JP4141315B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナ装置とプリンタ装置からなるデジタル複写機などの画像処理装置に関し、好ましくは、ネットワークなどの通信経路に接続され、前記デジタル複写機としての機能以外に、画像通信及びプリンタとしての機能を有するデジタル複合機として実施され、詳しくは、デジタル複合機に入力される画像データを処理するために、装置に搭載された画像データ記憶手段に対して画像データを一時的に記憶し、その記憶された画像データの処理が完了したものについて画像データ記憶手段から画像データを無効化する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、原稿の画像をスキャナ装置により電子的に走査して読み取り、このスキャナ装置から出力される画像データをプリンタ装置から記録出力するデジタル複写機が商品化されている。
【0003】
そして、最近では、外部機器との通信を行い、画像データの送信,受信を行う通信機能(ファックス機能、プリンタ機能など)を搭載したデジタル複合機へと進化している。
【0004】
また、デジタル複合機として処理する画像データを一時的に記憶する記憶装置も搭載され、大量の画像データ、複数のジョブを効率良く処理することができるように改良されてきている。
【0005】
一方、画像データを記憶する記憶装置には、半導体メモリから構成されるもの、ハードディスク装置などの磁気記憶媒体からなるものなど様々なタイプがある。
これら記憶装置においては、記憶容量、コスト、書き込み速度、読み出し速度、揮発性、不揮発性などの面で画像データを記憶する環境が異なっている。
【0006】
特に、ハードディスク装置などの磁気記憶媒体からなる記憶装置においては、FAT(File Allocation Table)と言う管理データによりディスク(記憶媒体)を小さな単位に分割して各領域を管理している。
【0007】
そして、ディスク(記憶媒体)の各領域にデータを記憶した際に、そのFATデータを更新しておき、各領域に記憶されたデータを必要に応じて読み出す際に、このFATデータをもとに読み出したりしている。
【0008】
現在、このハードディスク装置は、記憶容量の大きさ、価格(部品コスト)、データの転送速度などの面で半導体メモリの補助記憶装置としてデジタル複合機に搭載され、半導体メモリ上である程度のジョブデータを処理する一方で、新たに入力されてくるジョブデータを一時的に記憶させておき、処理の順番が来た段階で半導体メモリ上に読み出して処理するような構成となっている。
この構成は、画像データを処理するシステム(デジタル複合機)として、大量のジョブデータを停滞させることなく効率良く処理することができる処理システムとして市場に提供されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−284572号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、機密性の高い文書データをこのようなデジタル複合機で処理するとなると、セキュリティの面で問題がある。
例えば、ハードディスク装置の各領域に一時的に記憶されたジョブデータ(画像データ)は、不要となった段階でFATデータが更新され、新たな画像データを記憶する際、そのFATデータをもとに不要となった画像データが記憶されている領域に新たな画像データを上書きしたり、また、不要となったデータの領域として強制的に画像データを消去しない限り、ジョブデータそのものはデータとして残っているからである。
【0011】
そこで、上記特許文献1などに開示されているように、デジタル複合機において処理が完了した段階で、ハードディスク装置に記憶されている画像データの記憶領域を強制的に消去したり、乱数により発生された不定期なパターン画像を上書きしたりして、画像データとして再現ができないようにすることが考えられている。
【0012】
しかし、厳密には記憶装置が磁気記憶媒体によるものであるがために、新たな画像データ、あるいは、特定のパターンを一度上書きしたり、消去したりしただけでは、先に記憶していた画像データが完全に読み取り不可能になるわけではない。
【0013】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、画像データの処理を依頼する段階で、利用者のセキュリティレベルに応じた無効化条件を設定し、画像データ記憶手段に記憶されている不要となった画像データを利用者のレベルに応じて確実に無効化することが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力された画像データを一時的に記憶して処理する画像処理装置であって、入力された画像データを記憶する磁気記録型の画像データ記憶手段と、該画像データ記憶手段に記憶されている前記画像データを出力処理する画像データ処理手段と、前記画像データ記憶手段に記憶されている前記画像データの出力処理が完了した際に、該画像データに対して所定の画像データを上書きすることにより前記画像データを無効化する画像データ無効化手段と、画像データを入力する装置の利用者を確認する利用者確認手段と、前記利用者確認手段で確認された利用者に応じて前記画像データ無効化手段による前記画像データ記憶手段に記憶されている画像データに対する上書き回数を設定する画像データ上書き回数設定手段と、前記画像データ処理手段による画像データの処理が完了して不要となったときに、前記画像データ上書き回数設定手段により設定された上書き回数に基づき前記画像データ無効化手段を動作させる制御手段とを具備したことを特徴とする画像処理装置である。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明に係る画像処理装置の一実施形態を説明する。本発明の画像処理装置は、画像データを一時的に記憶して処理する装置である。
【0035】
本発明の画像処理装置は、一時的に記憶されている画像データを処理する画像データ処理手段である画像形成部6と、画像形成部6による処理が完了した一時的に記憶されている画像データを無効化する画像データ無効化手段13と、装置の利用者を確認する利用者確認手段と、利用者確認手段で確認された利用者に応じて画像データ無効化手段13による画像データの無効化の条件を設定する画像データ無効化条件設定手段とを具備している。
【0036】
本発明の画像処理装置は、さらに、画像データを入力するための画像データ入力手段を具備し、画像データ無効化条件設定手段が、画像データ入力手段により画像データを入力する際に、利用者確認手段による利用者の確認を行った上で、画像データ無効化手段13による画像データの無効化の条件を設定する機能を備えている。
【0037】
本発明の画像処理装置は、画像データ入力手段が、原稿画像を読み取る原稿画像読み取り装置としての画像読み取り部2であり、利用者確認手段が、画像読み取り部2により原稿画像を読み取る際に、原稿をセットする利用者の確認を行う機能を備えている。
【0038】
本発明の画像処理装置は、さらに、外部機器PC1,PC2…から送られてくる画像データを受信可能な画像データ通信手段である通信部10を具備し、利用者確認手段が、通信部10により画像データを受信する際に、外部機器PC1,PC2…から画像データの出力処理を指示する利用者の確認を行う機能を備えている。
【0039】
本発明の画像処理装置は、さらに、利用者毎に画像データを無効化する条件を登録しておく画像データ無効化条件登録手段を具備している。
【0040】
本発明の画像処理装置は、さらに、画像読み取り部2及び通信部10を介して外部機器PC1,PC2…から入力された画像データを記憶する画像データ記憶手段を具備し、画像データ無効化条件設定手段が、画像データ記憶手段に記憶されている画像データを繰り返し無効化する回数を設定する機能を備えている。
【0041】
本発明の画像処理装置は、画像データ記憶手段が、磁気記録型の記憶装置である。
【0042】
本発明の画像処理装置は、さらに、画像データ無効化条件設定手段により設定された画像データの無効化の条件を表示する画像データ無効化条件表示手段を具備している。
【0043】
本発明の画像処理装置は、さらに、画像データ無効化条件設定手段により設定された画像データの無効化の条件を一時的に変更する画像データ無効化条件変更手段を具備している。
【0044】
本発明の画像処理装置は、コピー,ファックス,プリンタの何れかである。
【0045】
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態であるデジタル複合機の概略構成を示す説明図である。
本発明の画像処理装置となるデジタル複合機1は、図1に示すように、画像データを入力する画像データ入力手段である画像読み取り部2と、外部機器PC1,PC2…との画像データの通信を行う画像データ通信手段である通信部10と、画像読み取り部2及び通信部10を介して外部機器PC1,PC2…から入力された画像データを記憶する画像データ記憶手段であるハードディスク12と、ハードディスク12に記憶されている画像データを処理する画像データ処理手段である画像形成部6と、ハードディスク12に記憶されている画像データを無効化する画像データ無効化手段13とを具備している。
【0046】
本発明のデジタル複合機1は、画像データ無効化手段13が、画像読み取り部2、あるいは、通信部10を介して外部機器PC1,PC2…から入力される画像データの無効化条件に基づいてハードディスク12に記憶されている不要となった画像データを無効化する機能を備えている。
【0047】
本発明の一実施形態に係るデジタル複合機1は、図1に示すように、画像読み取り部2、操作部4、画像形成部6、機器制御部8、通信部10、ハードディスク(HD)12、画像データ無効化手段13、及び管理部14を備えている。
【0048】
画像読み取り部2は、図1に示すように、例えば、画像読み取り装置としてのCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)2aを備えており、画像データを入力する画像データ入力手段として働く。
【0049】
操作部4は、図1に示すように、各種入力キーなどを備えた入力部4aとLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)などの画像データ無効化条件表示手段を備えた表示部4bとを有しており、装置の操作や条件を入力したり、条件などを表示すると共に、画像データ記憶手段であるハードディスク12に記憶されている画像データの無効化条件を設定する画像データ無効化条件設定手段として働く。
【0050】
また、入力部4aには、装置の利用者の確認を行う利用者確認手段としての入力手段が配置されている。
装置の利用者を確認する方法としては、利用者コードの直接入力、IDカードの情報読み取り、利用者の生体情報(指紋などの)読み取りなど様々である。
そして、上記の何れかの方法により、装置の利用者の確認が行えるようになっている。
【0051】
画像形成部6は、図1に示すように、揮発性メモリ6aとLSU(LaserScanning Unit;レーザ走査ユニット)などの印字部6bとを有しており、画像データ記憶手段であるハードディスク12に記憶されている画像デ
ータを処理(出力)する画像データ処理(出力)手段として働く。
【0052】
機器制御部8、画像データ無効化手段13、及び管理部14は、オプション設定されたプログラムによってハードディスク12に記憶されている画像データを無効にする(消去する)機能を備え、データ処理の完了などにより不要となった画像データを無効化(消去、上書きなど)している。
【0053】
さらに、機器制御部8及び画像データ無効化手段13は、オプション設定されたプログラムによって無効化(消去)対象となる画像データに対して、画像データ無効化手段13による消去作業を複数回行う(繰り返し行う)働きを有している。
【0054】
通信部10は、外部ネットワークとの間の通信を制御すると共に、ネットワーク15上に接続された外部機器PC1,PC2…との画像データの通信を行う画像データ通信手段として働く。
【0055】
ハードディスク12は、各入力手段(入力経路:デジタル複合機1として搭載された各モード、例えば、スキャナ、ファックス、ネットワークなど)から入力された画像データを記憶する画像データ記憶手段として働く。
画像データ記憶手段は、磁気記憶媒体を備えた記憶装置として構成することで、大量の画像データ(データ容量、ページ数)を蓄積して順次処理していくことが可能となり、複数の利用者からの指示を効率良く処理することができる。
【0056】
管理部14は、装置全体をコントロールする情報の管理と共に、利用者に関する情報や不要となった画像データの消去処理などの管理を行う。
【0057】
(コピーモード)
本実施形態に係るデジタル複合機1を複写機として利用する場合には、画像読み取り部2にて読み取られた原稿の画像データが、画像形成部6から複写物として出力される。
【0058】
画像読み取り部2には、図1に示すように、CCD2aが備えられており、読み取り位置にセットされた原稿の画像を電子的に読み取ることができる。
【0059】
そして、読み取られた原稿の画像データは、揮発性メモリ6a上に出力画像として完成され、一旦ハードディスク12へ記憶される。
原稿が複数ある場合は、この読み取り、記憶の動作が繰り返される。
【0060】
その後、操作部4から指示された処理モードに基づいて、ハードディスク12に記憶された画像データが適切なタイミングで順次読み出されて揮発性メモリ6aに送られる。
【0061】
そして、印刷部6bへの書き込みタイミングに合わせて画像データが揮発性メモリ6aから印字部6bへと転送される。
【0062】
また、読み取った画像データを複数枚印字する場合も、同様に出力画像としてページ単位でハードディスク12へ記憶され、出力するモードに合わせてハードディスク12から揮発性メモリ6aに送られ、出力枚数の分だけ繰り返し印字部6bへの書き込みタイミングに合わせて印字部6bへ転送される。
【0063】
(プリンタモード)
次に、本実施形態に係るデジタル複合機1をプリンタとして利用する場合には、通信部10にて受信した画像データが揮発性メモリ6aなどを介して画像形成部6から出力される。
【0064】
通信部10は、図1に示すように、通信ケーブルなどによりネットワーク15と接続されており、ネットワーク15上に接続されたパーソナルコンピュー(PC;Personal Computer)などの外部機器PC1,PC2…から画像データを受信するようになっている。
【0065】
通信部10にて受信された画像データは、出力する画像データとしてページ単位に揮発性メモリ6aに送られ、一旦ハードディスク12へ記憶される。
【0066】
そして、画像データは、再びハードディスク12から揮発性メモリ6aに送られ、複写機として利用する場合と同様にして印字部6bへと転送される。
【0067】
(スキャナモード)
また、本実施形態に係るデジタル複合機1をネットワークスキャナとして利用する場合には、画像読み取り部2において読み取られた原稿の画像データを、通信部10からネットワーク15を介して任意のパーソナルコンピュータなどの外部機器PC1,PC2…へ送信することができる。
ここでも、画像読み取り部2に備えられたCCD2aにより原稿の画像を電子的に読み取る。
【0068】
そして、読み取られた原稿の画像データは、揮発性メモリ6a上に出力画像として完成され、一旦ハードディスク12へ記憶される。
そして、再びハードディスク12から揮発性メモリ6aに送られ、操作部4を介して指示された送信先との通信を確立させた上で通信部10から目的の送信先へと送信される。
【0069】
(ファクシミリモード)
さらに、通信部10は、ネットワーク15以外に電話回線(図示せず)と接続されており、本実施形態に係るデジタル複合機1をファクシミリ装置として利用する場合にも同様の動作が行われ、外部通信装置との原稿画像の送信及び受信が可能である。
【0070】
以上が、デジタル複合機1が搭載している画像処理モードに関する簡単な動作の説明であり、各モードにおいてハードディスク12に記憶された画像データは、各モードにおける画像データの処理が完了して不要となった段階で、画像データ無効化手段13により無効化(消去、上書き)される。
これにより、ハードディスク12からの画像データの再現が困難な状態となる。
【0071】
なお、ここでは、画像データを一時的に保存する記憶装置としてのハードディスク12を備えたデジタル複合機1として説明しているが、これに限らず、装置本体から取り外されても保存された画像データを保持することができる不揮発性のメモリや、バックアップ機能の付いたメモリ、磁気記憶媒体を用いたその他の記憶装置(媒体)などを備えている場合についても同様に適用することが可能である。
【0072】
また、本実施形態に係るデジタル複合機1の各構成部は、機器制御部8により制御され、操作部4に設けられたタブレット,キー群などの入力部4aからの操作指示を監視すると共に、表示部4bを介してデジタル複合機1の状態に関する情報などの利用者に通知すべき情報を的確に案内表示する。
【0073】
また、管理部14には、機器制御部8により管理されている各構成部に関する情報が管理されており、これら情報をもとに、機器制御部8がデジタル複合機1全体の動作を制御する。
【0074】
(画像データ無効化手段)
本発明のデジタル複合機1は、図1に示すように、画像データを入力する画像読み取り部2と、外部機器PC1,PC2…との画像データの通信を行う通信部10と、画像読み取り部2及び通信部10を介して外部機器PC1,PC2…から入力された画像データを記憶するハードディスク12と、ハードディスク12に記憶されている画像データを処理する画像形成部6と、ハードディスク12に記憶されている画像データを、利用者に応じて設定された無効化条件で無効化する画像データ無効化手段13とを具備している。
【0075】
本発明のデジタル複合機1は、画像データ無効化手段13が、操作部4から利用者に関する情報を確認する機能と、通信部10を介して外部機器PC1,PC2…から画像データとPCの利用者情報(IPアドレス情報など)を受け付ける機能と、確認された利用者の情報から処理する画像データの無効化条件を設定する機能と、設定された無効化条件によりハードディスク12に記憶されている不要となった(処理完了後の)画像データを無効化する機能とを備えている。
【0076】
本発明のデジタル複合機1は、ハードディスク12が、磁気記憶媒体を備えた記憶装置である。
【0077】
本発明のデジタル複合機1は、画像データの無効化の条件として、不要となった無効化対象の画像データの記憶領域に対して消去もしくは上書きする処理を繰り返し行う回数が設定されている。
【0078】
次に、図2に基づいて、入力部4a、表示部4bから構成される操作部4の構成を詳細に説明する。
図2は、操作部4を詳細に示す説明図である。
操作部4は、図1でも説明したように、入力部4a及び表示部4bを備えており、操作部4は図2に示すような操作パネル40からなる。
【0079】
操作パネル40には、図2に示すように、液晶パネル41、「スタート」キー16、「オールクリア」キー17、「クリア」キー18、「テン」キー22、「プリンタ」キー23a、「ファックス/イメージ送信」キー23b、「コピー」キー23c、「ジョブ状況」キー25、「ユーザー設定」キー24などが配置されている。
【0080】
表示部4bは、ドットマトリックスタイプの液晶パネル41により構成されており、本実施形態に係るデジタル複合機1として利用者に対して報知すべき情報を詳細に案内表示できるようになっている。
【0081】
また、この液晶パネル41の画面上には透明なタッチパネル(透明タブレット)が設けられており、液晶パネル41上に表示される情報に従ってタッチパネルを操作すると、その情報がシステムに指示情報として入力される入力部4aの一部としても機能する。
【0082】
入力部4aには、他に、液晶パネル41に隣接して配置されたキー群(図2中右側)があり、コピースタートを指示するための「スタート」キー16、実行中の処理を中断させるための「オールクリア」キー17、指示したモードの内容をクリアするための「クリア」キー18、コピー枚数などを指示するための「テン」キー22、モード毎の切り換えキーとなる「プリンタ」キー23a、「ファックス/イメージ送信」キー23b、「コピー」キー23c、ジョブ(予約ジョブ)の状況を確認するための「ジョブ状況」キー25、「ユーザー設定」キー24などが含まれる。
【0083】
なお、装置の利用者を確認する利用者確認手段としては、入力部4aの「スタート」キー16に内蔵されたスキャン(読み取り)装置が、セットした原稿に対する処理の開始を指示した利用者の指紋を読み取り、この読み取られた指紋の結果から利用者を確認する。
そして、管理部14に管理されている利用者における画像データの無効化の条件を読み出して画像データ無効化手段13による画像データの無効化を行う。
データの無効化を行う。
【0084】
次に、本実施形態に係るデジタル複合機1に搭載されるセキュリティシステムについて説明する。
簡単な処理の流れとしては、装置として処理する画像データをハードディスク12に一旦記憶する。
【0085】
その後、記憶した画像データの処理も完了して不要となった段階でハードディスク12上から画像データを消去する(無効にする)。
この時、利用者のセキュリティレベルに応じた回数だけ消去処理を繰り返して記憶された画像データを消去(無効に)する。
【0086】
なお、ここからの説明では、原稿の画像データを読み取って、プリンタから記録物として出力するコピー動作として説明するが、先にも説明したように本実施形態に係るデジタル複合機1をプリンタとして用いる場合や、スキャナとして読み取った画像データを送信するファクシミリやネットワークスキャナなどの送信装置として用いる場合も同様の処理が行われる。
【0087】
図3から図13は、図2の表示部4bの液晶パネル41に表示される画面を切り出したものであり、ハードディスク12に対して一時的に記憶された画像データを消去する「画像データ消去処理機能」を有効にして、ハードディスク12上から不要となった画像データをセキュリティレベルに応じて消去する(無効にする)各処理過程における表示部4bの表示遷移状況を示す説明図である。
【0088】
また、図14は、電源投入からウォームアップを開始してデジタル複合機1として動作可能な状態で待機するまでの間に、ハードディスク12上の画像データを消去する一連の処理手順を示すフローチャート、さらに、図15及び図16は、本実施形態に係るデジタル複合機1においてコピー動作を行い、その後、ハードディスク12上の画像データを消去する一連の処理の手順を示すフローチャートである。
【0089】
図3は、まだデジタル複合機1に搭載された「画像データ消去処理機能」が有効となっていない状況での液晶パネル41の表示画面(基本画面)41aであり、本実施形態に係るデジタル複合機1として「画像データ消去処理機能」は機能的に装置内に予め搭載されてはいるが、本機能は当初動作していないように設定されている。
【0090】
そして、設置先における文書データなどに対するセキュリティの必要性からプロダクトキーの入力設定を行うことで「画像データ消去処理機能」の動作が可能となる。
【0091】
なお、この予め搭載されている機能をプロダクトキーでもって選択的に有効として、以降、利用可能とする点については、当社の出願(特開2001−309099号公報)に記載されている通りである。
【0092】
図4は、このプロダクトキーの入力により「画像データ消去処理機能」が有効になっていることが利用者に分かるように、液晶パネル41の表示画面41aの左下に「画像データ消去処理機能」が動作可能な状況であることを表すアイコン42を表示させた状態の図である。
【0093】
そして、「画像データ消去処理機能」が動作していない時(装置が待機している時)に、図4に示す液晶パネル41の表示画面41aの左下のアイコン42部分が指で押圧(タッチ)されると、液晶パネル41の表示画面41aが図5に示すように遷移する。
【0094】
そして、ここでは、図5に示すように、液晶パネル41の表示画面41aの略中央にセキュリティキットに関する本機能のバージョン情報などがウインドウ表示される。
【0095】
なお、「画像データ消去処理機能」は、「データセキュリティキット」としてデジタル複合機1上でオプション扱いされており、ウインドウ表示中に「データセキュリティキット」として案内表示されている。
これにより、「データセキュリティキット」及び「画像データ消去処理機能」の内容、バージョン、動作状況などが確認できる。
【0096】
また、ジョブの終了、ジョブのクリアなどにより「画像データ消去処理機能」が動作している時(ハードディスク12上のデータを消去している時)は、図6に示すように、液晶パネル41の表示画面41aの略中央に、現在データを消去する処理を行っていることがウインドウ表示される。
液晶パネル41の表示画面41aの略中央に表示されたウインドウ43は、画像データ無効化条件設定手段により設定された画像データの無効化の条件を一時的に変更する画像データ無効化条件変更手段として働く。
【0097】
そして、この時、液晶パネル41の表示画面41aの左下のアイコン42部分が指で押圧(タッチ)されると、液晶パネル41の表示画面41aは図7へと遷移する。
ここでは、図7に示すように、液晶パネル41の表示画面41aの略中央に、「画像データ消去処理機能」によるハードディスク12上における画像データの消去処理が行われていること、及び、その進行状況がレベル表示されている。
これにより、「画像データ消去処理機能」による画像データの消去処理の動作状況を確認できる。
【0098】
さらに、図6及び図7に示す液晶パネル41の表示画面41aにおいて、データ消去中を表すウインドウ43の右端には、利用者に適した画像データの消去回数が表示されている。
この消去回数は、予め管理部14に登録されているものであり、この設定された回数に応じて不要となった画像データの無効化を行う。
もしここで、利用者の条件が確認できない場合は、装置として標準的に設定されている無効化の条件に基づいて処理されることとなる。
【0099】
そして、設定された画像データの無効化の条件(回数)が表示され、不要となった画像データの無効化処理が開始されるが、その無効化されている画像データの機密レベルに応じて画像データの無効化(消去、上書き)回数を増減したり、画像データの無効化自身をキャンセル(取りやめ)したりすることもできる。
【0100】
さらにまた、「画像データ消去処理機能」によりハードディスク12上における画像データの消去が行われている時は、アイコンを点滅させるなどの通常の表示とは異なる形態で表示することで、ひと目で画像データの消去処理が動作中であることが分かるようにしても効果的である。
【0101】
次に、図8は、設置先における文書データなどに対するセキュリティレベルの違いから「画像データ消去処理機能」がハードディスク12に作用して、ハードディスク12上に記憶された画像データを消去する(無効にする)回数を任意に設定する場合、さらに、ハードディスク12上に記憶されている画像データを強制的に消去する(無効にする)ように「画像データ消去処理機能」を開始させるための操作指示を行うなどの液晶パネル41の詳細設定表示画面(セキュリティ設定画面)44である。
【0102】
このセキュリティ設定画面44を用いて設置先におけるセキュリティレベルに適した消去回数を設定しておくことで、画像データが不要となった段階で繰り返し画像データを消去することとなり、設置先におけるセキュリティレベルを維持できると共に、セキュリティレベルの向上による装置としての画像データに対する処理レベルの低下を必要最小限に抑えることができる。
【0103】
また、任意のタイミングでハードディスク12上に記憶された画像データを消去する(無効にする)ことができるので、重要な文書データを処理した場合などに有効である。
【0104】
以下に、各モードについて簡単に操作説明を行う。
(全データエリア消去モード)
図8に示す液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の左上に表示された「全データエリア消去」キー44a部分が指で押圧(タッチ)されると、その時点で、ハードディスク12上に書き込まれている(残っている)画像データを全
て消去(無効に)する。
【0105】
この時、確認のために液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の略中央に確認ウインドウが一旦表示され(図9)、図9に示す「消去する」キー45の操作指示があれば、ハードディスク12上の画像データの消去処理が開始される。
【0106】
図10は、ハードディスク12上におけるデータ消去作業の進行状況を液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の略中央にレベル表示したものである。
この時点で、液晶パネル41のセキュリティ設定画面44は図10へと遷移して、ハードディスク12上におけるデータ消去作業の進行状況をウインドウ画面によりレベル表示する。
【0107】
また、液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の「全データエリア消去」キー44aの右側には、図8に示すように、この「全データエリア消去」を繰り返し実行する回数を、例えば、1から7の間で任意に設定ができるように「全データエリア消去回数」キー44bが表示されている。
【0108】
この液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の「全データエリア消去回数」キー44bの横には設定された回数が合わせて表示されている。(デフォルト設定値は「1」である。)
【0109】
この液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の「全データエリア消去回数」キー44b部分が指で押圧(タッチ)されると、液晶パネル41のセキュリティ設定画面44が図11に示す「全データエリア消去回数」設定画面46へと遷移して、例えば、1から7の間で液晶パネル41の「全データエリア消去回数」設定画面46の「アップ」キー46a部分または「ダウン」キー46b部分を操作することで任意に消去回数が設定される。
【0110】
(電源投入時の自動データ消去モード)
図8に示す液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の中段に表示された「電源投入時の自動消去」キー44c部分が指で押圧(タッチ)されると、キー部分にチェック「レ」が入り、デジタル複合機1の電源が投入される毎に、ハードディスク12上の画像データを消去する自動データ消去モードが設定できる。
【0111】
また、液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の「電源投入時の自動消去」キー44cの右側には、図8に示すように、この「電源投入時の自動消去」を選択した段階で繰り返し実行する回数を、例えば、1から7の間で設定ができるように「電源投入時の自動消去回数」キー44dが表示されている。
【0112】
この液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の「電源投入時の自動消去回数」キー44dの横には設定された回数が合わせて表示されている。(デフォルトの設定状態は、電源投入時の自動消去モードも設定はされておらず、回数も「0」であるが、左側の電源投入時の自動消去モードが選択されると、回数「1」が設定される。)
【0113】
この液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の「電源投入時の自動消去回数」キー44d部分が指で押圧(タッチ)されると、液晶パネル41のセキュリティ設定画面44が図11に示す「全データエリア消去回数」設定画面46へと遷移して、液晶パネル41に「全データエリア消去回数」設定画面46が表示され、例えば、1から7の間で液晶パネル41の「全データエリア消去回数」設定画面46の「アップ」キー46a部分または「ダウン」キー46b部分を操作することで任意に消去回数を設定する。
【0114】
(各処理モードにおけるジョブ終了時の自動データ消去モード)
図8に示す液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の下段に表示された「モード毎の自動消去回数設定」キー44e部分が指で押圧(タッチ)されると、デジタル複合機1に搭載された各種処理モードにおいて処理を行うジョブが完了する毎に、その完了したジョブに関するデータを、ハードディスク12上から消去する動作の回数を各種処理モード毎に設定することができる。
【0115】
この液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の「モード毎の自動消去回数設定」キー44e部分が指で押圧(タッチ)されると、液晶パネル41のセキュリティ設定画面44が図12に示す「モード毎の自動消去回数」設定画面47へと遷移して、液晶パネル41に「モード毎の自動消去回数」設定画面47が表示され、現在の各処理モード毎の消去回数の設定状況が確認できるので、消去回数の設定変更を希望する処理モードのキーを操作して消去回数設定画面を表示させる。
【0116】
また、液晶パネル41の「モード毎の自動消去回数」設定画面47の「コピーモード」キー47a、「プリントモード」キー47b、「FAXモード」キー47c、「スキャナモード」キー47dの下には、図12に示すように、各処理モードにおけるジョブ終了時の自動データ消去モードを繰り返し実行する設定された回数が合わせて表示されている。(デフォルト設定値は「1」である。)
【0117】
この液晶パネル41の「モード毎の自動消去回数」設定画面47の「コピーモード」キー47a部分が指で押圧(タッチ)されると、液晶パネル41の「モード毎の自動消去回数」設定画面47が図13に示す「コピーデータの消去回数」設定画面48に遷移して、液晶パネル41に「コピーデータの消去回数」設定画面48が表示され、例えば、1から7の間で液晶パネル41の「コピーデータの消去回数」設定画面48の「アップ」キー48a部分または「ダウン」キー48b部分を操作することで任意に消去回数が設定される。
【0118】
なお、この各ジョブ終了時の自動データ消去モードに限っては、先に説明したプロダクトキーの入力設定によりセキュリティキット(「画像データ消去処理」)の動作が許可された段階で動作するものとしているが、これに限られるものではなく、初期段階から動作するように設定されている場合もある。
【0119】
以上、説明したように、セキュリティの必要性から「データセキュリティキット」の購入により、「画像データ消去機能」の動作が可能な環境が整った上で、設置先におけるセキュリティのレベル、また、設置先において取り扱われる各種原稿画像のセキュリティレベルに応じた「画像データ消去機能」の作用回数が設定される。
また、必要に応じてハードディスク12上のデータの消去開始が指示できる。
【0120】
(利用者別の画像データ無効化条件設定について)
上記説明は、装置として画像データを無効化する標準の条件を設定するものである。
これに対して、利用者毎に画像データの無効化条件も設定できるようになっている。
【0121】
そして、利用者毎の画像データの無効化条件は、管理部14に管理(保存)され、利用者を確認する際に、この管理部14に管理(保存)されている情報を確認して、画像データを無効化する条件が登録されていれば、その画像データ無効化条件をセットして、画像データが不要となった段階で、画像データの無効化処理を行うようになっている。
【0122】
利用者毎の画像データの無効化条件の登録の方法としては、管理部14に未登録の利用者が操作した場合、指紋登録を行うかの確認画面を表示する。
指紋登録を行う場合、管理部14に指紋データと画像データ無効化条件を記録する。
【0123】
また、あらかじめ、図8に示す液晶パネル41のセキュリティ設定画面44の下段に表示された画像データ無効化条件登録手段となる「セキュアユーザーの登録」キー44f部分を指で押圧(タッチ)することにより、同様に指紋登録及び画像データ無効化条件の設定の変更を行うことができる。
【0124】
次に、図14,図15及び図16に示すフローチャートに従ってコピーモード時の処理の流れを例にとって説明する。
図14において、デジタル複合機1の電源が投入(ON)されると、まず最初に、装置を構成する各機器を機器制御部8がチェックする(ステップS101)。
【0125】
そのチェックの結果、問題がなければ(ステップS102“Y")、所定の動作可能状態となるようにウォームアップを開始する(ステップS103)。
【0126】
一方、異常(不備)が確認されると(ステップS102“N")、表示画面上に異常(不備)が確認されたこと、及び確認を求めることのウインドウ表示を行うなどのエラー処理を行う(ステップS104)。
【0127】
次に、特に問題もなくウォームアップを行っている中で、電源投入時にハードディスク12を初期化する「電源投入時の自動消去モード」が設定されているか確認を行い(ステップS105)、モードが設定されていれば、ハードディスク12の初期化を開始する(ステップS106)と共に、表示画面上に初期化作業の進行状況をウインドウ表示する(ステップS107)。
【0128】
この時、図8及び図11に示す液晶パネル41の設定画面により予め設定された消去回数分、ハードディスク12のデータ消去による初期化を繰り返すこととなる(ステップS108)。
【0129】
以上の処理が完了すると、操作パネル40の液晶パネル41の表示画面41aは、図4に示す基本画面の表示状態となり、ウォームアップの完了確認をもって(ステップS109)、ジョブ指示待機状態となる(ステップS110)。
【0130】
この状態(待機中)で、原稿がデジタル複合機1の画像読み取り部2のセット位置に載置され、その原稿に対するコピーモードの設定が行われた上で、操作パネル40のコピースタートを指示する「スタート」キー16がオンされると(ステップS111)、利用者の個人情報を確認して(ここでは、「スタート」キー16による指紋走査を行い)、利用者を確認する(ステップS112)。
【0131】
そして、管理部14に管理(保存)されている利用者の個人情報を確認して(ステップS113)、管理部14に利用者の個人情報が登録されていれば(ステップS113“Y")、その画像データ無効化条件をセットする(ステップS116)。
【0132】
管理部14に利用者の個人情報が登録されていない場合は(ステップS113“N")、利用者の新規登録と画像データ無効化条件の設定を行うか確認する(ステップS114)。
【0133】
利用者の新規登録と画像データ無効化条件の設定を行う場合は(ステップS114“Y")、管理部14に利用者の個人情報の蓄積を行い(ステップS115)、続いて、画像データ無効化条件をセットする(ステップS116)。
【0134】
利用者の新規登録と画像データ無効化条件の設定を行わない場合は(ステップS114“N")、装置の標準の画像データ無効化条件をセットする(ステップS117)。
【0135】
原稿が画像読み取り部2のCCD2aにより電子的に走査され、原稿は画像データとして揮発性メモリ6a上にページ単位で生成される(ステップS118)。
【0136】
そして、画像データは一旦揮発性メモリ6a上からハードディスク12上に蓄積されると共に、ハードディスク12に記憶された画像データに関する管理情報(FATデータなど)は管理部14に管理される(ステップS119)。
【0137】
次に、ハードディスク12に記憶された画像データは、記録のタイミングに合わせて再び揮発性メモリ6a上にプリントデータとして読み出され(ステップS120)、プリンタとのタイミングを取って印字部6bのLSU(レーザ走査ユニット)にデータ転送され、プリントアウトされる(ステップS121)。
【0138】
そして、プリンタにより画像データがプリントアウトされたことが確認された段階で、FATデータなどの管理データは処理完了として更新される(ステップS122)と共に、一連のプリント処理が完了すると、この一連のプリント処理に使用された画像データの記憶領域に対してハードディスク12上における画像データの消去処理が実行され(ステップS123)、次いで、画像データの消去回数を1つ増加させる(ステップS124)。
【0139】
この時、利用者毎、あるいは利用者の個人情報が確認できなかった場合には、標準の画像データ無効化条件として、図8,図12及び図13に示す液晶パネル41の設定画面により、予め設定されたコピーモードにおける消去回数分、ハードディスク12のデータ消去による初期化を繰り返すこととなる(ステップS125)。
【0140】
このハードディスク12のデータ消去による初期化を図12の設定画面において予め設定されている回数分繰り返し行っている時に、図6或いは図7のウインドウ43上に表示された「ダウン」キー43aが操作されると(ステップS126)、設定回数を一回の操作毎に1つ減少される(ステップS127)。
【0141】
また、図6或いは図7のウインドウ43上に表示された「アップ」キー43bが操作されると(ステップS128)、設定回数を一回の操作毎に1つ増加させる(ステップS129)。
【0142】
さらに、図6或いは図7のウインドウ43上に表示された「キャンセル」キー43cが操作されると(ステップS130)、現在行われているデータの消去処理を中断、もしくは途中まで行っている消去工程の終了をもって完了として、消去処理を終わって待機することとなる(ステップS131)。
【0143】
(プリンタモード)
次に、プリントジョブの指示を行う場合を例にして、図17を提示して簡単に説明する。
図17は、プリントジョブの指示を行う外部機器のディスプレイに表示される設定画面(プリントドライバ画面)を示す説明図である。
パーソナルコンピュータなどの外部機器PC1,PC2…のディスプレイ60の表示画面60aには、図17に示すように、設定画面(プリントドライバ画面)61がWINDOW表示され、通常であれば、そのまま「OK」キー64をクリックしてプリント指示を行う。
【0144】
設定画面(プリントドライバ画面)61からプリントジョブの開始指示が行われると、プリント指示を行った外部機器(PC1,PC2…)を特定するためのIPアドレス情報、プリント条件情報などと共に、プリンタに対してプリントデータが出力される。
【0145】
この時、プリントデータの機密レベルに応じて、プリント完了後の画像データの無効化条件を任意に変更することも可能である。
そこで、外部機器PC1,PC2…のディスプレイ60の設定画面(プリントドライバ画面)61上にある「消去回数設定」の項目のところのチェックボックス63にチェック「レ」を入れた上で、外部機器PC1,PC2…のディスプレイ60の設定画面(プリントドライバ画面)61上の「消去回数」の項目の横にある「▲」ボタン62aまたは「▼」ボタン62bをクリックして画像データの消去回数を任意に設定することにより、画像データの消去回数の設定が完了する。
この場合は、IPアドレス情報から確認される画像データの無効化条件よりも、新たに設定された画像データの無効化条件の方が優先されることとなる。
【0146】
また、プリントジョブを開始指示した後でも、外部機器PC1,PC2…のディスプレイ60の表示画面60a上に、図6あるいは図7のような、ウインドウを表示させ、処理が完了した画像データの無効化処理中に任意に無効化の条件を変更させることも可能である。
【0147】
図18及び図19は、プリントモード時の処理の流れを説明するフローチャートである。
まず、ネットワーク15上に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部機器PC1,PC2…のディスプレイ60の表示画面60aにWINDOW表示された設定画面(プリントドライバ画面)61上で画像データのプリント条件/消去条件の指示の設定を行う(ステップS131)。
【0148】
次いで、外部機器PC1,PC2…のディスプレイ60の表示画面60aにWINDOW表示された設定画面(プリントドライバ画面)61上でプリントの実行指示(「OK」キー64をクリック)すると(ステップS132“Y")、外部機器PC1,PC2…のIPアドレスが管理部14に管理(保存)されているか認証される(ステップS133)。
【0149】
続いて、プリントデータ及び消去条件に関するデータがネットワーク15上に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部機器PC1,PC2…からデジタル複合機1に対して転送される(ステップS134)。
【0150】
そして、プリントアウトの準備が行われ(ステップS135)、出力処理可能な条件でもって、指示されたプリントジョブを処理する(ステップS136)。
【0151】
ここで、指示されたプリントジョブの処理が完了すると(ステップS137)、外部機器PC1,PC2…からの画像データの消去条件の指示が設定されていれば(ステップS138“Y")、外部機器PC1,PC2…にて設定された消去条件により画像データの消去を行う(ステップS139)。
【0152】
また、外部機器PC1,PC2…からの画像データの消去条件の指示が設定されていなければ(ステップS138“N")、管理部14に外部機器PC1,PC2…のIPアドレスで利用者の個人情報が管理(保存)されているか確認する(ステップS140)。
【0153】
管理部14に利用者の個人情報が管理(保存)されている場合(ステップS140“Y")、その利用者の個人情報に従って消去条件を設定し(ステップS141)、次いで、設定された消去条件により画像データの消去を行う(ステップS139)。
【0154】
管理部14に利用者の個人情報が管理(保存)されていない場合(ステップステップS140“N")、デジタル複合機1として予め設定されている標準の消去条件を設定し(ステップS142)、次いで、設定された標準の消去条件により画像データの消去を行う(ステップS139)。
【0155】
また、外部機器PC1,PC2…のディスプレイ60の表示画面60aにWINDOW表示された設定画面(プリントドライバ画面)61上でプリントの実行指示(「OK」キー64をクリック)しない場合(ステップS132“N")、外部機器PC1,PC2…のディスプレイ60の表示画面60aにWINDOW表示された設定画面(プリントドライバ画面)61上で(図示しない「キャンセル」キーをクリック)すると(ステップS143)、画像データのプリント条件/消去条件の指示の設定をキャンセルする。
【0156】
最後に、データ消去処理について簡単に説明しておくと、処理の完了、中断などにより不要となった消去対象の画像データが記憶されている記憶領域に対して、画像データを無効化することにより処理が完了する。
【0157】
画像データの無効化の方法としては、画像データをフォーマット(クリア)する、白の画像データを上書きする、乱数発生させた不特定のパターン画像を上書きするなどの方法が考えられる。
【0158】
また、磁気記録によるハードディスク装置においては、残留磁界から過去のデータが判別できないようにするために、繰り返しその作業を行うことが推奨されている。
【0159】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、画像データの処理を依頼する段階で、利用者のセキュリティレベルに応じた無効化条件を設定し、画像データ記憶手段に記憶されている不要となった画像データを利用者のレベルに応じて確実に無効化することが可能な画像処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施形態であるデジタル複合機の概略構成を示す説明図。
【図2】本発明に係る画像処理装置の操作部の構成を詳細に示す説明図。
【図3】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(通常状態)。
【図4】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(「画像データ消去処理」が動作可能な状況であることを表すアイコンを表示させた状態)。
【図5】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(バージョン情報表示画面)。
【図6】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(「画像データ消去処理」動作画面)。
【図7】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(「画像データ消去処理」動作状況確認画面)。
【図8】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(セキュリティ設定表示画面)。
【図9】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(消去確認画面)。
【図10】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(データ消去作業進行状況表示画面)。
【図11】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(「全データエリア消去回数」設定画面)。
【図12】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(モード毎の自動消去回数の確認及び設定するモードの選択画面)。
【図13】図2の液晶パネルに表示される画面の説明図(選択されたモードの自動消去回数を設定する画面)。
【図14】コピーモード時の処理の流れを説明するフローチャート(その1)。
【図15】コピーモード時の処理の流れを説明するフローチャート(その2)。
【図16】図15に続くフローチャート。
【図17】プリントジョブの指示を行う外部機器のディスプレイに表示される設定画面(プリントドライバ画面)を示す説明図。
【図18】プリントモード時の処理の流れを説明するフローチャート。
【図19】図18に続くフローチャート。
【符号の説明】
1 デジタル複合機(画像処理装置)
2 画像読み取り部(画像データ入力手段)
2a CCD
4 操作部(画像データ無効化条件設定手段)
4a 入力部(利用者確認手段)
4b 表示部
6 画像形成部(画像データ処理手段)
6a 揮発性メモリ
6b 印字部
8 機器制御部
10 通信部(画像データ通信手段)
12 ハードディスク(画像データ記憶手段)
13 画像データ無効化手段
14 管理部
15 ネットワーク
16 「スタート」キー
17 「オールクリア」キー
18 「クリア」キー
22 「テン」キー
23a 「プリンタ」キー
23b 「ファックス/イメージ送信」キー
23c 「コピー」キー
24 「ユーザー設定」キー
25 「ジョブ状況」キー
40 操作パネル
41 液晶パネル(画像データ無効化条件表示手段)
41a 表示画面(基本画面)
42 アイコン
43 ウインドウ(画像データ無効化条件変更手段)
43a 「ダウン」キー
43b 「アップ」キー
43c 「キャンセル」キー
44 詳細設定表示画面(セキュリティ設定画面)
44a 「全データエリア消去」キー
44b 「全データエリア消去回数」キー
44c 「電源投入時の自動消去」キー
44d 「電源投入時の自動消去回数」キー
44e 「モード毎の自動消去回数設定」キー
44f 「セキュアユーザーの登録」キー(画像データ無効化条件登録手段)
45 「消去する」キー
46 「全データエリア消去回数」設定画面
46a 「アップ」キー
46b 「ダウン」キー
47 「モード毎の自動消去回数」設定画面
47a 「コピーモード」キー
47b 「プリントモード」キー
47c 「FAXモード」キー
47d 「スキャナモード」キー
48 「コピーデータの消去回数」設定画面
48a 「アップ」キー
48b 「ダウン」キー
60 ディスプレイ
60a 表示画面
61 設定画面(プリントドライバ画面)
62a 「▲」ボタン
62b 「▼」ボタン
63 チェックボックス
64 「OK」キー
PC1,PC2 外部機器

Claims (1)

  1. 入力された画像データを一時的に記憶して処理する画像処理装置であって、
    入力された画像データを記憶する磁気記録型の画像データ記憶手段と、
    該画像データ記憶手段に記憶されている前記画像データを出力処理する画像データ処理手段と、
    前記画像データ記憶手段に記憶されている前記画像データの出力処理が完了した際に、該画像データに対して所定の画像データを上書きすることにより前記画像データを無効化する画像データ無効化手段と、
    画像データを入力する装置の利用者を確認する利用者確認手段と、
    前記利用者確認手段で確認された利用者に応じて前記画像データ無効化手段による前記画像データ記憶手段に記憶されている画像データに対する上書き回数を設定する画像データ上書き回数設定手段と、
    前記画像データ処理手段による画像データの処理が完了して不要となったときに、前記画像データ上書き回数設定手段により設定された上書き回数に基づき前記画像データ無効化手段を動作させる制御手段とを具備したことを特徴とする画像処理装置。
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