなるデジタル複写機などの画像処理装置に関し、好ましくは、ネットワークなどの通信経路に接続され、前記デジタル複写機としての機能以外に、画像通信及びプリンタとしての機能を有するデジタル複合機として実施され、詳しくは、デジタル複合機に入力される画像データを処理するために、装置に搭載された記憶装置に対して画像データを一時的に記憶し、その記憶された画像データの処理が完了したものについて記憶装置から画像データを無効にする画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、原稿の画像をスキャナ装置により電子的に走査して読み取り、このスキャナ装置から出力される画像データをプリンタ装置から記録出力するデジタル複写機が商品化されている。
【0003】
そして、最近では、外部機器との通信を行い、画像データの送信,受信を行う通信機能(ファックス機能、プリンタ機能など)を搭載したデジタル複合機へと進化している。
【0004】
また、デジタル複合機として処理する画像データを一時的に記憶する記憶装置も搭載され、大量の画像データ、複数のジョブを効率良く処理することができるように改良されてきている。
【0005】
一方、画像データを記憶する記憶装置には、半導体メモリから構成されるもの、ハードディスク装置などの磁気記憶媒体からなるものなど様々なタイプがある。
これら記憶装置においては、記憶容量、コスト、書き込み速度、読み出し速度、揮発性、不揮発性などの面で画像データを記憶する環境が異なっている。
【0006】
特に、ハードディスク装置などの磁気記憶媒体からなる記憶装置においては、FATという管理データによりディスク(記憶媒体)を小さな単位に分割して各領域を管理している。
【0007】
そして、ディスク(記憶媒体)の各領域にデータを記憶した際に、そのFATデータを更新しておき、各領域に記憶されたデータを必要に応じて読み出す際に、このFATデータをもとに読み出したりしている。
【0008】
現在、このハードディスク装置は、記憶容量の大きさ、価格(部品コスト)、データの転送速度などの面で半導体メモリの補助記憶装置としてデジタル複合機に搭載され、半導体メモリ上である程度のジョブデータを処理する一方で、新たに入力されてくるジョブデータを一時的に記憶させておき、処理の順番が来た段階で半導体メモリ上に読み出して処理するような構成となっている。
この構成は、画像データを処理するシステム(デジタル複合機)として、大量のジョブデータを停滞させることなく効率良く処理することができる処理システムとして市場に提供されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、機密性の高い文書データをこのようなデジタル複合機で処理するとなると、セキュリティの面で問題がある。
例えば、ハードディスク装置の各領域に一時的に記憶されたジョブデータ(画像データ)は、不要となった段階でFATデータが更新され、新たな画像データを記憶する際、そのFATデータをもとに不要となった画像データが記憶されている領域に新たな画像データを上書きしたり、また、不要となったデータの領域として強制的に画像データを消去しない限り、ジョブデータそのものはデータとして残っているからである。
【0010】
そこで、特開平9−284572号公報などに開示されたように、デジタル複合機において処理が完了した段階で、ハードディスク装置に記憶されている画像データの領域を強制的に消去したり、乱数により発生された不定期なパターン画像を上書きしたりして、画像データとして再現ができないようにすることが考えられている。
【0011】
しかし、厳密には記憶装置が磁気記憶媒体によるものであるがために、新たな画像データ、あるいは、特定のパターンを一度上書きしたり、消去したりしただけでは、先に記憶していた画像データが完全に読み取り不可能になるわけではない。
【0012】
また、ハードディスク装置に記憶されている画像データを無効にするために、画像データが記憶された領域に対して乱数で発生させたパターン画像を上書きしたり、画像データの記憶領域をフォーマット(クリア、データ置き換えなど)を行ったりすると、その作業に時間がかかり、その間、新たな画像データが入力されたとしても、すぐには受け付けられずに画像データの入力作業を停滞させてしまうといった問題が発生する。
【0013】
特に、セキュリティレベルを向上させようとして、例えば、ハードディスク装置の画像データの記憶領域に対して無効化処理を予め設定された回数繰り返すとなると、その間、新たな画像データに対する処理が停滞することとなる。
【0014】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、画像データ記憶手段(メモリ)に記憶された画像データを無効にする際に、セキュリティレベルに応じて、その画像データが記憶された領域に対して繰り返し無効化作業を行い、画像データの十分な機密保護を達成させる一方で、画像処理装置として不要となった画像データの無効化作業による新たな画像データの受け付け処理の効率が低下することのないように考慮した画像処理装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置は、画像データを入力する画像データ入力手段と、前記画像データ入力手段から入力される画像データを記憶する装置本体から取り外されても保存された画像データを保持することの出来る記憶媒体からなる画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを画像として出力処理する画像データ処理手段と、前記画像データ記憶手段における記憶された画像データを処理の完了により不要となった段階で無効にする画像データ無効化手段とを備えた画像処理装置において、さらに、前記画像データ無効化手段による前記画像データ記憶手段に記憶された先の画像データの処理の完了にともなう無効化を行っているタイミングで、新たな画像データが前記画像データ入力手段から入力される場合に、前記先の画像データの無効化を一時中断して前記新たな画像データを前記画像データ記憶手段に記憶させ、前記新たな画像データの処理の完了により不要となった段階で、前記先の画像データと前記新たな画像データの無効化を行う第1の処理手順と、前記先の画像データの無効化が完了した上で前記新たに入力される画像データを前記画像データ記憶手段に記憶させ、前記新たに入力された画像データの処理の完了により不要となった段階で前記新たに入力された画像データの無効化を行う第2の処理手順の何れの処理手順により行うか、無効化を行っている前記先の画像データのセキュリティレベルの高さにより判断する判断手段を備えたことを特徴とする構成を有するものである。
【0016】
また、本発明は、上記画像データ無効化手段による画像データの無効化処理は、上記画像データ記憶手段に記憶されている画像データを消去する動作である画像処理装置である。
【0017】
本発明によれば、装置として処理する新たな画像データの入力を受け付け、その画像データを停滞させることなく効率良く処理する一方で、ジョブとして受け付けた画像データに対する装置としてのセキュリティレベルを向上させることが可能となる。
【0018】
そして、本発明は、さらに、処理が完了した画像データが記憶されている上記画像データ記憶手段の記憶領域から消去する作業の回数を予め任意に設定する手段を備えており、上記画像データ無効化手段は、上記画像データ記憶手段における処理の完了により不要となった画像データの記憶領域に対して設定回数分の消去作業を繰り返し行う画像処理装置である。
【0022】
また、本発明は、さらに、上記画像データ入力手段から入力される画像データのセキュリティレベルの高さを設定する設定手段を備えている画像処理装置である。
そして、本発明は、上記判断手段は、先の画像データのセキュリティレベルが高い場合は、上記第2の処理手順により、前記先の画像データの無効化が完了した上で、上記新たに入力される画像データの出力と無効化を行う画像処理装置である。
【0023】
本発明によれば、画像データのセキュリティレベルに応じてセキュリティレベルが設定できるので、利用する側にとっても有効である。
また、装置が処理する画像データの中でも、選択されたセキュリティレベルの高い画像データだけが無効化処理されることとなって、新たに入力される画像データに対する処理が停滞することも少なくなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明に係る画像処理装置の一実施形態を説明する。
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態であるデジタル複合機の概略構成を示す説明図である。
本発明の画像処理装置となるデジタル複合機1は、画像データを入力する画像データ入力手段である画像読み取り部2と、画像読み取り部2から入力される画像データを記憶する画像データ記憶手段であるハードディスク12と、ハードディスク12に記憶された画像データを処理する画像データ処理手段である画像形成部6と、ハードディスク12における記憶された画像データを無効にする画像データ無効化手段とを備えており、さらに、画像データ無効化手段によるハードディスク12に記憶された先の画像データの無効化と、画像読み取り部2から入力される新たな画像データのハードディスク12に対する記憶との何れかを画像データの内容に応じて優先的に処理するように確定する確定手段を備えている。
【0028】
本発明のデジタル複合機1は、確定手段が、画像データ無効化手段により無効化している先の画像データのセキュリティレベルに応じて、画像データ無効化手段による先の画像データの無効化の動作を継続させるか、或いは画像データ無効化手段による先の画像データの無効化の動作を中断させて、画像読み取り部2から入力される新たな画像データをハードディスク12に記憶させるか否かを判定して確定する機能を備えている。
【0029】
本発明のデジタル複合機1は、入力される画像データに対してセキュリティレベルを設定する第1のセキュリティレベル設定手段を備えている。
【0030】
本発明のデジタル複合機1は、入力される画像データの入力経路に対してセキュリティレベルを設定する第2のセキュリティレベル設定手段を備えている。
【0031】
本発明の一実施形態に係るデジタル複合機1は、画像読み取り部2、操作部4、画像形成部6、機器制御部8、通信部10、ハードディスク(HD)12、及び管理部14を備えている。
【0032】
画像読み取り部2は、例えば、画像読み取り装置としてのCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)2aを備えており、画像データを入力する画像データ入力手段として働く。
【0033】
操作部4は、各種入力キーなどを備えた入力部4aとLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)などの表示手段を備えた表示部4bとを有しており、装置の操作や条件を入力したり条件などを表示する。
【0034】
画像形成部6は、揮発性メモリ6aとLSU(Laser ScanningUnit;レーザ走査ユニット)などの印字部6bとを有しており、画像データ記憶手段に記憶されている画像データを出力する画像データ出力手段として働く。
【0035】
機器制御部8及び管理部14は、オプション設定されたプログラムによってハードディスク12に記憶されている画像データを無効にする(消去する)画像データ無効化手段としての働きを有している。
【0036】
さらに、機器制御部8及び管理部14は、オプション設定されたプログラムによって画像データ無効化手段によるハードディスク12に記憶された先の画像データの無効化と、画像読み取り部2から入力される新たな画像データのハードディスク12に対する記憶との何れかを画像データのセキュリティレベルに応じて優先的に処理するように確定する確定手段としての働きを有している。
【0037】
操作部4は、各モードにおいて入力される画像データ毎にセキュリティレベルを設定する第1のセキュリティレベル設定手段としての働きを有している。
【0038】
さらに、操作部4は、デジタル複合機1の設置される設置先におけるセキュリティ環境に応じて各モード毎、すなわち、入力される画像データの入力経路毎にセキュリティレベルを設定する第2のセキュリティレベル設定手段としての働きを有している。
【0039】
通信部10は、外部ネットワークとの間の通信を制御する。
【0040】
ハードディスク12は、各入力手段(入力経路:デジタル複合機1として搭載された各モード、例えば、スキャナ、ファックス、ネットワークなど)から入力された画像データを記憶する画像データ記憶手段として働く。
画像データ記憶手段は、磁気記憶媒体を備えた記憶装置として構成することができる。
【0041】
管理部14は、装置全体の管理と共に、不要となったデータの消去処理などの管理を行う。
【0042】
本実施形態に係るデジタル複合機1を複写機として利用する場合には、画像読み取り部2にて読み取られた原稿の画像データが、画像形成部6から複写物として出力される。
【0043】
画像読み取り部2にはCCD2aが備えられており、読み取り位置にセットされた原稿の画像を電子的に読み取ることができる。
そして、読み取られた原稿の画像データは、揮発性メモリ6a上に出力画像として完成され、一旦ハードディスク12へ記憶される。
原稿が複数ある場合は、この読み取り、記憶の動作が繰り返される。
【0044】
その後、操作部4から指示された処理モードに基づいて、ハードディスク12に記憶された画像データが適切なタイミングで順次読み出されて揮発性メモリ6aに送られる。
そして、印刷部6bへの書き込みタイミングに合わせて画像データが揮発性メモリ6aから印字部6bへと転送される。
【0045】
また、読み取った画像データを複数枚印字する場合も、同様に出力画像としてページ単位でハードディスク12へ記憶され、出力するモードに合わせてハードディスク12から揮発性メモリ6aに送られ、出力枚数の分だけ繰り返し印字部6bへの書き込みタイミングに合わせて印字部6bへ転送される。
【0046】
次に、本実施形態に係るデジタル複合機1をプリンタとして利用する場合には、通信部10にて受信した画像データが揮発性メモリ6aなどを介して画像形成部6から出力される。
【0047】
通信部10は、通信ケーブルなどによりネットワーク15と接続されており、ネットワーク15上に接続されたパーソナルコンピュータ(PC;Personal Computer)などの外部機器PC1,PC2…から画像データを受信するようになっている。
【0048】
通信部10にて受信された画像データは、出力する画像データとしてページ単位に揮発性メモリ6aに送られ、一旦ハードディスク12へ記憶される。
そして、再びハードディスク12から揮発性メモリ6aに送られ、複写機として利用する場合と同様にして印字部6bへと転送される。
【0049】
また、本実施形態に係るデジタル複合機1をネットワークスキャナとして利用する場合には、画像読み取り部2において読み取られた原稿の画像データを、通信部10からネットワーク15を介して任意のパーソナルコンピュータなどの外部機器PC1,PC2…へ送信することができる。
ここでも、画像読み取り部2に備えられたCCD2aにより原稿の画像を電子的に読み取る。
【0050】
そして、読み取られた原稿の画像データは、揮発性メモリ6a上に出力画像として完成され、一旦ハードディスク12へ記憶される。
そして、再びハードディスク12から揮発性メモリ6aに送られ、操作部4を介して指示された送信先との通信を確立させた上で通信部10から目的の送信先へと送信される。
【0051】
さらに、通信部10は、ネットワーク15以外に電話回線(図示せず)と接続されており、本実施形態に係るデジタル複合機1をファクシミリ装置として利用する場合にも同様の動作が行われる。
【0052】
なお、ここでは、画像データを一時的に保存する記憶装置としてのハードディスク12を備えたデジタル複合機1として説明しているが、これに限らず、装置本体から取り外されても保存された画像データを保持することができる不揮発性のメモリや、バックアップ機能の付いたメモリ、磁気記憶媒体を用いたその他の記憶装置(媒体)などを備えている場合についても同様に適用することが可能である。
【0053】
また、本実施形態に係るデジタル複合機1の各構成部は、機器制御部8により制御され、操作部4に設けられたタブレット,キー群などの入力部4aからの操作指示を監視すると共に、表示部4bを介してデジタル複合機1の状態に関する情報などの利用者に通知すべき情報を的確に案内表示する。
【0054】
また、管理部14には、機器制御部8により管理されている各構成部に関する情報が管理されており、これら情報をもとに、機器制御部8がデジタル複合機1全体の動作を制御する。
【0055】
次に、図2に基づいて、入力部4a、表示部4bから構成される操作部4を詳細に説明する。
図2は、操作部4を詳細に示す説明図である。
操作部4は、図1でも説明したように、入力部4a及び表示部4bを備えており、操作部4は図2に示すような操作パネル40からなる。
【0056】
操作パネル40には、液晶パネル41、「スタート」キー16、「オールクリア」キー17、「クリア」キー18、「テン」キー22、「プリンタ」キー23a、「ファックス/イメージ送信」キー23b、「コピー」キー23c、「ジョブ状況」キー25、「ユーザー設定」キー24などが配置されている。
【0057】
表示部4bは、ドットマトリックスタイプの液晶パネル41により構成されており、本実施形態に係るデジタル複合機1として利用者に対して報知すべき情報を詳細に案内表示できるようになっている。
また、この液晶パネル41の画面上には透明なタッチパネル(透明タブレット)が設けられており、液晶パネル41上に表示される情報に従ってタッチパネルを操作すると、その情報がシステムに指示情報として入力される入力部4aの一部としても機能する。
【0058】
入力部4aには、他に、液晶パネル41に隣接して配置されたキー群があり、コピースタートを指示するための「スタート」キー16、実行中の処理を中断させるための「オールクリア」キー17、指示したモードの内容をクリアするための「クリア」キー18、コピー枚数などを指示するための「テン」キー22、モード毎の切り換えキーとなる「プリンタ」キー23a、「ファックス/イメージ送信」キー23b、「コピー」キー23c、ジョブ(予約ジョブ)の状況を確認するための「ジョブ状況」キー25、「ユーザー設定」キー24などが含まれる。
【0059】
以上、説明した操作部4である操作パネル40のキー操作により、各種モードの設定が行われ、画像読み取り部2から取り込まれた原稿の画像データに対する処理が行われる。
【0060】
なお、プリンタモードについては、基本的にネットワーク15を介してジョブデータが送られてくるので、操作パネル40上のキー操作では、ジョブの確認(呼び出し)、ジョブのキャンセルなど、デジタル複合機1に転送されたジョブデータに対する確認作業などの特定の操作に限られることとなる。
【0061】
次に、本実施形態に係るデジタル複合機1に搭載されるセキュリティシステムについて説明する。
簡単な処理の流れとしては、装置として処理する画像データをハードディスク12に一旦記憶する。
その後、記憶した画像データが処理の完了、クリア指示などにより不要となった段階でハードディスク12上から消去する(無効にする)。
この時、記憶された画像データをセキュリティレベルに応じて消去(無効)作業を行うものである。
【0062】
なお、ここからの説明では、原稿の画像データを読み取って、プリンタから記録物として出力するコピー動作として説明するが、本実施形態に係るデジタル複合機1をプリンタとして用いる場合や、スキャナとして読み取った画像データを送信するファクシミリやネットワークスキャナなどの送信装置として用いる場合も同様の処理が行われる。
【0063】
図3から図11は、図2の液晶パネル41に表示される画面を切り出したものであり、ハードディスク12に対して一時的に記憶された画像データを消去する「画像データ消去処理」を有効にして、ハードディスク12上から不要となった画像データをセキュリティレベルに応じて消去する(無効にする)各処理過程における表示部4bの表示遷移状況を示す説明図である。
また、図12は、本実施形態に係るデジタル複写機においてコピー動作を行い、その後、ハードディスク12上の画像データを消去する一連の処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
図3は、まだ「画像データ消去処理」が有効となっていない状況での液晶パネル41の表示画面(基本画面)41aであり、本実施形態に係るデジタル複合機1として「画像データ消去処理」は機能的に装置内に予め搭載されてはいるが、本機能は当初動作していないように設定されている。
【0065】
そして、設置先における文書データなどに対するセキュリティの必要性からプロダクトキーの入力設定を行うことで「画像データ消去処理」機能の動作が可能となる。
【0066】
なお、この予め搭載されている機能をプロダクトキーでもって選択的に有効として、以降、利用可能とする点については、当社の出願(特開2001−309099号公報)に記載されている通りである。
【0067】
図4は、このプロダクトキーの入力により「画像データ消去処理」が有効になっていることが利用者に分かるように、液晶パネル41の表示画面41aの左下に「画像データ消去処理」が動作可能な状況であることを表すアイコン42を表示させた状態の図である。
【0068】
そして、「画像データ消去処理」が動作していない時(装置が待機している時)に、液晶パネル41の表示画面41aの左下のアイコン42部分が指で押圧(タッチ)されると、液晶パネル41の表示画面41aが図5に示すように遷移する。
そして、ここでは、図5に示すように、液晶パネル41の表示画面41aの略中央にセキュリティキットに関する本機能のバージョン情報などがウインドウ表示される。
【0069】
なお、「画像データ消去機能」は、「データセキュリティキット」としてデジタル複合機1上でオプション扱いされており、ウインドウ表示中に「データセキュリティキット」として案内表示されている。
これにより、「データセキュリティキット」及び「画像データ消去機能」の内容、バージョンなどが確認できる。
【0070】
また、ジョブの終了、ジョブのクリアなどにより「画像データ消去処理」が動作している時(ハードディスク12上のデータを消去している時)は、図6に示すように、液晶パネル41の表示画面41aの略中央に現在データを消去していることをウインドウ表示する。
【0071】
そして、この時、液晶パネル41の表示画面41aの左下のアイコン42部分が指で押圧(タッチ)されると、液晶パネル41の表示画面41aは図7へと遷移する。
ここでは、液晶パネル41の表示画面41aの略中央に、「画像データ消去処理」によるハードディスク12上における画像データの消去処理が行われていること、及び、その進行状況がレベル表示されている。
これにより、「画像データ消去処理」による画像データの消去処理の動作状況が確認できる。
【0072】
さらに、「画像データ消去処理」によりハードディスク12上における画像データの消去が行われている時は、アイコンを点滅させるなどの通常の表示とは異なる形態で表示することで、ひと目で動作中であることが分かるようにしても効果的である。
【0073】
次に、図8は、設置先における文書データなどに対するセキュリティレベルの違いから「画像データ消去処理」がハードディスク12に作用して、ハードディスク12上に記憶された画像データを消去する(無効にする)回数を任意に設定する場合、さらに、ハードディスク12上に記憶されている画像データを強制的に消去する(無効にする)ように「画像データ消去処理」を開始させるための操作指示を行うなどの液晶パネル41の詳細設定表示画面(セキュリティ設定画面)43である。
【0074】
この詳細設定表示画面(セキュリティ設定画面)43を用いてセキュリティレベルに適した消去回数を設定しておくことで、画像データが不要となった段階で繰り返し画像データを消去することとなり、設置先におけるセキュリティレベルを維持できると共に、セキュリティレベルの向上による装置としての画像データに対する処理レベルの低下を必要最小限に抑えることができる。
【0075】
また、任意のタイミングでハードディスク12上に記憶された画像データを消去する(無効にする)ことができるので、重要な文書データを処理した場合などに有効である。
【0076】
以下に、各モードについて簡単に操作説明を行う。
(全データエリア消去モード)
図8に示す液晶パネル41の詳細設定表示画面43の左上に表示された「全データエリア消去」キー43a部分が指で押圧(タッチ)されると、その時点で、ハードディスク12上のデータが消去される。
この時、確認のために液晶パネル41の詳細設定表示画面43の略中央に確認ウインドウが表示され(図9)、「消去する」の操作指示があれば、ハードディスク12上のデータ消去が開始される。
【0077】
図10は、ハードディスク12上におけるデータ消去作業の進行状況を液晶パネル41の詳細設定表示画面43の略中央にレベル表示したものである。
【0078】
また、液晶パネル41の詳細設定表示画面43の「全データエリア消去」キー43aの右側には、図8に示すように、この「全データエリア消去」を繰り返し実行する回数を、例えば、1から7の間で設定ができるように「全データエリア消去回数」キー43bが表示されている。
【0079】
この液晶パネル41の詳細設定表示画面43の「全データエリア消去回数」キー43bの横には設定された回数が合わせて表示されている。(デフォルト設定値は「1」である。)
【0080】
この液晶パネル41の詳細設定表示画面43の「全データエリア消去回数」キー43b部分が指で押圧(タッチ)されると、図11に示すように、液晶パネル41に「全データエリア消去回数」設定画面44が表示され、液晶パネル41の「全データエリア消去回数」設定画面44の「アップ」キー44a部分または「ダウン」キー44b部分を操作することで任意に回数が設定される。
【0081】
(電源投入時の自動データ消去モード)
図8に示す液晶パネル41の詳細設定表示画面43の中段に表示された「電源投入時の自動消去」キー43c部分が指で押圧(タッチ)されると、キー部分にチェック「レ」が入り、デジタル複合機1の電源が投入される毎に、ハードディスク12上のデータが消去されるように設定ができる。
【0082】
また、液晶パネル41の詳細設定表示画面43の「電源投入時の自動消去」キー43cの右側には、この「電源投入時の自動消去」を繰り返し実行する回数を、例えば、1から7の間で設定ができるように「電源投入時の自動消去の回数」キー43dが表示されている。
【0083】
この液晶パネル41の詳細設定表示画面43の「電源投入時の自動消去の回数」キー43dの横には設定された回数が合わせて表示されている。(デフォルトの設定状態は、電源投入時の自動消去モードも設定はされておらず、回数も「0」である。)
【0084】
この液晶パネル41の詳細設定表示画面43の「電源投入時の自動消去の回数」キー43d部分が指で押圧(タッチ)されると、図11に示すように、液晶パネル41に「全データエリア消去回数」設定画面44が表示され、液晶パネル41の「全データエリア消去回数」設定画面44の「アップ」キー44a部分または「ダウン」キー44b部分を操作することで任意に回数が設定される。
【0085】
(各ジョブ終了時の自動データ消去モード)
図8に示す液晶パネル41の詳細設定表示画面43の下段に表示された「ジョブ終了時の自動消去の回数」キー43e部分が指で押圧(タッチ)されると、デジタル複合機1において処理するジョブが完了する毎に、その完了したジョブに関するデータを、ハードディスク12上から消去する動作の回数を設定することができる。
【0086】
この液晶パネル41の詳細設定表示画面43の「ジョブ終了時の自動消去の回数」キー43e部分が指で押圧(タッチ)されると、図11に示すように、液晶パネル41に「全データエリア消去回数」設定画面44が表示され、例えば、1から7の間で液晶パネル41の「全データエリア消去回数」設定画面44の「アップ」キー部分44aまたは「ダウン」キー部分44bを操作することで任意に回数が設定される。
また、液晶パネル41の詳細設定表示画面43の「ジョブ終了時の自動消去の回数」キー43eの横には、各ジョブ終了時の自動データ消去モードを繰り返し実行する回数が合わせて表示されている。(デフォルト設定値は「1」である。)
【0087】
なお、この各ジョブ終了時の自動データ消去モードに限っては、先に説明したプロダクトキーの入力設定によりセキュリティキット(「画像データ消去処理」)の動作が許可された段階で自動的に設定されたものとしている。
【0088】
以上、説明したように、セキュリティの必要性から「データセキュリティキット」の購入により、「画像データ消去機能」の動作が可能な環境が整った上で、設置先におけるセキュリティのレベルに応じた「画像データ消去機能」の作用回数が設定される。
また、必要に応じてハードディスク12上のデータの消去開始が指示できる。
【0089】
図12及び図13に示すフローチャートに従ってコピーモード時の処理の流れを例にとって説明する。
デジタル複合機1の電源が投入(ON)されると、まず最初に、装置を構成する各機器を機器制御部8がチェックを行う(ステップS101)。
【0090】
そのチェックの結果、問題がなければ(ステップS102“Y”)、所定の動作可能状態となるようにウォームアップを開始する(ステップS103)。
【0091】
一方、異常(不備)が確認されると(ステップS102“N”)、表示画面上に異常(不備)が確認されたこと、及び確認を求めることのウインドウ表示を行うなどのエラー処理を行う(ステップS104)。
【0092】
次に、特に問題もなくウォームアップを行っている中で、電源投入時にハードディスク12を初期化する「電源投入時の自動消去モード」が設定されているか確認を行い(ステップS105)、モードが設定されていれば、ハードディスク12の初期化を開始する(ステップS106)と共に、表示画面上に初期化作業の進行状況をウインドウ表示する(ステップS107)。
【0093】
この時、図8及び図11に示す液晶パネル41の設定画面により予め設定された消去回数分、ハードディスク12のデータ消去による初期化を繰り返すこととなる(ステップS108)。
【0094】
以上の処理が完了すると、操作パネル40の液晶パネル41の表示画面41aは、図8に示す基本画面の表示状態となり、ウォームアップの完了確認をもって(ステップS109)、ジョブ指示待機状態となる(ステップS110)。
【0095】
この状態(待機中)で、原稿がデジタル複合機1の画像読み取り部2のセット位置に載置され、その原稿に対するコピーモードの設定が行われた上で、操作パネル40のコピースタートを指示する「スタート」キー16がオンされると(S111)、画像読み取り部2のCCD2aにより電子的に走査され、画像データとして揮発性メモリ6a上にページ単位で生成される(ステップS112)。
【0096】
そして、画像データは一旦揮発性メモリ6a上からハードディスク12上に蓄積されると共に、ハードディスク12に記憶された画像データに関する管理情報(FATデータなど)は管理部14に管理される(ステップS113)。
【0097】
次に、ハードディスク12に記憶された画像データは、記録のタイミングに合わせて再び揮発性メモリ6a上にプリントデータとして読み出され(ステップS114)、プリンタとのタイミングを取って印字部6bのLSU(レーザ走査ユニット)にデータ転送され、プリントアウトされる(ステップS115)。
【0098】
そして、プリンタにより画像データがプリントアウトされたことが確認された段階で、FATデータなどの管理データは処理完了として更新される(ステップS116)と共に、一連のプリント処理が完了すると、この一連のプリント処理に使用された画像データの記憶領域に対してハードディスク12上における画像データの消去処理が実行される(ステップS117)。
【0099】
この時も、図8及び図11に示す液晶パネル41の設定画面により予め設定された消去回数分、ハードディスク12のデータ消去による初期化を繰り返すこととなる(ステップS118)。
【0100】
以上が、セキュリティレベルに応じてハードディスク12上の画像データを無効にする作業の基本的な説明である。
【0101】
次に、ハードディスク12上の画像データの消去作業を行っている時に、新たな画像データの入力を受け付けて、効率良く画像データを処理させる一方で、記憶された画像データのセキュリティを補償する点について説明する。
【0102】
なお、本発明における画像処理装置(デジタル複合機1)は、図8に示す液晶パネル41のセキュリティ設定画面(詳細設定表示画面)43において説明したように、「全データエリア消去」,「電源投入時の自動消去」,「ジョブ終了時の自動消去」の3つのハードディスク消去モードを備えているが、今回は「ジョブ終了時の自動消去」モード時におけるジョブ効率の向上を主として説明する。
【0103】
これは、「全データエリア消去」は、機密性の高いデータを処理した場合など、ハードディスク12上のデータを強制的に消去する必要を感じた時に用いるモードであり、新たなジョブを受け入れて処理するよりも、今ハードディスク12上にあるデータを消去することが優先であって、また、「電源投入時の自動消去」は、電源が投入されてから装置として動作可能な状態に向かっているウォームアップ中であって、画像データを受け入れたとしても装置として処理できない訳であるから、ハードディスク12上にあるデータを消去する方を優先しているという理由からである。
【0104】
図8に示す液晶パネル41のセキュリティ設定画面43において、「ジョブ終了時の自動消去の回数」を2回以上(N回)に設定している場合を例として説明する。
【0105】
図14は、画像処理装置であるデジタル複合機1が受け付けたジョブを処理する際の動きが分かるように、タイムチャートとして表したものである。
1番目のタイムチャート(従来1)は、先行するジョブ1(Job1)を受け付けてから処理が完了した時点で、ハードディスク12上に記憶されている画像データに対して無効化(消去)のための作業を設定回数分(N回)繰り返していることを表している。
【0106】
また、無効化(消去)のための作業がN回繰り返されて、デジタル複合機1が待機している時に、新たなジョブ2(Job2)を受け付けると、先行するジョブ1(Job1)と同様の処理を行っていることが分かる。
【0107】
このように、新たなジョブが、先行するジョブの処理も終了し、さらに、無効化の処理も完了している時に入力されると、その新たなジョブの処理が停滞することはないが、次の2番目のタイムチャート(従来2)に示すように、先行するジョブ1(Job1)の処理が終了して、先行するジョブ1(Job1)のデータに対する無効化の処理を設定回数分(N回)繰り返し行っているタイミング(それ以前:Job1を受け付けてから以降も含む)で、新たなジョブ2(Job2)の入力があると、その間、ジョブが停滞(待機)することとなる。
【0108】
そこで、本発明は、図14の3番目のタイムチャート(a)に示すように、先行するジョブ1(Job1)の処理が終了して、先行するジョブ1(Job1)のデータに対する無効化の処理を設定回数分(N回)繰り返し行っているタイミング(それ以前:Job1を受け付けてから以降も含む)で、新たなジョブ2(Job2)の入力があると、一連の消去作業(繰り返される消去作業の1回分の消去作業)が終了したタイミングで、新たなジョブ2(Job2)を受け付けて処理を行う。
そして、新たなジョブ2(Job2)の処理が完了した段階で、先行するジョブ1(Job1)及び新たなジョブ2(Job2)のデータの無効化を行う。
【0109】
この時、ハードディスク12上においては、図15に示すように、先行するジョブ1(Job1)の画像データ領域に対して、少なくとも一度だけ無効化処理を行った状態で、残りのデータの無効化処理を一時中断して、新たなジョブ2(Job2)を受け付け、新たなジョブ2(Job2)のデータとして入力される画像データをハードディスク12上の別の領域に記憶させる。
【0110】
そして、新たなジョブ2(Job2)のデータも完了(不要)となった段階で、先行するジョブ1(Job1)と新たなジョブ2(Job2)のデータが記憶されている領域に対して、データの無効化の処理を設定回数分(N回)繰り返し行っている。
【0111】
なお、無効となった複数のジョブデータを消去する順序としては、新たなジョブ2(Job2)のデータに対する処理が完了した段階で、図14の3番目のタイムチャート(a)に示すように、新たなジョブ2(Job2)のデータ領域に対して、データの無効化の処理を設定回数分(N回)繰り返し行い、その後、先行するジョブ1(Job1)の領域に対して、データの無効化の処理の残り(2回からN回まで)を行う方法と、新たなジョブ2(Job2)のデータに対する処理が完了した段階で、図14の4番目のタイムチャート(b)に示すように、先行するジョブ1(Job1)の領域に対して、データの無効化の処理の残り(2回からN回まで)を行い、その後、新たなジョブ2(Job2)のデータ領域に対して、データの無効化の処理を設定回数分(N回)繰り返し行う方法とがある。 (消去順序、方法としても様々である。)
【0112】
ここで、ハードディスク12上におけるデータの消去中の割り込み方法について、先の説明では「一連の消去作業(繰り返される消去作業の1回分の消去作業)が終了したタイミングで、新たなジョブ2(Job2)を受け付ける」と説明しているが、ジョブのデータが複数の領域に分割して(セクター単位で)記憶管理されているのであれば、消去すべきデータが記憶されている領域毎(セクター単位)に消去した回数などを細かく管理しておき、できるだけ新たに入力されるジョブを停滞させることのないように、セクター単位での制御を行い、素早く対応することも可能である(利用者の待ち時間を最小限に抑える)。
【0113】
また、本発明は、4番目のタイムチャート(b)に示すように、先行するジョブ1(Job1)の処理が終了して、先行するジョブ1(Job1)のデータに対する無効化の処理を設定回数分(N回)繰り返し行っているタイミング(それ以前:Job1を受け付けてから以降も含む)で、新たなジョブ2(Job2)の入力(機器の操作、データの入力などの新たなジョブの予約)があると、一連の消去作業(繰り返される消去作業の1回分の消去作業)が終了したタイミングで、新たなジョブ2(Job2)を受け付けて処理を行う。
そして、新たなジョブ2(Job2)の処理が完了した段階で、先行するジョブ1(Job1)及び新たなジョブ2(Job2)のデータの無効化を行う。
【0114】
この時、ハードディスク12上においては、図15に示すように、先行するジョブ1(Job1)の画像データ領域に対して、少なくとも一度だけ無効化処理を行った状態で、残りのデータの無効化処理を一時中断して、新たなジョブ2(Job2)を受け付け、新たなジョブ2(Job2)のデータとして入力される画像データをハードディスク12上の別の領域に記憶させる。
【0115】
そして、新たなジョブ2(Job2)のデータも完了(不要)となった段階で、先行するジョブ1(Job1)と新たなジョブ2(Job2)のデータが記憶されている領域に対して、データの無効化の処理を設定回数分(N回)繰り返し行っている。
【0116】
また、画像データ入力手段から新たに入力されるジョブデータの記憶よりも先行するジョブのデータを無効化する処理が優先される場合もある。
これは、セキュリティレベルの高いジョブデータが処理された場合に、新たに入力されるジョブの受け付けよりも優先的に不要となったセキュリティレベルの高いジョブデータの無効化を行う必要性がある。
この状況をタイムチャートで表すと、図14の2番目のタイムチャート(従来2)の処理の流れとなり、先行するジョブ1(Job1)の不要となったセキュリティレベルの高いジョブデータに対して無効化処理を設定回数分(N回)繰り返し行った上で、新たに入力されるジョブ2(Job2)の受け付けを行い、新たなジョブ2(Job2)の不要となったジョブデータの無効化処理を行う。
【0117】
このデジタル複合機1において、処理されるジョブデータには、セキュリティレベルの高いものとして処理させるかどうかの判断基準となる情報が、処理を依頼する段階で付与される。
【0118】
デジタル複合機1のプリンタモードにおいては、例えば、ネットワーク15を介して接続された任意のパーソナルコンピュータなどの外部機器PC1,PC2…からプリントジョブを依頼する図16に示すディスプレイ60の表示画面60aにWINDOW表示された設定画面(プリントドライバ画面)61上で「セキュリティジョブ」の項目のチェックボックス62にチェック「レ」を入れることにより完了する。
【0119】
そして、デジタル複合機1側においては、この情報が付与されたジョブであるかどうかを確認をした上で、セキュリティレベルの高いジョブデータについては、図14の2番目のタイムチャート(従来2)に示すように、無効化処理を優先的に行い、セキュリティレベルの低いジョブデータについては、図14の3番目のタイムチャート(a)もしくは図14の4番目のタイムチャート(b)に示すように、新たなジョブデータの記憶を優先的に処理する。
【0120】
その他、コピーモード、送信モード(スキャナモード、ファックスモード)などにおいても同様に、図示はしないが、デジタル複合機1の操作パネル40の液晶パネル41の表示画面41a上から処理の指示を行う段階で、ジョブ毎にセキュリティジョブとしてのチェック項目を準備しておき、必要に応じて利用者が選択するようになっている。
【0121】
ここで、ジョブ単位でセキュリティジョブのチェック項目にチェック「レ」を行う構成以外の事例として、デジタル複合機1として搭載された各モード毎、すなわち、ジョブデータの入力経路毎にセキュリティレベルを設定しておく方法もある。
【0122】
デジタル複合機1の操作パネル40の液晶パネル41の環境設定(セキュリティ)画面45をもってセキュリティレベルを事前に設定しておくことにより目的が達成される。
図17は、そのセキュリティに関する液晶パネル41の環境設定(セキュリティ)画面45において、デジタル複合機1として搭載している画像データの各処理モード毎にセキュリティレベルを事前に設定しておく方法を図示したものである。
【0123】
液晶パネル41の環境設定(セキュリティ)画面45には、図17に示すように、画像データが入力される入力経路の一つであるデジタル複合機1として搭載された「コピー」モードの項目の側部に、高いセキュリティレベルを設定するチェックボックス46aと、低いセキュリティレベルを設定するチェックボックス46bとが表示されている。
【0124】
また、画像データが入力される入力経路の一つであるデジタル複合機1として搭載された「ファックス」モードの項目の側部に、高いセキュリティレベルを設定するチェックボックス47aと、低いセキュリティレベルを設定するチェックボックス47bとが表示されている。
【0125】
また、画像データが入力される入力経路の一つであるデジタル複合機1として搭載された「プリンタ」モードの側部に、高いセキュリティレベルを設定するチェックボックス48aと、低いセキュリティレベルを設定するチェックボックス48bとが表示されている。
【0126】
さらに、画像データが入力される入力経路の一つであるデジタル複合機1として搭載された「スキャナ」モードの側部に、高いセキュリティレベルを設定するチェックボックス49aと、低いセキュリティレベルを設定するチェックボックス49bとが表示されている。
【0127】
液晶パネル41の環境設定(セキュリティ)画面45には、図17に示すように、チェックボックス48bの側部に「キャンセル」キー50が表示され、チェックボックス49bの側部に「OK」キー51が表示されている。
【0128】
次に、画像データが入力される入力経路に対するセキュリティレベルの設定を簡単に説明すると、デジタル複合機1としては、コピーモード、ファックスモード、プリンタモード、スキャナモードが搭載されており、デジタル複合機1が設置される設置先におけるセキュリティ環境に応じてセキュリティレベルを設定できるようになっている。
【0129】
図17においては、液晶パネル41の環境設定(セキュリティ)画面45上で、「コピー」モードの項目の低いセキュリティレベルのチェックボックス46bにチェック「レ」を入れ、「ファックス」モードの項目の低いセキュリティレベルのチェックボックス47bにチェック「レ」を入れ、また、「プリンタ」モードの項目の高いセキュリティレベルのチェックボックス48aにチェック「レ」を入れ、「スキャナ」モードの項目の高いセキュリティレベルのチェックボックス49aにチェック「レ」を入れてある。
【0130】
これにより、デジタル複合機1として搭載された画像データの処理モードの一つである「コピー」モードがセキュリティレベルの低いモードに設定され、デジタル複合機1として搭載された画像データの処理モードの一つである「ファックス」モードがセキュリティレベルの低いモードに設定され、また、デジタル複合機1として搭載された画像データの処理モードの一つである「プリンタ」モードがセキュリティレベルの高いモードに設定され、デジタル複合機1として搭載された画像データの処理モードの一つである「スキャナ」モードがセキュリティレベルの高いモードに設定されている。
【0131】
そして、この環境設定(セキュリティ)画面45をもって、処理されるドキュメント情報のセキュリティレベル、使用目的、使用環境などを考慮して事前にセキュリティレベルを設定しておくこととなる。
【0132】
これにより、セキュリティレベルの高いモードにおいて、デジタル複合機1に入力、記憶された先行するジョブデータについては、新たなジョブデータの記憶よりも優先的に無効化処理されることとなる。
【0133】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の画像処理装置によれば、画像データ記憶手段に記憶された先の画像データを画像データ無効化手段により無効化処理している時に、画像データ入力手段から新たな画像データの入力が確認されると、確定手段が画像データ無効化手段による画像データ記憶手段に記憶された先の画像データの無効化と画像データ入力手段から入力される新たな画像データの画像データ記憶手段に対する記憶との何れかを画像データの内容に応じて優先的に処理するように確定するので、無効化処理している先の画像データの内容に応じて、無効化処理を中断して新たな画像データの画像データ記憶手段に対する記憶を許可することができ、画像データ記憶手段に記憶された画像データを無効にする際に、画像データを内容に応じて、その画像データが記憶された領域に対して繰り返し無効作業を行い、記憶された画像データの十分な機密保護を達成することができ、装置として処理する新たな画像データの入力を受け付け、その画像データを停滞させることなく効率良く処理すると共に、ジョブとして受け付けた画像データに対する装置としてのセキュリティレベルを向上させることができる。
【0134】
本発明の画像処理装置によれば、確定手段が、画像データ無効化手段により無効化している先の画像データのセキュリティレベルに応じて、画像データ無効化手段による先の画像データの無効化の動作を継続させるか、或いは画像データ無効化手段による先の画像データの無効化の動作を中断させて、画像データ入力手段から入力される新たな画像データを画像データ記憶手段に記憶させるか否かを判定して確定するので、無効化処理している先の画像データのセキュリティレベルに応じて先の画像データの無効化と新たな画像データの画像データ記憶手段に対する記憶との優先度を確定手段により判定することができ、先の画像データの画像データ無効化手段による無効化処理が画像データのセキュリティレベルに応じて新たな画像データの画像データ記憶手段に対する記憶よりも優先的に行えるので、装置として受け付けた画像データに対するセキュリティレベルを向上させることができ、しかも、新たな画像データの画像データ記憶手段に対する記憶が画像データのセキュリティレベルに応じて先の画像データの画像データ無効化手段による無効化処理よりも優先的に行えるので、新たなジョブとして受け付けた画像データを停滞させることなく効率良く処理することができる。
【0135】
本発明の画像処理装置によれば、入力される画像データ毎にセキュリティレベルを第1のセキュリティレベル設定手段により設定するのみで、画像データのセキュリティレベルに応じたセキュリティレベルの設定を行うことができるので、利用する側にとっても有効である。
また、装置が処理する画像データの中でも、選択されたセキュリティレベルの高い画像データだけが無効化処理されることとなって、新たに入力される画像データに対する処理が停滞することも少なくなる。
【0136】
本発明の画像処理装置によれば、入力される画像データの入力経路毎にセキュリティレベルを第2のセキュリティレベル設定手段により設定するのみで、装置の設置先におけるセキュリティ環境に応じた画像データの各処理モード毎にセキュリティレベルの設定を行うことができるので、利用する側にとっても有効である。
また、装置が処理する画像データの中でも、選択されたセキュリティレベルの高い画像データの処理モードだけが無効化処理されることとなって、新たに入力される画像データに対する処理が停滞することも少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施形態であるデジタル複合機の概略構成を示す説明図。
【図2】本発明に係る画像処理装置の操作部の構成を詳細に示す説明図。
【図3】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(通常状態)。
【図4】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(「画像データ消去処理」が動作可能な状況であることを表すアイコンを表示させた状態)。
【図5】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(バージョン情報表示画面)。
【図6】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(「画像データ消去処理」動作画面)。
【図7】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(「画像データ消去処理」動作状況確認画面)。
【図8】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(詳細設定表示画面)。
【図9】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(消去確認画面)。
【図10】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(データ消去作業進行状況表示画面)。
【図11】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(「全データエリア消去回数」設定画面)。
【図12】コピーモード時の処理の流れを説明するフローチャート(その1)。
【図13】コピーモード時の処理の流れを説明するフローチャート(その2)。
【図14】従来及び本発明の画像処理装置であるデジタル複合機が受け付けたジョブを処理する際の動きを分かるように示すタイムチャート。
【図15】図14のタイムチャート(a),(b)における先行するジョブと新たなジョブのデータが記憶されている領域に対するデータの無効化の処理を行うタイミングを示す説明図。
【図16】本発明に係わる画像処理装置に接続された外部機器のディスプレイに表示される設定画面(プリントドライバ画面)を示す説明図。
【図17】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(「環境設定(セキュリティ)画面)。
【符号の説明】
1 デジタル複合機(画像処理装置)
2 画像読み取り部(画像データ入力手段)
2a CCD
4 操作部
4a 入力部
4b 表示部
6 画像形成部(画像データ処理手段)
6a 揮発性メモリ
6b 印字部
8 機器制御部
10 通信部
12 ハードディスク(画像データ記憶手段)
14 管理部
15 ネットワーク
16 「スタート」キー
17 「オールクリア」キー
18 「クリア」キー
22 「テン」キー
23a 「プリンタ」キー
23b 「ファックス/イメージ送信」キー
23c 「コピー」キー
24 「ユーザー設定」キー
25 「ジョブ状況」キー
40 操作パネル
41 液晶パネル
41a 表示画面(基本画面)
42 アイコン
43 詳細設定表示画面(セキュリティ設定画面)
43a 「全データエリア消去」キー
43b 「全データエリア消去回数」キー
43c 「電源投入時の自動消去」キー
43d 「電源投入時の自動消去の回数」キー
43e 「ジョブ終了時の自動消去の回数」キー
44 「全データエリア消去回数」設定画面
44a 「アップ」キー
44b 「ダウン」キー
45 環境設定(セキュリティ)画面
46a チェックボックス
46b チェックボックス
47a チェックボックス
47b チェックボックス
48a チェックボックス
48b チェックボックス
49a チェックボックス
49b チェックボックス
50 「キャンセル」キー
51 「OK」キー
60 ディスプレイ
60a 表示画面
61 設定画面(プリントドライバ画面)
62 チェックボックス
PC1,PC2 外部機器

Claims (5)

  1. 画像データを入力する画像データ入力手段と、
    前記画像データ入力手段から入力される画像データを記憶する装置本体から取り外されても保存された画像データを保持することの出来る記憶媒体からなる画像データ記憶手段と、
    前記画像データ記憶手段に記憶された画像データを画像として出力処理する画像データ処理手段と、
    前記画像データ記憶手段における記憶された画像データを処理の完了により不要となった段階で無効にする画像データ無効化手段とを備えた画像処理装置において、
    さらに、前記画像データ無効化手段による前記画像データ記憶手段に記憶された先の画像データの処理の完了にともなう無効化を行っているタイミングで、新たな画像データが前記画像データ入力手段から入力される場合に、前記先の画像データの無効化を一時中断して前記新たな画像データを前記画像データ記憶手段に記憶させ、前記新たな画像データの処理の完了により不要となった段階で、前記先の画像データと前記新たな画像データの無効化を行う第1の処理手順と、前記先の画像データの無効化が完了した上で前記新たに入力される画像データを前記画像データ記憶手段に記憶させ、前記新たに入力された画像データの処理の完了により不要となった段階で前記新たに入力された画像データの無効化を行う第2の処理手順の何れの処理手順により行うか、無効化を行っている前記先の画像データのセキュリティレベルの高さにより判断する判断手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 上記画像データ無効化手段による画像データの無効化処理は、上記画像データ記憶手段に記憶されている画像データを消去する動作である請求項1に記載の画像処理装置。
  3. さらに、処理が完了した画像データが記憶されている上記画像データ記憶手段の記憶領域から消去する作業の回数を予め任意に設定する手段を備えており、
    上記画像データ無効化手段は、上記画像データ記憶手段における処理の完了により不要となった画像データの記憶領域に対して設定回数分の消去作業を繰り返し行う請求項2に記載の画像処理装置。
  4. さらに、上記画像データ入力手段から入力される画像データのセキュリティレベルの高さを設定する設定手段を備えている請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 上記判断手段は、先の画像データのセキュリティレベルが高い場合は、上記第2の処理手順により、前記先の画像データの無効化が完了した上で、上記新たに入力される画像データの出力と無効化を行う請求項1に記載の画像処理装置。
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